JP2014167439A - マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法 - Google Patents

マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014167439A
JP2014167439A JP2013039620A JP2013039620A JP2014167439A JP 2014167439 A JP2014167439 A JP 2014167439A JP 2013039620 A JP2013039620 A JP 2013039620A JP 2013039620 A JP2013039620 A JP 2013039620A JP 2014167439 A JP2014167439 A JP 2014167439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mycoplasma pneumonia
antibody
immunochromatography
sample
antigen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013039620A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6150559B2 (ja
Inventor
Katsuya Watanabe
勝哉 渡邊
Sho Suzuki
翔 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2013039620A priority Critical patent/JP6150559B2/ja
Publication of JP2014167439A publication Critical patent/JP2014167439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6150559B2 publication Critical patent/JP6150559B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】
免疫クロマトグラフィーによるマイコプラズマ・ニューモニアの検出を高感度に与える、検体浮遊液と免疫測定方法の提供。
【解決手段】
マイコプラズマ・ニューモニア抗原と特異的に結合する第一抗体が固定化された膜担体と、該抗原と特異的に結合する第二抗体が固定化された不溶性担体とを備えた免疫クロマトグラフィー用テストストリップを用いた免疫学的測定方法において、非イオン性界面活性剤を含む検体浮遊液を用いることを特徴とする方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般的な肺炎の原因微生物であるマイコプラズマ・ニューモニア(Mycoplasma pneumoniae)を生体試料などから検出するための免疫クロマトグラフィー法に関する。
マイコプラズマ・ニューモニアは非定型肺炎の代表的起因菌であり、特に小児・若年成人に多く発症する。マイコプラズマ肺炎は乾いた激しい咳が長く続くことを特徴としており、初期の段階では一般の風邪との区別がつけにくい疾患とされている。
マイコプラズマ・ニューモニアの感染にはマクロライド系の抗生物質が有効であるが、本薬剤は他の細菌性の肺炎には効果が弱い。逆に、他の細菌性肺炎に有効なセフェム系などの抗生物質はマイコプラズマ・ニューモニアには効果を示さない。
マイコプラズマ・ニューモニア感染症の検査は、患者咽頭ぬぐい液などからの培養検査や遺伝子検査、患者血清を用いた抗体検査が一般的である。培養検査はマイコプラズマ・ニューモニア自体が特殊な培地でしか発育しないこと、手技が困難であり熟練を要するため限られた施設でしか検査できないことが現状であり、培養に約3週間の期間を要するため、迅速な判断には適さない。また、Polymerase chain reaction(PCR)検査は、検体からの遺伝子の抽出精製工程を要するとされるため、高価な装置が必要とされ、限られた施設でしか検査できない。さらに、血清診断分野では、マイコプラズマ・ニューモニアに対する特異抗体の測定が診断に用いられているが、期間をあけて採取したペア血清を測定して抗体価の推移をみなければならず、迅速な判断には適さない。ペア血清を必要としない抗体価迅速測定キットも市販されているが、偽陽性が多く信頼性に欠けるとされている。
検査に特別な装置や手技を必要とせず、迅速性を兼ね備えた診断技術に免疫クロマトグラフィー装置を用いた免疫測定法がある。免疫測定法は、一般的に微生物を特異的に検出する抗体と検出される微生物特異的な抗原との反応の有無で微生物の存在有無を判定している。免疫測定法は、ターゲットとする微生物特有の抗体が必要であり、下記特許文献1と2にはマイコプラズマ・ニューモニアを特異的に検出する抗体や検出方法が開示されている。例えば、特許文献1はリボソーム蛋白質L7/L12に対する抗体を用い、マイコプラズマ・ニューモニアの検出を精度よく行うことができることが記載されている。特許文献2は、約43キロダルトン(kDa)のマイコプラズマ・ニューモニアの膜抗原蛋白質に対するモノクローナル抗体を用いた免疫検出法が記載されている。
しかし、上記抗体や当該抗体を用いた検出法は、臨床検体中のマイコプラズマ・ニューモニアを検出するために検体の煩雑な前処理が必要な場合があるとされる。微生物特異的な抗原は細胞表面や細胞内に存在する蛋白質や多糖などであり、マイコプラズマ・ニューモニア特有の抗原も細胞内あるいは細胞表面近傍に存在する。そのためマイコプラズマ・ニューモニア自体に前処理を施し破砕することで当該抗原と抗体との反応性を高めることが考えられる。また、リボソーム蛋白質L7/L12のような菌体内に存在する抗原の検出には、マイコプラズマ・ニューモニア自体に前処理を施し破砕することが、抗体を用いた検出には必須である。これまで微生物抗原の前処理、抽出法としては、界面活性剤処理法、酸・アルカリ処理法、亜硝酸抽出法など多種多様な方法が実用化されている。
細菌からの抗原の抽出法としては、例えば特許文献3では、A群レンサ球菌、口腔内レンサ球菌等ストレプトコッカス属に属する微生物の糖鎖抗原を亜硝酸抽出法にて行っている。特許文献4では、多剤耐性ブドウ球菌の抗原を抽出するためにアルカリ金属の水酸化物若しくは炭酸塩などを含む抽出用水溶液で抽出する方法が記載されている。しかしながら、亜硝酸抽出法などでは、免疫測定法の根幹である抗原抗体反応性を高めるため、反応環境下を適切なpH領域にするため抽出液を中和する工程が必要となる。
中和工程が不要な抽出法には、界面活性剤処理法が挙げられる(例えば特許文献5参照。)。しかしながら、例えばインフルエンザウィルス、アデノウィルス、RSVウィルスなどの抗原抽出には界面活性剤を用いた抽出液が実用化されているものの、実態として細菌をターゲットとした迅速検査には実用化されているものは少なく、マイコプラズマ・ニューモニアの検出のための免疫クロマトグラフィーに採用できる界面活性剤処理法に用いる抽出液、又は検体浮遊液は知られていなかった。
