JPH0919339A - 関節金具 - Google Patents

関節金具

Info

Publication number
JPH0919339A
JPH0919339A JP16767595A JP16767595A JPH0919339A JP H0919339 A JPH0919339 A JP H0919339A JP 16767595 A JP16767595 A JP 16767595A JP 16767595 A JP16767595 A JP 16767595A JP H0919339 A JPH0919339 A JP H0919339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
metal fitting
curved surface
gap
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16767595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2888776B2 (ja
Inventor
Naritaka Hashida
成敬 橋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hikari Corp
Original Assignee
Hikari Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hikari Corp filed Critical Hikari Corp
Priority to JP16767595A priority Critical patent/JP2888776B2/ja
Publication of JPH0919339A publication Critical patent/JPH0919339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2888776B2 publication Critical patent/JP2888776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chairs Characterized By Structure (AREA)
  • Chairs For Special Purposes, Such As Reclining Chairs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲で無段階の角度調整を可能にする関節
金具として、角度設定した金具の展開方向への回動が強
固に阻止され、座椅子等に適用した場合の背もたれ部が
使用中に不用意に展開方向へ傾動変位せず、安定性に優
れて良好な使用感が得られるものを提供する。 【構成】 水平配置する第一金具1に第二金具2が枢着
され、第二金具2は下部から上部へ向かって第一金具1
との枢着中心Oからの距離が漸次拡大する凸曲面3を有
し、第一金具1側の受けカム部材4の凹曲面6と凸曲面
3との間で、上方側へ漸次広幅となる間隙5が構成さ
れ、間隙5内にその幅の最小部よりも径大のローラ8が
介挿され、第二金具2が持上げ用突起9と蹴出し用突起
11を有し、第二金具2の折畳み方向限度への回動によ
り、持上げ用突起9がローラ8を持ち上げて凹曲面6の
上位のローラ退避部7へ誘導し、第二金具2の展開方向
限度への回動により、蹴出し用突起11がローラ退避部
7にあるローラ8を間隙5へ蹴り出すように設定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】この発明は、相互に屈折し得る二
部材の連結部、特に座椅子、ソファー、ソファーベッド
等の背もたれ部と座部との連結部において背もたれ部の
角度調整を行うのに使用される関節金具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】前記の背もたれ部と座部の如き二部材を
角度調整可能に連結する関節金具として、従来よりラチ
ェット方式によるものが汎用されていた。その代表的な
構造では、ラチェットを備えた金具と爪片を設けた金具
とを連結する枢軸に、該ラチェットと爪片の咬合を規制
するフリーカムが枢支され、一方の金具の折り畳み方向
への作動時に爪片がフリーカムの凹部とラチェットに咬
合して両金具の展開方向回動を阻止すると共に、該凹部
内で爪片をラチェットの次位の歯に順次咬合させること
により両金具の角度調整が行われ、また一方の金具を上
