JP2008082850A - 振動素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ノイズ性に優れ、ダイシング工程での素子の帯電に起因する出力特性の変化を抑制することができる振動素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る振動素子は、振動子部の基板対向面には、下層電極膜4(第1電極層)と、圧電膜5(圧電層)と、上部電極膜(第2電極層)6が順に積層され、基部の実装面には、複数の端子部と下層電極膜4及び上部電極膜6(6a,6b,6c)との間をそれぞれ接続する配線膜(配線パターン層)9が形成されており、下層電極膜4は、振動子部の基板対向面から基部の実装面に亘って形成されているとともに、配線膜9は、下層電極膜4の形成領域内に形成されている。
【選択図】図15

Description

本発明は、例えば、ビデオカメラの手振れ検知やバーチャルリアリティ装置における動作検知、カーナビゲーションシステムにおける方向検知などに用いられる振動型ジャイロセンサ用の振動素子及びその製造方法に関する。
従来より、民生用の角速度センサとしては、片持ち梁の振動子を所定の共振周波数で振動させておき、角速度の影響によって生じるコリオリ力を圧電素子などで検出することによって角速度を検出する、いわゆる振動型のジャイロセンサ(以下「振動型ジャイロセンサ」という。)が広く用いられている。
振動型ジャイロセンサは、単純な機構、短い起動時間、安価に製造可能といった利点を有しており、例えば、ビデオカメラ、バーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムなどの電子機器に搭載され、それぞれ手振れ検知、動作検知、方向検知などをする際のセンサとして活用されている。
この種の振動型ジャイロセンサは、片持ち梁状の振動子が突設された振動素子を備えている。近年、振動型ジャイロセンサは、搭載される電子機器の小型化、高性能化に伴い、小型化、高性能化が要求されている。例えば、電子機器の多機能化のため、他の用途で用いる各種センサと組み合わせて、振動型ジャイロセンサを集合基板上に搭載し小型化を図るといった要請がある。この小型化を図る上で、シリコン(Si)基板を用い、半導体で用いられる薄膜プロセスとフォトリソグラフィ技術を用いて振動素子を形成する、MEMS(Micro-Electro-Mechanical System)と呼ばれる技術を用いることが一般的となってきている(例えば下記特許文献1参照)。
特開2005−227110号公報
しかしながら、上述したようにMEMS技術を用いて製造される振動素子は、外部から侵入するノイズの影響を受けたり、不要な浮遊容量に起因するノイズが発生して、出力特性が変化し易い。このため、機能上の不具合が発生するおそれがある。
また、MEMS技術を用いて製造される振動素子は、1枚のシリコン基板上に複数同時に形成された後、ダイシングによる機械加工で個片化される。このとき、ダイシング工程で素子が帯電し、素子特性が劣化して、出力特性が変化する場合がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、耐ノイズ性に優れ、ダイシング工程での素子の帯電に起因する出力特性の変化を抑制することができる振動素子及びその製造方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明に係る振動素子は、複数の端子部が形成された実装面を有する基部と、この基部の側周部から片持ち梁状に一体に突設され、上記基部の実装面と同一面を構成する基板対向面を有する振動子部とを備え、上記振動子部の基板対向面には、第1電極層と、この第1電極層の上に積層された圧電層と、この圧電層の上に積層された第2電極層とがそれぞれ形成され、上記基部の実装面には、上記複数の端子部と上記第1,第2電極層との間をそれぞれ接続する配線パターン層が形成された振動素子であって、上記第1電極層は、上記振動子部の基板対向面から上記基部の実装面に亘って形成されているとともに、上記配線パターン層は、上記第1電極層の形成領域内に形成されている。
本発明では、振動素子の第1電極層が、振動子部の基板対向面から基部の実装面に亘って形成されているとともに、配線パターン層が、この第1電極層の形成領域内に形成されているので、上記第1電極層がシールド層あるいは除電層として機能し、配線パターン層への外部ノイズの侵入あるいは不要な浮遊容量に起因するノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の振動素子の製造方法は、複数の端子部が形成された実装面を有する基部と、この基部の側周部から片持ち梁状に一体に突設され、上記基部の実装面と同一面を構成する基板対向面を有する振動子部とを備えた振動素子の製造方法であって、基板の一方の主面に、第1電極層、圧電層及び第2電極層を順に成膜する工程と、上記第1,第2電極層と上記端子部とを接続する配線パターン層を形成する工程と、上記基板から上記基部及び上記振動子部を切り出して個片化する工程とを有し、上記第1電極層の成膜工程では、上記第1電極層を上記振動子部の基板対向面から上記基部の実装面に亘って形成するとともに、上記配線パターン層の形成工程では、上記配線パターン層を上記第1電極層の形成領域内に電気絶縁層を介して形成することを特徴とする。
