JP2001278781A - 徐放性製剤およびその製法 - Google Patents

徐放性製剤およびその製法

Info

Publication number
JP2001278781A
JP2001278781A JP2001018807A JP2001018807A JP2001278781A JP 2001278781 A JP2001278781 A JP 2001278781A JP 2001018807 A JP2001018807 A JP 2001018807A JP 2001018807 A JP2001018807 A JP 2001018807A JP 2001278781 A JP2001278781 A JP 2001278781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
organic compound
hydrophobic organic
weight
soluble polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001018807A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3888064B2 (ja
Inventor
Takashi Ishibashi
隆 石橋
Kengo Ikegami
謙吾 池上
Keigo Nagao
恵吾 永尾
Kousuke Yoshino
廣祐 吉野
Masakazu Mizobe
雅一 溝邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2001018807A priority Critical patent/JP3888064B2/ja
Publication of JP2001278781A publication Critical patent/JP2001278781A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3888064B2 publication Critical patent/JP3888064B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない被覆率で効率的に薬物放出を制御しつ
つ、薬物放出の頭打ち現象を起こさず、かつ、水分量の
少ない消化管下部においても十分薬物放出が可能な徐放
性製剤を提供する。 【解決手段】 薬物含有芯物質および該芯物質を覆う多
層被覆層からなり、該多層被覆層における隣接する層同
士が、互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性高分子混
合物を含有している徐放性製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、徐放性製剤および
その製法に関し、更に詳しくは、少ない被覆量で長時間
にわたって効率的に薬物放出を制御しつつ、薬物放出の
頭打ち現象を起こさず、かつ、水分量の少ない消化管下
部においても継続して薬物を放出し続けることが可能な
徐放性製剤およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】経口徐放性製剤として、薬物を含有する
芯物質に水不溶性の被覆物質を施した製剤が知られてい
る。このような製剤は、薬物は持続的に放出されるが、
時間の経過と共に放出速度が減少し、その結果薬物が完
全には放出されないという問題点、すなわち、放出の頭
打ち現象があった(特開平7−196477)。
【0003】例えば、製剤中の薬物の50%が放出され
るのに必要な時間(T50%)が1時間程度となるよう
な少ない被覆量であれば、薬物はほぼ完全に放出され
る。しかし、一日一回服用型製剤とするために被覆量を
増やしてT50%が6〜10時間とした製剤では、放出
開始20時間後の薬物の放出量(D20h)が60%程
度にしかならないケースが多く、難溶性薬物の場合に
は、これ以下であることもしばしば認められる。このよ
うな放出の頭打ち現象はバイオアベイラビリティの低下
を招来するため、製剤として望ましくない。一方、水溶
性の非常に高い薬物の場合には、このような放出の頭打
ち現象は生じにくいが、反面、薬物の放出速度を制御す
るためには多量のコーティングを要する。そのため、コ
ーティング時間が非常に長くなり、生産効率の面で不利
となる上、高含量の製剤は得られない。
【0004】また、消化管内を下降しながら薬物が吸収
されていく経口徐放性製剤においては、水分量が多い消
化管上部においては薬物が良好に放出されるものの、水
分量が少ない消化管下部においては、薬物の放出が抑制
されるため、薬物の吸収が不十分となることが多い。そ
のため、仮にin vitroの溶出試験において24
時間薬物を一定速度で放出しつづける製剤が得られたと
しても、24時間薬効が持続可能な製剤が得られるとは
限らない。
【0005】したがって、従来の水不溶性被覆物質を施
した製剤では、一日一回服用タイプの徐放性製剤を得る
ことは非常に困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、少ない被覆
量で長時間にわたって効率的に薬物放出を制御しつつ、
薬物放出の頭打ち現象を起こさず、かつ、水分量が少な
い消化管下部においても継続して薬物を放出し続けるこ
とが可能な徐放性製剤およびその製法を提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、鋭意検討した結果、本発明者らは、薬物含有芯物質
を、隣接する層同士が互いに異なる疎水性有機化合物−
水溶性高分子混合物を含有するように構成した多層被覆
層で被覆すれば、長時間にわたって効率的に薬物の放出
を制御できるにもかかわらず、薬物放出の頭打ち現象が
ほとんど起こらないことを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】さらに本発明の製剤は、経口投与した際、
時間の経過と共に、すなわち、消化管内での移動と共
に、多層被覆層がエロージョンを起こして徐々に薄くな
るため、水分量の少ない消化管下部においても十分薬物
が放出されるという優れた効果も併せ持つ。
【0009】すなわち、本発明は、薬物含有芯物質およ
び該芯物質を覆う多層被覆層からなり、該多層被覆層に
おけるすべての隣接する層同士が、互いに異なる疎水性
有機化合物−水溶性高分子混合物を含有することを特徴
とする徐放性製剤に関する。
【0010】また、本発明は、薬物含有芯物質に、疎水
性有機化合物−水溶性高分子混合物を含む溶液を、噴霧
コーティングし、得られたコーティング層上に、異なる
疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を含む溶液を続
けて噴霧コーティングし、この工程を繰り返すことを特
徴とする隣接する層同士が互いに異なる疎水性有機化合
物−水溶性高分子混合物を含有する多層被覆層を有する
徐放性製剤の製法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製剤の多層被覆層は、各
層が疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を含有する
層からなり、該多層被覆層において隣接する層同士は、
互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を
含有する。
【0012】本発明において疎水性有機化合物とは、高
分子重合物を除く疎水性の有機化合物のうち、塩形成し
ていないものを意味し、疎水性有機化合物−水溶性高分
子混合物を含有する層に用いられる疎水性有機化合物と
しては、例えば、炭素数6〜22の不飽和結合を有して
いてもよい高級脂肪酸、炭素数6〜22の不飽和結合を
有していてもよい高級アルコール、炭素数6〜22の不
飽和結合を有していてもよい高級脂肪酸のトリグリセリ
ド、水素添加されていてもよい天然油脂などが挙げられ
る。
【0013】炭素数6〜22の不飽和結合を有していて
もよい高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等が
挙げられ、炭素数6〜22の不飽和結合を有していても
よい高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、ベヘニルアルコール等があげられ、
炭素数6〜22の不飽和結合を有していてもよい高級脂
肪酸のトリグリセリドとしては、上記高級脂肪酸のトリ
グリセリド、例えば、ステアリン酸トリグリセリド、ミ
リスチン酸トリグリセリド、パルミチン酸トリグリセリ
ド、ラウリン酸トリグリセリド等があげられ、水素添加
されていてもよい天然油脂としては、例えば、硬化ひま
し油、硬化ヤシ油、牛脂等が挙げられる。これらのう
ち、ステアリン酸、パルミチン酸がとりわけ好ましく、
ステアリン酸が最も好ましい。
【0014】これら疎水性有機化合物は、1種のみなら
ず、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を
含有する層に用いられる水溶性高分子物質としては、例
えば、水溶性セルロースエーテル、水溶性ポリビニル誘
導体、アルキレンオキシド重合体などがあげられる。
【0016】水溶性セルロースエーテルとしては、例え
ば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等があげら
れ、水溶性ポリビニル誘導体としては、例えば、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール等があげられ、
アルキレンオキシド重合体としては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げ
られる。これらのうちヒドロキシプロピルセルロースが
特に好ましい。
【0017】これら水溶性高分子は、1種のみならず、
2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物の
疎水性有機化合物と水溶性高分子の好ましい組み合わせ
としては、炭素数6〜22の不飽和結合を有していても
よい高級脂肪酸−水溶性セルロースエーテル(例えば、
ステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース、パルミ
チン酸−ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリン酸−
ヒドロキシプロピルセルロース、ミリスチン酸−ヒドロ
キシプロピルセルロース、ベヘン酸−ヒドロキシプロピ
ルセルロースなど)、炭素数6〜22の不飽和結合を有
していてもよい高級脂肪酸−水溶性ポリビニル誘導体
(例えば、ステアリン酸−ポリビニルピロリドン、パル
ミチン酸−ポリビニルピロリドン、ラウリン酸−ポリビ
ニルピロリドン、ミリスチン酸−ポリビニルピロリド
ン、ベヘン酸−ポリビニルピロリドンなど)、炭素数6
〜22の不飽和結合を有していてもよい高級脂肪酸−ア
ルキレンオキシド重合体(例えば、ステアリン酸−ポリ
エチレングリコール、パルミチン酸−ポリエチレングリ
コール、ラウリン酸−ポリエチレングリコール、ミリス
チン酸−ポリエチレングリコール、ベヘン酸−ポリエチ
レングリコールなど)、炭素数6〜22の不飽和結合を
有していてもよい高級アルコール−水溶性セルロースエ
ーテル(例えば、ステアリルアルコール−ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ラウリルアルコール−ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ミリスチルアルコール−ヒドロキシ
プロピルセルロース、セチルアルコール−ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ベヘニルアルコール−ヒドロキシプ
ロピルセルロースなど)、炭素数6〜22の不飽和結合
を有していてもよい高級アルコール−水溶性ポリビニル
