JP2017215284A - イムノクロマトグラフィー試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】偽陽性を抑制しながら高い検出シグナルを得るイムノクロマトグラフィー試験装置を提供する。【解決手段】試験液中の細菌の細胞内抗原を検出するためのイムノクロマトグラフィー試験装置は、(1)試験液滴下部材と、(2)標識された第1の抗細胞内抗原抗体を保持した標識化抗体保持部材と、(3)展開用部材と、(4)被検出物質に対する第2の抗細胞内抗原抗体を固定化した抗体固定化部材とを少なくとも備え、各部材はいずれも試験液の流れ方向に長尺な略シート状であり、かつ各部材の一部が隣接する部材の一部と直接的に重なり合うように部材(1)、(2)、(3)、(4)の順に配置しており、前記部材(2)と部材(4)は直接的にも間接的にも重なり合わない構造であって、前記部材(3)の、部材(2)及び部材(4)との重なり合わない部分の平均距離L1が、2mm以上、12mm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、イムノクロマトグラフィー試験装置に関する。
抗原−抗体等の特異的反応を利用して、血液や尿等の生体試料中の特定の被検出物質を迅速・簡便に検出できるイムノクロマトグラフ法を用いた簡易測定装置(イムノクロマトグラフィー試験装置)が普及している。
イムノクロマトグラフ法による被検出物質の検出は、例えば特許文献1では、高感度かつ迅速に判定結果を得るために標識抗体の溶出速度を高めることを目的として、標識化抗体保持部材と抗体固定化部材との間に展開用部材を配した形態を開示している。特許文献2では、バックグランドの上昇を抑えテストラインの視認性の向上を目的として、標識化抗体保持部材と抗体固定化部材の間に空間を設けて、それらの橋渡しをする部材として展開パッドを配置した形態を開示している。特許文献3では、高感度かつ迅速な判定結果を得るために、標識化抗体が標識化抗体保持部材に滞留するのを抑制する滞留抑制手段と、標識化物質が展開方向下流の領域から、隣接する展開方向上流の領域へ逆流するのを抑制する逆流抑制手段を有するイムノクロマトグラフィー試験装置を開示している。
特開2006−194687(シスメックス) 特開2013−205336(三菱化学メディエンス) 特開2014−178152(デンカ生研)
しかしながらいずれの技術も、偽陽性の問題が生じており、それを改善する手段は開示されていない。当然に、高い検出シグナルと偽陽性の問題を同時に解決することもできていない。
本発明は、偽陽性を抑制しながら高い検出シグナルを得るイムノクロマトグラフィー試験装置の提供を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高い検出シグナルを得ながら偽陽性の問題を改善するために、試験液中に含まれる抗原と装置に含まれる抗体との間の抗原抗体反応に要する反応時間や試験液の流れ性に着目した。そして、標識化抗体保持部材と抗体固定化部材との間に展開用部材を配置し、また抗体が固定化された検出部における流れ性を適切にすることで、高い検出シグナルを得ながら、偽陽性を抑制することを達成し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 試験液中の細菌の細胞内抗原を検出するためのイムノクロマトグラフィー試験装置であって
該試験装置は、
(1)試験液滴下部材と、
(2)標識された第1の抗細胞内抗原抗体を保持した標識化抗体保持部材と、
(3)展開用部材と、
(4)被検出物質に対する第2の抗細胞内抗原抗体を固定化した抗体固定化部材と
を少なくとも備え;
各部材はいずれも試験液の流れ方向に長尺な略シート状であり、かつ各部材の一部が隣接する部材の一部と直接的に重なり合うように部材(1)、(2)、(3)、(4)の順に配置しており;
前記部材(2)と部材(4)は直接的にも間接的にも重なり合わない構造であって、
前記部材(3)の、部材(2)及び部材(4)との重なり合わない部分の平均距離L1が、2mm以上、12mm以下であり;
前記部材(2)と前記部材(3)が直接的に重なり合う距離L2とL1との比(L2/L1)が、0.16≦L2/L1≦1であり;
前記部材(3)と前記部材(4)が直接的に重なり合う距離L3とL1との比(L3/L1)が、0.16≦L3/L1≦1であり;
前記部材(3)の厚みT1と部材(3)の上記L1との比(T1/L1)が0.02≦T1/L1≦0.2であり;かつ
部材(3)の目付が49g/m2以上、75g/m2以下のガラス繊維素材である、
イムノクロマトグラフィー試験装置。
[2] 前記L1が8mm以上、12mm以下である、1に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
[3] 前記部材(4)抗体固定化部材のキャピラリーフロータイムが、100秒/4cm以上、140秒/4cm以下である、1又は2に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
[4] 前記第1の抗体の標識に平均粒子径75nm以上、110nm以下の金コロイドを用いる1〜3のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
[5] 前記細菌が、肺炎球菌(ストレプトコッカス・ニューモニエ)、クラミジア・ニューモニエ、レジオネラ・ニューモフィラ、ヘモフィルス・インフルエンザ、ボルデテラ・ペルトゥシス、マイコプラズマ・ニューモニエのいずれかである、1〜4のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
[6] 前記細胞内抗原が、リボソームタンパク質L7/L12抗原である、1〜5のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
[7] 1〜6のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置を含む、細菌の検出のためのキット。
[8] 緩衝液及び界面活性剤を含む抽出液又は希釈液、並びに検体を採取するための用具をさらに含む、7に記載のキット。
本発明によれば、イムノクロマトグラフィー試験において、高い検出シグナルを得ながら、偽陽性を抑制することが可能となり、高い検出感度でもって結果を得ることができる。
イムノクロマトグラフィー試験装置の断面図。なお、図において、試験液滴下部材、標識化抗体保持部材、展開用部材の一部が基材上から離れて空中に浮いているかのように記載されているが、これは図示の簡略化のためであり、曲げに対して柔軟な形をとる構造体である場合は、基材上に接着する。図2においても同じ。 本発明のイムノクロマトグラフィー試験装置の例の断面図。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図面は、説明の便宜のために用いられるものであり、本発明の範囲は、図面に示す実施形態に限定されない。なお、以下の説明中「長さ」との表記は、イムノクロマトグラフィー試験装置の長軸方向に沿った距離を意味し、「幅」とはイムノクロマトグラフィー試験装置の短軸方向に沿った距離を意味する。
図1は、先行技術のイムノクロマトグラフィーの断面図である。図2は、本発明のイムノクロマトグラフィー試験装置の例の断面図である。以下図2に基づいて説明する。
このイムノクロマトグラフィー試験装置は、基材6上に、試験液滴下部材1と、標識された被検出物質に対する第1の抗体を保持した標識化抗体保持部材2と、被検出物質に対する第2の抗体を固定化した抗体固定化部材4と、吸収部材5を備える。標識化抗体保持部材2には、着色粒子で標識された抗体が保持されており、この抗体は、被検出物質である抗原と結合して複合体を形成する。抗体固定化部材4は、ライン状の捕捉部位7を備え、この部位には、抗原と結合する抗体が固定化されている。
次に、この装置によるイムノクロマトグラフ法による被検出物質の検出について説明する。まず、体液等の検体を展開溶媒に希釈して調製した試験液を試験液滴下部材1に滴下すると、この試験液は、毛管現象により、標識化抗体保持部材2に移動する。標識化抗体保持部材2では、着色粒子で標識された抗体が試験液に溶出する。試験液中に被検出物質である抗原が含まれる場合は、抗原抗体反応により、この抗原と上記抗体とが結合して複合体が形成される。次に、試験液は、毛管現象により、抗体固定化部材4の捕捉部位7に移動する。捕捉部位7では、抗原抗体反応により、上記抗原が、捕捉部位7に固定化されている抗体に捕捉される。上記抗原は、着色粒子で標識された抗体と複合体を形成しているので、捕捉部位7には、着色粒子の色がライン状に現れる。この有色のラインを目視することにより、検体中の被検出物質の存在の有無を確認する。
[細菌、抗原(被検出物質)、抗体]
本発明では、被検出物質に対する抗体を用いる。
本発明で測定される被検出物質は、イムノクロマトグラフ法で測定できる物質であればいずれでも可能であるが、特に細菌の成分又は細菌が分泌する物質であると本発明の効果を発現することが可能である。
検出の対象となる細菌は、特に限定されないが、本発明は肺炎球菌(ストレプトコッカス・ニューモニエ)、クラミジア・ニューモニエ、レジオネラ・ニューモフィラ、ヘモフィルス・インフルエンザ、ボルデテラ・ペルトゥシス、及びマイコプラズマ・ニューモニエに対して優れた効果を奏しうる。特に肺炎球菌が顕著な効果を奏する。
また検出対象となる、細菌由来の被検出成分も特に限定されないが、例えば細胞の成分とすることができ、好ましくは細胞内抗原であることが好ましい。細胞内抗原としては、リボソームタンパク質L7/L12抗原が好ましい。肺炎球菌のL7/L12リボソームリタンパク質の場合に顕著な効果を示すことができる。L7/L12リボソームタンパク質は、細胞内に多コピー存在するために検出感度が高い。
このような被検出物質に対する抗体は、後の実施例で示すように、以下に記載の公知の方法により、細菌感染症の原因となる特定の細菌を他の細菌と種又は属で識別可能な抗体を実際に取得可能である。
上記の抗体は、国際公開第00/06603号パンフレットに記載の方法で作製することができる。細菌リボソームタンパク質L7/L12を抗原とする場合は、細菌リボソームタンパク質L7/L12の全長タンパク質あるいはその部分ペプチドを抗原として用いて作製することができるが、全長タンパク質であることが好ましい。この部分ペプチドあるいは全長タンパク質をそのまま、又はキャリアタンパク質と架橋した後必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種せしめ、その血清を回収することでRibosomal Protein L7/L12タンパク質を認識する抗体(ポリクローナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。また抗血清より抗体を精製して使用することもできる。接種する動物としてはヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、特にポリクローナル抗体作製にはヒツジ、ウサギ等が好ましい。また、抗体としてはハイブリドーマ細胞を作製する公知の方法により取得したモノクローナル抗体を適用することがより好ましいが、この場合はマウスが好ましい。当該モノクローナル抗体として、細菌感染症の原因となる特定の細菌のリボソームタンパク質L7/L12と反応し、前記特定の細菌以外の細菌のリボソームタンパク質L7/L12とは反応しないモノクローナル抗体をスクリーニングすることにより、当該細菌による感染症にかかっているかどうかの診断に役立てることが可能となる。
また、該抗体は、酵素処理あるいは化学処理により、F(ab’)2、Fab’、或いはFab断片として使用してもよい。
[イムノクロマトグラフィー試験装置]
本発明のイムノクロマトグラフィー試験装置は、
(1)試験液滴下部材と、
(2)標識された第1の抗細胞内抗原抗体を保持した標識化抗体保持部材と、
(3)展開用部材と、
(4)被検出物質に対する第2の抗細胞内抗原抗体を固定化した抗体固定化部材と
を少なくとも備え、
(5)吸収部材
を備えていてもよい。
(1)試験液滴下部材について説明する。
試験液滴下部材は、装置に滴下された試験液を吸収し、毛管現象で標識化抗体保持部材への流れ性を確保する役割を持ち、使用する材料は、イムノクロマトグラフ法を行える物であれば特に限定されないが、好ましくは、レーヨンやキュプラ等の再生セルロースもしくはセルロール誘導体を原料に用いた繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、スポンジ、綿等である。より好ましくはキュプラである。
試験液滴下部材の体積は、小さすぎると試験液を受けきれず、試験装置外への漏れや装置内部での意図しない液の短絡を招き、大きすぎると試験液を保持しすぎてしまい、試験の迅速性を損なう。この観点から、長さは、8mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、12mm以上であることがさらに好ましい。また長さは、28mm以下であることが好ましく、24mm以下であることがより好ましく、20mm以下であることがさらに好ましい。幅は、長さがいずれの場合であっても2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、4mm以上であることがさらに好ましい。また幅は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがさらに好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。厚みは、長さ及び幅がいずれの場合であっても、0.05mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましく、0.20mm以上であることがさらに好ましい。また厚みは、2.00mm以下であることが好ましく、1.00mm以下であることがより好ましく、0.80mm以下であることがより好ましい。
(2)標識された第1の抗体を保持した標識化抗体保持部材について説明する。
標識化抗体保持部材は、その内部に標識された抗体を乾燥状態で保持し、イムノクロマトグラフィー試験においては、試験液を毛管現象により移動させながら、標識化抗体を試験液中に溶出させる役割を持つ。
つづいて標識及び標識化について説明する。
(標識)
本発明において、検出可能な信号を得るために、標識化抗体保持部材に保持される第1の抗体は標識されている。本発明で用いる標識としては、着色粒子、酵素、ラジオアイソトープ等が挙げられるが、特殊な設備不要で目視によって検出可能な着色粒子を使用することが好ましい。着色粒子としては、金や白金等の金属微粒子、非金属粒子、ラテックス粒子等が挙げられる。
着色粒子は、試験片の空隙内を通って下流に輸送されることができるサイズであればいかなるサイズでもよいが、後の実施例で示すように、肺炎球菌のL7/L12リボソームタンパク質を披検出物質とした場合、平均粒径が35nm以上、160nm以下の金コロイドが好ましい。金コロイドの平均粒径は、より好ましくは、55nm以上、125nm以下である。さらに好ましくは75nm以上、105nm以下である。平均粒子径が35nm以下になると、粒子同士が凝集して、クロマトグラフ媒体に使用した時に目詰まりを起こしてしまったり、クロマトグラフィー装置に使用した時に感度が出なかったりする。粒径は、大きい方が視認性に優れるが、大きすぎると金コロイド自体の色味が薄れ、またクロマトグラフフィー装置中で目詰まりを起こしてしまう懸念がある。イムノクロマトキットとしての感度を向上させるために、2種類以上の平均粒子径の不溶性担体を混合して用いてもよい。
本発明でいう粒子の平均粒子径とは、粒子を液体に分散した分散液を粒子径測定装置で測定することによって得たものを指す。粒子径測定装置には各種の測定原理を応用したものがあるが、本発明では、特に記載した場合を除き、動的光散乱法による粒子径測定装置を用いる。具体的には、Malvern社製の「ゼータサイザーナノZS」を用いた。ここで平均粒子径は、散乱光強度基準による調和平均粒子径(直径)の値であり、動的光散乱法による液体中の粒子径測定法は、JIS Z8826:2005 粒子径解析―光子相関法に定められる。
次に第1の抗体に着色粒子を結合する方法(標識化の方法)について述べる。
着色粒子による抗体の標識化の方法として、物理的な吸着による方法、共有結合による方法、それらの組合せによる方法等があげられる。製造の容易さの観点から、物理的な吸着による標識化方法が好ましい。即ち、所定の濃度に調製した着色粒子の分散液を準備し、緩衝液、抗体を加え、一定時間おくことで着色粒子に抗体を物理吸着させる。その後、さらにブロッキング剤を加え一定時間おくことで、粒子表面のブロッキングを行う。
ブロッキング剤としては、被検出物質や検体、又はそれを希釈する液の組成等に応じて様々な組成を用いることができるが、任意のバッファー組成液に、界面活性剤、糖、タンパク質、水溶性合成高分子等を溶解させたものが好ましい。
界面活性剤としては、Tween20、TritonX100、SDS、Benzalkonium chloride、Zwittergent3−12等が、糖としては、スクロース、トレハロース、デキストラン等、タンパク質としては、BSA、カゼイン、スキムミルク、フィッシュゼラチン等、水溶性合成高分子としては、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコール等があげられる。
抗体吸着及びブロッキング後の着色粒子分散液は、遠心分離を行い、上清を除いたのち、所定の分散液に懸濁して標識化抗体溶液とする。得られた標識化抗体溶液を保持部材に含浸せしめ、これを室温或いは凍結乾燥させて標識化抗体保持部材とできる。
標識化抗体保持部材に使用する材料は、ガラス繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリエステル繊維、セルロール系繊維等からなる繊維シート、又は前記繊維の混合物(例えば、ガラス繊維とPVA繊維との組み合わせ、セルロース系とガラスとの組み合わせ)からなる繊維シート等を用いることができ、ガラス繊維シートが好ましい。
繊維シートの性状は、目付(単位:g/m2)と厚みであらわされる。目付が低くかつ厚みが大きい場合、内部の空隙率が高くなり、標識化抗体溶液や試験液が保持されやすくなるが、空隙率が高すぎると、保持部材内での試験液の流れ性ならびに展開用部材への流れ性が悪化し、試験液が標識化抗体保持部材内に滞留するため、偽陽性が発生しやすくなる。一方、目付が高く、かつ厚みが小さい場合、内部の空隙率は低くなり、装置に供された試験液が吸収しづらくなり、試験液の流れ性が大幅に損なわれるか、もしくは試験液そのものが流れなくなってしまう。
また、保持部材の体積は、小さすぎると、製造工程において標識化抗体溶液を含浸させる工程の取扱いが難しくなる。大きすぎると試験液を保持しすぎてしまい、試験の迅速性を損なう。この観点から、長さは5mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがより好ましく、8mm以上であることがさらに好ましい。また長さは、20mm以下であることが好ましく、17mm以下であることがより好ましく、14mm以下であることがさらに好ましい。幅は、長さがいずれの場合であっても2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、4mm以上であることがさらに好ましい。また幅は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがさらに好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。厚みは、長さ及び幅がいずれの場合であっても、0.05mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましく、0.20mm以上であることがさらに好ましい。また厚みは、1.20mm以下であることが好ましく、0.80mm以下であることがより好ましく、0.40mm以下であることがより好ましい。
標識化抗体保持部材の流れ性を適切にするとの観点からは、目付を規定してもよい。目付は、上述の条件がいずれの場合であっても、30g/m2以上とすることができ、40g/m2以上であることが好ましく、45g/m2以上であることがより好ましく、49g/m2以上であることがさらに好ましい。また目付は、90g/m2以下であることが好ましく、75g/m2以下であることがより好ましく、60g/m2以下であることがさらに好ましい。
(3)展開用部材について説明する。
展開用部材に使用する材料は、試験液を毛管現象により流すことができるもの、材質としては、試験液滴下部材もしくは標識抗体保持部材と同様のもの、中でも、ガラス繊維素材が好ましい。
本発明では展開用部材が、抗原抗体反応の主たる場を提供して反応時間を確保するとともに、試験液の流れ性の確保にも寄与すると推定している。即ち、試験液中に溶出された標識化抗体と試験液中に含まれる抗原とが抗原抗体反応により複合体を形成する反応が、試験液が展開用部材内を移動しながら進行するため、展開用部材の長さが長いことは反応時間が長いことを意味し、より多くの複合体形成に有利であると推定される。
一方、展開用部材が長すぎると、試験液が展開用部材内に滞留するため、偽陽性が発生しやすくなる。
以上のことから展開用部材は、長さは、8mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、12mm以上であることがさらに好ましい。また長さは、20mm以下であることが好ましく、18mm以下であることがより好ましく、16mm以下であることがさらに好ましい。幅は、長さがいずれの場合であっても2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、4mm以上であることがさらに好ましい。また幅は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがさらに好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。厚みは、長さ及び幅がいずれの場合であっても、0.05mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましく、0.20mm以上であることがさらに好ましい。また厚みは、1.20mm以下であることが好ましく、0.80mm以下であることがより好ましく、0.40mm以下であることがより好ましい。目付は、上述の条件がいずれの場合であっても、30g/m2以上とすることができ、40g/m2以上であることが好ましく、45g/m2以上であることがより好ましく、49g/m2以上であることがさらに好ましい。また目付は、90g/m2以下であることが好ましく、75g/m2以下であることがより好ましく、60g/m2以下であることがさらに好ましい。
(4)被検出物質に対する第2の抗体を固定化した抗体固定化部材について説明する。
抗体固定化部材に使用する材料は、イムノクロマトグラフ法を行える物であれば特に限定されないが、好ましくは、ニトロセルロース、混合ニトロセルロースエステル、ポリビニリデンフロライド、ナイロン等である。好ましくは、ニトロセルロースである。
抗体固定化部材は、流れ性、すなわちキャピラリーフローレートが適切であるものを選択することが好ましい。キャピラリーフローレートとは、材料の一端に液体を添加した時の、液体の最前線が材料に沿って移動する速さをいう。抗体固定化部材に使用する材料は、毛管現象による試験液の移動を可能とする為に多孔質構造を有する。キャピラリーフローレートは、この多孔質構造の持つ、孔径、孔径分布、空隙率の影響を受ける。孔径が大きくなる、もしくは空隙率が増加すると、キャピラリーフローレートは増加する傾向にある。しかしながら、その値を正確に測定することは難しく、それは液体が材料中を進むに従って、その速さが指数関数的に減少するためである。このことから、測定がより容易なパラメータとして、キャピラリーフロータイムが用いられる。これは、純水が決められた長さの対象部材中を進み完全に濡れきった時間を示す値(秒/cm)である。これらは、メルクミリポア社発行の「ラテラルフローテストストリップ開発ガイド(TB500JA00)」に詳述されている。具体的には、キャピラリーフロータイム(秒/4cm)は次のように測定する:長さ4cm幅1cmの対象部材を垂直方向に立て掛け、立て掛けると同時に、立て掛け場の底部に予め用意した純水に対象部材の下端を浸す。立て掛け(吸い上げ開始)から、純水が対象部材の上端に達するまでの時間を測定し、キャピラリーフロータイム(秒/4cm)とする。
試験液の流れ性が速すぎると、被検出物質と第2の抗体の十分な反応が行われず、検出感度の低下を招く。また試験液の流れ性が遅すぎると、試験液が抗体固定化部材内に滞留するため、偽陽性が発生しやすくなる。この観点からは、キャピラリーフロータイムは、65秒/4cm以上であることが好ましく、80秒/4cm以上であることがより好ましく、95秒/4cm以上であることがさらに好ましい。またキャピラリーフロータイムは、250秒/4cm以下であることが好ましく、200秒/4cm以下であることがより好ましく、145秒/4cm以下であることがさらに好ましい。
また、抗体固定化部材には、クロマト展開開始点側の末端から任意の距離離れた捕捉部位に被検出物質に対する第2の抗体が固定化されている。開始末端からの距離が増大するに従って、キャピラリーフローレートは低下することが知られている。このため、捕捉部位の位置が開始末端から近過ぎると、流れ性が速すぎ、被検出物質と第2の抗体の十分な反応が行われず、検出感度の低下を招く。また、捕捉部位の位置を開始末端から遠くするためには、抗体固定化部材の長さ自体を長くする必要があるが、長すぎると試験液の展開に時間がかかり、試験の迅速性が損なわれる。この観点から、抗体固定化部材の長さ(部材全体の長さ)は、13mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましく、17mm以上であることがさらに好ましい。また長さは、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。抗体固定化部材の幅を規定してもよく、幅は、長さがいずれの場合であっても2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、4mm以上であることがさらに好ましい。また幅は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがさらに好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。
つづいて、抗体固定化部材の製造方法について説明する。
抗体固定化部材への抗体の固定化には、製造の容易さの観点から、物理的な吸着による固定化方法が好ましい。即ち、抗体を含有する溶液を固定化部材の捕捉部位にライン状に塗布した後、乾燥させることで、第2の抗体を部材上に固定化することができる。
その後、固定化部材をブロッキング剤に浸すことでブロッキングをしても良い。ブロッキング剤としては、被検出物質や検体、又はそれを希釈する液の組成等に応じて様々な組成を用いることができるが、任意のバッファー組成液に、界面活性剤、糖、タンパク質、水溶性合成高分子等を溶解させたものが好ましい。
界面活性剤としては、Tween20、TritonX100、SDS、Benzalkonium chloride、Zwittergent3−12等が、糖としては、スクロース、トレハロース、デキストラン等、タンパク質としては、BSA、カゼイン、スキムミルク、フィッシュゼラチン等、水溶性合成高分子としては、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコール等があげられる。
(5)吸収部材について説明する。
吸収部材は抗体固定化部材展開後の試験液を吸収する役割を持ち、使用する材料は、イムノクロマトグラフ法を行える物であれば特に限定されないが、好ましくは、セルロース濾紙等があげられる。
吸収部材の吸水容量が小さいと、試験液を吸収する力が弱くなり、上流側の部材で試験液の停滞を招き、偽陽性が発生しやすくなる。試験装置全体の流れ性の確保の点から、長さは、16mm以上であることが好ましく、18mm以上であることがより好ましく、20mm以上であることがさらに好ましい。また長さは、28mm以下であることが好ましく、26mm以下であることがより好ましく、24mm以下であることがさらに好ましい。幅は、長さがいずれの場合であっても2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、4mm以上であることがさらに好ましい。また幅は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがさらに好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。厚みは、長さ及び幅がいずれの場合であっても、0.50mm以上であることが好ましく、1.00mm以上であることがより好ましく、1.0mm以上であることがさらに好ましい。また厚みは、4.00mm以下であることが好ましく、3.00mm以下であることがより好ましく、2.00mm以下であることがより好ましい。吸水容量は、90mg/cm2以上であることが好ましく、150mg/cm2以上であることがより好ましく、200mg/cm2以上であることがさらに好ましい。
以上、本発明のイムノクロマトグラフィー試験装置を構成する各部材の材質、規格等について説明した。本発明のイムノクロマトグラフィー試験装置では、各部材の配置方法についても特定の条件を満足することが重要であるため以下に各部材の配置方法について説明する。
[(1)試験液滴下部材と、(2)標識化抗体保持部材の配置方法]
(1)試験液滴下部材と、(2)標識化抗体保持部材の重なりは、少なくとも液が連通する長さであり、確実に重なりを得るための製造上の観点から、好ましくは1mm以上である。
[(2)標識化抗体保持部材、(3)展開用部材、及び(4)抗体固定化部材の配置方法]
標識抗体保持部材と展開用部材の直接的な重なりの長さ(L2)は、他の要件の範囲から自然と制限される範囲内であれば、特に限定されないが、0.5mm以上とすることができ、1.0mm以上とすることが好ましく、1.8mm以上とすることがより好ましい。またL2は、12.0mm以下とすることができ、10.0mm以下とすることが好ましく、9.5mm以下とすることがより好ましい。
そして、展開用部材と抗体固定化部材の直接的な重なりの長さ(L3)は、少なくとも液が連通する長さであり、確実に重なりを得るための製造上の観点から、0.5mm以上とすることが好ましく、1.0mm以上とすることがより好ましく、1.8mm以上とすることがさらに好ましい。またL3は、4.0mm以下とすることが好ましく、3.5mm以下とすることがより好ましく、3.0mm以下とすることがさらに好ましい。
また標識化抗体保持部材の下流端と抗体固定化部材の上流端の距離(L1)、すなわち、標識化抗体保持部材と抗体固定化部材が直接的間接的に重なり合わない距離(L1)は、2mm以上とすることが好ましく、6mm以上とすることがより好ましく、8mm以上とすることがさらに好ましい。またL1は、12mm以下とすることが好ましい。該距離が短いと、十分な反応時間が確保できず、十分なシグナル向上効果が得られない。該距離が長いと、その分、標識化抗体保持部材が長くなるために試験液を保持しすぎてしまい、試験の迅速性を損なう。
また、標識化抗体保持部材と展開用部材が直接的に重なり合う距離(L2)と(L1)との比(L2/L1)が、0.1≦L2/L1≦3.0であると好ましく、0.15≦L2/L1≦1.0であるとより好ましく、0.2≦L2/L1≦1.5であるとさらに好ましい。また展開用部材と抗体固定化部材が直接的に重なり合う距離(L3)と(L1)との比(L3/L1)は、0.1≦L2/L1≦3.0であると好ましく、0.15≦L2/L1≦1.0であるとより好ましく、0.2≦L2/L1≦1.5であるとさらに好ましい。
また、展開用部材の厚み(T1)と展開用部材の上記(L1)との比(T1/L1)は0.018≦T1/L1≦0.150であると好ましく、0.020≦T1/L1≦0.070であるとより好ましく、0.020≦T1/L1≦0.050であるとさらに好ましい。
[(4)抗体固定化部材と、(5)吸収部材の配置方法]
(4)抗体固定化部材と、(5)吸収部材の重なりは、少なくとも液が連通する長さであり、確実に重なりを得るための製造上の観点から、好ましくは1mm以上、3mm以下である。
以上、各部材同士の配置等の関係について説明した。
本発明では、各構成部材を基材上で張り合わせたもの(イムノクロマト試験片)をそのまま使用してイムノクロマトグラフィー試験装置としてもよいし、ケースに収納してイムノクロマトグラフィー試験装置としても良い。
基材は、各部材の配置位置を固定し部材間の連結を確かなものとする役割を持ち、材質は、表面に粘着層を有したプラスチック、紙等、種々の材質のものを用いることができる。また、粘着層は試験実施に使用される全ての試薬に妨害を与えないものから選択することができる。表面に粘着剤が付いた長さ6.0以上、9.0cm以下、幅3mm以上、7mm以下、厚み200μm以上、300μm以下のポリスチレンシートが好ましい。
イムノクロマト試験片の長さ及び幅は、検体、目的に応じて適宜決定することができるが、イムノクロマト試験片の幅は、広過ぎるとその分試験液を余分に必要とし、狭すぎると、ラインの判定に支障をきたすことから、その幅は、3mm以上8mm以下が好ましい。イムノクロマト試験片の長さは、長すぎると試験液の展開に時間がかかり、試験の迅速性が損なわれる。また、短過ぎると、イムノクロマトグラフ法における反応と分離が十分行われず、検出感度の低下を招くことから、好ましくは、4cm以上、15cm以下である。
[キット]
本発明は、イムノクロマトグラフィー試験装置を含むキットを提供する。キットは、イムノクロマトグラフィー装置以外に、試験液(希釈液又は抽出液)、検体を採取するための用具、例えば綿棒、及び/又は吸引カテーテルを含んでいてもよい。
(試験液)
試験液について説明する。
本発明は上記した試験装置を用いて被検出物質(細胞内抗原)を検出するが、被検出物質が含まれる試験液は、検体と希釈液とを任意の比率にて混合することで試験液とすることができる。検体としては、尿、血液、血清、血漿、上気道検体(例えば、咽頭ぬぐい液、鼻咽腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、唾液、喀痰等)を用いうる。また、患部を擦過した綿棒等の採取具から抽出液にて被検出物質を抽出し、試験装置に提供する試験液とすることもできる。その他、抽出操作後に希釈液を加えても良い。
試験液の組成は、イムノクロマトグラフィー試験装置内の各部材中を毛管現象により移動する速度に影響する。一般に移動速度が速いと、試験完了までの時間は短縮されるが、検出シグナルは低くなる傾向にある。一方、移動速度が遅いと、検出シグナルが高くなる傾向にあるが、遅すぎる場合は、試験液の滞留による偽陽性化を招く恐れがある。
この点を踏まえた本発明者らの検討によると、抽出液もしくは希釈液には、任意のバッファー組成液に、界面活性剤、糖、タンパク質、水溶性合成高分子等を溶解させたものを用いるのが好ましい。任意のバッファー組成液とは、検体のpHが抗原抗体反応の反応性に影響を与える要因となりうるため、検体を希釈するための液は、pHが5.5以上であり、かつ8.5以下となるように緩衝されていることが好ましい。緩衝作用を持たせるためには、検体の希釈液は、各種グッドバッファー等の緩衝液を含むことが好ましい。また、抗原抗体反応への影響の点から言えば、イオン強度を調整する目的で、塩を添加しても良い。緩衝液の選択、イオン強度の調整は、当業者であれば、適宜設計できる。
界面活性剤としては、Tween20、TritonX100、SDS、Benzalkonium chloride、Zwittergent3−12等があげられる。界面活性剤の濃度の下限は、試験液の流れ性を確保するために、検体と混合した場合の終濃度が0.03%以上となるようにすることができ、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.075%以上であり、特に好ましくは0.1%以上である。また界面活性剤の濃度の上限値は、抗原抗体反応を著しく阻害しない程度であればよく、いずれの場合であっても、10%以下とすることができ、好ましくは7.5%以下であり、より好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下である。糖としては、スクロース、トレハロース、デキストラン等、タンパク質としては、BSA、カゼイン、スキムミルク、フィッシュゼラチン等、水溶性合成高分子としては、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコール等があげられる。糖、タンパク質、水溶性高分子等から選択される溶解物の濃度は、それらの合計が、検体と混合した場合の終濃度が0.03%以上となるようにすることができ、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.075%以上であり、特に好ましくは0.1%以上である。また上限値は、液の流れ性、抗原抗体反応を著しく阻害しない程度であればよく、いずれの場合であっても、15%以下とすることができ、好ましくは10%以下であり、より好ましくは8%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
[1:イムノクロマトグラフィー試験装置における各部材の寸法と重なりの検討]
イムノクロマトグラフィー試験装置を以下のように作製し、各部材の寸法と重なりの検討を行った。
(1)イムノクロマトグラフィー試験装置の作製
(a)標識された抗体を保持した部材の作製
金コロイド標識するStreptococcus pneumoniaeリボソーム蛋白質L7/L12抗体にはREAMSP−8株由来のモノクローナル抗体を使用した。
田中貴金属社製金コロイド溶液(粒径80nm。Malvern社製ゼータナノサイザーナノZSを用いて測定した3回の値の平均値が規格値80.0±4.0のもの)0.9mLに0.1M CHES buffer pH9.0を混合し、金コロイド標識する抗REAMSP−8リボソーム蛋白質L7/L12抗体80μg/mLを加え室温で10分間静置し、この抗体を金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が0.1%となるようにカゼイン1%水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面をカゼインでブロッキングして、金コロイド標識抗リボソーム蛋白質L7/L12抗体(以下、「金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(15000×rpm、5分間)して金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて金コロイド標識抗体を得た。この金コロイド標識抗体を0.25%カゼイン、2.5%スクロースを含有する20mmトリス塩酸緩衝液(pH8.2)に懸濁して金コロイド標識抗体溶液を得た。
10mm×150mmの帯状のガラス繊維シート#8975(ポール社製、目付49g/m2)に、金コロイド標識抗体溶液0.63mLを含浸せしめ、これを室温で減圧乾燥させて金コロイド標識抗体保持部材とした。
(b)抗体固定化部材の作製
幅25mm、長さ300mmのニトロセルロース膜UniSart CN95 (ザルトリウス社製、キャピラリーフロータイム100秒/4cm)を抗体固定化部材の原料として用意した。
REAMSP−5株由来のStreptococcus pneumoniaeリボソーム蛋白質L7/L12 モノクローナル抗体 2.0mg/mLが含有されてなる溶液を、この抗体固定化部材におけるクロマト展開開始点側の末端から10mmの位置に1μL/cmでライン状に塗布して、これを50℃で60分間乾燥し、その後、0.1%カゼイン溶液に浸し、一晩室温で乾燥させた。Streptococcus pneumoniaeリボソーム蛋白質 L7/L12抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位7とした。
(c)イムノクロマトグラフィー試験装置の組み立て
上記抗体固定化部材、上記標識抗体保持部材の他に、試験液滴下部材として再生セルロース不織布UR601(旭化成せんい製)と、展開用部材としてガラス繊維シート#8975(ポール社製)、吸収部材としてセルロース濾紙CF7(GEヘルスケア社製)を用意した。そして、これらの部材を基材ARcare9020(Adhesives Research, Inc.製)に貼り合せた後、5mm幅に切断し、図2と同様のイムノクロマトグラフィー試験装置を作製した。
また比較のため、展開用部材を用いない一般的なイムノクロマトグラフィー試験装置として、図1と同様のイムノクロマトグラフィー試験装置を作製した。
(2)試験方法
イムノクロマトグラフィー試験は、抗原として、肺炎球菌(約1×105 CFU/ml)をPBS にて10倍に希釈した模擬サンプルを用意し、検体希釈液(TritonX−100 0.5%、0.25%カゼイン、0.5%デキストラン、NaCl 0.2M)と1:1混合したものを試験液とした。ここでCFUとは、Colony Forming Unit:コロニー形成単位を示し、対象試料中の生きた細胞数を示す。
そして、同試験液120μlを上記(1)で得られたイムノクロマトグラフィー試験装置の試験液滴下部材5にマイクロピペットで滴下してイムノクロマトグラフィー試験を開始し、室温で30分経過後、上記捕捉部位7で捕捉されたリボソーム蛋白質 L7/L12抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉の有無を捕捉量に比例して増減する赤紫色ラインの濃さにより判定した。
テストライン強度は、赤紫色ラインが薄いものから濃いものまでを「+」から「7+」として、半定量的に評価した。
また抗原を含まない試料における試験でもテストラインの発色が見られた場合、偽陽性ありとした。
(試験1)
試験液滴下部材の長さ、展開用部材の長さ、L2、L1の組み合わせを変えた時のイムノクロマトグラフィー試験結果を表1に示す。
標識化抗体保持部材と抗体固定化部材が直接的間接的に重なり合わない距離(L1)が、
2mm以上12mm以下で効果が得られ、8mm以上12mm以下でより高い効果が得られた。
これは、標識された第1の標識化抗体が試験液中に溶出した後、試験液中に含まれる抗原と抗原抗体反応する際に、試験液が展開用部材中を移動しながら抗原抗体反応が進行する事で、展開用部材の長さに比例して反応時間が長くもたらされ、その結果、抗原と第1の抗体とが十分な量の複合体を形成でき、これらが逐次抗体固定化部材の捕捉部位に移動した際に、固定化されている第2の抗体に捕捉され、判定時に高い検出シグナルを得ることができた。このことは、L1が長くなるとともに、テストライン強度が高まることと一致する。
一方、L1が14mm以上の場合、抗原を含まない試料を用いた試験において、試験液の滞留が原因の偽陽性がみられた。
また、展開用部材と標識化抗体保持部材とが直接的に重なり合う部分の長さ(L2)は、2mm以上、9mm以下の範囲で同様の効果を示した。
Figure 2017215284
[2:イムノクロマトグラフィー試験装置における各部材の材料の検討]
イムノクロマトグラフィー試験装置を以下のように作製し、各部材の材料の検討を行った。
(1)イムノクロマトグラフィー試験装置の作製
各部材の材料を変更する以外は実施例1と同様の方法でイムノクロマトグラフィー試験装置を作製した。また、各部材の長さと重なりの配置は以下に統一した。
試験液滴下部材の長さ14mm
標識化抗体保持部材の長さ10mm
展開用部材の長さ14mm
L2=2mm、L3=2mm、L1=10mm
(2)試験方法
イムノクロマトグラフィー試験は、[1]と同様の方法で行った。
(試験2)
展開用部材を変えたときのイムノクロマトグラフィー試験結果を表2に示す。
展開用部材の厚みが0.28mm以上、0.44mm以下、目付が49g/m2以上、75g/m2以下の範囲で効果を示した。
Figure 2017215284
(試験3)
抗体固定化部材を変えたときのイムノクロマトグラフィー試験結果を表3に示す。
キャピラリーフロータイム100秒/4cm以上、140秒/4cm以下の範囲で効果を示した。
Figure 2017215284
[3:イムノクロマトグラフィー試験装置における金コロイド粒径検討]
イムノクロマトグラフィー試験装置を以下のように作製し、金コロイド粒径の検討を行った。
(1)イムノクロマトグラフィー試験装置の作製
標識に用いる金コロイドの粒径を変更する以外は実施例1と同様の方法でイムノクロマトグラフィー試験装置を作製した。また、各部材の長さと重なりの配置は以下に統一した。
試験液滴下部材の長さ14mm
標識化抗体保持部材の長さ10mm
展開用部材の長さ14mm
L2=2mm、L3=2mm、L1=10mm
(2)試験方法
イムノクロマトグラフィー試験は、抗原として、肺炎球菌(約1×105 CFU/ml)をPBS にて段階的に希釈した模擬サンプルを用意し、検体希釈液(TritonX−100 0.5%、0.25%カゼイン、0.5%デキストラン、NaCl 0.2M)と1:1混合したものを試験液とした。抗原濃度は、8×103 CFU/ml、4×103 CFU/ml、2×103 CFU/ml、1×103 CFU/mlのそれぞれで試験を行った。
そして、同試験液120μlを上記(1)で得られたイムノクロマトグラフィー試験装置の試験液滴下部材5にマイクロピペットで滴下してイムノクロマトグラフィー試験を開始し、室温で15分経過後、上記捕捉部位7で捕捉されたリボソーム蛋白質 L7/L12抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉の有無を判定ラインが認められるか否かにより判定した。
(試験4)
標識に用いる金コロイドの粒径を変えたときのイムノクロマトグラフィー試験結果を表4に示す。
異なる粒径の金コロイド間では色味が変わるため、テストラインの強度の比較ではなく、抗原量を段階的に下げた際の検出限界により評価を行ったところ、80nmと100nm(80nmのものと同様、Malvern社製ゼータナノサイザーナノZSを用いて、測定した3回の値の平均値が規格値100.0±5.0のもの)の粒径では、同等の最低検出感度を示した。
Figure 2017215284
本発明のイムノクロマトグラフィー試験装置を用いることで、高い検出感度でもって結果を得ることができる。
1.試験液滴下部材
2.標識抗体保持部材
3.展開用部材
4.抗体固定化部材
5.吸収部材
6.基材
7.捕捉部位

Claims (8)

  1. 試験液中の細菌の細胞内抗原を検出するためのイムノクロマトグラフィー試験装置であって
    該試験装置は、
    (1)試験液滴下部材と、
    (2)標識された第1の抗細胞内抗原抗体を保持した標識化抗体保持部材と、
    (3)展開用部材と、
    (4)被検出物質に対する第2の抗細胞内抗原抗体を固定化した抗体固定化部材と
    を少なくとも備え;
    各部材はいずれも試験液の流れ方向に長尺な略シート状であり、かつ各部材の一部が隣接する部材の一部と直接的に重なり合うように部材(1)、(2)、(3)、(4)の順に配置しており;
    前記部材(2)と部材(4)は直接的にも間接的にも重なり合わない構造であって、
    前記部材(3)の、部材(2)及び部材(4)との重なり合わない部分の平均距離L1が、2mm以上、12mm以下であり;
    前記部材(2)と前記部材(3)が直接的に重なり合う距離L2とL1との比(L2/L1)が、0.16≦L2/L1≦1であり;
    前記部材(3)と前記部材(4)が直接的に重なり合う距離L3とL1との比(L3/L1)が、0.16≦L3/L1≦1であり;
    前記部材(3)の厚みT1と部材(3)の上記L1との比(T1/L1)が0.02≦T1/L1≦0.2であり;かつ
    部材(3)の目付が49g/m2以上、75g/m2以下のガラス繊維素材である、
    イムノクロマトグラフィー試験装置。
  2. 前記L1が8mm以上、12mm以下である、請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
  3. 前記部材(4)抗体固定化部材のキャピラリーフロータイムが、100秒/4cm以上、140秒/4cm以下である、請求項1又は2に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
  4. 前記第1の抗体の標識に平均粒子径75nm以上、110nm以下の金コロイドを用いる請求項1〜3のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
  5. 前記細菌が、肺炎球菌(ストレプトコッカス・ニューモニエ)、クラミジア・ニューモニエ、レジオネラ・ニューモフィラ、ヘモフィルス・インフルエンザ、ボルデテラ・ペルトゥシス、マイコプラズマ・ニューモニエのいずれかである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
  6. 前記細胞内抗原が、リボソームタンパク質L7/L12抗原である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー試験装置を含む、細菌の検出のためのキット。
  8. 緩衝液及び界面活性剤を含む希釈液又は抽出液、並びに検体を採取するための用具をさらに含む、請求項7に記載のキット。
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