JP2014173871A - 圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極パッド部にワイヤーボンディングを行うことによるクラックや隣接する電極パッドとの短絡を防止し、配線間に発生する静電容量や電極パッド間に発生する静電容量を抑制させることにより、高信頼性であり小型化と高性能化が可能な圧電素子を提供する。
【解決手段】各電極パッド8,14以外を保護膜で覆うことで側壁を形成し、隣接する電極パッドとの短絡を防止し小型化させる。各電極パッド8,14は圧電体膜を含まない構造でありクラックを抑制し静電容量を抑制する。各振動腕3,4の上下電極6,7に対応する上下配線9,16の圧電膜が除去されており上下に重ならないように配置されているため静電容量を抑制し小型化できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両などの移動体姿勢制御に用いられる角速度センサ素子をはじめとする圧電素子に関するものである。
一般に、車両など移動体の姿勢制御に用いられる圧電体膜を有する圧電素子、すなわち、角速度センサ素子には、アルファベットのH型形状のもの、さらには柱状の形状のものと音叉形状のものなどがある。ここでは、H型形状の角速度センサ素子を例にして説明する。
角速度センサ素子は、基部と駆動電極部と検出電極部が同一面上に形成されている。基部の上面には外部への出力取り出し用の電極部が設けられている。各電極部には、圧電体膜が備えられており、上部電極と下部電極にはさまれた圧電体膜は圧電特性を有するものであり、電圧を印加すると歪みを生じ、また機械的に歪みを生じさせると電位を生じるものである。この性質を利用して角速度センサ素子の駆動部を励振させる。角速度が加わると、コリオリの力により駆動部が歪まされ、これにより検出部に接している検出電極部に電位が生じる。この電位を知ることによって、角速度センサ素子に与えられた角速度を検出することができる。
具体的には、駆動電極部の下部電極と上部電極間に交流電圧を印加する。その電圧印加の位相を180°ずらすことによって、駆動電極部を有する駆動部を形成している2本の駆動腕を、励振させることができる。このとき、2本の駆動腕を略平行な状態に振動させるのではなく閉じたり開いたりするように振動させる。すなわち、一方の駆動腕が一方に傾いているときには、もう一方の駆動腕を反対方向へ傾けるような振動の状態にする。
このような振動を行っているときに、角速度センサ素子を駆動腕の長手方向に平行な軸周りに角速度運動をさせると、コリオリの力により駆動腕が上下方向に歪まされ、これにより検出電極に接している圧電体中に電位が生じる。この電位を知ることによって、角速度センサ素子に与えられた角速度を検出することができる。
また、出力取り出し用の電極部は、駆動電極、検出電極のそれぞれと同一面上に形成された配線やパッドパターンにより接続されている。角速度センサ素子は台座等に実装された後、ワイヤーボンディング等により外部回路と接続され、処理回路であるICとともにパッケージされて、角速度センサとなる。
角速度センサ素子をはじめとする圧電素子を作製する場合、圧電素子の耐久信頼性向上や、電極間への異物の付着等による短絡防止等のために、圧電素子の表面に保護膜を設ける場合がある。また、圧電体膜を電極で挟みこむ構造は、コンデンサとしても機能することが知られている。
特許文献1には、圧電素子片に、狭い間隔を隔てて2つの電極膜が形成されていて、この電極膜は、圧電素子片上に、下地金属膜と、その上にAu電極膜が形成されており、このAu電極膜の表面にチオール処理膜と、その表面全面を絶縁性の保護膜で覆った圧電素子が開示されている。もともと、2つの電極間隔は狭いので、ウィスカー等に起因する短絡の問題があるために、絶縁性の保護膜で覆うことを試みたが、Au電極膜と絶縁性の保護膜の密着性が悪いために、その改善として、Au電極膜の表面にチオール処理膜を適用したものである。なお、ウィスカーとは、結晶表面からその外側に向けて髭状に成長した結晶である。
特許文献2には、配線部の構成を圧電膜を挟んだ上部電極および下部電極から引き出して形成する信号線を上下に対向させずに、すなわち、上部電極線と下部電極線が上下に重ならないように並行して曲げずに真直ぐに引き出すことにより、上下電極の信号線の配線間に静電容量が発生しにくく、静電容量に起因したS/N比の劣化を抑制することができるセンサが開示されている。特に、信号線が長くなったとしても、S/N比の劣化を抑制でき、検出精度を向上できるというものである。
特開平11−145758号公報 特開2008−190888号公報