これにより、上記第1電極層をシールド層として機能させ、配線パターン層への外部ノイズの侵入あるいは不要な浮遊容量に起因するノイズの発生を効果的に抑制することができる。更に、基板からの振動素子の切り出し工程において蓄積される電荷を、上記第1電極層を介して効率よく除電することができるので、当該工程時における素子の帯電による素子劣化を抑制することができる。
以上述べたように、本発明の振動素子によれば、ノイズによる出力特性の変化を抑制することができる。また、基板からの素子の切り出し工程における帯電による素子劣化を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1A,Bは本発明の実施形態による振動素子(振動型ジャイロセンサ素子)100を示しており、Aは振動素子100の全体を示す外観斜視図、Bは振動素子100の振動子部110のみを拡大して示す斜視図である。
この振動素子100は、図1A,1Bに示すように、シリコン単結晶基板から切り出されてなり、複数の端子部101A,101B,101C,101Dが形成された実装面を有する基部109と、この基部109の側周部から片持ち梁状に一体に突設され、基部109の実装面と同一面を構成する基板対向面を有する振動子部110とを備えている。振動子部110は、長手方向に対して垂直な平面で切断したときの断面形状が直角四辺形となる四角柱状に形成されている。
この振動素子100は、そのおおよその大きさとして、素子厚みt1が300μm、素子長さt2が3mm、素子幅t3が1mmである。また、実際に振動する振動梁すなわち振動子部110の大きさとして、振動梁厚みt4を100μm、振動梁長さt5を2.5mm、振動梁幅t6を100μmとした。この形状で振動梁を振動させた場合の共振周波数はおよそ40kHz前後となる。以上の数値は一例であり、使用する周波数、目標とする素子の大きさにより任意に設定可能である。
振動素子100は、図示しないIC基板上に実装されて使用される。このIC基板と対向する側の素子100の実装面(底面)を図2に示す。
振動子部110の表面(基板対向面)には、基準電極104a、圧電体105aが順に積層されている。圧電体105aの上には、駆動電極106aと一対の検出電極106b,106cとが振動子部110の長手方向に沿って互いに平行かつ接触しないように各々形成されている。駆動電極106a、検出電極106b,106c及び基準電極104aには、それぞれ配線接続端子101A,101B,101C,101Dが接続されている。
圧電体105aは、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電セラミックスや、水晶、LaTaO3などの圧電単結晶などからなる圧電膜からなる。基準電極104a、駆動電極106a及び検出電極106b,106cは、金属電極あるいは導電性酸化物電極等からなる。なお、基準電極104aは本発明の「第1電極層」に対応し、本実施形態ではグラウンド電位に接続されている。また、圧電体105aは本発明の「圧電層」に対応し、駆動電極106a及び検出電極106b,106cは本発明の「第2電極層」に対応する。
この振動素子100は、図3に示すIC回路40に接続されることで動作し、角速度に応じて発生するコリオリ力を検出する角速度センサ(振動型ジャイロセンサ)として機能する。IC回路40は、振動素子100が実装されるIC基板上に同時に搭載されたIC回路素子や他の電子部品で構成される。
IC回路40は、加算回路41と、増幅回路42と、移相回路(phase-shift circuit)43と、AGC(Auto Gain Controller)44と、差動増幅回路45と、同期検波回路46と、平滑回路47とを備えている。
振動素子100の一対の検出電極106b,106cは、それぞれ加算回路41と差動増幅回路45とに接続される。また、振動素子100の駆動電極106aは、AGC44の出力端と接続される。
この振動型ジャイロセンサでは、加算回路41、増幅回路42、移相回路43、AGC44及び振動素子100によって、いわゆる移相発振回路が構成されている。そして、この移相発振回路によって、振動素子100の基準電極104aと駆動電極106aとの間に電圧が印加され、振動子部110を自励発振させる。振動子部110の振動方向は、当該振動子部110の厚み方向とされる。
また、この振動型ジャイロセンサでは、一対の検出電極106b,106cが加算回路41及び差動増幅回路45に接続され、差動増幅回路45の出力端が同期検波回路46に接続され、この同期検波回路46が平滑回路47に接続されており、これらと圧電体105aとで、振動子部110の角速度を検出する検出部として機能する。