記咬合範囲を越えて折畳み方向に回動させた際に爪片が
フリーカムの案内部に乗合し、両金具の展開方向回動が
可能になり、この展開方向回動の終端で爪片が上記案内
部から離脱し、再び一方の金具を折り畳み方向へ作動し
て前記同様の角度調整を行えるようになっている(実公
昭41−488号、同42−3313号、同54−31
331号、同59−20118号等)。
【0003】しかるに、前記ラチェット方式の関節金具
では、その構造上から連結された二部材の角度調整範囲
が最大5〜6段階程度に限られており、使用者の好みや
疲労度合等に応じた細かい角度調整が不可能であった。
そこで、この出願人は先に、特公平3−68683号と
して、ラチェット方式によらず、軸支された二金具の対
向面間に介在させたローラの動作を利用する係止方式に
より、広範囲で無段階の角度調整を可能とした関節金具
を提案している。
【0004】すなわち、上記提案の関節金具では、第一
金具の円弧面を備えた先端部と第二金具とを該円弧面の
形成円中心で連結すると共に、前記円弧面と第二金具側
に設けたカム部材の対向曲面との間で上方側へ漸次幅狭
となる間隙を構成し、この間隙内にその幅の最小部より
大きく最大部より小さい径のローラを介挿し、且つばね
部材により該ローラを間隙の狭小側へ押圧付勢している
ことから、第一金具の折畳み方向の回動は摩擦抵抗がロ
ーラを間隙幅の拡大する下方向へ転動させるように作用
するために可能であるが、展開方向の回動は逆にローラ
を間隙幅の縮小する上方向へ転動させて該間隙に咬み込
ませるために不能となり、もって第一金具の傾斜角度を
折畳み方向への回動過程で無段階に任意に設定できる。
【0005】しかして、前記第一金具をその角度調整範
囲を越える折畳み位置まで回動させると、当該第一金具
のばね蹴出部が前記ばね部材を蹴って、その先端部を前
記カム部材に設けたばね係止部に係止させ、ローラが間
隙の最大部へ落ち込むため、該第一金具の展開方向への
回動が可能となる。次に、この状態で第一金具をその角
度調整範囲を越える展開位置まで回動させると、当該第
一金具のばね復帰部が前記ばね部材の先端部を前記ばね
係止部から離脱させ、ローラが間隙の狭小側へ押圧付勢
されるから、再び前記同様に第一金具の傾斜角度を折畳
み方向への回動過程で設定できることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案のローラを用いた関節金具では、設定上は角度調整範
囲内において角度調整側の金具の展開方向への回動が阻
止される構造であるが、その回動阻止力が充分ではない
ことから、例えば座椅子、ソファー、ソファーベッド等
の背もたれ部と座部との連結部に用いた場合、背もたれ
部が使用中に次第に展開方向に傾き易く、また振動を受
けたり使用者が身体を揺らした際にも、該背もたれ部が
展開方向へ傾動変位し、そのたびに角度を調整し直す必
要があって非常に煩わしいという問題があった。
【0007】この発明は、上述の状況に鑑み、ローラの
動作を利用する係止方式により広範囲で無段階の角度調
整を可能にする関節金具として、角度調整範囲内におい
て角度調整側の金具の展開方向への回動が強固に阻止さ
れ、もって座椅子、ソファー、ソファーベッド等に利用
した場合、背もたれ部が不用意に展開方向へ傾動変位す
ることがなく、前記提案の関節金具のような該変位によ
る煩わしい角度の再調整が不要となり、安定性に優れて
良好な使用感が得られるものを提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、まず前記提案の関節金具について、角度調整範囲内
で角度調整側の金具の展開方向への回動を確実に阻止で
きない原因を検討した。その結果、この関節金具では、
第一金具の円弧面の形成円中心が第二金具との枢着中心
に一致しているため、ローラが該円弧面とカム部材の対
向曲面との間隙の狭小側に咬み込んだ状態にあっても、
第一金具に加わる展開方向の力によって前記円弧面とロ
ーラとの間で滑りを生じ、もって次第に第一金具が展開
方向へ傾くと共に、ローラを介挿する間隙が下方側へ漸
次幅広となり、金具の角度設定状態において、ローラが
ばね部材によって支承されて該間隙の狭小側へばね力で
上向きに押し付けられているだけであるため、角度調整
側の金具にかかる圧力が増減したとき、ローラが振れ動
いて間隙の狭小側に対する当該ローラの咬み込みに緩み
を生じ、その緩んだ分だけ前記金具が展開方向へ傾動変
位することが判明した。
【0009】そこで、この知見に基づいて更に鋭意検討