誘導体(例えば、ステアリルアルコール−ポリビニルピ
ロリドン、ラウリルアルコール−ポリビニルピロリド
ン、ミリスチルアルコール−ポリビニルピロリドン、セ
チルアルコール−ポリビニルピロリドン、ベヘニルアル
コール−ポリビニルピロリドンなど)、炭素数6〜22
の不飽和結合を有していてもよい高級アルコール−アル
キレンオキシド重合体(例えば、ステアリルアルコール
−ポリエチレングリコール、ラウリルアルコール−ポリ
エチレングリコール、ミリスチルアルコール−ポリエチ
レングリコール、セチルアルコール−ポリエチレングリ
コール、ベヘニルアルコール−ポリエチレングリコール
など)、炭素数6〜22の不飽和結合を有していてもよ
い高級脂肪酸のトリグリセリド−水溶性セルロースエー
テル(例えば、ステアリン酸トリグリセリド−ヒドロキ
シプロピルセルロース、ミリスチン酸トリグリセリド−
ヒドロキシプロピルセルロース、パルミチン酸トリグリ
セリド−ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリン酸ト
リグリセリド−ヒドロキシプロピルセルロースなど)、
炭素数6〜22の不飽和結合を有していてもよい高級脂
肪酸のトリグリセリド−水溶性ポリビニル誘導体(例え
ば、ステアリン酸トリグリセリド−ポリビニルピロリド
ン、ミリスチン酸トリグリセリド−ポリビニルピロリド
ン、パルミチン酸トリグリセリド−ポリビニルピロリド
ン、ラウリン酸トリグリセリド−ポリビニルピロリドン
など)、炭素数6〜22の不飽和結合を有していてもよ
い高級脂肪酸のトリグリセリド−アルキレンオキシド重
合体(例えば、ステアリン酸トリグリセリド−ポリエチ
レングリコール、ミリスチン酸トリグリセリド−ポリエ
チレングリコール、パルミチン酸トリグリセリド−ポリ
エチレングリコール、ラウリン酸トリグリセリド−ポリ
エチレングリコールなど)、水素添加されていてもよい
天然油脂−水溶性セルロースエーテル(例えば、硬化ヒ
マシ油−ヒドロキシプロピルセルロース、硬化ヤシ油−
ヒドロキシプロピルセルロース、牛脂−ヒドロキシプロ
ピルセルロースなど)、水素添加されていてもよい天然
油脂−水溶性ポリビニル誘導体(例えば、硬化ヒマシ油
−ポリビニルピロリドン、硬化ヤシ油−ポリビニルピロ
リドン、牛脂−ポリビニルピロリドンなど)、水素添加
されていてもよい天然油脂−アルキレンオキシド重合体
(例えば、硬化ヒマシ油−ポリエチレングリコール、硬
化ヤシ油−ポリエチレングリコール、牛脂−ポリエチレ
ングリコールなど)の他、上記疎水性有機化合物−水溶
性高分子混合物を任意に混合して得られる混合物などが
あげられる。
【0019】本発明の多層被覆層の各層に含まれる疎水
性有機化合物−水溶性高分子混合物の疎水性有機化合物
含有率(重量%:(疎水性有機化合物)/(疎水性有機
化合物+水溶性高分子)×100)は、特に限定されな
いが、20〜99.5重量%の範囲内とするのが好まし
い。
【0020】芯物質が、平均粒子径200μm以下の微
粒子のように、比表面積が大きいため溶出制御が困難な
場合には、単層でもある程度の放出制御効果が期待でき
るような疎水性有機化合物含有率を選択することが被覆
量を少なくする上で好ましい。この場合の疎水性有機化
合物含有率は、用いる疎水性有機化合物、水溶性高分子
の種類にもよるが、通常、80〜99.5重量%の範囲
内であり、特に好ましくは、85〜99重量%の範囲内
である。
【0021】一方、芯物質が顆粒、錠剤、カプセルなど
のような平均粒子径700μm以上の場合は、比表面積
が比較的小さく、微粒子に比べて少ない被覆率で放出制
御が可能であるが、意図的に放出制御効果の低い疎水性
有機化合物−水溶性高分子混合物を用いて被覆量を多く
し、製剤強度を高めたり、被覆量のバラツキを防止する
ことも考えられる。この場合には、疎水性有機化合物含
有率を、通常、20〜80重量%の範囲内、とりわけ4
0〜80重量%の範囲内とするのが好ましい。
【0022】更に、疎水性有機化合物−水溶性高分子混
合物を含有する層は、疎水性有機化合物−水溶性高分子
混合物のみから形成されていてもよいが、疎水性有機化
合物−水溶性高分子混合物以外に、種々の添加剤が配合
されていてもよく、かかる添加剤としては、着色剤、隠
蔽剤、可塑剤、滑沢剤等があげられる。
【0023】着色剤としては、例えば、食用色素、レー
キ色素、カラメル、カロチン、アナット、コチニール、
三二酸化鉄等のほかレーキ色素とシロップを主体とした
不透明着色剤オパラックス(OPALUX)等があり、
具体的には食用赤色2号、3号、黄色4号、5号、緑色
3号、青色1号、2号、紫1号等の食用アルミニウムレ
ーキ、アナット(ベニノキ由来の天然色素)、カルミン
(カルミン酸アルミニウム塩)、パールエッセンス(グ
アニンを主成分とする)等があげられる。
【0024】隠蔽剤としては,例えば、二酸化チタン、
沈降炭酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、硫酸カルシ
ウム等があげられる。
【0025】可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ブチルフタリルブチルグリ
コレート等のフタル酸誘導体のほか、シリコン油、クエ
ン酸トリエチル、トリアセチン、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等があげられる。
【0026】滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マ
グネシウム、タルク、合成ケイ酸マグネシウム、微粒子
性酸化ケイ素等があげられる。
【0027】これらの添加物の添加量は、製剤技術の分
野で常用される範囲であれば、何ら問題なく使用するこ
とができる。
【0028】本発明の製剤の多層被覆層においては、隣
接する層同士が互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性
高分子混合物を含有しているが、隣接する層同士が互い
に異なる疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を含有
する場合としては、(A)隣接する層同士が、疎水性有
機化合物もしくは水溶性高分子の少なくとも一方の種類
が互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物
を含有する場合、(B)隣接する層同士が、疎水性有機
化合物および水溶性高分子の種類は同一であって、疎水
性有機化合物含有率の互いに異なる疎水性有機化合物−
水溶性高分子混合物を含有する場合、いずれも含まれ
る。
【0029】上記(A)の場合には、含有する疎水性有
機化合物−水溶性高分子混合物を隣接する層同士で比較
すると、疎水性有機化合物もしくは水溶性高分子の少な
くとも一方の種類が異なっており、疎水性有機化合物の
種類のみが異なる場合、水溶性高分子の種類のみが異な
る場合、疎水性有機化合物および水溶性高分子の種類が
共に異なる場合があげられる。
【0030】上記(A)の場合において、水溶性高分子
の種類が異なるとは、成分名が同一でも、分子量が異な
っている場合も含まれる。ただし、本明細書において
は、特に記載のない限り、両者の成分名が同一であれ
ば、分子量も同一とする。
【0031】上記(A)の場合のうち、水溶性高分子の
種類のみが異なる場合の隣接する層同士の具体的組み合
わせとしては、ステアリン酸−ヒドロキシプロピルセル
ロース混合物を含有する層とステアリン酸−ポリビニル
ピロリドン混合物を含有する層の組み合わせ、パルミチ
ン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有する
層とパルミチン酸−ポリビニルピロリドン混合物を含有
する層の組み合わせ、ステアリン酸・パルミチン酸−ヒ
ドロキシプロピルセルロース混合物を含有する層とステ
アリン酸・パルミチン酸−ポリビニルピロリドン混合物
を含有する層の組み合わせ、ステアリン酸−ヒドロキシ
プロピルセルロース混合物を含有する層とステアリン酸
−ポリエチレングリコール混合物を含有する層の組み合
わせ、パルミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混
合物を含有する層とパルミチン酸−ポリエチレングリコ
ール混合物を含有する層の組み合わせ、ステアリン酸・
パルミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を
含有する層とステアリン酸・パルミチン酸−ポリエチレ
ングリコール混合物を含有する層の組み合わせなどがあ
げられる。
【0032】上記(A)の場合のうち、疎水性有機化合
物の種類のみが異なる場合の隣接する層同士の具体的組
み合わせとしては、ステアリン酸−ヒドロキシプロピル
セルロース混合物を含有する層とパルミチン酸−ヒドロ
キシプロピルセルロース混合物を含有する層の組み合わ
せ、ステアリン酸−ポリビニルピロリドン混合物を含有
する層とパルミチン酸−ポリビニルピロリドン混合物を
含有する層の組み合わせ、ステアリン酸−ポリエチレン
グリコール混合物を含有する層とパルミチン酸−ポリエ
チレングリコール混合物を含有する層の組み合わせなど
があげられる。
【0033】上記(A)の場合のうち、疎水性有機化合
物および水溶性高分子の種類が共に異なる場合の隣接す
る層同士の組み合わせとしては、ステアリン酸−ヒドロ
キシプロピルセルロース混合物を含有する層とパルミチ
ン酸−ポリビニルピロリドン混合物を含有する層の組み
合わせ、ステアリン酸−ポリビニルピロリドン混合物を
含有する層とパルミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロ
ース混合物を含有する層の組み合わせ、ステアリン酸−
ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有する層とパ
ルミチン酸−ポリエチレングリコール混合物を含有する
層の組み合わせ、ステアリン酸−ポリエチレングリコー
ル混合物を含有する層とパルミチン酸−ヒドロキシプロ
ピルセルロース混合物を含有する層の組み合わせなどが
あげられる。
【0034】上記(B)の場合には、含有する疎水性有
機化合物−水溶性高分子混合物を隣接する層同士で比較
すると、疎水性有機化合物および水溶性高分子の種類は
同一であるが、疎水性有機化合物含有率が異なってお
り、疎水性有機化合物含有率(重量%)の差は、混合物
の種類にもよるが、通常5〜50重量%の範囲内である
のが好ましく、5〜20重量%の範囲内とするのがとり
わけ好ましい。
【0035】上記(B)の場合の隣接する層同士の組み
合わせを具体的に例示すると、ステアリン酸含有率98
重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物を含有する層とステアリン酸含有率90重量%の
同混合物を含有する層の組み合わせ、ステアリン酸含有
率90重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセル
ロース混合物を含有する層とステアリン酸含有率85重
量%の同混合物を含有する層の組み合わせ、ステアリン
酸含有率98重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピ
ルセルロース混合物を含有する層とステアリン酸含有率
85重量%の同混合物を含有する層の組み合わせ、パル
ミチン酸含有率98重量%のパルミチン酸−ヒドロキシ
プロピルセルロース混合物を含有する層とパルミチン酸
含有率90重量%の同混合物を含有する層の組み合わ
せ、パルミチン酸含有率90重量%のパルミチン酸−ヒ
ドロキシプロピルセルロース混合物を含有する層とパル
ミチン酸含有率85重量%の同混合物を含有する層の組
み合わせ、ステアリン酸含有率90重量%のステアリン
酸−ポリエチレングリコール混合物を含有する層とステ
アリン酸含有率98重量%の同混合物を含有する層の組
み合わせなどがあげられる。
【0036】本発明の多層被覆層は、隣接する層同士が
すべて上記(A)、すなわち多層被覆層におけるすべて
の隣接する層同士が、疎水性有機化合物もしくは水溶性
