JP5407250B2 - 角速度センサ素子、角速度センサ素子の製造方法、角速度センサ及び電子機器 - Google Patents

角速度センサ素子、角速度センサ素子の製造方法、角速度センサ及び電子機器 Download PDF

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本発明は、コリオリ力を検出することで角速度を検出する角速度センサ素子に関する。
従来より、民生用の角速度センサとしては、振動子を所定の共振周波数で振動させておき、角速度の影響により生じるコリオリ力を圧電素子等で検出することによって角速度を検出する、いわゆる振動型のジャイロセンサが広く用いられている。
近年において、電子機器の小型化、高性能化が進み、例えば他の用途を持つ各種センサと組み合わせて、振動型ジャイロセンサを一基板上に搭載させるといった設計が考えられている。この設計を実現させるためには、搭載される振動型ジャイロセンサの小型化、高性能化が必要とされる。振動型ジャイロセンサの小型化には、Si基板を用いた半導体プロセスにおける薄膜技術、エッチング技術、及びパターニング処理等の技術を用いることが提案されている。
振動型ジャイロセンサには、振動子を振動させるための駆動電極や、コリオリ力を検出するための検出電極等が搭載されており、それらの電極にはリード(特許文献1における符号31B、31C、31D)が接続され、同一平面上に配線が設置される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−24861号公報(図4)
しかしながら、小型化された振動型ジャイロセンサの場合、例えば異物が配線上に存在することで、電気的な短絡不良が生じる可能性がある。また配線が設置されている平面上をリーク電流が流れる可能性もある。生じた短絡不良やリーク電流は、振動型ジャイロセンサのコリオリ力検出精度を低下させる原因となる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、角速度センサ素子の小型化を実現しながら、配線間の短絡やリーク電流を防止することができる角速度センサ素子、角速度センサ素子の製造方法、角速度センサ及び電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る角速度センサ素子は、アーム部と、ベース部とを具備する。
前記アーム部は、第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有する圧電材と、前記第1の側に設けられた第1の電極と、前記第2の側に設けられた第2の電極とを有し振動する。
前記ベース部は、前記第1の電極に接続された第1の配線を有する第1の配線レイヤーと、前記第2の電極に接続された第2の配線を有する前記第1の配線レイヤーとは異なる第2の配線レイヤーとを有し、前記アーム部を支持する。
アーム部に含まれる複数の電極に接続された配線が、第1の電極に接続された第1の配線を有する第1の配線レイヤーと、第2の電極に接続された第2の配線を有する第2の配線レイヤーとに分けられ、基板上のベース部に設けられる。よって、上記複数の電極に接続された配線が同一面上に設置された場合と比べて、それぞれの配線レイヤーが有する第1の配線によるパターンの密度及び第2の配線によるパターンの密度が低くなる。つまり、第1の配線パターンにおける配線間の距離、及び、第2の配線パターンにおける配線間の距離が大きくなる。したがって、角速度センサ素子の小型化を実現しながら、配線間の短絡やリーク電流を防止することができる。
アーム部に含まれるアームの数は、1つでも複数でもよい。
第1の配線は、第1の厚みでなっていてもよい。その場合、前記角速度センサ素子は、少なくとも前記第1の配線と前記第2の配線とを電気的に絶縁する、第1の厚みより大きい第2の厚みでなる絶縁膜をさらに具備していてもよい。また、前記第2の配線は、前記絶縁膜上に形成されていてもよい。
第1の配線よりも大きい厚みでなる絶縁膜により、第1の配線と第2の配線とが電気的に絶縁されるとともに、第2の配線がその絶縁膜上に形成される。これにより角速度センサ素子内に第1の配線レイヤーと第2の配線レイヤーとが形成され、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性が高まり、電極間の短絡やリーク電流を防ぐことができる。
前記第1の配線は、第1の材質を含み、前記第2の配線は、前記第1の材質とは異なる第2の材質を含んでいてもよい。
前記アーム部は、前記圧電材、前記第1の電極及び前記第2の電極をそれぞれ有する複数のアームを有し、前記複数のアームが並ぶ方向に第1の幅で形成されていてもよい。その場合、前記ベース部は、前記アーム部を支持する、前記第1の幅より小さい第2の幅で形成されるアーム支持部を有していてもよい。
角速度センサ素子の誤作動の原因となる振動を防ぐために、第1の幅で形成されるアーム部を支持するアーム支持部が第1の幅より小さい第2の幅で形成される。このような狭い領域でなるアーム支持部が形成される場合、これまでの角速度センサ素子では、アーム部に含まれる複数の電極に接続された配線の密度が大きいため、配線間の短絡やリーク電流が起こるおそれがあった。しかし、本発明の一形態によれば、上記したように第1の配線レイヤー及び第2の配線レイヤーが異なるので、そのような懸念が解消される。
本発明の一形態に係る角速度センサ素子の製造方法は、圧電駆動により振動するアーム部に対応する第1の部位と、前記アーム部を支持するベース部に対応する第2の部位とを有する基板上に、第1の導電膜、圧電膜及び第2の導電膜を順に形成することを含む。
前記第1の導電膜、前記圧電膜及び前記第2の導電膜をそれぞれ所定の形状に形成することで、第1の電極、圧電材及び第2の電極が前記第1の部位上に形成され、また、前記第1の電極から延長されるように設けられた第1の配線が前記第2の部位上に形成される。
