JP2001302697A - ポリクローナル抗体及びその製造方法 - Google Patents

ポリクローナル抗体及びその製造方法

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JP2001302697A
JP2001302697A JP2000124071A JP2000124071A JP2001302697A JP 2001302697 A JP2001302697 A JP 2001302697A JP 2000124071 A JP2000124071 A JP 2000124071A JP 2000124071 A JP2000124071 A JP 2000124071A JP 2001302697 A JP2001302697 A JP 2001302697A
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streptococcus sobrinus
sobrinus
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Koichiro Hirata
広一郎 平田
Koji Matsushige
浩司 松重
Naohiro Haniyu
尚広 羽生
Kazuo Fukushima
和雄 福島
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Nihon University
Tokuyama Corp
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Nihon University
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体液中にストレプトコッカス・ミュータ
ンスを含み、ストレプトコッカス・ソブリヌス濃度が1
5〜107個/mlである被検体液から、培養法等を介
さずに直接ストレプトコッカス・ソブリヌスを測定する
免疫学的測定方法を提供する。 【解決手段】 例えば、免疫動物にストレプトコッカス
・ソブリヌスの全菌体または該全菌体より得られる抗原
抽出物を免疫してストレプトコッカス・ソブリヌスに対
するポリクローナル抗体を得、次いで得られた該ポリク
ローナル抗体からストレプトコッカス・ミュータンスと
の交差反応性を有するポリクローナル抗体を除去して得
られる、ストレプトコッカス・ソブリヌスに対する反応
性が、ストレプトコッカス・ミュータンスに対する反応
性の100倍以上であるポリクローナル抗体を用いて免
疫学的測定方法によりストレプトコッカス・ソブリヌス
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレプトコッカ
ス・ソブリヌスに対するポリクローナル抗体及び、該抗
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ミュータンスレンサ球菌と呼ばれ
る一群の乳酸発酵性細菌が、齲蝕発症に深く関わってい
ることが知られている。
【0003】これらミュータンスレンサ球菌群は、スト
レプトコッカス・クリセタス(S.cricetus、
血清型a)、ストレプトコッカス・ラッタス(S.ra
ttus、血清型b)、ストレプトコッカス・ミュータ
ンス(S.mutans、血清型c、e、f)、ストレ
プトコッカス・フェルス(S.ferus、血清型
c)、ストレプトコッカス・マカカ(S.macaca
e、血清型c)、ストレプトコッカス・ソブリヌス
(S.sobrinus、血清型d、g)、ストレプト
コッカス・ドウネイ(S.downey、血清型h)と
して、血清学的、遺伝学的に異なる7種の型に分類され
ている。なかでも、ストレプトコッカス・ミュータンス
とストレプトコッカス・ソブリヌスの2菌種は、齲蝕原
性プラークを形成するミュータンスレンサ球菌として注
目されている。
【0004】ストレプトコッカス・ミュータンスはヒト
口腔から高頻度に分離されるのに対し、ストレプトコッ
カス・ソブリヌスは1〜3割程度のヒト口腔から分離さ
れ、両菌種の口腔内での存在比率が大きく異なること
(浜田茂幸.医学細菌学.4:271−314,198
4.)、ストレプトコッカス・ミュータンスは歯面のく
ぼみや割れ目に齲蝕を発生させるのに対しストレプトコ
ッカス・ソブリヌスは歯面のくぼみや割れ目とともに平
滑な面にも齲蝕を発生させること(Madison,
K.M.J.Dent.Res.70:38−43,1
991.、Hirose,H.Caries Res.
27:292−297,1993.)が知られている。
また、ストレプトコッカス・ソブリヌスはストレプトコ
ッカス・ミュータンスと比較して歯表面への吸着能が高
いこと(van der Mei,HC.et al.
Caries Res.25:415−423,199
1.)、ストレプトコッカス・ソブリヌスの酸産生能は
ストレプトコッカス・ミュータンスよりも強いこと(d
e Soet,J.J.,et al.CariesR
es.25:116−122,1991.)から、スト
レプトコッカス・ソブリヌスの齲蝕誘発能はストレプト
コッカス・ミュータンスよりも強いことが示唆されてい
る。更に、ストレプトコッカス・ミュータンスとストレ
プトコッカス・ソブリヌスの分布と齲蝕罹患の相関を調
べた疫学研究の結果、ストレプトコッカス・ミュータン
スよりもストレプトコッカス・ソブリヌスの方が齲蝕発
生に強く関わっていることが示唆されている(Okad
a,T.,et al.J.Dent.Res.74:
501,1995.、Kohler,B.,et a
l.Community Dent.Oral Epi
demiol.15:332−335,1987.、H
irose,H.,et al.Caries Re
s.27:292−297,1993.)。
【0005】従来、ミュータンスレンサ球菌の唾液中の
濃度が105〜106個/mlの場合には、齲蝕の危険あ
り、106個/ml以上の場合は特に危険であるといわ
れているが、上記のようにストレプトコッカス・ソブリ
ヌスの齲蝕誘発能はストレプトコッカス・ミュータンス
よりも強いと思われることから、人の口腔内におけるス
トレプトコッカス・ソブリヌスの有無、及び多寡を知る
ことで、その人の齲蝕危険度の判定をより信頼性高く行
なうことが可能になると考えられる。そこで、口腔内か
ら採取された唾液又は歯垢からストレプトコッカス・ソ
ブリヌスを特異的に検出、定量する方法が求められてい
る。
【0006】上記のようなミュータンスレンサ球菌の濃
度は、一般に、バシトラシンを入れた培地を用いて唾液
中のミュータンスレンサ球菌を選択的に培養してコロニ
ー数を調べることにより測定されており(そのための測
定キットも市販されている)、唾液中のストレプトコッ
カス・ソブリヌス濃度についても、同様に培養を行なっ
て得られたコロニーの中からストレプトコッカス・ソブ
リヌスのコロニーを同定し、その数を調べることにより
知ることができる。なお、同定の方法としては、糖発酵
試験等の生化学的方法、DNAプローブを用いる遺伝学
的方法、血清型特異的抗体を用いる免疫学的方法等が知
られている。
【0007】しかしながら、上記方法は、一旦培養しコ
ロニーを分離する必要があり、検査に長時間を要するば
かりでなく、手技が煩雑である等の問題がある。また、
ストレプトコッカス・ソブリヌスの中にはバシトラシン
感受性の株も存在することが知られており、上記の選択
培地を用いる方法ではこれらを見落としてしまうという
問題もある。
【0008】このバシトラシン感受性株の存在の問題
は、歯垢や唾液を非選択培地で培養した後のコロニーに
ついて、ストレプトコッカス・ソブリヌスに対して特異
的なモノクローナル抗体を使用して、ストレプトコッカ
ス・ソブリヌスを同定する方法(de Soet,J.