すなわち、振動素子100の振動子部110を上述した移相発振回路で自励振動させている際に、振動子部110の長手方向のまわりに角速度が生じると、コリオリ力により振動子部110の振動方向が変化する。この場合、検出電極106b,106cの一方の出力は増加し、他方の出力は減少する。何れかの出力あるいは両出力の変化量をIC回路40により検出測定して、振動子部110の長手方向のまわりの入力角速度を検出する。
次に、以上のように構成される本実施形態の振動素子100の一製造例を説明する。図4は、振動素子100の製造方法を説明する主要工程フローである。
[基板準備工程]
まず、図5A,Bに示すようなSi基板1を用意する。基板1の大きさは、所有する薄膜プロセスのラインに応じて任意に設定され、本実施形態では、直径が4インチのウエハを用いた。基板1の厚みは、作業性やコストにより決定されるが、最終的に振動子の厚み以上であればよく、本実施形態では300μmの厚みとした。
このSi基板1の両面には、異方性湿式エッチングの際の保護マスクとなる熱酸化膜(SiO2膜)2A,2Bを形成しておく。熱酸化膜2A,2Bの膜厚は任意であるが、本実施形態では、0.3μm程度とした。また、Si基板1に関してはN型を採用しているが、その選択は任意である。Si基板1の方位面は、図5Aで示す基板広口面が(100)方位面、基板1の断面となる図5Bの面が(110)面となるように基板の切り出しが行われている。
[ダイヤフラム形成工程]
次に、図6A,Bに示すように、基板1の裏面の熱酸化膜2Bの一部を除去するために、除去する部分を開口部とするレジストパターン膜3を形成する。このレジストパターン膜3の形成方法は、通常の半導体薄膜形成プロセスで用いられるフォトリソグラフィ技術を用いている。レジスト材は、例えば東京応化社製「OFPR−8600」を用いたが、種類はこれに限られない。フォトリソグラフィの工程は、レジスト材塗布、プレベーキング、露光、現像という一般的に薄膜工程で用いられる技術であり、ここでは詳細は省略する。また、この後のプロセスにおいてもフォトリソグラフィ技術を用いているが、特殊な使用方法を除き一般的な工程に関しては省略する。
図6Aで示す開口部のそれぞれが1つの素子となる。開口部の形状は最終的な梁形状と基板1の厚み、および梁形状(振動子部110)を形成する際のエッチング幅(図24及び図25において符示するt7)で決定される。エッチング幅t7については後述するが、ここでは200μmとした。
開口部の幅方向(ダイヤフラム幅t9)に関して、必要となる幅は、まず振動梁幅t6+エッチング幅t7×2(左右分)である。さらに、基板1の厚みが300μmで振動梁厚みが100μmであり、後述するが湿式エッチングの方法で基板厚み300μmを振動梁厚み100μmまで削る場合、図9に示すようにダイヤフラム深さt10は200μmであり、このときθ1=55°の角度をもって削られる特徴がある。このためその分の幅:t10×1/tan55°=140μm、を左右分足しておく必要がある。結局、ダイヤフラム幅t9=t6+t7×2+140×2=100+200×2+140×2=780μmとなる。同様に、ダイヤフラム長t8=振動梁長t5+梁空間幅t7+140×2=2500+200+140×2=2980μmとなる。
次に、図7A,Bに示すように、上記の開口部分に相当する部分の熱酸化膜2Bを除去する。除去の方法はイオンエッチング等の物理的エッチングでも湿式エッチングでも構わないが、基板1の界面の平滑性を考慮すると熱酸化膜2Bのみが除去される湿式エッチングが好適である。本実施形態では、湿式エッチングの薬液としてフッ化アンモニウムを用いた。ただし、湿式エッチングの場合長時間エッチングを行うと開口部分の側面からエッチングが進行するいわゆるサイドエッチングが大きくなるため、熱酸化膜2Bの開口部分のみが除去された時点でエッチングを終了させる必要がある。
次に、図8A,B及び図9に示すように、開口部分として露出した基板1に対して湿式エッチングを施すことにより、開口部分の基板1の厚みを所望の振動梁厚t4になるまで削る。本実施の形態では、Siである基板1をエッチングするためTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)20%溶液を用いている。この際、液温度を80℃に保持し浸漬エッチングを行っている。
図9は図8BのW部分を拡大して示したものである。上記の条件でエッチング量(ダイヤフラム深さ)t10を200μmとするために、およそ6時間のエッチングを行った。また、このエッチングにより開口部分の基板1の形状は、図9に示すように端部が湿式エッチング角度θ1(=55°)をもって形成される。また、このような湿式エッチング薬液としてTMAH以外にKOH(水酸化カリウム)やEDP(エチレンジアミン−ピロカテコール−水)溶液等が使用できるが、本実施形態では熱酸化膜2A,2Bとのエッチングレートの選択比がより大きくなるTMAHを採用した。
上記の方法により、上記開口部分の中にダイヤフラムが形成される。湿式エッチングにより残されたダイヤフラム厚t11が最終的に振動梁厚みt4と等しくなる。なお、以降の説明では、図8A,BにWで示した1つの素子を拡大して説明する。また、図では説明をわかり易くするため、実際の寸法比とは異なる場合もある。また、図10A,Bに示すように、今後は上記までに形成したダイヤフラムの開口部及び熱酸化膜2Bを下方にして説明する。