第1の電極、圧電材及び第2の電極を形成するために、基板上の第1の導電膜、圧電膜及び第2の導電膜が形成される。その際、第1の電極に延長されるように第1の配線も形成することができる。すなわち、第1の電極と第1の配線とを同じ膜から、同じ工程で(実質的に同時に)形成することができる。さらに、絶縁膜を形成後、第2の電極に接続される配線を形成することができる。これにより上記第1の配線と第2の電極に接続される配線とを分けて、基板上に設けることができる。また、上記したように、同じ工程で第1の電極と第1の配線とを形成することができるので、第1の配線を形成するための時間が短縮される。
前記第1の配線は、前記第2の部位上の前記圧電膜をエッチングすることにより形成される。
以上により、簡単に第1の配線パターンを形成することができる。
本発明の一形態に係る角速度センサは、角速度センサ素子と、前記角速度センサ素子が実装される回路基板とを具備する。前記角速度センサ素子は、振動するアーム部と、前記アーム部を支持するベース部とを有する。
前記アーム部は、圧電材、第1及び第2の電極を有する。前記圧電材は、第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有し、前記第1の電極は前記第1の側に設けられ、前記第2の電極は前記第2の側に設けられる。
前記ベース部は、第1の配線レイヤーと、前記第1の配線レイヤイーとは異なるレイヤーに設けられた第2の配線レイヤーとを有する。前記第1の配線レイヤーは、前記第1の電極に接続された第1の配線を有し、前記第2の配線レイヤーは、前記第2の電極に接続された第2の配線を有する。
本発明の別の形態に係る電子機器は、角速度センサ素子と、前記角速度センサ素子が実装される回路基板とを具備する角速度センサを搭載する。前記角速度センサ素子は、振動するアーム部と、前記アーム部を支持するベース部とを有する。
前記アーム部は、圧電材、第1及び第2の電極を有する。前記圧電材は、第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有し、前記第1の電極は前記第1の側に設けられ、前記第2の電極は前記第2の側に設けられる。
前記ベース部は、第1の配線レイヤーと、前記第1の配線レイヤイーとは異なるレイヤーに設けられた第2の配線レイヤーとを有する。前記第1の配線レイヤーは、前記第1の電極に接続された第1の配線を有し、前記第2の配線レイヤーは、前記第2の電極に接続された第2の配線を有する。
以上のように、本発明によれば、角速度センサ素子の小型化を実現しながら、配線間の短絡やリーク電流を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る角速度センサ素子を示す斜視図であり、図2はその平面図である。角速度センサ素子100は、アーム部10とベース部20とを有し、アーム部10はベース部20に含まれるアーム支持部30によりベース部20に支持されている。例えば、図2に示される角速度センサ素子100のz軸方向の全長は、b=3mmであるが、これに限定されない。
アーム部10は、ほぼ同じ方向となる長さ方向(z軸方向)を有する複数のアーム、例えば3本のアーム1A、1B及び1Cを有し、それら複数のアームが並ぶ方向において幅aで形成される。例えばa=1mmであるが、これに限定されない。
3本のアーム1A、1B及び1Cは、非圧電基板からなり、本実施形態ではシリコン単結晶基板で形成されている。例えばアーム1A、1B及び1Cのy軸方向においての厚みは、c=100μmであるが、これに限定されない。また、それぞれのアームが、ほぼ同一の長さ、幅及び厚みを有しているが、これらの形状に限られない。
図3は図2におけるD−D線断面図である。
3本のアーム1A、1B及び1Cの同じ側に、それぞれ下層電極3(3A、3B及び3C)と、圧電材4(4A、4B及び4C)と、上層電極5(5A、5B及び5C)とが、この順で積層されるように形成されている。
上層電極5A及び5Cは、それぞれ二つに分かれてこの断面図に示されているが、それぞれアーム1A及び1Cの根元の部分で繋がっており、一つの電極としてアーム1A及び1C上に設けられている。上層電極5A及び5Cは、このように複数に分かれていても、あるいは一つであってもかまわない。
上層電極5Bは、上層電極51B、上層電極52B及び上層電極53Bを有し、これらは独立してアーム1B上に設けられている。本実施形態においては、上層電極51Bと上層電極53Bは、アーム1Bの軸心上に配置された上層電極52Bに関して対称な位置にそれぞれ形成されている。
圧電材4A、4B及び4Cは、例えば、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の混晶であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等で形成される。下層電極3A、3B及び3C、上層電極5A、5B及び5Cは、例えば、Ti(チタン)とPt(白金)の積層膜で形成される。
本実施形態では、下層電極3A、3C及び上層電極52Bは基準電極となり、以下、基準電極3A、3C及び52Bと言う。また上層電極5A、5C及び下層電極3Bは駆動電極となり、以下、駆動電極5A、5C及び3Bと言う。また上層電極51B、53Bを、検出電極51B、53Bと言う。
ベース部20は、熱酸化膜11を挟んで貼り合わされた基板で形成されている。例えば厚みc1=100μmであるシリコン基板と、厚みc2=300μmであるシリコン基板とが貼り合わされている(図1)。本実施形態においては、上記厚みc1と、アーム1A、1B及び1Cのy軸方向においての厚みcとがほぼ等しくなる。シリコン基板に挟まれた膜11は、熱酸化膜でありSiO2膜である。
ベース部20は、上記3本のアーム1A、1B及び1Cが並ぶ方向におけるアーム部10の幅aより小さい幅で形成される、アーム支持部30を有する。本実施形態においては、アーム支持部30のy軸方向の厚みは、上記厚みc1とほぼ等しくなる。
