JP2004321584A - ラチェット用ハウジングとその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】座いすを長期間に渡り繰り返し使用しても、ギヤ体及び係止部材を枢着する2本の軸が挿入される孔部が変形しにくく間隔ピッチが広がらないラチェット用ハウジングを提供することを目的とする。
【解決手段】側壁部15の一面15aに、貫孔7の軸心方向寸法H7 を増大するための短円筒部3を突出状に一体形成する。さらに、該短円筒部3の端面3aは切削加工を省略した圧潰平坦面とされる。また、上記短円筒部3を含む上記貫孔7の内周面7cは切削加工が省略されて軸心X方向に塑性圧縮変形される。また、上記側壁部15の他面15bへの上記貫孔7の開口縁角部7bが断面略直角状に変形にて形成される。そして、全体が一枚の板素材35から成る。
【選択図】 図11
【解決手段】側壁部15の一面15aに、貫孔7の軸心方向寸法H7 を増大するための短円筒部3を突出状に一体形成する。さらに、該短円筒部3の端面3aは切削加工を省略した圧潰平坦面とされる。また、上記短円筒部3を含む上記貫孔7の内周面7cは切削加工が省略されて軸心X方向に塑性圧縮変形される。また、上記側壁部15の他面15bへの上記貫孔7の開口縁角部7bが断面略直角状に変形にて形成される。そして、全体が一枚の板素材35から成る。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座いすの座部と背もたれ部の角度を変更可能に連結するラチェット用ハウジング及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラチェット用ハウジングは、一対の側壁部に、ギヤ体を枢着する軸が挿入される一対の第1孔部と、該ギヤ体に噛み合う係止部材を枢着する軸が挿入される一対の第2孔部とを、打抜き又はドリルにて貫設したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−299173公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
座いすの座部と背もたれ部をラチェットで連結し、背もたれ部に使用者がもたれると(ギヤ体を回転させる外力が加わると)、上記の各軸が、第1孔部,第2孔部に対し、離間する方向へ大きな荷重を与える。このため、座いすを繰り返し使用すると、両孔部とも塑性変形し両軸心の間隔ピッチが増大する(ギヤ体の軸心と係止部材の軸心の間隔ピッチが増大するので)、噛み合い(係止)が浅くなって離脱する状態に近づき、ギヤ体の歯に過大トルクが掛かってしまい破壊の原因となる。
【0005】
そこで本発明は、座いすを長期間に渡り繰り返し使用しても、ギヤ体及び係止部材を枢着する2本の軸が挿入される孔部が変形しにくく、両軸心の間隔ピッチが広がらないラチェット用ハウジングを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るラチェット用ハウジングは、平行な一対の側壁部に、ギヤ体を枢着する第1軸が挿入される第1孔部と、該ギヤ体に噛み合う係止部材を枢着する第2軸が挿入される第2孔部とを、貫設して、上記側壁部に4個の貫孔を形成したラチェット用ハウジングに於て;上記側壁部の一面に、上記貫孔の軸心方向寸法を増大するための短円筒部を突出状に一体形成し、さらに、該短円筒部の端面は切削加工を省略した圧潰平坦面とされ、かつ上記短円筒部の内周面を含む上記貫孔の内周面は切削加工が省略されて軸心方向に塑性圧縮変形され、上記側壁部の他面への上記貫孔の開口縁角部が断面略直角状に塑性変形にて形成され;かつ、全体が一枚の板素材から成る。
【0007】
また、開口縁角部の弯曲部の軸心方向寸法は、短円筒部の端面と側壁部の他面との軸心方向寸法の20%以下である。
また、短円筒部の径方向の肉厚寸法は、板素材の板厚寸法に略等しい。
さらに、短円筒部の端面と側壁部の他面との軸心方向寸法が、板素材の板厚寸法の 1.5倍乃至2倍である。
【0008】
また、本発明に係るラチェット用ハウジングの製法は、一枚の板素材の一面側に折曲げ突出状の環状隆起部を有する貫孔を塑性加工にて形成し;次に、上記環状隆起部をその軸心方向に圧縮塑性変形して、端面を圧潰平坦面とすると同時に、上記板素材の他面への上記貫孔の開口縁角部を断面略直角状に変形させ、全体を切削加工を用いないで作製する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0010】
