JP2014171756A - 無段階角度調整金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】背部を最終折畳位置から水平展開状に揺動する途中の任意の位置で簡単に揺動規制状態を復元し、迅速かつ円滑に角度調整を行い得る無段階角度調整金具を提供する。
【解決手段】第1部材1と、円弧状凸面4を有する第2部材2とを、揺動可能に枢結し、一面側が円弧状凸面4に圧接可能な円弧状凹面7とされ他面側が第1部材1側に形成されたくさび面8に当接する当接面9とされた浮動くさび部材6を備え、第1部材1と第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置とすることにより、浮動くさび部材6を移動させて凸面4から離間させ凸面4と凹面7の圧接を解除した退避状態下で、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動可能となるように構成され、第1部材1と第2部材2を最終折畳位置から相対的に展開方向Bへ揺動させる展開動作Mの途中に於て、所定の小角度θの引返し動作Mによって、浮動くさび部材6を退避状態から凸面4との圧接状態に復帰させる。
【選択図】図13

Description

本発明は、無段階角度調整金具に関する。
従来から、図61の斜視図に示すような背部32と座部31を有する座椅子に於て、背部32の傾斜角度を調整するために角度調整金具50,50を介して、背部32と座部31を、連結している。
本発明者は、このような用途に使用可能な、複数段階に背部32の傾斜角度を調整する角度調整金具に関する発明を提案してきた(例えば、特許文献1参照)。
即ち、上記金具50として、ケース部を有する第1アームと、この第1アームと揺動可能に枢結されるギア部を有する第2アームとを、具備し、かつ、第1アームにはくさび面を形成して、このくさび面に当接自在な浮動くさび部材を、くさび面と上記ギア部の間に形成したくさび形空間内に、浮動自在に装入した多段ギア式角度調整金具を、多数提案してきた。
ところが、さらに進んで「無段階」にて角度調整可能な金具について要望もある。
従来から、この「無段階」に角度を調整できる装置(金具)も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、従来の無段階角度調整装置(金具)は、比較的大型で、部品点数も多く、機構が複雑であり、静止した軸心廻りに回転・揺動する部材に対して、摩擦部材を圧接する構造のものであった。従って、大幅にコンパクト化を図る必要のある(図1に例示の)座椅子用角度調整金具50としては、全く利用できなかった。
しかも、前記特許文献2に開示されたような従来のものは、別途、ロック解除用レバー(操作レバー)を必要としていたため、座椅子としては使い難いという欠点、外部へ突出する部品(レバー)を有し、家庭用としては危険性が高まるという欠点もあった。
特許第4418382号公報 特開2000−300371号公報
解決しようとする課題は、操作レバー無しで、かつ、コンパクトで、機構も簡易な角度調整金具では、使用状態下で座椅子の背部が後方へ倒れる大きな回転トルクに、耐えられない点である。即ち、人が急激に背部へもたれた時に、大きな回転トルクが角度調整金具に作用して、ズルズルと滑り回転してしまう点である。
別の表現をすれば、座椅子用に好適な(コンパクトで操作レバーが省略され、簡易な機構の)無段階角度調整金具を実現することは至難であったという点にある。
本発明に係る無段階角度調整金具は、浮動くさび部材の円弧状凹面と、該凹面が圧接分離自在として対応する円弧状凸面とが相互に圧接した圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面と凸面を、粗面に形成したものである。
また、第1部材と、円弧状凸面を有する第2部材とを、揺動可能に枢結し、一面側が上記円弧状凸面に圧接分離自在として対応する円弧状凹面とされ他面側が上記第1部材側に形成されたくさび面に当接する当接面とされた浮動くさび部材を備え、上記当接面が上記くさび面に当接すると共に上記凹面と上記凸面が相互に圧接した圧接状態では、上記第1部材と上記第2部材が相対的に展開方向へ揺動するのを抑制し、かつ、上記第1部材と上記第2部材を相対的に折畳み方向に揺動させて最終折畳位置とすることにより、上記浮動くさび部材を移動させて上記凸面から離間させ該凸面と上記凹面の圧接を解除した退避状態とし、該退避状態下で、上記第1部材と上記第2部材が相対的に展開方向へ揺動可能となるように構成された無段階角度調整金具であって、上記円弧状凹面と円弧状凸面とが圧接分離自在として対応しつつ相互に圧接した上記圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面と凸面を、粗面に形成したものである。
また、第1部材と、円弧状凸面を有する第2部材とを、揺動可能に枢結し、一面側が上記円弧状凸面に圧接分離自在として対応する円弧状凹面とされ他面側が上記第1部材側に形成されたくさび面に当接する当接面とされた浮動くさび部材を備え、上記当接面が上記くさび面に当接すると共に上記凹面と上記凸面が相互に圧接した圧接状態では、上記第1部材と上記第2部材が相対的に展開方向へ揺動するのを抑制し、かつ、上記第1部材と上記第2部材を相対的に折畳み方向に揺動させて最終折畳位置とすることにより、上記浮動くさび部材を移動させて上記凸面から離間させ該凸面と上記凹面の圧接を解除した退避状態とし、該退避状態下で、上記第1部材と上記第2部材が相対的に展開方向へ揺動可能となるように構成され、かつ、上記第1部材と上記第2部材を上記最終折畳位置から相対的に展開方向へ揺動させる展開動作の途中に於て、折畳み方向への所定の小角度の引返し動作によって、上記浮動くさび部材を上記退避状態から上記凸面との圧接状態に復帰させる復帰手段を具備した無段階角度調整金具であって、上記円弧状凹面と円弧状凸面とが圧接分離自在として対応しつつ相互に圧接した上記圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面と凸面を、粗面に形成したものである。
また、本発明は、第1部材と、被制動用円形外周面部を有する第2部材とを、備え、上記第1部材側には、上記外周面部に巻込状に外嵌されて弾発的縮径力をもって上記外周面部に弾発的に圧接する巻込部と、該巻込部の開口端部から突設された弾性変形自在な長脚・短脚と、該長脚・短脚の先端を第1部材に取着する第1軸・第2軸と、を有する無段階角度調整金具であって、上記外周面部と、上記巻込部の圧接用内周面部を、粗面に形成したものである。
さらには、上記第1部材と上記第2部材を最終折畳位置から相対的に展開方向へ揺動させる展開動作の途中に於て、折畳み方向への所定の小角度の引返し動作によって、上記巻込部の上記開口端部の間隔を増加させる浮動カムピンを移動させて、上記巻込部の上記外周面部への上記巻込部の圧接状態に復帰させる復帰手段を具備している。
本発明は、座椅子に限らず、ソファやベッド等のように一部位が揺動自在となった家具であれば自由に適用可能であって、主として、座椅子に適用した場合に基づいて説明するが、上述のソファやベッド等に応用自由である。また、本発明に於て、「無段階」とは、文字通りの完全な無段階を含み、かつ、家具を一般人が使用して揺動させる際に、無段階として体感するレベルのもの、つまり、体で段数を計数困難なもの、をも含むと、定義する。
家具を使用中の人が、背部等の揺動部位に思い切り外力を付与しても、不意にズルズルと後方(下方)へ傾動することがなく、強力な揺動阻止機能を発揮し、安全性が高い。
しかも、コンパクト化を実現でき、かつ、安価製作が可能であって、機構・構造の簡易化を図り得る。
本発明の実施の一形態を示した分解斜視図である。 本発明の角度調整金具の組立使用状態の斜視図である。 第1部材及びカバー部材を省略した要部斜視図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の他の実施形態を示した分解斜視図である。 第1部材及びカバー部材を省略した要部斜視図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 弾性揺動部材を示す説明図である。 本発明の別の実施形態を示した分解斜視図である。 第1部材及びカバー部材を省略した組立使用状態の要部斜視図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明の角度調整金具を示す要部断面図である。 本発明を座椅子に適用した例を示す斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態を示した分解斜視図である。 本発明の座椅子の作動を示す斜視図である。 本発明に於ける「粗面」を説明するための要部拡大説明図である。 本発明のさらに別の実施の一形態を示した斜視図である。 分解斜視図である。 最大展開状態(β=0°)の断面図である。 最大展開状態(β=0°)の断面図である。 中間傾斜角度状態の断面図である。 中間傾斜角度状態の断面図である。 最大折畳み状態の断面図である。 最大折畳み状態の断面図である。 角度保持解除状態の断面図である。 角度保持解除状態の断面図である。 展開方向へ戻す状態を示す断面図である。 展開方向へ戻す状態を示す断面図である。 最大展開状態(β=0°)を示した一部破断斜視図である。 本発明の無段階角度調整金具を用いた座椅子の作用説明のための側面図である。 背部の傾斜角度βに対応して制動力がいかに変化するかを示すグラフ図である。 本発明の無段階角度調整金具を有する座椅子の斜視図であって、かつ、従来技術の説明にも兼用している斜視図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明の角度調整金具は、例えば、図42の斜視図に示すように、座部31と背部32を有する座椅子に於て、背部32の傾斜角度を調整できるよう座部31と背部32との連結部33に配設されるものであって、座部31と背部32を連結する関節金具(連結金具)として無段階角度調整機構を有するものである。この無段階角度調整金具30は、座椅子以外にも、ソファ又はベッド、リクライニングチェア等に於て背部や足置部等の可動部を枢支するのに用いることもでき、あるいは、ヘッドレストやフットレスト等の関節金具としても使用可能である。
