JP4162405B2 - 鋳型錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔内で崩壊するモールド錠およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、口腔内で崩壊するモールド錠の崩壊遅延の防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モールド錠は水がなくても口腔内で速やかに崩壊する錠剤である。原料を鋳型に入れて打錠するためモールド錠という。水やエタノール等で湿潤した紛体を鋳型に充填して成型し、鋳型から取り出した後に乾燥して得られる錠剤であり、極めて崩壊時間が短いという特徴を有する。
【0003】
モールド錠は古くから知られていたが、近年特に注目され、嚥下力の低下した老齢者でも容易に服用することができる固形剤や、甘味剤を配合して幼児が服用しやすい製剤へ応用されている。
【0004】
結晶セルロースは製剤化助剤として広く使用されており、例えばビタミンKを結晶セルロースに吸着させ、この吸着粉体に糖類および結合剤を混合し、成型した錠剤が報告されている(特開2000-344664号公報)。
また、特開平10-182436号公報には、製剤100重量部に対して3〜50重量%の結晶セルロースを配合した固形医薬製剤が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
モールド錠は本来崩壊が速い錠剤であるが、含有する薬剤成分によっては、崩壊時間が遅延する場合がある。モールド錠は口腔内で崩壊し薬物や賦形剤が溶解、分散するため、服用しやすいように甘味剤や矯味剤を配合する場合が多い。ある特定の薬物に、矯味剤としてl−メントールおよび/またはオレンジミクロンを配合し、モールド錠を成型すると、崩壊時間が著しく延長してしまう。
【0006】
モールド錠の崩壊時間を短縮させるためには、崩壊剤として作用する結晶セルロースを配合すればよいが、配合量が多すぎると磨耗しやすくなり、また、服用した際に、ざらつき感を感じてしまう点で問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意研究した結果、薬物と香料を配合したモールド錠に結晶セルロースを特定の範囲で配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち本発明は、0.1〜2重量%の結晶セルロースを配合することを特徴とする薬物および香料を配合したモールド錠の崩壊遅延防止方法である。
【0009】
また、薬物がメクリジンおよび/またはスコポラミンである上記方法、香料がオレンジ系香料、メントール、ハッカ油またはスペアミント油の1種以上である上記方法も本発明の一態様である。
【0010】
また、本発明は0.1〜2重量%の結晶セルロースを配合することを特徴とする薬物および香料配合の崩壊遅延防止モールド錠の製造方法である。
【0011】
さらに、本発明は0.1〜2重量%の結晶セルロース、薬物および香料を含む口腔内崩壊モールド錠である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において使用できる薬物は、経口投与が可能なものであればよく、特に限定はされない。
配合可能な薬物としては、例えば、催眠鎮静剤、抗不安薬、強心剤、解熱鎮痛消炎剤、鎮痙薬、鎮咳去痰剤、抗ヒスタミン剤、抗喘息薬、降圧剤、鎮暈剤、抗不整脈剤、高脂血症用剤、中枢神経興奮剤、抗生物質、胃腸薬、ホルモン剤、生薬、ビタミン剤等を挙げることができる。
【0013】
催眠鎮静剤としては、アモバルビタール、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ニトラゼパム、フェノバルビタール、ブロムワレリル尿素、トリクロホスナトリウム、塩酸フルラゼパム、ミダゾラム、ロルメタゼパム、ニメタゼパム等を挙げることができる。
【0014】
抗不安薬としては、ジアゼパム、オキサゾラム、メキサゾラム、タンドスピロン、エチゾラム、クロラゼプ酸二カリウム、ブロマゼパム等を挙げることができる。
【0015】
強心剤としては、アムリノン、塩酸オルプリノン、塩酸コルホルシンダロパート、塩酸ドブタミン、ジギトキシン、ジゴキシン、デノパミン、ドカルパミン、ブクラデシンナトリウム、ベスナリノン、ミルリノン、ラナトシドC等を挙げることができる。
【0016】
解熱鎮痛消炎剤としては、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、インドメタシン、アミノピリン、エテンザミド、ケトプロフェン、ジクロフェナック、フェノプロフェンカルシウム、ロペンザリット二ナトリウム等を挙げることができる。
【0017】
鎮痙剤としては、塩酸エペリゾン、臭化水素酸スコポラミン、臭化ブチルスコポラミン、塩酸パパベリン、塩酸イソクスプリン、エトミドリン、臭化メチルオクタトロピン等を挙げることができる。