J.,J.Clin.Microbiol.28:24
67−2472,1990.)によって解決可能である
が、該方法でも一旦培養を行なわなければならないとい
う問題点は依然残ったままである。すなわち、上記モノ
クローナル抗体は、ストレプトコッカス・ソブリヌスに
対する反応性が低く、培養操作を行うことなく口腔内か
ら採取した唾液や歯垢から直接調製した被検体液(臨床
検体)を用いた場合にはストレプトコッカス・ソブリヌ
スを検出できない。
【0009】歯垢や唾液等の臨床検体からストレプトコ
ッカス・ソブリヌスを直接検出する方法としては、スト
レプトコッカス・ソブリヌスに対するポリクローナル抗
体を使用した蛍光抗体法が知られている(Walte
r,J.,J.Dent.Res.55:A87−A9
3,1976.、Babaahmady,K.G.,C
aries Res.32:51−58,199
8.)。しかしながら、この方法は、蛍光顕微鏡で検出
される蛍光強度の強弱を目視で判定しながら、蛍光強度
の比較的高い菌体を計数するという手技の煩雑な方法で
ある。また、使用するポリクローナル抗体は、そのスト
レプトコッカス・ソブリヌスに対する反応性が他の菌に
対する反応性よりも有意に高ければ十分であり、該ポリ
クローナル抗体のストレプトコッカス・ソブリヌスに対
する反応性は他の菌との反応性との比較として正確に検
討されていないし、また他の菌体による吸収処理等も施
されていない。
【0010】また、歯垢や唾液等の臨床検体から、直接
ストレプトコッカス・ソブリヌスを検出する試みとし
て、ストレプトコッカス・ソブリヌスに対するポリクロ
ーナル抗体を利用し、ガラススライド上でのラテックス
凝集法を用いた方法が報告されている(武井勉.阪大医
学雑誌.35:93−109,1990.、Take
i,T.Archs.oral.Biol.37:99
−104,1992.、特開平1−250067.)。
しかしながら、該方法に於いては、1×106個/ml
以上の濃度の菌体試料溶液に於いてしか陽性反応が得ら
れておらず、十分な感度が達成されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように唾液又は歯
垢から直接調製した臨床検体中のストレプトコッカス・
ソブリヌスの測定に関しては、感度の点に問題があり、
ストレプトコッカス・ソブリヌス濃度が105〜107
/mlレベルの被検体液についてストレプトコッカス・
ソブリヌスを迅速且つ簡便に検出、定量する方法は知ら
れておらず、このような被検体液中のストレプトコッカ
ス・ソブリヌスを迅速且つ簡便に測定する方法が望まれ
ている。
【0012】本発明は、口腔内から採取された唾液や歯
垢から直接調製された被検体液中のストレプトコッカス
・ソブリヌスを、培養操作等の煩雑な操作を行なうこと
なく、高感度で測定する方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】抗原抗体反応を利用した
免疫学的測定法は、夾雑物が存在する被検体液中の抗原
を迅速・簡便に測定することの出来る方法であり、動物
に抗原として細菌を免疫することによって得られるポリ
クローナル抗体を用いて被検体液中の抗原細菌を測定す
る場合には、細菌の抗原性は一般に強いことから、その
測定感度は一般に高く、例えば105個/ml程度の細
菌濃度を有する被検体液中の細菌を検出することは比較
的容易であると考えられる。
【0014】ところが、前記したように、このようなポ
リクローナル抗体を用いても口腔内から採取した歯垢や
唾液から直接調製した臨床検体について測定を行なった
場合には、十分な感度で測定を行なうことはできない。
【0015】本発明者らは、検出感度があがらない原因
の一つに被検体液中に存在する夾雑物の影響があると考
え、共存するミュータンスレンサ球菌、特にストレプト
コッカス・ミュータンスに着目し、その影響について検
討を行なった。具体的には、ストレプトコッカス・ソブ
リヌスに対する反応性とストレプトコッカス・ミュータ
ンスに対する反応性との比が異なる抗体を作製し、該反
応性の比と検出感度について種々検討を行なった。
【0016】その結果、ストレプトコッカス・ソブリヌ
スに対する反応性がストレプトコッカス・ミュータンス
に対する反応性の100倍以上である抗体を用いた場合
には、被検体液中に存在するストレプトコッカス・ソブ
リヌスの濃度が105個/ml程度でもストレプトコッ
カス・ソブリヌスを検出、定量することが可能であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明は、ストレプトコッカス・ソ
ブリヌスに対する反応性がストレプトコッカス・ミュー
タンスに対する反応性の100倍以上であることを特徴
とするポリクローナル抗体である。
【0018】上記本発明のポリクローナル抗体を用いて
ストレプトコッカス・ソブリヌスの測定を行なった場合
には、後述する実施例で示されるように、免疫学的測定
方法により唾液や歯垢中のストレプトコッカス・ソブリ
ヌスを培養無しに直接、しかも高感度に測定することが
可能となる。このような測定が可能となったのは、本発
明者等によって高感度測定に要求される抗体の特性が明
らかにされ、該特性を満足する新規な上記本発明のポリ
クローナル抗体が見出されたことによる。
【0019】今回見出された本発明のポリクローナル抗
体は、例えば、免疫動物にストレプトコッカス・ソブリ
ヌスの全菌体または該全菌体より得られる抗原抽出物を
免疫してストレプトコッカス・ソブリヌスに対するポリ
クローナル抗体を得、次いで得られた該ポリクローナル
抗体からストレプトコッカス・ミュータンスとの交差反
応性を有するポリクローナル抗体を除去することにより
得ることができる。
【0020】これまで、ストレプトコッカス・ソブリヌ
スに対するポリクローナル抗体を処理して他のミュータ
ンスレンサ球菌との交差反応性を低減した抗体(処理ポ
リクローナル抗体)は幾つか知られているが、ストレプ
トコッカス・ミュータンスとの交差反応性がストレプト
コッカス・ソブリヌスに対する反応性の1/100以下
であるものは知られておらず、また、上記処理ポリクロ
ーナル抗体を用いてストレプトコッカス・ソブリヌス濃
度が105〜107個/mlで且つストレプトコッカス・
ミュータンスを含む被検体液からストレプトコッカス・
ソブリヌスを検出した例も知られていない。
【0021】例えば、Bratthallは、ストレプ
トコッカス・ソブリヌス血清型dの標準菌を動物に免疫
して得られた抗体に、血清型aの菌による吸収処理を施
して、血清型d及びg特異的な抗体を取得しているが
(Bratthall,D.,Odont.Revy.
23:401−410,1972.)、得られた抗体の
反応性は、蛍光抗体法により定性的に評価されているに
過ぎず、酵素免疫測定法や放射免疫測定法といった定量
的な方法によりストレプトコッカス・ソブリヌス及びス
トレプトコッカス・ミュータンスに対する反応性の正確
な評価はなされていない。また、Otaは、ストレプト
コッカス・ソブリヌス血清型d及びgに特異的な抗体を
それぞれ取得し、放射免疫測定法により他のミュータン
スレンサ球菌に対する反応性を調べている(Ota,
F.,Zbl.Bakt.Hyg.A265:330−
339,1987.)。しかしながら、これらの抗体
は、唾液や歯垢から培養法により分離された単一の菌に
ついて、その血清型を同定する目的に用いられているも
のであり、口腔内から採取した唾液や歯垢から直接調製
した被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌスを検
出する場合の抗体の反応性と検出感度の詳細な検討はさ
れていない。なお、この血清型を同定する目的において
は、ストレプトコッカス・ソブリヌスに対する反応性が
他のミュータンスレンサ球菌よりも有意に(10倍程
度)高ければ十分なものである。
【0022】また、他の本発明は、免疫動物にストレプ
トコッカス・ソブリヌスの全菌体または該全菌体より得
られる抗原抽出物を免疫してストレプトコッカス・ソブ
リヌスに対するポリクローナル抗体を得、次いで得られ
た該ポリクローナル抗体からストレプトコッカス・ミュ
ータンスとの交差反応性を有するポリクローナル抗体を
除去することを特徴とする前記本発明のポリクローナル
抗体の製造方法である。
【0023】該方法によれば、本発明のポリクローナル
抗体を容易に製造することができる。
【0024】更に、他の本発明は、前記本発明のポリク
ローナル抗体を含んでなることを特徴とする免疫学的測
定試薬である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のポリクローナル抗体は、
そのストレプトコッカス・ソブリヌスに対する反応性と
ストレプトコッカス・ミュータンスに対する反応性の比
率(以下、「S/M反応性倍率」ともいう。)が100
以上のポリクローナル抗体である。
【0026】ここで、ストレプトコッカス・ソブリヌス
とは、ミュータンスレンサ球菌群の内で、菌体表層多糖
抗原の構造により血清型がd型及びg型に分類される菌
体を意味する。血清型がd型の標準菌株としては、B1
3、OMZ176等の菌株が、血清型がg型の標準菌株
としては、6715、OMZ65等の菌株が例示され
る。
【0027】また、ストレプトコッカス・ミュータンス
とは、ミュータンスレンサ球菌群の内で血清型がc、
e、及びf型に分類される菌体を意味する。血清型がc
型の標準菌株としてIngbritt、MT6R等の菌
株が、血清型がe型の標準菌株としてLM7、P4等の
菌株が、血清型がf型の標準菌株としてSE11、OM
Z175等の菌株がそれぞれ例示される。
【0028】ここで、ポリクローナル抗体(以下、単に
「抗体」ともいう。)とは、抗血清中に含まれる抗体画
分のことであり、抗体のグロブリンクラスは限定され
ず、現在知られているどのようなグロブリンクラスのも