図1は本発明に係るラチェット用ハウジングを具備するラチェット4を示す斜視図である。図2に図示される座いす30は、一対のラチェット4,4によって、座部34に対する背もたれ部33の傾斜角度を変更可能に枢結される。ラチェット4は、図1と図3に図示されるように、ギヤ体6と、ギヤ体6に噛み合う係止部材17と、上記噛み合いを保つため弾発付勢する捩じりバネ16と、上記噛み合いを解除するためのカム板14と、一枚の板素材35から成り切削加工が省略され塑性加工のみで成形されたハウジング5と、を有する。ギヤ体6は、一端側に、背もたれ部33の下辺部左右に付設されたパイプ9に固着されるパイプ部32と、他端側に、複数の歯13…を有し平行に形成された一対のギヤ板6a,6aと、を有している。
【0011】
また、ハウジング5は、座部34の後部左右に付設されたパイプ9に固着されるパイプ部31と、パイプ部31に連結された一対の側壁部15,15と、を有している。側壁部15,15には、ギヤ板6a,6aを回動自在に枢支する第1軸11の軸受となる第1孔部1,1が、貫設され、ギヤ板6a,6aが、側壁部15,15の対向空間に入り込んだ状態に保持される。また、第2孔部2,2が、第1孔部1,1と別の(座部34寄りの)位置に於て、側壁部15,15に貫設され、係止部材17を回動自在に枢支する第2軸12の軸受となる。第1軸11と、第2軸12とは平行に保持される。即ち、側壁部15,15には、( 一対の第1孔部1,1及び一対の第2孔部2,2を併せた) 合計4個の貫孔7が形成される。第1軸11には、ギヤ板6a,6a間に於て、カム板14も遊嵌され、第2軸12には、捩じりバネ16も枢着される。図1に於ては、第1軸11の頭部をかしめ加工した状態が示され、第2孔部2の第2軸12は図示省略してある。
【0012】
さらに、ハウジング5について具体的に説明すると、全体が、塑性加工に適した軟鉄等を材質とする一枚の板素材35から成り、貫孔7の周囲には、板素材35の一面35a側に短円筒部3が突出状に一体形成されている。
【0013】
図11に図示されるように、貫孔7の軸心方向寸法H7 は、格子部分にて示される短円筒部3によって(板素材35の板厚寸法T35よりも十分に)増大されている。例えば、板厚寸法T35は、2mmに設定され、貫孔7の内径寸法Dは、8mmに設定される。短円筒部3の端面3aは、切削加工を省略し(貫孔7の)軸心X方向に塑性圧縮加工され径方向に水平な圧潰平坦面であり、短円筒部3の径方向の肉厚寸法T3 は、板厚寸法T35に略等しく成形されている。
【0014】
短円筒部3の内周面を含む貫孔7の内周面7cは、縮径方向に塑性加工(圧潰)されており、表面粗さが(単なるポンチによる打抜き加工の内面粗さよりも)細かく滑らかである。(板素材35の一面35a側の)貫孔7の一端部7aは、断面直角状に形成され、また、他面35b側の開口縁角部7bは、断面略直角状に形成され、開口縁角部7bの弯曲部の軸心方向寸法HR は、短円筒部3の端面3aと上記他面15bとの軸心方向寸法H7 の20%以下である。好ましくは10%以下とする。HR が大きいと、内周面7cが第1軸11,第2軸12から受ける面圧が大きくなり、圧縮塑性変形で楕円形状に変形する可能性がある。
【0015】
また、軸心方向寸法H7 は、板素材35の板厚寸法T35の 1.5倍乃至2倍である。H7 がT35の2倍よりも大きいと、短円筒部3の径方向の肉厚寸法T3 が薄くなり、第1軸11,第2軸12からの力によって周壁部が変形し易い。また、 1.5倍よりも小さいと、内周面7cが受ける面圧が過大となる。
【0016】
ここで、図3(a)は、座いす30の使用者が背もたれ部33を所望の角度に固定して使用している状態を示し、係止部材17がギヤ体6の歯13の歯溝に係合し、背もたれ部33は、座部34の設置面側には回動せず、使用者側への方向(図の反時計回り方向)のみに回動可能である。図3(b)は、図3(a)の状態から背もたれ部33が使用者側へ倒されて、カム板14により上記係合を解除された状態を示し、背もたれ部33が、座部34の設置面側に(時計回りに)も回動可能となる。図3(c)は、図3(b)の状態から背もたれ部33が設置面側に倒されていき、係止部材17が歯13の歯溝に係合して、図3(a)の状態と同様に背もたれ部33を所望の角度に固定して使用できる状態を示す。
【0017】