特許文献1に開示されているように、圧電素子において、電極パッド部にワイヤーボンディングを行うことにより、ワイヤーボンディングボールの大きさとアライメント次第では、隣接する電極パッドとの短絡不良が起こりやすく歩留りに影響するため、さらに、ワイヤーボンディングの打痕により圧電体膜にマイクロクラックが入りやすくなり信頼性に影響を与える可能性がある。そのため、電極パッドの周囲に絶縁膜からなる保護膜を形成することは必要となっている。
また、圧電体膜を用いた角速度センサ素子をはじめとする圧電素子の小型化と高性能化が求められている。特許文献2に開示されているセンサの構成では、静電容量の発生を抑制するため、上下電極からの各信号配線を上下に対向させず、すなわち、重ならないように配置しているので、圧電素子を平面的に見たとき、すなわち、上部から見たときに、上下電極からの上下信号配線それぞれ1本ずつとして2本分の面積は最低限必要となり、また、フォトリソグラフィー工程でのアライメント精度を加味した面積も必要となってくるため、小型化が困難となってしまう。
一般的に角速度センサ素子が小型化されると、駆動腕に角速度が与えられた場合、検出腕で検出される信号が微弱になる。検出精度を高めるためには、不要な電位を低減し、それによって生じる不要な出力信号を抑えることで誤検出を低減すること、すなわち高性能化が求められている。そのために、上下電極配線間の静電容量、および、上下電極パッド間の静電容量の発生を抑制することが必要となっている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、電極パッド部にワイヤーボンディングを行うことによるクラックや隣接する電極パッドとの短絡を防止し、配線間に発生する静電容量や電極パッド間に発生する静電容量を抑制させることにより、高信頼性であり小型化と高性能化が可能な圧電素子を提供することを目的とする。
本発明は、基部と、一対の振動腕を2組備えた4本の振動腕を備え、一対の前記振動腕と別の一対の前記振動腕は、前記基部を基点として、互いに、反対向きに長手方向に延伸しており、4本の前記振動腕は、それぞれに電極部を備え、4つの前記電極部は、それぞれに圧電体膜を挟んで、第1の電極と第2の電極から構成されており、前記基部は、5つの電極パッドを備え、5つの前記電極パッドは、4つの第1の電極パッドと、接地された1つの第2の電極パッドから構成されており、4つの前記第1の電極パッドは、4つの前記電極部のそれぞれの前記第1の電極に対応して、第1の配線を介して接続されており、1つの前記第2の電極パッドは、4つの前記電極部のそれぞれの前記第2の電極に対応して、第2の配線を介して接続されており、前記第2の電極パッドと前記第1の電極は同じ層に形成されており、前記第2の電極と前記第1の配線の端部は、スルーホールを介して接続されており、前記第2の電極パッド上の領域を除いて第1の絶縁性保護膜が形成され、前記第1の絶縁性保護膜上に前記第1の配線が形成され、前記第1の電極パッド上の領域と前記第2の電極パッド上の領域を除いて第2の絶縁性保護膜が形成され、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド、および、前記第1の配線と前記第2の配線においては、前記圧電体膜が除去されており、前記第1の配線と前記第2の配線は、積層方向に重ならないで形成されていることを特徴とする圧電素子である。
すなわち、各電極パッドの上部の領域を除いて絶縁性保護膜で覆うことで、各電極パッドの周囲には絶縁性保護膜の側壁が形成され、隣接する電極パッドとの短絡を防止し、各電極パッド間の距離を縮小することが可能である。
また、各電極パッドに圧電体膜を含まない構造となっているため、各電極パッドにワイヤーボンディングを行うことによるクラックを抑制することや圧電体膜を挟むことにより各電極パッド自身に発生する静電容量を抑制することが可能である。
また、各振動腕の各電極の圧電体膜を挟む上下電極に対応する上下配線が、上下に重ならないように配置することにより、上下配線間に発生する静電容量を抑制させることが可能である。静電容量の発生を抑制することで、静電容量に起因したS/N比の信号劣化を抑制し、不要な信号を低減させて信号検出精度をより高めることが可能となる。従って、高信頼性であり小型化と高性能化が可能な角速度センサ素子、すなわち、圧電素子を提供することが可能となる。
本発明により、電極パッド部にワイヤーボンディングを行うことによるクラックや隣接する電極パッドとの短絡を防止し、配線間に発生する静電容量や電極パッド間に発生する静電容量を抑制させることにより、高信頼性であり小型化と高性能化が可能な圧電素子を提供することができる。
実施形態の角速度センサ素子の斜視図である。 図1のA−A線で切ったときの断面図である。 図1の平面図である。 図3の領域Bにおける側面透過イメージ図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