[電極膜形成工程]
次に、図10A,Bに示すように下層電極膜4、圧電膜5、上部電極膜6を形成する。下層電極膜4は「第1電極層」に対応し、上部電極膜6は「第2電極層」に対応する。下層電極膜4は、圧電膜の特性を向上させるために、下地膜としてTi(チタン)膜と、このTi膜の上に形成したPt(白金)膜とからなる積層膜とした。なお、Pt以外にAuやRh(ロジウム)、Re(レニウム)等の他の金属膜が適用可能であり、Ti以外にTa(タンタル)等も適用可能である。
下層電極膜4の形成工程では、まず、マグネトロンスパッタ装置でTiを20nm成膜し、上記Ti上にPtを100nm成膜した。Ti及びPtは、ガス圧0.5Paでそれぞれ1kW及び0.5kWのRFパワーで成膜した。チタン酸ジルコン酸鉛の下地膜として、Pt膜が使われているが、その密着性を高めることを目的としてTiが成膜される。
次いで、圧電膜5を形成する。圧電膜5の形成工程では、マグネトロンスパッタ装置でPb1.02(Zr0.53Ti0.47)O3の酸化物ターゲットを用い、常温、酸素ガス圧を0.2〜3.0Pa、RFパワー0.1〜5.0kWの条件で圧電膜5を1.4μm成膜した。
そして、上部電極層6の形成工程では、上述のようにして形成された圧電膜5の表面にPtを200nm成膜した。上記Ptはマグネトロンスパッタ装置でガス圧0.5Pa、RFパワー0.5kWの条件で成膜した。
[電極膜加工工程]
次に、図11A,Bに示すように、成膜した上部電極膜6を所定形状に加工する。上部電極膜6は図11Aに示すように3つの部分に分かれる。その中の中心が振動梁を駆動させる動力を発生させるための駆動電極(6a)であり、その左右にコリオリ力を検出するための検出電極(6b,6c)が設置される。駆動電極6aの幅方向中心が振動梁の中心と一致し、左右の検出電極6b,6cは駆動電極6aに関して対称に形成される。上部電極膜6の直線部分の端部には、配線接続部分が設けられている。
本実施形態では、駆動電極幅t13を50μm、検出電極幅t14を10μm、上部電極長t12を2mm、駆動電極6aと検出電極6b,6cの間は5μmとした。この大きさに関しては任意であるが、最終的な振動梁の大きさの範囲内に納める必要がある。また、後述する配線パターンとの接続部分に関しての形状も任意であり、本実施形態では、接続部幅t16を50μm、接続部長t15を50μmとした。
上部電極膜6の加工方法としては、フォトリソグラフィ技術を用いて所望のレジストパターン膜を形成した後、イオンエッチングにより不要な部分の上部電極膜6を除去した。上部電極膜6の加工方法に関しては特に限定されるものではない。
次に、図12A,Bに示すように、圧電膜5を所定形状に加工する。圧電膜5は上部電極膜6の形成領域を完全に覆う形であり、特に本実施形態では、圧電膜長t17を2.2mm、圧電膜幅t18を90μmとした。ここで、圧電膜幅の中心を振動梁の中心と一致させる。圧電膜幅t18は振動梁の幅t4以下の幅である必要がある。また、上部電極膜6の外周より5μmの幅をもたせて圧電膜5を加工した。そして、圧電膜5は、素子の形成エリア(AR)の形成領域のほぼ全域、すなわち振動子部の基板対向面から基部109の実装面に亘って形成されるようにする。
圧電膜5の加工方法としては、フォトリソグラフィ技術を用いて圧電部形状のレジストパターン膜を形成した後、本実施形態ではフッ硝酸溶液による湿式エッチングにより除去した。除去の方法に関しては任意であり、物理的なイオンエッチングによる除去や、化学的にRIE(Reactive Ion Etching)により除去する方法が考えられる。
次に、図13A,Bに示すように、下層電極膜4を所定形状に加工する。この下層電極膜4は、圧電膜5の形成領域を完全に覆う形であり、本実施形態では、下層電極長t19を2.3mm、下層電極幅t20を94μmとした。ここで、下層電極幅の中心は振動梁の中心と一致させる。下層電極幅t20は振動梁の幅t4以下の幅である必要がある。また、圧電膜5の外周より5μmの幅をもたせて下層電極膜4を加工した。そして、下層電極膜4は、素子の形成エリア(AR)の形成領域のほぼ全域、すなわち振動子部の基板対向面から基部109の実装面に亘って形成されるようにする。
以上の下層電極膜4の加工方法としては、フォトリソグラフィ技術を用いて下層電極部形状のレジストパターン膜を形成した後、イオンエッチングにより不要部分を除去した。この加工方法に関しても任意であり、イオンエッチングに限定されるものではない。
[圧電消失膜形成工程]
続いて、図14に示すように、圧電膜5の上に圧電消失膜8を形成する。この圧電消失膜8は、後述する配線膜9と上部電極膜6との電気的接続を行う際に、圧電膜5が振動子部110以外の領域で圧電特性が発現しないようにすることを目的として形成される。すなわち、振動素子100の基部109の領域に形成された圧電膜5の上に配線膜9を直接形成すると、これら配線膜9と下層電極膜4との間に挟まれた圧電膜5が圧電素子として機能してしまう。圧電消失膜8は、圧電膜5を、配線膜9と下層電極膜4との間に位置する領域のみ部分的に圧電特性を消失させて、振動子部(振動梁)110のみを圧電駆動可能としている。圧電消失膜8の形状は、後述する配線膜9の形成領域を覆う形であれば特に制限されないが、図15に示すように電極パッド101Dが形成される下層電極膜4上には、圧電消失膜8が形成されないようにする。
圧電消失膜8を構成する材料は、圧電膜5よりも低い誘電率をもつ電気絶縁層を構成する材料であることが好ましく、例えば、SiO2膜やAl23膜などが挙げられる。圧電消失膜8の形成方法は、フォトリソグラフィ技術により所望の形状を開口部とするレジストパターン膜を形成した後、圧電消失膜をスパッタリングなどにより成膜し、不要な部分に付着したスパッタリング膜をレジスト膜の除去と同時に除去するいわゆるリフトオフの手法を用いて形成することができる。圧電消失膜8の膜厚は特に制限されず、本実施形態では1μmとした。
[配線膜形成工程]
次に、図15及び図16に示すように、上部電極膜6と外部との接続を図るための配線膜9を形成する。これは外部との電気的接続を容易にするためのものであり、圧電消失膜8の上にパターン配線される。この配線膜9は本発明の「配線パターン層」に対応する。
本実施形態では、外部との電気的接続に関してはAuバンプのフリップチップによる接合方法を前提としているため、図15のように各電極に対して電極パッド101A,101B,101C,101Dを形成することで、Auバンプ領域を確保している。電極パッド101A,101B,101C,101DはAuバンプの形成が可能な面積が必要であり、本実施形態では、電極パッド長t25を120μm、電極パッド幅t26を120μmとした。また、上部電極膜6である駆動電極6a及び左右の検出電極6b,6c、下層電極膜4の4つに対してそれぞれ外部との電気的な接合が必要とされるため、配線膜9に関してもこれら4つに対して独立していることが必要であり、電極パッド101A,101B,101C,101Dの位置については素子エリアAR内にあることが前提である。
また、この工程において同時に分極レール111,112も形成する。本実施形態の振動素子100は、最終的に分極して圧電特性を安定させるが、この分極作業を効率化するために同列の素子をまとめて行うことにしている。この同時分極を行うためには電圧印加側、GND(グラウンド)側の配線を事前に形成しておく必要があり、ここでは、図17のように各分極レール111,112として横一直線に形成している。この時点では素子とレールは独立しているが、後述するCu配線11の形成で電圧印加側とGND側の配線が接続される。なお、分極レール111,112の形成に際して、基板1上の熱酸化膜2Aとの密着性向上のため、例えばSiO2やAl23などの絶縁性の配線下地膜7を形成しておいてもよい(図16)。
配線膜9の形成方法は、フォトリソグラフィ技術により所望の形状を開口部とするレジストパターン膜を形成した後、配線電極膜をスパッタリングにより成膜し、不要な部分に付着したスパッタリング膜をレジスト膜の除去と同時に除去するいわゆるリフトオフの手法により形成した。配線膜の材料としては、付着力を向上させるためTiを20nm堆積させた後、電気抵抗が低く低コストのCuを300nm堆積し、その後Auバンプとの接合を容易にするためAuを500nm堆積させた。ただし、この配線膜の材料及び形成方法は任意であり、上記の形成方法及び材料に限定されるものではない。
[絶縁保護膜形成工程]
次に、図18及び図19に示すように、振動梁上及び配線上に絶縁保護膜10を形成する。この目的は、湿度などの外的要因による電極間リークを防止すること、また、電極膜の酸化を防止することである。振動子上保護膜幅t27は下層電極幅t20よりも広く、振動梁幅t6より狭いことが条件であり、本実施形態ではt27を98μmとした。振動子上保護膜長t28は下層電極長t19よりも広く、振動子長さt5より狭いことが条件であり、本実施形態ではt28を1.95mmとした。配線膜9上の保護膜10は、全体を覆うパターンであるが、Auバンプを行う電極パッド4箇所、及びCu配線11との接続部4箇所においては、選択的に保護膜が付かないようにする必要がある。
保護膜10の形成方法は、フォトリソグラフィ技術により所望の形状を開口部とするレジストパターン膜を形成した後、保護膜をスパッタリングにより成膜し、不要な部分に付着したスパッタリング膜をレジスト膜の除去と同時に除去するいわゆるリフトオフ方の手法により形成した。保護膜10の材料としては、付着力を向上させるためAl23を50nm堆積させた後、絶縁性の高いSiO2を750nm堆積し、最上層にはその後の振動梁形成時のレジスト密着性を向上させるためにAl23を50nm堆積させた。
次に、図20に示すようにCu配線11を形成する。Cu配線11は上部電極膜6の駆動電極6a、左右の検出電極6b,6cを電圧印加側のレール111に、下層電極4をGND側のレール112にそれぞれ接続する。Cu配線11は、図21に示すようにすべての素子で同様に接続を行う。この配線をCuにする理由は、分極後に湿式エッチングで容易に溶解し、素子にダメージを与えることなく再度素子を独立させることができるためである。そのため、素子にダメージを与えることなく容易に消失させることができる導電体であれば、材料は任意である。配線幅t29(図23)は分極時の導通を確保するため、30μm以上が望ましい。
Cu配線11の形成方法は、フォトリソグラフィ技術により所望の形状を開口部とするレジストパターン膜を形成した後、Cuをスパッタリングにより成膜し、不要な部分に付着したスパッタリング膜をレジスト膜の除去と同時に除去するいわゆるリフトオフの手法により形成した。Cu膜厚は分極時の導通を確保するため、400nmとした。この配線膜の形成方法は任意であり、上記の形成方法に限定されるものではない。
次に、図22に示すように裏面ストッパ膜12を形成する。この目的は、後述の振動梁形成で貫通エッチングをした際、最下面のプラズマ集中によるエッジ形状不良を防止するためである。本実施形態では、裏面前面にSiO2を500nm、スパッタリングにより形成した。
[振動梁形成工程]
次に、図23、図24及び図25に示すように梁空間を除去して振動梁を形成する。ここで、図24は図23の[24]−[24]線断面図、図25は図23の[25]−[25]線断面図である。
梁空間の形成方法は、貫通部13を開口部とするレジストパターン膜をフォトリソグラフィ技術により形成し、熱酸化膜2Aをイオンエッチングにより除去した後、基板1を貫通するまでエッチングする。熱酸化膜2Aの除去に関しては湿式エッチングでも可能であるが、サイドエッチングによる寸法誤差を考慮するとイオンエッチングが好適である。
また、基板1のSiを貫通させるためには、本実施形態では振動梁厚みt14(ダイヤフラム厚みt11)が100μmであり、この量をエッチング除去する必要がある。通常のイオンエッチング等ではレジスト膜との選択比がとれない上に垂直な壁面として残すことは困難である。本実施形態では、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)を備えた装置に、エッチングと側壁保護膜成膜を繰り返す「Boschプロセス」(エッチング時SF6、成膜時C48ガス)を用いることで、垂直な側壁面をもつ振動梁の形成を行った。この垂直にSi材料を研削する技術は一般的に確立されており、本実施形態でも市販されている装置により行っている。ただし、梁空間の除去の方法に関しては任意であり、上記の方法に限定されるものではない。エッチング幅t7はICPでエッチング可能な幅が必要であり、本実施形態では200μmとした。なお、Cu配線11は、貫通させないようにする。
ICPでエッチング完了後は、裏面ストッパ膜12を除去する。除去方法は任意であるが、本実施形態ではフッ化アンモニウムによる湿式エッチングにより除去した。このときストッパ膜12を除去する前に、貫通パターンのレジストを除去してしまうと、絶縁保護膜10が消失してしまうため、ストッパ膜除去後にレジストを除去することとする。
[分極処理工程]
次に、分極レール111,112間に所定電圧を印加し、圧電膜5の圧電特性を安定にさせるための分極処理を施す。同列の素子をまとめて分極するため、印加側パッド、GND側パッドを介して外部電源に接続する。接続の方法、分極方法は任意であるが、本実施形態ではワイヤボンディングで外部電源に接続して、分極処理を施した。
次に、分極処理後に不要となったCu配線11を除去する。Cu配線11を残したまま素子切断を行うと、切断面でCu配線11と基板1が電気的にリークするため、化学的に除去することが望ましい。本実施形態では、素子にダメージを与えないために、メルテックス社製エンストリップ溶液を用いて湿式エッチングを行ってCu配線11を溶解除去した。
このように、振動素子100を薄膜プロセスで形成し、上記薄膜プロセスで形成された薄膜の配線を通して複数個一度に分極処理を行うことによって、大量の薄膜ジャイロを安価に、かつ安定に形成できる。
なお、Cu配線11の除去は上述の湿式エッチングによる溶解除去に限られない。後述する素子切断工程では、素子をCu配線11に沿って切断するため、ダイサーで素子を分断する際にCu配線11を研削除去するようにしてもよい。この場合、Cu配線11の形成幅t29は切断砥石幅以下であることが条件となる。本実施形態では、砥石幅が40μmのダイサーを用いて素子を分断するため、配線11の形成幅t29は、20μm以上40μm以下とする必要がある。20μm未満では分極電圧印加時に抵抗により発熱して配線11が溶断するおそれがある。40μmを超えると砥石幅よりも大きくなって分断後に素子に残存するからである。
[金バンプ形成工程]
次に、図26A,Bに示すように、フリップチップを行うためのAuバンプ14を形成する。Auバンプ14は4箇所の電極パッド101A,101B,101C,101D上に形成する。
[切断工程]