次に、ラチェット用ハウジングの製法について説明する。図6(a)に図示したように、一枚の板素材35に打抜き加工された小径の誘い孔36に、ポンチ24で貫孔7をバーリング加工にて成形する。そして、図6(b)に図示したように、板素材35の一面35aに、折曲げ突出状の環状隆起部10を、一体成形する。このとき、貫孔7の内径寸法Dを、8.0mm に加工すると、環状隆起部10の端面10aの径方向の肉厚寸法T10は、約 1.5mmで、環状隆起部10の端面10aと側壁部15の他面15bとの軸心方向寸法H10は、約5mmとなる。貫孔7の開口縁角部7bは、1.0mm 〜 2.5mmのアール半径の緩やかな断面弯曲形状である。
【0018】
上記の貫孔7へ塑性圧縮加工を行うプレス装置23は、図7〜図10に図示したように、ポンチ18と、ポンチ18に外嵌する補助押圧盤19と、ポンチ18及び補助押圧盤19を取り付ける上型21と、スプリング37と、下型26を、備える。ポンチ18は、一端側が貫孔7へ挿嵌される小径頭部18aと、小径頭部18aの他端側に成形され径方向に平坦な段差部18cと、小径頭部18aと同軸かつ段差部18cを一面とする大径部18bと、から成り、段差部18cの径方向の幅寸法W20を、上述の実施の形態の場合には、2mmに設定する。小径頭部18aの外形寸法φは貫孔7の内径寸法Dと略等しい。また、補助押圧盤19は、大径部18bに外嵌される内筒部19aと、内筒部19aの他端から外方に成形され径方向に平坦な端面19cと、を有する。小径頭部18aの表面と、内筒部19aの内周面と、段差部18cとによって、環状溝部20が形成される。
【0019】
図8に図示したように、板素材35を下型26上に載置し、プレス装置23の上型21を、矢印27のように下降させて、板素材35の一面35aと補助押圧盤19の端面19cとを当接させ、図9に図示したように、環状隆起部10は、環状溝部20の空間部と略同形の短円筒部3へと圧縮塑性変形される。このとき、貫孔7の内周面7c廻りの(図9に於て、複数の点々にて示した)板素材35は、矢印8のように塑性圧縮されて、貫孔7の開口縁角部7bが、断面略直角状に塑性膨出変形し、かつ、内周面7cは小径頭部18aに圧潰され、表面粗さが(通常の打抜き孔加工の表面粗さよりも)細かく、(切削加工を省略して)滑らかな面となる。また、短円筒部3の端面3aは圧潰平坦面となり、さらに、矢印8のように塑性圧縮されるので、板素材35の複数の点々にて示した部分の硬度が増大する。上記の製法により、貫孔7廻りには、図11に於て説明したような短円筒部3が切削加工を用いないで塑性圧縮成形される。
【0020】
なお、上記の塑性圧縮加工が終われば、図10に図示したように、上型21が上昇してゆくにつれて、ポンチ18は矢印28のように貫孔7から分離し、スプリング37が次第にその押圧力を無くして、補助押圧盤19を、矢印29のように持ち上げる。なお、図12の輪郭形状も上記プレス装置23にて順次に(又は同時に)加工する。このようにして、図12に図示したように、平坦な一枚の板素材35に、切削加工を省略して4つの貫孔7を塑性変形加工して、さらに図12を上下略中央位置で押し上げと弯曲加工して、全体的に塑性加工によって、ハウジング5を、図1のような形状に成形する。
【0021】
次に、図4に於て、ラチェット4へ荷重を掛ける実験について説明する。即ち、ラチェット4のパイプ部31を水平面に固定された固定部材22に固着し、パイプ部32に、パイプ9の一端9aを挿嵌する。このとき、(図3(a)のラチェット4の状態と同様に、)係止部材17がギヤ体6の歯13の歯溝に係合しており、一端9aから長さLが60cmの所の他端9bに、パイプ9に対し垂直でかつパイプ9を水平面へ倒す方向に、荷重25を掛け、0kgから徐々に大きくしていく。このときハウジング5の側壁部15の一面側を示す図5に図示するように、第1孔部1,第2孔部2(貫孔7,7)は、間隔ピッチPが広げられる方向に、第1軸11,第2軸12から、大きさが等しく反対向きの力F1 ,F2 を受ける(図示省略するが、他面側の側壁部15の貫孔7,7へも、同様の力F1 ,F2 が掛かる)。荷重25を徐々に増して50.4kgまで付与しても、間隔ピッチPを広げるほどの貫孔7の形状変化は起こらず、歯13は破断しなかった。なお、各部寸法は図11に於て既に説明した寸法のものを使用した。
【0022】