なお、上記特許文献5には、界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル等の非イオン性界面活性剤を使用できることが記載されており(段落番号[0013])、緩衝液としてpH3〜8のトリス緩衝液を使用できること(段落番号[0015])、及びマイコプラズマ脂質抗原を被測定物とできること(段落番号[0021])が記載されているが、実施例に具体的に開示されているのは界面活性剤としてオクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)(Triton-X)を用いてリン酸緩衝液によりインフルエンザの抗原を測定する方法であり、特にマイコプラズマ・ニューモニアを検出する方法については具体的な開示が全くない。
国際公開2001/057199号パンフレット 特開昭63−298号公報 特許第3757171号公報 特許第3638731号公報 特開2006−84351号公報
本発明の課題は、免疫クロマトグラフィー法を用いたマイコプラズマ・ニューモニアの免疫測定方法において、偽陽性の発生を抑制し、マイコプラズマ・ニューモニアを高感度に検出できる検体浮遊液、当該検体浮遊液を用いた測定方法、及び測定キットを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、免疫クロマトグラフィー装置を用いる方法、例えばマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗原と特異的に結合する第一抗体が固定化された不溶性担体を移動可能に保持した第1部分と、該マイコプラズマ・ニューモニア抗原と特異的に結合する第二の抗体が固定化された第2部分とを有する膜担体を備えた免疫クロマトグラフィー用試験片を用いた該マイコプラズマ・ニューモニアを免疫学的に測定する方法においては、マイコプラズマ・ニューモニアを含有する可能性のある検体を特定の検体浮遊液を用いて前処理することにより、偽陽性の発生を抑制することができ、高感度かつ簡便な測定を再現性よく行うことができることを見出した。
すなわち、以下の各発明が提供される。
[1] マイコプラズマ・ニューモニアを免疫クロマトグラフィー法で検出するために用いる検体浮遊液であって、非イオン性界面活性剤、及びトリス緩衝液及びホウ酸を含む緩衝液からなる群から選ばれる1つ以上の緩衝液を含みpHが7.0〜8.5である検体浮遊液。
[2] 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである上記[1]に記載の検体浮遊液。
[3] ポリオキシエチレンアルキルエーテルがHLB値12〜15のポリオキシエチレンアルキルエーテルである上記[2]に記載の検体浮遊液。
[4] ポリオキシエチレンアルキルエーテルがポリオキシエチレンセチルエーテルである上記[2]又は[3]に記載の検体浮遊液。
[5] マイコプラズマ・ニューモニアの検査用検体試料を上記[1]ないし[4]のいずれかに記載の検体浮遊液に浮遊させた後、該検体浮遊液をマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置による測定に付する工程を含む免疫測定方法。
[6] マイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体が、マイコプラズマ・ニューモニアに属する微生物のリボソーム蛋白質Ribosomal Protein L7/L12に対して特異的に結合する抗体である上記[5]に記載の方法。
[7] 該免疫クロマトグラフィー装置が、マイコプラズマ・ニューモニア抗原と特異的に結合する第一の抗体が固定化された不溶性担体を移動可能に保持した第1部分と、該マイコプラズマ・ニューモニア抗原と特異的に結合する第二の抗体が固定化された第2部分とを有する膜担体を備えた免疫クロマトグラフィー用試験片である上記[5]又は[6]に記載の方法。
[8] 上記[1]ないし[4]のいずれかに記載の検体浮遊液、及びマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置を含む、マイコプラズマ・ニューモニア検出用の免疫クロマトグラフィー・アッセイ・キット。
本発明により提供されるマイコプラズマ・ニューモニアの検査用検体浮遊液を用いると免疫クロマトグラフィー装置により検体試料中のマイコプラズマ・ニューモニアを高感度で迅速かつ特異的に検出することができる。
本発明の免疫測定方法で使用する免疫クロマトグラフィー装置として使用可能なテストストリップ(試験片)の一例の断面模式図である。
本発明により提供される検体浮遊液は、マイコプラズマ・ニューモニア(「肺炎マイコプラズマ菌」とも呼ばれる。)を免疫クロマトグラフィー法で検出するために用いる検体浮遊液であって、非イオン性界面活性剤、及びトリス緩衝液及びホウ酸を含む緩衝液からなる群から選ばれる1つ以上の緩衝液を含みpHが7.0〜8.5であることを特徴としている。
本明細書において、「検体浮遊液」とは、患者や環境等から採取した被測定物であるマイコプラズマ・ニューモニアを含む可能性がある検体試料を浮遊又は懸濁するための溶液を意味している。該検体試料を浮遊又は懸濁させた後の検体浮遊液は免疫クロマトグラフィー法のアッセイ装置による測定に付される。
本発明において、測定対象物となる検体試料は、好ましくは生体の任意の部位から採取することができ、マイコプラズマ・ニューモニアを含む可能性があるものであればよく特に限定はされないが、好ましくは、咽頭ぬぐい液、鼻咽頭ぬぐい液、喀痰などが挙げられる。これらの検体を採取する方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば綿棒を用いて、咽頭ぬぐい液、鼻咽頭ぬぐい液、喀痰を採取することができる。
採取した検体試料には被測定物以外にも様々な物質が含まれている。例えば、病原体感染測定のため、人から検体を採取する際には鼻腔や咽頭より綿棒等で採取することが多いが、この検体中には患者由来の組織片や分泌物の他、被測定物である病原体の組織が含まれている場合がある。これらの一部は検体浮遊液組成物中に凝集物として存在し、一部は検体浮遊液組成物中に溶解した状態で存在する。
これらを含んだ状態で検体浮遊液組成物を免疫クロマトグラフィー装置による測定に付すと、非特異反応により偽陽性が発生する場合がある。凝集物を除去するためにはアッセイに付する前に濾過用のメンブレンを通過させて濾過する方法が有効であるが、溶解物の場合、濾過により除去することはできないので、偽陽性を発生させない組成を有する検体浮遊液が必要である。本発明の検体浮遊液はマイコプラズマ・ニューモニアの菌体を含む可能性がある検体を浮遊又は懸濁させ、マイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置による測定に付するために用いられるが、このような偽陽性の発生を防止ないし低減するためにも極めて有用である。
非イオン性界面活性剤の種類は限定されないが、例えば、ポリアルキレンオキサイド基を分子中に有するポリアルキレンオキサイド誘導体が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド誘導体としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物が挙げられる。
特に好ましいポリアルキレンオキサイド誘導体としては、特異的反応への影響が少ないポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。さらに最も好ましくはポリオキシエチレンセチルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が12〜15であることが望ましく、特にHLB値が14であることがより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは1種又は2種以上の混合物であってもよい。
本発明の検体浮遊液中の非イオン性界面活性剤の濃度は、不溶性担体上を展開せしめる濃度であれば特に限定はないが、好ましくは0.1〜2.0(w/v)%であることが望ましく、0.2〜1.0(w/v)%であることがさらに好ましい。濃度が低いと期待される効果が十分に得られない場合があり、また濃度が高いと特異的(抗原抗体)反応を阻害したり、逆に非特異的反応を誘発・促進する場合がある。
本明細書において「トリス緩衝液」とはトリスヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)を含む緩衝液を意味している。トリス緩衝液としては、一般的にはトリスと塩酸とを含む緩衝液(トリス塩酸緩衝液)のほか、トリスとエチレンジアミン四酢酸とを含む緩衝液(TE)、トリス、酢酸、及びエチレンジアミン四酢酸を含む緩衝液(TAE)などを例示することができるが、これらに限定されることはない。好ましくはトリス塩酸緩衝液を用いることができる。ホウ酸を含む緩衝液としては、一般的にはホウ酸と水酸化ナトリウムとを含むホウ酸緩衝液のほか、ホウ酸とホウ砂とを含む緩衝液、ホウ酸と炭酸ナトリウムとを含む緩衝液などを例示することができるが、これらに限定されることはない。好ましくはホウ酸緩衝液又はホウ酸とホウ砂とを含む緩衝液などを用いることができる。トリス緩衝液とホウ酸を含む緩衝液とを適宜組み合わせて用いてもよい。
トリス緩衝液及びホウ酸を含む緩衝液からなる群から選択される緩衝液の濃度は特に限定されないが、好ましくは10mMから300mMが望ましい。上限が200mMであることが好ましい場合もある。緩衝液のpHは抗原抗体反応の非特異的な反応を抑制する観点から7.0〜8.5程度とすることができる。非特異的な反応をより効率的に抑制するため、あるいは特異的な反応を促進するためには、pH7.0〜pH8.0であることが望ましい。
本発明の検体浮遊液は、さらに無機塩類を含むことが好ましい。無機塩類を含むことにより、非特異反応が低減されるという効果が奏される。
無機塩類としては、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ストロンチウム化合物等の無機化合物のうち水溶性のもの及びそれらを組み合わせたものが好適に用いられるがそれらに限定されない。塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が好ましく、塩化ナトリウムが特に好ましい。
本発明の検体浮遊液中の無機塩類の濃度は好ましくは200mM未満であり、より好ましくは10〜100mMである。200mMを超えると偽陽性の発生率が高くなり、10mM未満でも、200mMを超えた場合と同様、偽陽性の発生率が高くなるという傾向がある。
本発明の検体浮遊液には、無機塩の他、検体浮遊液中の被測定物の安定化を目的として、ウシ血清アルブミン、カゼイン等のタンパク質を含有させることも可能である。その濃度は通常、0.1〜5(w/v)%が適当である。
本発明の検体浮遊液を用いてマイコプラズマ・ニューモニアを含む可能性がある検体を測定するには、マイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置による測定を行うことができる。標識物質としてコロイド物質を用い、捕捉試薬としてマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を結合した膜担体(以下「メンブレン」ともいう。)を備えたアッセイ装置に検体浮遊液組成物を滴下などにより接触させ、前記液中のマイコプラズマ・ニューモニアの存在を検出する免疫クロマトグラフィー法を用いることが特に効果的である。本明細書において検出と言う場合には定性的な検出のほか、定量も含まれる。
免疫クロマトグラフィー法としては、フロースルー式メンブレンアッセイ法やラテラルフロー式メンブレンアッセイ法が挙げられるが、ラテラルフロー式メンブレンアッセイ法を利用する方法が簡便かつ迅速であるため好ましい。ラテラルフロー式メンブレンアッセイ法は、メンブレンに対して被測定物を含む溶液を水平方向に展開させる工程を含む方法である。
免疫クロマトグラフィー法のアッセイ装置中のメンブレンとしては、紙やニトロセルロースなどの多孔質物質、又は繊維状マトリクス、薄層クロマトグラフに用いられるシリカ、微細顆粒セルロース、ナイロン6,6などの一定の粒子径の粒子を捕捉できる担体を挙げることができる。好ましい多孔質物質としては、微多孔質セルロースエステル、たとえばアルカンカルボン酸などの脂肪族カルボン酸とのセルロースエステルが挙げられ、特に好ましくはニトロセルロースから作られた微多孔質物質が挙げられる。また、前記セルロースエステルとニトロセルロースの混合物も好適に用いることができる。上記メンブレンは孔径0.3〜15μmのものが用いられることが多い。メンブレンの厚さは、通常、100〜200μm程度である。
免疫クロマトグラフィー法においてマイコプラズマ・ニューモニアを捕捉するためには、マイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を捕捉試薬として用いることができるが、抗体の種類はマイコプラズマ・ニューモニア抗原と結合することができるものであれば特に限定されない。例えば、マイコプラズマ・ニューモニアを特異的に認識するポリクローナル抗体やモノクローナル抗体等が挙げられる。
マイコプラズマ・ニューモニアを特異的に検出する抗体としては、例えば、特許文献1記載のリボソーム蛋白質L7/L12に対する抗体、及び特許文献2記載の膜抗原蛋白質に対するモノクローナル抗体が挙げられる。これらの中でも、リボソーム蛋白質L7/L12に対する抗体が好ましい。L7/L12リボソームタンパク質は、全ての微生物において同一の機能が保存された蛋白質の一種であり、蛋白質合成に必須なリボゾーム蛋白質としてその存在が知られている。また、リボソーム蛋白質L7/L12複合体は極めて安定であることが知られており、構造安定性が高く本発明の検体浮遊液のpH領域などの環境下でも構造が安定と考えられ、抗体との反応が阻害されにくいことが予想される。また、蛋白質のアミノ酸配列が既知であることより、免疫クロマトグラフィー法での免疫測定方法に、より有効な抗体を選択することが可能と考えられる。また、細胞内に1000〜10000個が存在するために免疫測定方法には有効な抗原と考えらえる。また、以下に記載の公知の方法により、マイコプラズマ・ニューモニアを他の細菌と識別可能な抗体を実際に取得可能である。
このような抗体を上述したメンブレン表面に結合させる方法としては、物理的吸着であってもよく、又は化学的な結合によるものであってもよい。抗体が結合したメンブレンの調製は、例えば、抗体を緩衝液等に希釈した溶液をメンブレンに吸着してその後乾燥することにより行われる。
本発明で使用することができる免疫クロマトグラフィー装置の一例を図1に示す。
該装置は、免疫測定法によってマイコプラズマ・ニューモニアの抗原を検出するための装置であって、該抗原に対する標識された第一の抗体又は標識された該抗原が保持された第1部分と、該第1部分の下流に連結され、かつ該抗原に対する第二の抗体が固定化された第2部分と、該第1部分又は該第2部分の上流に連結され、検体が滴下される第3部分とを有する試験片を含む装置である。
免疫クロマトグラフィー装置は公知の方法にて市販の材料を用いて作製することができる。
第1部分に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、セルロース誘導体等の繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等である。
第2部分に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、ニトロセルロース、混合ニトロセルロースエステル、ポリビニリデンフロライド、ナイロン等である。
第3部分に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくはセルロース誘導体等繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等である。
上記第1部分には、抗原に対する標識された第一の抗体、又は標識された抗原が保持されている。第1部分に、抗原に対する標識された第一の抗体が保持されている場合には、サンドイッチアッセイ法により抗原を検出することができる。また、第1部分に標識された抗原が保持されている場合には、競合法により抗原を検出することができる。本発明においては、検出感度が高く、陽性で抗体検出ラインが出現するサンドイッチアッセイ法の方が好ましいことから、第1部分には、抗原に対する標識された第一の抗体が保持されていることが好ましい。
第1部分に抗原に対する標識された第一の抗体を保持させる場合には、抗原に対する第一の抗体と、該抗原に対する第二の抗体の、2種類の抗体を用いる。サンドイッチアッセイ法により該抗原を検出することができるように、上記第一の抗体と上記第二の抗体は、当該抗原に同時に結合できることができる抗体であり、上記第一の抗体が認識する当該抗原のエピトープは、上記第二の抗体が認識する当該抗原のエピトープとは異なることが好ましい。
検出可能な信号を得るために、第1部分に保持される第一の抗体又は抗原は標識されていることが好ましい。使用可能な標識としては、着色粒子、酵素、ラジオアイソトープなどが挙げられるが、特殊な設備不要で目視によって検出可能な着色粒子を使用することが好ましい。着色粒子としては、金や白金などの金属微粒子、非金属粒子、ラテックス粒子などの不溶性担体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。着色粒子は、試験片の空隙内を通って下流に輸送されることができるサイズであればいかなるサイズでもよいが、直径が1nmから10μmが好ましい。より好ましくは、5nmから1μmであり、さらに好ましくは10nmから100nmである。
上述した試験片をそのまま使用して免疫クロマトグラフィー装置としてもよいし、ケースに収納して、免疫クロマトグラフィー装置としてもよい。前者の場合は、容器に入った検体浮遊液に直接試験片の一端を浸して使用することが好ましい。また、後者の場合は、ピペット等で検体浮遊液の所定量を計量して試験片に滴下して使用することが好ましい。後者の場合のケースの形状は、試験片を収納でき、該試験片の第3部分に検体浮遊液を滴下可能な開口部を有し、該試験片の第2部分に第二の抗体が抗原と反応したことを観察可能な開口部または透明部を有すればいかなる形状でもよい。ケースの材料はいかなる材料でもよく、ポリプロピレンやポリカーボネートなどが好ましいものとしてあげられる。
免疫クロマトグラフィー法のアッセイキットは少なくとも上記の検体浮遊液、及びマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置、好ましくはマイコプラズマ・ニューモニア抗原に対する標識された第一の抗体が固定化された不溶性担体を移動可能に保持した第1部分、及びマイコプラズマ・ニューモニア抗原を捕捉するための第二の抗体が固定化された第2部分を有するメンブレンを含む。
アッセイキットは必要により濾過フィルター及び洗浄液組成物を含んでいてもよい。
また、必要に応じて、キットの活性を検査するためのバッファーのみからなる陰性コントロール液、抗原性物質などの被測定物を含むバッファーからなる陽性コントロール液を含んでいてもよい。さらに、滅菌綿棒等の検体採取器具を含んでいてもよい。
以下に、免疫クロマトグラフィー法のラテラルフロー式のメンブレンアッセイを例に挙げ、より具体的な手順を示して説明するが、本発明の範囲は下記の特定の態様に限定されることはない。
(ラテラルフロー式メンブレンアッセイ法)
(1)マイコプラズマ・ニューモニアに感染した患者の咽頭あるいは鼻腔等から検体試料を採取する。拭い液を採取する場合には滅菌綿棒等を用いると便利である。また、鼻腔吸引液等は吸引カテーテルを用いる。
(2)綿棒を検体浮遊液に浸漬させてしばらく放置する、又はかきまぜることで、採取した検体試料を検体浮遊液に浮遊させる。検体浮遊液はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフレキシブルな材質からなる滴下用チューブに入れると、そのまま免疫クロマトグラフィー装置に滴下できるので便利である。
(3)検体浮遊液を、免疫クロマトグラフィー装置の前記第3部分に滴下する。検体を含む検体浮遊液はメンブレン上を、第3部分、第1部分、第2部分の順で水平方向に展開してゆく。ここで検体がマイコプラズマ・ニューモニア抗原を含む場合は、前記第1部分にて第一の抗体/抗原の複合体が形成され、該複合体が下流に移動する。該複合体が、前記第2部分に固定化された第二の抗体の結合ラインに達するとそのライン上に、第一の抗体/抗原/第二の抗体のサンドイッチ複合体が形成され、第一の抗体の標識により検出することができる。
なお、検体浮遊液中に含まれる凝集物等を除去するため、滴下用チューブの先端等に濾過フィルターを装着して免疫クロマトグラフィー装置に滴下する前に濾過してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
<例1>
(1)抗体準備
特許文献WO01/057199に示す方法と同様に、Mycoplasma pneumoniaeのRibosomal Protein L7/L12蛋白質との反応陽性を示すハイブリドーマMPRB−A細胞とハイブリドーマMPRB−B細胞の2クローンを取得し、定法に従ってモノクローナル抗体AMMP−AとAMMP−Bを生産回収した。AMMP−A抗体とAMMP−B抗体は、Mycoplasma pneumoniaeのRibosomal ProteinL7/L12蛋白質中の抗体認識部位が異なる独立した抗体であり、Mycoplasma pneumoniaeのRibosomal ProteinL7/L12蛋白質を抗原としたサンドイッチELISA法にて該抗原が存在した場合に検出することができる組合せの抗体群である。この2つの抗体の他の細菌との交差反応性は、特許文献1に記載のELISA法で評価した結果、特許文献1記載のAMMP−1モノクローナル抗体と同等であり、Mycoplasma pneumoniaeのすべての株を106個/mlの菌濃度で検出すると同時に、Neisseria meningitidis, Neisseria lactamica, Neisseria mucosa, Neisseria sicca, Haemophilus influenzae, Branhamella catarrharis, Neisseria gonorrhoeae, Escherichia coli,及びKlebsiella pneumoniae とは108個/mlの菌濃度で反応しないことを確認した。
(2)抗体固定化メンブレンの作製
抗体固定化用メンブレンには、ニトロセルロースからなるシート(ミリポア社製、商品名:HF135、300mm×20mm)を用いた。リン酸緩衝液(pH7.0)にてAMMP−Aを2.0mg/mLの濃度になるように希釈した。この溶液30μLをメンブレン上に1mmの幅で塗布し、50℃で30分間乾燥させた。乾燥後、0.5(w/v)%のスクロース(和光純薬社製)、0.05(w/v)%のコール酸ナトリウム(和光純薬社製)を含むトリス緩衝液(pH8.0)に洗浄し、室温で一晩乾燥させ固定化メンブレン(第2部分)を作製した。
(3)抗体標識金コロイド含浸パッドの作製
金コロイド分散液(BBI社製:60nm)1mLにリン酸緩衝液(pH7.0)にて希釈した200μg/mLになるように調整したAMMP−Bを0.1mL加え撹拌後、室温で30分間静置した。次いで10(w/v)%のウシ血清アルブミン(SIGMA社製、以下BSA)を0.1mL加え撹拌後、さらに30分間静置した。その後、7000×gで20分間遠心分離を行い、上清を除去した後に、0.2(w/v)%のBSA、2(w/v)%のスクロースを含むトリス緩衝液(pH8.0)1mLを添加し十分に撹拌し懸濁した後に、10mm×120mmのグラスファイバー(ミリポア社製)に均一になるように添加し、真空乾燥機にて乾燥させ、抗体標識金コロイド含浸パッド(第1部分)を作製した。
(4)免疫クロマトグラフィー用試験片の作製
接着層を持つバッキングシート(Adhesives Research Inc.製)からなる基材に上記作製した抗体固定化メンブレン、抗体標識金コロイド含浸パッド、試料を添加する部分に用いるサンプルパッド(第3部分:旭化成せんい社製、NE107)、展開した試料や余剰抗体固定化金コロイドを吸収するための吸収パッドを貼り合せた。そして、裁断機を用いて5mmの幅になるように裁断し、免疫クロマトグラフィー用試験片とした。
(5)試験菌液の培養及び調製
マイコプラズマ・ニューモニア FH株(ATCC No.15531)をPPLOブロス(ウマ血清、新鮮酵母エキス、ブドウ糖、酢酸タリウム、ペニシリンG含有)に接種し、37℃、5日間好気培養し、ブロスのpHが6.8となったものを試験菌液として用いた。
(6)検体浮遊液の準備
0.1(w/v)%のアジ化ナトリウム(ナカライテスク社製)を含むTris・HCl緩衝液(pH7.5)100mLに0.5(w/v)%となるようにポリオキシエチレンセチルエーテル(SIGMA社製、商品名:Brij58、HLB値:14.0)を加え検体浮遊液とした。
(7)免疫クロマトグラフィー装置を用いた測定
上記作製した免疫クロマトグラフィー試験片を用いて、以下の方法にて試料中のマイコプラズマ・ニューモニアの存在の有無を測定した。
即ち、上記にて作製したマイコプラズマ・ニューモニア試験菌液をPBS(和光純薬製)にて40倍希釈した陽性検体液20μLを上記にて作製した検体浮遊液500μLに添加し、撹拌後5分間静置したものを陽性検体試料とした。また、検体浮遊液500μLに20μLのPBSのみを添加し、撹拌後5分間静置したものを陰性検体試料とした。陽性検体試料、陰性検体試料とも120μLを免疫クロマトグラフィー試験片のサンプルパッド上に載せて展開させ、各3本ずつを10分後、及び20分後に目視判定した。抗体固定化メンブレン上の抗体固定化ラインの赤い線が検体滴下後10分で確認できず20分で確認できるものを「+」、検体滴下後10分で確認できるものを「2+」、検体滴下後20分で非常に薄く赤い線が確認できるものを「±」、検体滴下後20分で赤い線が確認できないものを「−」とした。表1に結果を示す。
<例2>
Brij58の代わりに非イオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキル(C13)エーテル(ライオン社製、商品名:レオコールTD−90、HLB値:12.2)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例3>
Brij58の代わりに非イオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキル(C13)エーテル(ライオン社製、商品名:レオコールTD−120、HLB値:14.5)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例4>
Tris・HCl緩衝液(pH7.5)の代わりにホウ酸/ホウ砂緩衝液(pH7.6)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例5>
Tris・HCl緩衝液(pH7.5)の代わりにTris・HCl緩衝液(pH7.0)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例6>
Tris・HCl緩衝液(pH7.5)の代わりにTris・HCl緩衝液(pH8.0)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例7>
Brij58の代わりに非イオン系界面活性剤であるポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニルエーテル(SIGMA社製、商品名:TritonX−100、HLB値:13.5)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例8>
Brij58の代わりに両性界面活性剤である商品名:アンヒトール24B(花王社製、)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例9>
Brij58の代わりに陰イオン系界面活性剤であるコール酸ナトリウム(和光純薬社製)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例10>
Brij58の代わりに陽イオン系界面活性剤である商品名:コータミン24P(花王製)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例11>
Tris・HCl緩衝液(pH7.5)の代わりにリン酸緩衝液(pH7.3)を使用したこと以外は、例1と同様にして測定を行った。表1に結果を示す。
<例12>
マイコプラズマ・ニューモニアに罹患した患者から、レーヨン製綿棒(平和メディク社製)で採取した咽頭拭い液を用意し、ポリエチレン製の抽出チューブに入れた検体浮遊液中に該綿棒を5分間浸漬し、その後綿棒に含まれている検体浮遊液を絞ってあわせたものをガラス濾紙メンブレン(Whatman社製、GF/DVA)からなるフィルターを有するろ過用ノズルを装着して濾過し、濾過後の検体浮遊液120μLを検体試料とする以外は例1と同様にして、測定を行った。3例を評価した結果(2+)(+)(2+)であった。
同様に、健常者から、レーヨン製綿棒(平和メディク社製)で採取した咽頭拭い液を用意し、ポリエチレン製の抽出チューブに入れた検体浮遊液中に該綿棒を5分間浸漬し、その後綿棒に含まれている検体浮遊液を絞ってあわせたものをガラス濾紙メンブレン(Whatman社製、GF/DVA)からなるフィルターを有するろ過用ノズルを装着して濾過し、濾過後の検体浮遊液120μLを検体試料とする以外は例1と同様にして、測定を行った。3例を評価した結果(−)(−)(±)であった。
<参考例>
(ELISA法による抗原抗体反応性評価)
AMMP−B抗体をペルオキシダーゼに結合せしめることにより検出用の抗体とした。酵素標識はホースラディッシュパーオキシダーゼ(SIGMAグレードVI)を用い結合には試薬S−アセチルチオ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドを使用しAnalytical Bio−Chemistry 132(1983)、68−73に述べられている方法に従って行った。ELISA反応においてはAMMP−A抗体を10μg/mL濃度で希釈した液を100μLずつ96穴プレートに別々に分注し4℃で1晩吸着させた。上澄み除去後、1%牛血清アルブミン溶液(PBS中)200μLを添加し室温で1時間反応しブロッキングした。上澄み液を除去後、生成物を洗浄液(0.02%Tween20、PBS)で洗浄した。
これに、50倍に生理食塩水で希釈したマイコプラズマ・ニューモニア培養液と1重量%の各界面活性剤(Brij58、TrironX−100、Tween20、コール酸ナトリウム)を含む生理食塩水とを1:1の割合で5分間抽出した抗原陽性溶液、陰性コントロールとして50倍に生理食塩水で希釈したマイコプラズマ・ニューモニア培養液と界面活性剤を含まない生理食塩水とを1:1の割合で5分間抽出した陰性コントロール溶液を加え、室温で1時間反応させた。また、マイコプラズマ・ニューモニアを含まない生理食塩水と1重量%の各界面活性剤を含む生理食塩水とを1:1の割合で5分間抽出した抗原陰性溶液をも加え、同様に室温で1時間反応させた。上澄み液を除去し、生成物を再び洗浄液で洗浄した。
次いで、1重量%BSAを含むPBSでペルオキシダーゼ標識AMMP−B抗体が濃度10μg/mLになるように希釈した溶液を100μL添加し、室温にて1時間反応させた。上澄み液を除去し、生成物を再び洗浄液にて洗浄した。TMB溶液(KPL社製)を100μLずつ加え、混合物を室温にて20分間反応させた。着色したところで1Nの硫酸100μLを加え、反応を停止させ、450nmの吸光度を測定した。表2に結果を示す。2+は強陽性、+は陽性、−は陰性を示したことを示す。この結果は、ELISAでは検体浮遊液に用いた界面活性剤によらずに検出できたことを示しているが、コール酸ナトリウム等の界面活性剤はメンブランに固定化した抗体を剥離させてしまうため免疫クロマトグラフィーでは良好な結果を与えなかったためと考えられた。
本発明は、人などのマイコプラズマ・ニューモニアによる感染症の診断に利用することができる。
1.標識抗体含浸部材(第1部分)
2.クロマト展開用膜担体(第2部分)
3.捕捉部位
4.試料添加用部材 (第3部分)
5.吸収用部材
6.基材

Claims (8)

  1. マイコプラズマ・ニューモニアを免疫クロマトグラフィー法で検出するために用いる検体浮遊液であって、非イオン性界面活性剤、及びトリス緩衝液及びホウ酸を含む緩衝液からなる群から選ばれる1つ以上の緩衝液を含みpHが7.0〜8.5である検体浮遊液。
  2. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである請求項1に記載の検体浮遊液。
  3. ポリオキシエチレンアルキルエーテルがHLB値12〜15のポリオキシエチレンアルキルエーテルである請求項2に記載の検体浮遊液。
  4. ポリオキシエチレンアルキルエーテルがポリオキシエチレンセチルエーテルである請求項2又は3に記載の検体浮遊液。
  5. マイコプラズマ・ニューモニアの検査用検体試料を請求項1ないし4のいずれかに記載の検体浮遊液に浮遊させた後、該検体浮遊液をマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置による測定に付する工程を含む免疫測定方法。
  6. マイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体が、マイコプラズマ・ニューモニアに属する微生物のリボソーム蛋白質Ribosomal Protein L7/L12に対して特異的に結合する抗体である請求項5に記載の方法。
  7. 該免疫クロマトグラフィー装置が、マイコプラズマ・ニューモニア抗原と特異的に結合する第一の抗体が固定化された不溶性担体を移動可能に保持した第1部分と、該マイコプラズマ・ニューモニア抗原と特異的に結合する第二の抗体が固定化された第2部とを有する膜担体を備えた免疫クロマトグラフィー用試験片である請求項5又は6に記載の方法。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の検体浮遊液、及びマイコプラズマ・ニューモニアに対する抗体を用いた免疫クロマトグラフィー装置を含む、マイコプラズマ・ニューモニア検出用の免疫クロマトグラフィー・アッセイ・キット。
JP2013039620A 2013-02-28 2013-02-28 マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法 Active JP6150559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013039620A JP6150559B2 (ja) 2013-02-28 2013-02-28 マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013039620A JP6150559B2 (ja) 2013-02-28 2013-02-28 マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014167439A true JP2014167439A (ja) 2014-09-11
JP6150559B2 JP6150559B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=51617195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013039620A Active JP6150559B2 (ja) 2013-02-28 2013-02-28 マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6150559B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105116150A (zh) * 2015-08-12 2015-12-02 杭州创新生物检控技术有限公司 肺炎支原体抗原检测试剂盒及其检测方法
WO2017002882A1 (ja) * 2015-06-30 2017-01-05 田中貴金属工業株式会社 クロマト分析装置およびクロマト分析方法
EP3153858A4 (en) * 2014-06-04 2017-07-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. Method for eliminating prozone phenomenon in immunoassay reagent
JP2017207332A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 旭化成株式会社 クラミジア・ニューモニエを検出する方法及びキット
JP2017207333A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 旭化成株式会社 細菌を検出する方法及びキット
JP2019138919A (ja) * 2014-10-09 2019-08-22 デンカ生研株式会社 免疫分析方法及び試薬
WO2020031931A1 (ja) 2018-08-06 2020-02-13 積水メディカル株式会社 マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法
WO2020091028A1 (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 積水メディカル株式会社 マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法
WO2020091029A1 (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 積水メディカル株式会社 マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法
CN111512154A (zh) * 2017-12-25 2020-08-07 富士瑞必欧株式会社 针对大环内酯类免疫抑制剂的血液检测方法
US10852300B2 (en) 2015-06-01 2020-12-01 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. Immunochromatographic analyzer for Mycoplasma pneumoniae detection

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04346787A (ja) * 1990-06-08 1992-12-02 Boehringer Mannheim Gmbh Dna、組換えベクター、微生物、dnaの取得法、組換え蛋白質の取得法及び組換え蛋白質
WO2001057199A1 (fr) * 2000-01-31 2001-08-09 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Anticorps servant a detecter le mycoplasma pneumoniae
JP2002257833A (ja) * 2000-12-28 2002-09-11 Shino Test Corp 測定対象物質の測定試薬及び測定対象物質の測定試薬の安定化方法
JP2002277472A (ja) * 1997-08-04 2002-09-25 Sentan Seimei Kagaku Kenkyusho:Kk ウイルスの検出又は測定方法
JP2006084351A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Denka Seiken Co Ltd 検体浮遊液組成物、キット及び検査方法
WO2006095697A1 (ja) * 2005-03-10 2006-09-14 Bussan Nanotech Research Institute, Inc. 微生物検出方法及び溶菌試薬
JP2009036781A (ja) * 2006-10-19 2009-02-19 Denka Seiken Co Ltd 試料ろ過フィルターを用いる簡易メンブレンアッセイ方法及びキット
CN101699290A (zh) * 2009-04-03 2010-04-28 李克生 肺炎支原体抗体检测方法及金标快速检测卡和制备方法
CN201464480U (zh) * 2009-07-17 2010-05-12 天津市赛瑞达生物工程有限公司 肺炎支原体抗体快速检测笔
JP2011257138A (ja) * 2009-03-12 2011-12-22 Osaka Univ 高病原性鳥インフルエンザh5n1亜型ウイルスの検出キット
CN202649211U (zh) * 2012-07-13 2013-01-02 黑龙江生物科技职业学院 用于动物支原体抗体检测的试剂盒
JP2013195403A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk イムノクロマトグラフィー検出方法
JP2015230221A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 田中貴金属工業株式会社 免疫学的測定試薬におけるプロゾーン現象の解消法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04346787A (ja) * 1990-06-08 1992-12-02 Boehringer Mannheim Gmbh Dna、組換えベクター、微生物、dnaの取得法、組換え蛋白質の取得法及び組換え蛋白質
JP2002277472A (ja) * 1997-08-04 2002-09-25 Sentan Seimei Kagaku Kenkyusho:Kk ウイルスの検出又は測定方法
WO2001057199A1 (fr) * 2000-01-31 2001-08-09 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Anticorps servant a detecter le mycoplasma pneumoniae
JP2002257833A (ja) * 2000-12-28 2002-09-11 Shino Test Corp 測定対象物質の測定試薬及び測定対象物質の測定試薬の安定化方法
JP2006084351A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Denka Seiken Co Ltd 検体浮遊液組成物、キット及び検査方法
WO2006095697A1 (ja) * 2005-03-10 2006-09-14 Bussan Nanotech Research Institute, Inc. 微生物検出方法及び溶菌試薬
JP2009036781A (ja) * 2006-10-19 2009-02-19 Denka Seiken Co Ltd 試料ろ過フィルターを用いる簡易メンブレンアッセイ方法及びキット
JP2011257138A (ja) * 2009-03-12 2011-12-22 Osaka Univ 高病原性鳥インフルエンザh5n1亜型ウイルスの検出キット
CN101699290A (zh) * 2009-04-03 2010-04-28 李克生 肺炎支原体抗体检测方法及金标快速检测卡和制备方法
CN201464480U (zh) * 2009-07-17 2010-05-12 天津市赛瑞达生物工程有限公司 肺炎支原体抗体快速检测笔
JP2013195403A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk イムノクロマトグラフィー検出方法
CN202649211U (zh) * 2012-07-13 2013-01-02 黑龙江生物科技职业学院 用于动物支原体抗体检测的试剂盒
JP2015230221A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 田中貴金属工業株式会社 免疫学的測定試薬におけるプロゾーン現象の解消法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3153858A4 (en) * 2014-06-04 2017-07-19 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. Method for eliminating prozone phenomenon in immunoassay reagent
US10466237B2 (en) 2014-06-04 2019-11-05 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. Method for excluding prozone phenomenon in immunological measurement reagent
JP2019138919A (ja) * 2014-10-09 2019-08-22 デンカ生研株式会社 免疫分析方法及び試薬
US10852300B2 (en) 2015-06-01 2020-12-01 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. Immunochromatographic analyzer for Mycoplasma pneumoniae detection
JP2017015533A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 田中貴金属工業株式会社 クロマト分析装置およびクロマト分析方法
WO2017002882A1 (ja) * 2015-06-30 2017-01-05 田中貴金属工業株式会社 クロマト分析装置およびクロマト分析方法
CN105116150A (zh) * 2015-08-12 2015-12-02 杭州创新生物检控技术有限公司 肺炎支原体抗原检测试剂盒及其检测方法
JP2017207332A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 旭化成株式会社 クラミジア・ニューモニエを検出する方法及びキット
JP2017207333A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 旭化成株式会社 細菌を検出する方法及びキット
CN111512154A (zh) * 2017-12-25 2020-08-07 富士瑞必欧株式会社 针对大环内酯类免疫抑制剂的血液检测方法
WO2020031931A1 (ja) 2018-08-06 2020-02-13 積水メディカル株式会社 マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法
WO2020091028A1 (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 積水メディカル株式会社 マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法
WO2020091029A1 (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 積水メディカル株式会社 マイコプラズマ・ニューモニエの免疫学的検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6150559B2 (ja) 2017-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6150559B2 (ja) マイコプラズマ・ニューモニアの検出方法
JP6226624B2 (ja) 溶血性レンサ球菌診断イムノクロマト試薬、キット及び検出方法
JP6659406B2 (ja) イムノクロマトグラフィー装置
JP5845033B2 (ja) マイコプラズマ・ニューモニエ検出用イムノクロマトグラフィー試験デバイスおよびキット
US7579195B2 (en) Simple membrane assay method and kit
WO2017010574A1 (ja) 免疫測定法、免疫クロマトキット
WO2007069673A1 (ja) 多剤耐性ブドウ球菌のイムノクロマトグラフィー検出法および診断キット
CA2574432C (en) Enriched antibody for detecting mycobacterial infection, methods of use and diagnostic test employing same
JP2010510524A (ja) 試料を調製及び分析するシステム並びに方法
US10859575B2 (en) Mycobacterium tuberculosis specific peptides for detection of infection or immunization in non-human primates
JP4115728B2 (ja) フロースルー式検査法用組成物、これを用いたキット及び検査法
JP4268358B2 (ja) 抗体および免疫学的測定方法
CN204028084U (zh) 人肺炎衣原体量子点免疫层析检测卡
JP6770805B2 (ja) 検体中の特定の細菌を検出する方法
JP2006084351A (ja) 検体浮遊液組成物、キット及び検査方法
CN105388291B (zh) 一种快速诊断活动性结核病的gamma delta T细胞表面活化分子及试剂盒
JP6676464B2 (ja) クラミジア・ニューモニエを検出する方法及びキット
JP2021012197A (ja) 呼吸器感染症の起因菌を検出する方法
JP6676387B2 (ja) 特定の細菌を検出するイムノクロマト方法及びそれに用いるキット
CN105319360A (zh) 人肺炎衣原体量子点免疫层析检测卡及其制备方法和应用
Florman et al. Rapid noninvasive techniques for determining etiology of bronchitis and pneumonia in infants and children
CN215297411U (zh) 检测2019-nCoV抗体的胶体金试纸条
CN112763710A (zh) 检测2019-nCoV抗体的胶体金试纸条及制备方法
WO1992014156A1 (en) Immunofluorescent test for mycobacterial antigens in biological fluids
JP2001302697A (ja) ポリクローナル抗体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6150559

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350