JP2017207332A - クラミジア・ニューモニエを検出する方法及びキット - Google Patents

クラミジア・ニューモニエを検出する方法及びキット Download PDF

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Abstract

【課題】検体中のクラミジア・ニューモニエの検出において、検出精度を向上すること。【解決手段】検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを検出する方法であって、該検体とアルカリ溶液を接触させ、該検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原をアルカリ溶液中に抽出し、検体抽出物を得る抽出工程と、該検体抽出物と中和液を接触させ、中和物を得る中和工程と、該中和物を免疫クロマトグラフィー法に供し、該細胞内抗原を検出する検出工程と、を含み、該中和液が、非イオン性界面活性剤と、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む、方法。【選択図】なし

Description

本発明は、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを、細胞内抗原を利用して検出する方法及びキットに関する。
細菌感染症は、通常、感染部位等における原因菌の検出、又は血液もしくは体液中の原因菌に対する抗体の検出結果に基づいて診断される。特に、この診断のためには、原因菌の検出が患者への迅速な治療を可能にする意味で重要である。
感染症原因菌の検出には、原因菌の分離培養を経てその生化学的性状をもとに該原因菌の同定を行う培養法、原因菌に特異的な遺伝子をもとにPCR法などにより増幅し検出する遺伝子法、原因菌の表面抗原マーカー等と抗体との特異的反応を利用して原因菌検出を行う免疫法に大別できる。しかしながら、培養法及び遺伝子法は検出結果を得るまでに時間がかかるので、短時間にしかも高感度に原因菌を検出できる免疫法が、迅速かつ適切な患者への治療につながる点で利用価値が高い。従来の免疫法による感染症原因菌の検出には、菌種によって様々なマーカー抗原と抗体の組み合わせが使われている。
特許文献1は、呼吸器感染症の原因菌のひとつであるクラミジア・ニューモニエに属する細菌のリボソームタンパク質L7/L12と反応する抗体を用いて、クラミジア・ニューモニエに属する細菌を他の属の細菌と識別する方法を提供する。また非特許文献1は、クラミジア・ニューモニエの増殖過程とその菌体構造について記載している。これによるとクラミジア・ニューモニエは増殖の過程で外膜を有する基本小体(elementary body:EB)を形成し、このEB外膜は浸透圧や超音波などの物理的ショックに安定で物質透過性に乏しいと開示する。さらに非特許文献2では、クラミジア・ニューモニエと同じクラミジア属であるクラミジア・トラコマチスを用いて、複数種類の界面活性剤について、EBの外膜を構成する分子量39500のタンパク質を可溶化する効率を比較している。これによると、強力な陰イオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は高い効率でEB外膜を可溶化しているが、非イオン性界面活性剤であるTritonX−100や両性界面活性剤であるZweittergent TM−314、陰イオン界面活性剤であるデオキシコール酸ナトリウムでは可溶化の効率が低いことを開示する。同様にクラミジア・トラコマチスを検出することを開示するものとして、特許文献2がある。ここではクラミジア抗原に対する酵素免疫測定における偽陽性及び偽陰性の結果を減少させる方法として、強塩基を含む水性溶液中に標本を抽出することを提案している。また細胞試料から検出対象となるタンパク質を抽出する方法として、特許文献3は、(a)固定細胞又は未固定細胞を抽出試薬に接触させて、少なくともpH約10.0のpHを有する中間組成物を生成する工程;及び(b)前記中間組成物を中和試薬に接触させて、前記中間組成物のpHを中和し、タンパク質抽出物を生成する工程を含む、前記固定細胞又は未固定細胞からタンパク質抽出物を生成するための方法であって、前記抽出試薬及び前記中和試薬の一方又は両方が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む、方法を提案する。またこの方法で抽出されたタンパク質は、免疫クロマトグラフィーアッセイによる検出に適用できると述べている。
国際公開第01/057089号公報(特許第5331284号) 特表平3−502967号公報(特許2782256号) 特開2011−504308号公報
実地医家のためのクラミジア・ニューモニエ感染症 基礎と臨床(医薬ジャーナル社)、2002年2月25日初版発行、I−3(p26−34) Infection and Immunity、Mar. 1981, p.1161−1176
本発明は、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを高い精度で検出することを目的とする。
本発明者らは、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを高い精度で検出するためには、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原を効率的に抽出して免疫測定法に供すること、及び免疫測定法において、検体に由来する非特異的な反応(偽陽性反応)を抑制することが重要であるとの見解に至った。また本発明者らは、偽陽性反応は、検体とアルカリ溶液が接触することで発生することを見出した。そこで各種実験を行って鋭意検討を重ねた結果、検体にアルカリ溶液を接触させて細胞内抗原を抽出し、これを特定の緩衝液と非イオン性界面活性剤を含む中和液で中和した後に免疫クロマトグラフィー法で検出することで、検体に由来する非特異的な反応を抑制しながらクラミジア・ニューモニエを高い精度で検出することが可能となることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下を提供する。
[1]検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを検出する方法であって、
該検体とアルカリ溶液を接触させ、該検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原をアルカリ溶液中に抽出し、検体抽出物を得る抽出工程と、
該検体抽出物と中和液を接触させ、中和物を得る中和工程と、
該中和物を免疫クロマトグラフィー法に供し、該細胞内抗原を検出する検出工程と、
を含み、
該中和液が、非イオン性界面活性剤と、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む、
方法。
[2]前記細胞内抗原が、リボソームタンパク質L7/L12である、1に記載の方法。
[3]前記アルカリ溶液が陰イオン性界面活性剤を含み、該陰イオン性界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウム及び/又はコール酸ナトリウムである、1又は2に記載の方法。
[4]前記非イオン性界面活性剤が
ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、
ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテル、
ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、
ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、及び
ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[5]前記中和物のpHが10.0以下である、1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[6]前記検体が上気道検体である、1〜5のいずれか1項に記載の方法。
[7]前記上気道検体が咽頭ぬぐい液、鼻咽腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、唾液、喀痰のいずれかである、6に記載の方法。
[8]前記偽陽性反応抑制上有効な緩衝液が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液及び/又はリン酸緩衝液である、1〜7のいずれか1項に記載の方法。
[9]検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを検出するキットであって、
該検体と接触させ、該検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原を抽出し、検体抽出物を得るためのアルカリ溶液と、該検体抽出物と接触させ、中和物を得るための中和液と、中和物が供され、細胞内抗原を検出するための免疫クロマトグラフィー装置を含み、
該中和液が、非イオン性界面活性剤と、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む、
検出キット。
[10]前記免疫クロマトグラフィー装置が、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12と結合する抗体を含む、9に記載の検出キット。
[11]前記アルカリ溶液が陰イオン性界面活性剤を含み、該陰イオン性界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウム及び/又はコール酸ナトリウムである、9又は10に記載の検出キット。
[12]前記非イオン性界面活性剤が
ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、
ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテル、
ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、
ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、及び
ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、9〜11のいずれか1項に記載の検出キット。
[13] 前記中和液が中和物のpHを10.0以下にするものである、9〜12のいずれか1項に記載の検出キット。
[14]前記検体が上気道検体であって、前記検体を採取するための用具をさらに含む、9〜13のいずれか1項に記載の検出キット。
[15]前記偽陽性反応抑制上有効な緩衝液が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液及び/又はリン酸緩衝液である、9〜14のいずれか1項に記載の検出キット。
本発明の方法によれば、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを精度よく検出することができる。
イムノクロマトグラフィー装置の一例を示す断面模式図である。1は基材、2は標識抗体含浸部材、3はクロマト展開用膜担体、4は吸収用部材、5は試料添加用部材、6はクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12と反応する抗体が固定された捕捉部位(判定部)を示す。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明は、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを検出する方法であって、該検体とアルカリ溶液を接触させ、該検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原をアルカリ溶液中に抽出し、検体抽出物を得る抽出工程と、該検体抽出物と中和液を接触させ、中和物を得る中和工程と、該中和物を免疫クロマトグラフィー法に供し、該細胞内抗原を検出する検出工程とを含み、該中和液が、非イオン性界面活性剤と、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む方法を提供する。なお、「検出する」とは、クラミジア・ニューモニエの存在の有無又はその量を分析することをいう。したがって、検出の結果、クラミジア・ニューモニエが検出されなかった場合も、検出された場合と同様、本発明の方法の実施に該当する。
[クラミジア・ニューモニエについて]
クラミジア・ニューモニエは呼吸器感染症の原因細菌である。市中肺炎の主要な原因菌のひとつと考えられており、市中肺炎のほか、急性気管支炎、急性上気道炎、副鼻腔炎、中耳炎などの呼吸器感染症を引き起こす。クラミジア属に分類され、同属のその他の菌としてはクラミジア・トラコマティス、クラミジア・シッタシなどがある。
クラミジア・ニューモニエは偏性細胞内寄生性細菌であり、宿主細胞の細胞質内に封入体を形成して、属共通の3つの形態の異なる菌体構造をとる。1つは感染性を有し外的刺激に対して強固な基本小体(Elementary body:EB)、1つは増殖能をもつ網様体(reticulate body:RB)、もう1つはこれらの移行菌体である中間体(intermediate form:IF)である。このうちEBは浸透圧や超音波などの物理的刺激に対して安定である。
[検体について]
本発明において用いられる検体は、ヒトの生体の任意の場所から採取することができ、クラミジア・ニューモニエを含む可能性があるものであればよい。好ましくは上気道から採取された検体であり、より好ましくは咽頭ぬぐい液、鼻咽腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、唾液、喀痰等である。これらの検体を採取する方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば咽頭ぬぐい液、鼻咽腔ぬぐい液、唾液、喀痰は綿棒を用いて採取することができ、また鼻腔吸引液は吸引カテーテルを用いて採取することができる。
検体には測定対象であるクラミジア・ニューモニエ以外にも様々な物質が含まれている。例えば咽頭ぬぐい液にはヒト由来の組織片や分泌物の他、クラミジア・ニューモニエや他の細菌等の組織が含まれている場合がある。これらの一部は検体を処理した溶液中に浮遊又は溶解した状態で存在する。
これらを含んだ状態で免疫クロマトグラフィー法による測定に供すると、非特異反応により偽陽性が発生する場合がある。
[細胞内成分の抽出]
クラミジア・ニューモニエを免疫クロマトグラフィー法で検出する場合、クラミジア・ニューモニエの抗原、好ましくは細胞内抗原を測定することが望ましい。細胞内抗原としては、リボソームタンパク質L7/L12が好ましい。
リボソームタンパク質L7/L12を検出する場合には、該タンパク質が細胞内に存在することから、細胞を覆っている外膜を破壊して該タンパク質を露出させる必要がある。
本発明者らは検討の結果、クラミジア・ニューモニエをアルカリ溶液で処理することでクラミジア・ニューモニエの基本小体(EB)の外膜を破壊して細胞内成分であるリボソームタンパク質L7/L12を抽出できること、さらに陰イオン性界面活性剤を含むアルカリ溶液で処理することで、その抽出効率が向上し、免疫クロマトグラフィー装置での検出感度が向上することを見出した。
[アルカリ溶液と陰イオン性界面活性剤]
本発明で用いることができるアルカリ溶液として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の、第1族元素又は第2族元素の水酸化物の水溶液を用いることができる。アルカリ溶液のpHは11.0〜13.5であることが好ましい。アルカリ金属の濃度は、5〜1000mM、好ましくは10〜500mMとすることができる。
また、本発明はアルカリ溶液と同時に陰イオン性界面活性剤を用いることができる。陰イオン性界面活性剤は、細胞膜を可溶化する働きがあるので好ましい。本発明で使用できる陰イオン性界面活性剤は、細菌の外膜を破壊することができる限り特に限定されないが、好ましい例として、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムを挙げることができる。なかでもコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムがより好ましい。
本発明の陰イオン性界面活性剤はアルカリ溶液に対して0.1%〜2.0%添加することが好ましく、0.3%〜1.0%添加することがより好ましい。濃度が低いと期待される効果が十分に得られない可能性があり、また濃度が高いと特異性(抗原と抗体の反応)を阻害したり、逆に非特異的な反応を誘発・促進したりする場合がある。
必要に応じ陰イオン性界面活性剤を含んだアルカリ溶液と検体との接触は、環境温度において行うことができ、必要に応じ、タンパク質等の成分の劣化がより生じにくい冷却条件下で行ってもよい。接触は、細胞内抗原が十分抽出できる時間、例えば数秒〜数時間、行うことができ、接触の際には必要に応じ、撹拌、振とうを行ってもよい。
[中和液及び非イオン性界面活性剤と緩衝液]
本発明では、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内成分であるリボソームタンパク質L7/L12を、陰イオン性界面活性剤を含むアルカリ溶液を用いて抽出できることを先記した。この抽出液を免疫クロマトグラフィー法に直接用いると免疫クロマトグラフィー法で用いる抗体が変性してしまい、検出することができない。そこで免疫クロマトグラフィー法で測定する前に抽出液のpHを中和することが好ましい。
中和後のpHは、抗リボソームタンパク質L7/L12抗体が適切に機能する範囲であれば特に限定はされないが、本発明者らの検討によると、pHは、10.0以下とすることができ、9.8以下であることが好ましい。pH値が10を超えると、抗体が変性する恐れがあるからである。pHの下限値は、主として中和液に含まれる緩衝液の能力によって定まる。中和後のpHは、例えば6.9以上、pH7.0以上、又はpH7.2以上であり得る。
中和液はまた、少なくとも非イオン性界面活性剤と緩衝液との混合であることが好ましい。後述する免疫クロマトグラフィー法では、溶液の展開性を向上させるために非イオン性界面活性剤を用いることが有効だからである。一方、前述したとおり、本発明では検体をアルカリ溶液に接触させた後に中和液と接触させて得られた検体分析物を免疫クロマトグラフィー法で検出する。本発明において、免疫クロマトグラフィー法で溶液の展開性を向上させることを目的として非イオン性界面活性剤をアルカリ溶液に添加すると、非イオン性界面活性剤が加水分解されてしまうため長期に渡って目的とする効果(溶液の展開性を向上する)を担保することが困難である。そこで、本発明では中和液に非イオン性界面活性剤を添加することを考え、その結果、免疫クロマトグラフィー法で溶液の展開性を向上させ、かつ長期に渡ってその効果を持続させることが可能となった。
本発明で中和液に添加して用いることができる非イオン性界面活性剤は、免疫クロマトグラフィー法で溶液の展開性を向上せしめるものであればよく、具体的には例えば、ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートなどを用いることが可能であり、中でもポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテルが好ましい。
ところで、本発明者らの検討では、検体をアルカリ溶液に接触させた後、特定の条件で中和して得た検体分析物を免疫クロマトグラフィー法で測定した場合、偽陽性反応が発生することが新たに判った。検体をアルカリ溶液で処理することで、抗クラミジア・ニューモニエリボソームタンパク質L7/L12抗体と非特異反応を起こす成分が生じたものと推測される。また、このような偽陽性反応は、検体が咽頭ぬぐい液以外でも鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔吸引液、唾液、喀痰でも同様に生じた。
本発明者らは、この偽陽性反応を抑制する方法を鋭意検討した結果、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む中和液を用いることが有効であることを見出した。このような中和液を用いることで、検体が陰イオン性界面活性剤を含むアルカリ溶液と接触することで生じる成分が、抗クラミジア・ニューモニエリボソームタンパク質L7/L12マウスモノクローナル抗体と非特異反応を起こすことを抑制し、高い検出精度を達成することが可能となった。「偽陽性反応抑制上有効」とは、検体をアルカリで処理する際に発生する偽陽性反応を防止又は低減する効果があることをいう。偽陽性反応抑制上有効な緩衝液は、当業者であれば予備実験を行い、適宜既存の緩衝液の中から、試行錯誤を要さず選択することができる。既存のものから選択するというこの行為自体は一般的であるが、本発明で用いる検体がアルカリ処理すると偽陽性を示すことは本発明者らによって初めて確認されたものであり、その偽陽性反応の抑制が、特定の緩衝液によって達成できることも本発明者らによって初めて発見されたものである。偽陽性反応抑制上有効な緩衝液の例は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び/又はリン酸を緩衝液成分として含むものである。
アルカリ溶液による検体抽出物と中和液との接触は、環境温度において行うことができ、必要に応じ、タンパク質等の成分の劣化がより生じにくい冷却条件下で行ってもよい。接触は、中和に必要な時間、例えば数秒〜数時間、行うことができ、接触の際には必要に応じ、撹拌、振とうを行ってもよい。
[免疫クロマトグラフィー装置及びキットについて]
本発明の方法は、免疫クロマトグラフィー法(「免疫クロマト法」ということもある)を利用した装置又はキットを用いる。キットは、免疫クロマトグラフィー装置を含み、それ以外に、検体と接触させ、検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原を抽出し、検体抽出物を得るためのアルカリ溶液、及び/又は検体抽出物と接触させ、中和物を得るための中和液を含んでいてもよい。アルカリ溶液及び中和液については、上述した。キットはさらに、検体を採取するための用具、例えば綿棒、及び/又は吸引カテーテルを含んでいてもよい。
免疫クロマトグラフィー装置は、細菌の有無を判定するための判定部を有し、判定部上には抗原であるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原、好ましくは、リボソームタンパク質L7/L12に対する抗体が固定される。キット又は免疫クロマトグラフィー装置は、固定化された抗体とは異なる部位と結合する抗体を用いるサンドイッチアッセイ(「サンドイッチ免疫アッセイ」ということもある。)を利用したものでもよい。
より詳細には、抗原であるクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12は、判定部に固定化された抗体とは異なる部位と結合する抗体と、判定部に固定化された抗体とを用いてサンドイッチアッセイ法により検出することができる。あるいは、標識された抗原と、判定部上に固定化された抗体とは異なる部位と結合する抗体を用いて競合法にて検出してもよい。但し、本発明においては、検出感度が高く、陽性で抗体検出ラインが出現するサンドイッチアッセイ法が好ましい。
図1に、免疫クロマトグラフィー装置の例の、断面模式図を示した。1は基材、2は標識抗体含浸部材、3はクロマト展開用膜担体、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示す。6はクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12と反応する抗体が固定された判定部であり、ここに抗原であるクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12が捕捉されることから、捕捉部位ということもある。
免疫クロマトグラフィー装置は、公知の方法にて市販の材料を用いて作製することができる。以下のその具体例を示す。
[基材について]
装置基材としては、水溶液と界面を形成することが可能な固体、ならびにそれらの表面を改質してなる固体である。基材の材質としては、入手のしやすさや安定性、安全性、成形性及び滅菌性に優れるという点でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子自体ならびにそれを架橋した構造体や改質した構造体、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属を用いることができる。中でも合成高分子や天然高分子誘導体が好ましい。また基材の形状としては平板、メッシュ、織布、不織布、スポンジ状構造体、3次元成型体(ブロック状)等で用いることができ、中でも平板が好ましい。
[標識抗体、及び標識抗体含浸部材について]
標識抗体含浸部材には標識化された抗体が保持されている。標識としては、着色粒子、酵素、ラジオアイソトープなどが挙げられるが、特殊な設備不要で目視によって検出可能な着色粒子を使用することが好ましい。着色粒子としては、金や白金などの金属微粒子(金コロイド粒子、白金コロイド粒子ということもある。)、非金属粒子、ラテックス粒子などが挙げられ、好ましくは金コロイド粒子であるが、これらに限定されるものではない。着色粒子は、試験片の空隙内を通って下流に輸送されることができるサイズであればいかなるサイズでもよいが、直径が1nmから10μmが好ましい。より好ましくは、5nmから1μmであり、さらに好ましくは10nmから100nmである。
標識抗体含浸部材に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、セルロース誘導体等の繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等であり、より好ましくはガラス繊維である。
[クロマト展開用担体について]
クロマト展開用担体に使用する材料は、免疫クロマトグラフィーを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、ニトロセルロース、混合ニトロセルロースエステル、ポリビニリデンフロライド、ナイロン等である。
[判定部について]
前述したクロマト展開用担体には判定部を設けてあり、ここにはクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12に結合する抗体が固定化されている。この判定部(すなわちクロマト展開用担体)への抗体の固定化においては、基材表面に抗体分子が直接結合していてもよいし、又は活性基を介して結合していてもよい。基材から抗体分子又は活性基が基材表面に固定化された状態であれば、いずれの結合状態であってもよい。結合状態としては、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、水素結合又は疎水結合の単独又はこれら複数の合力があげられる。特に抗体溶液と基材表面との単純な接触による物理的な吸着法は、簡便で本発明に特に好適に用いられる。また抗体の吸着後に基材表面を洗浄や乾燥させること、あるいは基材表面に抗体溶液を塗布後に水分を蒸発せしめて基材表面に抗体を固定化する方法も、本発明に極めて好適に使用することができる。
検体に含まれるクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12が、前述した標識化された抗体と結合しながらクロマト展開用担体を展開した後、判定部にて標識化された抗体とは異なる部位で結合する抗体と抗原を挟んでサンドイッチを形成することにより、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12を検出できる(サンドイッチアッセイ法)。
なお、判定部に固定化された抗体と、標識化された抗体は、いずれもクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12と反応する抗体であり、1つの該タンパク質に同時に結合できることができる抗体である。したがって一方の抗体が結合するエピトープは、他方の抗体が結合するエピトープとは異なることが好ましい。
また、判定部に標識された抗原が保持されている場合には、競合法により特定物質を検出することができる(競合アッセイ法)。本発明においては、検出感度が高く、陽性で抗体検出ラインが出現するサンドイッチアッセイ法の方が好ましい。
[抗体の作製方法]
本発明で用いる抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のいずれでもよいが好ましくはモノクローナル抗体である。
リボソームタンパク質L7/L12抗原に対する抗体は、国際公開第00/06603号公報(前掲特許文献1)に記載の方法で作製することができる。抗体は、リボソームタンパク質L7/L12の全長タンパク質あるいはその部分ペプチドを抗原として用いて作製することができるが、全長タンパク質を抗原として作製することが好ましい。この部分ペプチドあるいは全長タンパク質をそのまま、又はキャリアタンパク質と架橋した後必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種せしめ、その血清を回収することでL7/L12リボソームタンパク質を認識する抗体(ポリクローナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。また抗血清より抗体を精製して使用することもできる。接種する動物としてはヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、特にポリクローナル抗体作製にはヒツジ、ウサギなどが好ましい。また、抗体としてはハイブリドーマ細胞を作製する公知の方法により取得したモノクローナル抗体を適用することがより好ましいが、この場合はマウスが好ましい。当該モノクローナル抗体として、特定の細菌のリボソームタンパク質L7/L12と反応し、特定の細菌とは異なる種に属する細菌、又は異なる属に属する細菌のリボソームタンパク質L7/L12とは反応しないモノクローナル抗体をスクリーニングすることにより、当該細菌による感染症にかかっているかどうかの診断に役立てることが可能となる。
本発明ではクラミジア・ニューモニエが検出される。ここで用いられる抗体は、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12抗原と種特異的又は属選択的に反応する抗体である。ここで、「種に特異的」とは、クラミジア属に属するある特定の種の細菌(たとえばクラミジア・ニューモニエ)とのみ反応し、クラミジア属以外の他の属に属する細菌、並びにクラミジア属に属する上記特定の種以外の種の細菌とは反応しないことを意味する。また、「属に選択的」とは、クラミジア属に属する一部又はすべての細菌とのみ反応し、クラミジア属以外の他の属に属する細菌とは反応しないことを意味する。
本態様で用いる抗体は、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12の全長あるいはその部分ペプチドを抗原として用いて作製することができる。クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12のアミノ酸配列は公知であり、例えば、WO01/057089の配列番号2に記載されている。
本態様で用いるクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12抗原に対する抗体は、以下のa)又はb)記載の方法、あるいはその他の類似の方法によって取得することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
a)クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12のアミノ酸配列をコードする遺伝子配列は公知であるため、他のリボソームタンパク質L7/L12のアミノ酸配列をコードする遺伝子配列が公知な微生物における該タンパク質のアミノ酸配列との類似性が少ない領域についてアミノ酸数5個から30個ほどのペプチド断片を合成し、それを免疫原としてポリクローナル抗体、あるいはモノクローナル抗体を作製することにより目的の抗体を取得することができる。
b)また、既知の該遺伝子の両端部位におけるDNA配列をプローブとしたPCR手法による遺伝子増幅、相同部分配列を鋳型プローブとしたハイブリダイゼーション法など通常の遺伝子操作手法を用いることにより該遺伝子の全長配列を取得することができる。その後、他のタンパク質遺伝子とのフュージョン遺伝子などを構築し、大腸菌等を宿主として公知の遺伝子導入手法により宿主内に該当フュージョン遺伝子を挿入し大量に発現させた後にフュージョンタンパク質として用いたタンパク質に対する抗体アフィニティーカラム法などにより発現タンパク質を精製することにより目的とするタンパク質抗原を取得することができる。
この場合、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12の全長タンパク質が抗原となるため、異なる微生物間で保存されているアミノ酸部分に対する抗体を取得しても本発明の目的に合致しない。したがって、本法によって取得した抗原に対しては公知の手法によりモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを取得し、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12とのみ反応する抗体を産生するクローンを選択することにより目的の抗体を取得することができる。
抗原となるリボソームタンパク質L7/L12の精製度が不足している場合は、公知の精製手法であるイオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過などの手法により精製した後、WO01/057089に記載のすでに作製した抗体によるウェスタンブロットなどの方法によりクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12の溶出画分を同定しさらに精製度の高いタンパク質を得ることができる。得られた精製クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12抗原を基にして公知の方法によりハイブリドーマあるいはポリクローナル抗体を取得し、同様に目的の微生物に特異的に反応するハイブリドーマあるいはポリクローナル抗体を選択することにより目的の抗体を取得することができる。
[実施例1:免疫クロマトグラフィー装置の作製]
(抗体の準備)
クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12に対する抗体は国際公開第01/057089号公報に記載の方法で作製することができる。具体的には、例えば、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12のアミノ酸配列の全部又は一部をコードしたDNAを組み込んだ発現ベクターで形質転換した大腸菌をLB培地等を用いて培養し、アフィニティカラムにより発現ベクター由来のタグ配列を利用して融合タンパク質として精製する。この部分ペプチドあるいは全長タンパク質を必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種する。接種する動物としてはヒツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、特にモノクローナル抗体を得る場合にはマウスが好ましい。マウスの脾臓細胞を摘出して骨髄腫細胞と細胞融合して抗体産生ハイブリドーマを作製する。ハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体をELISA法等を用いて選別し、クラミジア・ニューモニエと特異的に反応するモノクローナル抗体を取得できる。
(クロマト展開用膜担体の作製)
クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12に対する抗体及びトレハロースをそれぞれ2.0mg/ml及び3%(v/v)となるように50mMリン酸ナトリウム緩衝液に希釈した。これを、市販のニトロセルロース膜を幅2.5cm、長さ30cmにカットしたものに1cmあたり1μl液量で塗布し、その後乾燥させて、クロマト展開用膜担体とした。
(金コロイド標識抗体及び標識抗体含浸部材の作製)
金コロイド溶液(粒径60nm)に1/10量の0.1M感作Bufferとクラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12に対する抗体を加えて混合し、室温で30分間静置して抗体を金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が0.1%となるように1%ウシ血清アルブミン水溶液を加えてブロッキングし、金コロイド標識抗リボソームタンパク質L7/L12抗体液を調製した。
この液を市販のガラス繊維シートに浸み込ませた後、湿度0〜60%の乾燥庫にて一晩乾燥させて、標識抗体浸潤部材とした。
(免疫クロマトグラフィー装置の組み立て)
上述した手順で作製したクロマト展開用膜担体及び金コロイド標識抗体含浸部材に加えて、さらに試料添加用部材として綿布と、吸収用部材として濾紙を用意した。そして、これらの部材を基材に貼り合せた後、6mm幅に切断し、図1と同様の免疫クロマトグラフィー装置を作製した。
[実施例2:クラミジア・ニューモニエの試験菌液の作製]
HEp−2細胞を24穴プレートに単層培養し、ここにクラミジア・ニューモニエTW183株を播種して培養液を添加し36℃、5%CO2雰囲気下で3日間培養した。ラバーポリスマンを用いて細胞ごとはがし取り、クラミジア・ニューモニエ菌体を含む培養液を回収し、ウログラフィン注76%(バイエル薬品)を用いた密度勾配遠心法によりクラミジア・ニューモニエ菌体を精製した。
[実施例3:アルカリ溶液の調製]
水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬)に陰イオン性界面活性剤としてコール酸ナトリウム(和光純薬)、デオキシコール酸ナトリウム(和光純薬)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム(ナカライテスク)を終濃度0.5%となるように添加し、下記に示す6種類のアルカリ溶液を調製した。
アルカリ溶液(1):50mM 水酸化ナトリウム(pH12.5)
アルカリ溶液(2):100mM 水酸化ナトリウム(pH13.0)
アルカリ溶液(3):50mM 水酸化ナトリウム、0.5%コール酸ナトリウム(pH12.5)
アルカリ溶液(4):100mM 水酸化ナトリウム、0.5%コール酸ナトリウム(pH13.0)
アルカリ溶液(5):50mM 水酸化ナトリウム、0.5%デオキシコール酸ナトリウム(pH12.5)
アルカリ溶液(6):50mM 水酸化ナトリウム、0.5%N−ラウロイルサルコシンナトリウム(pH12.5)
[実施例4:中和液の調製1]
リン酸水素二カリウム(和光純薬)34.84gを蒸留水に溶解して400mlにメスアップし0.5Mリン酸水素二カリウム水溶液とした。さらにリン酸二水素カリウム(和光純薬)17.01gを蒸留水に溶解して250mlにメスアップし0.5Mリン酸二水素カリウム水溶液とした。これらを混合して0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を調製した。
ビーカーに塩化ナトリウム(和光純薬)0.58g、ウシ血清アルブミン0.25g(SIGMA)、アジ化ナトリウム(和光純薬)0.025gをそれぞれ量りとり、上記の0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に溶解して50mlにメスアップした(中和液(1))。
また中和液(1)に非イオン性界面活性剤としてペレテックス−1224(日光ケミカルズ)、PBC−44(日光ケミカルズ)、BrijS100(SIGMA)、Brij35(SIGMA)、TritonX−405(SIGMA)、TritonX−100(SIGMA)、TritonX−114(SIGMA)、Tween20(BioRad)を終濃度0.75%となるように添加した(中和液(2)〜(9))。
最終組成は下記のとおりである。
中和液(1):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8)
中和液(2):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%ペレテックス−1224、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(3):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%PBC−44、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(4):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%BrijS100、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(5):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%Brij35、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(6):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%TritonX−405、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(7):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%TritonX−100、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(8):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%TritonX−114、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
中和液(9):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.75%Tween20、0.05%NaN3、0.5M リン酸K/pH6.8
[実施例5:中和液の調製2]
ビーカーに塩化ナトリウム(和光純薬)0.58g、ウシ血清アルブミン0.25g(SIGMA)、アジ化ナトリウム(和光純薬)0.025gをそれぞれ量りとり、さらにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン3.03gを加え、PBC−44(日光ケミカルズ)を終濃度1.0%になるように添加し、塩酸(和光純薬)を滴下してpH6.6に合わせた後、蒸留水で50mlにメスアップした(中和液(10))。
中和液(10)でPBC−44(日光ケミカルズ)を添加せず、かつ塩酸の代わりにリン酸(東京化成)を滴下してpH6.6に合わせた後、蒸留水で50mlにメスアップした(中和液(11))。また中和液(11)にPBC−44(日光ケミカルズ)、TritonX−405(SIGMA)を終濃度1.0%となるように添加した(中和液(12)、(13))。
最終組成は下記のとおりである。
中和液(10):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.05%NaN3、0.3M トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸/pH6.6
中和液(11):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.05%NaN3、0.3M トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−リン酸/pH6.6
中和液(12):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.05%NaN3、1.0%PBC−44、0.3M トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−リン酸/pH6.6
中和液(13):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.05%NaN3、1.0%TritonX−405、0.3M トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−リン酸/pH6.6
[実施例6:中和液の調製3]
ビーカーに塩化ナトリウム(和光純薬)0.58g、ウシ血清アルブミン0.25g(SIGMA)、アジ化ナトリウム(和光純薬)0.025g、PBC−44(日光ケミカルズ)0.5gをそれぞれ量りとった。ここに緩衝液成分として、HEPES(同仁堂)2.38g、ホウ酸(和光純薬)1.55g、Bicine(同仁堂)2.04g、BES(同仁堂)2.67g、TES(同仁堂)2.87g、TAPSO(同仁堂)3.24gのいずれかを加え、蒸留水で50mlにメスアップした(中和液(14)〜(19))。
各中和液の最終組成は下記のとおりである。
中和液(14):0.2M NaCl、0.5% BSA、1.0% PBC−44、0.05% NaN3、0.2M HEPES
中和液(15):0.2M NaCl、0.5% BSA、1.0% PBC−44、0.05% NaN3、0.25Mホウ酸
中和液(16):0.2M NaCl、0.5% BSA、1.0% PBC−44、0.05% NaN3、0.25MBicine
中和液(17):0.2M NaCl、0.5% BSA、1.0% PBC−44、0.05% NaN3、0.25M BES
中和液(18):0.2M NaCl、0.5%BSA、1.0%PBC−44、0.05%NaN3、0.25M TES
中和液(19):0.2M NaCl、0.5%BSA、1.0%PBC−44、0.05%NaN3、0.25M TAPSO
[実施例7:中和液の調製4]
リン酸水素二カリウム(和光純薬)13.93gを蒸留水に溶解して400mlにメスアップし0.2Mリン酸水素二カリウム水溶液とした。さらにリン酸二水素カリウム(和光純薬)6.80gを蒸留水に溶解して250mlにメスアップし0.2Mリン酸二水素カリウム水溶液とした。これらを混合して0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を調製した。
ビーカーに塩化ナトリウム(和光純薬)0.58g、ウシ血清アルブミン0.25g(SIGMA)、アジ化ナトリウム(和光純薬)0.025gをそれぞれ量りとり、上記の0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に溶解して50mlにメスアップした(中和液(20))。
最終組成は下記のとおりである。
中和液(20):0.2M NaCl、0.5%BSA、0.05%NaN3、0.75%BrijS100、0.2M リン酸K/pH7.0
[実施例8:陰イオン性界面活性剤の効果]
実施例3で調製したアルカリ溶液(1)〜(6)300μlに実施例2で作製したクラミジア・ニューモニエ菌体液を10μl添加し、続いて実施例5で調製した中和液(12)を200μl加えて陽性サンプルとした。またクラミジア・ニューモニエ菌体液の代わりにPBS(和光純薬)を用いたものを陰性サンプルとした。
これら陽性サンプル及び陰性サンプルを実施例1で作製した免疫クロマトグラフィー装置に140μl滴下し、15分後に目視で判定を行った。結果を次に示す。
Figure 2017207332
水酸化ナトリウムのみ(アルカリ溶液(1)、(2))に比較して、陰イオン界面活性剤としてコール酸ナトリウム又はデオキシコール酸ナトリウムを含んだもの(アルカリ溶液(3)、(4)、(5))では陽性サンプルでの目視で強い陽性と判定され、陰性サンプルは目視で陰性と判定された。すなわち免疫クロマトグラフィー装置での検出感度が向上した。
[実施例9:非イオン性界面活性剤を緩衝液に添加する効果]
実施例3で調製したアルカリ溶液(3)300μlに実施例2で作製したクラミジア・ニューモニエ菌体液を10μl添加し、続いて実施例4、実施例5で調製した中和液(1)〜(9)、(11)〜(13)のいずれかを200μl加えて陽性サンプルとした。またクラミジア・ニューモニエ菌体液の代わりにPBS(和光純薬)を用いたものを陰性サンプルとした。
これら陽性サンプル及び陰性サンプルを実施例1で作製した免疫クロマトグラフィー装置に140μl滴下し、15分後に目視で判定を行った。結果を次に示す。
Figure 2017207332
非イオン性界面活性剤を含まない中和液(中和液(1)、(11))を用いた場合、免疫クロマトグラフィー装置における液の展開性が著しく悪く、その結果、陽性サンプルを測定した場合でも目視で陰性と判定された。
一方、非イオン性界面活性剤を含む中和液(中和液(2)〜(9)、(12)、(13))を用いた場合では免疫クロマトグラフィー装置における液の展開性が良好であり、陽性サンプルでは目視で陽性と判定され、陰性サンプルでは目視で陰性と判定された。
[実施例10:検体をアルカリ溶液及び中和液で処理することによる偽陽性の発生、及び中和液を構成する緩衝液による偽陽性の抑制効果]
(検体の採取)
滅菌綿棒(平和メディク製、咽頭用)を用いてヒトの咽頭後壁を擦過し、これを検体とした。
(測定用の陽性サンプル及び陰性サンプルの調製)
実施例3で調製したアルカリ溶液(3)300μlに実施例2で作製したクラミジア・ニューモニエ菌体液を10μl添加し、続いて実施例4、実施例5、実施例6で調製した中和液(10)、(12)、(3)、(4)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)を200μl加えて陽性サンプルとした。またクラミジア・ニューモニエ菌体液の代わりにPBS(和光純薬)を用いたものを陰性サンプルとした。
(検体を含んだサンプルの調製)
≪工程1:検体をアルカリ溶液で処理した後に中和する工程≫
低密度ポリエチレン製のチューブの中に実施例3で調製したアルカリ溶液(3)(50mM 水酸化ナトリウム、0.5%コール酸ナトリウム(pH12.5))を300μl入れ、この中に検体を採取した綿棒を差し込んで、チューブの外側から5〜20回よく揉んだ。ここに実施例4、実施例5、実施例6で調製した中和液(10)、(12)、(3)、(4)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)のいずれかを200μl添加した後、綿棒を取り出した。得られた溶液を工程1のサンプルとした。
≪工程2:検体をアルカリ溶液と中和液の混合溶液で処理する工程≫
低密度ポリエチレン製のチューブの中に実施例3で調製したアルカリ溶液(3)(50mM 水酸化ナトリウム、0.5%コール酸ナトリウム(pH12.5))を300μl入れ、ここに実施例4、実施例5、実施例6で調製した中和液(10)、(12)、(3)、(4)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)のいずれかを200μl添加した。この中に検体を採取した綿棒を差し込んで、チューブの外側から5〜20回よく揉んだ後、綿棒を取り出した。得られた溶液を工程2のサンプルとした。
(免疫クロマトグラフィー装置での測定)
サンプルを免疫クロマトグラフィー装置に140μl滴下し、15分後に目視で判定を行った。結果を次に示す。
Figure 2017207332
中和液 (10)、(12)、(3)、(4)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)の全てにおいて、陽性サンプルは目視で陽性と判定され、陰性サンプルは目視で陰性と判定された。
中和液(14)〜(19)(緩衝液の成分として、HEPES、ホウ酸、Bicine、BES、TES、TAPSOのいずれかを含む中和液)を用いた場合、検体を≪工程1≫で処理するといずれの中和液も高い頻度で偽陽性が発生した。一方、検体を≪工程2≫で処理するといずれの中和液でも偽陽性は全く発生しなかった。このことから、検体がまずアルカリ溶液で処理される(いわゆる≪工程1≫)ことで、抗クラミジア・ニューモニエリボソームタンパク質L7/L12マウスモノクローナル抗体と非特異反応を起こす成分が生じているものと推測される。
一方、中和液(10)、(12)、(3)、(4)(緩衝液の成分として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び/又はリン酸を含む中和液)を用いた場合、検体を≪工程2≫で処理するといずれの中和液でも偽陽性は全く発生しなかったのは上述した中和液(14)〜(19)と同じ結果であるが、検体を≪工程1≫で処理するといずれの中和液も偽陽性は全く発生せず、中和液(14)〜(19)とは異なる結果が得られた。
すなわち、中和液(10)、(12)、(3)、(4)を用いた場合には、抗クラミジア・ニューモニエリボソームタンパク質L7/L12マウスモノクローナル抗体と非特異反応を起こす成分の影響を抑制できる。
[実施例11:検体をアルカリ溶液及び中和液で処理することによる偽陽性の発生、及び中和液を構成する緩衝液による偽陽性の抑制効果その2]
(検体の採取)
滅菌綿棒(平和メディク製、咽頭用)を用いてヒトの咽頭後壁を擦過し、これを検体とした。
(検体を含んだサンプルの調製)
≪工程1:検体をアルカリ溶液で処理した後に中和する工程≫
低密度ポリエチレン製のチューブの中に実施例3で調製したアルカリ溶液(1)(50mM 水酸化ナトリウム(pH12.5))を300μl入れ、この中に検体を採取した綿棒を差し込んで、チューブの外側から5〜20回よく揉んだ。ここに実施例4、実施例5、実施例6で調製した中和液(10)、(12)、(3)、(4)、(14)のいずれかを200μl添加した後、綿棒を取り出した。
Figure 2017207332
検体をアルカリ溶液(1)で処理した後、中和液(10)、(12)、(3)、(4)(緩衝液の成分として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び/又はリン酸を含む中和液)で中和した場合には偽陽性は全く発生しなかった。一方、中和液(14)で中和した場合には偽陽性が発生した。
実施例11と実施例10の工程1において中和液として中和液(14)を用いた場合を見てみると、いずれも偽陽性が発生している。両者の違いは、検体が接触するのがアルカリ溶液(1)(陰イオン性界面活性剤を含まない、50mM NaOH(pH12.5))であるか、アルカリ溶液(3)(陰イオン界面活性剤としてコール酸ナトリウムを含む、50mM NaOH(pH12.5))であるか、である。これらの結果から検体がまずアルカリ溶液と接触することで抗クラミジア・ニューモニエリボソームタンパク質L7/L12マウスモノクローナル抗体と非特異反応を起こす成分が生じ、この現象は陰イオン性界面活性剤の有無には関係がなく生じるものと推察される。
中和液(10)、(12)、(3)、(4)(緩衝液の成分として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び/又はリン酸を含む中和液)で中和した場合には抗体と非特異反応を起こす成分の影響を抑制できる。
[実施例12:中和後のpHについて]
(測定用の陽性サンプル及び陰性サンプルの調製)
実施例3で調製したアルカリ溶液(3)300μlに実施例2で作製したクラミジア・ニューモニエ菌体液を10μl添加し、続いて実施例5、実施例6、実施例7で調製した中和液(4)、(12)、(13)、(20)のいずれかを200μl加えて陽性サンプルとした。またクラミジア・ニューモニエ菌体液の代わりにPBS(和光純薬)を用いたものを陰性サンプルとした。
(中和液添加後のpHの測定及び免疫クロマトグラフィー装置での測定)
上記の方法で調製した陰性サンプルについて、pHを測定し、中和後のpHとした。
また陽性サンプル、陰性サンプルを免疫クロマトグラフィー装置に140μl滴下し、15分後に目視で判定を行った。結果を次に示す。
Figure 2017207332
中和後のpHがpH10.8の場合、陽性サンプルで目視陰性と判定された。これは高いpH条件であるために抗原抗体反応が阻害されたものと考えられる。一方、中和後のpHが9.8を下回っている場合では、いずれの条件でも陽性サンプルは目視で陽性と判定された。
[実施例13:クラミジア・ニューモニエ感染疑い患者から採取した検体を用いた評価]
(検体の採取)
クラミジア・ニューモニエ感染が疑われる患者から検体を採取した。咽頭ぬぐい液は滅菌綿棒で患者の咽頭後壁を擦過して得た。鼻咽腔ぬぐい液は滅菌綿棒を患者の鼻腔から挿入し、鼻腔の奥に到達したところで綿棒を回転させて採取した。鼻腔吸引液はトラップ付きの気管カテーテルを患者の鼻腔から挿入し、鼻腔の奥に到達したところで吸引して採取した。トラップに溜まった吸引液を滅菌綿棒でふき取り、これを鼻腔吸引液検体とした。
(測定用のサンプルの調製)
低密度ポリエチレン製のチューブの中に実施例3で調製したアルカリ溶液(3)を300μl入れ、この中に検体を採取した綿棒を差し込んで、チューブの外側から5〜20回よく揉んだ。ここに実施例5で調製した中和液(12)を200μl添加した後、綿棒を取り出した。得られた溶液をサンプルとした。
(免疫クロマトグラフィー装置での測定)
サンプルが入った低密度ポリエチレン製チューブに、ろ紙フィルターを備えた滴下ノズルを装着して、免疫クロマトグラフィー装置に4滴(容量としておおよそ140μl)を滴下した。15分後に目視で判定を行った。
(サンプルの残液を用いたPCR)
サンプルの残液からDNAを抽出し、クラミジア・ニューモニエの16SrRNAに対するプライマーを用いてPCRを行った。手順を下記に示す。
DNAの抽出には市販のキット(QIAGEN社:DNAminiKIT)を用いた。サンプル100μlをキット付属のプロテアーゼK及びbufferALと混合して56℃10分間加熱した後、さらにエタノールを加えた。これをキット付属のスピンカラムにアプライして遠心吸着後、BufferAW1及びBufferAW2を用いて洗浄し、BufferELを100μlアプライして遠心し、DNA抽出液を得た。
得られたDNA抽出液をテンプレートとしてPCRを行った。PCRの条件はJournal of Molecular Diagnostics, Vol. 6, No. 2, May 2004を参考にした。
(測定結果)
免疫クロマトグラフィー装置での目視判定の結果と、PCRの結果を下記に示す。
Figure 2017207332
クラミジア・ニューモニエ感染が疑われる患者から採取された咽頭ぬぐい液、鼻咽腔ぬぐい液、鼻腔吸引液について、いずれも、PCRで陽性判定された検体ではキット判定も陽性であった。またPCRで陰性判定された検体ではキット判定も陰性であった。
本発明は、クラミジア・ニューモニエ菌による細菌感染症の診断において利用することができる。

Claims (15)

  1. 検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを検出する方法であって、
    該検体とアルカリ溶液を接触させ、該検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原をアルカリ溶液中に抽出し、検体抽出物を得る抽出工程と、
    該検体抽出物と中和液を接触させ、中和物を得る中和工程と、
    該中和物を免疫クロマトグラフィー法に供し、該細胞内抗原を検出する検出工程と、
    を含み、
    該中和液が、非イオン性界面活性剤と、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む、
    方法。
  2. 前記細胞内抗原が、リボソームタンパク質L7/L12である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アルカリ溶液が陰イオン性界面活性剤を含み、該陰イオン性界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウム及び/又はコール酸ナトリウムである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記非イオン性界面活性剤が
    ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、
    ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテル、
    ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、
    ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、及び
    ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記中和物のpHが10.0以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記検体が上気道検体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記上気道検体が咽頭ぬぐい液、鼻咽腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、唾液、喀痰のいずれかである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記偽陽性反応抑制上有効な緩衝液が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液及び/又はリン酸緩衝液である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 検体に含まれるクラミジア・ニューモニエを検出するキットであって、
    該検体と接触させ、該検体に含まれるクラミジア・ニューモニエの細胞内抗原を抽出し、検体抽出物を得るためのアルカリ溶液と、該検体抽出物と接触させ、中和物を得るための中和液と、中和物が供され、細胞内抗原を検出するための免疫クロマトグラフィー装置を含み、
    該中和液が、非イオン性界面活性剤と、偽陽性反応抑制上有効な緩衝液を含む、
    検出キット。
  10. 前記免疫クロマトグラフィー装置が、クラミジア・ニューモニエのリボソームタンパク質L7/L12と結合する抗体を含む、請求項9に記載の検出キット。
  11. 前記アルカリ溶液が陰イオン性界面活性剤を含み、該陰イオン性界面活性剤がデオキシコール酸ナトリウム及び/又はコール酸ナトリウムである、請求項9又は10に記載の検出キット。
  12. 前記非イオン性界面活性剤が
    ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、
    ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテル、
    ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、
    ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、及び
    ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の検出キット。
  13. 前記中和液が中和物のpHを10.0以下にするものである、請求項9〜12のいずれか1項に記載の検出キット。
  14. 前記検体が上気道検体であり、前記検体を採取するための用具をさらに含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載の検出キット。
  15. 前記偽陽性反応抑制上有効な緩衝液が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液及び/又はリン酸緩衝液である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の検出キット。
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