図1〜図3に示すように、本発明の無段階角度調整金具は、第1部材1と、粗面Zとされた円弧状凸面4を有する第2部材2とを、第1軸心C廻りに揺動可能に枢結し、一面側が、(粗面Zとされた)上記凸面4に圧接分離自在として対応する円弧状凹面7とされた浮動くさび部材6を、備えている。この円弧状凹面7は粗面Zとされ、しかも、浮動くさび部材6の他面側は、第1部材1側に形成されたくさび面8に当接する当接面9とする。
図4に示すように、この浮動くさび部材6の当接面9がくさび面8に当接すると共に、円弧状凹面7の粗面Zと円弧状凸面4の粗面Zとが相互に圧接した圧接状態では、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動するのを抑制(阻止)する。言い換えると、図1〜図42に示した本発明の実施の各形態では、浮動くさび部材6の円弧状凹面7と、該凹面7が圧接分離自在として対応する円弧状凸面4とが相互に圧接した圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面7と凸面4を、粗面Z,Zに形成した構成である。なお、粗面Z,Z等については、図45の多くの具体例を挙げつつ、後述する。そして、図10に示すように第1部材1と第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置Pとすることにより、浮動くさび部材6を移動させて凸面4から離間させ凸面4と凹面7の当接を解除(分離)した退避状態とし、この退避状態下で、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへフリーで揺動可能となるように構成されている。
第1部材1は、一対の対面壁部17,17を有するケース部23と、円筒状の取付部18とを、有している。ケース部23(対面壁部17,17)には、枢結軸24を挿通するための貫通孔21と、浮動くさび部材6を移動自在に保持するくさび形窓部5が形成されている。くさび形窓部5は、第1軸心C側を中心として見て、外側に円弧状のくさび面8を有している。くさび形窓部5は、浮動くさび部材6を円弧状凸面4から離間させた状態として収納するための退避空間15を有している。
第2部材2は、相互に平行な2枚の平行状板部45,45と、円筒状の取付部19とを、有している。円弧状凸面4は、第1軸心Cを中心とする平行状板部45,45の円弧状外周縁部に、例えば、中心角が 100°〜 120°を成す範囲にわたって形成されている。浮動くさび部材6と円弧状凸面4は、左右幅方向の2箇所で当接し、かつ、円弧状凹面7の全体が円弧状凸面4に当接する。円弧状凸面4の始端部・終端部には、突起部14,14が配設されている。平行状板部45,45には、枢結軸24を挿通するための軸受孔22が形成されている。
また、第1部材1には、浮動くさび部材6に当接して円弧状凸面4に押し付ける方向に弾発付勢するばね部材16が設けられている。
本発明の角度調整金具は、第1部材1と第2部材2を最終折畳位置Pから相対的に展開方向Bへ揺動させる展開動作Mの途中に於て、折畳み方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mによって、浮動くさび部材6を退避状態から凸面4との圧接状態に復帰させる復帰手段10を具備している。
図1〜図14に示した実施の一形態に於て、復帰手段10は、第2部材2に摺動可能かつ小さな摩擦力をもって圧接すると共に第1部材1に対して所定の小角度θの範囲で回動可能に規制される圧接摩擦板13と、その一端3aが圧接摩擦板13に(小角度揺動可能に枢結等されて)連結され、中間部を支点42として所定の角度範囲で揺動自在であると共に他端3bが退避状態の浮動くさび部材6に押圧可能に配設された梃子部材3とを、具備している。
図10〜図12に示す退避状態下で、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、(梃子部材3の他端3bが浮動くさび部材6を押圧しない非押圧位置Vで保持されて)浮動くさび部材6は退避状態を維持する。図13に示すように、折畳み方向Aへの引返し動作Mにより、圧接摩擦板13が第2部材2との摩擦力によって所定の小角度θだけ回動すると共に梃子部材3が(他端3bにて浮動くさび部材6を押圧する押圧位置Vに移行して)浮動くさび部材6を(上方へ)押圧して移動させ円弧状凸面4と円弧状凹面7の当接(摩擦による固定保持)状態とするように構成されている。
梃子部材3は、剛性の高い金属(又は樹脂)から成り、略V字形状に形成されている。梃子部材3の一端3aは、短円柱状のヘッドを有し、圧接摩擦板13の円弧状凹部に嵌込まれて揺動自在に支持されている。梃子部材3は、中間部の下面が第1部材1に支点42で当接し、例えば、シーソーのように一端3aを上下動させれば他端3bが対応して反対に下上に動くように形成されている。
圧接摩擦板13は、中央に枢結軸24を挿通するための枢着孔25が形成され、外周縁部の一部から突出する突片43に長孔29が貫設されている。また、圧接摩擦板13は、左右両側面に突出する一対の摺接凸部26,26と、左右方向に交互に折曲げられて弯曲する複数の摺接片部27,27,27を有している。
組立使用状態では、圧接摩擦板13は、第2部材2の平行状板部45,45の内面に圧接状として挿入され、平行状板部45,45を第1部材1の対面壁部17,17(ケース部23)に装入して挟んだ状態とし、ケース部23に枢結軸24を挿通して、第1部材1と第2部材2、及び、圧接摩擦板13が枢結されている。圧接摩擦板13の長孔29には、第1部材1に固着されるストッパピン部材28が挿通され、圧接摩擦板13は、第1軸心Cを中心として所定の小角度θの範囲で回動できるように取着されている。
また、第1部材1のケース部23を包囲する樹脂製のカバー部材20を備えている。
カバー部材20は、第1部材1と第2部材2の下面を覆う底壁部20Aと、左右の側面を覆う側壁部20Bと、浮動くさび部材6等の部品の上方を覆う天井壁部20Cとを一体に有し、挿通孔39,39を有する金属製の係止具35によって第1部材1に固着されている。天井壁部20Cの一部には、第2部材2が折畳み方向Aに揺動した際に進入可能なスリット状開口部36が形成されており、この開口部36の両側端縁には、第2部材2に摺接して拡幅可能な薄肉片状のリップ37が設けられている。側壁部20Bは、浮動くさび部材6の側端面に当接乃至近接して脱落を防止しており、貫通孔21に対応する位置に孔部38を有している。係止具35は、第1部材1のケース部23に包囲状にカバー部材20が被せられた状態で、側壁部20Bに弾発力をもって挟み込むように取着され、さらに、枢結軸24を、挿通孔39,39及び孔部38及び軸受孔22、枢着孔25、軸受孔22に串刺状として挿通して、第1部材1と第2部材2、及び、カバー部材20と係止具35が枢結されている。なお、底壁部20Aは、側壁部20Bと分離して上下揺動可能な可撓舌片40を有するも良い。
上述した本発明の角度調整金具の使用方法(作用)について説明する。
図4に示す圧接状態では、浮動くさび部材6の凹面7が凸面4に圧接し、かつ、当接面9がくさび面8に当接し、(第2部材2に展開方向Bへ外力が付与されても、)浮動くさび部材6のくさび作用により粗面Z,Zの相互が強く圧接して、摩擦に伴う回転阻止トルクが増加し、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動する揺動阻止トルクが著しく増大されて、その揺動を阻止する。
次に、図5に示すように、第1部材1と第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させる折畳み動作Mを開始すると、浮動くさび部材6はくさび形窓部5内で下方へ小さく移動し、当接面9がくさび面8から離れて僅かな隙間dを生じる。この際、圧接摩擦板13は、第2部材2との摩擦力によって矢印N方向(図の反時計回り方向)に回動する。ストッパピン部材28が長孔29の一端に当たることにより、圧接摩擦板13は回動を停止する。
図6と図7に示すように、さらに第2部材2を折畳み方向Aに揺動させると、隙間dにより浮動くさび部材6の円弧状凹面7が円弧状凸面4から離れ、円弧状凹面7と円弧状凸面4は相対的に回動する。
図8のように、折畳み動作Mの途中で、第1部材1に対し第2部材2を展開方向Bへ揺動させようとしても、浮動くさび部材6のくさび作用により展開方向Bへの揺動は規制され、第1部材1と第2部材2の傾斜角度は維持(固定保持)される。
そして、図9に於て、折畳み動作Mを続け、円弧状凹面7が円弧状凸面4の相対的回動によって、円弧状凸面4が終わり、突起部14が浮動くさび部材6の上端に当接する。
図10に示すように、突起部14が浮動くさび部材6に当接した状態で、第1部材1と第2部材2をさらに折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置Pとすることにより、(突起部14にて押し下げられて)浮動くさび部材6がくさび形窓部5内で下方へ移動して退避空間15に収納され、円弧状凹面7が円弧状凸面4から離間する。これを退避状態と呼ぶ。この際、梃子部材3は、他端3bが浮動くさび部材6の下端に押圧され、支点42を中心として揺動し、降下する。この梃子部材3の状態を、非押圧位置Vとする。梃子部材3が非押圧位置Vに揺動することにより、一端3aが圧接摩擦板13に回転力を付与し、圧接摩擦板13は矢印R方向(図の時計回り方向)に小角度θだけ回動する。なお、浮動くさび部材6の下端はくさび形窓部5の底面に当たって止まり、第2部材2は最終折畳位置Pからさらに折畳み方向Aには揺動しない。
この退避状態下では、浮動くさび部材6が退避空間15に収納されて、円弧状凸面4と円弧状凹面7の圧接が解除されている。従って、展開方向Bへのロック(規制)が解除され、第1部材1と第2部材2は相対的展開方向Bへの揺動が可能(フリー状態)となる。
次に、図11に示すように、第2部材2を展開方向Bへ揺動させる展開動作Mを開始すると、圧接摩擦板13は、第2部材2の左右の平行状板部45,45との摩擦力を(矢印R方向に)受けつつも、ストッパピン部材28が長孔29の他端に当たることにより、圧接摩擦板13は回動を停止している。即ち、梃子部材3は、非押圧位置Vに保持される。従って、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、梃子部材3の他端3bが浮動くさび部材6を上方へ押し上げることなく、退避状態を維持する。
図12に示すように、退避状態下では、浮動くさび部材6のくさび作用が無効化され、第2部材2は、第1部材1に対して展開方向Bに揺動自在となり、任意の傾斜角度まで展開することができる。
図13に於て、第2部材2を最終折畳位置Pから水平展開状まで展開方向Bに揺動させる(展開動作M)途中で、折畳み方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mを行うと、圧接摩擦板13が、第2部材2との摩擦力によって矢印N方向(図の反時計回り方向)に回動する。梃子部材3は、圧接摩擦板13に一端3aが押し下げられて、他端3bにて浮動くさび部材6の下端を押圧する(押し上げる)。このように、梃子部材3は、圧接摩擦板13の回動に伴って、非押圧位置Vから押圧位置Vに移行する。梃子部材3は、浮動くさび部材6を退避空間15から押し出して上方へ移動させる。退避空間15から押し出された浮動くさび部材6は、円弧状凹面7(粗面Z)が円弧状凸面4(粗面Z)と圧接した圧接状態となる(復帰する)。
図14では、図4と同様に、浮動くさび部材6の円弧状凹面7が円弧状凸面4に圧接し、粗面Zと粗面Zの圧接摩擦固定状態となり、かつ、当接面9がくさび面8に当接した圧接状態となり、浮動くさび部材6のくさび作用が復元して、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動するのを、最終折畳位置Pから水平展開状までの中間傾斜位置で規制(抑制)することができる。
次に、図15〜図28は、本発明の角度調整金具の他の実施形態を示している。
図15〜図28に於て、復帰手段10は、第2部材2に摺動可能かつ小さな摩擦力をもって圧接すると共に第1部材1に対して所定の小角度θの範囲で回動可能に規制される圧接摩擦板13と、その一端11aが圧接摩擦板13に(小角度揺動可能に枢結等されて)連結され、中間部を支点42として所定の角度範囲で揺動自在であると共に他端11bが退避状態の浮動くさび部材6に弾発的に当接するように配設された弾性揺動部材11とを、具備している。
図23〜図25に示す退避状態下で、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、弾性揺動部材11の他端11bが浮動くさび部材6に非押圧状態で当接すると共に浮動くさび部材6は退避状態を維持する。図26に示すように、折畳み方向Aへの引返し動作Mにより、弾性揺動部材11が弾発力をもって浮動くさび部材6を(上方へ)押圧して移動させ円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態(粗面Zと粗面Zの圧接摩擦固定状態)とするように構成されている。
弾性揺動部材11は、樹脂又は金属から成り、板バネ片状に弾性変形可能な略V字形状に形成されている。弾性揺動部材11の一端11aは、短円柱状のヘッドを有し、圧接摩擦板13の円弧状凹部に嵌込まれて揺動自在に支持されている。弾性揺動部材11は、中間部の下面が第1部材1に支点42で当接し、例えば、シーソーのように一端11aを上下動させれば他端11bが対応して反対に下上に動くように形成されている。
圧接摩擦板13は、中央に枢結軸24を挿通するための枢着孔25が形成され、外周縁部の一部から突出する突片43に長孔29が貫設されている。また、圧接摩擦板13は、左右両側面に突出する一対の摺接凸部26,26と、左右方向に交互に折曲げられて弯曲する複数の摺接片部27,27,27を有している。
組立使用状態では、圧接摩擦板13は、第2部材2の平行状板部45,45の内面に圧接状として挿入され、平行状板部45,45を第1部材1の対面壁部17,17(ケース部23)に装入して挟んだ状態とし、ケース部23に枢結軸24を挿通して、第1部材1と第2部材2、及び、圧接摩擦板13が枢結されている。圧接摩擦板13の長孔29には、第1部材1に固着されるストッパピン部材28が挿通され、圧接摩擦板13は、第1軸心Cを中心として所定の小角度θの範囲で回動できるように取着されている。
また、第1部材1のケース部23を包囲する樹脂製のカバー部材20を備えている。
カバー部材20は、第1部材1と第2部材2の下面を覆う底壁部20Aと、左右の側面を覆う側壁部20Bと、浮動くさび部材6等の部品の上方を覆う天井壁部20Cとを一体に有し、挿通孔39,39を有する金属製の係止具35によって第1部材1に固着されている。天井壁部20Cの一部には、第2部材2が折畳み方向Aに揺動した際に進入可能なスリット状開口部36が形成されており、この開口部36の両側端縁には、第2部材2に摺接して拡幅可能な薄肉片状のリップ37が設けられている。側壁部20Bは、浮動くさび部材6の側端面に当接乃至近接して脱落を防止しており、貫通孔21に対応する位置に孔部38を有している。係止具35は、第1部材1のケース部23に包囲状にカバー部材20が被せられた状態で、側壁部20Bに弾発力をもって挟み込むように取着され、さらに、枢結軸24を、挿通孔39,39及び孔部38及び軸受孔22、枢着孔25、軸受孔22に串刺状として挿通して、第1部材1と第2部材2、及び、カバー部材20と係止具35が枢結されている。なお、底壁部20Aは、側壁部20Bと分離して上下揺動可能な可撓舌片40を有するも良い。
図17〜図28に示す本発明の角度調整金具の使用方法(作用)について説明する。
図17に示す圧接状態では、浮動くさび部材6の円弧状凹面7が円弧状凸面4に圧接し、かつ、当接面9がくさび面8に当接し、(第2部材2に展開方向Bへ外力が付与されても、)浮動くさび部材6のくさび作用により第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動することを規制(阻止)する。
次に、図18に示すように、第1部材1と第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させる折畳み動作Mを開始すると、浮動くさび部材6はくさび形窓部5内で下方へ小さく移動し、当接面9がくさび面8から離れて僅かな隙間dを生じる。この際、圧接摩擦板13は、第2部材2との摩擦力によって矢印N方向(図の反時計回り方向)に回動する。ストッパピン部材28が長孔29の一端に当たることにより、圧接摩擦板13は回動を停止する。
図19と図20に示すように、さらに第2部材2を折畳み方向Aに揺動させると、隙間dにより浮動くさび部材6の円弧状凹面7が円弧状凸面4から離れる。
図21のように、折畳み動作Mの途中で、第1部材1に対し第2部材2を展開方向Bへ揺動させようとしても、浮動くさび部材6のくさび作用により展開方向Bへの揺動は規制され、第1部材1と第2部材2の傾斜角度は維持(固定保持)される。
そして、図22に於て、折畳み動作Mを続け、円弧状凹面7が円弧状凸面4を繰り返し乗り越えていくと、円弧状凸面4が終わり、突起部14が浮動くさび部材6の上端に当接する。
図23に示すように、突起部14が浮動くさび部材6に当接した状態で、第1部材1と第2部材2をさらに折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置Pとすることにより、浮動くさび部材6がくさび形窓部5内で下方へ移動して退避空間15に収納され、円弧状凹面7が円弧状凸面4から離間して、退避状態となる。この際、弾性揺動部材11は、他端11bが浮動くさび部材6の下端に押圧され、弾性変形する。浮動くさび部材6の下端はくさび形窓部5の底面に当たって止まり、第2部材2は最終折畳位置Pからさらに折畳み方向Aには揺動しない。
この退避状態下では、浮動くさび部材6が退避空間15に収納されて、円弧状凸面4と円弧状凹面7の圧接が解除されている。従って、展開方向Bへのロック(規制)が解除され、第1部材1と第2部材2は相対的展開方向Bへの揺動が可能(フリー状態)となる。
次に、図24に示すように、第2部材2を展開方向Bへ揺動させる展開動作Mを開始すると、圧接摩擦板13は、第2部材2の左右の平行状板部45,45との摩擦力によって矢印R方向(図の時計回り方向)に小角度θだけ回動する。ストッパピン部材28が長孔29の他端に当たることにより、圧接摩擦板13は回動を停止する。浮動くさび部材6によって撓まされた(弾性変形された)弾性揺動部材11は、一端11aが圧接摩擦板13の回動に伴って持ち上げられ、弾発力を奪われる。即ち、弾性揺動部材11は、他端11bが浮動くさび部材6の下端に非押圧状態で当接する。従って、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、弾性揺動部材11の他端11bが浮動くさび部材6を上方へ押し上げることなく、退避状態を維持する。
図25に示すように、退避状態下では、浮動くさび部材6のくさび作用が無効化され、第2部材2は、第1部材1に対して展開方向Bに揺動自在となり、任意の傾斜角度まで展開することができる。
図26に於て、第2部材2を最終折畳位置Pから水平展開状まで展開方向Bに揺動させる(展開動作M)途中で、折畳み方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mを行うと、圧接摩擦板13が、第2部材2との摩擦力によって矢印N方向(図の反時計回り方向)に回動する。これと同時に、弾性揺動部材11は、他端11bを浮動くさび部材6の下端に弾発力をもって押圧し、浮動くさび部材6を退避空間15から押し出して上方へ移動させる。退避空間15から押し出された浮動くさび部材6は、円弧状凹面7(粗面Z)が円弧状凸面4(粗面Z)と圧接した圧接状態となる(復帰する)。
図27では、図17と同様に、浮動くさび部材6の円弧状凹面7が円弧状凸面4に圧接し、かつ、当接面9がくさび面8に当接した圧接状態となり、浮動くさび部材6のくさび作用が復元して、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動するのを、最終折畳位置Pから水平展開状までの中間傾斜位置で規制(抑制)することができる。
図28に示すように、弾性揺動部材11は、図18〜図22では押圧力が作用しない自由状態で保持される(実線)。図23に於て、一端11aはそのままの位置に支持されつつ他端11bが下方へ押し下げられる。次に、図24では、他端11bに押圧力が掛かったまま一端11aが上方へ持ち上げられて弾発力を奪われる(2点鎖線)。そして、図26に於て、一端11aを押し下げることによって、他端11bを上方へ蹴り上げるようにし、浮動くさび部材6を(退避空間15から)上方へ移動させる。
次に、図29〜図41は、本発明の角度調整金具の別の実施形態を示している。
図29〜図41に於て、復帰手段10は、第2部材2に摺動可能に小さな摩擦力をもって圧接すると共に第1部材1に対して所定の小角度θの範囲で回動可能に規制される圧接摩擦板13と、浮動くさび部材6に当接して円弧状凸面4に押し付ける方向に弾発付勢するばね部材16と、その一端12aが圧接摩擦板13に連結され中間部を支点として所定の角度範囲で揺動自在であると共に他端12bがばね部材16に連結される揺動腕12とを、具備している。なお、34は、揺動腕12の中間部の支点となる軸ピンを示す。
その他の構成は、上述の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
図37〜図39に示す退避状態下で、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、揺動腕12がばね部材16を第1位置Sに保持して浮動くさび部材6は退避状態を維持する。図40に示すように、折畳み方向Aへの引返し動作Mにより、揺動腕12がばね部材16を第1位置Sから第2位置Sに移動させてばね部材16が浮動くさび部材6に摺接しつつ摩擦力をもって浮動くさび部材6を移動させ円弧状凸面4(粗面Z)と円弧状凹面7(粗面Z)を圧接状態とするように構成されている。図例では、ばね部材16は、細長矩形状に折曲形成されたばね線材から成り、このばね部材16の一端(下端)は揺動腕12の他端12bに枢結されると共に、常時、浮動くさび部材6の当接面9に対して弓型に弯曲しつつ弾発的に当接し、かつ、ばね部材16の他端(上端)近傍は、第1部材1の上方開口部の一辺端1Eに摺動可能に当接し、上述の弓型弯曲に伴う弾発的反力を受持している。
揺動腕12は、金属(又は合成樹脂)から成り、断面略V字形状に形成されている。揺動腕12の一端12aは、先端断面円形状のヘッドを有し、圧接摩擦板13の円弧状凹部に嵌込まれて揺動自在に支持されている。揺動腕12は、中間部が軸ピン34によって第1部材1に枢着され、一端12aを上下動させれば他端12bが逆に対応して下上に動くように形成されている。
なお、ばね部材16は、矩形状の金属板から成る板ばねであっても良い(図示省略)。圧接摩擦板13は、中央に枢結軸24を挿通するための枢着孔25が形成され、突片43に長孔29が貫設されている。また、圧接摩擦板13は、左右両側面に突出状として一対の摺接凸部26,26と、左右方向に交互に折曲げられて弯曲する複数の摺接片部27,27を有している(既述の図1〜図14の実施形態とほぼ同様である)。
組立使用状態では、圧接摩擦板13は、第2部材2の平行状板部45,45の内面に圧接状として挿入され、平行状板部45,45を第1部材1の対面壁部17,17(ケース部23)に装入して挟んだ状態とし、ケース部23に枢結軸24を挿通して、第1部材1と第2部材2、及び、圧接摩擦板13が枢結されている。圧接摩擦板13の長孔29には、第1部材1に固着されるストッパピン部材28が挿通され、第1軸心Cを中心として所定の小角度θの範囲で回動できるように取着されている。
図31〜図41に示す角度調整金具の使用方法(作用)について説明する。
図31に示す圧接状態では、浮動くさび部材6の円弧状凹面7(粗面Z)が円弧状凸面4(粗面Z)に圧接し、かつ、当接面9がくさび面8に当接し、(第2部材2に展開方向Bへ外力が付与されても、)浮動くさび部材6のくさび作用により第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動することを規制(阻止)する。
次に、図32に示すように、第1部材1と第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させる折畳み動作Mを開始すると、浮動くさび部材6はくさび形窓部5内で下方へ小さく移動し、当接面9がくさび面8から離れて僅かな隙間dを生じる。この際、圧接摩擦板13は、第2部材2との摩擦力によって矢印N方向(図の反時計回り方向)に回動する。ストッパピン部材28が長孔29の一端に当たることにより、圧接摩擦板13は回動を停止する。
図33と図34に示すように、さらに第2部材2を折畳み方向Aに揺動させると、隙間dにより浮動くさび部材6の円弧状凹面7が円弧状凸面4から離れ、粗面Zと粗面Zの相対的滑り(移動)が行われる。
図35のように、折畳み動作Mの途中で、第1部材1に対し第2部材2を展開方向Bへ揺動させようとしても、浮動くさび部材6のくさび作用により展開方向Bへの揺動は規制され、第1部材1と第2部材2の傾斜角度は維持される。
そして、図36に於て、折畳み動作Mを続け、円弧状凹面7と円弧状凸面4の相対的移動が行われてゆくと、円弧状凸面4が終わり、突起部14が浮動くさび部材6の上端に当接する。
図37に示すように、突起部14が浮動くさび部材6に当接した状態で、第1部材1と第2部材2をさらに折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置Pとすることにより、浮動くさび部材6がくさび形窓部5内で下方へ移動して退避空間15に収納され、円弧状凹面7が円弧状凸面4から離間して退避状態に切換わる。
この退避状態下では、浮動くさび部材6が退避空間15に収納されて、円弧状凸面4と円弧状凹面7の圧接が解除されている。従って、展開方向Bへのロック(規制)が解除され、第1部材1と第2部材2は相対的展開方向Bへの揺動が可能(フリー状態)となる。
次に、図38に示すように、第2部材2を展開方向Bへ揺動させる展開動作Mを開始すると、圧接摩擦板13は、第2部材2との摩擦力によって矢印R方向(図の時計回り方向)に小角度θだけ回動する。ストッパピン部材28が長孔29の他端に当たることにより、圧接摩擦板13は回動を停止する。揺動腕12は、他端12bがばね部材16の下端を引き下げて第1位置Sに保持する。従って、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、浮動くさび部材6は退避状態を維持する。
図39に示すように、退避状態下では、浮動くさび部材6のくさび作用が無効化され、第2部材2は、第1部材1に対して展開方向Bにフリーに揺動自在となり、任意の傾斜角度まで展開することができる。
図40に於て、第2部材2を最終折畳位置Pから水平展開状まで展開方向Bに揺動させる(展開動作M)途中で、折畳み方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mを行うと、圧接摩擦板13が、第2部材2との摩擦力によって矢印N方向(図の反時計回り方向)に回動する。この圧接摩擦板13の回動に伴って、揺動腕12は、他端12bの上昇をもってばね部材16を押圧し、ばね部材16を第1位置Sから第2位置Sに移動させる。ばね部材16は、浮動くさび部材6に摺接しつつ摩擦力をもって浮動くさび部材6を退避空間15から押し出して(連れ出して)上方へ移動させる。退避空間15から押し出され(連れ出され)た浮動くさび部材6は、円弧状凹面7(粗面Z)が円弧状凸面4(粗面Z)と圧接した圧接状態となる(復帰する)。
図41では、図31と同様に、浮動くさび部材6の円弧状凹面7(粗面Z)が円弧状凸面4(粗面Z)に圧接し、かつ、当接面9がくさび面8に当接した圧接状態となり、浮動くさび部材6のくさび作用が復元して、第1部材1と第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動するのを、(最終折畳位置Pから水平展開状までの)中間傾斜位置で規制(阻止)することができる。
図1〜図41に基づいて説明した本発明の角度調整金具をもってすれば、図42に示すように、座部31と背部32を有し、背部32の傾斜角度を調整できるよう座部31と背部32との連結部33に角度調整機構を有する無段階角度調整金具30,30を備える座椅子であって、無段階角度調整金具30,30は、座部31に対して背部32の起立方向Aへの揺動を可能とし、かつ、背部32が傾倒方向Bへ揺動するのを規制し、さらに、座部31に対し背部32を略垂直状として最終起立姿勢Tとすることにより、規制を解除して背部32の傾倒方向Bへの(フリーな)揺動が可能となるように構成され、さらに、背部32を最終起立姿勢Tから傾倒方向Bへ揺動させる展開動作Mの途中に於て、起立方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mによって、傾倒方向Bへの規制(傾動阻止)を復元し背部32を中間傾斜姿勢Tで保持する座椅子が構成される。
また、本発明の無段階角度調整金具30は、図示省略するが、例えば、ソファやベッドに於て、ヘッドレストやフットレスト等の揺動部を最終起立姿勢から傾倒方向へ揺動させる展開動作の途中に於て、起立方向への所定の小角度の引返し動作によって、傾倒方向へのロック(傾動阻止)を復元し、揺動部を中間傾斜姿勢で保持するため、非常に至便である。
ソファやベッドに用いる場合、人の体重がヘッドレストやフットレスト等に集中して過大な外力がフレーム部材に掛かるケースが多々あり、ヘッドレストやフットレスト等のフレーム部材が塑性変形を生じて傾倒方向に曲がってしまうことが少なくない。従来の角度調整金具では、フレーム部材に塑性変形が生じることにより、ヘッドレストやフットレスト等を水平展開姿勢以上に傾動させなければ、傾倒方向へのロック(傾動阻止)を復元できなくなるという問題があった。
本発明の無段階角度調整金具をもってすれば、ソファやベッドに用いる場合であっても、ヘッドレストやフットレスト等を水平展開姿勢まで傾動させることなくロック(傾動阻止)を復元できるため、たとえフレーム部材が塑性変形して傾倒方向に曲がっていても、展開動作の途中で起立方向へ引き戻すことで、ヘッドレストやフットレスト等を中間傾斜姿勢で保持できる。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、くさび形窓部5を有さずに、代りに、浮動くさび部材6の当接面9を押圧する板片状部材等を用いることも自由である。また、カバー部材20のデザインや寸法比率を変更しても良い。
特に、図1〜図14にて述べた梃子部材3、あるいは、図15〜図28の弾性揺動部材11としては、図12から図13へ(図25から図26へ)圧接摩擦板13が小角度θだけ(反時計方向へ)回動するのに伴って、浮動くさび部材6を逆方向(時計方向)へ移動させて退避状態から押し出す(連れ出す又は引き出す)作用を成すための連動部材であれば、種々、設計変更が自由である。
また、図29〜図41にて述べた、揺動腕12とばね部材16の代りに、図39から図40へ圧接摩擦板13が小角度θだけ(反時計方向へ)回動するのに伴って、浮動くさび部材6を逆方向(時計方向)へ移動させて退避状態から押し出す(連れ出す又は引き出す)作用を成すための連動部材であれば、十分であって、コイルばねや渦巻ばねを揺動腕12に組合わせたり、あるいは、一対のギアの噛合やワイヤ等をもって揺動腕12に置き換える等も自由である。
以上のように、図1〜図42に示した各実施の形態では、第1部材1と、円弧状凸面4を有する第2部材2とを、揺動可能に枢結し、一面側が上記円弧状凸面4に圧接分離自在として対応する円弧状凹面7とされ他面側が上記第1部材1側に形成されたくさび面8に当接する当接面9とされた浮動くさび部材6を備え、上記当接面9が上記くさび面8に当接すると共に上記凹面7と上記凸面4が相互に圧接した圧接状態では、上記第1部材1と上記第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動するのを抑制し、かつ、上記第1部材1と上記第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置Pとすることにより、上記浮動くさび部材6を移動させて上記凸面4から離間させ該凸面4と上記凹面7の圧接を解除した退避状態とし、該退避状態下で、上記第1部材1と上記第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動可能となるように構成され、かつ、上記第1部材1と上記第2部材2を上記最終折畳位置Pから相対的に展開方向Bへ揺動させる展開動作Mの途中に於て、折畳み方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mによって、上記浮動くさび部材6を上記退避状態から上記凸面4との圧接状態に復帰させる復帰手段10を具備した無段階角度調整金具であって、上記円弧状凹面7と円弧状凸面4とが圧接分離自在として対応しつつ相互に圧接した上記圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面7と凸面4を、粗面Z,Zに形成したので、第1部材1と第2部材2を最終折畳位置Pから展開方向Bに揺動させる途中の任意位置にて、折畳み方向Aに少しだけ引き戻すことで、浮動くさび部材6の円弧状凹面7の粗面Zを円弧状凸面4の粗面Zに無段階で確実・迅速に圧接させ、第1部材1と第2部材2が展開方向Bに揺動するのを抑制できる。即ち、粗面Zと粗面Zの相互の圧接状態を解除した後、第1部材1と第2部材2が 180°の角度を成すまで水平展開状とする以前に、第1部材1と第2部材2を所望の傾斜角度で簡単に保持できる。しかも、これ等の揺動は無段階で行われるので家具(座椅子)として騒音も低く、快適性はすばらしく、コンパクトかつ簡素な構造となり、かつ、くさび作用と粗面相互の圧接作用の相乗効果にて、強力な揺動阻止力(回転モーメント)を発生し、安全性も高く、不意に後方へ傾動することもない。
また、復帰手段10は、第2部材2に摺動可能に圧接すると共に第1部材1に対して所定の小角度θの範囲で回動可能に規制される圧接摩擦板13と、その一端3aが圧接摩擦板13に連結され中間部を支点として所定の角度範囲で揺動自在であると共に他端3bが退避状態の浮動くさび部材6に押圧可能に配設された梃子部材3とを、具備し、退避状態下で、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、浮動くさび部材6は退避状態を維持し、かつ、折畳み方向Aへの引返し動作Mにより、圧接摩擦板13が第2部材2との摩擦力によって所定の小角度θだけ回動すると共に梃子部材3が浮動くさび部材6を押圧して移動させ円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態とするように構成されているので、展開動作M中は、誤動作を起すことなく浮動くさび部材6が退避状態を維持でき、かつ、折畳み方向Aへの引返し動作Mによって、浮動くさび部材6を確実に移動させて円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態とでき、粗面Z,Zの相互圧接により強大な揺動阻止力(阻止トルク)を発生して、安全に使用でき、快適性も優れる。
また、復帰手段10は、第2部材2に摺動可能に圧接すると共に第1部材1に対して所定の小角度θの範囲で回動可能に規制される圧接摩擦板13と、その一端11aが圧接摩擦板13に連結され中間部を支点として所定の角度範囲で揺動自在であると共に他端11bが退避状態の浮動くさび部材6に弾発的に当接するように配設された弾性揺動部材11とを、具備し、退避状態下で、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、弾性揺動部材11の他端11bが浮動くさび部材6に非押圧状態で当接すると共に浮動くさび部材6は退避状態を維持し、かつ、折畳み方向Aへの引返し動作Mにより、弾性揺動部材11が弾発力をもって浮動くさび部材6を押圧して移動させ円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態とするように構成されているので、展開動作M中は、誤動作を起すことなく浮動くさび部材6が退避状態を維持でき、かつ、折畳み方向Aへの引返し動作Mによって、浮動くさび部材6を確実に移動させて円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態とでき、粗面Z,Zの相互圧接により強大な揺動阻止力(阻止トルク)を発生して、安全性及び快適性に優れている。
また、復帰手段10は、第2部材2に摺動可能に圧接すると共に第1部材1に対して所定の小角度θの範囲で回動可能に規制される圧接摩擦板13と、浮動くさび部材6に当接して円弧状凸面4に押し付ける方向に弾発付勢するばね部材16と、その一端12aが圧接摩擦板13に連結され中間部を支点O12として所定の角度範囲で揺動自在であると共に他端12bがばね部材16に連結される揺動腕12とを、具備し、退避状態下で、第1部材1と第2部材2の展開方向Bへの展開動作M中は、揺動腕12がばね部材16を第1位置Sに保持して浮動くさび部材6は退避状態を維持し、かつ、折畳み方向Aへの引返し動作Mにより、揺動腕12がばね部材16を第1位置Sから第2位置Sに移動させてばね部材16が浮動くさび部材6に摺接しつつ摩擦力をもって浮動くさび部材6を移動させ円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態とするように構成されているので、展開動作M中は、誤動作を起すことなく浮動くさび部材6が退避状態を維持でき、かつ、折畳み方向Aへの引返し動作Mによって、浮動くさび部材6を確実に移動させて円弧状凸面4と円弧状凹面7を圧接状態とでき、粗面Z,Zの相互圧接により強大な揺動阻止力(阻止トルク)を発生して、安全性及び快適性に優れている。
また、本発明に係る座椅子は、座部31と背部32を有し、背部32の傾斜角度を調整できるよう座部31と背部32との連結部33に無段階角度調整機構を有する無段階角度調整金具30,30を備える座椅子に於て、座部31に対して背部32の起立方向Aへの揺動を可能とし、かつ、背部32が傾倒方向Bへ揺動するのを規制し、さらに、座部31に対し背部32を略垂直状として最終起立姿勢Tとすることにより、規制を解除して背部32の傾倒方向Bへの揺動が可能となるように構成され、背部32を最終起立姿勢Tから傾倒方向Bへ揺動させる展開動作Mの途中に於て、起立方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mによって、傾倒方向Bへの規制を復元し背部32を中間傾斜姿勢Tで保持するように構成されたので、背部32を最終起立姿勢Tとした後、座部31と背部32の成す角度が 180°になるまで背部32を傾倒させる必要なく、最終起立姿勢Tから水平展開姿勢の途中位置で簡単な操作により背部32を中間傾斜姿勢Tとして所望の角度で確実に保持できる。このように、背部32の後方に干渉物が存在しているような狭小な使用場所にあっても、所望の背部傾動姿勢に、容易・迅速に角度調整できて、至便である。しかも、上記中間傾斜姿勢Tへの切換え作動も、静粛に、かつ、高精度な傾斜角度に、快適に行い得る。
次に、図43及び図44に於て、本発明のさらに他の実施の形態を示す。即ち、図44を図42と比較すれば判るように、図42にて述べた復帰手段10を省略し、(引返し動作Mを行っても復帰せず、)図44に示すように、背部32を 180°後方(水平姿勢)に倒して、はじめて粗面Zと粗面Zとが圧接可能状態に復帰する構成である。具体的には、図1における圧接摩擦板13・梃子部材3等の部品を省略した簡易な構造である。
つまり、図43と図44に示す実施の形態では、第1部材1と、円弧状凸面4を有する第2部材2とを、揺動可能に枢結し、一面側が上記円弧状凸面4に圧接分離自在として対応する円弧状凹面7とされ他面側が上記第1部材1側に形成されたくさび面8に当接する当接面9とされた浮動くさび部材6を備え、上記当接面9が上記くさび面8に当接すると共に上記凹面7と上記凸面4が相互に圧接した圧接状態では、上記第1部材1と上記第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動するのを抑制し、かつ、上記第1部材1と上記第2部材2を相対的に折畳み方向Aに揺動させて最終折畳位置Pとすることにより、上記浮動くさび部材6を移動させて上記凸面4から離間させ該凸面4と上記凹面7の圧接を解除した退避状態とし、該退避状態下で、上記第1部材1と上記第2部材2が相対的に展開方向Bへ揺動可能となるように構成された無段階角度調整金具であって、上記円弧状凹面7と円弧状凸面4とが圧接分離自在として対応しつつ相互に圧接した上記圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面7と凸面4を、粗面Z,Zに形成した構成である。
このような構成によって、一部が傾動する家具に用いた場合に、騒音が低く、無段階で(粗面Z,Zの相互圧接による高摩擦抵抗によって)安定して強力に所望の傾斜姿勢に維持される。このように、不意に傾動を発生せず、安全性も高く、家具としての快適性を向上するのに貢献できる無段階の角度調整具である。
ここで、本発明における主要な構成の一つであるところの粗面Z(Z,Z)とは、表面粗さRmax が、10μm〜 400μmの範囲を言う。その粗面Z(Z,Z)は、ショットピーニング加工、サンドブラスト加工、ローレット加工、プレス加工、ダイキャスト加工、鍛造加工、鋳造等にて形成する。
例えば、図45の拡大平面図(A)及び拡大断面図(B)に示すように、不規則な多数の小凹窪部を、サンドブラスト加工やダイキャスト加工や鍛造加工にて形成する。あるいは、図45の拡大平面図(B)及び拡大断面図(B)に示すように、比較的に均等な大きさの多数の小凹窪部をショットピーニング加工やダイキャスト加工や鍛造加工等にて形成する。又は、図45の拡大斜視図(C)と拡大断面図(C)に示すように、小角錐体や小円錐体を整然と、ローレット加工やダイキャスト加工等にて形成する。若しくは、図45の拡大平面図(D)及び拡大断面図(D)〜(D)に各々例示したように、平行状凹凸波形、平行状の小突条、平行状小溝条、平行状三角波形等に、ローレット加工、ダイキャスト加工、打抜プレス加工等にて形成する。なお、図45の(A)〜(D)のいずれにあっても、粗面Z,Zの表面硬度を表面(熱)処理によって高くすることが望ましい。
なお、図45の(A)(A)、(B)(B)、(C)(C)では、文字通りの無段階となり望ましい。
しかし、図45(D)〜(D)に於て、超多段(例えば座椅子用としては70段以上)とすれば、一般の使用者は無段階として体感し、段数を計数することは困難であり、加工の容易性と摩擦抵抗等の品質の安定性の面から、好ましく、実質的に無段階であると言える。
次に、図46〜図61に示した本発明のさらに別の実施の形態について、以下説明する。
この無段階角度調整金具30は、例えば、図61に示した座椅子の座部31と背部32の関節部に配設され、これ以外の家具(ソファ又はベッド、リクライニングチェア、あるいは、フットレストやヘッドレスト付の家具)に使用可能である点は、既述した実施の形態と同様である。
第1部材1は、ケース部46を一体に有し、ケース部46は、丸味のある三角状左右側壁部46A,46Aと、底壁部46Bと、傾斜壁部46Cとを有しており、ケース部46の前方端に短い丸パイプ状取付部18が一体に連設されている。この取付部18は、図61のように座部31の枠体の左右パイプ部に挿入して、固着される。
そして、第2部材2は、丸パイプ状取付部19と、被制動用円形外周面部47を有する円筒突部48,48を備えた板片部49,49とを、溶接等にて一体に構成されている。例えば、円筒突部48は、大き目の貫孔51を有する円環側壁52と、円筒部53と、から成る。しかも、2枚の板片部49,49を、対称形に製作して、平坦面を背中合わせとして、溶接等で一体化し、左右両方向に、円筒突部48,48を突出状に形成する。
上述した円筒突部48の外周面部47が、無段階角度調整において重要な被制動部の機能を発揮し、この被制動用円形外周面部47を、(既述の図1〜図44の実施の形態と同様に、)粗面Z47とする。
このようにして、第2部材2側には、被制動用円形外周面部47を有し、図48,図49,図58の最大展開状態に於て、水平状丸パイプの取付部19よりも上方位置に、被制動用円形外周面部47の円形中心点Osを配設する。
そして、第1部材1側には、前述の外周面部47に、 270°以上にわたり(望ましくは約 360°近くまでにわたって)巻込状として外嵌する巻込部61と、この巻込部61の開口端部62,62から突設された弾性変形自在な長脚63・短脚64と、この長脚63・短脚64の先端を第1部材1のケース部46の側壁部46Aに取着するための第1軸67・第2軸68と、を有している。
上記巻込部61と長脚63と短脚64は、例えば、板素材を打抜き加工(プレス加工)にて打抜形成するのが好ましい。即ち、図47からも明らかなように、2個の(板バネ状の)制動用バネ材60,60を、第1部材1側に設ける。
さらに説明すれば、この制動用バネ材60,60の巻込部61,61は、自由状態における内径寸法を、外周面部47の外径寸法よりも、小さく設定する。これによって、巻込部61,61を外周面部47に外嵌した状態で、巻込部61,61は弾発的縮径力をもって、外周面部47に弾発的に圧接して、制動力(ブレーキ力)を作用させる。
なお、長脚63・短脚64の先端(下端)には、取付孔65・取付孔66が貫設され、かつ、ケース部46の側壁部46A,46Aには取付孔77,77(図47参照)が貫設され、串挿状に、(リベット等から成る)第1軸67・第2軸68が挿通されて、リベット端部(塑性)加工等にて、ケース部46内に、制動用バネ材60,60を収納すると共に、円筒突部48,48及び板片部49の大半部を収納する。
なお、第3軸77は、側壁部46Aの別の孔78に挿通するが、円筒突部48の貫孔51よりも十分に小径であって、十分な円環状間隙Eを形成する。
従って、この第3軸77は、第1部材1と第2部材2とを、枢支するものではない。そして、第1部材1と第2部材2とを枢支するのは、制動用バネ材60の巻込部61の内周面部61Aと、円筒突部48の外周面部47との、嵌合部位である。そして、この嵌合部位を形成する上記(圧接用)内周面部61Aを、(既述の図45のような)粗面Z61とする。(後に詳しく説明するが、)図61に示した(座った人からの)背部32に与えられる大きなベクトル(外力)F は、図51に示した如く、上記嵌合部位に於て、ベクトルF0 及び回転モーメントMとして作用すると、力学上、考えることができる。
このように、図46〜図61の実施の形態に於ては、本発明は、第1部材1と、被制動用円形外周面部47を有する第2部材2とを、備え、上記第1部材1側には、上記外周面部47に巻込状に外嵌されて弾発的縮径力をもって上記外周面部47に弾発的に圧接する巻込部61と、該巻込部61の開口端部 62,62 から突設された弾性変形自在な長脚63・短脚64と、該長脚63・短脚64の先端を第1部材1に取着する第1軸67・第2軸68と、を有する無段階角度調整金具であって、上記外周面部47と、上記巻込部61の圧接用内周面部61Aを、粗面Z47,Z61に形成した構成を示す。
そして、第1軸67の第1軸心点L1 よりも、第2軸68の第2軸心点L2 及び円形外周面部47の円形中心点Os を、後方位置に配設する。かつ、円形中心点Os は第2軸心点L2 よりも後方位置とする。なお、ここで、「後方」とは、図61の座椅子に於て、背部32の存在する座椅子の後方を言う。
図51に示した側面視に於て、第1軸心点L1 と円形中心点Os とを結んだ第1直線N1 が、水平線Hに対して成す傾斜角度θは、図59に示した座椅子の使用状態の側面図に於て、背部32の使用状態傾動角度範囲αの略半分に設定されている点が、本発明の一つの特徴である。
上記使用状態傾動角度範囲αとは、通常、図59の背部の(水平線に対する)傾斜角度βは、0°から80°乃至90°の間で変化させる必要があるため、80°≦α≦90°であると言える。なお、図59に於て、背部の(水平線に対する)傾斜角度の一例として、0°,40°,80°, 108°の場合を、β,β40,β80,β108 と表示したが、結局、図59の具体例では、α=80°の場合を一例として図示したものである。そして、β80からβ108 の範囲は、最大折り畳み状態(80°)からさらに最終折畳位置Pまで折り畳んで角度保持を解除させるために背部32を揺動させる角度範囲であって、図52,図53から図54,図55のように、第2部材2を反時計方向に揺動させて、外周面部47に対して、制動用バネ材60の巻込部61の弾発的締付力を解除して、角度保持を解除させる角度範囲である。
言い換えると、背部32が座った人Pのもたれ掛る力(ベクトルF0 )を受け止めて、支持するのは、図59の具体例では、βからβ80の使用状態傾動角度範囲αが80°の場合を例示しており、図51に示した前記傾斜角度θは、その使用状態傾動角度範囲αの略半分である。
一般式をもって示せば、本発明に於て、上記「略半分」が、θとαとをもって示した下記数式を充足することが好ましい。
(α/2−10°)≦θ≦(α/2+10°)
故に、例えば、α=80°の場合は、30°≦θ≦50°に設定し、α=90°の場合は、35°≦θ≦55°に設定することとなる。
さらに望ましくは、「略半分」として、次の数式を充足するように、θを設定する。
(α/2−5°)≦θ≦(α/2+5°)
故に、例えば、α=80°の場合は、35°≦θ≦45°に設定し、α=90°の場合には、40°≦θ≦50°に設定することとなる。
次に、長脚63と短脚64と巻込部61から成る制動用バネ材(弾性バンド部材)60が、(図59の)座った人Pが背部32に与える外力(ベクトル)Fを受け持つこと、即ち、制動用バネ材(弾性バンド部材)60を介して、座った人Pが背部32に与える外力(ベクトル)Fを 100%、第1部材1側へ伝達すること、に関して、以下説明する。
左右一対の巻込部61と、左右一対の円筒部53の外周面部47との嵌合によってのみ、第2部材2が第1部材1に対して揺動可能に枢支されている構造であることは、第3軸77が(円環状間隙Eを介して)貫孔51に遊嵌されている点から、明らかである。
図61,図51,図59に示すように、第2部材2側の背部32に作用するベクトルF0 が、外周面部47と巻込部61との嵌合部位(粗面Z47と粗面Z61の圧接部位)を介して、さらに、長脚63と短脚64を介して(かつ、第1軸67と第2軸68を介して)、第2部材2側から第1部材1側へ 100%伝達されるように構成されている。
図51に示すように、大きな外力(ベクトル)Fは、全て外周面部47と巻込部61の嵌合部位(粗面Z47と粗面Z61の圧接部位)を介して伝達され、このベクトルFによって、第1直線Nが後下方(図50の矢印R参照)へ傾動するように、長脚63・短脚64・巻込部61から成る制動用バネ材60が弾性変形しつつ、巻込部61の粗面Z61が外周面部47の粗面Z47に追加圧接力を付与する。
既述の如く、自由状態下で巻込部61の内径寸法は外周面部47の外径寸法よりも、小さく設定されており、常時弾発的に圧接力(基本的圧接力)を発生しているが、(図61と図59のように、)座った人PからのベクトルFが背部32に付与されると、図51の矢印Mにて示す回転モーメントにて巻込部61が嵌合部位の摩擦力にて巻込状に締付けると同時に、ベクトルFによって、第1軸67と第2軸68にて固着された長脚63・短脚64の先端(下端)を(静止した)ベースとして、巻込部61(円筒突部48)が、図50の矢印Rの方向に微小移動するように、制動用バネ材60が曲げ弾性変形及び部分的圧縮変形を発生し、いわば巻込部61の外周面部47に対する締付力が強力に発生し、しかも、粗面Z47と粗面Z61との圧接摩擦抵抗との相乗効果によって、強力な制動力(ブレーキ力)を生じ、外周面部47との相対的滑りを強力に阻止できる構造である。
また、弾性バンド部材としての制動用バネ材60の巻込部61(の全体又は大部分)は、図58に示すように、ラジアル方向の幅寸法Wが、アキシャル方向の厚さ寸法Tよりも大きく、いわゆる縦添え巻きとする。このように、W>Tとすることにより、(図50と図51等をもって述べた)外力(ベクトル)Fと回転モーメントMに対応して、矢印R方向へ適度の抵抗を示しつつ、外周面部47に対する強力な締付力(制動力)を発生できる。(即ち、W≦Tの場合には、矢印R方向に過大に弾性変形してしまって、締付力を十分に発生できない。)
図60は、横軸に、座椅子の背部32の傾斜角度βを採り、縦軸に制動力Mを採った実測図である。図59に例示したように傾動角度範囲αを80°とすると共に、図51に示した傾斜角度θを40°に設定すると共に、外周面部47と内周面部61Aを、粗面Z47,Z61―――図45の(D)(D)に示したようにローレット加工によってRmax = 200μmの粗面―――としたものを、図60中に本発明実施例1として実線にて示す。
他方、図60中の2点鎖線は、θを40°に保ちつつ、実施例1に於ける粗面Z47,Z61を無くして、平滑面(Rmax ≦5μm)とした比較例1である。
また、図60中の別の実線は、θを0°に設定し、かつ、Rmax =50μmの粗面Z47,Z61に、サンドブラスト加工にて、図45の(A)(A)の如く形成した実施例2を示す。
そして、図60中の破線は、傾斜角度θを0°に設定し、かつ、粗面Z47,Z61を無くして、平滑面(Rmax ≦5μm)とした比較例2を示す。
この図60から以下の点が明らかとなる。
(i) 全体の形状が同じ(図46〜図58参照)であっても、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1のように粗面Z47,Z61を具備するか、比較例1のように平滑面を備えるかによって、制動力(制動回転モーメント)に大きな差異を示し(前者が著しく大きい)、しかも、背部の傾斜角度βの全範囲にわたって、平均的な(安定した)制動力を示している。
(ii) 実施例2は、実施例1と比較すると、背部32が最大展開状態近傍(βが0°近くの範囲)では強大な制動力Mを発生する。しかし、背部32を起立してゆくに従って、その制動力が減少する。しかしながら、背部32の最大展開状態近傍(βが約80°)に於ても、その制動力の値が、座った人Pから受ける外力(ベクトル)Fに伴って発生する最大予測回転モーメントよりも大きいならば、実用上何ら問題なく、使用できる。つまり、本発明に於て、粗面Z47,Z61とする構成が重要であって、傾斜角度θは、0°〜60°の範囲で用途とコンパクト化の容易性等によって、選定可能である。
(iii) 実施例2は、比較例2に比較すると、制動力が多きい。即ち、粗面Z47,Z61の作用・効果が著大であることが判明した。比較例2は、βが80°に近づくと、座った人Pが急激に背部32へもたれ掛ると後方へ不意に倒れて、危険が高いと言える。
(iv) 図60から明らかに、実施例1が最も優れた特性を示し、粗面Z47,Z61にて安定して全体に大きな制動力を発揮し、しかも、背部32の傾斜角度範囲αの半分の傾斜角度40°にて最大の制動力Mを発生し、傾斜角度βが0°から80°の全傾斜角度βにて、大きな制動力Mを発生でき、図59に示した背部32が、最大展開状態から中間傾斜状態を経て最大折り畳み状態にわたる傾動角度範囲αの全域にて、安定して強力に各傾斜角度βを維持できて、安全性に優れていることを示す。
ところで、本発明は、制動力解除手段を備え、この解除手段は、極めて簡易かつ簡素な構造をもって構成される。即ち、図47〜図58に於て、巻込部61の開口端部62,62の対向面の一方(長脚63側)には、深凹窪部71と浅凹窪部72を近接して並設し、対向面の他方(短脚64)にはラジアル方向平滑面73とラジアル外端小突部74を形成する。浅凹窪部72をラジアル外方側に配設する。浮動カムピン70を、上記平滑面73と、深凹窪部71と浅凹窪部72との間隙部に、介装して、このカムピン70が深凹窪部71に存在するときは、巻込部61は、その弾発付勢力をもって、外周面部47を圧接自在であり、かつ、図51に示したように、外力(ベクトル)Fが背部32に作用した際に一層強力に巻込部61が外周面部47を締付ける(圧接する)ことも、可能な状態―――制動可能状態―――にある(図48,図49,図50,図51,図52,図53,図58参照)。
そして、カムピン70が浅凹窪部72に存在するときは、巻込部61は、外周面部47を圧接しない状態となり、(粗面Z47と粗面Z61とが僅かに遊離して制動力が作用しない)フリー状態として、第2部材2は、自由に揺動できる(図54,図55,図56,図57参照)。但し、図59のβ108 の状態下では、図54に示すように、第1部材1のケース部46の一部46Dと、第2部材2の一部2Aが当接し、それ以上は折り畳まれないで停止させている。
このように、制動力作動状態と制動力解除状態とに切換るように、平滑面73と、深凹窪部71・浅凹窪部72の間隙寸法、及び、カムピン70の外径寸法を、設定する。
なお、図示省略するが、長脚63・短脚64の対向面に、深凹窪部71・浅凹窪部72を配設するも、自由である。
次に、図54・図55から図56・図57の状態へ揺動する際(即ち、展開方向へ戻す際)には、カムピン70は、浅凹窪部72に存在し、巻込部61の内周面の粗面Z61は外周面部47の粗面Z47から少し遊離しており、自由に第2部材2が図の時計廻りに揺動できる。ところが、図56に示すように、第2部材2の板片部49には、制動可能状態への切換用小突部75が設けられており、図56・図57の状態から第2部材2を(図の時計方向に)さらに(展開)揺動させると、この小突部75によって、カムピン70がラジアル内方向へ押圧されて、浅凹窪部72から深凹窪部71へ(強制的に)移されて、粗面Z61と粗面Z47が圧接状態となって、図58と図48・図49に示す制動可能状態に切換る。
長脚63と短脚64を有する制動用バネ材60の長脚63と短脚64を前と後ろに配設し、かつ、既説の構成としたので、第2部材2を図の反時計方向へ揺動して、図50・図51を経て図52・図53の状態まで折り畳むことは、背部32を少しの手の力をもって起こしてやれば、容易である。即ち、外力Fが図61,図51に示す方向に作用するときには、本発明に係る制動用バネ材60は外周面部47を強力に締付けて(圧接して)、粗面Z61と粗面Z47の圧接による高摩擦抵抗力によって、制動作用をなすのであるが、背部32を起立方向(折畳方向)に人力にて揺動させる際は、軽い摩擦力が作用するのみであって、容易に起こすことができる。
図52・図53の状態から、さらに、図の反時計方向へ揺動させると、図54・図55に示すように、カムピン70が、浅凹窪部72に押込まれるが、この押込みのための押込用勾配段付部(非制動への切換用勾配段付部)76が、第2部材2の板片部49に形成されている。
以上述べたように、制動力解除手段は、深凹窪部71と浅凹窪部72、及び、浮動カムピン70と、押込用勾配段付部76等の簡易かつ簡素な構造にて構成され、誤動作なく確実に切換作動する。
また、本発明は制動力復元手段を具備し、その構成は、深凹窪部71と浅凹窪部72、及び、浮動カムピン70と、制動への切換用小突部75等から成り、簡易かつ簡素な構造であって、誤動作なく、確実な切換作動を行う。
図46〜図61にて述べたように、座椅子の座部31側に取着される第1部材1と、背部32側に取着される第2部材2とを、備え;上記第2部材2側には、(粗面Z47とした)被制動用円形外周面部47を有し;上記第1部材1側には、上記外周面部47に巻込状に外嵌されて弾発的縮径力をもって上記外周面部47に弾発的に圧接する(内周面部61Aを粗面Z61とした)巻込部61と、該巻込部61の開口端部62,62から突設された弾性変形自在な長脚63・短脚64と、該長脚63・短脚64の先端を第1部材1に取着する第1軸67・第2軸68と、を有し;上記第1軸67の第1軸心点L1よりも、上記第2軸68の第2軸心点L2及び上記円形外周面部47の円形中心点Osを、後方位置に配設して;上記第1軸心点L1と上記円形中心点Osとを結んだ第1直線N1が水平線Hに対して成す傾斜角度θを、上記背部32の使用状態傾動角度範囲αの略半分となるように設定した構成であるので、部品点数も少なく、小型であり、手動操作レバーを省略できた簡素な構成であって、座椅子として特に好適である。しかも、背部32を無段階で所望の角度βまで起立してゆけば、直ちに、その所望角度で(粗面Z47,Z61相互の圧接によって、)強力に、(後方への)倒れが阻止され、座った人Pが急激に背部32へもたれて、大きな外力Fが作用しても、不意に、ズルズルと滑り揺動する危険性がない。
特に、座椅子として使用される(80°〜90°の)傾動角度範囲αの背部32のいずれの傾斜角度βに於ても、略均等な制動力を発揮させることができる。
また、上記略半分とは、上記θとαとをもって示した不等式(α/2−10°)≦θ≦(α/2+10°)を充足させているので、座椅子に使用した場合に、図60に示したように、背部の傾斜角度βの現実の使用範囲に於て、実施例1では、必要制動力(最大予想回転モーメント)よりも、十分に大きくすることが、可能となった。また、粗面Z47,Z61相互の圧接に伴って、θが上記数式から外れた場合、例えば、θ=0°の場合にも、実施例2に示した如く、現実の使用範囲に於て、必要制動力以上の制動力を発揮する。
また、上記巻込部61と上記外周面部47との嵌合によって第2部材2が第1部材1に対して揺動可能に枢支され、上記第2部材2側の上記背部32に作用するベクトルFが、上記外周面部47と上記巻込部61との嵌合部位を介して、さらに、上記長脚63と短脚64を介して、上記第1部材1側へ 100%伝達されるように構成され、上記ベクトルFによって、上記第1直線Nが後下方へ傾動するように、上記長脚63・短脚64・巻込部61から成る制動用バネ材60が弾性変形しつつ該巻込部61が上記外周面部47に追加圧接力を付与するように構成したので、(従来のように、回転力のみを制動する無段階角度調整金具に比べて)力学上、極めて合理的に、制動用バネ材60の弾性的曲げ変形及び弾性的バンド絞り変形等による、外周面部47への圧接力を、活用している。
また、上記制動用バネ材60の上記巻込部61は、ラジアル方向の幅寸法Wが、アキシャル方向の厚さ寸法Tよりも大きな形状であるので、全体が小型の制動用バネ材60をもって、強大かつ安定した制動力を発生可能となる。
次に、図46〜図58にて既述した実施の形態に於て、あるいは、図51等にて説明した傾斜角度θを0°乃至小さい角度とした実施の形態に於て、上記第1部材1と上記第2部材2を最終折畳位置Pから相対的に展開方向Bへ揺動させる展開動作Mの途中に於て、折畳み方向Aへの所定の小角度θの引返し動作Mによって、上記巻込部61の上記開口端部 62,62 の間隔を増加させる浮動カムピン70を移動させて、上記巻込部61の上記外周面部47への上記巻込部61の圧接状態に復帰させる復帰手段10を具備している構成としても良い(図42参照)。
即ち、図1〜図42に於て説明した復帰手段10と同様の作用(機能)を、図46〜図58、又は、θを0°乃至小さい角度とした実施の形態に付設しても良く、座椅子等の家具として、図42と同じ作動を行い、図1〜図42の場合と、同様の効果を奏する。
1 第1部材
2 第2部材
3 梃子部材
3a 一端
3b 他端
4 円弧状凸面
6 浮動くさび部材
7 円弧状凹面
8 くさび面
9 当接面
10 復帰手段
11 弾性揺動部材
12 揺動腕
13 圧接摩擦板
30 無段階角度調整金具
31 座部
32 背部
47 (被制動用円形)外周面部
60 制動用バネ材
61 巻込部
61A 内周面部
62 開口端部
63 長脚
64 短脚
67 第1軸
68 第2軸
70 浮動カムピン
A 折畳み方向(起立方向)
B 展開方向(傾倒方向)
H 水平線
第1直線
展開動作
引返し動作
最終折畳位置
,Z,Z47,Z61 粗面
θ 小角度
θ 傾斜角度

Claims (5)

  1. 浮動くさび部材(6)の円弧状凹面(7)と、該凹面(7)が圧接分離自在として対応する円弧状凸面(4)とが相互に圧接した圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面(7)と凸面(4)を、粗面(Z)(Z)に形成したことを特徴とする無段階角度調整金具。
  2. 第1部材(1)と、円弧状凸面(4)を有する第2部材(2)とを、揺動可能に枢結し、一面側が上記円弧状凸面(4)に圧接分離自在として対応する円弧状凹面(7)とされ他面側が上記第1部材(1)側に形成されたくさび面(8)に当接する当接面(9)とされた浮動くさび部材(6)を備え、上記当接面(9)が上記くさび面(8)に当接すると共に上記凹面(7)と上記凸面(4)が相互に圧接した圧接状態では、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)が相対的に展開方向(B)へ揺動するのを抑制し、かつ、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)を相対的に折畳み方向(A)に揺動させて最終折畳位置(P)とすることにより、上記浮動くさび部材(6)を移動させて上記凸面(4)から離間させ該凸面(4)と上記凹面(7)の圧接を解除した退避状態とし、該退避状態下で、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)が相対的に展開方向(B)へ揺動可能となるように構成された無段階角度調整金具であって、
    上記円弧状凹面(7)と円弧状凸面(4)とが圧接分離自在として対応しつつ相互に圧接した上記圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面(7)と凸面(4)を、粗面(Z)(Z)に形成したことを特徴とする無段階角度調整金具。
  3. 第1部材(1)と、円弧状凸面(4)を有する第2部材(2)とを、揺動可能に枢結し、一面側が上記円弧状凸面(4)に圧接分離自在として対応する円弧状凹面(7)とされ他面側が上記第1部材(1)側に形成されたくさび面(8)に当接する当接面(9)とされた浮動くさび部材(6)を備え、上記当接面(9)が上記くさび面(8)に当接すると共に上記凹面(7)と上記凸面(4)が相互に圧接した圧接状態では、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)が相対的に展開方向(B)へ揺動するのを抑制し、かつ、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)を相対的に折畳み方向(A)に揺動させて最終折畳位置(P)とすることにより、上記浮動くさび部材(6)を移動させて上記凸面(4)から離間させ該凸面(4)と上記凹面(7)の圧接を解除した退避状態とし、該退避状態下で、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)が相対的に展開方向(B)へ揺動可能となるように構成され、かつ、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)を上記最終折畳位置(P)から相対的に展開方向(B)へ揺動させる展開動作(M)の途中に於て、折畳み方向(A)への所定の小角度(θ)の引返し動作(M)によって、上記浮動くさび部材(6)を上記退避状態から上記凸面(4)との圧接状態に復帰させる復帰手段(10)を具備した無段階角度調整金具であって、
    上記円弧状凹面(7)と円弧状凸面(4)とが圧接分離自在として対応しつつ相互に圧接した上記圧接状態における揺動阻止トルクを増大させるために、上記凹面(7)と凸面(4)を、粗面(Z)(Z)に形成したことを特徴とする無段階角度調整金具。
  4. 第1部材(1)と、被制動用円形外周面部(47)を有する第2部材(2)とを、備え、上記第1部材(1)側には、上記外周面部(47)に巻込状に外嵌されて弾発的縮径力をもって上記外周面部(47)に弾発的に圧接する巻込部(61)と、該巻込部(61)の開口端部(62)(62) から突設された弾性変形自在な長脚(63)・短脚(64)と、該長脚(63)・短脚(64)の先端を第1部材(1)に取着する第1軸(67)・第2軸(68)と、を有する無段階角度調整金具であって、
    上記外周面部(47)と、上記巻込部(61)の圧接用内周面部(61A)を、粗面(Z47)(Z61)に形成したことを特徴とする無段階角度調整金具。
  5. 第1部材(1)と、被制動用円形外周面部(47)を有する第2部材(2)とを、備え、上記第1部材(1)側には、上記外周面部(47)に巻込状に外嵌されて弾発的縮径力をもって上記外周面部(47)に弾発的に圧接する巻込部(61)と、該巻込部(61)の開口端部(62)(62) から突設された弾性変形自在な長脚(63)・短脚(64)と、該長脚(63)・短脚(64)の先端を第1部材(1)に取着する第1軸(67)・第2軸(68)と、を有する無段階角度調整金具であって、
    上記外周面部(47)と、上記巻込部(61)の圧接用内周面部(61A)を、粗面(Z47)(Z61)に形成し、
    さらに、上記第1部材(1)と上記第2部材(2)を最終折畳位置(P)から相対的に展開方向(B)へ揺動させる展開動作(M)の途中に於て、折畳み方向(A)への所定の小角度(θ)の引返し動作(M)によって、上記巻込部(61)の上記開口端部 (62)(62) の間隔を増加させる浮動カムピン(70)を移動させて、上記巻込部(61)の上記外周面部(47)への上記巻込部(61)の圧接状態に復帰させる復帰手段(10)を具備していることを特徴とする無段階角度調整金具。
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