図1は本実施形態の圧電素子である角速度センサ素子1の斜視図である。角速度センサ素子1は、Siからなる基板2をエッチングにより加工した形状となっており、振動腕である一対の駆動腕3と一対の検出腕4、そして基部5から構成されている。一対の駆動腕3と一対の検出腕4は、基部5を挟んで線対称な形状になっている。言い換えると、基部5を基点として、互いに、反対向きに長手方向に延伸している。
図1に示すように、一対の駆動腕3は、一対の駆動電極部6を備えた振動腕であり、この駆動腕3は直方体形状であって、略平行に2本並んで配置されている。また、一対の検出腕4は、振動を検出可能な一対の検出電極部7を備えた振動腕であり、この検出腕4は直方体形状であって、略平行に2本並んで配置されている。そして、基部5は、内外部との入出力用の5つの電極パッド8、14、および、配線9、16(図3)を備えており、図示しないパッケージに角速度センサ素子1を固定するための固着部である。
図3は、本実施形態である図1の平面図であり、配線については透過した様子を示している。図3のように、基部5には、内外部との入出力用の電極パッド8、14、および、配線9、16からなっている。角速度センサ素子1の小型化のために、電極パッドは5つ備えられており、4つの第1の電極パッドである上部電極パッド8と、1つの第2の電極パッドである下部電極パッド14からなっている。
4本の振動腕の各電極部6、7と各電極パッド8、14を電気的に接続する配線9、16について説明する。4本の振動腕の上部電極である第2の電極12と、それぞれ対応する4つの第1の電極パッドである上部電極パッド8が、第1の配線である上部配線9により接続されている。一方、4本の振動腕の下部電極である第1の電極10と、1つの第2の電極パッドである下部電極パッド14が、破線で示す第2の配線である下部配線16により接続されている。平面的に見て、4本の上部配線9と4本の下部配線16は上下に、すなわち、積層方向に、重ならないように配置されている。
図3より、1つの下部電極パッド14は、4つの各振動電極の下部電極10と共通して電気的に接続されており、同電位となり接地されるため、1つだけ設けられている。なお、上部電極パッド8と、下部電極パッド14の、外部の電気回路との接続方法としては、例えばワイヤーボンディングで接続する方法がある。
図2は、図1や図3において、A−A線で切ったときの2本の駆動用の振動腕の部分の断面図である。図2のように、一対の駆動電極部6は、第1の電極である下部電極10、圧電体膜11、第2の電極である上部電極12から構成されている。下部電極10と上部電極12はPtなどの導電膜からなっている。圧電体膜11はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜からなっている。検出電極部7は駆動電極部6の構成と同じである。さらに、下部電極10、圧電体膜11、上部電極12をコーティング樹脂からなる第1の絶縁性保護膜13で覆っている。絶縁性保護膜13の材質としては、絶縁性保護膜部材として用いられる材料であれば特に限定されるものではないが、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁保護膜材としてポリイミド樹脂は、一般的によく扱われているものであるが、フォトリソグラフィ工程でパターニングが可能であり、必要な箇所にだけ残すことが出来る。
次に、本実施形態の、4本の振動腕の各電極6、7と各電極パッド8、14を電気的に接続する配線9、16について詳細に説明する。図4は、本実施形態の角速度センサ素子1を、領域Bにおいて、側面から見た透過イメージ図であり、すなわち、図3のX軸方向から見た透過イメージ図であり、わかりやすく表現したものなので、詳細部については必ずしも正確ではない。図4においては、領域Bにおける、4本の振動腕のうちの検出電極部7と基部5の一部を例として用いて説明する。
図4によると、検出腕4の検出電極部7と、圧電体膜11を挟んで下部電極10と上部電極12があり、延伸している下部電極10を第1の絶縁性保護膜13で覆い、第1の配線である上部配線9は第1の絶縁性保護膜13上に形成されていて、上部電極12からスルーホール17で引き出した配線が上部配線9につながっている。
図4に示すように、検出電極部7を形成した後に、第1の絶縁性保護膜13を形成すると同時にスルーホール17が形成され、上部配線9を形成し、第1の絶縁性保護膜13と同じ材料からなる第2の絶縁性保護膜15を形成する。
図4より、基部5の領域について、検出電極部7の上部電極12と下部電極10が、配線9、16を介して、基部5のパターニングされた電極パッド8、14に接続されている。下部電極10は、第2の配線である下部配線16に接続され下部電極パッド14に接続される。