【0018】
鎮咳去痰剤としては、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸クロペラスチン、塩酸エフェドリン、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸ベンプロペリン、リン酸ジメモルファン等を挙げることができる。
【0019】
抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸アゼラスチン、ジメンヒドリナート、フマル酸クレマスチン、酒石酸アリメマジン等を挙げることができる。
【0020】
抗喘息薬としては、塩酸イソプレナリン、塩酸マブテロール、ジプロフィリン、臭化イプラトロピウム、フマル酸ホルモテロール、硫酸サルブタモール等を挙げることができる。
【0021】
降圧剤としては、塩酸アモスラロール、塩酸イミダプリル、塩酸エホニジピン、塩酸キナプリル、塩酸グアンファシン、塩酸クロニジン、塩酸テモカプリル、塩酸デラプリル、塩酸バルニジピン、塩酸ベタキソロール、塩酸ベナゼプリル、塩酸マニジピン、カルベジロール、カプトプリル、カンデサルタンシレキセチル、酢酸グアナベンズ、シラザプリル、トランドプリル、ニルバジピン、ブドララジン、エナラプリル、リシノプリル、ロサルタンカリウム等を挙げることができる。
【0022】
鎮暈剤としては、塩酸ジフェニドール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸フェネタジン、臭化水素酸スコポラミン、ブチルスコポラミン、塩酸オキシフェンサイクリミン、塩酸ジザイクロミン、塩酸メチキセン、塩酸メチルアトロピン、塩酸パパベリン、ジプロフィリン、ジメンヒドリナート、塩酸メクリジン、メシル酸ベタヒスチン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩等を挙げることができる。好ましくは塩酸ジフェンヒドラミン、ジプロフィリン、臭化水素酸スコポラミン、ジメンヒドリナートまたは塩酸メクリジンである。
【0023】
抗不整脈剤としては、塩酸アミオダロン、塩酸インデノロール、塩酸ブクモロール、塩酸ベプリジル、マレイン酸チモロール、コハク酸シベンゾリン、塩酸ソタロール、塩酸ピルジカイニド、塩酸ピルメノール、フレカイニド等を挙げることができる。
【0024】
高脂血漿治療剤としては、クロフィブラートアルミニウム、コレスチミド、シンバスタチン、フェノフィブラート、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチン、ニセリトロール、プラバスタチンナトリウム、メリナミド等を挙げることができる。
【0025】
中枢神経興奮剤としては、カフェイン、無水カフェイン等を挙げることができる。
【0026】
抗生物質としては、バンコマイシン、トブラマイシン、セフスロジンナトリウム、イミペネム、セフメノキシム、フロモキセルナトリウム、エリスロマイシン、アズトレオナム等が挙げられる。
【0027】
胃腸薬としては、塩酸セトラキサート、銅クロロフィリンナトリウム、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、テプレノン、レバミピド、スクラルファート等を挙げることができる。
【0028】
ホルモン剤としては、ナンドロロン、プレドニゾロン、エストラジオール、グルカゴン、インスリン等を挙げることができる。
【0029】
生薬としては、アカメリュウキョウ、アキョウ、アセンヤク、アマチャ、ウイキョウ、ウイキョウ油、ウコン、エンメイソウ、オウギ、オウゴン、オウヒ、オウレン、ガイヨウ、ガシワ、カッコン、カンゾウ、キキョウ、キジツ、ケイガイ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウジン、コウボク、ザクロヒ、サフラン、サンサシ、サンショウ、ジオウ、シコン、シャクヤク、ショウキョウ、センナ、センブリ、ソウジュツ、ソヨウ、チョウジ、チョウジ油、チンピ、トウヒ、トラガント、ニンジン、ハッカ油、ビャクジュツ、ボウフウ、ホップ、マオウ、1-メントール、リュウコツ、リュウキョウ、レンギョウ、ワキョウカツ等を挙げることができる。これらはエキス剤として添加してもよく、また、抽出物、粉末として添加してもよい。
【0030】
ビタミン剤としては、レチノール等のビタミンA群やカロチン類、チアミン、リボフラビン、ビオチン等のビタミンB群、アスコルビン等のビタミンC群、コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール等のビタミンD群、α−トコフェロール等のビタミンE群、フィトナジオン、メナテトレノン等のビタミンK群、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸等、およびこれらの誘導体もしくはそれらの塩を挙げることができる。
【0031】
本発明において、香料とは医薬品に混合可能なものであればよく、特に限定はされない。例えば、ウイキョウ、オイゲノール、オレンジ、カミツレ油、カンフル、ケイヒ、ゲラニオール、シトロネラール、シンナモン、スペアミント、チョウジ、トウヒ、ハッカ、バニリン、ビター、ペパーミント、ベルガモット、ボルネオール、ミント、メントール、レモン、ローズおよびこれらを成分として含む香料等を挙げることができる。好ましくは、オレンジミクロン、オレンジエキス、オレンジエッセンス、オレンジ油等のオレンジ系香料、l−メントール、ハッカ油、ハッカ水、スペアミント油である。さらに好ましくは、オレンジミクロンまたはl−メントールである。オレンジミクロンは、オレンジ香料10%をデキストリン90%に吸着させたものであり、オレンジミクロンTMD-10の商品名で高砂香料工業(株)から市販されている。
【0032】
本発明において、結晶セルロースとしては、結晶セルロース単独のもの、カルメロースナトリウムと混合したもの等いずれも使用することができる。また、粉末状、粒状、微粒子のいずれも使用することができる。
また、アビセル、セオラス、セルフィアの商品名で市販(旭化成工業(株))されているものも使用することができる。
【0033】
本発明において、結晶セルロースの配合量は、モールド錠を成形できる量であればよく、特に限定されない。好ましくは、全重量に対して0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。
【0034】
本発明に係るモールド錠には、通常、医薬品に用いられる添加剤を配合することができる。添加剤としては例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、矯味剤等を挙げることができる。
【0035】
本発明において用いられる賦形剤としては、乳糖、無水乳糖、白糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、タルク、精製ゼラチン、ヒドキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0036】
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、部分α化デンプン、酸化デンプン、ミツロウ等を例示することができる。
【0037】
崩壊剤としては、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム等を挙げることができる。
【0038】
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、サラシミツロウ、カルナウバロウ等を挙げることができる。
【0039】
流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、水酸化アルミナマグネシウム等を挙げることができる。
【0040】
コーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、エチルセルロース、魚鱗箔等を挙げることができる。
【0041】
懸濁化剤としては、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロースが挙げられる。
【0042】
乳化剤としては、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル等を例示することができる。
【0043】
安定化剤としては、亜硫酸塩、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
【0044】
矯味剤としては、白糖、D−ソルビトール、キシリトール、果糖ブドウ糖液糖、グリチルリチン酸二カリウム等を挙げることができる。
【0045】
本発明に係るモールド錠は、通常行われる製剤化方法で製造することができる。すなわち、主薬および結晶セルロース、香料等の賦形剤を、ミキサー等を使用して攪拌混合し、水やエタノール、またはこれらの混合液を投入して練合する。この際得られるものは湿潤混合物、湿潤錬合物、湿潤粉体、湿潤顆粒等であるが、本明細書中ではこれらを湿潤粉体と表記する。得られた湿潤粉体を、打錠機の鋳型に入れ、圧縮成型すればよい。この際フィルムを介して圧縮成型してもよい。
【0046】
また、特開平5-271054号公報に記載された、薬効成分と糖類と前記糖類の粒子表面が湿る程度の水分とを含む混合物を打錠する方法でもよい。
また、例えば特開平6-218028号公報、特開平8-19588号公報、特開平8-19589号公報、特開平8-19590号公報に記載された装置で製造することもできる。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される訳ではない。
【0048】
実施例1
