JP2002255796A - 口腔内速崩壊型錠剤及びその製造方法 - Google Patents

口腔内速崩壊型錠剤及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 口腔内での速やかな崩壊性を有し、製造時及
び保存時に実用上十分な硬度を兼ね備えた口腔内速崩壊
型錠剤及びそれに用いる造粒物を提供すること。 【解決手段】 単糖及び二糖類並びにそれらの糖アルコ
ールからなる糖類に、シクロデストリン類が完全に溶解
した溶液を噴霧塗布し、造粒して得られる造粒物、並び
に該造粒物に由来する圧縮錠剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品を含有する
錠剤であって、製造工程や流通過程で崩れない程度の硬
度及び口腔内での速やかな崩壊性を有する口腔内速崩壊
型錠剤に関する。また、本発明はそのような口腔内速崩
壊型錠剤を簡便な工程によって製造するための方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会が急速に進む中、従来の医薬
品経口固形製剤、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤などでは服用する際に困難をきたすことがある。高齢
者の場合、嚥下能力の低下から錠剤及びカプセル剤の服
用はそれらの大きさに左右され、顆粒剤及び散剤に関し
ては、それらが口腔内に残留すると不快感が残ることに
なる。また、上記経口固形製剤は服用時に水を必要とす
ることから、服用の困難性により多量の水を要するケー
スも多い。トローチ錠は口中で徐々に溶解又は崩壊させ
る水を必要としない剤形であるが、誤飲すると咽頭や食
道に詰まらせる恐れがある。チュアブル錠は噛み砕いて
服用する水を必要としない剤形であるが、咀嚼力が弱い
小児や老人が服用するには適していない。
【0003】一方、嚥下困難な重症患者に対しては、粉
砕した錠剤や顆粒剤などを適当な量の水に懸濁させた液
を、注射器で胃管カテーテル内に注入する方法も行われ
ている。しかし、操作が煩雑な上、内径の細いカテーテ
ル内に詰まり易いという問題がある。高齢者ほど慢性疾
患の羅患率が高くなるため、近年、長期投与の服用に適
した、飲み易くかつ取り扱い易い実用的な製剤の開発が
望まれている。高齢者でも容易に服用できる剤形は、小
児や一般成人に対しても好ましい製剤であり、例えば、
口腔内速崩壊型錠剤、ペースト状製剤、ゼリー状製剤が
挙げられている。特に、口腔内速崩壊型錠剤は服用後口
腔内で速やかに崩壊又は溶解するため、水なしでも場所
や時間を問わず適宜容易に服用でき、更に流通過程での
安定性などを考慮すると最も現実的な製剤と考えられて
いる。
【0004】一般に、錠剤の崩壊性と硬度は互いに相反
する関係にあり、崩壊性を高めるには硬度を低下しなけ
ればならない。しかしながら、錠剤硬度は、製造、包装
及び流通過程、更には服用時の包装からの取り出しなど
において重要な要素となる。硬度が不十分な錠剤は、上
記各過程においてその形状を保持できず用量の正確な投
与が困難になることもある。従来の錠剤では、製造工程
や流通過程で崩れない強い硬度を有するが、経口投与後
に消化管内で崩壊・溶解することを目的とし、口腔内で
の速やかな崩壊・溶解性はあまり考慮されていなかっ
た。そのため、製造工程や流通過程で崩れない程度の適
度な硬度を有し、かつ少量の水で速やかに崩壊する口腔
内速崩壊型錠剤の製造技術の開発が望まれており、近年
になって、以下のような種々の手段が提案されてきてい
る。
【0005】例えば、口腔内速崩壊型錠剤として、薬効
成分をキャリアーとなるマトリックス中に溶解後凍結乾
燥する製造方法がある(Manufacturing Chemist. Feb.
36(1990))。しかし、こうして得られた錠剤
は、通常の錠剤に比べると汎用包装材であるPTP(Pr
ess Through Package)包装から押し出せない程硬度が
低いため、容器裏面のシールを剥がして錠剤を取り出す
特殊な包装材が必要となる。製造工程や包装材からの取
り出し時に錠剤の崩れや割れが生じ易く、取り扱い性は
高齢者用として満足できるものではない。その上、ビン
包装などのPTP包装以外の包装形態には適用困難であ
る。また、この製造方法では、凍結乾燥の製造設備が必
要であると共に製造に長時間を要することから工業的生
産性が劣るなどの課題を残している。
【0006】一方、粉末を圧縮成形して製造する口腔内
速崩壊型錠剤として、薬効成分と賦形剤などの添加剤を
含む湿潤粉体を打錠する製造方法が知られている。例え
ば、特開平5−271054号公報には、薬効成分と糖
類とを含む混合物に前記糖類の表面が湿る程度の水分を
含有させて打錠する製造方法が記載されている。この製
造方法は、打錠用混合物に強制的に水分を添加し、湿っ
た状態で打錠する湿製法として一般に知られている。同
様に、特開平9−309821号公報及び特開平11−
137208号公報記載の製造方法も湿製法に分類され
るものであり、湿潤粉体を比較的低い圧力で圧縮成形し
た後に乾燥することを特徴としている。錠剤を従来の湿
式造粒法で製造する場合は、錠剤原料を混合し、結合剤
を加えて練合・乾燥し、その後圧縮成形する。従って、
上述の湿製法による製造方法は、成形工程と乾燥工程の
順序が逆である点で従来の湿式造粒法による製造方法と
相違する。その上、湿製法で得た湿潤粉体は圧縮成形時
に臼杵の表面に付着し易く、更に、臼への湿潤粉体を定
量供給する過程でも何らかの工夫が必要となり、特開平
8−19589号公報には湿製錠剤の連続打錠を目的と
した打錠機自体の改良が記載されている。
【0007】また、従来の湿式造粒法で製造した乾燥状
態の錠剤を加湿下に置いて吸湿させた後、乾燥して口腔
内速崩壊型錠剤を製造する方法も提案されている。この
方法は加湿法とも呼ばれ、その典型的なものとして、特
開平8−291051号公報には、薬効成分、水溶性結
合剤及び水溶性賦形剤を含む乾燥状態の錠剤材料を錠剤
の形態とし、次工程へ移行させる際にその形態を維持可
能な硬度をとるために、最低必要な低圧力で加圧成形
し、得られた錠剤に加湿動作を行なわせた後、その錠剤
から水分を除去するために乾燥を行なう口腔内速溶解型
錠剤の製造方法が記載されている。特開平9−4872
6号公報には、薬効成分及び加湿により成形可能に湿潤
しかつ成形後の乾燥により該形状を維持する物質を混合
し、加湿下に低密度で成形するか或は低密度で成形した