図4は図2におけるE−E線断面図である。
アーム支持部30の、上記アーム1A、1B及び1Cにおいて基準電極3A、3C及び駆動電極3B等が設けられている側と同じ側に、下層配線3’と絶縁膜7とが設けられている。後述するように、角速度センサ素子100の製造時において、下層配線3’と、下層電3極である基準電極3A、3C及び駆動電極3Bとは、同じ膜から形成される。また絶縁膜7上に、上層電極である駆動電極5A、5C及び上層電極5Bに接続された上層配線55が設けられている。絶縁膜7により、下層配線3’と上層配線55は電気的に絶縁される。本実施形態においては、下層配線3’の厚みと絶縁膜7の厚みとを比べると、絶縁膜7の厚みが大きい。
下層配線3’は、典型的には下層電極である基準電極3A、3C及び駆動電極3Bと同じTiとPtの積層膜で形成される。また例えば、絶縁膜7は抵抗値が500MΩ/cm2以上のAl23/SiO2/Al23の3層からなり、上層配線55はAu(金)からなる。
本実施形態では、ベース部20上においても、下層配線3’と絶縁膜7とが設けられ、絶縁膜7の上に上層配線55が設けられる。つまり下層配線3’と上層配線55は同一平面上に並ぶことはなく、ベース部20上のそれぞれの配線レイヤーに設けられる。
下層配線3’と上層配線55は、ベース部20上で、典型的にはAuからなる複数のパッド55’、55"と接続される(図1)。複数のパッド55’、55"は、角速度センサ素子100が、例えばIC素子等が実装された図示しない回路基板にフリップチップ技術により実装される際に、回路基板に設けられた複数のバンプにそれぞれ接続される。
図5は、図示しない回路基板に角速度センサ素子100が実装されたときの、角速度センサ素子100の電気的な構成を示すブロック図である。
角速度センサ素子100が回路基板に実装されることにより、基準電極3A、3C及び52Bは、グランド端子に接続され基準電位となる。駆動電極5A、5C及び3Bは、回路基板上に含まれる自励発振回路12に接続される。自励発振回路12は図示しない制御回路等により制御され、アーム1A、1B及び1Cを振動させるための駆動信号を生成する。
検出電極51B、53Bは、回路基板上の演算回路13に接続される。演算回路13は制御回路等により制御され、検出電極51B、53Bが検出した信号の和信号を、上記駆動信号の参照信号として自励発振回路12にフィードバックする。また演算回路13は、検出電極51B、53Bが検出した信号の差分信号を角速度信号として生成する。
以上のように構成された角速度センサ素子100の動作について説明する。
自励発振回路12により、アーム1A、1Cにそれぞれ含まれる駆動電極5A、5Cに共通の駆動信号が入力される。この駆動信号により圧電材4A、4Cに逆圧電効果が起こり、アーム1A、1Cは、アーム部10の厚み方向(y軸方向)に同相で振動する。
アーム1Bに含まれる駆動電極3Bにも、駆動電極5A、5Cに入力された駆動信号と共通の駆動信号が入力され、圧電材4Bに逆圧電効果が起こる。下層電極である駆動電極3Bに上記駆動信号が入力されるので、アーム1Bの振動は、アーム1A、1Cと同じy軸方向で、逆相となる。
検出電極51B、53Bは、圧電材4Bの圧電効果により、アーム1Bの上記y軸方向での振動の特性を電気的に検出する。演算回路13により、それぞれの検出信号の和信号と差分信号とが処理される。角速度センサ素子100に角速度が作用していない場合、検出電極51B、53Bが検出した信号の差分信号は原理的に0となる。
角速度センサ素子100にz軸方向の周りに角速度が作用すると、アーム部10にコリオリ力が生じて、アーム1A、1B及び1Cをx軸方向に振動させる成分が生成される。アーム1Bに含まれる圧電材4Bの圧電効果により、検出電極51B、53Bはy軸方向に垂直な方向のこの振動成分も電気的に検出する。検出電極51B、53Bが検出した信号の差分信号に基づいて角速度センサ素子100に作用した角速度が検出される。
以上のように、アーム部10は基準電極3A、3C及び52B、駆動電極5A、5C及び3B、及び検出電極51B、53Bを有する。これら複数の電極に接続された配線が、下層配線3’を有する配線レイヤーと、上層配線55を有する配線レイヤーとに分けられて、基板上のベース部20に設けられる。下層配線3’は下層電極である基準電極3A、3C及び駆動電極3Bに接続された配線であり、上層配線55は上層電極である駆動電極5A、5C及び上層電極5Bに接続された配線である。よって、上記複数の電極に接続された配線が同一面上に設置された場合と比べて、それぞれの配線レイヤーが有する下層配線3’によるパターンの密度及び上層配線55によるパターンの密度が低くなる。つまり、下層配線3’のパターンにおける配線間の距離、及び、上層配線55のパターンにおける配線間の距離が大きくなる。したがって、角速度センサ素子100の小型化を実現しながら、配線間の短絡やリーク電流を防止することができる。
本実施形態においては、下層配線3’よりも大きい厚みでなる絶縁膜7により、下層配線3’と上層配線55とが電気的に絶縁されるとともに、上層配線55がその絶縁膜7上に形成される。これにより角速度センサ素子100内に上記配線レイヤーが形成され、上記上層電極と上記下層電極との間の絶縁性が高まり、電極間の短絡やリーク電流を防ぐことができる。
本実施形態では、アーム支持部30上においても、下層配線3’と上層配線55は同一平面上に並ぶことはなく、それぞれの配線レイヤーに設けられる。したがって、狭い領域でなるアーム支持部30において配線間の短絡やリーク電流を防ぐことができる。
本実施形態では、上層電極5A、5C及び下層電極3Bを駆動電極とし、また上層電極51B、53Bを検出電極とした。しかしこれらに限られない。例えば下層電極3A、3B、3Cがグランド端子に接続され、上層電極5A、5C、5Bを駆動電極としてもよい。その場合、上層電極5A、5Cに入力される駆動信号に対して、位相を逆にした駆動信号が上層電極5Bに入力されることにより、その角速度センサ素子は上記角速度センサ素子100と同様の動作をする。その他の形態においても、ベース部20上に上記配線レイヤーを設けることで、本実施形態と同様な効果が得られる。
