JP4115728B2 - フロースルー式検査法用組成物、これを用いたキット及び検査法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗原または抗体を検出するためのイムノアッセイ法の一種であるフロースルー式検査法において測定時の疑似反応の要因となる、非特異的な吸着やバックグラウンドの発色を抑え、分析対象物を正確に且つ迅速に検出または定量する事ができる組成物、並びにそれを用いたフロースルー式検査法及びフロースルー式検査法用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫反応の特異性を利用して試料中の分析対象物を免疫学的手法により検出または定量する分析方法として免疫拡散法、酵素免疫測定法、凝集法等種々の方法論が実用化されている。フロースルー式検査法はイムノクロマトグラフィー法(ラテラルフロー式、タンジェンシャルフロー式)と並ぶ、メンブランを使用した検査法の1種であり、操作が簡便で一般的な検査の場に普及している。
フロースルー式検査法の原理については“Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, January 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8、及び特公平7−34016号(ハイブリテックの特許)に記載されている。
インフルエンザウイルス抗原の検出を例に、この分析法について簡単に説明する。インフルエンザウイルス抗原を捕捉するための捕捉試薬(例えば、抗インフルエンザウイルス抗体)を固定化したメンブラン上に、患者から採取した検体(咽頭・鼻腔拭い液、鼻腔吸引液等)を検体浮遊液に浮遊させた試料を所定量滴下すると、検体液がメンブランを通過する際、存在する分析対象物(インフルエンザウイルス抗原)がメンブランに固定化された捕捉試薬に捕捉される。次いで、例えば酵素で標識化した、分析対象物に結合する検出試薬(例えば、標識化抗体)を所定量滴下すると、捕捉試薬−分析対象物−検出試薬の免疫複合体を形成する。その後、前記酵素の基質を滴下することにより免疫複合体が形成された領域を発色させて、試料中のインフルエンザウイルス抗原の存在を目視により判定することができる。この分析方法は感度が高い上に、特殊な器具・機材を必要とせず、簡便・迅速に結果が得られることから広く用いられている。
しかし、フロースルー式検査法では分析対象物を含む検体がメンブラン上、もしくはメンブラン上の捕捉試薬固定化領域(判定領域)に直接滴下されるため、検体中の分析対象物以外の成分がそこに留まると、非特異的な反応を起こして疑似陽性反応を呈する場合があり、診断が正確に行えない場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、フロースルー式検査法において、検体中に含まれる分析対象物以外の成分のメンブラン、もしくはメンブランに固定化された捕捉試薬への非特異的な結合を軽減させることを目的とする。更に本発明の目的は、フロースルー式検査法において測定時の疑似反応の要因となる、非特異的な吸着や、バックグラウンドの発色を抑えて、分析対象物を正確に且つ迅速に検出、または定量する方法またはそのような方法のための組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、フロースルー式検査法において、一定の組成からなる検体浮遊液組成物及び/または洗浄液組成物を用いることにより達成されることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも2種類の化合物を含むフロースルー式検査法用検体浮遊液組成物、及び、塩基性アミノ酸を含み、更に無機塩類及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含むフロースルー式検査法用洗浄液組成物に関する。
本発明は更に、上記検体浮遊液組成物または洗浄液組成物において無機塩類を含有し、無機塩類が塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化リチウムからなる群より選択される少なくとも一種である組成物に関する。本発明はまた、無機塩類を0.1〜3Mの範囲で含有する組成物に関する。
本発明はまた、上記検体浮遊液組成物または洗浄液組成物において塩基性アミノ酸を含有し、塩基性アミノ酸がアルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン及びシトルリンからなる群より選択される少なくとも一種である組成物に関する。本発明はまた、塩基性アミノ酸を0.1w/v%から30w/v%の範囲で含有する組成物に関する。
本発明はまた、上記検体浮遊液組成物または洗浄液組成物において界面活性剤を含有し、界面活性剤がポリアルキレンオキサイド誘導体である組成物に関する。本発明はまた、界面活性剤を0.01w/v%から10w/v%の範囲で含有する組成物に関する。
また、本発明は、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤を少なくとも含むフロースルー式検査法用洗浄液組成物に関する。
本発明はまた、(1)分析対象物を捕捉するための捕捉試薬が固定化されているメンブラン上に、患者から採取した検体を検体浮遊液組成物に浮遊させた試料を所定量滴下し、分析対象物をメンブラン上の捕捉試薬に捕捉させる、
(2)分析対象物が捕捉された前記メンブラン上に、分析対象物と反応する標識化検出試薬を所定量滴下し、捕捉試薬−分析対象物−検出試薬の免疫複合体を形成させる、
(3)洗浄液組成物で前記メンブランを洗浄する、
工程を含むフロースルー式検査法であって、検体浮遊液組成物が上記組成物であり、及び/または洗浄液組成物が上記組成物であることを特徴とする方法に関する。
本発明はまた、(a)捕捉試薬が固定化されたメンブラン、
(b)標識化検出試薬、及び
(c)検体浮遊液組成物及び/または洗浄液組成物、
を含むフロースルー式検査法用キットであって、検体浮遊液組成物及び/または洗浄液組成物として上記組成物を含むことを特徴とするキットに関する。
更に本発明は、上記キットにおいて、標識が酵素標識であり、更に前記酵素に対する基質を含むキットに関する。
また本発明は、更に反応停止液を含む上記キットに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
(フロースルー式検査法)
フロースルー式検査法の原理は、上述したように“Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, January 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8、にフロースルーフォーマット(Flow Through Formats)として記載されるとおりである。すなわち、メンブランを使用する免疫アッセイ法において、検体液がメンブランを通過し、その際にメンブランに固定された捕捉試薬に分析対象物が捕捉されることを特徴とする方法である。メンブランの下には検体液を下方に吸引する役割を果たす、液体を吸収する部材が存在することが好ましく、この部材により、より迅速な検出が可能となる。また、特公平7−34016号(ハイブリテック)もフロースルー式検査法の原理が記載される文献として挙げられる。
本発明のフロースルー式検査法に用いる装置の模式図を図1に示す。図1はフロースルー式検査法において使用されるアッセイ装置を側面方向からみた断面図である。記号aはアダプターと称される、捕捉試薬が固定化されたメンブランの一定領域へ試料等を滴下するための穴を備えた部材である。このアダプターの下に捕捉試薬が固定化されたメンブランbがあり、さらにその下層に液体を吸収する部材の層cがある。
本発明のフロースルー式検査法は例えば以下の手順により行うことができる。
【0006】
(1)ウイルス抗原等の分析対象物を捕捉するための捕捉試薬が固定化されているメンブラン(図1のb)上に、患者から採取した検体(咽頭・鼻腔拭い液、鼻腔吸引液等)を、検体浮遊液組成物に浮遊させた試料を所定量滴下し、分析対象物をメンブランに固定化された捕捉試薬に捕捉させる。このとき、検体液の他の部分はメンブランを通じて、下方の液体吸収部材(図1のc)に吸収される。
(2)分析対象物が捕捉されたメンブラン上に、酵素等で標識化した、分析対象物と結合する検出試薬を所定量滴下し、捕捉試薬−分析対象物−検出試薬の免疫複合体を形成させる。
(3)洗浄液組成物で前記メンブランを洗浄する。
(4)必要に応じ、免疫複合体に結合した標識化物を検出できるように免疫複合体を処理する。例えば、標識が酵素標識である場合にはその酵素に対する基質であって、酵素に触媒される反応により発色するような基質を添加して処理する。
(5)必要に応じ、反応停止液を添加するなどして、前記処理反応を停止する。
(6)試料中の分析対象物の存在を検出するか、または予め作成した検量線等を用いて定量する。例えば、(4)の工程の処理により発色が見られる場合には、肉眼で定性的に検出するか、比色計により定量することも可能である。また、放射線標識の場合には、直接放射線量を測定することも可能である。
【0007】
本発明の方法は、上記検体浮遊液組成物として、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも2種類の化合物を含む組成物を用いることを特徴とする。また、本発明の方法は、上記洗浄液組成物として、塩基性アミノ酸を含み、更に無機塩類及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含む組成物を用いることを特徴とする。以下、本発明の説明において、単に“組成物”または“フロースルー式検査法用組成物”という場合には、上記検体浮遊液組成物及び洗浄液組成物の両方の組成物を意味するものとする。
このような組成物を用いることにより、検体中に含まれる分析対象物以外の成分のメンブラン、もしくはメンブランに固定化された捕捉試薬への非特異的な結合を軽減させることができる。また、測定時の疑似反応の要因となる、非特異的な吸着や、バックグラウンドの発色を抑えて、分析対象物を正確に且つ迅速に検出または定量することが可能である。以上の手順は単なる例示であるが、この手順に従い、本発明の組成物、キットおよび方法を詳細に説明する。
【0008】
(フロースルー式検査法用組成物の基本組成)
本発明のフロースルー式検査法用組成物について説明する。
フロースルー式検査法用組成物とは、フロースルー式検査法において通常使用される、採取した検体を浮遊するための溶液である検体浮遊液組成物、及び試料をメンブラン上に捕捉させ、検出試薬と反応させて免疫複合体を形成した後、余分な成分を洗浄するための洗浄液組成物を意味する。フロースルー式検査法用組成物の基本組成として、免疫拡散法、酵素免疫測定法、凝集法等の免疫学的手法による試料検出または定量法において通常使用されるバッファー類等を使用することができる。より具体的には、生理食塩水、リン酸緩衝性生理食塩水(PBS)、ゼラチン添加PBS、ウシ血清アルブミン(BSA)添加PBS、グッドの緩衝液、子牛インフュージョンブロス(VIB)、ハートインフュージョンブロス、イーグルの最小必須培地(EMEM)、BSA添加EMEMなどが挙げられるがこの限りではない。また、上記バッファー類は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】
本発明のフロースルー式検査法用検体浮遊液組成物は、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び/または界面活性剤からなる群より選択された少なくとも2種類の化合物を含む組成物であるが、上記基本組成に、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤からなる群より選択された少なくとも2種類の化合物を添加したものであることが好ましい。
また、本発明のフロースルー式検査法用洗浄液組成物は、塩基性アミノ酸を少なくとも含み、更に無機塩類及び界面活性剤からなる群より選択された少なくとも1種類の化合物を含む組成物であるが、上記基本組成に、これらの化合物を添加したものであることが好ましい。また、本発明のフロースルー式検査法用洗浄液組成物は、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤の3種類を含むものが、本発明の効果の点において特に好ましい。
上記組成物には、保存剤、防腐剤等の添加剤を更に添加してもよい。防腐剤としては、アジ化ナトリウム等が挙げられる。
【0010】
(塩基性アミノ酸)
本明細書において、塩基性アミノ酸とは、塩基性側鎖を有するアミノ酸を意味する。好ましい塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンまたはシトルリン等が挙げられる。塩基性アミノ酸は、本発明の組成物中に、0.1w/v%〜30w/v%の範囲で含まれていることが好ましく、1w/v%〜20w/v%の範囲で含まれていることがより好ましい。この濃度範囲が好ましい理由は、濃度が低いと期待される効果が十分に得られない場合があり、また濃度が高いと特異的(抗原抗体)反応を阻害する場合があるからである。
【0011】
検体の種類(例えば、患者由来の脱離・剥離細胞等、あるいはそれら細胞から放出された細胞成分を含むような検体)によっては反応中に不要な凝集塊(凝集物)が形成され、これが非特異的な反応の原因となる場合があるが、塩基性アミノ酸はこれら凝集を抑制する凝集抑制剤としての作用も期待できる。従って、このような検体の検出を行う場合には、本発明の検体浮遊液組成物においても塩基性アミノ酸を含むことがより好ましい。
【0012】
(無機塩類)
添加する無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、等が挙げられる。上記無機塩類は、本発明の組成物中に0.1M〜3M、特に0.5M〜2Mの範囲で含まれることが好ましい。この濃度範囲が好ましい理由は、濃度が低いと期待される効果が十分に得られない場合があり、また濃度が高いと特異的(抗原抗体)反応を阻害する場合があるからである。
【0013】
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、および両性界面活性剤のいずれでも使用することができるが、特に特異的(抗原抗体)反応への影響の少ないノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤としてはポリアルキレンオキサイド基を分子中に有するポリアルキレンオキサイド誘導体が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド基のアルキレンオキサイドの繰り返し数は、通常6〜20程度であり、6〜12が更に好ましい。ポリアルキレンオキサイド誘導体としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリ・オキシエチレン−ポリ・プロピレン縮合物が挙げられる。特に好ましいポリアルキレンオキサイド誘導体としては、特異的反応への影響が少ないポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが挙げられる。
【0014】
界面活性剤は本発明の組成物中に、0.01w/v%〜10w/v%の範囲で含まれることが好ましく、0.2w/v%〜5w/v%の範囲で含まれることがより好ましい。この濃度範囲が好ましい理由は、濃度が低いと期待される効果が十分に得られない場合があり、また濃度が高いと特異的(抗原抗体)反応を阻害したり、逆に非特異的反応を誘発・促進する場合があるからである。
【0015】
(分析対象物)
本発明のフロースルー式検査法により、細菌、ウイルス、ホルモン、その他臨床マーカー等の様々な抗原、抗体等を分析することができる。特に、インフルエンザウイルス、小型小球ウイルス等の分析には有効である。
【0016】
(捕捉試薬)
後述するメンブラン上に、分析対象物を捕捉するための捕捉試薬を固定化する。捕捉試薬とは、分析対象物に特異的に結合し、分析対象物と複合体を形成するものを意味する。従って、分析対象物により捕捉試薬が異なることは当然であるが、一般には分析対象物が、細菌、ウイルス、ホルモン、その他臨床マーカー等の場合には、これらに対し特異的に反応して結合するポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、レセプター等が挙げられる。そのほか、ウイルス抗原、ウイルス中空粒子、遺伝子組換え大腸菌発現タンパク質、遺伝子組換え酵母発現タンパク質等が挙げられる。
【0017】
(メンブラン)
フロースルー式検査法に使用されるメンブランは、捕捉試薬−分析対象物等の免疫複合体をその他の検体中に含まれる物質から分離できるような一定のポアサイズを有すれば、特に制限はない。一般に市販されているものであればいずれでもよいが、好適にはニトロセルロース、アセテート混ニトロセルロース、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオライド等が用いられる。
またメンブランのポアサイズは測定する対象物、検出試薬(酵素、金コロイド、着色ラテックス等)と目標とする感度に依るため、特に規定されないが、0.22μm〜12μmが最もよく用いられる。
メンブランへの捕捉試薬の固定化の方法は、物理的吸着であってもよく、または化学的な結合によるものであってもよい。また、使用するメンブランにより異なるが、ニトロセルロースを固定化する場合には中性から酸性の緩衝液(例えばクエン酸ナトリウム緩衝液)等の使用が好ましい。
【0018】
(検体の採取)
検体は患者の任意の部位から採取したものを用いることができる。例えば、患者の咽頭・鼻腔等から綿棒等を使用して採取してもよく、または鼻腔吸引液等を用いてもよい。
検体を採取する綿棒には特に制限はないが、好適には綿、ナイロン、ポリプロピレン製、あるいはこれらを混合したものが使用される。
【0019】
(検出試薬)
本明細書において、検出試薬とは、分析対象物に特異的に結合し、分析対象物と複合体を形成しうるものである。また、標識化検出試薬とは、分析対象物と複合体を形成した後に何らかの手段で検出可能なように標識された検出試薬を意味する。例えば、分析対象物がウイルス等の抗原物質である場合には、そのウイルスに対する抗体であって、酵素等で標識化された抗体を意味する。このように酵素で標識された場合には、該酵素により触媒される反応により、比色法、蛍光法により検出可能な物質を生成する該酵素の基質を添加することにより、複合体の検出を行うことができる。標識化される前の検出試薬としては、捕捉試薬について述べたものと同じものが挙げられる。また、標識は、酵素、蛍光発光性標識、磁性体標識、放射性同位元素、金コロイド、着色ラテックス等が挙げられるが、通常、簡便性、経済性の観点から酵素標識が用いられる。酵素標識を用いる場合には、使用される酵素としては例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素が挙げられる。
【0020】
(基質)
酵素標識を用いた場合には、通常その酵素に対する基質であって、該酵素により触媒される反応により、比色法、蛍光法により検出可能な物質を生成するものを添加する。具体例としては、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸、ニトロテトラゾリウムブルー、テトラメチルベンチジン、グルコース‐6‐リン酸NAD+が挙げられる。
【0021】
(反応停止液)
本発明のフロースルー式検査法では、必要により、例えば酵素と基質との反応を停止させるための反応停止液を添加する。反応停止液としては、例えば、クエン酸、硫酸等が挙げられる。
【0022】
(キット)
本発明のフロースルー式検査法用キットは、上述したフロースルー式検査法に用いるキットであり、該検査法に必要な試薬等を含むものである。本発明のフロースルー式検査法用キットは少なくとも以下の▲1▼〜▲3▼を含むことが好ましい。
▲1▼ 捕捉試薬が固定化されたメンブラン
▲2▼ 標識化検出試薬
▲3▼ 検体浮遊液組成物及び/または洗浄液組成物
さらに必要により、上述した基質、反応停止液等を含んでもよい。
【0023】
また本発明のフロースルー式検査法用キットは、メンブランへ滴下した試料、洗浄液等の液体を吸収する液体吸収部材を含むことが好ましい。このような液体吸収部材としては、ガラス繊維、セルロース、あるいはこれらの混合物等の材料が挙げられる。また、液体の吸収が迅速に進行するように、液体吸収部材は捕捉試薬が固定化されたメンブランと接触または密着していることが好ましい。このようなメンブランと接触または密着した液体吸収部材が存在することにより、検体液の液体等のメンブラン通過が促進され、結果として捕捉試薬または検出試薬と分析対象物の接触が促進されることになり、迅速な検出を可能とする。
また、必要に応じて、キットの活性を検査するためのバッファーのみからなる陰性コントロール液、抗原性物質などの分析対象物を含むバッファーからなる陽性コントロールを含んでいてもよい。さらに、試料を濾過するためのフィルターや滅菌綿棒を含んでいてもよい。
【0024】
【実施例】
(実施例1)
以下の試薬および装置を用いた。
【0025】
(抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)の作製)
精製A型インフルエンザウイルス抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al.,Nature, vol.256,p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3X63)と融合した。
得られた融合細胞(ハイブリドーマ)は、37℃インキュベーター中で維持し、A型インフルエンザウイルス抗原固相プレートを用いたELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。
取得した該細胞株をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水からアフィニティークロマトグラフィー法によってIgGを精製した。
(抗体固定化メンブラン)
抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)(10μg/装置)をニトロセルロースメンブラン(ポアサイズ3μm、ワットマンヘルスケア製)に固定化したものを、抗体固定化メンブランとして使用した。固定化は、10mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)で至適に希釈した抗体溶液を微量ピペットで10μL/装置の量で滴下し、45℃、40分間乾燥し行った。
【0026】
(酵素標識抗体)
マレイミド・ヒンジ法[石川榮治著 超高感度酵素免疫測定法(学会出版センター発行)、p92に記載]により、アルカリホスファターゼを抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)に標識することによって作製したアルカリホスファターゼ標識抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体(マウス)を酵素標識抗体として使用した。前記酵素標識抗体(8μg/mL)及び保存剤としてアジ化ナトリウムを0.1w/v%含む溶液を使用した。
【0027】
(基質液)
・5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸 150μg/mL
・ニトロテトラゾリウムブルー 300μg/mL
・トリス塩酸緩衝液(pH9.5) 100mM
・塩化マグネシウム 5mM
【0028】
(洗浄液組成物)
【0030】
(アッセイ装置)
アッセイに使用した装置は図1に示されたものと同じ構成を有する。図1のaは調製した試料を滴下するアダプターである。bは捕捉試薬が固定化されたメンブランであり、cは液体を吸収する部材である(ガラス濾紙製吸収帯)。アダプターaにはメンブランbと接触する底面部に,試料を滴下するための穴が存在する。
【0031】
インフルエンザ感染が疑われる4人の患者の検体採取部位(鼻腔吸引液)から綿棒で検体(検体1〜4)を採取し、1mLの検体浮遊液に浮遊し、これを試料とした。
調製した試料をアッセイ装置のアダプターの開口部からメンブラン上へ0.2mL滴下し、吸収するまで室温で静置した。続いて酵素標識抗体をアダプターの開口部から0.2mL滴下し、吸収するまで室温で静置した。アダプターを取り外し、洗浄液組成物をメンブラン全体に0.2mL滴下し、吸収するまで室温で静置した。基質液をメンブラン全体に0.2mL滴下し、吸収するまで室温で静置した。反応停止液をメンブラン全体に0.35mL滴下し、吸収するまで室温で静置した。試験領域(捕捉試薬塗布領域)の発色の有無で目視により判定した。
アダプターの開口部と同じ形状(菱形)に赤紫色の発色が認められる場合は陽性(+)、ホール全体が着色しなかった場合は陰性(−)と評価した。
【0032】
また、従来品として以下の検体浮遊液組成物及び洗浄液組成物を使用して、その他は上記実施例と同様に評価を行い、本発明の組成物と比較した。
【0033】
試験結果
検体1〜4について、上記組成物での試験を行った結果
*1以下の方法で、各検体中から実際にウイルスを分離して、試験結果を確認した。
【0034】
ウイルス分離
ウイルス分離の基本的方法については、“ウイルス分離の概要,臨床とウイルスVol.23増刊,1995,3,p40-41,およびインフルエンザ,臨床とウイルスVol.23増刊,1995,3,p209-212”に記載されている。
インフルエンザウイルスの分離を例に、ウイルス分離について以下簡単に説明する。
組織培養用48ウェルマイクロプレートに単層のMDCK細胞を作製し、PBSで細胞を洗浄して0.2〜0.4mLの検体を接種して34〜35℃に30分置き、吸着、分離用培地を加えて34〜35℃で培養し、細胞変性効果(CPE)の出現の有無を毎日観察する。50%以上の細胞に変性が見られたら感染細胞を採取し、スライドグラスに塗末して風乾し、アセトン液に浸せき、固定、風乾した後、−80℃に凍結する(以下細胞塗末スライドと呼ぶ)。
この時点で細胞変性効果が認められない場合でも、その培養細胞並びに上清に対しさらに2〜3回上記の操作を繰り返し、経過を観察する。50%以上の細胞に変性が見られたら同様の手順で、細胞塗末スライドを作製する。
上記の操作で得られた細胞塗末スライドを検体としてインフルエンザウイルスFA試薬「生研」構成製品名B型及び構成製品名A型(製造元:デンカ生研株式会社)の添付文書に従って測定し、B型インフルエンザウイルス又はA型インフルエンザウイルスの有無を確認する。特異蛍光が認められた場合を陽性と判定し、認められない場合を陰性(分離されず)と判定する。
【0035】
上記試験結果からわかるように、従来の組成物を使用したフロースルー式検査法では、インフルエンザウイルスが分離されない検体1及び2について陽性(+)と評価されたのに対し、本発明の組成物を使用したフロースルー式検査法では、検体1及び2について陰性(−)と評価され、本発明の組成物の使用により、正確な分析を行うことができた。
【0036】
【発明の効果】
本発明の塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤から選択される少なくとも2種類の化合物を含む、フロースルー式検査法用検体浮遊液組成物及び/または塩基性アミノ酸を含み、更に無機塩類及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含むフロースルー式検査法用洗浄液組成物を使用することにより、分析対象物以外の成分のメンブランへの非特異的な吸着を軽減させることができ、分析対象物の正確な判定を行うことが可能となった。
特に、患者由来の脱離細胞成分、粘液成分などはメンブランの試験領域に吸着すると疑似陽性の反応を呈する場合があるが、本発明の組成物、これを用いた検査法及び検査キットはこれら非特異的な反応を軽減できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用したアッセイ装置を側方からみた断面図である。
【符号の説明】
a:アダプター
b:捕捉試薬が固定化されたメンブラン
c:液体吸収部材
Claims (14)
- アルギニンを含み、更に無機塩類及び界面活性剤を少なくとも1種類ずつ含むフロースルー式検査法用洗浄液組成物。
- アルギニンを0.1w/v%〜30w/v%の範囲で含有する、請求項1に記載の組成物。
- 該無機塩類が塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化リチウムからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の組成物。
- 該無機塩類を0.1〜3Mの範囲で含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 該界面活性剤がポリアルキレンオキサイド誘導体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 該界面活性剤を0.01w/v%〜10w/v%の範囲で含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- フロースルー式検査法が、酵素免疫測定法による方法である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- フロースルー式検査法における検体が、患者由来の脱離、剥離細胞、あるいはそれら細胞から放出された細胞成分を含む検体である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
- (1)分析対象物を捕捉するための捕捉試薬が固定化されているメンブラン上に、患者から採取した検体を検体浮遊液組成物に浮遊させた試料を所定量滴下し、分析対象物をメンブラン上の捕捉試薬に捕捉させる、
(2)分析対象物が捕捉された前記メンブラン上に、分析対象物と反応する標識化検出試薬を所定量滴下し、捕捉試薬−分析対象物−検出試薬の免疫複合体を形成させる、
(3)洗浄液組成物で前記メンブランを洗浄する、
工程を含むフロースルー式検査法であって、洗浄液組成物として請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を使用することを特徴とする上記方法。 - 該検体浮遊液組成物が、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも2種類の化合物を含む組成物である、請求項9記載の方法。
- (a)捕捉試薬が固定化されたメンブラン、
(b)標識化検出試薬、及び
(c)検体浮遊液組成物及び洗浄液組成物、
を含むフロースルー式検査法用キットであって、洗浄液組成物が請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物であることを特徴とする上記キット。 - 標識化検出試薬の標識が酵素標識であり、更に前記酵素に対する基質を含む、請求項11に記載のキット。
- 更に反応停止液を含む、請求項11または12のいずれかに記載のキット。
- 該検体浮遊液組成物が、塩基性アミノ酸、無機塩類、及び界面活性剤からなる群より選択される少なくとも2種類の化合物を含む組成物である、請求項11〜13のいずれか一項に記載のキット。
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