JP2014164322A - 保守作業タイミング判定装置、保守作業タイミング判定システム、保守作業タイミング判定方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保守作業タイミング判定装置が、保守対象設備における部品である判定対象部品の、保守作業実施時からの保守対象設備の累積運転時間を取得する累積運転時間取得部と、判定対象部品と同一の部品の保守作業実績から得られる、設備の累積運転時間と当該部品の保守作業実施率との関係を取得する時間−保守作業実施率関係取得部と、判定対象部品の保守作業実施時からの保守対象設備の累積運転時間、および、設備の累積運転時間と部品の保守作業実施率との関係に基づいて、判定対象部品の保守作業タイミングの判定を行う保守作業タイミング判定部と、保守作業タイミングの判定結果を出力する出力部とを具備する。
【選択図】図1
Description
一方、寿命の定められていない部品については、定検計画策定者の経験等に基づいて交換時期を定める、あるいは、予め定められている検査項目に従って検査を実施し、検査結果に基づいて交換するといった態様で部品交換が行われることが多い。
この特許文献1に記載のプラント余寿命管理装置では、部品交換およびスキンカットの履歴をデータとして用いることにより、プラントの運用状態に基づいて機器の余寿命を推定し、適切な保守計画の策定のための支援情報を得られる、とされている。
あるいは、部品の取り寄せが定検期間に間に合わない場合、部品交換を行わずに補修で対応することが考えられるが、部品交換を行った場合よりも故障のリスクが高まってしまうことが懸念される。また、故障のリスクを低減させるために、次の定検時期を早めて部品交換作業を行う、または、臨時の部品交換作業を行うと、当初の計画よりも作業回数が増加し作業負荷が増大してしまう。
また、定検の受託者が依頼者から長期的な保守メニューの問合せを受けた場合、寿命管理の対象となっていない部品について、適切な交換時期を把握できず保守メニューを回答できないおそれがある。
また、保守作業の準備を行う者(例えば保守業務の受託者)は、部品の交換時期に限らず部品の補修時期について予め把握しておくことで、補修を実施可能な作業員や補修用機材等の確保を計画することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、交換と補修とを総称して「保守」と表記する。特に、交換作業と補修作業とを総称して「保守作業」と表記する。また、保守と点検とを総称して「保守点検」と表記する。
図1は、本発明の第1の実施形態における保守作業タイミング判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、保守作業タイミング判定装置10は、累積運転時間取得部11と、時間−保守作業実施率関係取得部12と、保守作業タイミング判定部13と、出力部14とを具備する。
ここでいう保守対象設備は、保守の対象となっている設備である。保守対象設備は、タービン等の機器であってもよいし、システム、プラント、または、プラントにおけるユニットなど、複数の機器を含むものであってもよい。また、ここでいう保守は、点検を伴って(すなわち、保守点検として)行われるものであってもよいし、点検とは別に行われるものであってもよい。
保守作業タイミング判定装置10が行う保守作業タイミングの判定は、保守作業タイミングの算出であってもよいし、所定の定検時など所定の時期における部品の保守作業の推奨有無または要否の判定であってもよい。
なお、以下では、保守作業タイミングの判定対象となる部品を「判定対象部品」と称する。判定対象部品の数は、1つであってもよいし複数であってもよい。以下では、判定対象部品が複数ある場合を例に説明する。
例えば、推奨交換時期の判定において、累積運転時間取得部11は、判定対象部品の各々の使用開始時(最新の交換時)を含む保守履歴を記憶しておく。あるいは、累積運転時間取得部11が、保守対象設備の管理装置など他の装置から当該保守履歴を取得するようにしてもよい。