高分子の少なくとも一方の種類が互いに異なる疎水性有
機化合物−水溶性高分子混合物を含有するように構成さ
れていてもよいし、すべて上記(B)、すなわち多層被
覆層におけるすべての隣接する層同士が、疎水性有機化
合物および水溶性高分子の種類は同一であって、疎水性
有機化合物含有率の互いに異なる疎水性有機化合物−水
溶性高分子混合物を含有するように構成されていてもよ
く、さらには(A)と(B)が混在、すなわち多層被覆
層における一部の隣接する層同士は、疎水性有機化合物
もしくは水溶性高分子の少なくとも一方が互いに異なる
疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を含有し、他の
隣接する同士は、疎水性有機化合物および水溶性高分子
の種類は同じであって、疎水性有機化合物含有率の互い
に異なる疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を含有
するように構成されていてもよい。
【0037】さらに、本発明の多層被覆層においては、
隣接する層同士の含有する疎水性有機化合物−水溶性高
分子混合物の組み合わせが、製剤中に一組のみの場合と
複数組の場合がある。
【0038】多層被覆層における隣接する層同士がすべ
て上記(A)で構成され、隣接する層同士の含有する疎
水性有機化合物−水溶性高分子混合物の組み合わせが、
製剤中に一組のみの場合の具体例としては、例えば、ス
テアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含
有する層とステアリン酸−ポリビニルピロリドン混合物
を含有する層が交互に積層されてなる多層被覆層、ステ
アリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有
する層とステアリン酸−ポリエチレングリコール混合物
を含有する層が交互に積層されてなる多層被覆層、パル
ミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有
する層とパルミチン酸−ポリビニルピロリドン混合物を
含有する層が交互に積層されてなる多層被覆層、パルミ
チン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有す
る層とステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロースを
含有する層が交互に積層されてなる多層被覆層などがあ
げられる。
【0039】多層被覆層における隣接する層同士がすべ
て上記(A)で構成され、隣接する層同士の含有する疎
水性有機化合物−水溶性高分子混合物の組み合わせが、
製剤中に複数組ある場合の具体例としては、例えば、ス
テアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含
有する層とステアリン酸−ポリビニルピロリドン混合物
を含有する層とパルミチン酸−ヒドロキシプロピルセル
ロース混合物を含有する層からなる多層被覆層、ステア
リン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有す
る層とステアリン酸−ポリエチレングリコール混合物を
含有する層とパルミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロ
ース混合物を含有する層からなる多層被覆層などがあげ
られる。
【0040】多層被覆層における隣接する層同士がすべ
て上記(B)で構成され、隣接する層同士の含有する疎
水性有機化合物−水溶性高分子混合物の組み合わせが、
製剤中に一組のみの場合の具体例としては、例えば、ス
テアリン酸含有率98重量%のステアリン酸−ヒドロキ
シプロピルセルロース混合物を含有する層とステアリン
酸含有率85重量%の同混合物を含有する層が交互に積
層されてなる多層被覆層、ステアリン酸含有率98重量
%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合
物を含有する層とステアリン酸含有率90重量%の同混
合物を含有する層が交互に積層されてなる多層被覆層、
ステアリン酸含有率90重量%のステアリン酸−ヒドロ
キシプロピルセルロース混合物を含有する層とステアリ
ン酸含有率85重量%の同混合物を含有する層が交互に
積層されてなる多層被覆層、ステアリン酸含有率90重
量%のステアリン酸−ポリエチレングリコール混合物を
含有する層とステアリン酸含有率98重量%の同混合物
を含有する層が交互に積層されてなる多層被覆層などが
あげられる。
【0041】多層被覆層における隣接する層同士がすべ
て上記(B)で構成され、隣接する層同士の含有する疎
水性有機化合物−水溶性高分子混合物の組み合わせが、
製剤中に複数組ある場合の具体例としては、(a)多層
被覆層の内側の層の方が、含有する疎水性有機化合物−
水溶性高分子混合物の疎水性有機化合物含有率が高く、
外側の層の方が低くレイアウトされている場合(例え
ば、内側からステアリン酸含有率98重量%のステアリ
ン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有する
層、ステアリン酸含有率90重量%の同混合物を含有す
る層、ステアリン酸含有率85重量%の同混合物を含有
する層の順に積層されてなる多層被覆層)、(b)多層
被覆層の内側の層の方が含有する疎水性有機化合物−水
溶性高分子混合物の疎水性有機化合物含有率が低く、外
側の層の方が高くレイアウトされている場合(例えば、
内側からステアリン酸含有率85重量%のステアリン酸
−ヒドロキシプロピルセルロース混合物を含有する層、
ステアリン酸含有率90重量%の同混合物を含有する
層、ステアリン酸含有率98重量%の同混合物を含有す
る層の順に積層されてなる多層被覆層)、(c)各疎水
性有機化合物含有率の疎水性有機化合物−水溶性高分子
混合物を含有する各層がランダムにレイアウトされてい
る場合(例えば、内側からステアリン酸含有率85重量
%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合
物を含有する層、ステアリン酸含有率98重量%の同混
合物を含有する層、ステアリン酸含有率90重量%の同
混合物を含有する層の順に積層されてなる多層被覆層)
などがあげられる。
【0042】多層被覆層において、上記(A)と(B)
が混在している場合としては、(A)が内側で(B)が
外側となる場合、逆に(A)が外側で(B)が内側とな
る場合、(A)と(B)がランダムにレイアウトされて
いる場合のいずれも含まれる。
【0043】本発明の製剤は、多層被覆層の層数を増や
すことにより、薬物の放出速度を遅くすることができ
る。したがって、層数を増減させることにより薬物の放
出速度を調節することができる。
【0044】層数を増加させる手段としては、単に新た
に層を追加していく方法(この場合層数の増加に伴い多
層被覆層全体の被覆率(芯物質に対する被覆層の重量
%)も増加する)と、多層被覆層全体としての被覆率は
変化させずに層数を増加させる方法(この場合、層数を
増加させるために、多層被覆層を形成する各層の被覆率
は減少させる必要がある)の2通りが考えられる。後者
の方法を用いれば、水溶性が非常に高くかつ高用量の薬
物のように、少ない被覆率では薬物放出の制御が困難に
もかかわらず、製剤を高含量化する必要があるために、
被覆率を増やすことが望ましくない場合、あるいは芯物
質の粒子径が小さく(例えば、200μm以下)、比表
面積が大きいため少ない被覆率では放出制御が困難な場
合であっても、効率的に放出を制御することが可能であ
る。
【0045】例えば、平均粒子径150μmのアセトア
ミノフェン含有芯物質が、ステアリン酸含有率98重量
%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合
物を含有する層とステアリン酸含有率90重量%の同混
合物を含有する層が交互に積層された多層被覆層によっ
て被覆されている場合、多層被覆層の層数を6層とし、
1層当たりの被覆率を10重量%とすると(多層被覆層
全体として被覆率60重量%)、第十三改正日本薬局方
溶出試験法(第二法、試験液:水、37℃、パドル回転
数:100rpm)におけるT50%は3時間前後であ
るが、多層被覆層の層数を12層とし、1層当たりの被
覆率を5重量%とすれば(多層被覆層全体として被覆率
60重量%)、同条件におけるT50%を8時間前後と
することができ、多層被覆層全体としての被覆率が同じ
でも、各層の被覆率を減らし層数を増やすことにより放
出速度を遅くすることができる。
【0046】また、当然のことながら、多層被覆層を形
成する個々の層の被覆率を増加させて多層被覆層全体の
被覆率を増加させることによっても、放出速度を遅くす
ることができ、各層の被覆率は、各層で異なっていても
よいが、すべて同一であってもよい。
【0047】したがって、当業者であれば、上記現象に
基づき、薬物の溶解性や疎水性有機化合物および水溶性
高分子の物性などを考慮し、所望の薬物放出速度が得ら
れるような多層被覆層の層数、被覆率を容易に決定する
ことができるが、本発明の製剤における多層被覆層の層
数と被覆率をあえて例示すると、層数が2〜200層、
被覆率が3〜300重量%の範囲内が好ましく、さらに
好ましくは層数が4〜50層、被覆率が10〜150重
量%の範囲内である。
【0048】本発明の製剤は、薬物含有芯物質に、疎水
性有機化合物−水溶性高分子混合物を含む溶液を、既知
のコーティング装置を用いて噴霧コーティングし、得ら
れたコーティング層上に、異なる疎水性有機化合物−水
溶性高分子混合物を含む溶液を噴霧コーティングし、こ
の工程を所望の多層被覆層が得られるまで繰り返すこと
により調製される。
【0049】コーティング溶液の溶媒としては、疎水性
有機化合物および水溶性高分子が共に溶解するようなも
のであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、2−メトキシエタノール(商品名;メチルセ
ロソルブ、片山化学工業製)、2−エトキシエタノール
(商品名;セロソルブ、片山化学工業製)等のアルコー
ル類、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、石油
ベンジン、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
エチレンジクロライド、トリクロロエチレン、1、1、
1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、酢酸メ
チルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステ
ル等のエステル類、イソプロピルエーテル、ジオキサン
等のエーテル類などがあげられる。これらの溶媒は、用
いる疎水性有機化合物、水溶性高分子に応じて選択すれ
ばよく、2種以上を適宜配合して用いることもできる。
【0050】この内、とりわけ好ましい溶媒は、アルコ
ール類であり、中でもエタノールがとりわけ好ましい。
【0051】コーティング装置としては、例えば、流動
層コーティング装置、遠心流動層コーティング装置、パ
ンコーティング装置などがあげられる。これらの装置の
中でも、サイドスプレー式もしくはボトムスプレー式の
ものが特に好ましい。
【0052】コーティング溶液の噴霧は、所望の多層被
覆層となるまで順次コーティング溶液を切り替えて連続
的に噴霧すればよい。
【0053】本発明で用いる芯物質は、薬物単独もしく
は薬物および通常この分野で用いられる各種製剤添加物
からなり、その形態としては、特に制限がなく、例え
ば、微粒子、顆粒、錠剤、カプセルなどがあげられ、こ
れらのうち微粒子が特に好ましい。さらに、微粒子の中
でも、平均粒子径200μm以下のものがとりわけ好ま
しい。
【0054】薬物としては、経口投与を目的とするもの
であれば、特に限定されず、例えば、(1)解熱鎮痛消
炎剤(例えば、インドメタシン、アセチルサリチル酸、
ジクロフェナックナトリウム、ケトプロフェン、イブプ
ロフェン、メフェナム酸、アズレン、フェナセチン、イ
ソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェノン、ベン
ザダック、フェニルブタゾン、フルフェナム酸、サリチ
ル酸ナトリウム、サリチルアミド、サザピリン、エトド
ラックなど)、(2)ステロイド系抗炎症剤(例えば、
デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、
トリアムシノロンなど)、(3)抗潰瘍剤(例えば、エ
カベトナトリウム、エンプロスチル、スルピリド、塩酸
セトラキサート、ゲファルナート、マレイン酸イルソグ
ラジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、
ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセテートなど)、
(4)冠血管拡張剤(ニフェジピン、硝酸イソソルピ
ド、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジビリダモール、
塩酸ジラゼプ、ベラパミル、ニカルジピン、塩酸ニカル
ジピン、塩酸ベラパリミルなど)、(5)末梢血管拡張
剤(例えば、酒石酸イフェンプロジル、マレイン酸シネ
パシド、シクランデレート、シンナリジン、ペントキシ
フィリンなど)、(6)抗生物質(例えば、アンピシリ
ン、アモキシリン、セファレキシン、エチルコハク酸エ
リスロマイシン、塩酸バカンピシリン、塩酸ミノサイク
リン、クロラルフェニコール、テトラサイクリン、エリ
スロマイシン、セフタジジム、セフロキシムナトリウ
ム、アスポキシシリン、リチペネムアコキシル水和物な
ど)、(7)合成抗菌剤(例えば、ナリジクス酸、ピロ
ミド酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、シノキサ
シン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロ
フロキサシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリ
ムなど)、(8)抗ウイルス剤(例えば、アシクロビ
ル、ガンシクロビルなど)、(9)鎮けい剤(例えば、
臭化プロパンテリン、硫酸アトロピン、臭化オキサピウ
ム、臭化チメピジウム、臭化ブチルスコポラミン、塩化
トロスピウム、臭化ブトロピウム、N−メチルスコポラ
ミンメチル硫酸、臭化メチルオクタロピンなど)、(1
0)鎮咳剤(例えば、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸メチ
ルエフェドリン、リン酸コデイン、トラニラスト、臭化
水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジメモルファ
ン、塩酸クロブチノール、塩酸ホミノベン、リン酸ベン
プロペリン、塩酸エプラジノン、塩酸クロフェダノー
ル、塩酸エフェドリン、ノスカピン、クエン酸ペントキ
シベリン、クエン酸オキセラジン、クエン酸イソアミニ
ルなど)、(11)去たん剤(例えば、塩酸ブロムヘキ
シン、カルボシステイン、塩酸エチルシステイン、塩酸
メチルシステインなど)、(12)気管支拡張剤(例え
ば、テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナ
トリウム、塩酸プロカテロール、塩酸トリメトキノー
ル、ジプロフィリン、硫酸サルブタモール、塩酸クロル
プレナリン、フマル酸ホルモテロール、硫酸オルシプレ
ナリン、塩酸ピルブテロール、硫酸ヘキソプレナリン、
メシル酸ビトルテロール、塩酸クレンブテロール、硫酸
テルブタリン、塩酸マブテロール、臭化水素酸フェノテ
ロール、塩酸メトキシフェナミンなど)、(13)強心
剤(例えば、塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン、ドカルパ
ミン、デノパミン、カフェイン、ジゴキシン、ジギトキ
シン、ユビデカレノンなど)、(14)利尿剤(例え
ば、フロセミド、アセタゾラミド、トリクロルメチアジ
ド、メチクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロ
フルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、ス
ピロノラクトン、トリアムテレン、フロロチアジド、ピ
レタニド、メフルシド、エタクリン酸、アゾセミド、ク
ロフェナミドなど)、(15)筋弛緩剤(例えば、カル
バミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、塩酸エ
ペリゾン、塩酸チザニジン、メフェネシン、クロルゾキ
サゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロ
ルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、
バクロフェン、ダントロレンナトリウムなど)、(1
6)脳代謝改善剤(例えば、ニセルゴリン、塩酸メクロ
フェノキセート、タルチレリンなど)、(17)マイナ
ートランキライザー(例えば、オキサゾラム、ジアゼパ
ム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジ
アゼパム、メプロバメート、ニトラゼパム、クロルジア
ゼポキシドなど)、(18)メジャートランキライザー
(例えば、スルピリド、塩酸クロカプラミン、ゾテピ
ン、クロルプロマジン、ハロペリドールなど)、(1
9)β−ブロッカー(例えば、フマル酸ビソプロロー
ル、ピンドロール、塩酸プロブラノロール、塩酸カルテ
オロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ラベタノール、
塩酸アセブトロール、塩酸ブフェトロール、塩酸アルプ
レノロール、塩酸アロチノロール、塩酸オクスプレノロ
ール、ナドロール、塩酸ブクモロール、塩酸インデノロ
ール、マレイン酸チモロール、塩酸ベフノロール、塩酸
ブプラノロールなど)、(20)抗不整脈剤(例えば、
塩酸プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、硫
酸キニジン、塩酸アプリンジン、塩酸プロパフェノン、
塩酸メキシレチン、塩酸アジミライドなど)、(21)
痛風治療剤(例えば、アロプリノール、プロベネシド、
コルヒチン、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、
ブコロームなど)、(22)血液凝固阻止剤(例えば、
塩酸チクロピジン、ジクマロール、ワルファリンカリウ
ム、(2R,3R)−3−アセトキシ−5−[2−(ジ
メチルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ−8−メチ
ル−2−(4−メチルフェニル)−1,5−ベンゾチア
ゼピン−4(5H)−オン・マレイン酸塩など)、(2
3)血栓溶解剤(例えば、メチル(2E,3Z)−3−
ベンジリデン−4−(3,5−ジメトキシ−α−メチル
ベンジリデン)−N−(4−メチルピペラジン−1−イ
ル)スクシナメート・塩酸塩など)、(24)肝臓疾患
用剤(例えば、(±)r−5−ヒドロキシメチル−t−
7−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−オキソ−
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]フラン−c
−6−カルボン酸ラクトンなど)、(25)抗てんかん
剤(例えば、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、メ
タルピタール、カルバマゼピンなど)、(26)抗ヒス
タミン剤(例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、フ
マール酸クレマスチン、メキタジン、酒石酸アリメマジ
ン、塩酸サイクロヘブタジン、ベシル酸ベポタスチンな
ど)、(27)鎮吐剤(例えば、塩酸ジフェニドール、
メトクロプラミド、ドンペリドン、メシル酸ベタヒスチ
ン、マレイン酸トリメブチンなど)、(28)降圧剤
(例えば、塩酸レセルピン酸ジメチルアミノエチル、レ
シナミン、メチルドパ、塩酸プラロゾシン、塩酸ブナゾ
シン、塩酸クロンジン、ブドララジン、ウラピジル、N
−[6−[2−[(5−ブロモ−2−ピリミジニル)オ
キシ]エトキシ]−5−(4−メチルフェニル)−4−
ピリミジニル]−4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルエチル)ベンゼンスルホンアミド・ナトリウム塩な
ど)、(29)高脂血症用剤(例えば、プラバスタチン
ナトリウム、フルバスタチンナトリウムなど)、(3
0)交感神経興奮剤(例えば、メシル酸ジヒドロエルゴ
タミン、塩酸イソプロテレノール、塩酸エチレフリンな
ど)、(31)経口糖尿病治療剤(例えば、グリベング
ラミド、トルブタミド、グリミジンナトリウムなど)、
(32)経口抗癌剤(例えば、マリマスタットなど)、
(33)アルカロイド系麻薬(例えば、モルヒネ、コデ
イン、コカインなど)、(34)ビタミン剤(例えば、
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミン
B12、ビタミンC、葉酸など)、(35)頻尿治療剤
(例えば、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、
塩酸テロリジンなど)、(36)アンジオテンシン変換
酵素阻害剤(例えば、塩酸イミダプリル、マレイン酸エ
ナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリルなど)な
ど、種々の薬物があげられる。
【0055】製剤添加物としては、特に制限されず固形
製剤として使用しうるものは全て好適に使用することが
出来る。かかる添加物としては、例えば乳糖、白糖、マ
ンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビト
ール、マルチトール、クエン酸カルシウム、リン酸カル
シウム、結晶セルロース、メタケイ酸アルミン酸マグネ
シウムなどの賦形剤、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デ
ンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分ア
ルファ化デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンなどの崩壊
剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レングリコール、デキストリン、アルファー化デンプン
などの結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケ
イ素などの滑沢剤、更にはリン脂質、グリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルなど
の界面活性剤、或いはオレンジ、ストロベリーなどの香
料、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、食用黄色5号、食用
黄色4号、アルミニウムキレートなどの着色剤、サッカ
リン、アスパルテームなどの甘味剤、クエン酸、クエン
酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、フマル酸、グルタミ
ン酸などの矯味剤、シクロデキストリン、アルギニン、
リジン、トリスアミノメタンなどの溶解補助剤があげら
れる。
【0056】芯物質として微粒子や顆粒を用いる場合、
これらは、湿式造粒、乾式造粒、レイヤリング造粒、含
浸造粒等の既知の造粒法により調製することができる。
【0057】湿式造粒によるときは、常法に従い、薬物
と各種製剤添加剤を混合したのち、結合剤溶液を加え、
攪拌造粒機、高速攪拌造粒機などで造粒するか、薬物と