を重ねた結果、角度調整側の金具の凸曲面を両金具の枢
着中心を中心とした円弧面とせず、且つローラを介挿す
る間隙を前記とは逆に上方側へ漸次幅広となるように設
定すれば、ローラの咬み込み状態において当該ローラと
上記凸曲面との間で滑りを生じることがなく、また振動
を受けたり使用者が身体を揺らしたりして角度調整側の
金具にかかる圧力の変動があっても、該間隙の狭小側に
対するローラの咬み込み状態が変化せず、もって角度調
整側の金具の展開方向への傾動変位を確実に阻止でき、
また関節金具全体としての構造も簡素化できることを見
出し、この発明をなすに至った。
【0010】すなわち、この発明の請求項1に係る関節
金具は、図面の参照符号を付して示せば、水平配置して
ケーシング(10)を形成する第一金具(1)と、前記ケ
ーシング内(10)に嵌挿した下端部(2b)で前記第一金
具(1)に垂直面内回動自在に枢着された第二金具
(2)と、前記ケーシング(10)の内底部に固定された
受けカム部材(4)とを具備し、前記第二金具(2)の
下端部周面には、その下部から上部へ向かって第一金具
(1)との枢着中心(O)からの距離を漸次拡大する凸
曲面(3)が形成され、前記受けカム部材(4)は、前
記凸曲面(3)との間で上方側へ漸次広幅となる間隙
(5)を構成する凹曲面(6)と、該凹曲面(6)の上
端より前記枢着中心(O)から遠ざかる方向に凹陥した
ローラ退避部(7)とを備え、前記間隙(5)内に、そ
の幅の最小部よりも大きく最大部よりも小さい径を有す
るローラ(8)が転動自在に介挿され、前記第二金具
(2)には、前記凸曲面(3)よりも下位側の持上げ用
突起(9)と、該凸曲面(3)よりも上位側の蹴出し用
突起(11)とが設けられ、前記持上げ用突起(9)は、
第二金具(2)を角度調整範囲を越えて第一金具(1)
に対する折り畳み方向へ回動した際に、前記ローラ
(8)を持ち上げて前記ローラ退避部(7)へ誘導する
一方、前記蹴出し用突起(11)は、第二金具(2)を角
度調整範囲を越えて第一金具に対する展開方向へ回動し
た際に、前記ローラ退避部(7)にあるローラ(8)を
蹴り出して前記間隙(5)へ落とし込むように設定され
てなるものである。
【0011】また、請求項2の発明は、上記請求項1の
関節金具において、第一金具(1)のケーシング(10)
内に、前記間隙(5)内にあるローラ(8)を下方側へ
押し付けると共に、前記ローラ退避部(7)にあるロー
ラ(8)を当該退避部(7)に保持するように付勢する
ばね部材(12)が取り付けられてなる構成を採用したも
のである。
【0012】更に、請求項3の発明は、上記請求項1又
は2の関節金具において、第二金具(2)の凸曲面
(3)は、その形成円中心(P)を第一金具(1)との
前記枢着中心(O)よりも上位とする円弧に沿うと共
に、受けカム部材(4)の凹曲面(6)は、その形成円
中心(Q)を第二金具(2)の前記凸円弧面の形成円中
心(P)よりも上位とする円弧に沿う構成を採用したも
のである。
【0013】請求項1の構成では、第二金具(2)の角
度調整範囲内において、ローラ(8)は、上方側へ漸次
広幅となる間隙(5)内でローラ径と間隙幅が一致する
位置にあり、第二金具(2)の凸曲面(3)と受けカム
部材(4)の凹曲面(6)との両方に接している。この
状態で第二金具(2)を第一金具(1)に対する折畳み
方向へ回動させようとした場合、前記円弧面(3)との
摩擦抵抗がローラ(8)を間隙幅の広い上方側へ転動さ
せるように働くと共に、第二金具(2)の凸曲面(3)
が下部から上部へ向かって第一金具(1)との枢着中心
(O)からの距離を漸次拡大する形状であるため、上記
回動によりローラ(8)位置での間隙(6)自体が拡が
ることになり、間隙(5)に対するローラ(8)の咬み
込みが解かれるから、第二金具(2)の折畳み方向への
回動は規制されない。
【0014】しかるに、第二金具(2)を逆に展開方向
へ回動させようとした場合、前記摩擦抵抗がローラ
(8)を間隙幅の狭い下方側へ転動させるように働くこ
とに加え、第二金具(2)の凸曲面(3)が既述の形状
であるため、上記回動はローラ(8)位置での間隙
(6)自体を狭めることになり、該ローラ(8)の間隙
(5)に対する咬み込みが強まるから、第二金具(2)
の展開方向への回動は確実に阻止される。また、第二金
具(2)に展開方向への力が継続的に加わっても、凸曲
面(3)の既述形状によって咬み込み位置でのローラ
(8)と凸曲面(3)との間で滑りを生じることがな
く、第二金具(2)は前記折畳み方向への回動によって
設定した角度を保持する。更に、間隙(5)が下方を狭