また、累積運転時間取得部11は、保守対象設備の運転実績または運転計画等から、当該保守対象設備の稼働率を算出する。そして、累積運転時間取得部11は、判定対象部品の使用開始から定検時など指定された基準時までの時間に保守対象設備の稼働率を乗算して累積運転時間を取得する。
また、累積運転時間取得部11は、保守対象設備の運転実績または運転計画等から、当該保守対象設備の稼働率を算出する。そして、累積運転時間取得部11は、判定対象部品の最新の補修時から定検時など指定された基準時までの時間に保守対象設備の稼働率を乗算して累積運転時間を取得する。
ここでいう運転モードは、例えば、ガスタービン発電ユニットにおける常時運転(BL;Base Load)や日単位運転(DSS;Daily Start And Stop)や週単位運転(WSS;Weekly Start And Stop)など、設備の起動停止パターンを定めるモードである。
なお、時間−保守作業実施率関係取得部12が履歴を参照する部品の数は、図2の4つに限らず1つ以上であればよい。データの信頼性の観点からは、時間−保守作業実施率関係取得部12が履歴を参照する部品の数が多いほうが好ましい。
なお、時間−保守作業実施率関係取得部12が、設備の累積運転時間と部品の交換率との関係を、直線近似などの近似データにて求めるようにしてもよい。あるいは、時間−保守作業実施率関係取得部12が、ワイブル解析にて累積運転時間と部品の交換率との関係を算出するようにしてもよい。
また、予測補修時期の判定に関して、時間−保守作業実施率関係取得部12は、保守履歴の中から判定対象部品と同一の部品の補修実績毎に、当該部品の使用開始時または最新の交換実施時から補修時までの期間における、当該部品を使用する設備の累積運転時間を取得する。そして、時間−保守作業実施率関係取得部12は、図2を参照して説明した設備の累積運転時間と部品の交換率との関係の場合と同様に、累積運転時間と部品の補修率との関係を取得する。
ここで、保守作業タイミング判定部13が、保守作業タイミングを算出するようにしてもよい。例えば、推奨交換時期の判定において、保守作業タイミング判定部13が、設備の累積運転時間と部品の交換率との関係において所定の交換率(例えば30パーセント)に達する累積運転時間を求め、当該累積運転時間までに判定対象部品を交換することを推奨するようにしてもよい。あるいは、第2の実施形態で説明するのと同様に、保守作業タイミング判定部13が、所定の定検時など所定の時期において判定対象部品の交換を推奨するか否かを判定するようにしてもよい。
予測補修時期の判定についても同様である。
これにより、保守作業タイミング判定装置10は、寿命の定められていない部品の交換または補修についても、また、疲労やクリープに起因する力学的な破壊以外の要因による部品の交換または補修についても、交換時期または補修時期の少なくともいずれかの決定を支援することができる。
定検実施前に交換部品や補修作業員などを手配することで、定検作業者は、定検作業を円滑に進めることができ、定検工程の混乱を防止し得る。
なお、本発明は、交換時期または補修時期のいずれか一方のみの判定を行う場合にも適用可能である。従って、保守作業タイミング判定装置10が、交換時期または補修時期のいずれか一方のみを判定するようにしてもよい。以下の実施形態についても同様である。
第2の実施形態では、第1の実施形態を更に具体化した例について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態における交換・補修時期判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、交換・補修時期判定装置100は、操作入力部101と、表示部102と、記憶部110と、制御部120とを具備する。記憶部110は、交換・補修実績記憶部111を具備する。制御部120は、累積運転時間取得部121と、時間−交換率・補修率関係取得部122と、累積起動回数取得部123と、回数−交換率・補修率関係取得部124と、交換・補修時期判定部130とを具備する。交換・補修時期判定部130は、累積運転時間閾値取得部131と、累積起動回数閾値取得部132と、閾値判定部133とを具備する。
操作入力部101は、例えばキーボードやマウスなどの入力デバイスを有し、ユーザ操作を受け付ける。例えば、操作入力部101は、交換時期や補修時期の判定を要求するユーザ操作を受け付ける。
また、領域A121は、次々回定検時に交換を推奨する部品を示す領域である。領域A122は、次々回定検時に補修予定の部品を示す領域である。領域A131は、3回先(次々回の次)の定検時に交換を推奨する部品を示す領域である。領域A132は、3回先の定検時に補修予定の部品を示す領域である。
交換・補修実績記憶部111は、保守対象設備や当該保守対象設備の類似設備の保守履歴を記憶する。交換・補修実績記憶部111が記憶する保守履歴には、各部品の交換履歴(交換実績)や補修履歴(補修実績)が含まれる。
なお、交換・補修実績記憶部111が、交換・補修時期判定装置100とは別の装置として構成されていてもよい。
図5において、「ユニット別部品保守実績情報」は、1ユニット分の保守履歴の情報であり、「ユニット情報」領域と「部品情報」領域とを含む。
「プラント名」欄は、当該ユニットの属するプラントの名称(図5の例では、ガスタービン発電プラントの名称)を格納する。「ユニット番号」欄は、当該ユニットに付されたユニット番号を格納する。「タービン形式」欄は、当該ユニットを構成するガスタービンの形式を示す情報(例えば型番、または、形式の名称)を格納する。
「運転履歴」欄は、例えば、起動および停止の日時や、時間毎の発電量の履歴や、不具合発生日時および不具合の内容など、当該ユニットの運転履歴を格納する。
「保守予定」欄は、当該ユニットにおける保守の予定日や種類(例えば、燃焼器点検、タービン点検、または、本格定検といった保守点検の種類)など、保守の予定を格納する。
「識別番号」欄は、当該部品に付されている識別番号を格納する。「部品名」欄は、当該部品の名称を格納する。「型式」欄は、当該部品の型式を示す情報(例えば、製造会社名および型番)を格納する。
「交換履歴」欄は、当該部品の交換が行われた日時を格納する。
「補修履歴」欄は、当該部品の補修が行われた日時や補修内容を格納する。
累積運転時間取得部121は、予定されている保守作業時における、判定対象部品の保守作業実施時(使用開始時、または、補修実績のうち最新の補修実施時)からの保守対象設備の累積運転時間を取得する。特に、累積運転時間取得部121は、複数の判定対象部品の各々について、予定されている複数の保守作業時の各々における、当該判定対象部品の保守作業実施時からの保守対象設備の累積運転時間を取得する。累積運転時間取得部121は、累積運転時間取得部11(図1)の一例に該当する。
例えば、時間−交換率・補修率関係取得部122は、交換・補修実績記憶部111が記憶している保守履歴における、判定対象部品と同一の部品の交換実績を参照して、時間−保守作業実施率関係取得部12について説明したのと同様にして、設備の累積運転時間と当該部品の交換率との関係を取得する。
具体的には、時間−交換率・補修率関係取得部122は、まず、判定対象部品と同一の部品の補修実績から、部品の使用開始または最新の交換時期から補修までの期間毎に、当該部品を使用する設備の累積運転時間を求める。そして、時間−交換率・補修率関係取得部122は、図2を参照して説明した交換率の場合と同様にして、設備の累積運転時間と部品の補修率との関係を取得する。
あるいは、累積起動回数取得部123が、保守対象設備の運転モードと判定対象部品の使用開始時とに基づいて、累積起動回数を取得するようにしてもよい。例えば、保守対象設備の運転モードが日単位運転の場合、判定対象部品の使用開始から基準時までの日数を算出して起動回数とする。あるいは、保守対象設備の運転モードが週単位運転の場合、判定対象部品の使用開始から基準時までの週数を算出して起動回数とする。