塩酸メクリジン 125g、臭化水素酸スコポラミン 0.8g、D−マンニトール 2611.6g、ステビア 3g、l-メントール 1g、オレンジミクロン 2.6g、および結晶セルロース 28g(商品名:セオラスKG-801、旭化成工業(株))を、スーパーミキサーを使用して780rpmで5分間混合した。
ポリビニルピロリドン 28gを水・エタノール混合液(水:エタノール=1:1)280gに溶解し、この溶液を前記粉体に加え、780rpmで90秒間練合した。
得られた湿潤顆粒を、湿製錠打錠機EMT-18(商品名、三共製作所(株)製)を使用して成型後、乾燥して1錠280mgの錠剤を製造した。
【0049】
実施例2
表1に示した処方で、実施例1と同様の方法で、結晶セルロースを2%含む1錠280mgの錠剤を製造した。
【0050】
表1 実施例処方(g)
―――――――――――――――――――
成分 実施例2
―――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125
Bスコポラミン 0.8
マンニトール 2583.2
結晶セルロース 56
コーンスターチ 0
ステビア 3
l−メントール 1.4
オレンジミクロン 2.6
PVP 28
―――――――――――――――――――
合計 2800
―――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0051】
比較例1〜3
実施例1と同様の方法で、結晶セルロースを含まない錠剤(比較例1)、結晶セルロースの代わりにコーンスターチをそれぞれ5および10%添加した錠剤(比較例2、3)を製造した。
【0052】
表2 比較例処方(g)
―――――――――――――――――――――――――
成分 比較例1 比較例2 比較例3
―――――――――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125 125 125
Bスコポラミン 0.8 0.8 0.8
マンニトール 2644.8 2498.4 2359.2
結晶セルロース 0 0 0
コーンスターチ 0 140 280
ステビア 3 3 3
l−メントール 1.4 2.2 1.4
オレンジミクロン 2.6 2.6 2.6
PVP 22.4 28 28
―――――――――――――――――――――――――
合計 2800 2800 2800
―――――――――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0053】
試験例1
実施例1および2、比較例1〜3の方法で製造した錠剤について、それぞれの硬度、乾燥減量、摩損度、口中崩壊時間、日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間を測定した。
各20錠ずつを無作為に選択し、木屋式デジタル硬度計((株)藤原製作所)を使用して硬度を測定した。
また、同様に各20錠ずつを抽出し、錠剤摩損度測定器(萱垣医理科工業(株))を使用して、1枚羽根、4分間の条件で錠剤の摩損度を測定した。
乾燥減量の測定には、赤外線水分計((株)ケッテ科学研究所)を使用し、モード95、設定温度80℃、試料13gの条件で測定を実施した。
また、錠剤を舌上に乗せて口を閉じ、唾液によって錠剤を溶解させ、錠剤が形状を失うまでの時間を測定して、口中崩壊時間とした。本人が錠剤の形状を失ったと感じたときに口を開かせ、第三者が目視で確認した。もし、第三者が崩壊していないと判断した場合には、新しい錠剤を舌上に乗せるところから再度繰り返した。以上の操作を3回繰り返して、各実施例、比較例錠剤の口中崩壊時間を評価した。
また、日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間を、各6錠について測定した。測定には崩壊時間自動終点測定装置 Distopper(商品名、富山産業(株))を使用した。以上の結果を表3および4に示した。
【0054】
表3 各試験結果
――――――――――――――――
実施例1 実施例2
――――――――――――――――
硬度(kg) 6.625 4.388
乾燥減量(%) 0.34 0.41
摩損度(%) 0.86 0.58
口中崩壊(秒) 20.83 14.17
崩壊時間(秒) 29 14
――――――――――――――――
【0055】
表4 各試験結果
――――――――――――――――――――――
比較例1 比較例2 比較例3
――――――――――――――――――――――
硬度(kg) 5.805 3.303 2.315
乾燥減量(%) 0.33 0.70 0.68
摩損度(%) 0.74 1.47 3.26
口中崩壊(秒) 22.93 13.67 12.90
崩壊時間(秒) 55 27 20
――――――――――――――――――――――
【0056】
表3および4に示される通り、結晶セルロースを配合した錠剤は、口中崩壊時間および日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間が短く、また、摩損度が小さく、優れた製剤であることが明らかになった。一方、コーンスターチを配合したものでは、摩損度が大きく保存に適さない製剤であった。また、結晶セルロース、コーンスターチのいずれも配合しない処方では、口中崩壊時間、日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間が長く、口腔内溶解型の製剤としては不適切であった。
【0057】
実施例3〜8
実施例1と同様の方法で、表5および6に示した処方の錠剤(1錠280mg)を製造した。結晶セルロースとしては、アビセル101、アビセル301、セオラス(各商品名、旭化成工業(株))を使用した。
【0058】
表5 実施例処方(g)
――――――――――――――――――――――――――――
成分 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6
――――――――――――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125 125 125 125
Bスコポラミン 0.8 0.8 0.8 0.8
マンニトール 2611.2 2583.2 2611.2 2583.2
アビセル101 28 56 0 0
アビセル301 0 0 28 56
ステビア 3 3 3 3
l−メントール 1.4 1.4 1.4 1.4
オレンジミクロン 2.6 2.6 2.6 2.6
PVP 28 28 28 28
――――――――――――――――――――――――――――
合計 2800 2800 2800 2800
――――――――――――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0059】
表6 実施例処方(g)
―――――――――――――――――――――――――
成分 実施例7 実施例8
―――――――――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125 125
Bスコポラミン 0.8 0.8
マンニトール 2611.2 2583.2
セオラス 28 56
ステビア 3 3
l−メントール 1.4 1.4
オレンジミクロン 2.6 2.6
PVP 28 28
―――――――――――――――――――――――――
合計 2800 2800
―――――――――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0060】
比較例4
実施例1と同様の方法で、表7に示した処方で崩壊剤を配合しない比較例錠剤を製造した。
【0061】
表7 比較例処方(g)
―――――――――――――――――――――――――
成分 比較例4
―――――――――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125
Bスコポラミン 0.8
マンニトール 2639.2
ステビア 3
l−メントール 1.4
オレンジミクロン 2.6
PVP 28
―――――――――――――――――――――――――
合計 2800
―――――――――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0062】
試験例2
実施例3〜8、比較例4の錠剤について、試験例1と同様の試験を実施した。その結果を表8および9に示した。
【0063】
表8 各試験結果
―――――――――――――――――――――――――
実施例3 実施例4 実施例5 実施例6
―――――――――――――――――――――――――
硬度(kg) 5.048 4.548 5.268 5.198
乾燥減量(%) 0.47 0.47 0.44 0.54
摩損度(%) 0.11 0.04 0.19 0.13
口中崩壊(秒) 12.83 9.17 11.67 10.67
崩壊時間(秒) 17 13 19 23
―――――――――――――――――――――――――
【0064】
表9 各試験結果
―――――――――――――――――――――――――
実施例7 実施例8 比較例4
―――――――――――――――――――――――――
硬度(kg) 5.548 4.573 5.058
乾燥減量(%) 0.48 0.52 0.42
摩損度(%) 0.24 0.31 0.44
口中崩壊(秒) 11.33 8.33 14.00
崩壊時間(秒) 28 16 55
―――――――――――――――――――――――――
【0065】
表8および9に示される通り、結晶セルロースを配合した錠剤は、口中崩壊時間および日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間が短く、また、摩損度も小さく、優れた製剤であることが明らかになった。一方、結晶セルロースを配合しなかったものは、日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間が長く、口腔内溶解型の製剤としては不適切であった。