後に加湿して所望の形状とし、次いで乾燥することによ
り製造する口腔内速崩壊型錠剤が記載されている。特開
平11−349475公報には、非晶質乳糖を含有する
低圧成形された乾燥状態の錠剤を高湿度下で加湿湿潤さ
せ、非晶質乳糖が結晶体に変換する際に固化することに
より、加湿後の乾燥工程を特に必要としない口腔内速溶
解型錠剤の製造方法が記載されている。しかしながら、
何れの製造方法においても加湿工程が必要であり、湿度
に不安定な薬物や高湿度下で潮解性を示す薬物には適さ
ない上に、加湿工程で錠剤がふやけて錠剤の外観が損な
われ、商品価値が低下するという課題がある。
【0008】更に、特開平11−263723公報に
は、水に対する溶解度が高い糖類と水溶性結合剤を水単
独又はアルコール類で溶解し、その溶液に賦形剤を添加
して造粒・乾燥して得た造粒物を低圧で圧縮成形した
後、室温を越える温度で加温(エージング工程)する口
腔内速溶解型錠剤の製造方法が記載されている。この方
法は加温法とも呼ばれ、錠剤を水溶性結合剤の軟化点よ
り低くかつ40℃以上の温度でエージングを行なうこと
で取り扱いに十分な強度を達成している。しかし、エー
ジング工程を短縮し生産の効率化を図るには、加熱温度
を高めなければならず、配合された薬効成分の安定性が
問題となる。特開平11−35451公報には、薬効成
分、糖類及びポリエチレングリコールなどの低融点物質
を含む錠剤材料を低圧圧縮成形した後、配合された低融
点物質をその融点より高い温度で加熱し、次いで放冷す
ることにより低融点物質が薬効成分と糖類の間に粒子間
架橋を形成して成る多孔質構造を有する口腔内速溶解型
錠剤の製造方法が記載されている。この方法は加熱融解
法とも呼ばれ、上記加温法に属するものであり、低融点
物質が融解後に凝固することで適度な硬度を有する錠剤
が得られる。錠剤材料を混合した粉末状態の流動性が悪
い場合は、薬効成分、糖類、添加剤をそれぞれ単独で或
いは混合物として湿式造粒した後に、粒子状又は粉末状
の低融点物質を配合して圧縮成形することができる。こ
の製造方法は、マスキング粒子や徐放性粒子に対しても
適用可能であるが、圧縮成形後に加熱及び冷却工程が必
要となること、熱に不安定な薬物又は低融点物質との配
合性が悪い薬物には適さないことなどの課題がある。
【0009】前記凍結乾燥法、湿製法、加湿法及び加温
法とは異なり、練合(造粒)・乾燥・混合・打錠工程の
みから成る従来の湿式造粒法においても口腔内速崩壊型
錠剤の製造が可能である。国際公開WO95/2038
0号公報には、成形性の低い糖類及び成形性の高い糖類
を含有する造粒物を圧縮成形する製造方法が記載されて
いる。しかし、成形性の高い糖類が造粒物の表面に存在
するため、打錠時にスティッキングなどの打錠障害が発
生する課題が残されている。国際公開WO97/472
87号公報には、薬効成分、平均粒子径30μm以下の
糖類及び崩壊剤を含有する混合物を、造粒後圧縮成形す
る製造方法が記載されている。この製造方法では、造粒
工程前に糖類の粉砕工程を導入し配合される糖類の粒子
径を調整しなければならず、生産性向上について検討の
余地が残る。また、国際公開WO98/02185号公
報には、賦形剤とエリスリトールを含有することを特徴
とする口腔内速崩壊型錠剤の製造方法が記載されてお
り、特開2000−16930号公報には、水に対する
溶解性の高い糖類と膨潤性賦形剤の湿式造粒物に結晶セ
ルロースを添加して圧縮成形された口腔内速崩壊型錠剤
の製造方法が記載されている。しかしながら、これらの
製造方法で得られる錠剤が速やかな崩壊及び適当な硬度
を有するには、結晶セルロースなどの水不溶性賦形剤の
配合率をかなり高める必要がある。この場合、粉っぽい
異物感が気になり服用性の面で好ましくないが、反対に
結晶セルロースの配合比率が少ないと成形性の低下及び
崩壊性の悪化が生じるという課題がある。
【0010】更にまた、特許第2521612号公報に
は、直接錠剤形成性に優れ、優れた崩壊特性を有し、錠
剤の硬度を高めることが示唆される助剤も提案されてい
る。この助剤は、典型的には、主要量の微結晶セルロー
ス又はマンニトール等と、結合剤としてのシクロデキス
トリンとの均質混合物からなるものであり、そしてこの
均質混合物は、結合剤を完全に溶解するには不十分な量
の水で湿潤した上記の両成分を、混合装置で均質に混合
することにより得ている。
【0011】この助剤から直接打錠した錠剤は、一般的
に優れた硬度を有することが示唆されているが使用され
る糖類と結合剤の組み合わせによっては、目的の硬度が
得られない場合がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術の有する課題を鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、煩雑な製造工程を経ることな
く、服用面でも好ましい処方で適度な硬度を持ち口腔内
で速やかに崩壊する口腔内速崩壊型錠剤及びその製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の性
質を有する口腔内速崩壊型錠剤及びその製造方法を開発
すべく鋭意検討してきた。その結果、上記特許第252
1612号公報に記載されるのと同様な糖類と結合剤を
使用するものの、該公報に記載の方法とは異なり、流
動、造粒下にある糖類の粉末又は粒子に結合剤たるシク
ロデキストリン類の水溶液(水にシクロデキストリンが
実質的に完全に溶解した形態にある)を噴霧塗布し、次
いで乾燥して得られる造粒物を直接打錠して得られる圧
縮錠剤は、予想外にも口腔内において速やかに崩壊し、
かつ製造工程や保存・流通過程で崩れない適度な硬度を
有する口腔内速崩壊型錠剤となり得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0014】該造粒物では、シクロデキストリン類の水
溶液が流動、造粒下にある糖類の粉末又は粒子上に噴霧
乾燥されることから理解できるように、特許第2521
612号公報に記載の助剤に比べ、より微細なシクロデ
キストリン類が糖類の粉末又は粒子の表面又はその近傍
の一部又は全領域にわたり、或いは粉末又は粒子を形成
する糖類の結晶又は一次粒子間に均一に分散して存在し
うるので、該造粒物から得られる圧縮錠剤は速崩壊性を
有しながら、硬度が有意に高まったものと考えられる。
【0015】従って、本発明によれば、水性流体と接触
した場合に速崩壊性を示す圧縮錠剤を形成するための造
粒物であって、(1)糖類の粉末又は粒子を含んでな