例えば、回数−交換率・補修率関係取得部124は、まず、交換・補修実績記憶部111が記憶している保守履歴における、判定対象部品と同一の部品の交換実績毎に、当該部品の使用開始から使用終了までの期間における、当該部品を使用する設備の累積起動回数を取得する。そして、回数−交換率・補修率関係取得部124は、図2を参照して説明した累積運転時間の場合と同様にして、累積起動回数毎の交換済みの部品の割合を求める。
具体的には、回数−交換率・補修率関係取得部124は、まず、判定対象部品と同一の部品の補修実績から、部品の使用開始または最新の交換時期から補修までの期間毎に、当該部品を使用する設備の累積起動回数を求める。そして、回数−交換率・補修率関係取得部124は、交換率の場合と同様にして、設備の累積起動回数と部品の補修率との関係を取得する。
また、交換・補修時期判定部130は、複数の保守作業の各々について、当該保守作業時に補修が必要と予測される判定対象部品を判定する。
例えば、図2(B)の例において所定の交換率が30パーセントに設定されている場合、累積運転時間閾値取得部131は、交換率が30パーセント以上となる時間T12を、交換判定用の累積運転時間閾値とする。
例えば、所定の補修率が50パーセントに設定されている場合、累積運転時間閾値取得部131は、時間−交換率・補修率関係取得部122が取得した設備の累積運転時間と部品の補修率との関係において、補修率が50パーセント以上となる累積運転時間を、補修判定用の累積運転時間閾値とする。
例えば、所定の交換率が30パーセントに設定されている場合、累積起動回数閾値取得部132は、回数−交換率・補修率関係取得部124が取得した設備の累積起動回数と当該部品の交換率との関係において、交換率が30パーセント以上となる累積起動回数を、交換判定用の累積起動回数閾値とする。
例えば、所定の補修率が50パーセントに設定されている場合、累積起動回数閾値取得部132は、回数−交換率・補修率関係取得部124が取得した設備の累積起動回数と当該部品の補修率との関係において、補修率が50パーセント以上となる累積起動回数を、補修判定用の累積起動回数閾値とする。
なお、累積起動回数閾値取得部132が用いる所定の交換率や所定の補修率は、累積運転時間閾値取得部131が用いる所定の交換率や所定の補修率と同じであってもよいし異なっていてもよい。
特に、閾値判定部133は、基準時となっている保守作業時における、判定対象部品の使用開始からの保守対象設備の累積運転時間(すなわち、判定対象部品の使用開始から基準時までの期間における保守対象設備の累積運転時間)と、交換判定用の累積運転時間閾値とを比較する。
そして、累積運転時間が交換判定用の累積運転時間閾値より大きいと判定すると、閾値判定部133は、基準時となっている保守作業時よりも早く判定対象部品の交換を行うことを推奨する。
閾値判定部133は、累積運転時間比較部の一例に該当する。
なお、次回定検時において、累積運転時間または累積起動回数が閾値より大きくなると判定した場合、閾値判定部133は、次回定検時に当該判定対象部品を交換するよう推奨するとともに、閾値を超えることを示す情報(注意喚起)を付加する。
なお、次回定検時において、累積運転時間または累積起動回数が閾値より大きくなると判定した場合、閾値判定部133は、次回定検時に当該判定対象部品の補修が必要になると予測するとともに、閾値を超えることを示す情報(注意喚起)を付加する。
図6は、交換・補修時期判定装置100が定検計画表を生成する処理の手順を示すフローチャートである。交換・補修時期判定装置100は、例えば、交換時期や補修時期の判定を要求するユーザ操作を操作入力部101が検出すると、同図の処理を開始する。
図6の処理において、まず、操作入力部101が、保守対象設備の識別情報の入力操作を受け付ける。例えば、操作入力部101は、図5の例におけるプラント名およびユニット番号の入力操作を受け付ける(ステップS101)。
そして、制御部120は、保守対象となる部品(すなわち、判定対象部品)の各々に対する処理を行うループL11を開始する(ステップS111)。
ループL11の処理において、制御部120は、まず、ループL11で処理対象となっている部品について、当該部品の推奨交換時期を取得する(ステップS112)。