のも含まれる。また、通常の抗体分子のみならず、該抗
体の部分分解物(Fab、Fab’、Fab’2等)、
及び該抗体の活性フラグメント(抗体の抗原認識部位)
が存在する部分構造等も含まれる。
【0029】また、抗体のS/M反応性倍率が100以
上であるとは、酵素免疫測定法(以下、「ELISA
法」と略すこともある)、放射免疫測定法等の従来公知
の免疫学的測定方法により、ストレプトコッカス・ソブ
リヌスとストレプトコッカス・ミュータンスを抗原と
し、抗原抗体反応の検出を行った際に、ストレプトコッ
カス・ソブリヌスを抗原として使用した場合に検出され
る反応が、ストレプトコッカス・ミュータンスを抗原と
して使用した場合に検出される反応の100倍以上ある
ことを指す。
【0030】抗体のS/M反応性倍率は、同一菌体量の
ストレプトコッカス・ソブリヌス及びストレプトコッカ
ス・ミュータンスを抗原とし、抗原抗体反応を行った場
合に、ストレプトコッカス・ソブリヌスを抗原として使
用した場合に検出される反応値をストレプトコッカス・
ミュータンスを抗原として使用した場合に検出される反
応値で除することにより求めることが出来る。或いは、
ストレプトコッカス・ソブリヌス及びストレプトコッカ
ス・ミュータンスを抗原として使用した場合に、同一の
反応値が検出される抗原量(菌体量)を比較して求める
ことも可能である。
【0031】抗体の各菌体に対する反応性は、標準菌株
のリン酸生理食塩緩衝液(pH7.4)(以下、「PB
S」と略すこともある)懸濁液を「被検体液として」使
用したELISA法により好適に測定することができ
る。このとき標準菌株としては、ストレプトコッカス・
ソブリヌスの血清型d及びgの菌として、それぞれ例え
ばB13及び6715が、また、ストレプトコッカス・
ミュータンスの血清型c、e、及びfの菌として、それ
ぞれ例えばIngbritt、P4、及びOMZ175
が使用可能である。具体的手順としては、まず、特定濃
度の標準菌株のPBS懸濁液を96穴イムノプレートの
各ウェルに添加し吸着した後、ブロッキングを行い、次
いで、イムノプレートにストレプトコッカス・ソブリヌ
スに対する抗体を添加後、例えば酵素標識した二次抗体
添加し、酵素活性を測定することにより抗体の反応性を
評価することが出来る。
【0032】また、競合ELISA法を用いて反応性を
評価する場合には、それぞれ同一濃度のストレプトコッ
カス・ソブリヌス標準菌株のPBS懸濁液を96穴イム
ノプレートの各ウェルに添加し吸着した後、ブロッキン
グを行い、次いで、イムノプレートにストレプトコッカ
ス・ソブリヌスに対する抗体と、それぞれ一定量のスト
レプトコッカス・ソブリヌス或いはストレプトコッカス
・ミュータンスの標準菌株を混合して添加後、例えば酵
素標識した二次抗体溶液を添加し、酵素活性を測定する
ことで、抗体の反応性を評価することが出来る。
【0033】なお、標準菌株の懸濁液中のストレプトコ
ッカス・ソブリヌス及びストレプトコッカス・ミュータ
ンス濃度(濃度の単位:個/ml)は、培養法等の従来
公知の細菌学的手法に従い、菌数を計数することによっ
て測定出来る。例えば、培養法により濃度測定をする場
合には、標準菌株の懸濁液を適宜希釈し超音波処理等の
菌体の分散処理を施した後、ブレインハートインフュー
ジョン(以下、「BHI」と表記することもある)培地
プレート上に塗布し生じる菌体のコロニー数を計数し、
希釈倍率を乗じることにより、標準菌株の懸濁液中の菌
濃度(濃度の単位:個/ml)を測定することが出来
る。
【0034】本発明の抗体を用いた場合には、ストレプ
トコッカス・ソブリヌスを高感度に測定可能である。例
えば、本発明の抗体を用いることにより、ストレプトコ
ッカス・ソブリヌス及びストレプトコッカス・ミュータ
ンスを含む被検体液であって、該被検体液に含まれるス
トレプトコッカス・ソブリヌス濃度が105〜107個/
mlである被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌ
スを測定する方法(以下、「本測定方法」ともいう。)
が可能となる。
【0035】ここで被検体液中のストレプトコッカス・
ソブリヌス濃度は、上記標準菌株の懸濁液と同様に培養
法等の従来公知の細菌学的手法に従い菌数を計数するこ
とにより測定出来る。但し、被検体液が唾液や歯垢を含
む被検体液である場合には、該被検体液中にはストレプ
トコッカス・ソブリヌス以外にもストレプトコッカス・
ミュータンス、或いは他の口腔内細菌が含まれるので、
培地プレート上に生じたコロニーはストレプトコッカス
・ソブリヌスのコロニーとストレプトコッカス・ソブリ
ヌス以外のコロニーに精確に分類し、ストレプトコッカ
ス・ソブリヌスだけを正確に計数する必要がある。コロ
ニーの分類は、培地プレート上に生じたコロニーについ
て、糖発酵試験等の生化学的手法、特異的抗体を利用し
た免疫学的手法、DNAプローブを利用した遺伝学的手
法により行なうことができる。
【0036】105〜107個/mlというストレプトコ
ッカス・ソブリヌス濃度は、口腔内から採取した唾液を
そのまま、又は歯垢を適度に懸濁して調製される被検体
液中に存在するストレプトコッカス・ソブリヌス濃度と
ほぼ一致しており、このことから、本発明の抗体を用い
ることにより、培養等の煩雑な操作を行なうことなく簡
単に齲蝕リスクを判定することが可能となる。
【0037】本測定方法のような高感度測定を行なうた
めには、本発明の抗体のようにそのS/M反応倍率が1
00以上の抗体を用いる必要がある。S/M反応性倍率
が100未満のポリクローナル抗体を用いた場合には、
上記本測定方法のような高感度な測定ができない。スト
レプトコッカス・ソブリヌスの測定感度の点からS/M
反応性倍率は500以上、特に1000以上であるのが
好適である。
【0038】また、上記本測定方法において、唾液や歯
垢を含む被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌス
の有無、或いは多寡を正確に測定するためには、用いる
本発明の抗体の、「ストレプトコッカス・ソブリヌスの
血清型dに対する反応性」と「ストレプトコッカス・ソ
ブリヌスの血清型gに対する反応性」とは同等であるこ
とが好ましい。ここで、ストレプトコッカス・ソブリヌ
スの血清型d、及びgとの反応性が同等であるとは、従
来公知の免疫学的測定方法により、同一菌体量の血清型
d、及びgのストレプトコッカス・ソブリヌスを抗原と
し、抗原抗体反応の検出を行った際に、両者から検出さ
れる反応が2倍以内、好ましくは1.5倍以内であるこ
とを指す。
【0039】さらに、本測定方法に用いる場合、本発明
の抗体のストレプトコッカス・ソブリヌスに対する反応
性は特に限定されないが、測定感度の観点から、ストレ
プトコッカス・ソブリヌスのみを含む被検体液の各50
μlを試料とし、96穴イムノプレートの各ウェルに菌
体を固定化後、10ng〜500ng/ウェルの抗体を
用いて直接ELISA法により測定を行なったときの検
出下限の菌体濃度が106個/ml以上(5×104個/
ウェル)、好ましくは2×105個/ml以上(104
/ウェル)である抗体であるのが好適である。
【0040】本測定方法に用いる場合における、本発明
の抗体としては、S/M反応性倍率が1000以上であ
り、ストレプトコッカス・ソブリヌスの血清型dとgと
に対する反応性比が2倍以内、特に1.5倍以内であ
り、上記検出下限の菌体濃度で表したストレプトコッカ
ス・ソブリヌスに対する反応性が106個/ml以上、
特に2×105個/ml以上であるポリクローナル抗体
であることが特に好適である。
【0041】なお、本発明の抗体の用途は上記のような
被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌスの測定に
限られるものではなく、その濃度に関らず、ストレプト
コッカス・ソブリヌスだけ、或いはストレプトコッカス
・ソブリヌスとストレプトコッカス・ミュータンスを含
む懸濁液からなる被検体液中のストレプトコッカス・ソ
ブリヌスを免疫学的に測定する方法、その他ストレプト
コッカス・ソブリヌスに対する抗体が使用可能な用途に
も勿論使用可能である。
【0042】次に、本発明の抗体の製造方法について詳
細に説明する。本発明の抗体は、免疫動物にストレプト
コッカス・ソブリヌスの全菌体または該全菌体より得ら
れる抗原抽出物を免疫してストレプトコッカス・ソブリ
ヌスに対するポリクローナル抗体を得、次いで得られた
該ポリクローナル抗体からストレプトコッカス・ミュー
タンスとの交差反応性を有するポリクローナル抗体を除
去することにより好適に得る事ができる。
【0043】本発明の抗体を取得する場合の免疫用の抗
原としては、ストレプトコッカス・ソブリヌスの血清型
d、或いは血清型gの全菌体、これら全菌体からの抗原
抽出物、又はこれらの混合物等が使用出来る。
【0044】全菌体としては生菌の他、ホルマリン処
理、或いは加熱処理等された死菌、凍結保存された菌体
が使用可能である。
【0045】全菌体からの抗原の抽出は、抗原が多糖抗
原である場合は、菌体懸濁液を加熱処理する方法(Ra
nts,L.A.,Stanford.Med.Bul
l.13:290−291,1955.)、亜硝酸によ
り抽出する方法(武井勉.阪大医学雑誌.35:93−
109,1990.)等の従来公知の方法により行なう
ことができる。抽出された多糖抗原は、そのままで抗原
として使用することも可能であるし、更に精製して使用
することも出来る。また、抗原がタンパク抗原である場
合には、アルカリ、塩、キレート剤、カオトロピックイ
オン、界面活性剤を使用して抽出する(武井勉.阪大医
学雑誌.35:93−109,1990.)、或いは菌
体由来のタンパク質中に存在するする特定のタンパク質
を精製する(Okahasi,N.Microbio
l.Immunol.30:35−47,1986.、
Hamada,S.J.Gen.Microbiol.