り、そして(2)該粉末又は粒子の表面又は表面の近傍
の一部又は全領域にわたって、シクロデキストリン及び
それらの誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシク
ロデキストリン類の微粒子が均一に分散して存在するこ
と、を特徴とする造粒物が提供される。
【0016】また、本発明によれば、このような造粒物
の製造方法、並びにこのような造粒物に由来する圧縮錠
剤も提供される。
【0017】本発明の特徴は、(1)錠剤材料の基本的
な構成要素が、糖類、結合剤及び必要により、崩壊剤で
あること、(2)錠剤の製造工程が従来の湿式造粒法に
基づき簡便であること、(3)結合剤であるシクロデキ
ストリン類は、完全に溶解した溶液状態で糖類又は糖類
と崩壊剤の混合物に添加されること、(4)前記(3)
の乾燥造粒物又はそれに崩壊剤を添加した混合物を通常
の圧力で圧縮成形することによって圧縮錠剤が容易に製
造できること、の4点にある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の文脈上又は本明細書で使
用する「語」又は「語句」は、以下の意味をもつか、そ
のような概念で使用している。
【0019】「水性流体」とは、水それ自体を初め、生
物学的流体、殊に唾液であることを意図している。した
がって、本発明に従う造粒物は、唾液と接触したとき、
速崩壊性を示す圧縮錠剤を提供するのに役立つ。換言す
れば、本発明によれば、口腔内速崩壊型圧縮錠剤の形成
に適する造粒物が提供される。
【0020】「粉末」又は「粒子」とは、いくつかの微
結晶もしくは微粒子(一次粒子)が分子間力もしくは物
理的相互作用によって集まって形成された形成物を称し
ており、それらの形状は球形、円筒形、板状などのいず
れであってもよいが、好ましくは球形のものである。
【0021】「表面又は表面の近傍・・・に存在する」
とは、上記、粉末等の表面上にシクロデキストリン類の
微粒子が付着し、もしくは表面に一部嵌入した形態にあ
るか、又は該表面で粉末等の成分の一部とシクロデキス
トリン類が相互に溶解し固化した形態にあることを意味
する。
【0022】「シクロデキストリン類の微粒子」とは、
上述の存在する形態の説明から理解できるように、その
形状が限定されるものでなく、球状、板状、フィルム断
片状、又は糖類の粉末又は粒子の表面成分と相互に溶解
し、最外層部分がシクロデキストリン類からなる連続相
を形成した状態にあってもよい。
【0023】本発明に従う、造粒物においては、糖類と
シクロデキストリン類は、重量比で、200:1〜5:
1、好ましくは100:1〜15:1の範囲内にある。
【0024】かような造粒物を製造するのに用いられる
糖類及びシクロデキストリン類は、限定されるものでな
いが、糖類としてマンニトールを例にとると、平均粒子
径が一般的には50〜100μmの市販製品を利用で
き、シクロデキストリン類としてβ−シクロデキストリ
ンを例にとると、平均粒子径が一般的に50〜100μ
mの市販製品を利用できる。したがって、マンニトール
の一次粒子としては、限定されるものでないが通常50
〜100μmの範囲内にあるいずれかの平均粒子径をも
つものが好ましい。かような糖類に対して、シクロデキ
ストリン類は上述のような水溶液(水中にシクロデキス
トリンが実質的に完全に溶解した状態にある)を噴霧塗
布した結果、微粒子として存在することが予想されるの
で、シクロデキストリンの存在する状態が上述の球形と
して把握できる場合は、糖類の平均粒子径と同等もしく
はそれ以下、好ましくは約 1/10 以下、より好ましくは
1/50 以下の平均粒子径をもつものと理解される。
【0025】本発明の口腔内速崩壊型錠剤において、適
度な「硬度」とは、具体的に後述する通例の硬度試験で
3kg以上、好ましくは5kg以上となり、通常の製造
工程及び流通過程で錠剤の摩損による重量減少、欠け割
れがほとんどない硬度を意味する。更に、本発明の錠剤
硬度が3kg以上であることは、PTP包装のみなら
ず、ガラス、プラスチックなどの容器に錠剤を封入した
ボトル容器にも適用可能、即ち、流通過程で生じる錠剤
間又は錠剤−容器壁間の接触に十分耐えうると考えられ
る。また、「速崩壊」又は「速やかに崩壊」とは、健康
な成人に経口投与される際に水を服用することなく、唾
液により口腔内において1分30秒以内、好ましくは1
分以内、更に好ましくは40秒以内に錠剤全量が崩壊・
分散する程度の崩壊性を意味する。なお、口腔内の乾い
た或いは唾液の少ない人においては、口腔内を濡らす程
度の水を用いることにより、ざらつきを残さずに滑らか
に本錠剤を服用することが可能である。更に、本錠剤を
通常の錠剤と同様に水と共にそのまま服用しても何ら差
し支えない。
【0026】本発明において、主賦形剤として使用する
糖類とは、医薬製剤の技術分野で使用されうる糖類であ
って、本発明の目的に沿うものであれば、いずれの糖類
であってもよい。好ましくは、単糖及び二糖並びにそれ
らの糖アルコールを意味する。これらの具体的なものと
しては、マンニトール、エリスリトール、キシリトー
ル、乳糖及びグルコース、更に、マルトース、ソルビト
ース、トレハロース、ショ糖及び果糖などを挙げること
ができる。これら単独でも2種以上組み合わせても用い
ることができる。前者のマンニトール、エリスリトー
ル、キシリトール、乳糖などが好ましいが特に、マンニ
トールは、適度な甘味と冷涼感があること、吸湿性が小
さいこと、適度な硬度及び速やかな崩壊性が得やすいこ
とから、嗜好性、安定性及び製造性の面で有利である。
上記各公報に開示された口腔内速崩壊型錠剤において、
マンニトールのような成形性の低い糖類を使用する場
合、例えば、成形性の低い糖類に成形性の高い糖類を添
加して造粒(国際公開WO95/20380号公報参
照)、錠剤中に含まれる成形性の低い糖類の全量を粉砕
した後に崩壊剤を添加して造粒(国際公開WO97/4
7287号公報参照)、或いは成形性の低い糖類にトウ
モロコシデンプンや結晶セルロースなどの賦形剤を添加
して造粒(国際公開WO97/47287号公報及び特
開2000−16930号公報参照)することにより、
打錠工程での圧縮成形性を高める手法が記載されてい
る。しかし、本発明においては、成形性の低い糖類に結
合剤としてシクロデキストリン類が実質的に完全に溶解
した溶液を噴霧塗付した造粒物とすることで、適度の硬
度を維持しつつ、成形性の低い糖類を錠剤中に98重量
%程度含むことができる。「実質的に完全に溶解した」