図7の処理において、まず、時間−交換率・補修率関係取得部122は、図6のステップS103で得られた部品の保守履歴を用いて、上述したように、設備の累積運転時間と部品の交換率との関係を取得する(ステップS201)。
そして、累積起動回数閾値取得部132は、ステップS203で得られた設備の累積起動回数と部品の交換率との関係に基づいて、交換判定用の累積起動回数閾値を取得する(ステップS204)。具体的には、上述したように、累積起動回数閾値取得部132は、ステップS203で得られた設備の累積起動回数と部品の交換率との関係において所定の交換率以上となる累積起動回数を、交換判定用の累積起動回数閾値とする。
そして、累積運転時間取得部121は、推奨交換時期の判定対象となっている部品について、当該部品の使用開始から判定定検時までの期間における保守対象設備の累積運転時間を取得する(ステップS211)。具体的には、累積運転時間取得部121は、図6のステップS103で得られた情報から、推奨交換時期の判定対象となっている部品の交換履歴(使用開始時を示す情報)と、保守対象プラントの運転履歴または運転モードを抽出する。そして、累積運転時間取得部121は、上述したように、累積運転時間を取得する。
なお、図7において推奨交換時期の判定対象となっている部品は、図6のループL11において処理対象となっている部品である。
累積運転時間が交換判定用の累積運転時間閾値以上であると判定した場合(ステップS212:YES)、閾値判定部133は、推奨交換時期を判定定検の示す定検時とする(ステップS251)。
その後、図7の処理を終了して図6の処理へ戻る。
残りの定検有りと判定した場合(ステップS231:YES)、閾値判定部133は、判定定検を、当該判定定検の次の定検に変更する(ステップS241)。
その後、ステップS211へ戻る。
ステップS261の後、図7の処理を終了して図6の処理へ戻る。
図8は、制御部120が部品の予測補修時期を取得する処理の手順を示すフローチャートである。制御部120は、図6のステップS113において、図8の処理を行う。
図8の処理において、まず、時間−交換率・補修率関係取得部122は、図6のステップS103で得られた部品の保守履歴を用いて、上述したように、設備の累積運転時間と部品の補修率との関係を取得する(ステップS301)。
そして、累積起動回数閾値取得部132は、ステップS303で得られた設備の累積起動回数と部品の補修率との関係に基づいて、補修判定用の累積起動回数閾値を取得する(ステップS304)。具体的には、上述したように、累積起動回数閾値取得部132は、ステップS203で得られた設備の累積起動回数と部品の補修率との関係において所定の補修率以上となる累積起動回数を、補修判定用の累積起動回数閾値とする。
そして、累積運転時間取得部121は、予測補修時期の判定対象となっている部品について、当該部品の交換実績のうち最新の交換時(未だ交換が行われていない場合は使用開始時)から判定定検時までの期間における保守対象設備の累積運転時間を取得する(ステップS311)。
なお、図8において予測補修時期の判定対象となっている部品は、図6のループL11において処理対象となっている部品である。
その後、図8の処理を終了して図6の処理へ戻る。
残りの定検有りと判定した場合(ステップS331:YES)、閾値判定部133は、判定定検を、当該判定定検の次の定検に変更する(ステップS341)。
その後、ステップS311へ戻る。
ステップS361の後、図8の処理を終了して図6の処理へ戻る。
ループL11の後、制御部120は、得られた推奨交換時期および予測補修時期に基づいて定検計画表を生成し、表示部102に表示させる(ステップS121)。
その後、図6の処理を終了する。
そして、閾値判定部133は、判定対象部品の保守作業実施時からの保守対象設備の累積運転時間と、累積運転時間閾値とを比較する。判定対象部品の保守作業実施時からの保守対象設備の累積運転時間が累積運転時間閾値より大きいと判定すると、閾値判定部133は、当該保守作業時よりも早く判定対象部品の保守作業を行うことを提案する。より具体的には、部品交換に関しては、閾値判定部133は、当該保守作業時よりも早く判定対象部品の交換を行うことを推奨する。また、補修に関しては、閾値判定部133は、当該保守作業時よりも早く判定対象部品の補修を行う必要があると予測する。