以下、角速度センサ素子100の製造方法を説明する。
一例として、角速度センサ素子100は、例えば4インチφの一枚のシリコンウェハに、約2500個形成される。
図6は、基板90を示す斜視図であり、図7はその平面図である。また図8は図7におけるF−F線断面図である。
基板90は、熱酸化膜11を挟んで貼り合わされたシリコン基板91とシリコン基板92とで形成されている。本実施形態では、厚みc1=100μmであるシリコン基板91と、厚みc2=300μmであるシリコン基板92とが貼り合わされている。しかし、製造される角速度センサ素子の形状や大きさ等に応じて、適宜設定可能である。
例えばシリコン基板92が酸素雰囲気中で加熱処理されることで、その表面に熱酸化膜11が形成される。その他、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などで形成された化学蒸着膜あるいはプラズマTEOS(正珪酸四エチル)膜で熱酸化膜11が形成されてもよい。熱酸化膜11が熱酸化法で形成される場合、結晶性等の膜質に優れた酸化膜となり、後述する基板接合工程において安定した接合作用を発揮する。
熱酸化膜11は、典型的にはSiO2膜(シリコン酸化膜)からなり、その厚みは約1μmである。
SOI(Silicon On Insulator)技術における一般的な基板接合技術により、シリコン基板91と、上記熱酸化膜11が形成されたシリコン基板92とが貼り合わされる。具体的には、加熱加圧技術を用いた原子拡散による固相接合が用いられる。またはシリコン基板91とシリコン基板92との間に電圧を印加して接合する陽極接合法が用いられてもよい。また、接着剤を用いた接着接合が用いられてもよい。
シリコン基板92ではなく、シリコン基板91に熱酸化膜11が形成され、これとシリコン基板92とが貼り合わされてもよい。
以下、基板90はSOI基板としての機能を有する。熱酸化膜11は、シリコン基板91とシリコン基板92とを接合させる、接合層としての機能を有する。
図9の斜視図に示すように、基板90上に、下層導電膜3"、圧電膜4"、及び上層導電膜5"が、この順で積層されるように形成される。図10はその平面図であり、図11は図10におけるG−G線断面図である。なお、基板90上にはSiO2膜が絶縁膜として形成されていてもよい。
下層導電膜3"は、Ti(厚み50nm以下、例えば20nm)とこのTiの上に形成されたPt(厚み100nm)とからなる積層膜である。これにより下層導電膜3"と圧電膜4"との接合性が向上する。また圧電膜4"の配向性等の特性も向上される。なおPtの他に、AuやRh(ロジウム)、Re(レニウム)等の金属が用いられてもよい。またTiの他に、Ta(タンタル)等が用いられてもよい。
下層導電膜3"の形成においては、例えばマグネトロンスパッタ装置により、上記シリコン基板91上に、Tiが20nm成膜され、そのTi上にPtが100nm成膜される。TiとPtは、ガス圧0.5Paでそれぞれ1kWと0.5kWのRF(Radio Frequency)パワー(高周波電力)で成膜される。
圧電膜4"の形成においては、例えばマグネトロンスパッタ装置により、上記下層導電膜3"上に、1.4μmの圧電膜4"が形成される。圧電膜4"は、Pb1.02(Zr0.53Ti0.47)O3の酸化物ターゲットが用いられ、常温、酸素ガス圧0.2〜3Pa、及びRFパワー0.1〜5kWの条件下で形成される。
上層導電膜5"の形成においては、例えばマグネトロンスパッタ装置により、上記圧電膜4"上にTiが20nm、そのTi上にPtが100nm成膜される。TiとPtは、ガス圧0.5Pa、RFパワー0.5kWの条件下で成膜される。なおPtの他に、PtやRh、Re等の金属が用いられてもよい。またTiの他に、Ta等が用いられてもよい。
図12は、上層電極5が形成された素子を示す斜視図である。図13は図12に示した素子の平面図であり、図14は図13におけるH−H線断面図である。
上層導電膜5"から、角速度センサ素子100の上層電極5が形成される。上層電極5は、駆動電極5A、5C、基準電極52B、及び検出電極51B、53Bを含む。
駆動電極5A、5C、基準電極52B、及び検出電極51B、53Bは、x軸方向に沿って並ぶように形成される。
例えばフォトリソグラフィ技術により所望のレジストパターン膜が上層導電膜5"上に形成され、エッチングにより不要な部分の上層導電膜5"が除去されることにより、上層電極5が形成される。上層導電膜5"のエッチング方法としては、例えば乾式、湿式のどちらでもよい。乾式の場合、物理的または化学的イオンエッチングが用いられ、典型的にはRIE(Reactive Ion Etching)が用いられる。湿式エッチングでは、例えばフッ硝酸溶液、その他の溶液が用いられればよい。以下でも同様に、電極及び配線等は、典型的にはこのようなフォトリソグラフィ技術によるパターニング及びエッチングにより行われる。
図15の斜視図に示すように、圧電膜4"及び下層導電膜3"から所定形状の圧電材4、4’が形成される。図16はその平面図であり、図17は図16におけるI−I線断面図である。図17に示すように、下層電極3は、基準電極3A、3Cと、駆動電極3Bとを含む。圧電材4は、圧電材4A、4B及び4Cを含む。
本実施形態に係る角速度センサ素子100の比較対象となる角速度センサ素子の製造方法においては、アーム部に含まれる複数の電極が形成された後に、それら複数の電極に接続されるように、配線が配線用の材質でベース部に同一面上に形成されていた。一方、圧電膜4"と下層導電膜3"から形成される圧電材4、4’は、下層電極3及び下層配線3’の形状と実質的に同じである。この工程により、下層導電膜3"から、下層電極3及びこれに延長するように設けられた下層配線3’とが一度に同じ材料で形成される。したがって、下層配線3’の配線パターンが簡単に形成され、また下層配線3’を形成するための時間が短縮される。
図18は、図15に示す素子の状態から圧電材4’が除去された素子を示す斜視図である。図19はその平面図であり、図20は図19におけるJ−J線断面図である。圧電材4’が除去されることにより、下層配線3’が表面に露出する。
図21の斜視図に示すように、基板90上に、抵抗値が500MΩ/cm2以上のAl23/SiO2/Al23の3層からなる絶縁膜7が形成される。図22はその平面図であり、図23は図22におけるK−K線断面図である。以後、図21及び図22に示すように、基板90の二つの部分を、アーム部10及びベース部20と言う。アーム部10はアーム1A、1B及び1Cを有し、ベース部20はアーム支持部30を有している。
絶縁膜7は、後述する上層配線55と下層配線3’とを絶縁する役割のほか、上層配線形成の際に用いられるスパッタリング膜の密着性を確保する役割や、湿度等の外的要因による配線間の短絡、リーク、配線の酸化を防止する役割等を有している。また絶縁膜7の抵抗値は500MΩ/cm2以上であることにより、大気中の湿度に起因するイオンマイグレーションの発生が抑制される。
絶縁膜7の形成においては、例えば上層電極5と上層配線55との接続部分に、図示しないリフトオフレジスト膜が形成される。また、基板90上において、角速度センサ素子100に含まれない部分であり、後述する分極処理が行われる際の分極配線が設置されない部分にも、リフトオフレジスト膜が形成される。次に、付着力を向上させるためAl23が50nm、その上に絶縁性の高いSiO2が750nm、最上層にその後の製造工程時のレジスト密着性の向上のためAl23が50nm、スパッタリングにより形成される。最後に、不要な部分に付着したスパッタリング膜がリフトオフレジスト膜の除去とともに除去される。このようなリフトオフレジスト膜やスパッタリング膜等が用いられるリフトオフの手法は、以下の工程においても用いられるが、これに限られるというわけではない。
図23に示すように、リフトオフレジスト膜が形成された上層電極5と上層配線55との接続部分には、絶縁膜7は形成されない。したがって上記接続部分においては、上層電極5は表面に露出されている。また、下層配線3’の先端部71も、リフトオフプロセスにより絶縁膜7が形成されていない。
図24の斜視図に示すように、例えばAuからなる、5本の上層配線55、電極端子用のパッド55’、55"、56a、56b及び後述する分極用の配線の一部56cが絶縁膜7上に形成される。パッド56a及び56bには、分極処理の際に、図示しない分極用の外部電源の端子がそれぞれ接続される。図25はその平面図であり、図26(A)は図25におけるL−L線断面図である。図26(B)は図25におけるL’−L’線断面図である。
上層配線55は、絶縁膜7が形成されず上記接続部分において表面に露出されている上層電極5に接続されるように形成され、また、アーム支持部30、ベース部20上においても、絶縁膜7上に形成される。すなわち、図26(B)に示すように、上層配線55は下層配線3’と異なる配線レイヤーに分けられて形成され、上層配線55は、絶縁膜7により下層配線3’と絶縁されている状態となる。なお図を簡潔にするために、図24等の絶縁膜7が形成された後の図面において、絶縁膜7に内包された部分の下層配線3’が図示されている。
以上のように、図24(図25及び図26)に示したプロセスによって、上層電極5(5A、5B及び5C)は、上層配線55を介してパッド55’に接続され、かつ、下層電極3(5A、5B及び5C)は、下層配線3’を介してパッド55"に接続される。
上層配線55、パッド55’、55"、56a、56b及び配線56cは、典型的にはリフトオフの手法により同一プロセスにより形成される。その際のスパッタリング膜としては、例えば、付着力の向上のためTiが20nm、その上にAuが500nm形成される。
図27、図28及び図29に示すように、分極用の配線のうち上記配線56cとは別の部位の、Cuからなる配線57a、57b及び57cが絶縁膜7上にそれぞれ形成される。(図28はその平面図であり、図29は図28におけるM−M線断面図である。)アーム部10(図24参照)の根元部分において、図29の断面図に示される例えば2本の配線57cにより、下層電極3Aと3Bとが接続され、また下層電極3Bと3Cとが接続される。
配線57a、57b及び57cは、典型的にはリフトオフの手法により形成される。スパッタリング膜としては、例えばCuが用いられる。Cuは分極処理の際の導通を確保するため、例えば400nmの厚みとなるように形成される。



以上のように、図27(図28及び図29)に示したプロセスによって、各パッド55’は、配線57aを介してパッド56aに接続され、かつ、各パッド55"は、配線57bを介してパッド56bに接続される。これにより、上層電極5は、上層配線55、パッド55’及び配線57aを介してパッド56aに接続され、かつ、下層電極3は、下層配線3’(図26参照)、パッド55"及び配線57bを介してパッド56bに接続される。
図30の斜視図に示すように、アーム部10及びアーム支持部30(図1参照)を形成するように、シリコン基板91がエッチングにより所定の形状に切り出される。図31はその平面図であり、図32は図31におけるN−N線断面図である。
本実施形態では、厚みが100μmでなるアーム部10を形成させるためのエッチング方法として、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)を備えた装置が用いられる。また、エッチングプロセスと保護膜成膜プロセスを繰り返すBoschプロセス(エッチング時SFガス、成膜時Cガス)が用いられることで、垂直な側壁面をもつアーム部10が形成される。シリコン材質を垂直に研削する該技術は一般的に確立されており、本実施形態でも市販されている装置が用いられる。この方法に限られず、例えばDEEP RIEのようなシリコン深堀加工技術が用いられてもよい。
図33の斜視図に示すように、シリコン基板92の一部が、上記ICPを備えた装置による同様のエッチングによって除去される。図34はその平面図であり、図35は図34におけるO−O線断面図である。除去されるシリコン基板92の一部は、ベース部20を除いた部分である。
図36の斜視図に示すように、熱酸化膜11の一部が例えばウェットエッチングによって除去される。図37はその平面図であり、図38は図37におけるP−P線断面図である。
除去される熱酸化膜11の一部は、上記除去されたシリコン基板92の一部とシリコン基板91に挟まれていた部分とほぼ等しい。
角速度センサ素子100に含まれる圧電材4の圧電特性を安定させるために、角速度センサ素子100に分極処理が施される。分極処理では、上記したようにパッド56a及び57aに分極用の外部電源の端子がそれぞれ接続される。
リフロー温度以上の温度、本実施形態では角速度センサ素子100が150〜300℃で加熱され、パッド56aを介して圧電材4に電圧が印加される。これにより圧電材4に活性エネルギーが与えられ、圧電材4内部に分布する単位分極を持つ各エリアの分極モーメントが、ランダムな方向から圧電層の厚み方向に向きやすくなり、圧電材4の特性が所望のものとなる。印加電圧は、圧電材4の厚みにより内部電界が影響されるため、圧電材4の厚みに依存して計算され、圧電材4中の電界が500〜50000V/mmとなるように調整される。圧電材4中の電界が500V/mmよりも小さいと圧電層内部の分極モーメントを揃える為の活性エネルギーが不足してしまう。50000V/mmよりも大きいと圧電材4内部で放電現象が起こり欠陥成長が進んだり、酸化物からなる圧電材4が還元されて金属層となり、圧電機能を損なうおそれがある。
上記したように、分極用外部電源の一方の端子に接続されたパッド56aと、上層電極5A、5B、及び5Cとは、上層配線55を介して接続される。また、その外部電源の他方の端子に接続されたパッド56bと、下層電極3A、3B及び3Cとは、下層配線3’を介して接続される。角速度センサ素子100においては、上層配線55と下層配線3’とが分かれて形成されているので、分極処理の際の電圧印加による配線間の短絡やリーク電流を高い確率で防止することができる。したがって、角速度センサ素子100の製造における歩留まりを向上させることができる。
図39の斜視図に示すように、絶縁膜7上の分極処理用の配線57a〜57cが除去される。図40はその平面図であり、図41は図40におけるQ−Q線断面図である。
配線57a〜57cは、例えばメルデックス社製エンストリップ溶液を用いたウェットエッチングによって除去される。しかしこれに限られない。
上記基板90上に形成された複数の角速度センサ素子100が個々に切断され、図1に示す角速度センサ素子100が形成される。この工程は角速度センサ素子100のベース部20をダイシングする工程を含む。
以上のように、本実施形態に係る角速度センサ素子100の製造方法においては、下層配線3’と上層配線55とを分けて、ベース部20上に設けることができる。
図42は、本実施形態に係る角速度センサ素子100と、本実施形態に係る角速度センサ素子100の比較対象となる角速度センサ素子の、上記分極処理における歩留まりの比較を示す図である。具体的には、7枚のウェハにおいて、1枚のウェハを例えば488グループに分け、tanδ(誘電正接)が不良となるグループの数を取って、それぞれのtanδ歩留まりを比較した図である。角速度センサ素子100においては、比較対象の角速度センサ素子に比べ、tanδが不良となるグループが少ない。つまり角速度センサ素子100の方が歩留まりがよい。
tanδは、誘電正接でコンデンサーの絶縁状態を表す物理量である。絶縁性が高いほどこの値は小さくなり、絶縁が悪くなると高くなる。なお、本実施形態において、tanδが0.2以下を良品として、0.2を超える場合を不良としている。
図43は、本実施形態に係る角速度センサ素子100と、比較対象の角速度センサ素子の、上記分極処理における不良素子率を示す図である。具体的には、22枚のウェハにおいて、各ウェハの不良素子率の度数分布を示したものである。(角速度センサ素子100においては、不良素子率が2%以下となり、従来のタイプの角速度センサ素子に比べ歩留まりがよい。なお、上記不良素子とは、tanδが0.2を超えるものを指す。
図44は、本実施形態に係る角速度センサ素子100と、比較対象の角速度センサ素子のリーク電圧を測定した結果を示す。リーク電圧は、駆動電極に駆動電圧1.0V(DC)を印加したとき、左右それぞれの検出電極(上層電極と下層電極との間)にかかる電圧を測定し、その電圧と駆動電圧との比を表したものである。図44における左検出と右検出は、固定部から見た場合の左右それぞれの検出電極におけるリーク電圧を指す。測定数は、無作為に抽出した7素子である。
本実施形態に係る角速度センサ素子100においては、比較対象の角速度センサ素子に比べリーク電圧が小さく、絶縁性が高いことがわかる。
図45は、2つの検出電極間のリーク電圧差と、Null電圧(角速度が印加されていない状態において、2つの検出電極が検出する電圧の差の絶対値)の関係をプロットしたグラフである。同図に示すように、2つの検出電極間のリーク電圧差と、Null電圧間には相関関係が認められる。
図46は、Null電圧とPSRR(電源電圧変動抑圧比)の関係をプロットしたグラフである。同図に示すように、Null電圧の上昇に伴い、PSRRも増加する。なお、PSRRは、角速度センサ素子をモジュールに組み立て、モジュールの入力電圧3.0Vに対して±0.5Vの正弦波を印加したときの出力電圧変動量であり、角速度センサ素子の特性を表すものである。
図47は、本実施形態に係る角速度センサ素子100と、比較対象の角速度センサ素子とについて、無作為に抽出した各7素子のPSRRを測定した結果を示す図である。本実施形態に係る角速度センサ素子100においては、比較対象の角速度センサ素子に比べ、PSRRが低くなっており、電源電圧の変動に対して影響を受け難いことがわかる。
図48は、本実施形態に係る角速度センサ素子100が実装された回路基板300を有する角速度センサ200を示す斜視図である。
本実施形態の角速度センサ200においては、角速度センサ200に含まれる回路基板300に、上記角速度センサ素子100がフリップチップ技術により実装されている。また、回路基板300には、ICチップ75が実装されている。回路基板300は、小型化による微細パターンへの対応と、熱膨張に対する形状安定性の観点から、例えばアルミナ(Al23)等のセラミック材が用いられる。
回路基板300に実装されたICチップ75は、自励発振回路12及び演算回路13を含む。
本実施形態の角速度センサ200は、角速度センサ素子100がX方向及びY方向に一つずつ実装されることにより、2個の角速度センサ素子100A、100Bを備える二軸の角速度センサとして機能する。
図49は、本実施形態に係る角速度センサ200を搭載した電子機器の例として、デジタルカメラを示す概略斜視図である。図50は、そのデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ260は、上記角速度センサ素子100を備える二軸の角速度センサ200を搭載する機器本体261を備えている。機器本体261は、例えば、金属製、樹脂製などのフレームまたは筐体である。
図50に示すように、デジタルカメラ260は、角速度センサ200と、制御部510と、レンズ等を備える光学系520と、CCD530、光学系520に対して手振れ補正を実行する手振れ補正機構540とを有する。
角速度センサ200によって、2軸のコリオリ力が検出される。制御部510は、この検出されたコリオリ力に基づき手振れ補正機構540を使って光学系520で手振れの補正を行う。
本実施形態に係る角速度センサ200を搭載する電子機器としては、上記したデジタルカメラに限られない。例えば、電子機器としては、ラップトップ型のコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistance)、電子辞書、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。
本発明の一実施の形態に係る角速度センサ素子を示す斜視図である。 図1に示す角速度センサ素子を示す平面図である。 図2に示す角速度センサ素子におけるD−D線断面図である。 図2に示す角速度センサ素子におけるE−E線断面図である。 図示しない回路基板に角速度センサ素子が実装されたときの、角速度センサ素子の電気的な構成を示すブロック図である。 基板を示す斜視図である。 図6に示す基板を示す平面図である。 図7に示す基板におけるF−F線断面図である。 基板上に形成された、下層導電膜、圧電膜、及び上層導電膜を示す斜視図である。 図9が示す基板上に形成された、下層導電膜、圧電膜、及び上層導電膜を示す平面図である。 図10におけるG−G線断面図である。 所定形状に形成された上層導電膜を示す斜視図である。 図12に示す所定形状に形成された上層導電膜を示す平面図である。 図13におけるH−H線断面図である。 所定形状に形成された圧電膜と下層導電膜を示す斜視図である。 図15に示す所定形状に形成された圧電膜と下層導電膜を示す平面図である。 図16におけるI−I線断面図である。 所定形状に形成された圧電膜を示す斜視図である。 図18に示す所定形状に形成された圧電膜を示す平面図である。 図16におけるJ−J線断面図である。 基板上に形成された絶縁膜を示す斜視図である。 図21に示す基板上に形成された絶縁膜を示す平面図である。 図22におけるK−K線断面図である。 絶縁膜上に形成された上層配線を示す斜視図である。 図24に示す絶縁膜上に形成された上層配線を示す平面図である。 図25におけるL−L線断面図である。 絶縁膜上に形成された分極配線を示す斜視図である。 図27に示す絶縁膜上に形成された分極配線を示す平面図である。 図28におけるM−M線断面図である。 アーム部及びアーム支持部を形成するように、所定の形状に形成されたシリコン基板を示す斜視図である。 図30に示す、シリコン基板が所定の形状に形成された、熱酸化膜上の角速度センサ素子のアーム部とアーム支持部を示す平面図である。 図31におけるN−N線断面図である。 シリコン基板の一部が除去された基板を示す斜視図である。 図33に示すシリコン基板の一部が除去された基板を示す平面図である。 図34におけるO−O線断面図である。 熱酸化膜の一部が除去された基板を示す斜視図である。 図36に示す熱酸化膜の一部が除去された基板を示す平面図である。 図37におけるP−P線断面図である。 絶縁膜上の分極配線が除去された基板を示す斜視図である。 図39に示す絶縁膜上の分極配線が除去された基板を示す平面図である。 図40におけるQ−Q線断面図である。 本実施形態に係る角速度センサ素子と、比較対象の角速度センサ素子の、分極処理における歩留まりの比較を示す図である。 本実施形態に係る角速度センサ素子と、比較対象の角速度センサ素子の、分極処理における不良素子率を示す図である。 本実施形態に係る角速度センサ素子と、比較対象の角速度センサ素子のリーク電圧を測定した結果を示す図である。 2つの検出電極間のリーク電圧差と、Null電圧(角速度が印加されていない状態において、2つの検出電極が検出する電圧の差の絶対値)の関係をプロットしたグラフである。 Null電圧とPSRR(電源電圧変動抑圧比)の関係をプロットしたグラフである。 本実施形態に係る角速度センサ素子と、比較対象の角速度センサ素子とについて、無作為に抽出した各7素子のPSRRを測定した結果を示す図である。 本実施形態に係る角速度センサ素子が実装された回路基板を有する角速度センサを示す斜視図である。 本実施形態に係る角速度センサを搭載した電子機器の例として、デジタルカメラを示す概略斜視図である。 図49に示すデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1A、1B、1C アーム
3 下層導電膜、下層電極
3、3A、3B、3C 下層電極
3A、3C、52B 基準電極
3B、5A、5C 駆動電極
3’ 下層配線
4 圧電膜、圧電材
4、4A、4B、4C 圧電材
5" 上層導電膜、上層電極
5、5A、5B、5C、51B、52B、53B 上層電極
7 絶縁膜
10 アーム部
11 熱酸化膜
12 自励発振回路
13 演算回路
20 ベース部
30 アーム支持部
51B、53B 検出電極
55 上層配線
55’、55" パッド
75 ICチップ
90 基板
91 シリコン基板
92 シリコン基板
100、100A、100B 角速度センサ素子
200 角速度センサ
260 デジタルカメラ
261 機器本体
300 回路基板
510 制御部
520 光学系
530 CCD
540 補正機構

Claims (4)

  1. 第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有する圧電材と、前記第1の側に設けられた第1の電極と、前記第2の側に設けられた第2の電極とを有し、振動するアーム部と、
    前記第1の電極と一体的に形成された第1の厚みでなる第1の配線を有する第1の配線レイヤーと、前記第2の電極に接続された第2の配線を有する第2の配線レイヤーとを有し、前記アーム部を支持するベース部と
    前記第2の電極と前記第2の配線との接続部分において、前記第2の電極に対して前記第2の配線に接続される部分が露出するように設けられることで、前記第1の電極と前記第2の電極とを電気的に絶縁する第1の絶縁部と、
    前記第1の厚みより大きい第2の厚みでなり、前記第1の配線を内包するようにかつ表面に前記第2の配線が形成されるように設けられることで、前記第1の配線レイヤーと前記第2の配線レイヤーとが互いに異なるように、前記第1の配線と前記第2の配線とを電気的に絶縁する第2の絶縁部と
    を有する絶縁膜と
    を具備する角速度センサ素子。
  2. 圧電駆動により振動するアーム部に対応する第1の部位と、前記アーム部を支持するベース部に対応する第2の部位とを有する基板上に、第1の厚みでなる第1の導電膜、圧電膜及び第2の導電膜を順に形成し、
    前記第1の導電膜、前記圧電膜及び前記第2の導電膜をそれぞれ所定の形状に形成した後に前記第2の部位上の前記圧電膜を除去することで、第1の電極、圧電材及び第2の電極を前記第1の部位上に、及び、前記第1の電極に延長されるように一体的に設けられた前記第1の厚みでなる第1の配線を前記第2の部位上にそれぞれ形成し、
    前記第1の配線上の前記圧電膜を除去した後、前記第1の部位上の前記第2の電極と前記第2の配線との接続部分において、前記第2の電極に対して前記第2の配線に接続される部分が露出するように、かつ、前記第2の部位上において前記第1の配線を内包するように前記第1の厚みより大きい第2の厚みでなる絶縁膜を形成し、
    前記第1の部位上の前記第2の電極と接続させるように、前記絶縁膜上に第2の配線を形成する
    角速度センサ素子の製造方法。
  3. 第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有する圧電材と、前記第1の側に設けられた第1の電極と、前記第2の側に設けられた第2の電極とを有し、振動するアーム部と、
    前記第1の電極と一体的に形成された第1の厚みでなる第1の配線を有する第1の配線レイヤーと、前記第2の電極に接続された第2の配線を有する第2の配線レイヤーとを有し、前記アーム部を支持するベース部と
    前記第2の電極と前記第2の配線との接続部分において、前記第2の電極に対して前記第2の配線に接続される部分が露出するように設けられることで、前記第1の電極と前記第2の電極とを電気的に絶縁する第1の絶縁部と、
    前記第1の厚みより大きい第2の厚みでなり、前記第1の配線を内包するようにかつ表面に前記第2の配線が形成されるように設けられることで、前記第1の配線レイヤーと前記第2の配線レイヤーとが互いに異なるように、前記第1の配線と前記第2の配線とを電気的に絶縁する第2の絶縁部と
    を有する絶縁膜と
    を有する角速度センサ素子と、
    前記角速度センサ素子が実装される回路基板と
    を具備する角速度センサ。
  4. 第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有する圧電材と、前記第1の側に設けられた第1の電極と、前記第2の側に設けられた第2の電極とを有し、振動するアーム部と、
    前記第1の電極と一体的に形成された第1の厚みでなる第1の配線を有する第1の配線レイヤーと、前記第2の電極に接続された第2の配線を有する第2の配線レイヤーとを有し、前記アーム部を支持するベース部と
    前記第2の電極と前記第2の配線との接続部分において、前記第2の電極に対して前記第2の配線に接続される部分が露出するように設けられることで、前記第1の電極と前記第2の電極とを電気的に絶縁する第1の絶縁部と、
    前記第1の厚みより大きい第2の厚みでなり、前記第1の配線を内包するようにかつ表面に前記第2の配線が形成されるように設けられることで、前記第1の配線レイヤーと前記第2の配線レイヤーとが互いに異なるように、前記第1の配線と前記第2の配線とを電気的に絶縁する第2の絶縁部と
    を有する絶縁膜と
    を有する角速度センサ素子と、
    前記角速度センサ素子が実装される回路基板と
    を具備する角速度センサを搭載した電子機器。
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