図4より、第2の電極パッドである下部電極パッド14の上部の領域は、外部と電気的に接続されるために絶縁性保護膜13、15では覆われない。図4において上部から、すなわち、Z軸上方から見ると、下部電極パッド14のある領域は穴が開いており、その穴の周囲を絶縁性保護膜13、15が側壁として囲っている。
図4より、第1の電極パッドである上部電極パッド8の上部の領域は、外部と電気的に接続されるために第2の絶縁性保護膜15では覆われない。図4において上部から、すなわち、Z軸上方から見ると、上部電極パッド8のある領域は穴が開いており、その穴の周囲を第2の絶縁性保護膜15が側壁として囲っている。
なお、絶縁性保護膜13、15によって形成された側壁は、絶縁性保護膜13、15で電極パッド8、14を抜いた構造であって、壁の高さは、1μmから10μm以内が好ましく形状や角度などは、特に限定されない。
このように、各電極パッド8、14の上部の領域を除いて絶縁性保護膜で覆うことで、各電極パッドの周囲には絶縁性保護膜の側壁が形成され、たとえワイヤーボンディングで、はみ出しがあった場合でも隣接する電極パッドとの電気的な短絡は防止でき、各電極パッド間の距離を縮小することが可能となる。
図4より、各配線9、16自身と各電極パッド8、14自身が、圧電体膜11を含まない構造となっている。これにより、圧電体膜11を挟むことにより発生する自身の静電容量を抑制することが可能である。また、各電極パッド8、14に圧電体膜11を含まない構造となっているため、ワイヤーボンディングでの打痕によるマイクロクラックも発生しない。
本実施形態の具体的な配線は図3に示すようになっており、図4のイメージ図のような側面から見た構成をしている。従って、図3において、本実施形態においては、4本の振動腕の上部電極である第2の電極12とそれぞれ対応する4つの上部電極パッド8を接続する第1の配線である上部配線9と、4本の振動腕の下部電極である第1の電極10と1つの下部電極パッド14を接続する第2の配線である下部配線16は、図で平面的に見て、すなわち、Z軸上方から見て、上下に、すなわち、積層方向に、重ならないように配置することが可能である。また、効率よく小さく配置させるために、4本の上部配線9は4つの上部電極パッド8に対し最短距離で配置させ、4本の下部配線16は1つの下部電極パッド14に対し基部5の内側にそれぞれ上部配線9と重ならないように1本につき2箇所曲げる点を設けて配線させている。
このように、上部配線9と下部配線16が、上下に重ならないように配置することにより、上下配線が重なることにより発生する静電容量を抑制することが可能である。また、上下配線をコンパクトに配置することにより小型化を可能にしている。
従って、本実施形態のように、各電極パッド8、14に圧電体膜11を含まない構造にしたり、上下配線9、16が、上下に重ならないように配置することにより、静電容量に起因したS/N比の信号劣化を抑制し、不要な信号を低減させて信号検出精度をより高めること、すなわち、高性能化が可能となる。また、各配線9、16や各電極パッド8、14において圧電膜を含まない構成としているので上下配線の取り回しに制約がなく、より小型化が可能となる。
また、図4において、上部配線9と下部配線16の積層方向間に、第1の絶縁性保護膜13を挟んで形成することにより各配線の取り回しスペースにゆとりが生まれ、自由度が増し、その分面積を小さくすることが可能となる。
本実施形態の角速度センサ素子1の形成工程について説明する。まず、シリコン(Si)からなる円盤状のウェハである基板2上に、スパッタまたは蒸着により下部電極10となる導電膜を約0.2μmの膜厚となるように成膜し、引き続き圧電体11となる膜厚約2.1μmのPZTを成膜する。この上に駆動電極6または検出電極7となる導電膜を約0.2μmの膜厚となるように成膜する。その後、上記のように積層された薄膜をフォトリソグラフィー、エッチングにより所定のパターニングにより所望の形状にする。基部5上の圧電体膜は除去される。基板2の材料は、Siが好ましく、基板の膜厚はハンドリングが可能であればよく、特に限定はしない。
その後、スピンコートにより第1の絶縁性保護膜13であるコーティング樹脂をフォトリソグラフィーにより所定のパターニング形成して乾燥させる。その後、上部配線9と上部電極パッド8をフォトリソグラフィーで所定のパターニング形成し、その面に導電膜をスパッタにて成膜した後リフトオフ工法により形成する。
図4の側面からのイメージ図によれば、下部電極10と下部配線16と下部電極パッド14は同じ膜厚であって同じ層上に形成される。また、上部電極12は、スルーホール17を経て第1の絶縁性保護膜13の上に上部配線9が検出電極部7の階段上の側面に沿って形成され、上部電極パッド8に接続される。図4の側面からのイメージ図によれば、第1の絶縁性保護膜13を介して下部配線16上に形成された上部配線9の平らな部分と上部電極パッド8は同じ膜厚であって同じ層上に形成される。