小側とし、これに嵌挿したローラ(8)は自重が常に間
隙(5)への咬み込み方向に作用するため、上記第二金
具(2)の角度設定状態で振動を受けたり、該第二金具
(2)にかかる圧力が変動しても、ローラ(8)の咬み
込みは緩まず、もって第二金具(2)は不用意に展開方
向へ傾動変位することがなく定姿勢を維持する。
【0015】一方、第二金具(2)を先に設定した姿勢
よりも展開方向へ傾く状態に変える場合は、一旦、当該
第二金具(2)を折畳み方向へ倒す。これにより、ロー
ラ(8)が凸曲面(3)の下位側にある持上げ用突起
(9)にてすくい上げられ、受けカム部材(4)の凹曲
面(6)上を転動しつつ昇り詰めて自然にローラ退避部
(7)へ嵌まり込み、第二金具(2)は展開方向へ回動
可能となる。次に、該第二金具(2)を引き起こして展
開方向の限界まで倒すと、凸曲面(3)の上位側にある
蹴出し用突起(11)がローラ(8)をローラ退避部
(7)から蹴り出して間隙(5)へ落とし込み、このロ
ーラ(8)が再び凸曲面(3)と凹曲面(6)との両方
に接する咬み込み位置に戻るから、第二金具(2)は持
上げ用突起(9)が該ローラ(8)に当接する角度位置
まで折畳み方向のみ回動可能となり、この折畳み方向へ
の回動によって該第二金具(2)を所望の角度姿勢に設
定できる。
【0016】請求項2の構成では、ローラ(8)が間隙
(5)内においてばね部材(12)によって咬み込み側へ
押圧されているため、第二金具の設定姿勢がより安定化
すると共に、第二金具(2)を展開方向へ倒して角度を
再設定する場合に、該ばね部材(12)によって前記ロー
ラ退避部(11)にローラ(8)が安定に保持されるた
め、折畳み状態から展開方向への第二金具(2)の回動
操作の確実性が増す。
【0017】請求項3の構成では、第一金具(1)の凸
曲面(3)と受けカム部材(4)の凹曲面(6)が共に
円弧であるため、その製作・加工が容易である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の一実施例を図
面を参照して説明する。なお、図1は関節金具の角度設
定状態における縦断側面図、図2は該関節金具を適用し
た座椅子フレームの側面図、図3は同適用状態での関節
金具の背面図、図4は同適用状態での図1のIV−IV
線における断面矢視図、図5及び図6は該関節金具の角
度再調整時の動作を示す縦断側面図である。
【0019】これら図において、(1)は水平配置する
第一金具であって、左右の側壁部(10a ),(10a )と
底壁部(10b )とからなる上方に開放した横長のケーシ
ング(10)を形成しており、その両側壁部(10a ),
(10a )には、中央よりやや後方寄り位置して周縁(13
a )を内向きにバーリング加工した左右一対の軸孔(1
3)と、前部側に位置した左右二対の取付孔(14a ),
(14a )とが穿設されている。そして、該ケーシング
(10)の後端内底部には、焼入れ鋼よりなる受けカム部
材(4)が両側壁部(10a ),(10a )間にわたって貫
通する2本のボルト(15a )(15a )にナット(15b
),(15b )を螺合緊締することによって固着されて
いる。(15c )は各ボルト(15a )に外嵌された筒状ス
ペーサであり、受けカム部材(4)の両側面と両側壁部
(10a ),(10a )の内面との間に介在している。
【0020】(2)は帯板状上部(2a)とリング状下部
(2b)を有する第二金具であり、同一形状の二枚の板材
(16a ),(16a )が下部(2b)側でリング状スペーサ
(16b )(図4参照)を介して溶接一体化されてなり、
リング状下部(2b)を第一金具(1)のケーシング(1
0)内に挿嵌した状態で、該下部(2b)に回転自在に挿
通した枢軸(17)の両端を第一金具(1)の軸孔(1
3),(13)に嵌合して溶接固着することにより、第一
金具(1)に対して前後回動自在に枢着されている。
【0021】この第二金具(2)のリング状下部(2b)
における後方側の略半周部には、焼入れ鋼よりなる断面
T字形(図4参照)の補強用弧状部材(18)が両板材
(16),(16)間に嵌合した状態で溶接固着されてお
り、該弧状部材(18)の外周面が枢軸(17)の軸心
(O)よりも僅かに後方斜め上に偏心した点(P)を形
成円中心とする円弧に沿う凸曲面(3)を構成する。従
って、この凸曲面(3)は、その下部から上部へ向かっ
て第一金具(1)との枢着中心(軸心O)からの距離が
漸次拡大する形になっている。そして、該弧状部材(1
8)には前記凸曲面(3)の下位に半径方向に突出する
持上げ用突起(9)が一体形成されている。また帯板状
上部(2a)には、後側縁のリング状下部(2b)に近い位
置より後方へ突出する斧刃状の焼入れ鋼よりなる蹴出し
用突起(11)が設けられると共に、該突起(9)より上
位に上下一対の取付孔(14b ),(14b )が穿設されて
いる。
【0022】受けカム部材(4)は、その前縁が前記第
二金具の凸曲面(3)の形成円中心(P)よりも更に後
方斜め上に偏心した点(Q)を中心とする円弧に沿う凹
曲面(6)をなし、この凹曲面(6)と前記第二金具
(2)の凸曲面(3)との間で上方側へ漸次広幅となる
間隙(5)を構成すると共に、該凹曲面(6)の上端よ
り前記軸心(O)から遠ざかる方向に円弧状に凹陥した
ローラ退避部(7)を備え、且つ上端部には上端面より
ローラ退避部(7)の若干下位に達する前後方向に沿う
突起嵌入溝(4a)が形成されている。そして、この突起
嵌入溝(4a)には前記第二金具(2)の蹴出し用突起
(11)が嵌入し得るように設定されている。
【0023】前記凸曲面(3)と凹曲面(6)との間隙
(5)内には、その最小幅(凹曲面6の下端位置)より
も大きく最大幅(凹曲面6の上端位置)よりも小さい径
を有する焼入れ鋼よりなるローラ(8)が転動自在に介
挿されている。また左右の軸孔(13),(13)の内向き
突出した各周縁(13a )にはタコばね(12)が巻装さ
れ、これらタコばね(12),(12)の遊端(12a )側で
前記ローラ(8)が下方へ押圧付勢されている。なお、
両タコばね(12),(12)は固定端(12b )で一体化さ
れており、該固定端(12b )をケーシング(10)の両側
壁部(10a ),(10a )間に架設されたばね係止ピン
(19)に係嵌している。
【0024】この関節金具を例えば図2の如く座椅子
(20)の座部(21)と背もたれ部(22)との連結部に利
用する場合、座部(21)のパイプフレーム(23)は、図
4に示すように、その端部(23a )を第一金具(1)の
ケーシング(10)の前部に嵌挿し、各取付孔(14a )よ
りボルト(25a )を該端部(23a )に貫通させ、ナット
(25b )を螺合緊締することにより、該第一金具(1)
に一体的に連結する。(25c )はケーシング(10)とパ
イプフレーム(23)との間隙に対応して前記ボルト(25
a )に嵌装したリングスペーサである。一方、背もたれ
部(22)のパイプフレーム(26)は、図3に示すよう
に、プレス加工により偏平化した端部(26a)を第二金
具(2)の板材(16a ),(16b )間に挿嵌し、各取付
孔(14b )においてリベット(27)で該端部(26a )を
固定するか、あるいはボルト止めや溶接を行うことによ
り、第二金具(2)に一体的に連結する。
【0025】上記構成の関節金具にあっては、ローラ
(8)が図1の如く間隙(5)内にあるとき、該ローラ
(8)は、自重による重力作用とタコばね(12)の付勢
により、その径と間隙幅が一致する位置にあり、第二金
具(2)の凸曲面(3)と受けカム部材(4)の凹曲面
(6)との両方に接している。この状態で第二金具
(2)に矢印Aの如く第一金具(1)に対する折畳み方
向に力を加えると、前記凸曲面(3)との摩擦抵抗によ
りローラ(8)が間隙幅の広い上方側へ転動しようと
し、且つ第一金具(1)の折畳み方向への回動がローラ
(8)位置での間隙(6)自体を拡げることになるか
ら、間隙(5)に対するローラ(8)の咬み込みが解か
れ、該第二金具(2)は折畳み方向へ回動する。しかる
に、該第二金具(2)に逆に矢印Bの如く展開方向へ力
を加えると、前記摩擦抵抗がローラ(8)を間隙幅の狭
い下方側へ転動させる方向に作用し、加えて第一金具
(1)の回動がローラ(8)位置での間隙(6)自体を
狭める方向になり、該ローラ(8)の間隙(5)に対す
る咬み込みが強まるだけであるため、該第二金具(2)
は展開方向へは回動不能である。
【0026】従って、第二金具(2)は、例えば図1の
二点鎖線→一点鎖線→実線のように、折畳み方向へ回動
する途中で単に該回動を停止すれば、その停止時の角度
姿勢が保たれる。これは例えば図2のように座椅子(2
0)に適用した場合、背もたれ部(22)の起立姿勢をそ
の後傾度合が少なくなる方向に無段階に任意に設定でき
ることになる。しかして、第一金具(1)の展開方向へ
の回動はローラ(8)位置での間隙(6)自体を狭める
形になるから、使用者が背もたれ部(22)に上半身を預
けることにより、第二金具(2)に継続的に展開方向へ
の圧力が加わっても咬み込み位置でのローラ(8)と凸
曲面(3)との間で滑りを生じることがなく、第二金具
(2)の角度姿勢は不変である。またローラ(8)の自
重は常に間隙(5)への咬み込み方向に働いているた
め、例えば使用者が座椅子(20)に着いたり離れる際に
振動を受けたり、使用中に身体を揺すったり背方への身
体のもたれ度合を変える等で第二金具(2)にかかる圧
力が変動しても、ローラ(8)の咬み込みは緩まず、も
って第二金具(2)(背もたれ部22)が不用意に展開
方向へ傾動変位することはない。
【0027】一方、第二金具(2)(背もたれ部22)
を先に設定した姿勢よりも展開方向へ傾く姿勢(後傾を
大きくする姿勢)に変える場合は、一旦、当該第二金具
(2)を折畳み方向へ倒す。この操作により、ローラ
(8)は、第二金具(2)の持上げ用突起(9)にすく
い上げられ、図5の二点鎖線で示すように、たこばね
(12)の付勢に抗して凹曲面(6)上を転動しつつ持ち
上げられ、該凹曲面(6)の上端を越えて同図実線のよ
うに自然にローラ退避部(7)へ嵌まり込み、該退避部
(7)においてたこばね(12)にて押し付けられた状態
で安定に保持される。従って、第二金具(2)はローラ
(8)による規制が解除されて展開方向へ回動可能とな
る。
【0028】そこで、図6で示すように、該第二金具
(2)を引き起こして展開方向の限界まで倒すと、蹴出
し用突起(11)が受けカム部材(4)の突起嵌入溝(4
a)に嵌入すると同時にローラ退避部(7)にあるロー
ラ(8)を蹴り出して間隙(5)へ落とし込む。しかし
て、間隙(5)に入ったローラ(8)は再び凸曲面
(3)と凹曲面(6)との両方に接する咬み込み状態と
なり、第二金具(2)は持上げ用突起(9)が該ローラ
(8)に当接する角度位置まで折畳み方向へのみ回動可
能となるから、この折畳み方向への回動過程で該第二金
具(2)の新たな角度姿勢を設定すればよい。
【0029】なお、上記実施例ではタコばね(12)によ
って間隙(5)内にあるローラ(8)を下方側へ、また
ローラ退避部(7)にあるローラ(8)を当該退避部
(7)へ押し付けるようにしているが、その作用は作動
の確実性を高めるための補助的なものである。すなわ
ち、この発明の関節金具の構成では、タコばね(12)の
ようなばね部材の付勢がなくとも、ローラ(8)は自重
によって間隙(5)に咬み込むと共にローラ退避部
(7)で自己保持できるから、該ばね部材を省略可能で
ある。また、第二金具(2)の凸曲面(3)と受けカム
部材(4)の凹曲面(6)とは必ずしも円弧でなくとも
よく、前者2の凸曲面(3)は下部から上部へ向かって
第一金具(1)との枢着中心(O)からの距離を漸次拡
大する凸面形状であればよく、後者(4)の凹曲面
(6)は該凸曲面(3)との間で上方側へ漸次広幅とな
る間隙(5)を構成できる凹面形状であればよい。
【0030】この発明の関節金具は、座椅子のほか、ソ
ファー、ソファーベッド等の折畳み式家具をはじめ、相
互屈折させる種々の二部材の連結部に同様に適用でき、
これら適用対象に応じて第一及び第二金具の前記二部材
に対する取付構造や第二金具の角度調整範囲を適宜設定
できる。また、この発明では、第一金具のケーシングの
形状、該ケーシングに対する受けカム部材の取付構造、
第二金具の凸曲面を除く構造、枢軸の取付構造、ばね部
材の形状及び取付構造等、細部構成については実施例以
外に種々設計変更可能である。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、座椅子、ソフ
ァー、ソファーベッド等の背もたれ部と座部の如き相互
屈折させる種々の二部材の連結部に使用される関節金具
として、変位側の第二金具を水平配置する第一金具に対
する折畳み方向へ回動させる途中で止めるだけで、該第
二金具の角度を広範囲で無段階に調整できると共に、第
二金具を折畳み方向限度まで回動させた後に展開方向限
度まで回動させることによって再度の角度調整を行うこ
とができ、しかも使用中の継続的な圧力で第二金具が次
第に展開方向へ傾く恐れはなく、また第二金具の角度設
定状態で振動を受けたり加わる圧力が変動しても、該第
二金具が不用意に展開方向へ傾動変位することはなく、
もって従来のように使用中の傾動変位によって第二金具
の角度姿勢を設定し直す煩わしい操作が全く不要であ
り、使用状態での安定性に優れて良好な使用感が得ら
れ、また構造的に簡素で高い作動信頼性を有するものが
提供される。
【0032】請求項2の発明によれば、前記関節金具と
して、特に第二金具の設定姿勢がより安定化すると共
に、第二金具を展開方向へ倒して角度を再設定する場合
の回動操作の確実性に優れるものが提供される。
【0033】請求項3の発明によれば、前記関節金具と
して、第二金具及び受けカム部材の製作・加工が容易で
あり、製作コストをより低減できるものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る関節金具の角度設定
状態の縦断側面図である。
【図2】同関節金具を適用した座椅子フレームの側面図
である。
【図3】同適用状態における関節金具の背面図である。
【図4】同適用状態での図1のIV−IV線における断面矢
視図である。
【図5】第二金具を折畳み方向へ倒伏させた状態での同
関節金具の縦断側面図である。
【図6】第二金具を展開方向へ倒伏させた状態での同関
節金具の縦断側面図である。
【符号の説明】
1…第一金具 2…第二金具 2b…第二金具の下部 3…凸曲面 4…受けカム部材 5…間隙 6…凹曲面 7…ローラ退避部 8…ローラ 9…持ち上げ用突起 10…ケーシング 11…蹴出し用突起 12…タコばね(ばね部材) 17…枢軸 O…枢軸の軸心(両金具の枢着中心) P…凸曲面の円弧の形成円中心 Q…凹曲面の円弧の形成円中心

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平配置してケーシングを形成する第一
    金具と、前記ケーシング内に嵌挿した下端部で前記第一
    金具に垂直面内回動自在に枢着された第二金具と、前記
    ケーシングの内底部に固定された受けカム部材とを具備
    し、 前記第二金具の下端部周面には、その下部から上部へ向
    かって第一金具との枢着中心からの距離を漸次拡大する
    凸曲面が形成され、 前記受けカム部材は、前記凸曲面との間で上方側へ漸次
    広幅となる間隙を構成する凹曲面と、該凹曲面の上端よ
    り前記枢着中心から遠ざかる方向に凹陥したローラ退避
    部とを備え、 前記間隙内に、その幅の最小部よりも大きく最大部より
    も小さい径を有するローラが転動自在に介挿され、 前記第二金具には、前記凸曲面よりも下位側の持上げ用
    突起と、該凸曲面よりも上位側の蹴出し用突起とが設け
    られ、 前記持上げ用突起は、第二金具を角度調整範囲を越えて
    第一金具に対する折畳み方向へ回動した際に、前記ロー
    ラを持ち上げて前記ローラ退避部へ誘導する一方、 前記蹴出し用突起は、第二金具を角度調整範囲を越えて
    第一金具に対する展開方向へ回動した際に、前記ローラ
    退避部にあるローラを蹴り出して前記間隙へ落とし込む
    ように設定されてなる関節金具。
  2. 【請求項2】 第一金具のケーシング内に、前記間隙内
    にあるローラを下方側へ押し付けると共に、前記ローラ
    退避部にあるローラを当該退避部に保持するように付勢
    するばね部材が取り付けられてなる請求項1記載の関節
    金具。
  3. 【請求項3】 第二金具の凸曲面は、その形成円中心を
    第一金具との前記枢着中心よりも上位とする円弧に沿う
    と共に、受けカム部材の凹曲面は、その形成円中心を第
    二金具の前記凸円弧面の形成円中心よりも上位とする円
    弧に沿う請求項1又は2に記載の関節金具。
JP16767595A 1995-07-03 1995-07-03 関節金具 Expired - Fee Related JP2888776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16767595A JP2888776B2 (ja) 1995-07-03 1995-07-03 関節金具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16767595A JP2888776B2 (ja) 1995-07-03 1995-07-03 関節金具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0919339A true JPH0919339A (ja) 1997-01-21
JP2888776B2 JP2888776B2 (ja) 1999-05-10

Family

ID=15854143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16767595A Expired - Fee Related JP2888776B2 (ja) 1995-07-03 1995-07-03 関節金具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2888776B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004321584A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Koyo Giken Kk ラチェット用ハウジングとその製法
JP2011167354A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Hikari:Kk 角度調節金具
JP5177719B1 (ja) * 2011-10-05 2013-04-10 直伸 山下 角度調整具
JP2014104027A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Koyo Giken Kk 無段階角度調整金具
KR101880095B1 (ko) * 2017-05-17 2018-07-19 오스템임플란트 주식회사 유니트 체어

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5390643B2 (ja) * 2012-01-13 2014-01-15 直伸 山下 角度調整金具及び座いす

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004321584A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Koyo Giken Kk ラチェット用ハウジングとその製法
JP2011167354A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Hikari:Kk 角度調節金具
JP5177719B1 (ja) * 2011-10-05 2013-04-10 直伸 山下 角度調整具
JP2014104027A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Koyo Giken Kk 無段階角度調整金具
KR101880095B1 (ko) * 2017-05-17 2018-07-19 오스템임플란트 주식회사 유니트 체어

Also Published As

Publication number Publication date
JP2888776B2 (ja) 1999-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2708144B2 (ja) プレロードをかけた基部アッセンブリを有するスイベル式リクライニング/ロッキングチェア
JP5555341B1 (ja) 角度調整金具及び座椅子
JPH11346862A (ja) 椅子、特にオフィス用椅子
JP2007502631A (ja) ダイナミックな座りを可能にするために可動弾性脚部を有するチェア又はスツール
JP2000502278A (ja) 椅子、特に事務用椅子
WO2022074783A1 (ja) トレーニングベンチ
JP2000342371A (ja) リクライニングアジャスタのバックラッシ低減構造
JPH0919339A (ja) 関節金具
JPH06209828A (ja) シートリクライニング装置
JP5716004B2 (ja) 無段階角度調整金具
JP2000503281A (ja) 子供用シート
JP2008259613A (ja) 背もたれ付家具
JP4958521B2 (ja) ロッキング機構用反力調整方法並びに機構
JP5097586B2 (ja) 椅子式マッサージ機
KR20010031386A (ko) 조절 가능한 시트, 등받이 및 에너지 기구를 구비한 동기경사식 의자
WO2004037047A1 (ja) 椅子の背凭れ構造
JPH07184737A (ja) 椅 子
JP3115231B2 (ja) 車両シート用リクライナー
JP3644518B2 (ja) 椅子
JP2549103Y2 (ja) 座椅子用ラチェット金具
JP2005131047A (ja) 背凭れ傾動装置
JPH0438756Y2 (ja)
JP2003189963A (ja) 椅 子
JP2514719Y2 (ja) シートベルトの引出し角度調整装置
JPH0330530B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees