JP5513936B2 - 口腔内崩壊製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔内で速やかに崩壊する口腔内崩壊製剤に関するものである。ここで言う製剤は、錠剤と同様の機能を持った経口製剤であり、「速やかに崩壊する」とは、口中で通常1分、好ましくは30秒以内で崩壊することをいう。
近年、薬剤の服用性を改善し、患者、特に老人、子供のコンプライアンスの向上等を図る剤形として、口腔内速崩性錠剤が注目され様々なものが発明されている。
初期の頃は、ゼラチンに薬物を溶解して凍結乾燥するザイディス(非特許文献1)が開発され、その後、口溶けの良さを考慮して、マンニトールやキシリトールなどの糖アルコールを含む糖類を賦形剤とする口腔内崩壊錠が検討されてきた。しかし、糖アルコールは、そのままでは製錠時にスティッキング(杵への付着)やバインディング(臼への付着)などの障害が発生しやすく問題が多い。
その打錠障害を回避するため、糖アルコールを賦形剤とした口腔内速崩性錠剤を製造する場合には、例えば、糖アルコールを含む混合物を適当な水分で湿らせ、低圧で圧縮成形した後、乾燥して製錠するという特殊な製法(特許文献1)及びその製剤を製する特殊な装置が開発されてきた(特許文献2)。
一方、薬物に増量剤、崩壊剤などの製剤用添加物を混合したものをそのまま圧縮成型する口腔内崩壊錠剤、あるいは薬物と増量剤、崩壊剤などの製剤用添加物を混合したものを湿式造粒し、乾燥して製した粒子を用いて圧縮成型する口腔内崩壊錠剤など、通常の錠剤の製法に限りなく近い口腔内速崩性錠剤の製造も多く工夫されている。例えば、a)活性成分、b)平均粒子径が30〜300μmのD−マンニトール、c)崩壊剤およびd)セルロース類の混合物を直接圧縮成形(直打法)し、口腔内崩壊錠剤を得る方法(特許文献3)が考え出されている。その他、非晶質化糖類を用いて錠剤作製後に加湿、乾燥することで口腔内崩壊錠剤を得る方法も考案されてきた(特許文献4および5)。
また、最近、薬物等を含有させ、苦味マスキング、徐放化等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を製し、これに崩壊剤、結合剤、滑沢剤を添加し、口腔内崩壊錠を得る特許が開示されてきており(特許文献6)、このような機能性コーティングを施して製した微粒子を用いる製剤に注目が集まっている。
その他、糖類及び糖アルコール類を使用する口腔内崩壊錠の技術は多く開示されており、特に、粉末還元水アメあるいは水アメを粉化したものを添加剤として使用するものも見られる(例えば、特許文献7)。従来の水アメ類を使用した製剤の製造においては、粉末水アメ(アメ粉)及び粉末還元麦芽糖水アメをそのまま、あるいは比較的低濃度の水溶液として用いられる。これら粉末原料や低粘度水アメ溶液は、取扱いの点で、水アメ類(固形分75%の水溶液)より優位なものである。しかしながら、粉末あるいは低濃度糖水溶液で使用する場合は、水アメ類のような高濃度で使用する場合とは異なっており、特に微粒子(平均粒径が数百μm)のように通常の原料よりも少し粒径が大きくなる場合には、十分な結合力を発揮できず、得られる固形剤は脆弱で実用化には不向きである。従って、微粒子同士の結合には高濃度の水溶液が必要である。
これらの製剤は一部の工程を除き、なるべく通常の製剤製造法で製することができるように設計されているが、錠剤の物性、特性において完全なものではない。
Manufacturing Chemist, Feb. vol. 36 (1990) 特開2000−344664号公報 特開平6−218028号公報 再公表2000−078292号公報 再公表1999−47124号公報 特開平11−349475号公報 特開2000−281564号公報 特開2005−53792号公報
現在市場にある経口固形製剤は、主に錠剤、カプセル剤及び散剤である。しかしながら、いくつかの薬物は老人・小児等の嚥下能力の弱い患者に投与され、疾病の分野によれば、たとえば統合失調症では唾液の量が少ない等、嚥下能力が弱い患者を対象としているものが多い。そのような状況下で、水なしで服用できる口腔内崩壊製剤は患者のコンプライアンスを高めると言う意味でも重要なものである。したがって、服薬遵守の観点からも摂取し易い経口投与口腔内崩壊製剤の開発が望まれている。
本発明の課題は、薬物そのものが微粒子であるもの、あるいはマスキングや徐放性のような機能を持たせた薬剤含有微粒子を高含量で含有する、口腔内で容易に崩壊し、服用感が良好で、かつ十分な強度を有する口腔内崩壊製剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、薬物そのものが微粒子であるもの、あるいはマスキング、徐放性等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を含有する口腔内崩壊製剤を製造する方法に関して鋭意研究を実施した。その結果、当該微粒子を用い、必要に応じて崩壊剤、甘味剤などを加え、糖類若しくはある種の結合剤の水含有溶液で練合し、成形し、乾燥することで、当該微粒子含量の高い、服用感の良好な口腔内崩壊経口投与製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、薬物あるいは薬物含有微粒子及び水アメ類の糖類高濃度水含有溶液、若しくはある種の結合剤の水含有溶液を、さらに場合によっては崩壊剤、甘味剤、香料等を含有させて製することを特徴とする口腔内崩壊製剤を提供するものである。
具体的に述べれば、糖類の場合、水アメ、還元麦芽糖水アメのような高濃度の糖の水含有溶液(30%以上であれば使えるが、好ましくは70%以上の濃度)を用いるのが特徴的であり、また結合剤水溶液の場合、5%水溶液の粘度(25℃)が55mPa・s以下の結合剤を、15重量%以上の濃度(たとえば、ポリビニルピロリドンのK30及びヒドロキシプロピルセルロース:HPC−SSLであれば、20〜30重量%の濃度等)で用いるのが特徴的であり、薬剤含有微粒子などを練合し、成形乾燥することで口腔内崩壊製剤を提供するものである。
本発明により、薬物そのものが微粒子であるもの、あるいはマスキング、徐放性等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を含有する口腔内崩壊製剤を製造するに当たって、当該微粒子含量が50%以上、場合によっては90%という高含量の口腔内崩壊製剤を製造することが可能となった。
また、上記の特色ある製剤の製造方法は、練合、成形及び乾燥からなる簡単な工程であり、容易に口腔内崩壊製剤が製造できるものである。
本発明は、薬物そのものが微粒子であるもの、あるいはマスキング、徐放性等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を用い、必要に応じて崩壊剤、甘味剤などを加え、糖類若しくはある種の結合剤の水含有溶液で練合し、成形し、乾燥することで得られる良好に服用できる口腔内崩壊経口投与製剤及びその製造方法に関する。
本発明の口腔内崩壊製剤に使用する薬物あるいは薬物含有微粒子の組成としては、経口医薬品として使用されるものでそれ自身が微粒子であったり、微粒子が作成できるものであれば、多くの薬物に応用できる。微粒子は大きさが約400μm以下であり、結晶セルロースの微粒子、白糖の微粒子等を核として薬物やポリマーをコートしたものであっても、造粒された微粒子であっても良い。
本発明の口腔内崩壊製剤に使用する糖類としては、医薬上許容される糖類であれば特に制限されないが、通常、甘味料、賦形剤、安定化剤等として用いられるものが使用できる。好ましくは麦芽糖(マルトース)及びデキストリン等を含有する水アメ、及び還元麦芽糖(マルチトール)を含有する還元麦芽糖水アメであるが、それら水アメ中の糖分は30重量%以上であればよいが、十分な強度を有する固形剤とするために水アメ様になる70重量%以上での利用が好ましい。その他キシリトール、ソルビトール、ラクチトール等の高濃度水溶液(シロップ)でも調製できる。
水アメは、デンプンに水を加えて加熱し、糊化したものにアミラーゼを加えて加水分解したものであり、それを更に還元したものが還元麦芽糖水アメである。水アメはマルトース、デキストリン等を、還元麦芽糖水アメはマルチトールを通常70〜95重量%含んでいる。市販の水アメとしては、商品名「マルスター」(登録商標、林原商事製:糖固形分74%以上)、商品名「マルトラップ」(登録商標、林原商事製:糖固形分70%以上)等がある。また、市販の還元麦芽糖水アメとしては、商品名「マビット」(登録商標、林原商事製:糖固形分74%以上)、商品名「アマルティシロップ」(登録商標)(三菱商事フードテック製:糖固形分74%以上)等が挙げられる。また、日局D-ソルビトール液(濃度70%)も使用できる。その他の糖についても、できる限り高濃度の水溶液、あるいは水含有溶液(アルコール等含有)として使用できればよい。
また、高濃度水含有溶液が調製できるのであれば、それらを2種類混合して用いても良い。
本発明の口腔内崩壊製剤に使用する結合剤としては、医薬上許容される結合剤であれば特に制限されないが、5%水溶液の粘度(25℃)が55mPa・s以下の結合剤が使用できる。好ましくはポリビニルピロリドンのK30及びK90グレード(商品名「コリドン 30」及び「コリドン 90」:BASF製及び商品名「プラスドンK29/32」及び「プラスドンK90」:ISP製がある)、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名「HPC−SSL」及び「HPC−SL」:日本曹達製)等で、その水含有溶液の濃度は15重量%以上であればよい。
本発明の口腔内崩壊製剤に、場合によって使用する崩壊剤としては、医薬上許容される崩壊剤であれば特に制限されないが、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(カルメロース)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、クロスポビドン;又はバレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、コメデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ(HPS)、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファ化デンプン(PCS)で代表されるデンプン類を挙げることができる。これらの含有量は20%以下であり、1種又は2種以上使用することができる。特に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンが好ましい。
本発明の口腔内崩壊製剤に使用する甘味剤(崩壊剤と同様に粉末で添加)としては、医薬上許容される甘味剤であれば特に制限されないが、上記糖類である、白糖、麦芽糖(マルトース)、果糖、乳糖、ブドウ糖、及び糖アルコール類である、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、還元パラチノース、キシリトール、エリスリトール等が挙げられる。その他、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア等の甘味剤も挙げることができる。これらの含量は数%以下である。これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明の口腔内崩壊製剤に使用する香料(崩壊剤と同様に粉末で添加)としては、医薬上許容される香料であれば特に制限されないが、例えば、レモン、オレンジ、メントール、ハッカ油、バニラ等、あるいはそれらを加工した粉末香料が挙げられる。
本発明に応用できるのは薬物そのものが微粒子様のもの、あるいは薬物を含有した微粒子であり、その平均粒子径は特に制限されない。ザラツキ感の観点から考えれば、平均粒子径は約400μm以下が好ましいが、300μm以下がより好ましい。
上記微粒子等に応用できる医薬成分としては、特に制限されないが、例えば、下記の医薬を挙げることができる。
解熱・鎮痛・消炎剤としては、インドメタシン、アスピリン、ジクロフェナックナトリウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、メフェナム酸、デキサメタゾン、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、アズレン、フェナセチン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、塩酸ベンジタミン、フェニルブタゾン、フルフェナム酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸コリン、サザピリン、クロフェゾン、エトドラック、フェルビナク。抗潰瘍剤としてはスルピリド、塩酸セトラキサート、ゲファルナート、マレイン酸イルソグラジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセテート、アズレンスルホン酸ナトリウム。抗生物質としては、アンピシリン、アモキシリン、セファレキシン、エチルコハク酸エリスロマイシン、塩酸バカンピシン、塩酸ミノサイクリン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、エリスロマイシン、グリセオフルビン、セフジトレンピボキシル、アジスロマイシン、クラリスロマイシン。合成抗菌剤としては、ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、シノキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン水和物、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、イトラコナゾール。抗ウイルス剤としては、アシクロビル、塩酸バラシクロビル。鎮けい剤としては、臭化プロパンテリン、硫酸アトロピン、臭化オキソビウム、臭化チメビジウム、臭化ブチルスコポラミン、塩化トロスピウム、臭化ブトロピウム、N−メチルスコポラミンメチル硫酸、臭化メチルオクタトロピン。鎮咳・抗喘息・抗アレルギー剤としては、テオフィリン、アミノフィリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸プロカテロール、塩酸トリメトキノール、リン酸コデイン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロブチノール、塩酸ホミノベン、リン酸ベンプロペリン、塩酸アンブロキソール、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸エプラジノン、塩酸エピナスチン、塩酸クロフェダノール、塩酸エフェドリン、塩酸オロパタジン、塩酸フェキソフェナジン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンテン、タンニン酸オキセラジン、クエン酸イソアミニル、プランルカスト、プロピオン酸フルチカゾン。気管支拡張剤としては、ジプロフィリン、硫酸サルブタモール、塩酸クロルプレナリン、フマル酸フォルモテロール、硫酸オルシプレナリン、塩酸ピルブテロール、硫酸ヘキソプレナリン、メシル酸ビトルテロール、塩酸クレンブテロール、硫酸テルブタリン、塩酸マブテロール、臭化水素酸フェノテロール、塩酸メトキシフェナミン。筋弛緩剤としては、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、バクロフェン、ダントロレンナトリウム。マイナートランキライザーとしては、オキサゾラム、ジアゼパム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメート、ニトラゼパム、クロルジアゼポキシド、クアゼパム。メジャートランキライザーとしては、スルピリド、塩酸クロカプラミン、ソデピン、クロルプロマジノン、ハロペリドール、リスペリドン、オランザピン。降圧剤としては、マレイン酸エナラプリル、バルサルタン、アラセプリル、塩酸デラプリル、カンデサルタンシレキセチン、ニフェジピン、二硝酸イソソルビット、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、ベラパミル、ニカルジピン、塩酸ニカルジピン、塩酸ベラパミル、ピンドロール、塩酸プロプラノロール、塩酸カルテオロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ラベタロール、塩酸セリプロロール、塩酸アセブトロール、塩酸ブフェトロール、塩酸アルプレノロール、塩酸アロチノロール、塩酸オクスプレノロール、ナドロール、塩酸ブクモロール、塩酸インデノロール、マレイン酸チモロール、塩酸ベフノロール、塩酸ブプラノロール、カルベジロール、塩酸レセルピン酸ジメチルアミノエチル、レシナミン、メチルドパ、塩酸プラゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸クロニジン、ブドララジン、ウラピジン、フロセミド、アセタゾラミド、トリクロルメチアジド、メチクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、スピロノラクトン、トリアムテレン、フロロチアジド、ピレタニド、メフルシド、エタクリン酸、アゾセミド、クロフェナミド。抗不整脈剤としては、塩酸プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、硫酸キニジン、塩酸アプリンジン、塩酸プロパフェノン、塩酸メキシレチン。痛風治療剤としては、アロプリノール、プロベネシド、コルヒチン、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、ブコローム。血液凝固阻止剤としては、塩酸チクロピジン、ジクマロール、ワルファリンカリウム。抗てんかん剤としては、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、メタルビタール、カルバマゼピン。抗ヒスタミン剤としては、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、メキタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸サイクロヘプタジン。鎮吐剤としては、塩酸ジフェニドール、メトクロプラミド、ドンペリドン、メシル酸ベタヒスチン、マレイン酸トリメブチン。交感神経興奮剤としてはメシル酸ジヒドロエルゴタミン、塩酸イソプロテレノール、塩酸エチレフリン。去たん剤としては塩酸ブロムヘキシン、カルボシスティン、塩酸エチルシスティン、塩酸メチルシスティン。経口糖尿病治療剤としてはグリベングラミド、トルブタミド、グリミジンナトリウム、トログリタゾン、ロシグリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、エパルレスタット。ビタミン剤としてはビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸。頻尿・尿失禁治療剤としては塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジン。免疫抑制剤のタクロリムス。抗悪性腫瘍剤としてはパクリタキセル、ドセタキセル、ビカルタミド。
本発明は、薬物そのものが微粒子であるもの、あるいはマスキング、徐放性等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を用い、必要に応じて崩壊剤、甘味剤などを加え、糖類の高濃度水含有溶液、若しくはある種の結合剤の水含有溶液で練合し、成形し、乾燥することで良好に服用できる口腔内崩壊経口投与製剤を製造する方法である。
本発明の更なる特徴は、薬物そのものが微粒子であるもの、あるいはマスキング、徐放性等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を含有する口腔内崩壊製剤を製造するに当たって、当該微粒子含量が50%以上、場合によっては90%という高含量の口腔内崩壊製剤を製造する方法を見いだしたことである。
口腔内崩壊製剤の場合、固形剤中の薬物含量は50%以下であることが多いが、本発明によれば、50%〜約90%の薬物含量の口腔内崩壊錠に製することができる。ただし、薬物等を含有させ、苦味マスキング、徐放化等の機能を持たせた平均粒子径約400μm以下の微粒子を含有する製剤の場合は、該微粒子含量が50〜約90%である。
このようなことが可能なのは、70%以上という高濃度の糖類溶液、若しくは5%水溶液の粘度(25℃)が55mPa・s以下の結合剤の15重量%以上の濃度の水含有溶液を添加して練合造粒する方法を見いだしたためであり、この点に大いなる価値がある。
上記で用いる機能性微粒子については、例えば、結晶乳糖、グラニュー糖、コーンスターチ、結晶セルロース、D−マンニトールなどの平均粒子径200μm以下の微粒子を用い、その外層に原薬と結合剤などを被覆し、更にその外層に苦味防止や溶出制御のためのフィルムをコーティングするなどの方法で製造することができるが、製法は限定されるものではない。勿論、原薬そのものへ苦味防止や溶出制御のためのフィルムをコーティングした微粒子を用いることなども自由である。
苦味のマスキングや溶出制御のために用いられる高分子コーティング剤はこの分野で良く知られているものであれば、何を用いても差し支えない。苦味のマスキングのためには、例えばエチルセルロースや、オイドラギットRSのような水不溶性高分子か、またはオイドラギットE,オイドラギットRD100,ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどの胃溶性高分子が用いられる。腸溶性コーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートのようなセルロース系高分子,オイドラギットS,オイドラギットLのようなアクリル高分子が用いられる。
本発明の口腔内崩壊製剤は、上記薬物含有微粒子を水アメ等の糖水含有溶液、若しくは5%水溶液の粘度(25℃)が55mPa・s以下の結合剤の15重量%以上の濃度の水含有溶液で練合した後、湿潤状態で成型し乾燥することにより、製造することができる。
薬物含有微粒子と練合する際の糖水溶液(特に水アメ系)の濃度は、70重量%以上が好ましい。また、結合剤としてのポリビニルピロリドンのK30グレードでは、20〜30重量%の濃度、ポリビニルピロリドンのK90グレードでは、15〜30重量%の濃度の水含有溶液が好ましい。練合は小スケールではビーカー中で撹拌することで行えるが、製剤製造に際しては一般的に使用されるプラネタリーミキサー、ニーダー等の練合機を用いてもよい。
このようにして練合した組成物は、湿潤状態で弱い圧力(100kg/cm2以下)で成型される。顆粒が凝集した塊の形状で製剤化するのが好ましい。その塊は20〜100℃で乾燥すればよい。薬物が温度に不安定な場合は、20〜40℃で真空乾燥しても良い。
薬物含有微粒子と糖水溶液、若しくはある種の結合剤の水含有溶液を練合した組成物から成型するには、練合した組成物を湿潤状態で直接成型した後、乾燥させればよい。乾燥には、自然乾燥、真空乾燥、オーブン乾燥、マイクロ波乾燥等を適用できる。
製剤成型機としては、湿粒用に開発された回転式、単発の湿製錠用打錠機のように大きな圧力を使用せずに、軽く成形する機械(装置)で製することができる。また、その他多くのモールドに充填することでも、押し出し形で湿粒を押し出して一定の長さに切る等いろいろな方法を取れる。その形状としては、円形や楕円形、長円形、四角形等の面形を有する各種異形、円柱型又はカプレット型等いずれの形状であっても良く、碁石型の製剤が口腔内にも適して望ましい。
本発明製剤の形状としては、例えば、円形の他、楕円形、ドーナツ形の異形など特に制限されない。分割製剤とすることもできる。厚さも特に制限されないが、1〜10mmが適当であり、2〜8mmが好ましい。一般に厚みが薄く、表面積が大きい程速崩性に優れる。大きさも特に制限されないが、製剤の薬物の含有量に依存して大きさが決められる。たとえば、含量が低い場合は小さな製剤とし易いが、微粒子の組成に依存して細工される。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
参考例1:
塩酸アンブロキソールを結晶セルロース(商品名「セルフィアCP102」:旭化成ケミカルズ)の核に結合剤を用いてレイヤリングした。得られた薬物含有の微粒子核に、徐放化のためにオイドラギットNE30Dに可塑剤を添加した水分散液(固形分20%)を、転動流動層造粒乾燥機(パウレック社:MP−01)を用いてスプレーコーティングし、塩酸アンブロキソール含有微粒子を製した。この微粒子の薬物含有量は約20%である。
参考例2:
塩酸ピオグリタゾンを結晶セルロース(セルフィアCP102)の核にヒドロキシプロピルセルロースを結合剤としてレイヤリングし、塩酸ピオグリタゾン含有微粒子の核を調製した。得られた微粒子核にオイドラギットE100のエタノール含有水溶液を、転動流動層造粒乾燥機(フロイント社:SFC−MINI)を用いてスプレーコーティングし、塩酸ピオグリタゾン含有微粒子(薬物含有量約20%)を製した。
実施例1:
薬物含有微粒子のプラセボとして結晶セルロース(商品名「セルフィアCP102」:旭化成ケミカルズ)を用い、その8部に、麦芽糖水アメ(マルスター:林原商事:糖固形分74%以上)を2.66部(固形分として2部)滴下練合し、水アメを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例2:
薬物含有微粒子のプラセボとしてセルフィアCP102を用い、その8部に、還元麦芽糖水アメ(マビット:林原商事:糖固形分74%以上)を2.66部(固形分として2部)滴下練合し、水アメを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例3:
薬物含有微粒子のプラセボとしてセルフィアCP102を用い、その8部に、水アメ(マルトラップ:林原商事:糖固形分70%以上)を2.66部(固形分として2部)滴下練合し、水アメを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例4:
薬物含有微粒子のプラセボとして結晶セルロース(商品名「セルフィアCP305」:旭化成ケミカルズ)を用い、その8部に、麦芽糖水アメ(マルスター)を1.33部(固形分として1部)滴下練合し、水アメを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例5:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP305を用い、その8部に、還元麦芽糖水アメ(マビット)を1.33部(固形分として1部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例6:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP305を用い、その8部に、水アメ(マルトラップ)を1.33部(固形分として1部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例7:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その7.5部及び低置換ヒドロキシプロピルセルロース(商品名「L−HPC LH−31」信越化学)0.5部に、麦芽糖水アメ(マルスター)を1.8部(固形分として1.4部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子混合物に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例8:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その7.5部及びクロスポビドン(商品名「コリドン XL-10」BASF )0.5部に、還元麦芽糖水アメ(マビット)を1.8部(固形分として1.4部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例9:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その6部に、日本薬局方D−ソルビトール液(濃度70%)(商品名「ソルビットD−70」三菱商事フードテック)を1.7部(固形分として1.3部)滴下練合し、D−ソルビトール水溶液を薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例10:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その7.5部及びクロスポビドン0.5部に、日本薬局方D−ソルビトール液(濃度70%)(ソルビットD−70:三菱商事フードテック)を3.0部(固形分として2.1部)滴下練合し、D−ソルビトール水溶液を薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例11:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その6部及びエリスリトール(物産フードサイエンス)0.2部に、麦芽糖水アメ(マルスター)を1.8部(固形分として1.4部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例12:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その7.5部、クロスポビドン0.5部に、還元麦芽糖水アメ(マビット)を2.4部(固形分として2部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例13:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのCP102を用い、その7部、クロスポビドン1部及びアセスルファムK(サネット:Nutrinova)0.05部に麦芽糖水アメ(マルスター)を2.2部(固形分として1.65部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例14:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのセルフィアCP102を用い、その6部にポリビニルピロリドン(商品名「コリドン 30」:BASF)の30%水溶液を1.5部滴下練合し、ポリビニルピロリドンを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例15:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのセルフィアCP102を用い、その6部g及びクロス
ビドン0.5部にポリビニルピロリドン(商品名「コリドン 30」:BASF)の30%水溶液を2.5部滴下練合し、ポリビニルピロリドンを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例16:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのセルフィアCP102を用い、その7.5部及びクロスポビドン0.5部にポリビニルピロリドン(商品名「コリドン 90」:BASF)の30%水溶液を1.5部滴下練合し、ポリビニルピロリドンを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例17:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのセルフィアCP102を用い、その6部にヒドロキシプロピルセルロース(商品名「HPC−SSL」日本曹達)の20%水溶液を1.5部滴下練合し、ヒドロキシプロピルセルロースを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例18:
薬物含有微粒子のプラセボとしてのセルフィアCP102を用い、その7.5部及びクロスポビドン0.5部にヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL)の20%水溶液を2部滴下練合し、ヒドロキシプロピルセルロースを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例19:
参考例1記載の方法で製した塩酸アンブロキソール含有微粒子(オイドラギットNE30Dで被覆)を用い、その7.5部及びL−HPC(LH−31)0.5部に、麦芽糖水アメ(マルスター)を1.83部(固形分として1.4部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
実施例20:
参考例2に記載の方法で製した塩酸ピオグリタゾン含有微粒子(オイドラギットE100で被覆)を用い、その7.5部及びクロスポビドン0.5部に、麦芽糖水アメ(マルスター)を1.83部(固形分として1.4部)滴下練合し、水アメを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例
比較例では、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース(商品名「HPC−L」:日本曹達)、ヒプロメロース(商品名「TC−5R」:信越化学)及びポリビニルピロリドンを用いて、それらの溶液濃度を変えて製剤検討を行った。
比較例1:
セルフィアCP102を用い、その6gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)の5%水溶液を1.5g滴下練合し、HPC−L を微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例2:
セルフィアCP102を用い、その6gにヒプロメロース(TC−5R)の5%水溶液を1.5g滴下練合し、ヒプロメロースを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例3:
セルフィアCP102を用い、その7.5g及びL−HPC(LH−31)0.5gに、ヒドロキシプロピルセルロースの5%水溶液を2.5g滴下練合し、HPC−L を微粒子に均一に馴染ませる。
得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例4:
セルフィアCP305を用い、その7.5g及びクロスポビドン0.5gに、ヒプロメロース(TC−5R)の5%水溶液を1.5g滴下練合し、ヒプロメロースを微粒子に均一に馴染ませる。
得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例5:
セルフィアCP102を用い、その6gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)の20%水溶液を1.5g滴下練合し、HPC−L
を微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例6:
セルフィアCP102を用い、その6gにヒプロメロース(TC−5R)の20%水溶液を2.0g滴下練合し、ヒプロメロース を微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例7:
セルフィアCP102を用い、その7.5g及びクロスポビドン0.5gに、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)の20%水溶液を2.5g滴下練合し、HPC−Lを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例8:
セルフィアCP102を用い、その7.5g及びL−HPC(LH−31)0.5gに、ヒプロメロース(TC−5R)の20%水溶液を3g滴下練合し、ヒプロメロースを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例9:
セルフィアCP102を用い、その6gに、ポリビニルピロリドン(商品名「コリドン 30」:BASF)の5%水溶液を2g滴下練合し、ポリビニルピロリドンを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例10:
セルフィアCP102を用い、その7.5g及びクロスポビドン0.5gに、ポリビニルピロリドン(商品名「コリドン 30」:BASF)の5%水溶液を2.5g滴下練合し、ポリビニルピロリドンを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例11:
セルフィアCP102を用い、その7.5g及びクロスポビドン0.5gに、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL)の5%水溶液を2.0g滴下練合し、ヒドロキシプロピルセルロースを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例12:
セルフィアCP102を用い、その6gに、ヒプロメロース(TC−5E)の20%水溶液を1.5g滴下練合し、ヒプロメロースを微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
比較例13:
参考例1に記載した方法で製した塩酸アンブロキソール含有微粒子(オイドラギットNE30Dで被覆)7.5g及びL−HPC(LH−31)0.5gに、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)の10%水溶液を2.5g滴下練合し、HPC−Lを薬物含有微粒子に均一に馴染ませる。得られた湿粒塊を9mm径円筒状で厚み5〜7mmに成形し、40℃で12時間真空乾燥することで口腔内崩壊製剤(質量200〜250mg)を製した。
上記実施例及び比較例の評価は、崩壊時間測定及び硬度で行った。
崩壊時間測定は、日本薬局方第15局の一般試験法の「崩壊試験法」に従って行った。
製剤(質量200〜250mg)を投げ込み、崩壊して塊がメッシュを通過する時間を目視で測定した。
また、微粒子がセルフィアCP102及びCP305のような薬物を含有しないプラセボ製剤(質量200〜250mg)については、実際に口に含み崩壊する時間を測定した。
製剤(質量200〜250mg)の硬度を硬度計(TC−75N:岡田精工)で測定した結果は以下のようになった。
以下は崩壊時間及び硬度の結果を、表1(実施例)及び表2(比較例)にまとめたものである。
Figure 0005513936
Figure 0005513936
Figure 0005513936
実施例1〜20の製剤(質量200〜250mg)では、崩壊試験の結果は長くでる傾向があるものの、口中での崩壊はほとんど1分以内と速いものであった。比較例1〜13では結合剤濃度の低い例(比較例1〜4、9、10、11)では、崩壊時間は速かったものの落雁のように脆く硬度が出なかった(表2参照)。また、結合剤が高濃度の場合は、崩壊時間が延びる傾向にあった。
実施例1〜20のいずれも10N以上であり、硬度のある製剤であった。比較例では結合剤の種類によって異なるが、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースでは硬度は出るが、崩壊が長く硬度のある口腔内崩壊製剤とはならなかった。また、ポリビニルピロリドン(K30)の5〜10%濃度では、成形された硬度のある製剤を製することができなかった。
上記実施例で得られた本発明の口腔内崩壊製剤はいずれも、適度な硬度があり、口腔内で容易に崩壊するものであった。また、崩壊剤及び甘味剤を添加することで、より服用感が良好な口腔内崩壊製剤にも処方化できることがわかった。

Claims (11)

  1. 薬物または機能性コーティングが施された薬物粒子を、固形分として糖分を70wt%以上含有する高濃度糖類溶液、若しくは5%水溶液の粘度(25℃)が55mPa・s以下の結合剤の15wt%以上の水含有溶液で練合し、得られた練合物をあらかじめ決められた形状および大きさに成形した後乾燥することを特徴とする口腔内崩壊製剤の製造方法。
  2. 前記薬物または薬物粒子は平均粒子径が400μm以下の微粒子である請求項1の口腔内崩壊製剤の製造方法。
  3. 前記微粒子を50〜90wt%含んでいる請求項2の口腔内崩壊製剤の製造方法。
  4. 前記薬物または薬物粒子へ崩壊剤が添加される請求項1の口腔内崩壊製剤の製造方法。
  5. 添加される崩壊剤は製剤の20wt%以下である請求項4の口腔内崩壊製剤の製造方法。
  6. 前記崩壊剤は、結晶セルロース、デンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキメチルスターチナトリウム、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項4の口腔内崩壊製剤の製造方法。
  7. 前記固形分として糖分を70wt%以上含有する高濃度糖類溶液は、水アメ、還元麦芽糖水アメ、または還元水アメから選ばれる請求項1ないし6のいずれかの口腔内崩壊製剤の製造方法。
  8. 前記固形分として糖分を70wt%以上含有する高濃度糖類溶液は、マルトース、フルクトースまたはスクロースから選ばれた糖の高濃度溶液、またはマルチトール、キシリトール、ソルビトールまたはラクチトールから選ばれた糖アルコールの高濃度水溶液である請求項1ないし6のいずれかの口腔内崩壊製剤の製造方法。
  9. 前記結合剤として、5%水溶液の粘度(25℃)が55mPa・s以下である結合剤の、その濃度が15wt%以上含有する水含有溶液は、ポリビニルピロリドンK30及びK90、ヒドロキシプロピルセルロース(低粘度グレード)、及びヒプロメロースから選ばれた結合剤の水含有水溶液である請求項1ないし6のいずれかの口腔内崩壊製剤の製造方法。
  10. 前記成形は、前記高濃度糖類溶液若しくは前記結合剤の水含有溶液で練合した薬物または薬物含有粒子の練合物を型に入れて成形するか、または押出機より連続的に押出し、カットすることによって実施される請求項1ないし9のいずれかの口腔内崩壊製剤の製造方法。
  11. 前記口腔内崩壊製剤の硬度は少なくとも10Nである請求項10の口腔内崩壊製剤の製造方法。
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