一方、(本発明のラチェット用ハウジングと異なり、)4つの貫孔が、(本発明のハウジング5を成す板素材35と同じ)板素材に切削加工により成形され、内周面の軸心方向寸法が板素材35の板厚寸法T35と等しい 2.0mmの場合、貫孔は拡径して第1孔部1,第2孔部2の間隔ピッチPが広がり、歯13の先端が係止部材17から受けるモーメントが増大する。そして、荷重25が44.5kgとなった時点で、歯13が破断した。
【0023】
以上のように、一枚の軟鉄等の板素材35に塑性圧縮加工をするだけで、ハウジング5に貫孔7を形成できる。しかも、板素材35を強度の大きな材質にする、板厚寸法T35を厚くする、といったコストを掛けたり、あるいは、貫孔7廻りに焼入れ等の処理を行わなくても、貫孔7の内周面7cの面圧は低下し、さらに、塑性圧縮成形されたことにより、短円筒部3を含めた内周面7c廻りの板素材35の強度が増加するので、このハウジング5を、座いすの角度調整用部材として長期間使用しても、貫孔7の形状は、間隔ピッチPを広げるほども変化せず、ギヤ体6の歯13が破断しにくい。さらに、切削加工を省略して、塑性加工のみで、貫孔7廻りを成形できるので、製造も容易である。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
(請求項1,2,3,4,5によれば、)板素材を強度の大きな材質にする、板厚寸法を厚くする、といったコストを掛けたり、あるいは、貫孔7廻りに焼入れ等の処理を行わなくても、貫孔7の内周面7cの面圧が低下する形状に、塑性圧縮加工のみで成形でき、さらに、塑性圧縮成形されたことにより、短円筒部3を含めた内周面7c廻りの板素材35の硬度が大きくなる。よって、このハウジングを、座いすの角度調整用部材として使用しても、軸受としての貫孔7の形状は、ギヤ体6と係止部材17の間隔ピッチを広げるほども変化せず、ギヤ体6の歯13が破断しにくいので、長期間壊れない。また、貫孔7の内周面7c及び短円筒部3の端面3aは、切削加工を省略して表面粗さが細かい滑らかな面となる。さらに、一枚の軟鉄等の板素材35に塑性圧縮加工をするだけなので、製造は容易である。
【0025】
(請求項2,4によれば、)貫孔7の第1軸11,第2軸12との圧縮面圧が低くなるので、貫孔7の内周面が、軸受としてギヤ体6及び係止部材17の軸から力を受けても、ギヤ体6と係止部材17の間隔ピッチが広がるほど、貫孔7の形状は変化しない。
【0026】
(請求項3によれば、)短円筒部3の径方向への剛性と強度が増すので、貫孔7の内周面が、ギヤ体及び係止部材の軸から力を受けても、貫孔7の形状が変化し難くなる。
【0027】
(請求項5によれば、)従来から知られている塑性圧縮による成形加工であり、ハウジングに低い面圧の貫孔を、容易に成形でき、しかも切削加工を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラチェット用ハウジングの実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】座いすを示す斜視図である。
【図3】ラチェットの機能を示す説明用の断面側面図である。
【図4】ラチェットの破壊試験を示す説明用側面図である。
【図5】本発明のラチェット用ハウジングの実施の一形態を示す説明用側面図である。
【図6】製造方法の一例を示す説明用の断面図である。
【図7】プレス装置を示す要部底面図である。
【図8】プレス装置が貫孔に対して加工する前の状態を示す断面側面図である。
【図9】プレス装置が貫孔に対して圧縮加工している状態を示す断面側面図である。
【図10】プレス装置からポンチが引き離される状態を示す断面側面図である。
【図11】ハウジングの要部拡大断面図である。
【図12】4つの貫孔が板素材に塑性圧縮加工された中間製品の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 第1孔部
2 第2孔部
3 短円筒部
3a 端面
6 ギヤ体
7 貫孔
7b 開口縁角部
7c 内周面
11 第1軸
12 第2軸
15 側壁部
15a 一面
15b 他面
17 係止部材
35 板素材
35a 一面
35b 他面
H7 軸心方向寸法
HR 軸心方向寸法
T3 肉厚寸法
T35 板厚寸法
X 軸心
【発明の属する技術分野】
本発明は、座いすの座部と背もたれ部の角度を変更可能に連結するラチェット用ハウジング及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラチェット用ハウジングは、一対の側壁部に、ギヤ体を枢着する軸が挿入される一対の第1孔部と、該ギヤ体に噛み合う係止部材を枢着する軸が挿入される一対の第2孔部とを、打抜き又はドリルにて貫設したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−299173公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
座いすの座部と背もたれ部をラチェットで連結し、背もたれ部に使用者がもたれると(ギヤ体を回転させる外力が加わると)、上記の各軸が、第1孔部,第2孔部に対し、離間する方向へ大きな荷重を与える。このため、座いすを繰り返し使用すると、両孔部とも塑性変形し両軸心の間隔ピッチが増大する(ギヤ体の軸心と係止部材の軸心の間隔ピッチが増大するので)、噛み合い(係止)が浅くなって離脱する状態に近づき、ギヤ体の歯に過大トルクが掛かってしまい破壊の原因となる。
【0005】
そこで本発明は、座いすを長期間に渡り繰り返し使用しても、ギヤ体及び係止部材を枢着する2本の軸が挿入される孔部が変形しにくく、両軸心の間隔ピッチが広がらないラチェット用ハウジングを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るラチェット用ハウジングは、平行な一対の側壁部に、ギヤ体を枢着する第1軸が挿入される第1孔部と、該ギヤ体に噛み合う係止部材を枢着する第2軸が挿入される第2孔部とを、貫設して、上記側壁部に4個の貫孔を形成したラチェット用ハウジングに於て;上記側壁部の一面に、上記貫孔の軸心方向寸法を増大するための短円筒部を突出状に一体形成し、さらに、該短円筒部の端面は切削加工を省略した圧潰平坦面とされ、かつ上記短円筒部の内周面を含む上記貫孔の内周面は切削加工が省略されて軸心方向に塑性圧縮変形され、上記側壁部の他面への上記貫孔の開口縁角部が断面略直角状に塑性変形にて形成され;かつ、全体が一枚の板素材から成る。
【0007】
また、開口縁角部の弯曲部の軸心方向寸法は、短円筒部の端面と側壁部の他面との軸心方向寸法の20%以下である。
また、短円筒部の径方向の肉厚寸法は、板素材の板厚寸法に略等しい。
さらに、短円筒部の端面と側壁部の他面との軸心方向寸法が、板素材の板厚寸法の 1.5倍乃至2倍である。
【0008】
また、本発明に係るラチェット用ハウジングの製法は、一枚の板素材の一面側に折曲げ突出状の環状隆起部を有する貫孔を塑性加工にて形成し;次に、上記環状隆起部をその軸心方向に圧縮塑性変形して、端面を圧潰平坦面とすると同時に、上記板素材の他面への上記貫孔の開口縁角部を断面略直角状に変形させ、全体を切削加工を用いないで作製する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0010】
図1は本発明に係るラチェット用ハウジングを具備するラチェット4を示す斜視図である。図2に図示される座いす30は、一対のラチェット4,4によって、座部34に対する背もたれ部33の傾斜角度を変更可能に枢結される。ラチェット4は、図1と図3に図示されるように、ギヤ体6と、ギヤ体6に噛み合う係止部材17と、上記噛み合いを保つため弾発付勢する捩じりバネ16と、上記噛み合いを解除するためのカム板14と、一枚の板素材35から成り切削加工が省略され塑性加工のみで成形されたハウジング5と、を有する。ギヤ体6は、一端側に、背もたれ部33の下辺部左右に付設されたパイプ9に固着されるパイプ部32と、他端側に、複数の歯13…を有し平行に形成された一対のギヤ板6a,6aと、を有している。
【0011】
また、ハウジング5は、座部34の後部左右に付設されたパイプ9に固着されるパイプ部31と、パイプ部31に連結された一対の側壁部15,15と、を有している。側壁部15,15には、ギヤ板6a,6aを回動自在に枢支する第1軸11の軸受となる第1孔部1,1が、貫設され、ギヤ板6a,6aが、側壁部15,15の対向空間に入り込んだ状態に保持される。また、第2孔部2,2が、第1孔部1,1と別の(座部34寄りの)位置に於て、側壁部15,15に貫設され、係止部材17を回動自在に枢支する第2軸12の軸受となる。第1軸11と、第2軸12とは平行に保持される。即ち、側壁部15,15には、( 一対の第1孔部1,1及び一対の第2孔部2,2を併せた) 合計4個の貫孔7が形成される。第1軸11には、ギヤ板6a,6a間に於て、カム板14も遊嵌され、第2軸12には、捩じりバネ16も枢着される。図1に於ては、第1軸11の頭部をかしめ加工した状態が示され、第2孔部2の第2軸12は図示省略してある。
【0012】
さらに、ハウジング5について具体的に説明すると、全体が、塑性加工に適した軟鉄等を材質とする一枚の板素材35から成り、貫孔7の周囲には、板素材35の一面35a側に短円筒部3が突出状に一体形成されている。
【0013】
図11に図示されるように、貫孔7の軸心方向寸法H7 は、格子部分にて示される短円筒部3によって(板素材35の板厚寸法T35よりも十分に)増大されている。例えば、板厚寸法T35は、2mmに設定され、貫孔7の内径寸法Dは、8mmに設定される。短円筒部3の端面3aは、切削加工を省略し(貫孔7の)軸心X方向に塑性圧縮加工され径方向に水平な圧潰平坦面であり、短円筒部3の径方向の肉厚寸法T3 は、板厚寸法T35に略等しく成形されている。
【0014】
短円筒部3の内周面を含む貫孔7の内周面7cは、縮径方向に塑性加工(圧潰)されており、表面粗さが(単なるポンチによる打抜き加工の内面粗さよりも)細かく滑らかである。(板素材35の一面35a側の)貫孔7の一端部7aは、断面直角状に形成され、また、他面35b側の開口縁角部7bは、断面略直角状に形成され、開口縁角部7bの弯曲部の軸心方向寸法HR は、短円筒部3の端面3aと上記他面15bとの軸心方向寸法H7 の20%以下である。好ましくは10%以下とする。HR が大きいと、内周面7cが第1軸11,第2軸12から受ける面圧が大きくなり、圧縮塑性変形で楕円形状に変形する可能性がある。
【0015】
また、軸心方向寸法H7 は、板素材35の板厚寸法T35の 1.5倍乃至2倍である。H7 がT35の2倍よりも大きいと、短円筒部3の径方向の肉厚寸法T3 が薄くなり、第1軸11,第2軸12からの力によって周壁部が変形し易い。また、 1.5倍よりも小さいと、内周面7cが受ける面圧が過大となる。
【0016】
ここで、図3(a)は、座いす30の使用者が背もたれ部33を所望の角度に固定して使用している状態を示し、係止部材17がギヤ体6の歯13の歯溝に係合し、背もたれ部33は、座部34の設置面側には回動せず、使用者側への方向(図の反時計回り方向)のみに回動可能である。図3(b)は、図3(a)の状態から背もたれ部33が使用者側へ倒されて、カム板14により上記係合を解除された状態を示し、背もたれ部33が、座部34の設置面側に(時計回りに)も回動可能となる。図3(c)は、図3(b)の状態から背もたれ部33が設置面側に倒されていき、係止部材17が歯13の歯溝に係合して、図3(a)の状態と同様に背もたれ部33を所望の角度に固定して使用できる状態を示す。
【0017】
次に、ラチェット用ハウジングの製法について説明する。図6(a)に図示したように、一枚の板素材35に打抜き加工された小径の誘い孔36に、ポンチ24で貫孔7をバーリング加工にて成形する。そして、図6(b)に図示したように、板素材35の一面35aに、折曲げ突出状の環状隆起部10を、一体成形する。このとき、貫孔7の内径寸法Dを、8.0mm に加工すると、環状隆起部10の端面10aの径方向の肉厚寸法T10は、約 1.5mmで、環状隆起部10の端面10aと側壁部15の他面15bとの軸心方向寸法H10は、約5mmとなる。貫孔7の開口縁角部7bは、1.0mm 〜 2.5mmのアール半径の緩やかな断面弯曲形状である。
【0018】
上記の貫孔7へ塑性圧縮加工を行うプレス装置23は、図7〜図10に図示したように、ポンチ18と、ポンチ18に外嵌する補助押圧盤19と、ポンチ18及び補助押圧盤19を取り付ける上型21と、スプリング37と、下型26を、備える。ポンチ18は、一端側が貫孔7へ挿嵌される小径頭部18aと、小径頭部18aの他端側に成形され径方向に平坦な段差部18cと、小径頭部18aと同軸かつ段差部18cを一面とする大径部18bと、から成り、段差部18cの径方向の幅寸法W20を、上述の実施の形態の場合には、2mmに設定する。小径頭部18aの外形寸法φは貫孔7の内径寸法Dと略等しい。また、補助押圧盤19は、大径部18bに外嵌される内筒部19aと、内筒部19aの他端から外方に成形され径方向に平坦な端面19cと、を有する。小径頭部18aの表面と、内筒部19aの内周面と、段差部18cとによって、環状溝部20が形成される。
【0019】
図8に図示したように、板素材35を下型26上に載置し、プレス装置23の上型21を、矢印27のように下降させて、板素材35の一面35aと補助押圧盤19の端面19cとを当接させ、図9に図示したように、環状隆起部10は、環状溝部20の空間部と略同形の短円筒部3へと圧縮塑性変形される。このとき、貫孔7の内周面7c廻りの(図9に於て、複数の点々にて示した)板素材35は、矢印8のように塑性圧縮されて、貫孔7の開口縁角部7bが、断面略直角状に塑性膨出変形し、かつ、内周面7cは小径頭部18aに圧潰され、表面粗さが(通常の打抜き孔加工の表面粗さよりも)細かく、(切削加工を省略して)滑らかな面となる。また、短円筒部3の端面3aは圧潰平坦面となり、さらに、矢印8のように塑性圧縮されるので、板素材35の複数の点々にて示した部分の硬度が増大する。上記の製法により、貫孔7廻りには、図11に於て説明したような短円筒部3が切削加工を用いないで塑性圧縮成形される。
【0020】
なお、上記の塑性圧縮加工が終われば、図10に図示したように、上型21が上昇してゆくにつれて、ポンチ18は矢印28のように貫孔7から分離し、スプリング37が次第にその押圧力を無くして、補助押圧盤19を、矢印29のように持ち上げる。なお、図12の輪郭形状も上記プレス装置23にて順次に(又は同時に)加工する。このようにして、図12に図示したように、平坦な一枚の板素材35に、切削加工を省略して4つの貫孔7を塑性変形加工して、さらに図12を上下略中央位置で押し上げと弯曲加工して、全体的に塑性加工によって、ハウジング5を、図1のような形状に成形する。
【0021】
次に、図4に於て、ラチェット4へ荷重を掛ける実験について説明する。即ち、ラチェット4のパイプ部31を水平面に固定された固定部材22に固着し、パイプ部32に、パイプ9の一端9aを挿嵌する。このとき、(図3(a)のラチェット4の状態と同様に、)係止部材17がギヤ体6の歯13の歯溝に係合しており、一端9aから長さLが60cmの所の他端9bに、パイプ9に対し垂直でかつパイプ9を水平面へ倒す方向に、荷重25を掛け、0kgから徐々に大きくしていく。このときハウジング5の側壁部15の一面側を示す図5に図示するように、第1孔部1,第2孔部2(貫孔7,7)は、間隔ピッチPが広げられる方向に、第1軸11,第2軸12から、大きさが等しく反対向きの力F1 ,F2 を受ける(図示省略するが、他面側の側壁部15の貫孔7,7へも、同様の力F1 ,F2 が掛かる)。荷重25を徐々に増して50.4kgまで付与しても、間隔ピッチPを広げるほどの貫孔7の形状変化は起こらず、歯13は破断しなかった。なお、各部寸法は図11に於て既に説明した寸法のものを使用した。
【0022】
一方、(本発明のラチェット用ハウジングと異なり、)4つの貫孔が、(本発明のハウジング5を成す板素材35と同じ)板素材に切削加工により成形され、内周面の軸心方向寸法が板素材35の板厚寸法T35と等しい 2.0mmの場合、貫孔は拡径して第1孔部1,第2孔部2の間隔ピッチPが広がり、歯13の先端が係止部材17から受けるモーメントが増大する。そして、荷重25が44.5kgとなった時点で、歯13が破断した。
【0023】
以上のように、一枚の軟鉄等の板素材35に塑性圧縮加工をするだけで、ハウジング5に貫孔7を形成できる。しかも、板素材35を強度の大きな材質にする、板厚寸法T35を厚くする、といったコストを掛けたり、あるいは、貫孔7廻りに焼入れ等の処理を行わなくても、貫孔7の内周面7cの面圧は低下し、さらに、塑性圧縮成形されたことにより、短円筒部3を含めた内周面7c廻りの板素材35の強度が増加するので、このハウジング5を、座いすの角度調整用部材として長期間使用しても、貫孔7の形状は、間隔ピッチPを広げるほども変化せず、ギヤ体6の歯13が破断しにくい。さらに、切削加工を省略して、塑性加工のみで、貫孔7廻りを成形できるので、製造も容易である。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
(請求項1,2,3,4,5によれば、)板素材を強度の大きな材質にする、板厚寸法を厚くする、といったコストを掛けたり、あるいは、貫孔7廻りに焼入れ等の処理を行わなくても、貫孔7の内周面7cの面圧が低下する形状に、塑性圧縮加工のみで成形でき、さらに、塑性圧縮成形されたことにより、短円筒部3を含めた内周面7c廻りの板素材35の硬度が大きくなる。よって、このハウジングを、座いすの角度調整用部材として使用しても、軸受としての貫孔7の形状は、ギヤ体6と係止部材17の間隔ピッチを広げるほども変化せず、ギヤ体6の歯13が破断しにくいので、長期間壊れない。また、貫孔7の内周面7c及び短円筒部3の端面3aは、切削加工を省略して表面粗さが細かい滑らかな面となる。さらに、一枚の軟鉄等の板素材35に塑性圧縮加工をするだけなので、製造は容易である。