各種製剤添加剤の混合物に結合剤溶液を添加し混練した
後、押出造粒機を用いて造粒・整粒すればよい。また、
薬物と各種製剤添加剤の混合物を、流動層造粒機、転動
攪拌流動層造粒機などを用い、流動下に結合剤溶液を噴
霧して造粒してもよい。
【0058】乾式造粒によるときは、薬物と各種製剤添
加剤との混合物を、ローラーコンパクターおよびロール
グラニュレーターなどを用いて造粒すればよい。
【0059】レイヤリング造粒により調製する場合は、
遠心流動型造粒機などを用い、転動させた不活性な担体
に結合剤溶液を噴霧しつつ薬物(必要であれば各種製剤
添加剤と共に)を添加し、担体上に薬物を付着させれば
よく、この際、結合剤溶液にかえて、油脂、ワックスな
どの加熱により溶融する物質(加熱溶融物質)を薬物と
共にを加熱下に添加して溶融させ、担体上に薬物を付着
させてもよい。
【0060】不活性な担体としては、例えば結晶乳糖、
結晶セルロース、結晶塩化ナトリウム等の糖類もしくは
無機塩の結晶、球形造粒物(例えば結晶セルロールの球
形造粒物(商品名:アビセルSP、旭化成製)、結晶セ
ルロースと乳糖の球形造粒物(商品名:ノンパレルNP
−5、同NP−7、フロイント産業製)、精製白糖の球
形造粒物(商品名:ノンパレル−103、フロイント産
業製)、乳糖とα化デンプンの球形造粒物等)があげら
れる。
【0061】含浸造粒によるときは、適当な濃度の薬物
溶液と多孔性の担体とを混合し、担体の気孔部中に薬物
溶液を充分保持させた後、乾燥させ溶媒を除去させれば
よい。
【0062】多孔性の担体としては、例えば、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム(商品名:ノイシリン、富士
化学工業製)、ケイ酸カルシウム(商品名:フローライ
ト、エーザイ製)などがあげられる。
【0063】芯物質として、錠剤を用いる場合には、薬
物および各種製剤添加物との混合物をそのまま圧縮成型
して錠剤とするか、もしくは上記方法により造粒顆粒と
したのち、崩壊剤、滑沢剤などを添加し圧縮成型して錠
剤とすればよい。
【0064】また、芯物質として、カプセルを用いる場
合には、薬物を充填した硬カプセルもしくは軟カプセル
をそのまま用いればよい。
【0065】さらに、本発明の製剤においては、薬物と
多層被覆層成分との相互作用を防ぐため、より効率的に
放出速度を調節するため、耐胃性を高めるため、製剤強
度を上げるためなど種々の目的のため、多層被覆層の内
側もしくは外側に、水溶性高分子、水不溶性高分子、腸
溶性高分子、胃溶性高分子もしくはこれらの混合物の層
(内側:アンダーコーティング層、外側:オーバーコー
ティング層)を少なくとも一層施すことも出来る。
【0066】かかる水溶性高分子としては、多層被覆層
に用いられる前記水溶性高分子などがあげられる。
【0067】水不溶性高分子としては、エチルセルロー
スなどの水不溶性セルロースエーテル、アクリル酸エチ
ル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメ
チルアンモニウムエチル共重合体(例えば、商品名:オ
イドラギットRS、レーム・ファーマ製)、メタアクリ
ル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体(例えば、商品
名:オイドラギットNE30D、レーム・ファーマ製)
などの水不溶性アクリル酸系共重合体などがあげられ
る。
【0068】腸溶性高分子としては、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメ
チルエチルセルロースフタレート、セルロースアセテー
トフタレート、セルロースアセテートサクシネート、セ
ルロースアセテートマレエート、セルロースベンゾェー
トフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、
メチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチル
セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースフタレ
ート等の腸溶性セルロース誘導体、スチレン・アクリル
酸共重合体、アクリル酸メチル・アクリル酸共重合体、
アクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、アクリル
酸ブチル・スチレン・アクリル酸共重合体、メタアクリ
ル酸・メタアクリル酸メチル共重合体(例えば、商品
名:オイドラギットL100、オイドラギットS、いず
れもレーム・ファーマ社製)、メタアクリル酸・アクリ
ル酸エチル共重合体(例えば、商品名:オイドラギット
L100−55、レーム・ファーマ社製)、アクリル酸
メチル・メタアクリル酸・アクリル酸オクチル共重合体
等の腸溶性アクリル酸系共重合体、酢酸ビニル・マレイ
ン酸無水物共重合体、スチレン・マレイン酸無水物共重
合体、スチレン・マレイン酸モノエステル共重合体、ビ
ニルメチルエーテル・マレイン酸無水物共重合体、エチ
レン・マレイン酸無水物共重合体、ビニルブチルエーテ
ル・マレイン酸無水物共重合体、アクリロニトリル・ア
クリル酸メチル・マレイン酸無水物共重合体、アクリル
酸ブチル・スチレン・マレイン酸無水物共重合体等の腸
溶性マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコールフタ
レート、ポリビニルアセタールフタレート、ポリビニル
ブチレートフタレート、ポリビニルアセトアセタールフ
タレート等の腸溶性ポリビニル誘導体などがあげられ、
胃溶性高分子としては、ポリビニルアセタールジエチル
アミノアセテートなどの胃溶性ポリビニル誘導体、メタ
アクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリ
ル酸ジメチルアミノエチル共重合体(例えば、商品名:
オイドラギットE、レーム・ファーマ製)などの胃溶性
アクリル酸系共重合体などがあげられる。
【0069】アンダーコーティング、オーバーコーティ
ングは、既知のコーティング方法にしたがって行えばよ
く、上記成分の溶液もしくは分散液を、既知のコーティ
ング装置を用い、アンダーコーティングであれば芯物質
上に、オーバーコーティングであれば多層被覆層上に噴
霧コーティングすればよい。
【0070】とりわけ、多層被覆層の内側に、製剤強度
を向上させるためのアンダーコーティング層を設けるこ
とが好ましく、かかるアンダーコーティング層は、前記
水不溶性高分子物質などを主成分とすることが好まし
く、中でもエチルセルロースがとりわけ好ましい。製剤
強度を向上させるためのアンダーコーティング層の被覆
率は、1〜150重量%とするのが好ましく、特に好ま
しくは5〜50重量%である。
【0071】かくして得られる本発明の製剤は、そのま
ま経口投与製剤として用いることができるが、芯物質と
して微粒子もしくは顆粒を用いた場合には、得られた多
層被覆顆粒(もしくは微粒子)にさらに必要に応じ各種
添加物を添加した後圧縮成型し錠剤とするか、カプセル
に充填してカプセル剤とする他、種々の経口投与に適し
た剤形に成形することが出来る。以下に本発明を比較
例、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0072】
【実施例】比較例1 アセトアミノフェン100g、ヒドロキシプロピルセル
ロース(HPC−SL、日本曹達製)40gをエタノー
ル500gに溶解させ、この溶液およびメタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム(ノイシリンNS2N、富士化学工
業製)100gを品川式混合機を用いて混合攪拌し、含
浸造粒した。乾燥後、整粒し、粒子径75〜180μm
(平均粒子径150μm)の微粒子を得、これを芯物質
とした。
【0073】ワースター式流動層コーティング装置(G
latt社製、GPCG−1)を用いて、流動下、芯物
質100gに、ステアリン酸含有率が98重量%のステ
アリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物のエタ
ノール溶液(ステアリン酸(花王製):4.9重量%、
ヒドロキシプロピルセルロース:0.1重量%、エタノ
ール:95重量%)を噴霧コーティングし、ステアリン
酸含有率が98重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロ
ピルセルロース混合物で被覆された微粒子を得た。被覆
率(芯物質に対する被覆層の重量%)は40、60、8
0重量%とした。
【0074】得られた被覆微粒子について、第十三改正
日本薬局方の溶出試験法(第二法)に従い、溶出試験を
行った(試験液:水、37℃、パドル回転数100rp
m)。試験液中での溶出挙動を調査し、その結果を図1
に示した。
【0075】図1より明らかなように、被覆率を増加さ
せるに従って放出速度は制御されたが、被覆率80重量
%の粒子においてもT50%(製剤中のアセトアミノフ
ェンの半量が溶出するのに要する時間)がわずか3.5
時間であり、ステアリン酸含有率が98重量%のステア
リン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物の層単独
では、ある程度の放出制御効果があるものの、少ない被
覆量で効果的に薬物放出を制御することはできなかっ
た。
【0076】しかし、D20h(20時間後の溶出率)
より明らかなようにステアリン酸含有率が98重量%の
ステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で
被覆された微粒子は、薬物放出の頭打ち現象がほとんど
認められず、被覆率80重量%の微粒子においてもD2
0hは約100%であった。
【0077】比較例2 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、ステアリン酸含有率が90重量
%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合
物のエタノール溶液(ステアリン酸:4.5重量%、ヒ
ドロキシプロピルセルロース:0.5重量%、エタノー
ル:95重量%)を噴霧コーティングし、ステアリン酸
含有率が90重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピ
ルセルロース混合物で被覆された微粒子を得た。被覆率
は40、60、80重量%とした。
【0078】得られた被覆微粒子について、比較例1と
同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を調査
し、その結果を図2に示した。
【0079】図2より明らかなように、被覆率を増加さ
せるに従って放出速度は制御されたが、被覆率80重量
%の粒子においてもT50%がわずか4.2時間であ
り、ステアリン酸含有率が90重量%のステアリン酸−
ヒドロキシプロピルセルロース混合物の層単独では、あ
る程度の放出制御効果があるものの、少ない被覆率で効
果的に薬物放出を制御することはできなかった。
【0080】しかし、D20hより明らかなように、ス
テアリン酸含有率が90重量%のステアリン酸−ヒドロ
キシプロピルセルロース混合物で被覆された微粒子は、
薬物放出の頭打ち現象がほとんど認められず、被覆率8
0重量%の粒子においてもD20hは約90%であっ
た。
【0081】実施例1 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、比較例1、2で用いたステアリ
ン酸含有率が98重量%および90重量%のステアリン
酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物のエタノール
溶液をこの順序で交互に噴霧コーティングし、ステアリ
ン酸含有率が98重量%および90重量%のステアリン
酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で交互に多層
被覆された微粒子を得た。各層の被覆率は10重量%ず
つとし、多層被覆層の被覆率は40重量%(4層)、6
0重量%(6層)、80重量%(8層)とした。
【0082】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を調
査し、その結果を図3に示した。
【0083】図3より明らかなように多層被覆層の層数
を増加させるにしたがい、薬物の放出は制御された。
【0084】また、同一の被覆率で比較した場合、実施
例1で得た多層被覆微粒子は、比較例1および比較例2
で得た被覆微粒子よりも薬物放出速度が著しく遅くなっ
ており(被覆率80重量%の微粒子においてT50%は
8.6時間)、ステアリン酸含有率が異なる混合物で交
互に被覆することにより、ステアリン酸含有率が一定の
混合物で被覆するよりも効果的に薬物放出を制御できる
ことがわかった。
【0085】さらに、実施例1で得た多層被覆微粒子の
D20hは、被覆率60重量%まではほぼ100%であ
り、被覆率80重量%の微粒子においても85%であ
り、薬物放出の頭打ち現象はほとんど認められなかっ
た。
【0086】実施例2 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、比較例1、2で用いたステアリ
ン酸含有率が98重量%および90重量%のステアリン
酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物のエタノール
溶液をこの順序で交互に噴霧コーティングし、ステアリ
ン酸含有率が98重量%および90重量%のステアリン
酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で交互に多層
被覆された微粒子を得た。各層の被覆率は5重量%ずつ
とし、多層被覆層の被覆率は40重量%(8層)、50
重量%(10層)、60重量%(12層)とした。
【0087】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を観
察し、試験結果を図4に示した。
【0088】実施例1で得た多層被覆微粒子と実施例2
で得た多層被覆微粒子を同一被覆率で比較すると、実施
例2の多層被覆微粒子の方が放出速度が遅く、同じ被覆
率の多層被覆層であっても層数が多いほど放出制御効果
の高いことが判った。
【0089】実施例3 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、比較例2、1で用いたステアリ
ン酸含有率が90重量%および98重量%のステアリン
酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物のエタノール
溶液をこの順序で交互に噴霧コーティングし、ステアリ
ン酸含有率が90重量%および98重量%のステアリン
酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で交互に多層
被覆された微粒子を得た。各層の被覆率は10重量%ず
つとし、多層被覆層の被覆率は40重量%(4層)、5
0重量%(5層)、60重量%(6層)とした。
【0090】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を観
察し、試験結果を図5に示した。
【0091】実施例1で得た多層被覆微粒子と実施例3
で得た多層被覆微粒子を同一被覆率で比較すると、双方
ともその放出速度に差はなく、ステアリン酸含有率が異
なる混合物で交互に被覆した場合、2種類の混合物の被
覆順序を逆にしても放出制御効果に差がないことがわか
った。
【0092】実施例4 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、ステアリン酸含有率が85重量
%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合
物のエタノール溶液(ステアリン酸:4.25重量%、
ヒドロキシプロピルセルロース:0.75重量%、エタ
ノール:95重量%)および比較例1で用いたステアリ
ン酸含有率が98重量%のステアリン酸−ヒドロキシプ
ロピルセルロース混合物のエタノール溶液をこの順序で
交互に噴霧コーティングし、ステアリン酸含有率が85
重量%および98重量%のステアリン酸−ヒドロキシプ
ロピルセルロース混合物で交互に多層被覆された微粒子
を得た。各層の被覆率は10重量%ずつとし、多層被覆
層の被覆率が40重量%(4層)、50重量%(5
層)、60重量%(6層)とした。
【0093】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を観
察し、試験結果を図6に示した。
【0094】実施例3で得た多層被覆微粒子と実施例4
で得た多層被覆微粒子を同一被覆率で比較すると、実施
例4の多層被覆粒子の方が放出速度が遅く、多層被覆層
において隣接する層同士のステアリン酸含有率の差が大
きいほうが(実施例3の多層被覆微粒子:8重量%、実
施例4の多層被覆微粒子:13重量%)放出制御効果が
高いことがわかった。
【0095】実施例5 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、パルミチン酸含有率が90重量
%のパルミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合
物のエタノール溶液(パルミチン酸(片山化学製):
4.5重量%、ヒドロキシプロピルセルロース:0.5
重量%、エタノール:95重量%)およびパルミチン酸
含有率が98重量%のパルミチン酸−ヒドロキシプロピ
ルセルロース混合物のエタノール溶液(パルミチン酸:
4.9重量%、ヒドロキシプロピルセルロース:0.1
重量%、エタノール:95重量%)をこの順序で交互に
噴霧コーティングし、パルミチン酸含有率が90重量%
および98重量%のパルミチン酸−ヒドロキシプロピル
セルロース混合物で交互に多層被覆された微粒子を得
た。各層の被覆率は10重量%ずつとし、多層被覆層の
被覆率が120重量%(12層)、160重量%(16
層)とした。
【0096】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を観
察し、試験結果を図7に示した。
【0097】実施例6 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、実施例5で用いたパルミチン酸
含有率が90重量%のパルミチン酸−ヒドロキシプロピ
ルセルロース混合物のエタノール溶液および比較例1で
用いたステアリン酸含有率が98重量%のステアリン酸
−ヒドロキシプロピルセルロース混合物のエタノール溶
液をこの順序で交互に噴霧コーティングし、パルミチン
酸含有率が90重量%のパルミチン酸−ヒドロキシプロ
ピルセルロース混合物およびステアリン酸含有率が98
重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物で交互に多層被覆された微粒子を得た。各層の被
覆率は10重量%ずつとし、多層被覆層の被覆率が60
重量%(6層)、80重量%(8層)とした。
【0098】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を観
察し、試験結果を図8に示した。
【0099】実施例7 ワースター式流動層コーティング装置(Glatt社
製、GPCG−1)を用いて、流動下、比較例1で得ら
れた芯物質100gに、ステアリン酸含有率が90重量
%のステアリン酸−ポリエチレングリコール混合物のエ
タノール溶液(ステアリン酸:4.5重量%、ポリエチ
レングリコール(分子量:約6000):0.5重量
%、エタノール:95重量%)およびステアリン酸含有
率が98重量%のステアリン酸−ポリエチレングリコー
ル混合物のエタノール溶液(ステアリン酸:4.9重量
%、ポリエチレングリコール:0.1重量%、エタノー
ル:95重量%)をこの順序で交互に噴霧コーティング
し、ステアリン酸含有率が90重量%および98重量%
のステアリン酸−ポリエチレングリコール混合物で交互
に多層被覆された微粒子を得た。各層の被覆率は10重
量%ずつとし、多層被覆層の被覆率が100重量%(1
0層)とした。
【0100】得られた多層被覆微粒子について、比較例
1と同様に溶出試験を行い、試験液中での溶出挙動を観
察し、試験結果を図9に示した。
【0101】実施例8 比較例1と同様の操作を行い、粒子径75〜180μm
(平均粒子径150μm)のアセトアミノフェン含有芯
物質を得た。
【0102】ワースター式流動層コーティング装置(G
latt社製、GPCG−1)を用いて、流動下、芯物
質100gに、エチルセルロース溶液(エトセル#10
(信越化学製):4.75重量%、ヒドロキシプロピル
セルロース:0.25重量%、エタノール:57重量
%、水:38重量%)を噴霧コーティングし、被覆率3
0重量%のアンダーコーティング層を施した。
【0103】次いで、比較例1、2で用いたステアリン
酸含有率が98重量%および90重量%のステアリン酸
−ヒドロキシプロピルセルロース混合物のエタノール溶
液をこの順序で交互に噴霧コーティングし、ステアリン
酸含有率が98重量%および90重量%のステアリン酸
−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で交互に多層被
覆された微粒子を得た。各層の被覆率は10重量%ずつ
とし、多層被覆層の被覆率は110重量%(11層)と
した。
【0104】得られた多層被覆微粒子のアセトアミノフ
ェン50mg相当量(377mg)を等量の低置換度ヒ
ドロキシプロピルセルロースと混合した後、0号ゼラチ
ン硬カプセル(ワーナーランバート製)に充填し、多層
被覆微粒子充填カプセル製剤を得た。
【0105】実施例9 遠心流動型コーティング装置(CF−360、フロイン
ト産業製)を用い、ノンパレル(フロイント産業製)1
80gに、白糖溶液(白糖:20重量%、エタノール:
40重量%、水:40重量%)を噴霧しながら、アセト
アミノフェン600gとD−マンニトール660gの混
合物を添加してレイヤリング造粒した。乾燥後、整粒
し、粒子径1000〜1700μm(平均粒子径:12
00μm)の顆粒を得、これを芯物質とした。
【0106】遠心流動層コーティング装置を用い、芯物
質400gに、エチルセルロース溶液(エトセル#10
(信越化学製):3.5重量%、ヒドロキシプロピルセ
ルロース:1.5重量%、エタノール:61.75重量
%、水:33.25重量%)を噴霧コーティングし、被
覆率10重量%のアンダーコーティング層を施した。
【0107】次いで、ステアリン酸含有率が70重量%
のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物
のエタノール溶液(ステアリン酸:3.15重量%、ヒ
ドロキシプロピルセルロース:1.35重量%、エタノ
ール:95.5重量%)およびステアリン酸含有率が5
0重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロー
ス混合物のエタノール溶液(ステアリン酸:2.25重
量%、ヒドロキシプロピルセルロース:2.25重量
%、エタノール:95.5重量%)をこの順序で交互に
噴霧コーティングし、ステアリン酸含有率が70重量%
および50重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピル
セルロース混合物で交互に多層被覆された顆粒を得た。
各層の被覆率は2.5重量%ずつとし、多層被覆層の被
覆率は22.5重量%(9層)とした。
【0108】得られた多層被覆顆粒のアセトアミノフェ
ン50mg相当量(178mg)を等量の低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロースと混合した後、0号ゼラチン
硬カプセルに充填し、多層被覆顆粒充填カプセル製剤を
得た。
【0109】比較例3 遠心流動層コーティング装置を用い、実施例9で得られ
た芯物質450gに、エチルセルロース溶液(エトセル
#10(信越化学製):7重量%、エタノール:61.