次に、図27A,Bに示すように、基板1上に圧電薄膜センサとして形成された複数個の振動素子100を個々に分断する。図27Bのように素子サイズに従って設定された切断線L1〜L3に沿って、ダイサーを用いて切断する(ダイシング)。これにより、貫通部13と切断面で分断された図28に示す圧電薄膜センサとしての振動素子100が完成する。ここで、図27Bに示すC部は、振動素子100の個片化後、不要部分となる。
本実施形態の振動素子100は、下層電極膜4が振動子部110だけでなく、基部109の実装面に亘って形成されているので、上記切断工程において素子に蓄積される電荷を、当該下層電極膜4を介して効率よく除電することができるので、当該工程時における素子の帯電による素子劣化を抑制することができる。
[実装工程]
そして、個々に分断した振動素子100は、例えば図29に示すように、フリップチップの手法でIC基板等の支持基板に実装される。IC基板は素子の配置に合わせて電気的結線が完了するようにあらかじめ設計されている。図29の例では、振動素子100をX方向及びY方向に1つずつ実装することにより、2個の振動素子100A,100Bを備える二軸の角速度センサ150としている。
この角速度センサ150は、図30に示すように、素子及び回路と外部との接触をなくすためカバー材15により気密に密閉かつ保護されている。カバー材15の材料は任意であるが外部ノイズの影響を考慮して、金属などシールド効果のあるものが望ましい。また、カバー材15は振動梁の振動を妨げない形状とされている。
以上のように製造される本実施形態の振動素子100においては、第1電極層を構成する下層電極膜4が、振動子部110の基板対向面から基部109の実装面に亘って形成されているとともに、配線パターン層を構成する配線膜9が、基部109の実装面の下層電極膜4の形成領域内に形成されている。これにより、下層電極膜4がシールド層として機能し、配線膜9への外部ノイズの飛込みを効果的に抑制することができるとともに、不要な浮遊容量によるノイズの発生をも抑えることができる。
比較として、図31に示すように、振動子部110の形成領域と基部109の振動子根元部位に下層電極膜4を形成した振動素子を作製した。この振動素子は配線膜9が下層電極膜4の形成領域上に形成されない構造である。そして、この振動素子と本実施形態の振動素子100とについてノイズの発生割合を調べたところ、図32A,Bに示すような結果が得られた。図32Aは図31に示した比較例に係る振動素子のノイズ発生割合を示し、図32Bは本実施形態の振動素子100のノイズ発生割合を示している。図中横軸は、ノイズの大きさを示し、縦軸はサンプル数を示している。
図32A,Bに示したように、本実施形態の振動素子100の方が比較例に係る振動素子に比べて、低ノイズのサンプルの発生割合が多い。すなわち、下層電極膜4の形成領域内に配線膜9(配線パターン層)が形成されている本実施形態によれば、当該下層電極膜4がシールド層あるいは除電層として有効に機能し、配線膜9への外部ノイズの侵入あるいは不要な浮遊容量に起因するノイズの発生を低減して、出力特性の安定化を図ることができる。
また、図33A,Bは、素子切断工程前後における振動素子の出力特性の変化の一例を示す一実験結果を示しており、図32Aは図31に示した比較例に係る振動素子を示し、図32Bは本実施形態の振動素子100を示している。図中横軸は、サンプル番号、縦軸は切断前に対する切断後の検出信号の割合を示している。
図33Aに示したように、比較例に係る振動素子では、素子切断後において検出信号が大きく劣化し、100%より大きく低下していることが確認される。これに対して、本実施形態の振動素子100によれば、検出信号の劣化はほとんど認められない。すなわち、基部109の実装面に亘って下層電極膜4が形成されている本実施形態の振動素子100によれば、ダイサーを用いた素子切断工程における帯電の影響を排除でき、素子の帯電を原因とする素子の出力特性の変化を効果的に抑えることが可能となる。
本発明の実施形態において説明する振動素子の概略斜視図である。 図1の振動素子の基板実装側の構成を示す概略底面図である。 図1の振動素子の駆動検出回路の構成を示すブロック図である。 図1の振動素子の製造方法を説明する主要工程フロー図である。 図1の振動素子の製造工程を説明する図であり、Aは単結晶シリコン基板の平面図、BはAの[5B]−[5B]線断面図である。 図5の基板にレジストパターン膜を形成した様子を示す図であり、Aは平面図、BはAの[6B]−[6B]線断面図である。 図6の基板の熱酸化膜を除去した様子を示す図であり、Aは平面図、BはAの[7B]−[7B]線断面図である。 図7の基板に異方性エッチングを施した様子を示す図であり、Aは平面図、BはAの[8B]−[8B]線断面図である。 図8BのW部の拡大断面図である。 図7の基板に下層電極膜、圧電膜、上部電極膜が順に形成された様子を示す図であり、Aは平面図、BはAの[10B]−[10B]線断面図である。 図10の上部電極膜の加工工程を説明するための図であり、Aは平面図、BはAの[11B]−[11B]線断面図である。 図10の圧電膜の加工工程を説明するための図であり、Aは平面図、BはAの[12B]−[12B]線断面図である。 