とは、95%以上、好ましくは98%以上が溶解してい
る状態を含みうるが、殊に100%溶解しているもの
が、特に好ましい。
【0027】一般に、錠剤硬度を高めるには、水溶性結
合剤として、例えば、ポビドン、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、プルラン、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチ
ンなどを水溶液の状態で賦形剤に添加して造粒するが、
通常の圧縮成形過程で得られる錠剤は速やかな崩壊性を
示さない。上記水溶性結合剤は、上記各公報に開示され
た口腔内速崩壊型錠剤において、前記湿製法、加湿法及
び加温法で得られる錠剤の結合剤として用いることも可
能であるが(特開平9−309821号公報、特開平8
−291051号公報及び特開平11−263723号
公報参照)、これらの製造方法は従来の湿式造粒法で錠
剤を製造する工程に加湿又は加温する工程が追加される
ため煩雑である。更に、錠剤強度を高めるために上記水
溶性結合剤の添加量を増加すると、水に溶解した際の粘
度が大きくなり、口腔粘膜へ付着したり、ぬめり感が現
れるなど服用面で劣ったものとなる。
【0028】本発明に用いられる水溶性結合剤はシクロ
デキストリン類であり、例えば、α−シクロデキストリ
ン及びその誘導体、β−シクロデキストリン及びその誘
導体、γ−シクロデキストリン及びその誘導体などを挙
げることができる。水又はアルコール/水混合液中に完
全に溶解すれば、これら単独でも2種以上組み合わせて
も用いることができる。α、β及びγ−シクロデキスト
リンは、それぞれ6、7及び8個のグルコース単位から
構成される環状オリゴ糖であり、それらの誘導体は、グ
ルコース単位中の水酸基の一部を他の官能基で置換した
ものである。水に溶解する親水性誘導体として、例え
ば、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリ
ン、2,3,6−トリ−O−メチル−β−シクロデキス
トリンなどのメチル化誘導体、2−ヒドロキシエチル−
β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β
−シクロデキストリン、3−ヒドロキシプロピル−β−
シクロデキストリン、2,3−ジヒドロキシプロピル−
β−シクロデキストリンなどのヒドロキシル化誘導体、
グリコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β
−シクロデキストリンなどの分岐誘導体が挙げられる。
また、唾液(pH6.4〜7.0)に溶解するイオン化
誘導体として、例えば、O−カルボキシメチル−O−エ
チル−β−シクロデキストリンなどのアニオン化誘導体
が挙げられる。α−及びβ−シクロデキストリンは経口
投与用の医薬品添加物として認可されており、特に好ま
しい。また、シクロデキストリン誘導体としては、工業
的及び毒性的な面を考慮すると水溶性の高い2−ヒドロ
キシプロピル−β−シクロデキストリンが特に好まし
い。
【0029】シクロデキストリン類は、既に、粉末状態
で他の賦形剤に添加して錠剤化することにより、圧縮成
形性(Pharm. Ind. 51,94(1989))及び得ら
れた錠剤の崩壊性(Chem. Pharm. Bull. 32,665
(1984))などを改善できることが知られている。
更に、シクロデキストリン発泡ポリマー(特公昭58−
501470号公報参照)や二酸化炭素などの気体を吸
着・含有したシクロデキストリン類(特開昭63−13
2846号公報参照)は、崩壊助剤として粉末状態で錠
剤中に配合されている。また、シクロデキストリン類を
それらが完全に溶解するに不十分な量の水又はアルコー
ル/水混合液中に他の賦形剤と共に添加して膨潤させ、
その後乾燥して得た粉末を錠剤形成助剤として利用して
いる(特公第2521612号公報参照)。本発明にお
いては、シクロデキストリン類を完全に溶解した溶液状
態で成形性の低い糖類に添加又は噴霧し乾燥する。その
ため、比較的少ない量でシクロデキストリン類を糖類の
表面に均一に分散でき、適度な硬度と速やかな崩壊性を
有する錠剤を得ることができる。また、シクロデキスト
リン類は前記水溶性結合剤と比較して水に溶解した際の
粘度が小さく、速やかな崩壊性を示す範囲で添加量を増
加する限り良好な服用性が得られる。その配合量は、錠
剤中に通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量
%程度である。なお、シクロデキストリン類は分子構造
内に疎水的な空洞を有し、その空洞に薬物を取り込み包
接錯体を形成することから、難水溶性薬物の溶解性改善
や苦味・渋味の抑制に広く用いられている。本発明にお
いても、薬効成分の添加量が微量で、かつ上記結合剤と
して用いるシクロデキストリン類の添加量が薬効成分と
錯体を形成するに十分な量であれば、薬物をシクロデキ
ストリン類の水溶液に溶解するなどして、口腔内速崩壊
型錠剤に薬物の溶解性改善や苦味・渋味の抑制という機
能を付与することも可能である。しかし、本発明におい
て薬物は必ずしもシクロデキストリンの空洞に取り込ま
れている必要はない。
【0030】崩壊剤としては、例えば、クロスポビド
ン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチル澱粉ナトリウ
ム、部分α化澱粉などが挙げられ、単独でも2種以上組
み合わせても用いることができる。本発明において、上
記崩壊剤の配合は必ずしも必要ではないが、所望する錠
剤の硬度及び速崩壊性を達成する上で配合する場合は、
錠剤中に通常20重量%以下、好ましくは10重量%以
下、更に好ましくは5重量%以下程度である。なお、上
記崩壊剤は水を吸収し膨潤するため、口腔内の乾いた或
いは唾液の少ない人においては、粉っぽい異物感を感じ
易く、その配合量は少ない方が好ましい。上記崩壊剤の
中では、少量の添加量で良好な硬度及び崩壊性を得る上
でクロスポビドンが好ましい。
【0031】本発明において用いられる薬効成分は、経
口で摂取できるいかなる医薬成分を含む。更に、苦味の
ないか少ないものが好ましいが、苦味を有するものでも
使用できる。このような薬効成分として、睡眠鎮静薬に
は、例えば、エスタゾラム、ニトラゼパム、フェノバル
ビタールナトリウムなどが挙げられる。抗不安薬とし
て、例えば、ジアゼパム、クロルジアゼポキシドなどが