75重量%、水:33.25重量%)を噴霧コーティン
グし、被覆率4.5重量%のエチルセルロース被覆顆粒
を得た。
【0110】得られたエチルセルロース被覆顆粒のアセ
トアミノフェン50mg相当量(128mg)を等量の
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと混合した後、
0号ゼラチン硬カプセルに充填し、エチルセルロース被
覆顆粒充填カプセル製剤を得た。
【0111】実験例1 実施例8、9、比較例3で得られたカプセル製剤2個
(アセトアミノフェン100mg)ずつを、それぞれ一
夜絶食した雄性ビーグル犬(1群:4匹)に投与し、投
与後1,2,3,4,5,6,8,10,12,24時
間目に採血してアセトアミノフェンの血漿中濃度を高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定し
た。その結果を図10に示す。
【0112】各カプセル製剤共に、投与後5時間目まで
はほぼ同一の血中濃度推移を示した。しかしながら、5
時間以降、比較例3の製剤は血中濃度を維持できなかっ
たのに対し、実施例8、9の製剤は、5時間目以降も高
い血中濃度を維持した。この結果より、エチルセルロー
スなどの水不溶性高分子で被覆した従来の徐放性製剤で
は、水分量の少ない消化管下部においては薬物を放出し
て血中濃度を維持することが困難なのに対し、本発明の
多層被覆製剤は消化管下部においても良好に薬物を放出
し、血中濃度を維持することが可能であることがわか
る。
【0113】更に、実施例8、9の製剤共に上記効果を
有していることから、本発明は、微粒子、顆粒など種々
の製剤形態に適用可能であることがわかる。
【0114】
【発明の効果】本発明の製剤の多層被覆層は、少ない被
覆率で効率的に薬物の放出速度を制御でき、かつ薬物放
出の頭打ち現象が起こらないという特徴を有しており、
一日一回服用型の徐放性製剤が容易に得られる。
【0115】したがって、本発明の製剤であれば、薬物
の水溶性が非常に高く、かつ高用量であるため放出制御
膜の被覆量を多くできない場合、あるいは粒子径が50
〜200μmの範囲内の芯物質のように、粒子径が小さ
く比表面積が大きいため、少ない被覆率では放出制御が
困難な場合であっても、高含量の一日一回服用型徐放性
製剤が得られ、また、薬物の水溶性が非常に低く製剤中
の薬物をすべて放出させるのが困難な場合であっても、
製剤中の薬物をほぼ100%放出させることができる。
【0116】さらに、本発明の製剤は、経口投与した
際、時間の経過と共に(消化管内の移動と共に)多層被
覆層がエロージョンを起こして徐々に薄くなるため、水
分量の少ない消化管下部においても十分薬物を放出させ
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ステアリン酸含有率が98重量%のステアリ
ン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で被覆され
た微粒子の溶出挙動を示すグラフ。
【図2】 ステアリン酸含有率が90重量%のステアリ
ン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物で被覆され
た微粒子の溶出挙動を示すグラフ。
【図3】 ステアリン酸含有率が98重量%および90
重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物で交互に多層被覆された微粒子(各層の被覆率1
0重量%ずつ)の溶出挙動を示すグラフ。
【図4】 ステアリン酸含有率が98重量%および90
重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物で交互に多層被覆された微粒子(各層の被覆率5
重量%ずつ)の溶出挙動を示すグラフ。
【図5】 ステアリン酸含有率が90重量%および98
重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物で交互に多層被覆された微粒子(各層の被覆率1
0重量%ずつ)の溶出挙動を示すグラフ。
【図6】 ステアリン酸含有率が85重量%および98
重量%のステアリン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物で交互に多層被覆された微粒子(各層の被覆率1
0重量%ずつ)の溶出挙動を示すグラフ。
【図7】 パルミチン酸含有率が90重量%および98
重量%のパルミチン酸−ヒドロキシプロピルセルロース
混合物で交互に多層被覆された微粒子(各層の被覆率1
0重量%ずつ)の溶出挙動を示すグラフ。
【図8】 パルミチン酸含有率が90重量%のパルミチ
ン酸−ヒドロキシプロピルセルロース混合物およびステ
アリン酸含有率が98重量%のステアリン酸−ヒドロキ
シプロピルセルロース混合物で交互に多層被覆された微
粒子(各層の被覆率10重量%ずつ)の溶出挙動を示す
グラフ。
【図9】 ステアリン酸含有率が90重量%および98
重量%のステアリン酸−ポリエチレングリコール混合物
で交互に多層被覆された微粒子(各層の被覆率10重量
%ずつ)の溶出挙動を示すグラフ。
【図10】 多層被覆製剤充填カプセルおよびエチルセ
ルロース被覆製剤充填カプセルをビーグル犬に投与した
際のアセトアミノフェン血漿中濃度推移を示すグラフ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/34 A61K 47/34 47/38 47/38 (72)発明者 溝邊 雅一 大阪府高槻市南大樋町29−5 Fターム(参考) 4C076 AA40 BB01 CC05 DD37 DD41 DD46 EE06 EE16 EE23 EE32 EE53 EE54 FF02 FF04 FF05 FF31 GG16

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物含有芯物質および該芯物質を覆う多
    層被覆層からなり、該多層被覆層におけるすべての隣接
    する層同士が、互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性
    高分子混合物を含有することを特徴とする徐放性製剤。
  2. 【請求項2】 疎水性有機化合物が、炭素数6〜22の
    不飽和結合を有していてもよい高級脂肪酸、炭素数6〜
    22の不飽和結合を有していてもよい高級アルコール、
    炭素数6〜22の不飽和結合を有していてもよい高級脂
    肪酸のトリグリセリドおよび水素添加されていてもよい
    天然油脂からなる群から選ばれる1種または2種以上で
    あり、水溶性高分子が、水溶性セルロースエーテル、水
    溶性ビニル誘導体およびアルキレンオキシド重合体から
    なる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1
    記載の徐放性製剤。
  3. 【請求項3】 炭素数6〜22の不飽和結合を有してい
    てもよい高級脂肪酸が、ステアリン酸、ラウリン酸、ミ
    リスチン酸、パルミチン酸またはベヘン酸であり、炭素
    数6〜22の不飽和結合を有していてもよい高級アルコ
    ールが、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、
    セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはベヘニ
    ルアルコールであり、炭素数6〜22の不飽和結合を有
    していてもよい高級脂肪酸のトリグリセリドが、ステア
    リン酸トリグリセリド、ミリスチン酸トリグリセリド、
    パルミチン酸トリグリセリドまたはラウリン酸トリグリ
    セリドであり、水素添加されていてもよい天然油脂が、
    硬化ひまし油、硬化ヤシ油または牛脂であり、水溶性セ
    ルロースエーテルが、メチルセルロース、ヒドロキシプ
    ロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセル
    ロースであり、水溶性ビニル誘導体が、ポリビニルピロ
    リドンまたはポリビニルアルコールであり、アルキレン
    オキシド重合体が、ポリエチレングリコールである請求
    項2記載の徐放性製剤。
  4. 【請求項4】 疎水性有機化合物がステアリン酸であ
    り、水溶性高分子がヒドロキシプロピルセルロースであ
    る請求項1記載の徐放性製剤。
  5. 【請求項5】 疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物
    における疎水性有機化合物含有率が20〜99.5重量
    %の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項記載の徐
    放性製剤。
  6. 【請求項6】 薬物含有芯物質の平均粒子径が200μ
    m以下であり、疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物
    における疎水性有機化合物含有率が80〜99.5重量
    %の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項記載の徐
    放性製剤。
  7. 【請求項7】 薬物含有芯物質の平均粒子径が700μ
    m以上であり、疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物
    における疎水性有機化合物含有率が40〜80重量%の
    範囲内である請求項1〜4のいずれか1項記載の徐放性
    製剤。
  8. 【請求項8】 多層被覆層におけるすべての隣接する層
    同士が、疎水性有機化合物もしくは水溶性高分子の少な
    くとも一方の種類が互いに異なる疎水性有機化合物−水
    溶性高分子混合物を含有することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか1項記載の徐放性製剤。
  9. 【請求項9】 多層被覆層におけるすべての隣接する層
    同士が、疎水性有機化合物および水溶性高分子の種類は
    同じであって、疎水性有機化合物含有率の互いに異なる
    疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物を含有すること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の徐放性
    製剤。
  10. 【請求項10】 多層被覆層における一部の隣接する層
    同士は、疎水性有機化合物もしくは水溶性高分子の少な
    くとも一方が互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性高
    分子混合物を含有し、他の隣接する層同士は、疎水性有
    機化合物および水溶性高分子の種類は同じであって、疎
    水性有機化合物含有率の互いに異なる疎水性有機化合物
    −水溶性高分子混合物を含有することを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか1項記載の徐放性製剤。
  11. 【請求項11】 疎水性有機化合物含有率の互いに異な
    る疎水性有機化合物−水溶性高分子混合物の疎水性有機
    化合物含有率の差が、5重量%以上である請求項9また
    は10記載の徐放性製剤。
  12. 【請求項12】 多層被覆層において、隣接する層同士
    の含有する疎水性有機化合物−水溶性高分子物質混合物
    の組み合わせが、単一である請求項1〜9、11のいず
    れか1項記載の徐放性製剤。
  13. 【請求項13】 多層被覆層において、隣接する層同士
    の含有する疎水性有機化合物−水溶性高分子物質混合物
    の組み合わせが、複数である請求項1〜11のいずれか
    1項記載の徐放性製剤。
  14. 【請求項14】 多層被覆層が、すべて同一被覆率の層
    で形成されている請求項1〜13のいずれか1項記載の
    徐放性製剤。
  15. 【請求項15】 多層被覆層の層数が4〜50層であ
    り、多層被覆層の被覆率が10〜150重量%である請
    求項1〜14のいずれか1項記載の徐放性製剤。
  16. 【請求項16】 多層被覆層の内側に製剤強度を向上さ
    せるためのアンダーコーティング層を設けた請求項1〜
    15のいずれか1項記載の徐放性製剤。
  17. 【請求項17】 アンダーコーティング層が、水不溶性
    高分子物質を主成分とする請求項16記載の徐放性製
    剤。
  18. 【請求項18】 アンダーコーティング層がエチルセル
    ロースを主成分とする請求項17記載の徐放性製剤。
  19. 【請求項19】 アンダーコーティング層の被覆率が5
    〜50重量%である請求項16〜18のいずれか1項記
    載の徐放性製剤。
  20. 【請求項20】 薬物含有芯物質に、疎水性有機化合物
    −水溶性高分子混合物を含む溶液を、噴霧コーティング
    し、得られたコーティング層上に、異なる疎水性有機化
    合物−水溶性高分子混合物を含む溶液を続けて噴霧コー
    ティングし、この工程を繰り返すことを特徴とする隣接
    する層同士が互いに異なる疎水性有機化合物−水溶性高
    分子混合物を含有する多層被覆層を有する徐放性製剤の
    製法。
  21. 【請求項21】 薬物含有芯物質に、製剤強度を向上さ
    せるためのアンダーコーティング層を施した後、疎水性
    有機化合物−水溶性高分子混合物を含む溶液を噴霧コー
    ティングする請求項20記載の徐放性製剤の製法。
JP2001018807A 2000-01-27 2001-01-26 徐放性製剤およびその製法 Expired - Fee Related JP3888064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001018807A JP3888064B2 (ja) 2000-01-27 2001-01-26 徐放性製剤およびその製法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-18323 2000-01-27
JP2000018323 2000-01-27
JP2001018807A JP3888064B2 (ja) 2000-01-27 2001-01-26 徐放性製剤およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001278781A true JP2001278781A (ja) 2001-10-10
JP3888064B2 JP3888064B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=26584263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001018807A Expired - Fee Related JP3888064B2 (ja) 2000-01-27 2001-01-26 徐放性製剤およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3888064B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003070223A1 (fr) 2002-02-21 2003-08-28 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Preparations a liberation lente et methode de production desdites preparations
JP2005506336A (ja) * 2001-10-09 2005-03-03 フラメル・テクノロジー 薬学的活性成分の遅延かつ制御された放出のための微小粒子経口ガレヌス製剤形態
JP2006501270A (ja) * 2002-09-13 2006-01-12 セフアロン・インコーポレーテツド モダフィニルの新規の医薬製剤
JP2008543936A (ja) * 2005-06-24 2008-12-04 メディシス・ファーマシューティカル・コーポレーション にきびの治療方法発明の分野
JP2009542742A (ja) * 2006-07-10 2009-12-03 ドクター. アール. フレガー ヒェーミッシェ ファブリーク ゲーエムベーハー 小腸における活性成分の放出を制御した経口投与用の医薬品製剤およびその製造方法
JP2011148832A (ja) * 2003-11-14 2011-08-04 Ajinomoto Co Inc フェニルアラニン誘導体の徐放性経口投与製剤
JP5369435B2 (ja) * 2005-03-10 2013-12-18 大正製薬株式会社 糖衣剤
US8722650B1 (en) 2005-06-24 2014-05-13 Medicis Pharmaceutical Corporation Extended-release minocycline dosage forms
US8802158B2 (en) 2003-12-19 2014-08-12 The Iams Company Methods of use of probiotic Lactobacilli for companion animals
US9415083B2 (en) 2004-05-10 2016-08-16 Mars, Incorporated Method for decreasing inflammation and stress in a mammal
US9427000B2 (en) 2005-05-31 2016-08-30 Mars, Incorporated Feline probiotic lactobacilli composition and methods
US9561241B1 (en) 2011-06-28 2017-02-07 Medicis Pharmaceutical Corporation Gastroretentive dosage forms for minocycline
US9771199B2 (en) 2008-07-07 2017-09-26 Mars, Incorporated Probiotic supplement, process for making, and packaging
US9821015B2 (en) 2003-12-19 2017-11-21 Mars, Incorporated Methods of use of probiotic bifidobacteria for companion animals
US10104903B2 (en) 2009-07-31 2018-10-23 Mars, Incorporated Animal food and its appearance

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005506336A (ja) * 2001-10-09 2005-03-03 フラメル・テクノロジー 薬学的活性成分の遅延かつ制御された放出のための微小粒子経口ガレヌス製剤形態
JP4718116B2 (ja) * 2001-10-09 2011-07-06 フラメル・テクノロジー 薬学的活性成分の遅延かつ制御された放出のための微小粒子経口ガレヌス製剤形態
WO2003070223A1 (fr) 2002-02-21 2003-08-28 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Preparations a liberation lente et methode de production desdites preparations
JP2006501270A (ja) * 2002-09-13 2006-01-12 セフアロン・インコーポレーテツド モダフィニルの新規の医薬製剤
JP2011148832A (ja) * 2003-11-14 2011-08-04 Ajinomoto Co Inc フェニルアラニン誘導体の徐放性経口投与製剤
JP4947482B2 (ja) * 2003-11-14 2012-06-06 味の素株式会社 フェニルアラニン誘導体の徐放性経口投与製剤
US8802158B2 (en) 2003-12-19 2014-08-12 The Iams Company Methods of use of probiotic Lactobacilli for companion animals
US9821015B2 (en) 2003-12-19 2017-11-21 Mars, Incorporated Methods of use of probiotic bifidobacteria for companion animals
US9415083B2 (en) 2004-05-10 2016-08-16 Mars, Incorporated Method for decreasing inflammation and stress in a mammal
JP5369435B2 (ja) * 2005-03-10 2013-12-18 大正製薬株式会社 糖衣剤
US9427000B2 (en) 2005-05-31 2016-08-30 Mars, Incorporated Feline probiotic lactobacilli composition and methods
JP2013213047A (ja) * 2005-06-24 2013-10-17 Medicis Pharmaceutical Corp にきびの治療方法発明の分野
US8722650B1 (en) 2005-06-24 2014-05-13 Medicis Pharmaceutical Corporation Extended-release minocycline dosage forms
JP2008543936A (ja) * 2005-06-24 2008-12-04 メディシス・ファーマシューティカル・コーポレーション にきびの治療方法発明の分野
JP2009542742A (ja) * 2006-07-10 2009-12-03 ドクター. アール. フレガー ヒェーミッシェ ファブリーク ゲーエムベーハー 小腸における活性成分の放出を制御した経口投与用の医薬品製剤およびその製造方法
US9771199B2 (en) 2008-07-07 2017-09-26 Mars, Incorporated Probiotic supplement, process for making, and packaging
US10709156B2 (en) 2008-07-07 2020-07-14 Mars, Incorporated Pet supplement and methods of making
US10104903B2 (en) 2009-07-31 2018-10-23 Mars, Incorporated Animal food and its appearance
US9561241B1 (en) 2011-06-28 2017-02-07 Medicis Pharmaceutical Corporation Gastroretentive dosage forms for minocycline

Also Published As

Publication number Publication date
JP3888064B2 (ja) 2007-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7220430B2 (en) Sustained-release preparation and process for producing the same
KR100501022B1 (ko) 장내 적소 방출형 제제
EP1125586A1 (en) Sustained-release particles
JP2626248B2 (ja) カプセル剤
JPH02289512A (ja) 徐放性医薬製剤
JP3888064B2 (ja) 徐放性製剤およびその製法
US20120082721A1 (en) Enteric coating
JP2004143071A (ja) 薬物含有複合粒子の製造方法および薬物含有複合粒子
US20150164920A1 (en) Controlled release formulation comprising mesalamine
JPH06279274A (ja) 懸濁液徐放性製薬組成物
MX2010011409A (es) Forma oral solida con perfil de liberacion dual que contiene particulas multiples.
JP2001055322A (ja) パルス放出型製剤
EP2604256B1 (en) Multi layer coatings
US20040137061A1 (en) Functional grain-containing preparations quickly disintegrated in the oral cavity
JP2000103732A (ja) 腸内適所放出型製剤
JP4691925B2 (ja) 圧縮成型製剤の製造方法
JP2000198747A (ja) 徐放性粒子
JP2003055197A (ja) 機能性粒子含有口腔内速崩壊性製剤
JP2011046750A (ja) 口腔内速崩壊性錠
JP2010260803A (ja) キサンタンガム被覆水溶性糖類及び圧縮成形製剤
JP2006160627A (ja) 時限放出化方法
JP2646851B2 (ja) 胃内滞留製剤
JPH024575B2 (ja)
JP2006160626A (ja) 徐放化方法
JPH04338324A (ja) マルチリザ−バ−型徐放性顆粒剤およびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees