JP2010248129A - レジオネラ菌検出用抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】レジオネラ菌特異的かつ血清型非関与のレジオネラ菌検出用抗体を提供すること。
【解決手段】レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型と反応することを特徴とする、レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジオネラ菌の検出に有用な抗体、それを用いたレジオネラ菌の検出方法、及びレジオネラ菌の検出用試薬キットに関する。
微生物感染症の診断は通常感染部位などでの原因菌の検出か、血清、体液中の原因菌に対する抗体の検出により確定される。特に、この診断は原因菌の検出が患者への迅速な治療を可能にする意味で重要である。感染症原因菌の検出には原因菌の分離培養を経て、その生化学的性状をもとに菌の同定を行う培養同定法、原因菌特異的遺伝子をもとにPCR法などにより増幅し検出する遺伝子診断法、原因菌の表面抗原マーカーとの抗体の特異反応を利用して原因菌検出を行う免疫的手法に大別できるが、培養同定法、遺伝子診断法は検出結果を得るまでに時間がかかり、短時間にしかも高感度に原因菌を検出し、迅速かつ適切な患者への治療につながる点で免疫法による診断が汎用されている。従来免疫法による感染症原因菌の検出には、菌種によって様々なマーカー抗原と抗体の組み合わせが使われている。
レジオネラ菌検出用の抗体としては、例えば、特許文献1に報告されているものがある。特許文献1では、本質的にタンパク質非含有のO-糖質抗原またはO-多糖質抗原をレジオネラ属の細菌の種、または種の血清群から分離してクロマトグラフィーカラムに結合し、これを使用してレジオネラの同一の種または種の血清群に対する粗抗体の精製を行っている。このようにして得られる抗原特異的抗体は、レジオネラ症、ポンティアック熱およびその他のレジオネラが起因した疾患の検出のため、ならびに環境試料中のレジオネラ菌の検出のための免疫化学的アッセイ法において使用されることが記載されている。
また、非特許文献1には、レジオネラ菌(Legionella pneumophila)の血清型に特異的な複数のモノクローナル抗体のパネルが記載されている。
一方、特許文献2には、種特異的であり、かつ同一種内のすべての血清型を検出できる微生物検出用抗体とその作製法、微生物検出方法及び微生物検出用試薬キットが記載されている。WO00/06603号公報では、各種の微生物について細胞内の同一機能分子、特にリボソーム蛋白質、とりわけリボソーム蛋白質Ribosomal Protein L7/L12に対する抗体を作製し、対象微生物に特異的に反応する抗体を選択する。この抗体を用いて微生物を検出している。
特表2002−523030号公報 WO00/06603号公報
Helbig J H et al, Zentralblatt fuer Bakteriologie = International journal of medical microbiology : medical microbiology, virology, parasitology, infectious diseases (June 1994), Vol.281, No.1, pp16-23
従来報告されているレジオネラ菌の夾膜糖脂質抗原の抗体では、糖脂質の型が15以上存在するため、一種類の抗体では一種類の糖脂質の型の菌しか検出できなかった。実際のレジオネラ菌検出キットでも、血清型がI型の菌のみしか検出できないため、他の型のレジオネラ感染を見落とす可能性があるという問題があった、即ち、本発明の課題は、血清型I型だけでなくI型以外の血清型のレジオネラ菌と特異的に反応し、レジオネラ菌以外の他の細菌とは反応しないことを特徴とする、レジオネラ菌特異的かつ血清型非関与のレジオネラ菌検出用抗体を提供することである。更に本発明の別の課題は、上記抗体を用いたレジオネラ菌の検出方法、及びレジオネラ菌の検出用試薬キットを提供することである。
本発明者らは、レジオネラ菌のリボソーム蛋白質L7/L12に対する抗体を使用することにより、1種類の抗体で広く種々の型のレジオネラ菌を検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1) レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型と反応することを特徴とする、レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体。
(2) 抗体がモノクローナル抗体である、(1)に記載の抗体。
(3) レジオネラ菌と特異的に反応し、レジオネラ菌以外の菌と反応しないことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の抗体。
(4) レジオネラ菌が、Legionella pneumophilaである、(1)から(3)の何れかに記載の抗体。
(5) レジオネラ菌が、Legionella pneumophila、Legionella sainthelensi、Legionella longbeachae、及びLegionella micadadeiから選択される1〜4種類である、(1)から(3)の何れかに記載の抗体。
(6) (1)から(5)の何れかに記載の抗体を用いることを特徴とする、レジオネラ菌の検出方法。
(7) レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型を検出することを特徴とする、(6)に記載の方法。
(8) (1)から(5)の何れかに記載の抗体を含む、レジオネラ菌の検出試薬キット。
(9) レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型を検出するための、(8)に記載のキット。
本発明によるレジオネラ菌検出用抗体は、血清型I型だけでなくI型以外の血清型のレジオネラ菌と特異的に反応し、レジオネラ菌以外の他の細菌とは反応しないことを特徴とする抗体であり、レジオネラ菌を特異的にかつ血清型に関わらず検出することができる。特に本発明によるレジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体が、レジオネラ菌の血清型Iだけでなく、血清型IからVIの6種類の血清型と反応することは、先行技術からは予想できない本発明に特有の有利な効果である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明はレジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体において、レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型と反応することを特徴とする抗体である。
レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12におけるレジオネラ菌としては、レジオネラ菌である限り特に限定されず、例えば、Legionella pneumophila、Legionella sainthelensi、Legionella longbeachae、及びLegionella micadadeiなどを挙げることができるが、好ましくは、Legionella pneumophilaである。
レジオネラ菌の血清型IからVIにおけるレジオネラ菌としては、レジオネラ菌である限り特に限定されず、例えば、Legionella pneumophila、Legionella sainthelensi、Legionella longbeachae、及びLegionella micadadeiなどを挙げることができ、Legionella pneumophilaのみでもよいし、Legionella pneumophila、Legionella sainthelensi、Legionella longbeachae、及びLegionella micadadeiから選択される1〜4種類でもよい。
本発明の抗体は、好ましくは、レジオネラ菌と特異的に反応し、レジオネラ菌以外の菌と反応しないことを特徴とする。レジオネラ菌以外の菌としては、以下の実施例で交差反応性を試験した表2に記載の菌を挙げることができる。
本発明の抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の何れでもよいが好ましくはモノクローナル抗体であることが望ましい。また本発明の抗体は、レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12の全長あるいはその部分ペプチドを抗原として用いて作成することができる。レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12のアミノ酸配列は公知であり、例えば、特開2004-201605号公報の配列番号2に記載されている。抗体を作成するためのペプチドの長さは特に限定されないが、レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体の場合、この蛋白質を特徴づけられる長さがあれば良く、好ましくは5アミノ酸以上、特に好ましくは8アミノ酸以上のペプチドを用いれば良い。このペプチドあるいは全長蛋白質をそのまま、またはKLH(keyhole−limpet hemocyanin)やBSA(bovine serum albumin)といったキャリア蛋白質と架橋した後必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種せしめ、その血清を回収することでRibosomal Protein L7/L12蛋白質を認識する抗体(ポリクローナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。また抗血清より抗体を精製して使用することもできる。接種する動物としてはヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、特にポリクローナル抗体作製にはヒツジ、ウサギなどが好ましい。また、ハイブリドーマ細胞を作製する公知の方法によりモノクローナル抗体を得ることも可能であるが、この場合はマウスが好ましい。また該蛋白質の全長またはアミノ酸5残基以上、望ましくは8残基以上の部分ペプチドをGST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)などと融合させたものを精製して、または未精製のまま、抗原として用いることもできる。成書(Antibodies a laboratory manual,E.Harlow et al.,Cold Spring Harbor Labolatory)に示された各種の方法ならびに遺伝子クローニング法などにより分離されたイムノグロブリン遺伝子を用いて、細胞に発現させた遺伝子組み換え抗体によっても作製することができる。
本発明のレジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12蛋白質に対する抗体は、以下の方法あるいはその他の類似の方法によって取得することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
a)レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12の遺伝子配列は公知であるため他のリボゾーム蛋白質L7/L12の遺伝子配列が公知な微生物における該蛋白質のアミノ酸配列との類似性が少ない領域についてアミノ酸数5個から30個ほどのペプチド断片を合成し、それを免疫原としてポリクローナル抗体、あるいはモノクローナル抗体を作製することにより目的の抗体を取得することができる。また、既知の該遺伝子の両端部位におけるDNA配列をプローブとしたPCR手法による遺伝子増幅、相同部分配列を鋳型プローブとしたハイブリダイゼーション法など通常の遺伝子操作手法を用いることにより該遺伝子の全長配列を取得することができる。その後、他の蛋白質遺伝子とのフュージョン遺伝子などを構築し、大腸菌等を宿主として公知の遺伝子導入手法により宿主内に該当フュージョン遺伝子を挿入し大量に発現させた後にフュージョン蛋白質として用いた蛋白質に対する抗体アフィニティーカラム法などにより発現蛋白質を精製することにより目的とする蛋白質抗原を取得することができる。この場合、レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12の全長蛋白質が抗原となるため微生物間で保存されているアミノ酸部分に対する抗体を取得しても本発明の目的に合致しない。従って、本法によって取得した抗原に対しては公知の手法によりモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを取得し、該当する微生物とのみ反応する抗体を産生するクローンを選択することにより目的の抗体を取得することができる。
蛋白質の精製度が不足している場合は公知の精製手法であるイオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過などの手法により精製した後特開2004-201605号公報に記載のすでに作製した抗体によるウェスタンブロットなどの方法によりレジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12の溶出画分を同定しさらに精製度の高い蛋白質を得ることができる。得られた精製レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12抗原を基にして公知の方法によりハイブリドーマあるいはポリクローナル抗体を取得し、a)と同様に目的の微生物に特異的に反応するハイブリドーマあるいはポリクローナル抗体を選択することにより目的の抗体を取得することができる。
前記a)などの方法によって取得した本発明における各種微生物特異的な抗体は例えばポリスチレンラテックス粒子上に該抗体を吸着させた凝集反応、マイクロタイタープレート中で行う公知技術であるELISA法、既存のイムノクロマト法、着色粒子もしくは発色能を有する粒子、または酵素もしくは蛍光体でラベルされた該抗体とともに捕捉(capture)抗体で被覆した磁気微粒子などを用いるサンドイッチアッセイなど既知の全ての免疫測定手法に利用することにより、レジオネラ菌に特異的な検出用試薬キットを提供することができる。
本発明の抗体を用いることを特徴とするレジオネラ菌の検出方法とは、例えばポリスチレンラテックス粒子上に該抗体を吸着させた凝集反応、マイクロタイタープレート中で行う公知技術であるELISA法、既存のイムノクロマト法、着色粒子もしくは発色能を有する粒子、または酵素もしくは蛍光体でラベルされた該抗体とともにcapture抗体で被覆した磁気微粒子などを用いるサンドイッチアッセイなどの既知の免疫測定手法を利用する検出方法に相当する。
また該検出方法において必要となる微生物からの細胞内マーカー抗原の抽出方法としては、トリトンX−100(Triton X−100)、ツイーン−20(Tween−20)をはじめとする種々の界面活性剤を用いた抽出試薬による処理法、適当なプロテアーゼなどの酵素を用いる酵素処理法、物理的方法による微生物細胞の破砕をはじめ既知の細胞構造の破砕手法が用いられうるが、界面活性剤等の組み合わせにより微生物ごとに試薬による最適な抽出条件を設定することが望ましい。
また、本発明における、本発明の抗体を含むレジオネラ菌の検出試薬キットとは、当該検出方法を用いた検出試薬キットに相当する。
本発明に基づき作製された抗体は、公知の測定手法であるポリスチレンラテックス粒子上に該抗体を吸着させた凝集反応、マイクロタイタープレート中で行う公知技術であるELISA法、既存のイムノクロマト法、着色粒子もしくは発色能を有する粒子、または酵素もしくは蛍光体でラベルされた該抗体とともにcapture抗体で被覆した磁気微粒子などを用いるサンドイッチアッセイなど既知の全ての免疫測定手法に利用できる。
また本発明に基づき作製された抗体は全ての免疫測定手法において当該抗原蛋白質を固相あるいは液相中で捕獲するcapture抗体として機能しうると同時にパーオキシダーゼやアルカリフォスファターゼなどの酵素を公知の方法により修飾することによりいわゆる酵素標識抗体としても機能しうる。
本発明を以下の実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:Legionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体を産生するハイブリドーマの取得
特開2004-201605号公報の実施例3に記載のプラスミドpGEX-Leg16.L7/L12を含有する大腸菌DH5α形質転換体を用いて、同報実施例記載の方法に従い抗Legionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体を産生するハイブリドーマを取得するための免疫源としてのLegionellaリボゾーム蛋白質L7/L12蛋白質精製物を調整した。さらに当該リボゾーム蛋白質L7/L12を用い、特開2004-201605号公報の実施例4に記載の方法に従い、同報記載のハイブリドーマLPAM-1〜4とは別に、新たにLegionellaリボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体を産生するRELPAM-1からRELPAM-18の18株のハイブリドーマを取得した。
実施例2:Legionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体を産生するハイブリドーマ用いた抗体生産と酵素標識
実施例1にて取得したRELPAM-1からRELPAM-18のハイブリドーマを定法に従い培養、精製しモノクローナル抗体をそれぞれ回収した。
具体的には各ハイブリドーマを種細胞増殖用培地としてウシ胎児血清(FBS)を10%添加したTIL MediaI培地(IBL社製)5mlで1〜2×105個/ml程度となるように希釈し、5%CO2、37℃、25cm2培養フラスコ中で2-3日培養した。5〜10×105個/ml程度に増殖した細胞を、さらに75cm2培養フラスコ中にて同様に増殖させた後、1〜2×105個/ml程度となるように同様のFBS入り培地で希釈しローラーボトル中へ250mlに継代した。5%CO2、37℃で2-3日培養した後、さらに250mlのFBS入り清培地を追加して2-3日間培養を継続した。5〜10×105個/ml程度にまで増殖させた後、すべての細胞を回収し、同量の無血清培養用培地(ASF0104N 味の素社)に置換した。4〜7日間培養したのち培養液を回収して2500rpm、10分の遠心により目的とする抗体を含む培養上清を取得した。培養上清は、ポアサイズ0.45μmで無菌濾過し、0.1%のアジ化ソーダ添加後4℃で保存した。取得した培養上清を0.05mole/lリン酸緩衝液(pH7)で5倍希釈後Hitrap-proteinGカラム(アマシャム社製、5ml)に吸着させ、リン酸緩衝液で5ベッドボリューム分洗浄後pH2.5の0.1Mグリシン-塩酸緩衝液で溶出し、フラクションを回収して各ハイブリドーマの産生するモノクローナル抗体を得た。
精製した抗体を1次あるいは2次抗体としてもちいいわゆるサンドイッチ系ELISA法にて各抗体、あるいはその組み合わせのLegionella pneumophila菌の検出性能の評価に供した。ELISA法測定の2次抗体としては対象となるモノクローナル抗体をパーオキシダーゼ酵素標識したものを使用した。酵素標識にはホースラディッシュパーオキシダーゼ(SigmaグレードV)を用い、結合には試薬S-アセチルチオ酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドを使用し、Analytical Bio-chemistry132(1983)、68-73で述べられている方法に従って行った。
実施例3:Legionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体のLegionella pneumophila菌検出可能で他の細菌と反応しない抗体の組み合わせのELISAでの評価
実施例2で取得した18種類のLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体をそれぞれサンドイッチ系ELISAにより18種類の抗体をそれぞれ1次抗体、2次抗体として組み合わされ種々の組み合わせについてELISAにてLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12との反応性を評価した。具体的には1次抗体として評価する抗体の10μg/ml、PBS溶液100μlを96穴ELISAプレート(Nunc社MaxsorpELISAプレート)に分注し4℃で一晩吸着させた。上澄み除去後、1%牛血清アルブミン溶液(PBS中)200μl添加し室温で1時間反応させてブロッキングした。
上澄み除去後洗浄液(0.02%Tween20、PBS)で数回洗浄し、Legionella pneumophila血清型I型培養液(約1×109cfu/ml)を0.5%TritonX-100、PBS にて40倍、400倍に希釈したものと0.5%TritonX-100、PBS(陰性コントロール)そのものを100μl添加し 室温にて1時間反応させた。さらに上澄み除去後実施例.2で示した方法によりパーオキシダーゼ標識した各種Legionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体を2次抗体として0.02%Tween20、PBSにて最終濃度1μg/mlになるように希釈してそれぞれ100ul添加し室温にて1時間反応させた。上澄み除去後さらに洗浄液で数回洗浄したのち、TMB溶液(KPL社製)を100μlずつ加え室温10分間反応させた後1mol/lの塩酸を100μl添加し反応を停止したのち450nmの吸光度を測定し、陰性コントロールシグナルとの差によりLegionella pneumophila血清型I型菌を検出可能なLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体の組み合わせを評価した。 また、併せてそれぞれの抗体の組み合わせについてLegionella pneumophila以外の主要な細菌27種との反応性を評価した。ELISAの条件は前述の方法と同一の方法に従い、抗原のみLegionella pneumophila菌の代わりにその他の主要な細菌はそれぞれ1×108cfu/ml、0.5%TritonX-100、PBS中に調整したサンプルを供して試験を実施した。
その結果、上記のレジオネラLegionella pneumophilaを特異的に検出可能でかつ他の主要な細菌とは反応しない抗体の組み合わせが45組得られた。
これら45組のLegionella pneumophila血清型I型菌を検出可能でかつLegionella pne
umophila以外の細菌27種との反応しないLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体の組み合わせのLegionella pneumophila血清型I型菌との反応を確認したELISA吸光度データを表.1に示す。また、ELISAで交差反応をしないことを確認した他の細菌の一覧を表.2に示す。表.1における数値はそれぞれの抗体の組み合わせで陽性サンプルの測定値から陰性コントロールの測定値を差し引いた値で表示した。
また表2に示した他の細菌群とのELISAでの交差反応試験の結果については45組の抗体の組み合わせについてはすべてLegionella pneumophila血清型I型菌との450nmの反応後吸光度(陰性コントロール吸光度をさしひいたもの)は吸光度1.5以上の十分なシグナル強度であり、他の27種の細菌とのELISA反応吸光度(陰性コントロール吸光度を差し引いたもの)はすべて0.1以下であった。その結果ここに示した45組の組み合わせはLegionella pneumophilaを特異的に検出し、他の主な細菌と交差反応をしないことが示された。
実施例4:Legionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体のLegionella pneumophila血清型別反応性のELISAでの評価
実施例3で絞り込んだ45組のLegionella pneumophila特異的検出が可能な抗体の組み合わせ45組についてLegionella pneumophilaのII型からVI型の培養菌体とのELISAでの反応性を実施例.3と同様の条件にて評価した結果を表3に示す。ここで対象となるLegionella pneumophilaのII型からVI型の培養菌体細菌はそれぞれ約2.5×107cfu/mlと
なるようにTritonX-100 0.5%、PBS中に希釈したサンプルを供して試験を実施した。
表3に示すように得られたLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体の組みあわせ45組のELISA結果すべてにおいて、I型のみならずII型からVI型のすべてのLegionella pneumophilaの血清型を併せて検出可能であることが示された。
実施例5:Legionella属細菌との反応性のELISAでの確認
次に 実施例3でのELISAと同様の条件に従いLegionella同属細菌であるLegionella sainthelensi, Legionella longbeachae, Legionella micadadeiの3種の細菌について実施例3にて絞り込んだ45組のLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体の組み合わせについてそれらの同属細菌の検出を試みた。
ELISAによる検出結果を表4に示す。
ここで対象となるLegionella属の培養菌体細菌はそれぞれ約2.5×107cfu/mlとなるようにTritonX-100 0.5%、PBS中に希釈したサンプルを供して試験を実施した。
その結果 表4に示すようにLegionella pneumophilaリボゾーム蛋白質L7/L12抗体の1次抗体、2次抗体の45組の組み合わせの種類により、Legionella属の中でも1)Legionella pneumophilaを種特異的に検出可能な抗体(表4の網掛け背景にしてある組み合わせ) 2) Legionella属の中でLegionella pneumophilaに加えて多の同属菌の一部を合わせて検出可能な抗体 3) Legionella属すべてを一様に検出可能な抗体 といろいろな検出パターンの抗体が取得され、用途に応じてレジオネラ属特異的あるいはレジオネラ種特異的など様々な抗体の組み合わせが選択可能であることが示された。
本発明によれば、レジオネラ菌リボソーム蛋白質L7/L12に対する抗体を採用することにより、1種類の血清型のみならず、多種類の血清型のレジオネラ菌を1種類の抗体で検出することが可能である。

Claims (9)

  1. レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型と反応することを特徴とする、レジオネラ菌リボゾーム蛋白質L7/L12に対する抗体。
  2. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。
  3. レジオネラ菌と特異的に反応し、レジオネラ菌以外の菌と反応しないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗体。
  4. レジオネラ菌が、Legionella pneumophilaである、請求項1から3の何れかに記載の抗体。
  5. レジオネラ菌が、Legionella pneumophila、Legionella sainthelensi、Legionella longbeachae、及びLegionella micadadeiから選択される1〜4種類である、請求項1から3の何れかに記載の抗体。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の抗体を用いることを特徴とする、レジオネラ菌の検出方法。
  7. レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型を検出することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1から5の何れかに記載の抗体を含む、レジオネラ菌の検出試薬キット。
  9. レジオネラ菌の血清型IからVIの6種類の血清型を検出するための、請求項8に記載のキット。
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