135:335−344,1989.)ことにより得る
ことができる。また、菌体の特定のタンパク質をコード
する遺伝子の全部または一部を導入した組換え体を培養
して調製された組換えタンパク質、特定のタンパク質の
アミノ酸配列を基に合成された合成ペプチド等も抗原と
して使用できる。
【0046】これらの抗原抽出物等は、抗原としてその
まま使用することも可能であるし、免疫用担体と結合さ
せて使用することも可能である。担体としては、スカシ
ガイのヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン
(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、ニワトリ
血清アルブミン、ポリ−L−リジン、ポリアラニルリジ
ン、ジパルミチルリジン、破傷風トキソイド又は多糖類
等の従来公知の担体が好適に使用可能である。
【0047】本発明で使用するポリクローナル抗体を作
製するために用いる抗原としては、操作性の簡便さか
ら、全菌体を直接、或いは多糖抗原の抽出物をそのまま
使用するのが好適であり、更に、得られる抗体の力価が
高いことから、ストレプトコッカス・ソブリヌスの全菌
体を直接免疫するのが特に好適である。
【0048】上記のような抗原を免疫する動物として
は、抗体取得のために一般的に使用される動物が使用可
能であるが、マウス、ヤギ、ウサギ、モルモット等の哺
乳動物を用いるのが好適である。これら動物に抗原を免
疫する方法としては、従来公知の方法が制限なく採用で
き、全菌体または抗原抽出物を直接免疫してもよいし、
アジュバントを添加混合して免疫してもよい。例えば、
全菌体を直接免疫する場合には、ストレプトコッカス・
ソブリヌスをBHI液体培地等で培養後に得られる菌体
の懸濁液をそのまま使用することも可能である。また、
アジュバントとしては、フロイントの完全アジュバン
ト、フロイントの不完全アジュバント、水酸化アルミニ
ウムアジュバント又は百日咳菌アジュバント等の従来公
知のアジュバントが好適に使用可能である。
【0049】これら動物に抗原を免疫後、採血し血清を
調製することで、ストレプトコッカス・ソブリヌスに対
するポリクローナル抗体を含む液体(以下、該液体を
「抗血清」と表記する場合もある)が得られる。
【0050】得られた抗血清中にはストレプトコッカス
・ソブリヌスに特異的な抗体以外に他の抗体、及びアル
ブミン等の抗体以外のタンパク質が含まれているため、
得られた抗血清を塩析法、ゲル濾過法、イオン交換クロ
マトグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー
法、電気泳動法等の方法により処理することでポリクロ
ーナル抗体画分を分取することが好ましい。例えば抗原
としてストレプトコッカス・ソブリヌスの全菌体をウサ
ギに免疫すると、約4週間後以降に抗血清が得られ、例
えばプロテインAを用いたアフィニティークロマトグラ
フィー法によりポリクローナル抗体画分(IgG画分)
が得られる。この様にして本発明の抗体が得られる場合
もあるが、通常上記ポリクローナル抗体のS/M反応性
倍率は100未満であり、本発明の抗体とはなり得な
い。そこで、得られたポリクローナル抗体(以下、「原
料抗体」ともいう。)からストレプトコッカス・ミュー
タンスとの交差反応性を有するポリクローナル抗体(以
下、「交差反応性抗体」ともいう。)を除去する必要が
ある。一般に、ポリクローナル抗体は多種の抗体の混合
物であり、前記のようにして取得したポリクローナル抗
体の中には、ストレプトコッカス・ミュータンスにも反
応する抗体が同時に存在し、そのため全体としてのS/
M反応性倍率が低下していると考えられる。したがっ
て、全体としてのS/M反応性倍率が100以上となる
まで原料抗体から交差反応性抗体を選択的に分離除去す
ればよい。
【0051】原料抗体から交差反応性抗体を除去する方
法は、特に限定されないが、アフィニティー精製法を採
用するのが一般的である。アフィニティー精製法により
交差反応性抗体を分離する場合には、不溶性担体に固定
化されたストレプトコッカス・ミュータンスの菌体また
は菌体由来の菌体表面抗原と、原料抗体とを接触させ、
該不溶性担体(「M抗原固定化担体」ともいう。)に交
差反応性抗体を吸着させて該不溶性担体と共に分離すれ
ばよい。あるいは、ストレプトコッカス・ミュータンス
の菌体を、不溶性担体を使用せずそのまま使用し原料抗
体と接触させ、菌体に交差反応性抗体を吸着させて該菌
体と共に分離することもできる。これらの方法により、
ストレプトコッカス・ミュータンスに対する反応性が低
い或いは反応性を有さない抗体は、M抗原固定化担体あ
るいはストレプトコッカス・ミュータンスの菌体に吸着
されないので、該担体あるいは該菌体と接触後、これと
分離された抗体のS/M反応性倍率は高くなる。
【0052】不溶性担体を使用する場合の不溶性担体と
しては、アガロース、デキストラン、セルロース、ポリ
アクリルアミド、ポリスチレン、塩化ビニル、ガラス、
シリコーンラバー、又は多孔性シリカビーズ等の従来公
知の担体が何ら制限無く使用可能である。また、これら
担体にストレプトコッカス・ミュータンスの菌体あるい
は菌体由来の菌体表面抗原を固定化する方法としては、
臭化シアン活性化法等の化学的結合法や、物理化学的吸
着性を利用した方法が何ら制限無く使用可能である。
【0053】ストレプトコッカス・ミュータンスの菌体
をそのまま使用する方法は、操作が簡便であり、またス
トレプトコッカス・ミュータンスの菌体表面に存在する
複数種の抗原と反応する複数種の抗体を同時に除去する
ことが可能であるということから、より好適である。こ
の時、使用する菌体は、例えばストレプトコッカス・ミ
ュータンスの標準菌株をBHI液体培地で培養すること
により容易に調製できる。菌体としては生菌をそのまま
使用することも出来るし、加熱処理、ホルマリン処理等
により調製した死菌も同様に使用可能である。また、ス
トレプトコッカス・ミュータンスの標準菌株としては、
血清型c、e、fのいずれも使用可能であり、これらの
混合物も使用可能である。
【0054】アフィニティー精製法における前記M抗原
固定化担体と原料抗体の接触および分離法としては所謂
バッチ法およびクロマトグラフィー法の何れの方法も使
用可能である。また、両方法を組み合わせて実施するこ
とも可能である。
【0055】クロマトグラフィー法では、M抗原固定化
担体をカラムに充填後、原料抗体をカラムに添加し、保
持されず溶出する画分を分取すればよい。また、バッチ
法においては、M抗原固定化担体を懸濁した液と原料抗
体を混合し、抗原抗体反応を十分行わせた後に、例えば
遠心処理により上清を回収することで実施できる。
【0056】ストレプトコッカス・ミュータンスの菌体
をそのまま使用する場合の原料抗体との接触および分離
法は、上記バッチ法と同様であり、すなわち、菌体懸濁
液と原料抗体を混合し、抗原抗体反応を十分行わせた後
に、例えば遠心処理により上清を回収することで実施で
きる。
【0057】本発明者らはこの様な方法により、S/M
反応性倍率が100以上のポリクローナル抗体として、
ウサギ由来のポリクローナル抗体であるα6715、α
B13、及びα6715−B13を取得した。
【0058】交差反応性抗体を除去した後のポリクロー
ナル抗体中には、菌体由来の成分が混入している場合が
あるため、抗体画分に精製することが好ましい。精製方
法としては塩析法、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳
動法等の公知の方法が制限なく使用できるが、操作の簡
便性およびIgG画分を特異的に回収出来ることからプ
ロテインAを用いたアフィニティークロマトグラフィー
法を採用するのが特に好適である。
【0059】上記のようにして取得した各種抗体は、そ
れぞれ単独で使用することもできるが、性質の異なる抗
体を混合して使用する事もできる。例えば、ストレプト
コッカス・ソブリヌスの血清型dに対する反応性が血清
型gに対する反応性の2倍以上の抗体と、血清型gに対
する反応性が血清型dに対する反応性の2倍以上の抗体
を適宜混合して、血清型d及びgに対する反応性を同等
として用いることも可能である。
【0060】本発明の抗体の製造方法は、免疫動物にス
トレプトコッカス・ソブリヌスの全菌体または該全菌体
より得られる抗原抽出物を免疫してストレプトコッカス
・ソブリヌスに対するポリクローナル抗体を得、次いで
得られた該ポリクローナル抗体からストレプトコッカス
・ミュータンスとの交差反応性を有するポリクローナル
抗体を除去する方法であれば特に限定されないが、操作
が簡便であり本発明の抗体が再現性良く得られることか
ら、免疫動物にストレプトコッカス・ソブリヌスの全菌
体を免疫してストレプトコッカス・ソブリヌスに対する
ポリクローナル抗体(原料抗体)を得、ストレプトコッ
カス・ミュータンスの全菌体と原料抗体とを接触させ、
菌体に交差反応性抗体を吸着させて該菌体と共に分離す
る方法が特に好適である。該接触及び分離法としては、
上記バッチ法が操作の簡便性から特に好適であり、例え
ばストレプトコッカス・ミュータンスの全菌体を懸濁し
た液と原料抗体を混合し、抗原抗体反応を十分行わせた
後に、例えば遠心処理により上清を回収することで実施
できる。
【0061】このように、上記の方法により、本発明の
抗体、即ちS/M反応性倍率が100以上のポリクロー
ナル抗体が安定的に製造可能である。
【0062】前記したように、このようにして得られた
本発明の抗体を用いて免疫学的測定方法により被検体液
中のストレプトコッカス・ソブリヌスを測定することが
出来る。以下、本発明の抗体の応用例として、この様な
免疫学的測定方法について説明する。
【0063】免疫学的測定方法としては、抗原抗体反応
により抗原を測定する方法として知られている下記免疫
凝集法、下記光学免疫測定法、下記標識免疫測定法、お
よびこれらの組合わせ等の従来公知の免疫学的測定方法
が使用出来る。なお、これら測定方法は、いずれも本発
明の抗体を含むストレプトコッカス・ソブリヌス測定試
薬(「本測定試薬」ともいう。)を用いることによって
実施される。ここで、本測定試薬とは、本発明の抗体を
含む免疫学的測定試薬であればその形態は特に限定され
ず、本発明の抗体を含む溶液;本発明の抗体を粒子やメ
ンブレン等の不溶性担体に固定化したもの或いはこれら
の懸濁液;本発明の抗体に放射性物質、酵素、各種色素
類、コロイド類、各種粒子等の各種標識物質を結合させ
たもの、或いはその懸濁液;又はこの様な標識された本
発明の抗体を粒子やメンブレン等の不溶性担体に固定化
したもの等、様々な形態をとり得る。
【0064】〔免疫凝集法〕該方法は、抗原抗体反応に
基づく不溶性担体の凝集反応を利用して、被検体液中の
ストレプトコッカス・ソブリヌスを検出、定量する方法
である。半定量的方法としてはラテックス凝集法、マイ
クロタイター法等が、定量的測定法としてはラテックス
定量法等がある。
【0065】例えばラテックス凝集法を利用して被検体
液中のストレプトコッカス・ソブリヌスを免疫学的に測
定する場合には、ラテックスビーズに本発明の抗体を固
定化した抗体感作粒子からなる本測定試薬を作製後、該
測定試薬と被検体液を混合し、抗原抗体反応後における
感作粒子の凝集の度合を、目視、或いは光学的測定法等
により検出することで測定することが出来る。
【0066】〔光学免疫測定法〕該方法は、本発明の抗
体を含む溶液からなる本測定試薬と被検体液とを接触さ
せて抗原抗体反応を行った場合に、抗原抗体反応の結果
生じる凝集物の濁度の変化を検出する方法、本発明の抗
体を透明な支持体上に固定化した本測定試薬に被検体液
を接触させ、抗原抗体反応の結果粒子状の菌体が透明支
持体上に結合することによる透過度の変化を検出する方
法、又は本発明の抗体を固定化した薄層(以下、「抗体
層」ともいう。)からなる本測定試薬に被検体液を接触
させ、抗原抗体反応の結果生じる抗体層の屈折率の変化
を透過光や表面プラズモン波等の変化として検出する方
法等、抗原抗体反応の有無を光学的に検出する方法のこ
とである。
【0067】〔標識免疫測定法〕該方法は、本発明の抗
体に放射性物質、酵素、各種色素類、コロイド類、各種
粒子等の各種標識物質を結合させて得た標識抗体を含む
本測定試薬と、被検体液とを接触させて抗原抗体反応を
行った後に、被検体液中のストレプトコッカス・ソブリ
ヌスに結合した標識物質の量、すなわち標識物質に由来
する放射活性、酵素活性、蛍光強度、着色等を測定する
ことによって、被検体液中のストレプトコッカス・ソブ
リヌスを検出、定量する方法である。あるいは、本発明
の抗体を固定化した不溶性担体(粒子、メンブレン等)
からなる本測定試薬と被検体液とを接触させて抗原抗体
反応を行った後に、本発明の抗体を標識物質で標識した
標識抗体を含む別の本測定試薬を接触させて更に抗原抗
体反応を行った後に、標識物質の量を測定することによ
って、被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌスを
検出、定量する方法である。あるいは、被検体液と標識
物質で標識したストレプトコッカス・ソブリヌスの菌体
または菌体表面抗原とを混合し、本発明の抗体を固定化
した不溶性担体からなる本測定試薬に接触させて抗原抗
体反応を行った後に、本発明の抗体に結合した標識物質
の量を測定することによって、被検体液中のストレプト
コッカス・ソブリヌスを検出、定量する方法である。
【0068】放射性物質を使用する放射免疫測定法、酵
素を使用する酵素免疫測定法、色素として特に蛍光色素
を利用する蛍光免疫測定法、酵素の基質として化学発光
物質を利用する化学発光免疫測定法等は、定量性の高い
測定方法として好適に使用可能である。
【0069】放射免疫測定法において使用する放射性物
質としては、放射性ヨード、放射性炭素等が挙げられ
る。酵素免疫測定法において使用する酵素としてはペル
オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ガラクトシダ
ーゼ等が使用できる。
【0070】酵素標識を行う場合は、チオール基とマレ
イミド基、アミノ基とアルデヒド基等の共有結合により
直接標識する、或いはビオチン−アビジン複合体を介し
標識する等の方法が使用可能である。
【0071】各種色素類を使用した免疫学的測定方法で
は、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチル
ローダミン等の蛍光色素類を使用した蛍光免疫測定法
が、感度が高く好適に採用される。
【0072】化学発光免疫測定法に於いては、標識酵素
としてアルカリホスファターゼを使用した場合にはジオ
キセタン誘導体等が、標識酵素としてパーオキシダーゼ
を使用した場合はルミノール誘導体等が酵素の基質とし
て使用出来る。
【0073】コロイドとしては金コロイド、炭素コロイ
ド等が、また各種粒子としては着色ラテックス粒子等が
使用出来る。コロイド、或いは各種粒子を利用した、特
に操作が迅速、簡便な免疫学的測定方法として、フロー
スルー免疫測定法、免疫クロマト法、或いは免疫濾過法
を例示することが出来る。
【0074】これら各種標識免疫測定法における操作、
手順等は一般に採用されているそれらと特に異ならず、
公知の非競合法や競合法、サンドイッチ法等に準じるこ
とが出来る。また、本発明の抗体と共に、上記の各標識
物質で標識した二次抗体、プロテインA等の本発明の抗
体に結合可能な物質を使用してストレプトコッカス・ソ
ブリヌスの検出・定量に用いることもできる。
【0075】また、必要に応じて複数の抗体を組み合わ
せてストレプトコッカス・ソブリヌスの検出、定量に用
いることも出来る。例えば、サンドイッチ法の原理に基
づく免疫学的測定方法に於いて、固相に固定化する抗体
としてストレプトコッカス・ソブリヌスに対するモノク
ローナル抗体を使用し、標識抗体として本発明の抗体を
使用することもできる。
【0076】上記の各種免疫学的測定方法のなかでも、
ラテックス定量法や酵素免疫測定法は、自動分析装置を
用いて多数の被検体液を処理することが可能であるの
で、集団検診等に好適に実施可能である。
【0077】また、免疫クロマト法、フロースルー免疫
測定法、およびラテックス凝集法は、操作が簡便で特別
な知識や装置を必要とすることなく迅速な測定が可能で
あり、歯科医院や家庭においても実施可能であるという
点で、特に好適である。
【0078】例えばフロースルー免疫測定法を利用して
被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌスを測定す
る場合には、本発明の抗体をストレプトコッカス・ソブ
リヌス捕捉用抗体として多孔性膜上に固定化して本測定
試薬を得、次いで、該多孔性膜膜表面に被検体液を接触
させた後、多孔性膜表面に垂直方向に被検体液を通過さ
せ、被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌスを多
孔性膜に抗原抗体反応により捕捉し、更に、標識した本
発明の抗体を含む溶液からなる別の本測定試薬を多孔性
膜表面に接触させた後、多孔性膜表面に垂直方向に通過
させ、多孔性膜上の標識抗体の有無または多寡を測定す
ることで、被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌ
スを迅速、簡便に測定することが出来る。
【0079】また、免疫クロマト法を利用して被検体液
中のストレプトコッカス・ソブリヌスを測定する場合に
は、通常、免疫クロマト法ストリップ(単に、「ストリ
ップ」とも言う。)と呼ばれる本測定試薬を用いて行な
うことができる。
【0080】上記ストリップの構造は特に限定されない
が、図1及び図2に示されるように、ストリップ1は、
それぞれ目的に応じた多孔性支持体からなる各部材、す
なわち被検体液を一時的に吸収、保持するためのサンプ
ルパッド2、標識抗体を一時的に保持するためのコンジ
ュゲートパッド3、検出用抗体が固定化される展開メン
ブレン4、およびサンプルパッド2より展開された被検
体液を吸収するための吸収パッド5がこの順番で接合さ
れた構造であるのが一般的である。なお、図1及び図2
中に示される各寸法(長さ)は、単に大きさの目安を示
すものであり、ストリップ1の大きさが示される値に限
定されるものではない。
【0081】上記コンジュゲートパッド3には、被検体
液中のストレプトコッカス・ソブリヌスを標識するため
の抗体として、例えば金コロイド等の標識物質で標識し
た本発明の抗体(標識抗体)が塗布・乾燥することによ
り保持されており、また、上記展開メンブレン4上の検
出ライン6には、被検体液中のストレプトコッカス・ソ
ブリヌスを捕捉するための検出用抗体として本発明の抗
体が固定化されている。
【0082】そして、前記コンジュゲートパッド3の近
傍に位置するサンプルパッド2に被検体液を添加し、室
温で1〜30分間放置することにより被検体液とともに
標識抗体を検出ライン6まで展開し、サンドイッチ法の
原理に基づいて、展開液中の標識抗体と結合したストレ
プトコッカス・ソブリヌスを検出用抗体で検出ライン6
上に捕捉し、捕捉されたストレプトコッカス・ソブリヌ
スに結合した標識抗体を検出することにより、被検体中
のストレプトコッカス・ソブリヌスの有無またはその多
寡を測定することが出来る。このときに標識抗体が被検
体液と共に正常に展開されていることは、上記検出ライ
ン6の上流のコントロール判定ライン7に標識抗体と反
応する抗体を固定化しておき、この位置で標識抗体が検
出されることにより確認することができる。
【0083】なお、図1に示される展開メンブレン4上
の検出ライン6及びコントロール判定ライン7の位置、
順、形状、数等は一例であり特に限定されるものではな
い。
【0084】上記各部材を構成する多孔性支持体に用い
る材料は特に限定されず、各部材の目的に応じて吸湿性
材料、多孔質材料、繊維質材料等から適宜選択される。
例えば、サンプルパッド2としては、濾紙、吸取紙等を
用いるのが好適であり、コンジュゲートパッド3として
はガラス繊維布、ポリプロピレン不織布、ガラスフィル
ター等を用いるのが好適である。また展開メンブレン4
としてはニトロセルロース、或いは酢酸セルロースを含
むニトロセルロース等を用いるのが好適であり、吸収パ
ッド5としては濾紙、吸取紙等を用いるのが好適であ
る。
【0085】なお、検出用抗体及びコントロール抗体の
展開メンブレン4への固定化方法は特に限定されず、従
来公知の物理的吸着法や共有結合法が何ら制限無く使用
出来るし、他のタンパク質等と混合して固定化すること
も出来る。また、展開メンブレンへの被検体液成分の非
特異的吸着を抑制する、或いは展開メンブレンへの被検
体液の湿潤性を向上するため抗体固定化後の展開メンブ
レンを公知の方法によりタンパク質、脂質、高分子化合
物等によりブロッキング処理することも出来る。このブ
ロッキング処理に用いるタンパク質等は特に限定される
ものではないが、一般的な免疫学的測定法において、非
特異的反応を抑制する目的で使用されているBSA、ス
キムミルク等が好適である。また、被検体液が展開メン
ブレンを均一に展開するように、展開メンブレンの吸水
性を調整するために、展開メンブレンの表面に親水性重
合体や界面活性剤を被覆または含浸させることも出来
る。
【0086】なお、コンジュゲートパッド3について
は、被検体液を添加したときに、ストレプトコッカス・
ソブリヌスと標識抗体との複合体が、この部分から容易
に脱離するように、水溶性重合体、またはサッカロース
等の糖類で予めブロッキングした後標識抗体を添加して
から乾燥させる、或いは標識抗体を予め水溶性重合体、
またはサッカロース等の糖類と混合してからコンジュゲ
ートパッドに塗布し乾燥させるのが好ましい。上記水溶
性重合体としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエー
テル(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、オ
キシエチルセルロース、シアンエチルセルロース等)、
ゼラチン等が使用できる。
【0087】また、標識抗体を調製するための標識物質
としては、金コロイド、炭素コロイド、着色ラテックス
等の目視によって確認できる標識物が使用出来る他、放
射性物質や蛍光物質も使用可能である。また、標識物質
として酵素を利用し、抗原抗体反応の後に基質を添加し
て、酵素反応により生じる化合物を検出することも出来
る。本測定試薬における標識抗体を調製するための標識
物質としては特に限定されないが、迅速簡便に測定でき
るという点で、金コロイド、炭素コロイド、着色ラテッ
クス等が好適であり、安定な標識抗体が再現性良く得ら
れることから、金コロイドが特に好適である。抗体の標
識化は特に限定されず、従来一般的に採用されている方
法により行なうことができる。
【0088】本測定試薬としては、上記で説明した標識
抗体を予め塗布して乾燥させたストリップが、測定時の
操作が簡便であることから好適であるが、標識抗体を予
め被検体液と混合し抗原抗体反応を行わせた後に、該混
合液を検出用抗体が固定化された多孔性支持体の一端に
添加するという方法でも測定可能である。
【0089】本測定試薬は、本発明のポリクローナル抗
体を含んでなる免疫学的測定試薬であれば特に限定され
ないが、測定が迅速簡便であるという点で、免疫クロマ
ト法ストリップが好適であり、本発明のポリクローナル
抗体を金コロイドで標識した標識抗体を予め塗布乾燥さ
せた免疫クロマト法ストリップが特に好適である。
【0090】免疫クロマト法ストリップを用いた場合に
は、以下のような手順で迅速簡便に被験者の口腔内に存
在するストレプトコッカス・ソブリヌスの量を知ること
ができ、齲蝕リスクを診断、判定することができる。
【0091】即ち、まず、口腔内より歯垢或いは唾液
を採取(スパチュラ、又は綿棒で歯垢を採取、或いはス
ポイトで唾液を採取)し、採取物が唾液である場合に
はそのまま、或いは検体希釈液に懸濁させ、また、採取
物が歯垢である場合には検体希釈液に懸濁させた後必要
に応じて超音波を当てる等の歯垢の分散処理を施して被
検体液を調製し、被検体液(例えば100〜200μ
l)を分取し、前記ストリップのサンプルパッドに添加
し、所定時間(例えば1〜30分)静置した後、該スト
リップの検出ライン6及びコントロールライン判定ライ
ン7の着色の有無あるいはその状態により判定すること
によりストレプトコッカス・ソブリヌスが存在するか否
か、或いはその量を知ることができる。
【0092】例えば、金コロイドを標識物質として用い
た場合には、被検体液中のストレプトコッカス・ソブリ
ヌスの濃度により検出ライン6は、金コロイドによる着
色の程度は表1に示す様に変化するので、表2の基準に
従い齲蝕リスクを診断判定することができる。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例により限定されるものでは
ない。
【0096】実施例1〔ポリクローナル抗体の作製、抗
体の反応性評価〕 (1)〔菌体試料懸濁液の調製〕 BHI(DIFCO社)3.7gを100mlの超純水
に溶解後、オートクレーブ処理し、BHI液体培地を調
製した。BHI液体培地2ml中で6715(ストレプ
トコッカス・ソブリヌス、血清型g)を37℃、5時
間、嫌気条件下(N2:H2:CO2=80:10:1
0)で培養した。培養液を4000g、5分遠心処理
し、上清の培地成分を除去し菌体沈殿を回収した。沈殿
を懸濁し、同様の遠心分離をする操作で5mlのPBS
にて3回洗浄した。菌体沈殿をPBSに懸濁し、A600
=1.0に調整し菌体試料懸濁液とした。該菌体試料懸
濁液の菌体濃度は約2×109個/mlであった。菌体
濃度の測定は、菌体試料懸濁液を超音波処理後、適宜希
釈した後にBHI培地プレート上に添加し、生じたコロ
ニー数を計数し菌体試料懸濁液の希釈倍率を乗じること
で求めた。
【0097】同様の操作により、B13(ストレプトコ
ッカス・ソブリヌス、血清型d)、Ingbritt
(ストレプトコッカス・ミュータンス、血清型c)、P
4(ストレプトコッカス・ミュータンス、血清型e)、
OMZ175(ストレプトコッカス・ミュータンス、血
清型f)、ATCC10556(ストレプトコッカス・
サンギス)、IFO14252(ストレプトコッカス・
サリバリウス)、ATCC49456(ストレプトコッ
カス・ミティス)、ATCC35037(ストレプトコ
ッカス・オラリス)の菌体試料懸濁液を調製した。な
お、ここで6715、B13、Ingbritt等は標
準菌株の菌株名を、ATCC10556、IFO142
52等は標準菌株の寄託番号を示す。
【0098】(2)〔ストレプトコッカス・ソブリヌス
に対する抗血清の作製〕 オートクレーブ処理したBHI液体培地100ml中で
6715(ストレプトコッカス・ソブリヌス、血清型
g)を37℃、5時間、嫌気条件下(N2:H2:CO2
=80:10:10)で培養した。培養液を4000
g、5分遠心処理し、上清の培地成分を除去し菌体沈殿
を回収した。沈殿を懸濁し、同様の遠心分離をする操作
で100mlのPBSにて3回洗浄した。菌体沈殿を回
収、秤量し、10mg湿菌/mlの6715の菌体懸濁
液を調製した。
【0099】該菌体懸濁液を、5mg湿菌/mlとなる
よう0.5%ホルマリン−PBSで倍希釈し菌体抗原懸
濁液とし、懸濁状態で4℃にて保存した。該菌体抗原懸
濁液それぞれ各1mlを、1週間の内に1日於きに3回
ウサギに対し耳介静脈注射した。同様の免疫操作を第2
週、第3週と、計6回行った。更に菌体抗原懸濁液0.
5mlを等量のアジュバンドと混合し、ウサギの皮下に
2回注射した。力価の上昇をスライドグラスを利用した
菌体の凝集反応の程度により確認後、最終免疫より1週
間後に、定法に従い採血しストレプトコッカス・ソブリ
ヌスに対する抗血清を得た。
【0100】(3)〔ストレプトコッカス・ソブリヌス
に対するポリクローナル抗体の精製〕 (1)の方法に従い、Ingbritt(ストレプトコ
ッカス・ミュータンス、血清型c)、P4(ストレプト
コッカス・ミュータンス、血清型e)、及びOMZ17
5(ストレプトコッカス・ミュータンス、血清型f)を
それぞれ約2×1010個/ml含む菌体懸濁液10ml
を調製した。該菌体懸濁液と、(2)で得られた抗血清
0.5mlを混合し4℃、60分反応した。混合液を4
000g、5分遠心処理後上清を分取し、0.22μm
フィルターで濾過した。あらかじめPBSで平衡化した
1mlのプロテインA−セファロース(ファルマシア
社)を充填したカラムに上清試料を添加し、5mlのP
BSでカラムを洗浄後、5mlの0.1Mグリシン−塩
酸緩衝液(pH3.0)にて溶出し、直ちに100mM
トリス−塩酸(pH9.0)を添加しpH7.4に調整
した。IgGの溶出画分は、A280を測定することで確
認した。0.5mlの抗血清より、約4mgのIgGを
回収した。
【0101】(4)〔直接ELISA法によるストレプ
トコッカス・ソブリヌスに対するポリクローナル抗体の
評価〕 上記(3)で精製したストレプトコッカス・ソブリヌス
に対するポリクローナル抗体(以下「α6715」と表
記することもある)と、各菌体との反応性評価は、以下
の直接ELISA法により行った。
【0102】まず、上記(1)の方法で得られた菌体試
料懸濁液を、0.1M炭酸緩衝液(pH9.0)にて1
×104〜109個/mlとなるよう希釈したものを、9
6穴イムノプレート(Nunc社、Maxisorp)
の各ウェルに50μlずつ添加し、4℃、12時間放置
し固定した。イムノプレートから菌体懸濁液を除去し、
300μlのPBSで3回洗浄した。イムノプレートの
各ウェルに、2%BSA−0.1M炭酸緩衝液(pH
9.0)を300μl添加し、37℃、2時間放置し、
その後、イムノプレートから2%BSA−炭酸緩衝液
(pH9.0)を除去し、300μlの0.05%Tw
een20−PBS(pH7.4)で3回洗浄した。
【0103】次いで、α6715を、1%BSA−0.
05%Tween20−PBS(pH7.4)にて0.
4μg/mlとなるよう希釈し、イムノプレートの各ウ
ェルに50μl添加し、37℃、1時間放置した。その
後、イムノプレートから溶液を除去し、300μlの
0.05%Tween20−PBS(pH7.4)で3
回洗浄した。
【0104】次いで、アルカリホスファターゼ標識抗ウ
サギIgG(Fc)ポリクローナル抗体(ヤギ)(カッ
ペル社)を、1%BSA−0.05%Tween20−
PBS(pH7.4)にて10μg/mlとなるよう希
釈し、イムノプレートの各ウェルに50μl添加し、3
7℃、1時間放置した。イムノプレートから溶液を除去
し、300μlの0.05%Tween20−PBS
(pH7.4)で3回洗浄した。
【0105】次いで、発色基質溶液として、p−ニトロ
フェニルリン酸の2−エタノールアミン水溶液(BIO
RAD社)を各ウェルに50μlずつ添加し、室温下3
0分反応した。反応後、0.4MのNaOHを各ウェル
に50μlずつ添加し反応を停止し、405nmの吸光
度を測定した。結果を表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】(5)〔競合ELISA法によるストレプ
トコッカス・ソブリヌスに対するポリクローナル抗体の
評価〕 α6715と、各菌体との反応性は、以下の競合ELI
SA法によっても評価した。
【0108】すなわち、先ず、上記(4)と同様にし
て、菌体を固定化し、BSAでブロッキングしたイムノ
プレートを作製した。告いで、イムノプレートの各ウェ
ルに、α6715を0.4μg/ml含み、更にストレ
プトコッカス・ミュータンス、或いはストレプトコッカ
ス・ソブリヌスの菌体を105〜109個/ml含む1%
BSA−0.05%Tween20−PBS(pH7.
4)溶液50μlを添加し、37℃、1時間放置した
後、イムノプレートから溶液を除去し、300μlの
0.05%Tween20−PBS(pH7.4)で3
回洗浄した。
【0109】次いで、上記(4)と同様にして、アルカ
リホスファターゼ標識した抗ウサギIgG抗体を添加し
た後、発色基質溶液を添加し、405nmの吸光度を測
定した。結果を表4に示す。
【0110】
【表4】
【0111】表3より、5×105個/ウェルから5×
107個/ウェルの範囲において、同一菌体量のストレ
プトコッカス・ソブリヌスとストレプトコッカス・ミュ
ータンスを抗原とし、抗原抗体反応の検出を行った際
に、ストレプトコッカス・ソブリヌスを抗原として使用
した場合に検出される反応が、ストレプトコッカス・ミ
ュータンスを抗原として使用した場合に検出される反応
の100倍以上であることが分かる。さらに、5×10
7個/ウェルのストレプトコッカス・ミュータンスを抗
原として使用した場合に検出される反応と同一の反応が
検出されるストレプトコッカス・ソブリヌスの抗原量は
5×104個/ウェル以下であることから、α6715
のストレプトコッカス・ソブリヌスに対する反応性は、
ストレプトコッカス・ミュータンスに対する反応性の1
000倍以上であることが分かる。
【0112】また、表4より、5×107個/ウェルの
ストレプトコッカス・ミュータンスを添加した場合に検
出される阻害反応は、5×105個/ウェル以下のスト
レプトコッカス・ソブリヌスを添加した場合に検出され
る阻害反応と同等であり、ストレプトコッカス・ソブリ
ヌスに対する反応性が、ストレプトコッカス・ミュータ
ンスに対する反応性の100倍以上であることが分か
る。
【0113】実施例2〔免疫クロマト法ストリップの作
製、評価〕 (1)〔金コロイド標識されたストレプトコッカス・ソ
ブリヌスに対するポリクローナル抗体の調製〕 コロイド粒径が40nmの市販金コロイド溶液(EY
Laboratory)10mlに100mMK2CO3
を88μl添加し、pHを9.0に調製後、0.22μ
mフィルター処理した。金コロイド溶液の520nmの
吸光度を測定したところ、A520=1.0であった。
0.1mg/mlに調整したα6715の2mMホウ酸
緩衝溶液(pH9.0)800μlを、金コロイド溶液
に撹拌しながら添加し、室温下5分放置した。次いで、
10%BSA−2mMホウ酸緩衝液(pH9.0)を2
09.8μl撹拌しながら添加し(BSA終濃度1
%)、室温下30分放置した。
【0114】次いで、反応溶液を10℃、10000
g、30分遠心処理し、上清を除去後、2mlの0.0
5%BSA−2mMPBS(pH7.4)を添加し、下
層の金コロイド画分を再懸濁した。該再懸濁した画分の
520nmの吸光度を測定したところ、A520=4.5
であった。得られた金コロイド画分(以下、「金コロイ
ド標識α6715」と表記することもある)は、4℃に
て保存した。
【0115】(2)〔免疫クロマト法ストリップの作
製〕 ニトロセルロースメンブレン(MILLIPORE社、
Hi−Flow Membrane、SN、25mm×
6mm)からなる展開メンブレン4上の検出ライン6及
びコントロール判定ライン7上に、それぞれ1mg/m
lのα6715及び抗ウサギIgG(H+L)ポリクロ
ーナル抗体1μlをスポットし、インキュベーター内で
37℃、60分乾燥し抗体を固定化した。該抗体固定化
メンブレンを1%スキムミルク−0.1%Triton
X100水溶液中で室温下、5分振とうした。次いで、
該メンブレンを10mMリン酸緩衝液(pH7.4)中
で室温下、10分振とう後取り出し、真空ポンプで吸引
しながら60分間デシケーター中で乾燥した。
【0116】また、コンジュゲートパッド3(MILL
IPORE社、7.5mm×6mm)を0.5%PVA
−0.5%ショ糖水溶液中で1分間振とう後取り出し、
真空ポンプで吸引しながら60分間デシケーター中で乾
燥した。該コンジュゲートパッド3にA520=1.0に
調整した金コロイド標識α6715を25μl添加し、
真空ポンプで吸引しながら60分間デシケーター中で乾
燥した。
【0117】更に、サンプルパッド2(MILLIPO
RE社、17mm×6mm)を1%Tween20−P
BS水溶液中で1分間振とう後取り出し、真空ポンプで
吸引しながら60分間デシケーター中で乾燥した。尚、
吸収パッド5(MILLIPORE社、20mm×6m
m)は未処理のまま用いた。
【0118】このように調製した、図1に示す免疫クロ
マト法ストリップの各構成部分をプラスチックの支持台
上に配置し、図2に示す免疫クロマト法ストリップを組
み立てた。
【0119】(3)〔免疫クロマト法ストリップの特異
性、感度評価〕 免疫クロマト法ストリップのサンプルパッド2上に、標
準菌体のPBS懸濁液100μlを添加し、10分後に
スポットの有無を判定した。固定化抗体スポット上に捕
捉された金コロイドの程度を4段階(+++:強い陽
性、++:陽性、+:弱い陽性、−:陰性)に目視で識
別し、感度及び定量性を評価した。結果を表5に示す。
【0120】
【表5】
【0121】比較例1〔ストレプトコッカス・ミュータ
ンスによる吸収処理をしない、ストレプトコッカス・ソ
ブリヌスに対するポリクローナルの評価〕実施例1の
(2)で得られたストレプトコッカス・ソブリヌスに対
する抗血清を、ストレプトコッカス・ミュータンスの菌
体による吸収処理をしないで、実施例1(3)の操作手
順に従い、プロテインAカラム処理のみ行い、IgG画
分を調製した(以下、「未精製ポリクローナル抗体」と
表記することもある)。実施例1(4)の操作手順に従
い、未精製ポリクローナル抗体と菌体との反応性を直接
ELISA法により評価した。結果を表6に示す。ま
た、実施例2の操作手順に従い金コロイド標識抗体を調
製後、免疫クロマト法ストリップを作製し、菌体との反
応性を評価した。結果を表7に示す。
【0122】
【表6】
【0123】
【表7】
【0124】表6から、未精製ポリクローナル抗体のス
トレプトコッカス・ソブリヌスに対する反応性は、スト
レプトコッカス・ミュータンスに対する反応性の10倍
以下であることが分かる。表7から、未精製ポリクロー
ナル抗体を用いた免疫クロマト法ストリップを用いた場
合には、ストレプトコッカス・ミュータンスに対する反
応が検出され、ストレプトコッカス・ソブリヌスを特異
的に検出することは出来なかった。
【0125】実施例3〔免疫クロマト法ストリップによ
る歯垢からのストレプトコッカス・ソブリヌスの検出〕 (1)〔歯垢を含む被検体液の調製〕 120人より、口腔内を水で洗浄し唾液成分を除去後、
スパチュラを用いて歯垢を採取した。歯垢を秤量後、1
mg湿重量/mlとなるようPBSに懸濁し、20秒
間、60Wで超音波処理することで歯垢を含む被検体液
を得た。
【0126】(2)〔培養法による歯垢試料溶液中のス
トレプトコッカス・ソブリヌスの定量〕 上記(1)の方法に従い得られた歯垢を含む被検体液を
適宜希釈して、100μlをミチス・サリバリウス・バ
シトラシン(以下、「MSB」と表記することもあ
る。)固体培地上およびBHI固体培地上に添加し、3
7℃、嫌気条件下、24時間培養した。MSBおよびB
HI固体培地上に生じるコロニー数を計数し、被検体液
の希釈率から、ミュータンスレンサ球菌濃度を個/ml
として算出した。MSBおよびBHI培地上のストレプ
トコッカス・ソブリヌス及びストレプトコッカス・ミュ
ータンスの識別は、コロニーの形態学的分類、及び形態
学的に識別不可能なコロニーに関しては、該コロニーを
純粋培養後、ミュータンスレンサ球菌の血清型特異的な
抗体を利用した免疫学的測定方法及び、糖発酵試験等の
生化学的方法によりストレプトコッカス・ソブリヌス及
びストレプトコッカス・ミュータンスの同定を行った。
【0127】(3)〔免疫クロマト法ストリップによる
歯垢を含む被検体液中のストレプトコッカス・ソブリヌ
スの測定〕 上記(2)の検討により、ストレプトコッカス・ソブリ
ヌスが検出された8検体、及びストレプトコッカス・ソ
ブリヌスが検出されず、ストレプトコッカス・ミュータ
ンスが検出された5検体、及び両者とも検出されない1
検体の被検体液200μlについて、実施例2の(2)
と同様の方法で作製した免疫クロマト法ストリップを用
いストレプトコッカス・ソブリヌスの測定を実施した。
免疫クロマト法ストリップに於ける10分後のスポット
発色強度を4段階(+++:強い陽性、++:陽性、
+:弱い陽性、−:陰性)に識別した結果と、(2)の
培養法により得られたストレプトコッカス・ソブリヌス
菌数とを比較した。結果を表8に示す。
【0128】
【表8】
【0129】表8より、培養法により得られたストレプ
トコッカス・ソブリヌスの濃度と相関し、ストレプトコ
ッカス・ミュータンスの濃度とは相関しないスポット発
色強度が得られた。本発明の免疫クロマト法ストリップ
により、ストレプトコッカス・ソブリヌスを105個/
ml以上の濃度で含む被検体液から、ストレプトコッカ
ス・ソブリヌスをその濃度依存的に、特異的に検出可能
であった。
【0130】
【発明の効果】本発明の抗体を用いることにより、スト
レプトコッカス・ミュータンスが混在する唾液又は歯垢
を含む被検体液から培養法等を介さずに、直接ストレプ
トコッカス・ソブリヌスを高感度に測定することが可能
となる。
【0131】また、本発明の抗体を用いた免疫クロマト
法ストリップのような測定試薬を使用することにより、
齲蝕の有力な原因菌であるストレプトコッカス・ソブリ
ヌスの精確な測定を歯科医院内や家庭で簡単に行なうこ
とも可能となる。
【0132】さらに、本発明の製造方法によれば、本発
明の抗体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本図は、実施例2で用いたストリップの各部材
の形状を示す図面である。
【図2】本図は、実施例2で用いたストリップの側面図
である。
【符号の説明】
1・・・ストリップ 2・・・サンプルパッド 3・・・コンジュゲートパッド 4・・・展開メンブレン 5・・・吸収パッド 6・・・検出ライン 7・・・コントロール判定ライン
フロントページの続き (72)発明者 羽生 尚広 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 (72)発明者 福島 和雄 千葉県松戸市栄町西2−870−1日本大学 松戸歯学部内 Fターム(参考) 4H045 AA11 CA11 CA40 DA75 DA86 EA50 FA71 GA15 GA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストレプトコッカス・ソブリヌスに対す
    る反応性がストレプトコッカス・ミュータンスに対する
    反応性の100倍以上であることを特徴とするポリクロ
    ーナル抗体。
  2. 【請求項2】 免疫動物にストレプトコッカス・ソブリ
    ヌスの全菌体または該全菌体より得られる抗原抽出物を
    免疫してストレプトコッカス・ソブリヌスに対するポリ
    クローナル抗体を得、次いで得られた該ポリクローナル
    抗体からストレプトコッカス・ミュータンスとの交差反
    応性を有するポリクローナル抗体を除去して得たポリク
    ローナル抗体である請求項1に記載のポリクローナル抗
    体。
  3. 【請求項3】 免疫動物にストレプトコッカス・ソブリ
    ヌスの全菌体または該全菌体より得られる抗原抽出物を
    免疫してストレプトコッカス・ソブリヌスに対するポリ
    クローナル抗体を得、次いで得られた該ポリクローナル
    抗体からストレプトコッカス・ミュータンスとの交差反
    応性を有するポリクローナル抗体を除去することを特徴
    とする請求項1に記載のポリクローナル抗体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載のポリクロ
    ーナル抗体を含んでなることを特徴とする免疫学的測定
    試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004233127A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Tokuyama Corp 免疫学的測定方法および免疫クロマトグラフィー法測定キット。

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JP2004233127A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Tokuyama Corp 免疫学的測定方法および免疫クロマトグラフィー法測定キット。

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