【0066】
次に、結晶セルロースの配合量について検討した結果を以下に示す。
【0067】
実施例9〜10、比較例5〜6
実施例1と同様の方法で、表10に示した処方で錠剤を製造した。
【0068】
表10 試験例処方(g)
――――――――――――――――――――――――――――
成分 実施例9 実施例10 比較例5 比較例6
――――――――――――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125 125 125 125
Bスコポラミン 0.8 0.8 0.8 0.8
マンニトール 2611.6 2583.2 2554.4 2526.4
結晶セルロース 28 56 84 112
ステビア 3 3 3 3
l−メントール 1.0 1.4 2.2 2.2
オレンジミクロン 2.6 2.6 2.6 2.6
PVP 28 28 28 28
――――――――――――――――――――――――――――
合計 2800 2800 2800 2800
――――――――――――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0069】
比較例7
同様に表11に示した処方で、結晶セルロースを配合しない比較例の錠剤を製造した。
【0070】
表11 比較例処方(g)
―――――――――――――――――――――――――
成分 比較例7
―――――――――――――――――――――――――
塩酸メクリジン 125
Bスコポラミン 0.8
マンニトール 2639.2
ステビア 3
l−メントール 1.4
オレンジミクロン 2.6
PVP 28
―――――――――――――――――――――――――
合計 2800
―――――――――――――――――――――――――
Bスコポラミン:臭化水素酸スコポラミン
PVP:ポリビニルピロリドン
【0071】
試験例3
実施例9〜10、比較例5〜7の錠剤について、試験例1と同様の試験を実施した。その結果を表12および13に示した。
【0072】
表12 各試験結果
――――――――――――――――――――――――――
実施例9 実施例10 比較例5 比較例6
――――――――――――――――――――――――――
硬度(kg) 6.625 4.388 4.093 2.683
乾燥減量(%) 0.34 0.41 0.43 0.40
摩損度(%) 0.86 0.58 1.15 1.11
口中崩壊(秒) 20.83 14.17 11.83 10.50
崩壊時間(秒) 29 14 15 18
――――――――――――――――――――――――――
【0073】
表13 各試験結果
―――――――――――――――――――――――――
比較例7
―――――――――――――――――――――――――
硬度(kg) 5.805
乾燥減量(%) 0.33
摩損度(%) 0.74
口中崩壊(秒) 22.93
崩壊時間(秒) 55
―――――――――――――――――――――――――
【0074】
表12および表13に示される通り、結晶セルロースを1(実施例9)または2%(実施例10)配合した錠剤は、崩壊時間が短く、また摩損度の低い優れた製剤であった。しかし、結晶セルロースを3(比較例5)または4%(比較例6)配合した処方では、崩壊時間は短いものの、摩損度が高く保存に適さない製剤であることが明らかになった。
【0075】
【発明の効果】
本発明により、メントールやオレンジ等の香料を配合しても崩壊時間が遅延しない、優れたモールド錠を得ることができるようになった。本発明のモールド錠は、高齢者や幼児にも服用しやすい製剤である。

Claims (3)

  1. 薬物及び香料を含む口腔内崩壊モールド錠の崩壊遅延防止方法であって、
    前記薬物がメクリジン及びスコポラミンであり、
    前記香料がオレンジ系香料、メントール、ハッカ油又はスペアミント油から選ばれる1種以上であり、
    口腔内崩壊モールド錠の全重量に対して〜2重量%の結晶セルロースを配合する、口腔内崩壊モールド錠の崩壊遅延防止方法。
  2. 薬物及び香料を含む口腔内崩壊モールド錠の製造方法であって、
    前記薬物がメクリジン及びスコポラミンであり、
    前記香料がオレンジ系香料、メントール、ハッカ油又はスペアミント油から選ばれる1種以上であり、
    口腔内崩壊モールド錠の全重量に対して〜2重量%の結晶セルロースを配合する、口腔内崩壊モールド錠の製造方法。
  3. 薬物及び香料を含む口腔内崩壊モールド錠であって、
    前記薬物がメクリジン及びスコポラミンであり、
    前記香料がオレンジ系香料、メントール、ハッカ油又はスペアミント油から選ばれる1種以上であり、
    口腔内崩壊モールド錠の全重量に対して〜2重量%の結晶セルロースを配合する、口腔内崩壊モールド錠。
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