JP6676387B2 - 特定の細菌を検出するイムノクロマト方法及びそれに用いるキット - Google Patents
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Description
一方、本発明者らの検討によると、リボソームタンパク質L7/L12は、細胞の増殖が盛んな時期には細菌の量が少なくても検出のためには十分な量で発現しているが、その後は細菌の量が多いにもかかわらず、減少することが分かった。
[1]対象における特定の細菌を検出する方法であって、
該検出方法はイムノクロマトグラフィー装置を用い、
該装置は、細菌の有無を判定する一つの判定部上に、対象からの検体に含まれる、該細菌の少なくとも2種類の抗原と各々結合する少なくとも2種類の抗体が固定されている、
検出方法。
[2]該抗体の少なくとも一つが細胞内抗原に結合する抗体である、1に記載の検出方法。
[3]該細胞内抗原がリボソームタンパク質L7/L12抗原である、2に記載の検出方法。
[4]該抗体の少なくとも一つが細胞表面抗原に結合する抗体である、1から3のいずれかに記載の検出方法。
[5]該細胞表面抗原が多糖抗原又はリポ多糖抗原である、4に記載の検出方法。
[6]該装置が
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
を備え、
該固定された少なくとも2種類の抗体が、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
を含む、1から5のいずれかに記載の検出方法。
[7]該リボソームタンパク質L7/L12抗原と結合する抗体がモノクローナル抗体であり、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原と結合する抗体がポリクローナル抗体である、6に記載の検出方法。
[8]該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の総和が0.1mg/ml以上5mg/ml以下である、6又は7に記載の検出方法。
[9]該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:4から4:1の範囲である、6から8のいずれかに記載の検出方法。
[10]該装置が、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
を更に備える、6から9のいずれかに記載の検出方法。
[11]該標識化に用いられた標識が同一の標識である、10に記載の検出方法。
[12]該標識が着色粒子である、11に記載の検出方法。
[13]該着色粒子が金属コロイド粒子である、12に記載の検出方法。
[14]該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
が異なる着色粒子上に固定化されている、12又は13に記載の検出方法。
[15]該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、14に記載の検出方法。
[16]該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
が同一の着色粒子上に固定化されている、12又は13に記載の検出方法。
[17]該同一の着色粒子上に固定化される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、16に記載の検出方法。
[18]該検体を予め接触させるための、
pH5.5以上pH8.5以下とするための緩衝液と、
非イオン性界面活性剤と、
タンパク質又は糖の少なくとも一方と、
を含む反応液を更に用いる、1から17のいずれかに記載に検出方法。
[19]該非イオン性界面活性剤が、Tween20、Tween40、及びTritonX100からなる群より選ばれるいずれかである、18に記載の検出方法。
[20]該細菌がレジオネラ菌である、1から19のいずれかに記載の検出方法。
[21]該検体が尿検体である、1から20のいずれかに記載の検出方法。
[22]対象における特定の細菌の検出キットであって、
該検出キットはイムノクロマトグラフィー装置を含み、
該装置は、細菌の有無を判定する同一の判定部上に、該細菌の少なくとも2種類の抗原と各々結合する少なくとも2種類の抗体が固定されている、検出キット。
[23]該抗体の少なくとも一つが細胞内抗原に結合する抗体である、22に記載の検出キット。
[24]該細胞内抗原がリボソームタンパク質L7/L12抗原である、23に記載の検出キット。
[25]該抗体の少なくとも一つが細胞表面抗原に結合する抗体である、22から24のいずれかに記載の検出キット。
[26]該細胞表面抗原が多糖抗原又はリポ多糖抗原である、25に記載の検出キット。
[27]該装置が
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
を備え、
該固定された抗体が該抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかである、22から26のいずれかに記載の検出キット。
[28]該リボソームタンパク質L7/L12抗原と結合する抗体がモノクローナル抗体であり、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原と結合する抗体がポリクローナル抗体である、27に記載の検出キット。
[29]該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の総和が0.1mg/ml以上5mg/ml以下である、27又は28に記載の検出キット。
[30]該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:4から4:1の範囲である、27から29のいずれかに記載の検出キット。
[31]該装置が
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
を更に備える、27から30のいずれかに記載の検出キット。
[32]該標識化に用いられた標識が同一の標識である、31に記載の検出キット。
[33]該標識が着色粒子である、32に記載の検出キット。
[34]該着色粒子が金属コロイド粒子である、33に記載の検出キット。
[35]該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと
が異なる着色粒子上に固定化されている、33又は34に記載の検出キット。
[36]該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と、
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、35に記載の検出キット。
[37]該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
が同一の着色粒子上に固定化されている、33又は34のいずれかに記載の検出キット。
[38]該同一の着色粒子上に固定化される、
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、37に記載の検出キット。
[39]該検体を予め接触させるための、
pH5.5以上pH8.5以下とするための緩衝液と、
非イオン性界面活性剤と、
タンパク質又は糖の少なくとも一方と、
を含む反応液を更に含む、22から38のいずれかに記載の検出キット。
[40]該非イオン性界面活性剤が、Tween20、Tween40、及びTritonX100からなる群より選ばれるいずれかである、39に記載の検出キット。
[41]該細菌がレジオネラ菌である、22から40のいずれかに記載の検出キット。
[42]該検体が尿検体である、22から41のいずれかに記載の検出キット。
[1]対象における特定の細菌を検出する方法であって、対象からの検体に含まれる、
該細菌のリボソームタンパク質L7/L12抗原と、
該細菌のリボソームタンパク質L7/L12抗原とは異なる抗原と、
を同時に測定する工程を含む、
検出方法。
[2]該異なる抗原が細胞表面抗原である、1に記載の検出方法。
[3]該細胞表面抗原が多糖抗原又はリポ多糖抗原である、2に記載の検出方法。
[4]該測定が、該抗原に対する抗体を用いたイムノアッセイである、1から3のいずれかに記載の検出方法。
[5]該測定が
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
を用いたサンドイッチイムノアッセイである、4に記載の検出方法。
[6]該リボソームタンパク質L7/L12抗原と結合する抗体がモノクローナル抗体であり、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原と結合する抗体がポリクローナル抗体である、4又は5に記載の検出方法。
[7]該イムノアッセイがイムノクロマトグラフィー法である、4から6のいずれかに記載の検出方法。
[8]該細菌がレジオネラ菌である、1から7のいずれかに記載の検出方法。
[9]該検体が尿検体である、1から8のいずれかに記載の検出方法。
[10]対象における特定の細菌を検出するための検出キットであって、対象からの検体に含まれる
該細菌のリボソームタンパク質L7/L12抗原と、
該細菌のリボソームタンパク質L7/L12抗原とは異なる抗原と、
を同時に測定するための手段を備えた、該細菌の検出キット。
[11]該異なる抗原が、細胞表面抗原である10に記載の検出キット。
[12]該細胞表面抗原が多糖抗原又はリポ多糖抗原である、11に記載の検出キット。
[13]該測定するための手段が該抗原に対する抗体を含む、10から12のいずれかに記載の検出キット。
[14]該測定するための手段が、
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
を含む、13に記載の検出キット。
[15]該リボソームタンパク質L7/L12抗原と結合する抗体がモノクローナル抗体であり、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原と結合する抗体がポリクローナル抗体である、13又は14に記載の検出キット。
[16]該測定するための手段がイムノクロマトグラフィー法である、13から15のいずれかに記載の検出キット。
[17]該細菌がレジオネラ菌である、10から16のいずれかに記載の検出キット
[18]該検体が尿検体である、10から17のいずれかに記載の検出キット。
特に細胞内抗原と細胞表面抗原とを用いる態様によれば、細菌感染からの経過時間にかかわらず、細菌を検出できる。
<少なくとも2種類の抗原と各々結合する少なくとも2種類の抗体>
本発明は、対象における特定の細菌を検出する方法であって、該検査方法は免疫クロマト法を利用したキットを用い、該キットは、細菌の有無を判定する一つの判定部上に、特定の細菌に含まれる二種類以上の抗原と各々反応する二種類以上の抗体が固定されている検出方法に関する。キットに使用される抗体の少なくとも一つは、細胞内抗原に反応する抗体であることが好ましく、また少なくとも一つは、細胞表面抗原に反応する抗体であることが好ましい。対象は、ヒト又は非ヒト動物を含み、また特定の細菌に感染したヒト又は非ヒト動物、その疑い若しくはリスクのあるヒト又は非ヒト動物、及び健常なヒト又は非ヒト動物を含む。
本発明では、2種以上の抗原が検出される。本発明において検出される2種以上の抗原の少なくとも一つは、細胞内抗原であることが好ましく、リボソームタンパク質L7/L12抗原であることがより好ましい。
リボソームタンパク質L7/L12抗原に対する抗体は、国際公開第00/06603号公報(前掲特許文献1)に記載の方法で作製することができる。抗体は、リボソームタンパク質L7/L12の全長タンパク質あるいはその部分ペプチドを抗原として用いて作製することができるが、全長タンパク質を抗原として作製することが好ましい。この部分ペプチドあるいは全長タンパク質をそのまま、又はキャリアタンパク質と架橋した後必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種せしめ、その血清を回収することでリボソームタンパク質L7/L12を認識する抗体(ポリクローナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。また抗血清より抗体を精製して使用することもできる。接種する動物としてはヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、特にポリクローナル抗体作製にはヒツジ、ウサギなどが好ましい。また、抗体としてはハイブリドーマ細胞を作製する公知の方法により取得したモノクローナル抗体を適用することがより好ましいが、この場合はマウスが好ましい。当該モノクローナル抗体として、特定の細菌のリボソームタンパク質L7/L12と反応し、特定の細菌とは異なる種に属する細菌、又は異なる属に属する細菌のリボソームタンパク質L7/L12とは反応しないモノクローナル抗体をスクリーニングすることにより、当該細菌による感染症にかかっているかどうかの診断に役立てることが可能となる。
本発明において検出される2種類以上の抗原のうち少なくとも一つは細胞内抗原とは異なる抗原であり、好ましくはリボソームタンパク質L7/L12抗原とは異なる抗原である。本発明者らの検討によると、リボソームタンパク質L7/L12抗原は、細胞の増殖が盛んな時期には細菌の量が少なくても検出のためには十分な量で発現しているが、その後は細菌の量が多いにもかかわらず、減少することが分かっている。このような現象は、多くの細菌に共通すると考えられる。リボソームタンパク質は、すべての細菌に存在し、細胞の成長、増殖、代謝に大きくかかわっている。機能自体はどの菌も同じと考え、同じ現象が共通すると考えられるからである。したがって、リボソームタンパク質L7/L12抗原とは異なる抗原としては、特に限定されないが、リボソームタンパク質L7/L12抗原の発現量が低下する時期を補完するとの観点からは、細胞の増殖とともに増加することが明らかである、細胞表面抗原であることが好ましい。細胞表面抗原とは、細菌細胞の表面、すなわち細菌の細胞膜を構成する成分であって、抗原となり得るものをいう。
本発明は、イムノクロマトグラフィー法(「免疫クロマトグラフィー法」、「免疫クロマト法」、又は「イムノクロマト法」ということもある。)を利用した装置又はキットを用いる。キットは、イムノクロマトグラフィー装置を含み、イムノクロマトグラフィー装置は、細菌の有無を判定するための判定部を有し、判定部上には、好ましくは細菌に含まれる2種類以上の抗原と各々反応する2種類以上の抗体が固定される。キット又はイムノクロマトグラフィー装置は、それぞれの抗原に対して、固定化された抗体とは異なる部位と結合する抗体を用いるサンドイッチアッセイ(「サンドイッチイムノアッセイ」ということもある。)を利用したものでもよい。
判定部には、2種類以上の抗原に各々反応する2種類以上の抗体が固定化される。2種類の抗原を利用する態様において、判定部に固定化される2種類の抗体の濃度比は、目的の細菌の検出を意図した精度で行うことができる限り特に限定されないが、例えば、1:5〜5:1とすることができる。目視で十分な判定ができるとの観点からは、1:4〜4:1とすることが好ましく、1:3〜3:1とすることがさらに好ましい。判定部に固定化される抗体の量は、目的の細菌の検出を意図した精度で行うことができる限り特に限定されないが、抗体の総和の濃度として0.1mg/ml以上、好ましくは0.2mg/ml以上、より好ましくは0.5mg/ml以上である抗体溶液を、1μL/cmでライン状に塗布し、これを乾燥することにより、適切な量が固定化された判定部を得ることができる。溶液の抗体濃度の上限値は特に限定されないが、下限値がいずれの場合であっても5.0mg/ml以下とすることができ、4.0mg/ml以下とすることが好ましく、3.0mg/ml以下とすることがより好ましい。本発明において、装置に固定化される抗体の濃度又は装置に固定化された抗体の濃度は、特に記載した場合を除き、装置へ抗体を固定化する際に用いる抗体含有液における抗体の濃度で代替される。
クロマト装置の好ましい態様の一つは、2種類の抗原各々に対する固定化された抗体とは異なる部位と結合する2種類の抗体を、金属コロイド粒子、好ましくは金コロイド粒子に固定化して用いるものである。この態様においては、2種類の抗体は、各々異なる金コロイド粒子に固定化してもよく、同一の金コロイド粒子に固定化してもよい。なお、本発明、本発明の実施態様、又は本発明の実施例を、金コロイド粒子を用いた場合を例に説明することがあるが、その説明は金コロイド粒子以外の金属コロイド粒子(例えば、白金コロイド粒子、パラジウムコロイド粒子、銀コロイド粒子、銅コロイド粒子、ニッケルコロイド粒子、インジウムコロイド粒子等)を用いた場合にもあてはまる。
異なる金コロイド粒子に固定化する場合、各々を固定化した2種類の金コロイド粒子を混合して用いることができる。混合比は、目的の細菌の検出を意図した精度で行うことができる限り特に限定されないが、本発明者らの検討によると、混合した金コロイド標識抗体液の一方が一定の濃度以上含まれていないと、その金コロイド標識抗体が補足する抗原との複合体が少なく、検出部位のラインが目視で認識し難く、また混合した金コロイド標識抗体液の一方が一定の濃度を超えると、検出部位に捕捉される量が飽和し、さらには流れを妨げる原因になりうる。そのため、混合比は、1:19〜19:1とすることが好ましい。目視で十分な判定ができるとの観点からは、1:9〜9:1とすることが好ましく、1:3〜3:1とすることがさらに好ましい。
同一の金コロイド粒子に固定化する場合、固定化する際の抗体の濃度比は、目的の細菌の検出を意図した精度で行うことができる限り特に限定されないが、本発明者らの検討によると、一方の抗体の濃度が一定以下であると、その抗体に対する反応性が著しく低くなり、目的の効果が発揮し難く、また抗体濃度を一定以上としてもそれ以上金コロイド粒子に抗体が結合しなくなる。そのため、濃度比は、1:19〜19:1とすることがこのましい。目視で十分な判定ができるとの観点からは、1:9〜9:1とすることが好ましく、1:3〜3:1とすることがさらに好ましい。本発明において、金属コロイドに固定化される抗体の濃度又は装置に固定化された抗体の濃度は、特に記載した場合を除き、金属コロイドへ抗体を固定化する際に用いる抗体含有液における抗体の濃度で代替される。
イムノクロマト装置は、公知の方法にて市販の材料を用いて作製することができる。装置の基材(図2の例では1)としては、入手のしやすさや安定性、安全性、成形性及び滅菌性に優れるという点でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子自体ならびにそれを架橋した構造体や改質した構造体、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属を用いることができる。中でも合成高分子や天然高分子誘導体が好ましい。また基材の形状としては平板、メッシュ、織布、不織布、スポンジ状構造体、3次元成型体(ブロック状)等で用いることができる。
本発明のキットには、免疫クロマト装置以外に、検体を希釈する溶液、及び/又は細菌を溶解して細胞内成分および/または細胞表面成分を抽出するための溶液を必要に応じて含めてもよい。本発明者らの検討によると、患者由来の検体中には様々な共存物質が存在し、それらがイムノクロマト検出系において、試験液の流れや反応性に影響を及ぼしうる。そのため、共存物質の影響を低減させ、イムノクロマトの展開速度を一定に保ち、かつ偽陽性や反応阻害が起こらないようにするとの観点からは、検体を希釈するための液には、タンパク質及び糖類のうち少なくとも一方が添加されていることが好ましく、非イオン性界面活性剤がさらに含まれていることがより好ましい。
以下の実施例では、レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原に対する抗体として、特許文献3に記載の方法で取得した抗体を使用した。これらの抗体の取得方法を以下に記載する。
特開2004−201605号公報の実施例3に記載のプラスミドpGEX−Leg16.リボソームタンパク質L7/L12を含有する大腸菌DH5α形質転換体を用いて、同報実施例記載の方法に従い抗レジオネラ・ニューモフィラリボソームタンパク質L7/L12抗体を産生するハイブリドーマを取得するための免疫源としてのLegionellaリボソームタンパク質L7/L12タンパク質精製物を調整した。さらに当該リボソームタンパク質L7/L12を用い、特開2004−201605号公報の実施例4に記載の方法に従い、レジオネラリボソームタンパク質L7/L12に対する抗体を産生するハイブリドーマを取得した。
上記(1)にて取得したハイブリドーマを定法に従い培養、精製しモノクローナル抗体をそれぞれ回収した。具体的には各ハイブリドーマを種細胞増殖用培地としてウシ胎児血清(FBS)を10%添加したTIL MediaI培地(IBL社製)5mlで1〜2×105個/ml程度となるように希釈し、5%CO2、37℃、25cm2培養フラスコ中で2−3日培養した。5〜10×105個/ml程度に増殖した細胞を、さらに75cm2培養フラスコ中にて同様に増殖させた後、1〜2×105個/ml程度となるように同様のFBS入り培地で希釈しローラーボトル中へ250mlに継代した。5%CO2、37℃で2−3日培養した後、さらに250mlのFBS入り清培地を追加して2−3日間培養を継続した。5〜10×105個/ml程度にまで増殖させた後、すべての細胞を回収し、同量の無血清培養用培地(ASF0104N 味の素社製)に置換した。 4〜7日間培養したのち培養液を回収して2500rpm、10分の遠心により目的とする抗体を含む培養上清を取得した。 培養上清は、ポアサイズ0.45μmで無菌濾過し、0.1%のアジ化ソーダ添加後4℃で保存した。取得した培養上清を0.05mole/lリン酸緩衝液(pH7)で5倍希釈後Hitrap−proteinGカラム(GEヘルスケアジャパン社製、5ml)に吸着させ、リン酸緩衝液で5ベッドボリューム分洗浄後pH2.5の0.1Mグリシン−塩酸緩衝液で溶出し、フラクションを回収して各ハイブリドーマの産生するモノクローナル抗体を得た。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1菌増殖実験:レジオネラ・ニューモフィラ血清型1菌の増殖と、レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原又はレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原の発現量測定
本実験におけるレジオネラ菌はATCC33152株を使用した。
レジオネラ菌を、BCYE寒天培地で37℃、4日間培養した後、単一コロニーを3mlのBYE培地に添加し、攪拌しながら37℃で一晩培養した菌を、再び新しいBYE培地3mlに添加し、攪拌しながら37℃で培養した。
ELISA用プレートにリボソームタンパク質L7/L12抗体1を添加して1晩吸着させた。抗体液を捨てて洗浄し、BSAを含むBufferでブロッキングしたのち、各菌液サンプルを段階希釈して添加し反応させた。反応後サンプル液を捨てて洗浄した後、HRP標識したリボソームタンパク質L7/L12抗体2を添加して反応させた。反応後標識抗体液を捨てて十分洗浄した後、基質を添加して発色させて吸光度を測定した。
同様にLPSについても、LPS抗体を使用して測定した。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出系キットの実験−1:臨床尿検体を用いた評価
レジオネラ症の患者尿を、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原検出イムノクロマトキット、レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原検出イムノクロマトキットと、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出系のイムノクロマトキットにて比較・評価した。
実際、表1にあるように、レジオネラ症患者の尿検体(患者検体No.1からNo.4)では、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原検出系又はレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原検出系、それぞれ単独系では検出が難しい症例も存在した。しかしながら、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原とレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原を両方同時に検出する本発明の方法では、いずれの症例も検出でき、どのような症例でも検出しうる可能性が証明された。また、レジオネラ症ではない患者の尿検体(患者検体No.5)では、当然ながら本発明の方法でも陰性と判定された。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出系キットの実験−2:判定部に固定する2種類の抗体の濃度比を決定するための実験
判定部に固定するレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体とレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体の濃度比を決定するため、各濃度比で抗体を固定したイムノクロマトキットを作製して、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原又はレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原との反応性を確認した。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原を同時検出するイムノクロマトキットの構成方法を以下に示す。
金コロイド溶液(粒径60nm)に1/10量の0.1M感作Bufferとレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体を加えて混合し、室温で30分間静置して抗体を金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が0.5%となるようにカゼインナトリウム5%水溶液を加えてブロッキングし、金コロイド標識抗リボソームタンパク質L7/L12抗体液を調製した。
同様に金コロイド標識抗レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体液を調製した。
これにより、各金コロイド標識抗体液を得た。
(b-1)レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原又はレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原と、各金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位(判定部)
幅25mm、長さ300mmのニトロセルロース膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体3として用意した。レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体とレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体が、それぞれ2.25mg/ml+0.25mg/ml、2.0mg/ml+0.5mg/ml、1.5mg/ml+1.0mg/ml、1.0mg/ml+1.5mg/ml、0.5mg/ml+2.0mg/ml、0.25mg/ml+2.25mg/mlで含有されてなる溶液を、このクロマト展開用膜担体3におけるクロマト展開開始点側の末端から10mmの位置に1μL/cmでライン状に塗布して、これを50℃で乾燥し、その後、0.5%カゼイン溶液に浸し、次いで0.2%スクロース溶液に浸し、一晩室温で乾燥させた。レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原又はレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原と、各金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位6とした。
(a)の金コロイド標識抗体液を、一定の濃度に調製したものを、10mm×300mmの帯状のグラスファイバーパッドに2mLを含浸せしめ、これを乾燥させて金コロイド標識抗体含浸部材2とした。
2種類の金コロイド標識抗体液は、別々のグラスファイバーパッドに含侵することにより、2種類の金コロイド標識抗体含侵部材を得た。
上記クロマト展開用膜担体3、上記金コロイド標識抗体含浸部材2の他に、試料添加用部材5として綿布と、吸収用部材4として濾紙を用意した。そして、これらの部材を基材1に貼り合せた後、5mm幅に切断し、図2と同様のイムノクロマトキットを作製した。
2種類の金コロイド標識抗体含侵部材は、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原の反応性を見るためには金コロイド標識レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体含侵部材を、レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原の反応性を見るためには金コロイド標識レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体含侵部材を使ってイムノクロマトキットを作製した。
作製したイムノクロマトキットの評価には、レジオネラ菌ATCC33152株を培養して得た菌抗原液を使用して実施した。
すなわち、レジオネラ菌を、BCYE寒天培地で37℃、4日間培養した後、単一コロニーを3mlのBYE培地に添加し、攪拌しながら37℃で一晩培養した菌を、再び新しいBYE培地3mlに添加し、攪拌しながら37℃で培養した。この培養液を遠心分離して上清を除き、菌ペレットにOD600nmの濁度が1になるように1%TritonX-100/生理食塩水溶液を加え、室温で1晩溶菌したものを菌抗原原液とした。さらにこの菌抗原原液を生理食塩水で適宜希釈後、1.5倍希釈となるように0.5%の界面活性剤を含む添加液に加えたものを試験液として供した。
これにより、検出部位に固定する2種類の抗体の濃度比は1:4から4:1の比率が望ましいことが証明された。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出系キットの実験−3:2種類の金コロイド標識抗体液の混合比を決定するための実験
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出系キットに組み込む金コロイド標識抗体含浸部材として、グラスファイバーパッドに含侵させる2種類の金コロイドの濃度比を変えて作製し、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原又はレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原との反応性を確認した。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原を同時検出するイムノクロマトキットの構成方法を以下に示す。
(a-1)1種類の抗体が結合した金コロイドの作製
金コロイド溶液(粒径60nm)に1/10量の0.1M感作Bufferとレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体を加えて混合し、室温で30分間静置して抗体を金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が0.5%となるようにカゼインナトリウム5%水溶液を加えてブロッキングし、金コロイド標識抗リボソームタンパク質L7/L12抗体溶液を調製した。
同様に金コロイド標識抗レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体溶液を調製した。
これにより、各金コロイド標識抗体液を得た。
金コロイド溶液(粒径60nm)に1/10量の0.1M感作Bufferと、レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体及びレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体を加えて混合し、室温で30分間静置して2種類の抗体を金コロイド粒子表面に結合させた。この時、金コロイド溶液に混合するレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体とレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体は、10ug/ml+190ug/ml, 20ug/ml+180ug/ml, 50ug/ml+150ug/ml, 100ug/ml+100ug/ml, 150ug/ml+50ug/ml, 180ug/ml+20ug/ml, 190ug/ml+10ug/mlで混合したものをそれぞれ使用した。その後、金コロイド溶液における最終濃度が0.5%となるようにカゼインナトリウム5%水溶液を加えてブロッキングし、抗体混合結合系の金コロイド標識抗体液を調製した。
(b-1)レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原又はレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原と、各金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位、すなわち判定部
幅25mm、長さ300mmのニトロセルロース膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体3として用意した。レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗体とレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗体が、1.5mg/ml+1.0mg/mlで含有されてなる溶液を、このクロマト展開用膜担体3におけるクロマト展開開始点側の末端から10mmの位置に1μL/cmでライン状に塗布して、これを50℃で乾燥し、その後、0.5%カゼイン溶液に浸し、次いで0.2%スクロース溶液に浸し、一晩室温で乾燥させた。レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原又はレジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原と、各金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位6とした。
(a-1)の2種類の金コロイド標識抗体液を、OD450nmの値を指標にして、19:1から1:19の濃度比で混合したものを、10mm×300mmの帯状のグラスファイバーパットに2mLを含浸せしめ、これを乾燥させて金コロイド標識抗体含浸部材2とした。
上記クロマト展開用膜担体3、上記金コロイド標識抗体含浸部材2の他に、試料添加用部材5として綿布と、吸収用部材4として濾紙を用意した。そして、これらの部材を基材1に貼り合せた後、5mm幅に切断し、図2と同様のイムノクロマトキットを作製した。
作製したイムノクロマトキットの評価は、遺伝子組み換えによって作製したリコンビナントのレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原(rリボソームタンパク質L7/L12抗原)と、レジオネラ菌ATCC33152株より抽出精製したLPS抗原(精製LPS抗原)を使用して実施した。
すなわち、rリボソームタンパク質L7/L12抗原又は精製LPS抗原を生理食塩水で希釈後、それぞれ1.5倍希釈となるように0.5%の界面活性剤を含む添加液に加えたものを各試験液として供した。
また、混合した金コロイド標識抗体液の一方が一定の濃度を超えると、イムノクロマトキットの検出部位に捕捉される量が飽和し、さらには流れを妨げる原因になりうることも確認された。
これにより、2種類の金コロイド標識抗体液の混合比は1:9から9:1の比率が望ましいことが証明された。
したがって、抗体混合系の金コロイド標識抗体液を作製する場合、結合する抗体の濃度比は1:9から9:1の範囲で有効である。
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出系キットの実験−4:検体に添加する反応液
レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原+レジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原同時検出用イムノクロマトキットで、レジオネラ・ニューモフィラ血清型1 LPS抗原とレジオネラ菌リボソームタンパク質L7/L12抗原を同時に検出する本発明において、2種類の抗原を同一の判定部上で効果的に、すなわちどちらの反応系もお互いを阻害することなく検出できることが必須であり、検体に添加する反応液は、同じ組成でお互いの抗原抗体反応を最大限発揮できる組成であることが、極めて重要である。
さらには、患者検体に存在する各抗原を検出できることが求められるため、患者検体のpHや共存物質の影響を考え、反応液のpHやその他の添加物質について、最適な条件を確認した。
Claims (34)
- 対象における特定の細菌を検出する方法であって、
該検出方法はイムノクロマトグラフィー装置を用い、
該装置は、細菌の有無を判定する一つの判定部上に、対象からの検体に含まれる、該細菌の少なくとも2種類の抗原と各々結合する少なくとも2種類の抗体が固定されており、かつ
該装置は
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、を備え、
該固定された少なくとも2種類の抗体が、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
を含む、
検出方法。 - 該リボソームタンパク質L7/L12抗原と結合する抗体がモノクローナル抗体であり、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原と結合する抗体がポリクローナル抗体である、請求項1に記載の検出方法。 - 該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の総和が0.1mg/ml以上5mg/ml以下である、請求項1又は2に記載の検出方法。 - 該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:4から4:1の範囲である、請求項1から3のいずれかに記載の検出方法。 - 該装置が、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
を更に備える、請求項1から4のいずれかに記載の検出方法。 - 該標識化に用いられた標識が同一の標識である、請求項5に記載の検出方法。
- 該標識が着色粒子である、請求項6に記載の検出方法。
- 該着色粒子が金属コロイド粒子である、請求項7に記載の検出方法。
- 該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
が異なる着色粒子上に固定化されている、請求項7又は8に記載の検出方法。 - 該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、請求項9に記載の検出方法。 - 該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
が同一の着色粒子上に固定化されている、請求項7又は8に記載の検出方法。 - 該同一の着色粒子上に固定化される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、請求項11に記載の検出方法。 - 該検体を予め接触させるための、
pH5.5以上pH8.5以下とするための緩衝液と、
非イオン性界面活性剤と、
タンパク質又は糖の少なくとも一方と、
を含む反応液を更に用いる、請求項1から12のいずれかに記載の検出方法。 - 該非イオン性界面活性剤が、Tween20(登録商標)、Tween40(登録商標)、及びTritonX100(登録商標)からなる群より選ばれるいずれかである、請求項13に記載の検出方法。
- 該細菌がレジオネラ菌である、請求項1から14のいずれかに記載の検出方法。
- 該検体が尿検体である、請求項1から15のいずれかに記載の検出方法。
- 新規作成
前記細菌の有無を判定する同一の判定部が一つのライン状である請求項1から16のいずれかに記載の検出方法。 - 対象における特定の細菌の検出キットであって、
該検出キットはイムノクロマトグラフィー装置を含み、
該装置は、細菌の有無を判定する同一の判定部上に、該細菌の少なくとも2種類の抗原と各々結合する少なくとも2種類の抗体が固定されており、かつ、
該装置が
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、
多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体と、 を備え、
該固定された抗体が該抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかである、
検出キット。 - 該リボソームタンパク質L7/L12抗原と結合する抗体がモノクローナル抗体であり、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原と結合する抗体がポリクローナル抗体である、請求項18に記載の検出キット。 - 該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の総和が0.1mg/ml以上5mg/ml以下である、請求項18又は19に記載の検出キット。 - 該判定部に固定される、
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:4から4:1の範囲である、請求項18から20のいずれかに記載の検出キット。 - 該装置が
該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかであって、標識化された抗体と、
を更に備える、請求項18から21のいずれかに記載の検出キット。 - 該標識化に用いられた標識が同一の標識である、請求項22に記載の検出キット。
- 該標識が着色粒子である、請求項23に記載の検出キット。
- 該着色粒子が金属コロイド粒子である、請求項24に記載の検出キット。
- 該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと
が異なる着色粒子上に固定化されている、請求項24又は25に記載の検出キット。 - 該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかが固定化された着色粒子と、
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、請求項26に記載の検出キット。 - 該リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
が同一の着色粒子上に固定化されている、請求項24又は25のいずれかに記載の検出キット。 - 該同一の着色粒子上に固定化される、
リボソームタンパク質L7/L12抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
該多糖抗原又はリポ多糖抗原の異なる部位と結合する少なくとも2種類の抗体のいずれかと、
の濃度の比率が1:9から9:1の範囲である、請求項28に記載の検出キット。 - 該検体を予め接触させるための、
pH5.5以上pH8.5以下とするための緩衝液と、
非イオン性界面活性剤と、
タンパク質又は糖の少なくとも一方と、
を含む反応液を更に含む、請求項18から29のいずれかに記載の検出キット。 - 該非イオン性界面活性剤が、Tween20(登録商標)、Tween40(登録商標)、及びTritonX100(登録商標)からなる群より選ばれるいずれかである、請求項30に記載の検出キット。
- 該細菌がレジオネラ菌である、請求項18から31のいずれかに記載の検出キット。
- 該検体が尿検体である、請求項18から32のいずれかに記載の検出キット。
- 前記細菌の有無を判定する同一の判定部が一つのライン状である、請求項18から33のいずれかに記載の検出キット。
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