図10の下層電極膜の加工工程を説明するための図であり、Aは平面図、BはAの[13B]−[13B]線断面図である。 図13の基板に圧電消失膜を形成した様子を示す平面図である。 図14の基板に配線膜を形成した様子を示す平面図である。 図15の[16]−[16]線断面図である。 分極レールが形成された基板全体の概略平面図である。 図17の基板に絶縁保護膜が形成された様子を示す拡大平面図である。 図18の[19]−[19]線断面図である。 図18の基板にCu配線が形成された様子を示す平面図である。 図18のCu配線が形成された基板全体の概略平面図である。 図20の基板に裏面ストッパ膜が形成された様子を示す断面図である。 梁空間を除去して振動梁が形成された基板の様子を拡大して示す平面図である。 図23の[24]−[24]線断面図である。 図23の[25]−[25]線断面図である。 フリップチップ実装を行うためのAuバンプが形成された様子を示す図であり、Aは基板全体の平面図、Bは上記基板の様子を拡大して示す平面図である。 圧電薄膜センサとして形成された振動素子を個々に分断する際の分断線を示した図であり、Aは基板全体の平面図、Bは上記基板の様子を拡大して示す平面図である。 分断により得られた振動素子の平面図である。 本発明の実施形態による振動素子をIC基板上に実装した様子を示す概略平面図である。 図29に示したIC基板にカバー材を取り付けて構成される振動型ジャイロセンサ素子の平面図である。 本発明に係る振動素子の比較例として説明する振動素子サンプルの要部工程図である。 図31に示した比較例に係る振動素子サンプルと本発明に係る振動素子サンプルのノイズ特性について調べた一実験結果である。 図31に示した比較例に係る振動素子サンプルと本発明に係る振動素子サンプルの出力特性について調べた一実験結果である。
符号の説明
1…基板、4…下層電極膜(第1電極層)、5…圧電膜(圧電層)、6…上部電極膜(第2電極層)、6a…駆動電極、6b,6c…検出電極、8…圧電消失膜(電気絶縁層)、9…配線膜(配線パターン層)、100…振動素子、109…基部、110…振動子部、101A〜101D…電極パッド(端子部)

Claims (7)

  1. 複数の端子部が形成された実装面を有する基部と、この基部の側周部から片持ち梁状に一体に突設され、前記基部の実装面と同一面を構成する基板対向面を有する振動子部とを備え、
    前記振動子部の基板対向面には、第1電極層と、この第1電極層の上に積層された圧電層と、この圧電層の上に積層された第2電極層とがそれぞれ形成され、
    前記基部の実装面には、前記複数の端子部と前記第1,第2電極層との間をそれぞれ接続する配線パターン層が形成された振動素子であって、
    前記第1電極層は、前記振動子部の基板対向面から前記基部の実装面に亘って形成されているとともに、
    前記配線パターン層は、前記第1電極層の形成領域内に形成されている
    ことを特徴とする振動素子。
  2. 前記第1電極層は、グランド電位に接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
  3. 前記第1電極層と前記配線パターン層との間には、前記圧電層と、前記圧電層の上に積層された電気絶縁層がそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
  4. 前記電気絶縁層は、前記圧電層よりも低い誘電率を有する絶縁材料からなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の振動素子。
  5. 複数の端子部が形成された実装面を有する基部と、この基部の側周部から片持ち梁状に一体に突設され、前記基部の実装面と同一面を構成する基板対向面を有する振動子部とを備えた振動素子の製造方法であって、
    基板の一方の主面に、第1電極層、圧電層及び第2電極層を順に成膜する工程と、
    前記第1,第2電極層と前記端子部とを接続する配線パターン層を形成する工程と、
    前記基板から前記基部及び前記振動子部を切り出して個片化する工程とを有し、
    前記第1電極層の成膜工程では、前記第1電極層を前記振動子部の基板対向面から前記基部の実装面に亘って形成するとともに、
    前記配線パターン層の形成工程では、前記配線パターン層を前記第1電極層の形成領域内に電気絶縁層を介して形成する
    ことを特徴とする振動素子の製造方法。
  6. 前記圧電層の成膜工程では、前記圧電層を前記第1電極層の上に前記振動子部の基板対向面から前記基部の実装面に亘って形成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の振動素子の製造方法。
  7. 前記基板からの前記基部の切り出しを、ダイシング処理によって行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の振動素子の製造方法。




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