その後、スピンコートにより第2の絶縁性保護膜15であるコーティング樹脂をフォトリソグラフィーにより所定のパターニング形成をして乾燥させる。外部との電気的接続部である電極パッド以外をコーティング樹脂で覆われることになる。電極パッドには絶縁性保護膜の側壁が形成される。その後、研削とエッチングおよびダイシングにて個片化を行い、角速度センサ素子1を得る。
本実施形態の構成によれば、各電極パッド8、14の上部の領域を除いて絶縁性保護膜で覆うことで、各電極パッドの周囲には絶縁性保護膜の側壁が形成され、隣接する電極パッドとの短絡を防止し、各電極パッド間の距離を縮小することが可能である。また、各電極パッド8、14に圧電体膜11を含まない構造となっているため、各電極パッドにワイヤーボンディングを行うことによるクラックを抑制することや圧電体膜11を挟むことにより自身に発生する静電容量を抑制することが可能である。また、各振動腕3、4の各電極6、7の圧電体膜11を挟む上下電極10、12に対応する上下配線9、16が、上下に重ならないように配置することにより、配線間に発生する静電容量を抑制させることが可能であり、上下配線9、16の圧電膜が除去されているので上下配線の取り回しに制約がなく、より小型化が可能である。静電容量の発生を抑制することで、静電容量に起因したS/N比の信号劣化を抑制し、不要な信号を低減させて信号検出精度をより高めることが可能となる。従って、高信頼性であり小型化と高性能化が可能な角速度センサ素子、すなわち、圧電素子1を提供することが可能となる。
本発明に係わる圧電素子、すなわち、角速度センサは、自動車、カーナビゲーション、手ぶれ防止カメラ、等の物質の回転による角速度を検出する用途に利用できる。
1 圧電素子(角速度センサ素子)
2 基板
3 駆動腕
4 検出腕
5 基部
6 駆動電極部
7 検出電極部
8 上部電極パッド(第1の電極パッド)
9 上部配線(第1の配線)
10 下部電極(第1の電極)
11 圧電体膜
12 上部電極(第2の電極)
13 第1の絶縁性保護膜
14 下部電極パッド(第2の電極パッド)
15 第2の絶縁性保護膜
16 下部配線(第2の配線)
17 スルーホール


Claims (3)

  1. 基部と、一対の振動腕を2組備えた4本の振動腕を備え、
    一対の前記振動腕と別の一対の前記振動腕は、前記基部を基点として、互いに、反対向きに長手方向に延伸しており、
    4本の前記振動腕は、それぞれに電極部を備え、
    4つの前記電極部は、それぞれに圧電体膜を挟んで、第1の電極と第2の電極から構成されており、
    前記基部は、5つの電極パッドを備え、
    5つの前記電極パッドは、4つの第1の電極パッドと、接地された1つの第2の電極パッドから構成されており、
    4つの前記第1の電極パッドは、4つの前記電極部のそれぞれの前記第1の電極に対応して、第1の配線を介して接続されており、
    1つの前記第2の電極パッドは、4つの前記電極部のそれぞれの前記第2の電極に対応して、第2の配線を介して接続されており、
    前記第2の電極パッドと前記第1の電極は同じ層に形成されており、
    前記第2の電極と前記第1の配線の端部は、スルーホールを介して接続されており、
    前記第2の電極パッド上の領域を除いて第1の絶縁性保護膜が形成され、
    前記第1の絶縁性保護膜上に前記第1の配線が形成され、
    前記第1の電極パッド上の領域と前記第2の電極パッド上の領域を除いて第2の絶縁性保護膜が形成され、
    前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッド、および、前記第1の配線と前記第2の配線においては、前記圧電体膜が除去されており、
    前記第1の配線と前記第2の配線は、積層方向に重ならないで形成されていることを特徴とする圧電素子。
  2. 4本の前記第1の配線は4つの前記第1の電極パッドに対し最短距離で配置させ、4本の前記第2の配線は1つの前記第2の電極パッドに対しそれぞれ前記第1の配線と重ならないように1本につき2箇所曲げる点を設けて配線させることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 4本の前記振動腕は、一対である2本の駆動用の振動腕と、一対である2本の検出用の振動腕であって、
    一対の前記駆動用の振動腕と一対の前記検出用の振動腕は、前記基部を基点として、互いに、反対向きに長手方向に延伸していることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の圧電素子。


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