【0025】
(請求項2,4によれば、)貫孔7の第1軸11,第2軸12との圧縮面圧が低くなるので、貫孔7の内周面が、軸受としてギヤ体6及び係止部材17の軸から力を受けても、ギヤ体6と係止部材17の間隔ピッチが広がるほど、貫孔7の形状は変化しない。
【0026】
(請求項3によれば、)短円筒部3の径方向への剛性と強度が増すので、貫孔7の内周面が、ギヤ体及び係止部材の軸から力を受けても、貫孔7の形状が変化し難くなる。
【0027】
(請求項5によれば、)従来から知られている塑性圧縮による成形加工であり、ハウジングに低い面圧の貫孔を、容易に成形でき、しかも切削加工を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラチェット用ハウジングの実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】座いすを示す斜視図である。
【図3】ラチェットの機能を示す説明用の断面側面図である。
【図4】ラチェットの破壊試験を示す説明用側面図である。
【図5】本発明のラチェット用ハウジングの実施の一形態を示す説明用側面図である。
【図6】製造方法の一例を示す説明用の断面図である。
【図7】プレス装置を示す要部底面図である。
【図8】プレス装置が貫孔に対して加工する前の状態を示す断面側面図である。
【図9】プレス装置が貫孔に対して圧縮加工している状態を示す断面側面図である。
【図10】プレス装置からポンチが引き離される状態を示す断面側面図である。
【図11】ハウジングの要部拡大断面図である。
【図12】4つの貫孔が板素材に塑性圧縮加工された中間製品の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 第1孔部
2 第2孔部
3 短円筒部
3a 端面
6 ギヤ体
7 貫孔
7b 開口縁角部
7c 内周面
11 第1軸
12 第2軸
15 側壁部
15a 一面
15b 他面
17 係止部材
35 板素材
35a 一面
35b 他面
H7 軸心方向寸法
HR 軸心方向寸法
T3 肉厚寸法
T35 板厚寸法
X 軸心
Claims (5)
- 平行な一対の側壁部(15)(15)に、ギヤ体(6)を枢着する第1軸(11)が挿入される第1孔部(1)と、該ギヤ体(6)に噛み合う係止部材(17)を枢着する第2軸(12)が挿入される第2孔部(2)とを、貫設して、上記側壁部(15)(15)に4個の貫孔(7)を形成したラチェット用ハウジングに於て、
上記側壁部(15)の一面(15a)に、上記貫孔(7)の軸心方向寸法(H7 )を増大するための短円筒部(3)を突出状に一体形成し、さらに、該短円筒部(3)の端面(3a)は切削加工を省略した圧潰平坦面とされ、かつ上記短円筒部(3)の内周面を含む上記貫孔(7)の内周面(7c)は切削加工が省略されて軸心(X)方向に塑性圧縮変形され、上記側壁部(15)の他面(15b)への上記貫孔(7)の開口縁角部(7b)が断面略直角状に塑性変形にて形成され、
かつ、全体が一枚の板素材(35)から成ることを特徴とするラチェット用ハウジング。 - 開口縁角部(7b)の弯曲部の軸心方向寸法(HR )は、短円筒部(3)の端面(3a)と側壁部(15)の他面(15b)との軸心方向寸法(H7 )の20%以下である請求項1記載のラチェット用ハウジング。
- 短円筒部(3)の径方向の肉厚寸法(T3 )は、板素材(35)の板厚寸法(T35)に略等しい請求項1又は2記載のラチェット用ハウジング。
- 短円筒部(3)の端面(3a)と側壁部(15)の他面(15b)との軸心方向寸法(H7 )が、板素材(35)の板厚寸法(T35)の 1.5倍乃至2倍である請求項1,2又は3記載のラチェット用ハウジング。
- 一枚の板素材(35)の一面(35a)側に折曲げ突出状の環状隆起部(10)を有する貫孔(7)を塑性加工にて形成し、
次に、上記環状隆起部(10)をその軸心方向に圧縮塑性変形して、端面(3a)を圧潰平坦面とすると同時に、上記板素材(35)の他面(35b)への上記貫孔(7)の開口縁角部(7b)を断面略直角状に変形させ、全体を切削加工を用いないで作製することを特徴とするラチェット用ハウジングの製法。
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