挙げられる。向精神病薬として、例えば、リスペリド
ン、ピモジド、クロルプロマジンなどが挙げられる。抗
パーキンソン薬として、例えば、レボドパ、塩酸アマン
タジンなどが挙げられる。解熱鎮痛消炎薬として、例え
ば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、インドメタ
シンなどが挙げられる。抗ヒスタミン薬として、例え
ば、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニ
ラミン、塩酸ホモクロルシクリジンなどが挙げられる。
血圧降下薬として、例えば、ニフェジピン、ベシル酸ア
ムロジピン、塩酸デラプリルなどが挙げられる。高脂血
症用薬として、例えば、クリノフィブラート、ニコモー
ルなどが挙げられる。糖尿病用薬として、例えば、トル
ブタミド、グリクロピラジドなどが挙げられる。気管支
拡張薬として、例えば、テオフィリン、塩酸ピルブテロ
ールなどが挙げられる。骨格筋弛緩薬として、例えば、
メトカルバモール、クロルゾキサゾンなどが挙げられ
る。抗真菌薬として、例えば、イトラコナゾール、フル
コナゾールなどが挙げられる。抗生物質として、例え
ば、セファレキシン、エリスロマイシンなどが挙げられ
る。消化性潰瘍用薬として、例えば、シメチジン、ファ
モチジンなどが挙げられる。消化管運動賦活薬として、
例えば、シサプリド、塩酸イトプリドなどが挙げられ
る。アルツハイマー型痴呆治療薬として、例えば、ガラ
ンタミン、塩酸ドネペジルなどが挙げられる。ビタミン
として、例えば、アスコルビン酸、塩酸ピリドキシンな
どが挙げられる。これらの薬効成分は、1種又は2種以
上を組み合わせることができる。上記薬効成分は、糖類
又は糖類と崩壊剤にシクロデキストリン類を溶解した水
溶液を添加する造粒工程或いはその後の打錠用顆粒を形
成する混合工程で含ませることができる。最終製品であ
る錠剤中の薬効成分の含有量は、薬効成分の種類などに
よって異なるが、通常60重量%以下、好ましくは30
重量%以下程度である。
【0032】打錠用顆粒は、本発明の効果に悪影響を及
ぼさない限り、錠剤の製造に一般に用いられる種々の添
加剤を含むことができる。ただし、本発明では先に述べ
たようにシクロデキストリン類以外の水溶性結合剤は使
用できない。結合剤以外の添加剤として、発泡剤には、
例えば、重曹、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。酸味
料として、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが
挙げられる。人工甘味料として、例えば、アスパルテー
ム、サッカリンナトリウム、ステビアなどが挙げられ
る。香料として、例えば、レモン、オレンジ、メントー
ルなどが挙げられる。流動化剤として、例えば、含水二
酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤
として、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂
肪酸エステル、タルクなどが挙げられる。着色剤とし
て、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号及び食用青色
2号などの食用色素、食用レーキ色素、酸化鉄などが挙
げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み
合わせることができ、糖類又は糖類と崩壊剤にシクロデ
キストリン類の溶液を添加する造粒工程中、或いはそこ
で得られた造粒物に崩壊剤を添加する混合工程中で、適
宜適量添加することができる。
【0033】次に、本発明の製造方法について詳述す
る。本発明の製造方法においては、まず、従来の湿式造
粒法に準じ、上記主賦形剤である糖類又は糖類と必要に
より上記崩壊剤の混合物に、上記シクロデキストリン類
を実質的に完全に溶解した水又はアルコール/水混合液
を添加又は噴霧し、その後乾燥して造粒物を調製する
(造粒工程)。次に、得られた造粒物に必要に応じて崩
壊剤やその他の添加剤を物理混合した後、整粒して打錠
用顆粒とする(混合工程)。薬効成分に関しては、その
物理化学的特性に応じて造粒工程又は混合工程で添加す
る。本発明において薬物及び添加剤の粒子径は特に限定
しないが、粒子径の小さい方が服用感に優れている。こ
こで用いることができる湿式造粒法は、従来から慣用さ
れている湿式顆粒の製造法であればよく、流動層造粒、
攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒など、製造方法は限
定されない。また、混合工程においては、通常の物理混
合に用いられる、ビニール袋、V型混合機などが使用さ
れ、製造方法は限定されない。ただし、混合回数又は混
合時間は、薬効成分の均一性、圧縮成形時の打錠障害、
例えば、スティッキングを防止するために配合された滑
沢剤の効果などを基にして設定する。
【0034】本発明では、結合剤である上記シクロデキ
ストリン類を、粉末状態ではなく完全に溶解した溶液状
態で添加する。この溶液状態での添加によりシクロデキ
ストリン類を他の賦形剤粒子の表面に均一に分散するこ
とができ、従来の粉末状態での添加に比べて少量で錠剤
硬度を高めることができる。ただし、圧縮成形性の低い
賦形剤や薬効成分を多量に配合するときは、適度な錠剤
硬度を得るためにシクロデキストリン類の添加量の増加
が必要となる。この場合、例えばβ−シクロデキストリ
ンのように水に対する溶解性が比較的低いものは、加温
水又はアルコール/水混合液を用いることでシクロデキ
ストリンの溶解度を高めることができ、製造時間を延長
せずにシクロデキストリン類の添加量を増加することが
できる。
【0035】本発明は必ずしも崩壊剤を必要としない
が、添加する場合、崩壊剤が錠剤の製造及び保管条件で
有する平衡水分量に近い水分を保持するように留意しな
ければならない。例えば、崩壊剤を含む造粒工程で乾燥
し過ぎたり、或いは混合工程で水分含量の少ない崩壊剤
を添加すると、製造時又は製造後の保管時に崩壊剤が空
気中の水分を吸収・膨張し、錠剤硬度の低下を招くこと
がある。従って、崩壊剤を造粒工程で添加する場合はそ
の乾燥過程の温度や時間を調整することにより、或いは
崩壊剤を混合工程で添加する場合は予め平衡水分を含ん
だ崩壊剤を用いることにより、打錠用顆粒の水分調整を
行なうことが好ましい。製造温度は、一般に室温(20
〜30℃程度)でよく、特に調整する必要はないが、湿
度に関しては、上記の理由から製造時又は製造後の保管
時における錠剤硬度の低下を考慮し、通常、相対湿度を
60%程度とすることが好ましい。
【0036】上記で得られた打錠用顆粒を圧縮成形して
錠剤を得る。この打錠工程では、一般に粉末の圧縮成形
に用いられる通常の打錠機、例えば、単発打錠機或いは
ロータリー式打錠機を使用することができる。打錠圧
は、例えば、打錠用粉末200mgを、直径(φ)8m
mの杵及び単発打錠機を用いて打錠するとき、通常、2
00〜1500kg、好ましくは500〜1000kg
程度に設定する。打錠時の温度は、通常室温(20〜3
0℃程度)でよく、特に調整する必要はない。本発明の
口腔内速崩壊型錠剤は機械的強度が強いため、円形、楕
円形、菱形、カプセル形、三角形、リング形などの所望
される形状に加工することができる。このような錠剤の
直径或いは長径は、通常6〜15mmであり、その重量
は、通常、80mgから1000mgとなるが、これに
限定されるものではない。更に、錠剤硬度及び崩壊性に
悪影響を及ぼさない程度に、一般に被覆製剤の製造で用
いられるコーティング方法にて被覆されていてもよい。
また、錠剤に分割するための割線を刻んだ分割錠の形態
とすることもできる。分割錠は、その上面及び/又は下
面に、錠剤を分割するための少なくとも1本の溝からな
る割線が刻まれたものであり、公知の方法によって製造
できる。例えば、打錠機の杵形状を分割錠用のものを用
いることにより容易に刻設される。このような分割錠は
半錠投与が多く望まれる高齢者医療において特に有用で
ある。
【0037】
【発明の効果】本発明の造粒物に由来する口腔内速崩壊
型錠剤は、適度な硬度及び口腔内での速やかな崩壊性を
有しているため、飲み易くかつ取り扱いが容易である。
従って、含有する薬効成分に応じて適用される患者、特
に高齢者の長期投与の服用に適しており、更に、小児患
者の予防や治療にも用いることができる。
【0038】本発明の製造方法によれば、従来の湿式造
粒法で錠剤を製造するため、打錠工程前後において加湿
・加温などの特殊な工程を追加する必要はなく、更に、
汎用の造粒機、乾燥機や打錠機などを用いて製造するこ
とができる。従って、本発明の製造方法は、煩雑な工程
を経ることなく製造工程が簡便で量産性に優れており、
製造コスト、製造時間、製造歩溜りなどの面から、従来
の口腔内速崩壊型錠剤の製造方法に比較して有利であ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例、比較例及び評価試験を挙げて
本発明を詳述するが、これらは本発明を限定するもので
はない。
【0040】評価試験は以下の方法で行った。 (1)硬度測定 錠剤の直径方向の破壊強度を錠剤硬度計(TBH28、
エルウェカ社製)にて測定した。測定は3回行われ、結
果は3回の平均値を表す。 (2)厚み測定 錠剤の厚みをマイクロメーター(SM−528、テック
ロック社製)にて測定した。測定は3回行われ、結果は
3回の平均値を表す。 (3)口腔内崩壊試験 健康な成人男子の口腔内に水なしで本発明の口腔内速崩
壊型錠剤を含ませ、錠剤が口腔内の唾液のみで完全に崩
壊・分散するまでの時間を測定した。試験は3人で行わ
れ、結果は3人の平均値を表す。 (4)水分測定 赤外線乾燥機(FG−GE05、メトラー社製)にて、
打錠用顆粒3gを100℃で35分間加熱し、加熱前後
の重量変化から水分量を求めた。測定は1回行われた。 (5)保存試験 恒温恒湿機(CSH−220、タバイエスペック社製)
にて、本発明の口腔内速崩壊型錠剤をガラス瓶に入れ、
開栓状態で25℃/60%RH及び40℃/75%RH
条件下に4週間保存した。保存後に各錠剤の硬度、厚み
及び口腔内崩壊時間を求めた。
【0041】以下、錠剤の例及び比較試験結果を示す。
【0042】比較例1〜5 ポビドン(ISPテクノロジー社製)、α−シクロデキ
ストリン(日本食品化工社製)、β−シクロデキストリ
ン(日本食品化工社製)、γ−シクロデキストリン(日
本食品化工社製)又は2−ヒロドキシプロピル−β−シ
クロデキストリン(日本食品化工社製)4gに、マンニ
トール189g(東和化成社製)、クロスポビドン6g
(BASF社製)及びステアリン酸マグネシウム1g
(堺化学工業社製)を添加し、ビニール袋内で100回
よく混合して打錠用顆粒を調製した。その後、単発打錠
機(J4、井内盛栄堂)にて、直径(φ)8mmの隅角
平型の打錠用杵を用い、錠剤重量200mg、打錠圧1
000kgで打錠して比較例1〜5の錠剤を得た。
【0043】比較例1〜5の成分組成及び錠剤の評価試
験結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1より、マンニトール及びクロスポビド
ンに、ポビドン又はシクロデキストリン類を粉末添加し
て得た錠剤の硬度は2kg以下となり、製造工程及び流
通過程で崩れない適度な硬度を有する錠剤が得られない
ことがわかる。
【0046】比較例6及び実施例1〜4 流動層造粒機(フローコーターミニ、フロイント産業社
製)を用い、マンニトール189gを流動しながら、ポ
ビドン(比較)、α−シクロデキストリン、β−シクロ
デキストリン、γ−シクロデキストリン又は2−ヒロド
キシプロピル−β−シクロデキストリンの各4gを、そ
れぞれ水146gに完全に溶解した液を噴霧して造粒し
た。引き続き流動層内で乾燥した顆粒を24メッシュ篩
で整粒した後、クロスポビドン6g及びステアリン酸マ
グネシウム1gを添加し、ビニール袋内で100回よく
混合して打錠用顆粒を調製した。その後、比較例1と同
様に打錠して比較例6及び実施例1〜4の錠剤を得た。
【0047】比較例6及び実施例1〜4の成分組成及び
錠剤の評価試験結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2より、マンニトール及びクロスポビド
ンに、ポビドン(比較)又はシクロデキストリン類を完
全に溶解した液を噴霧して得た造粒物からなる錠剤の硬
度は5kg以上、口腔内崩壊時間は90秒以内となるこ
とを示す。シクロデキストリン類の水溶液を添加した実
施例1〜4の錠剤は、ポビドン水溶液を添加した比較例
6の錠剤に比べて口腔内崩壊時間が明らかに短く、特
に、β−シクロデキストリンを含む実施例2及び2−ヒ
ドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む実施
例4の錠剤は、15秒以内の口腔内崩壊時間となり、口
腔内速崩壊型錠剤として特に優れた特性を有しているこ
とが理解できる。
【0050】実施例5〜9 流動層造粒機を用い、マンニトール195gを流動しな
がら、β−シクロデキストリン又は2−ヒロドキシプロ
ピル−β−シクロデキストリンの各4gを、それぞれ水
146gに完全に溶解した液を噴霧して造粒した。引き
続き流動層内で乾燥した顆粒を24メッシュ篩で整粒し
た後、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、ビニー
ル袋内で100回よく混合して打錠用顆粒を調製した。
その後、実施例2と同様に打錠して実施例5〜6の錠剤
を得た。これらは実施例2と同様の製造方法であるが、
その成分組成中のマンニトールを、キシリトール(東和
化成社製)、乳糖(DMV社製)及びグルコース(松谷
化学工業社製)に変えて、それぞれ実施例7、実施例8
及び実施例9の錠剤を得た。
【0051】実施例5〜9の成分組成及び錠剤の評価試
験結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】表3より、崩壊剤であるクロスポビドンを
配合しない場合(実施例5〜6)及びマンニトール以外
の糖類を配合した場合(実施例7〜9)において、錠剤
硬度3kg以上、口腔内崩壊時間1分30秒以内の錠剤
が得られることがわかる。
【0054】実施例10〜12 実施例2と同様の製造方法であるが、β−シクロデキス
トリン2g、6g及び8gをそれぞれ水73g、219
g及び292gに完全に溶解した液を噴霧して造粒し、
それぞれ実施例10、実施例11及び実施例12の錠剤
を得た。なお、実施例2に対するβ−シクロデキストリ
ン添加量の増減は、マンニトールの配合量を変化させて
全体重量を調整した。
【0055】実施例10〜12の錠剤の評価試験結果を
表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】表4より、結合剤であるβ−シクロデキス
トリンの添加量が増加すると、その添加量に比例して錠
剤硬度が増加すること、及び1重量%の結合剤を含む実
施例10において約4kgの硬度を維持できることを示
す。錠剤硬度と同時に口腔内崩壊時間も僅かに延長した
が、4重量%の結合剤を含む実施例12において口腔内
崩壊時間は約15秒であり、口腔内速崩壊型錠剤として
優れた特性を有していることがわかる。
【0058】実施例13〜16 実施例2と同様の製造方法であるが、その成分組成中の
クロスポビドンを、クロスカルメロースナトリウム(旭
化成工業社製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス(信越化学工業社製)、カルボキシメチル澱粉ナトリ
ウム(松谷化学工業社製)及び部分α化澱粉(旭化成工
業社製)に変えて、それぞれ実施例13、実施例14、
実施例15及び実施例16の錠剤を得た。
【0059】実施例13〜16の錠剤の評価試験結果を
表5に示す。
【0060】
【表5】
【0061】表5より、クロスポビドン以外の崩壊剤を
配合した実施例13〜16の錠剤でも、実施例2と同様
に錠剤硬度が3kg以上で口腔内崩壊時間が40秒以内
となり、口腔内速崩壊型錠剤として優れた特性を有して
いることがわかる。
【0062】実施例17〜19 実施例2と同様の製造方法であるが、造粒物にクロスポ
ビドン2g、4g、及び8gを添加して打錠用顆粒を調
製し、それぞれ実施例17、実施例18及び実施例19
の錠剤を得た。なお、実施例2に対するクロスポビドン
添加量の増減は、マンニトールの配合量を変化させて全
体重量を調整した。
【0063】実施例17〜19の成分組成及び錠剤の評
価試験結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】表6より、崩壊剤であるクロスポビドンの
添加量が増加すると、その添加量に比例して錠剤硬度が
高まり口腔内崩壊時間も短くなることがわかる。1重量
%の崩壊剤を含む実施例17の錠剤の口腔内崩壊時間
は、未配合の実施例5の錠剤に比べ約4分の1となり、
崩壊剤の添加は口腔内速崩壊錠として優れた特性を得る
上で有用であることが理解できる。
【0066】実施例20〜22 実施例2と同様の製造方法であるが、予め25℃/60
%RH条件下に数日間保存したクロスポビドン6gを添
加して打錠用顆粒を調製し、実施例20の錠剤を得た。
また、マンニトール189g及びクロスポビドン6gを
流動層造粒機内で流動しながら、β−シクロデキストリ
ン4gを水146gに完全に溶解した液を噴霧して造粒
した。引き続き流動層内にて、造粒物が0.8〜1.0
重量%の水分量を含むように乾燥した後、顆粒を24メ
ッシュ篩で整粒した。ステアリン酸マグネシウム1gを
添加し、ビニール袋内で100回よく混合して打錠用顆
粒を調製し、実施例21及び実施例22の錠剤を得た。
ただし、実施例22のみ打錠圧を300kgとした。な
お、実施例2、実施例20及び実施例21の打錠用顆粒
中の水分量は、それぞれ0.5、1.0及び0.8重量
%であった。
【0067】実施例20〜22の成分組成及び錠剤の評
価試験結果を表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】表7より、崩壊剤であるクロスポビドンに
関して、その添加位置の変更及び/又は水分調整が、口
腔内崩壊時間ではなく錠剤硬度に著しく影響することが
わかる。実施例2と実施例20の場合、クロスポビドン
の添加位置は同じだが、予め水分調整した実施例20の
方がより高い硬度を示す。また、クロスポビドンの添加
位置が異なる実施例20と実施例21の場合、クロスポ
ビドンを造粒工程に添加し水分調整した実施例21の方
がより高い硬度を示す。特に、実施例21の打錠用顆粒
では、300kgの低い打錠圧で錠剤硬度3kg以上、
口腔内崩壊時間10秒未満の錠剤が得られることがわか
る(実施例22)。本発明の製造方法としては、クロス
ポビドンを造粒工程に添加した後に乾燥過程で水分調整
することが、良好な口腔内崩壊時間を維持しつつ、より
高い錠剤硬度を得る上で簡便な製造方法であることが理
解できる。
【0070】実施例23〜24 実施例21で製造された錠剤を開栓状態のガラス瓶に入
れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RH条件下
で4週間保存し、それぞれ実施例23及び実施例24の
錠剤を得た。
【0071】実施例23〜24の成分組成及び錠剤の評
価試験結果を表8に示す。
【0072】
【表8】
【0073】表8より、25℃/60%RH及び40℃
/75%RHの両条件下にて、経時的に錠剤の硬度が低
下し、口腔内崩壊時間が短くなる傾向を確認したが、4
週間保存後も口腔内速崩壊型錠剤として優れた特性を有
していることがわかる。
【0074】実施例25〜29 実施例21と同様の製造方法であるが、マンニトール1
29g、クロスポビドン6g及びアスコルビン酸(武田
薬品工業社製)60gを流動層造粒機内で流動しなが
ら、β−シクロデキストリン水溶液で造粒後、ステアリ
ン酸マグネシウム1gを添加して打錠用顆粒を調製し、
実施例25の錠剤を得た。次に、マンニトール129g
及びクロスポビドン6gを流動層造粒機内で流動しなが
ら、β−シクロデキストリン水溶液で造粒後、アスコル
ビン酸60g及びステアリン酸マグネシウム1gを添加
して打錠用顆粒を調製し、実施例26の錠剤を得た。ま
たこの時、アスコルビン酸の代わりにフェナセチン(和
光純薬工業社製)60gを添加して実施例27の錠剤を
得た。更に、マンニトール169g及びクロスポビドン
6gを流動層造粒機内で流動しながら、β−シクロデキ
ストリン水溶液で造粒後、ガランタミン(ヤンセン社
製)20g及びステアリン酸マグネシウム1gを添加し
て打錠用顆粒を調製し、実施例28の錠剤を得た。また
この時、ガランタミンの代わりにニフェジピン(和光純
薬工業社製)20gを添加して実施例29の錠剤を得
た。なお、上記実施例25〜29は造粒工程で水分調整
を行ない、得られる各打錠用顆粒の水分量を約0.8重
量%とした。
【0075】実施例25〜29の成分組成及び錠剤の評
価試験結果を表9に示す。
【0076】
【表9】
【0077】表9より、圧縮成形性の低い水溶性薬効成
分であるアスコルビン酸を、造粒工程又は混合工程中に
30重量%添加した実施例25及び実施例26は、口腔
内速崩壊型錠剤として優れた特性を有しており、薬効成
分の添加方法の違いが錠剤特性に影響しないことがわか
る。更に、圧縮成形性の低い難水溶性薬効成分であるフ
ェナセチンを混合工程中に30重量%添加した実施例2
7は、実施例26と同程度の錠剤特性を有しており、薬
効成分の配合量が30重量%程度であれば、薬効成分の
水への溶解性の違いが錠剤特性に顕著に影響しないこと
がわかる。また、他の薬効成分として水溶性のガランタ
ミン及び難水溶性のニフェジピンを、それぞれ混合工程
中に10重量%添加した実施例28及び実施例29の錠
剤においても、口腔内速崩壊型錠剤として優れた特性を
有していることが理解できる。
【0078】比較例7 特許第2521612号公報の記載に従って、β−シク
ロデキストリン4gを水14.6gに懸濁したものをマ
ンニトール189gに噴霧した後、乾燥し、次いで、比
較例1及び実施例2と同様に打錠した。
【0079】比較例1、比較例7及び実施例2の錠剤の
評価試験結果を表10に示す。
【0080】
【表10】
【0081】表10から、比較例7の錠剤は、錠剤硬度
が本発明に従う錠剤に比し、明らかに低い値を示すこと
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 邦雄 静岡県駿東郡長泉町納米里174番地13号 Fターム(参考) 4C076 AA37 BB01 DD38 DD67 EE39 FF33 GG12 GG14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性流体と接触した場合に速崩壊性を示
    す圧縮錠剤を形成するための造粒物であって、(1)糖
    類の粉末又は粒子を含んでなり、そして(2)該粉末又
    は粒子の表面又は表面の近傍の一部又は全領域にわたっ
    て、シクロデキストリン及びそれらの誘導体からなる群
    より選ばれる1種以上のシクロデキストリン類の微粒子
    が均一に分散して存在すること、を特徴とする造粒物。
  2. 【請求項2】 該粉末又は粒子及びシクロデキストリン
    類の微粒子以外に、崩壊剤をさらに含んでなる請求項1
    記載の造粒物。
  3. 【請求項3】 該粉末又は粒子及びシクロデキストリン
    類の微粒子以外に、薬効成分を更に含んでなる請求項1
    又は2に記載の造粒物。
  4. 【請求項4】 流動下にある糖類の粉末又は粒子にシク
    ロデキストリン類の水溶液を噴霧塗布しながら該粉末又
    は粒子を凝集又は造粒し、次いで乾燥することにより製
    造する請求項1又は2に記載の造粒物。
  5. 【請求項5】 糖類が、単糖及び二糖類並びにそれらの
    糖アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の造粒物。
  6. 【請求項6】 糖類がマンニトールである請求項1〜5
    のいずれかに記載の造粒物。
  7. 【請求項7】 シクロデキストリン類がα−シクロデキ
    ストリンβ−シクロデキストリン及びγ−シクロデキス
    トリン並びにそれらのモノもしくはジヒドロキシプロピ
    ル化物、モノ−もしくはジグリコシル化物及びモノ−も
    しくはジマルトシル化物からなる群より選ばれる少なく
    とも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の造粒
    物。
  8. 【請求項8】 シクロデキストリンがβ−シクロデキス
    トリンおよび2,3−ジヒドロキシプロピル−β−シク
    ロデキストリンからなる群より選ばれる請求項1〜7の
    いずれかに記載の造粒物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の造粒物
    に由来する圧縮錠剤。
  10. 【請求項10】 流動下にある糖類の粉末又は粒子にシ
    クロデキストリン類の水溶液を噴霧塗布しながら該粉末
    又は粒子を凝集又は造粒し、次いで乾燥することを特徴
    とする請求項1〜8のいずれかに記載の造粒物の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 流動下にある糖類の粉末又は粒子にシ
    クロデキストリン類の水溶液を噴霧塗布しながら該粉末
    又は粒子を凝集又は造粒し、乾燥し、次いで打錠するこ
    とを特徴とする請求項9記載の圧縮錠剤の製造方法。
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