長期的な保守計画を策定することで、交換部品の手配者は、時間的余裕を持って手配を行うことができる。また、保守作業員の管理者は、時間的余裕を持って人員を確保することができる。また、保守対象設備の運営者(例えば、保守対象設備の所有者)は、より長期的に運用計画を立てることができる。
長期的な保守計画を策定することで、保守作業員は、時間的余裕を持って補修用品の手配を行うことができる。また、保守作業員の管理者は、時間的余裕を持って人員を確保することができる。
また、保守対象設備の運営者は、より正確な保守計画に基づいて、より精度の高い運用計画を立てることができる。例えば、保守対象設備の運営者は、次定検での交換推奨部品や、長期的な部品交換時期を把握することができ、予算確保や交換必要時期の事前すり合わせを、より容易に行える。
このように、保守対象設備の累積運転時間に加えて累積起動回数に基づいて保守作業タイミングの判定を行うことで、交換・補修時期判定部130は、より高精度に保守作業タイミングの判定を行い得る。
そこで、交換・補修時期判定部130は、累積起動回数にも基づいて保守作業タイミングの判定を行うことで、より高精度に保守作業タイミングの判定を行い得る。
図9は、本発明の第3の実施形態における交換・補修時期判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、交換・補修時期判定装置200は、操作入力部101と、表示部102と、記憶部210と、制御部220とを具備する。記憶部210は、交換・補修実績記憶部111と、早急交換指定部品型式記憶部212とを具備する。制御部220は、累積運転時間取得部121と、時間−交換率・補修率関係取得部122と、累積起動回数取得部123と、回数−交換率・補修率関係取得部124と、早急交換指定部品型式取得部225と、交換・補修時期判定部230とを具備する。交換・補修時期判定部230は、累積運転時間閾値取得部131と、累積起動回数閾値取得部132と、閾値判定部133と、早急交換指定部品処理部234とを具備する。
図9において、図3の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(101〜102、111、121〜124、131〜133)を付して説明を省略する。
早急交換指定部品型式記憶部212は、早急交換指定部品の型式を記憶する。ここでいう早急交換指定部品は、早急に交換する部品として指定された部品である。早急交換指定部品型式記憶部212が記憶する早急交換指定部品の型式情報は、各設備に共通の情報として用いられる。
なお、早急交換指定部品型式記憶部212が、交換・補修時期判定装置200とは別の装置として構成されていてもよい。
早急交換指定部品処理部234は、判定対象部品の型式と、早急交換指定部品の型式とを比較して、判定対象部品が、前記早急交換指定部品に該当するか否かを判定する。早急交換指定部品処理部234は、早急交換要否判定部の一例に該当する。
また、早急交換指定部品処理部234は、判定対象部品が早急交換指定部品に該当すると判定すると、当該判定対象部品について制御部220が推奨交換時期を求める処理を抑制し、当該部品を早急に交換することを推奨する。
これにより、交換・補修時期判定装置200は、早急に交換すべき部品がある場合に、当該部品を早急に交換するよう、ユーザ(例えば、保守計画の策定者)に促すことができる。
すると、他のプラントにおける保守計画の策定者が交換・補修時期判定装置200を使用した際、交換・補修時期判定装置200は、早急交換指定部品に該当する部品を早急に交換することを、保守計画の策定者に対して推奨する。
これにより、保守計画の策定者は、他のプラントで実施した対策の中で水平展開が必要な項目を定検メニューに追加した、より精度の高い定検メニューを依頼者に提示することが可能となる。当該定検メニューに従って保守作業を行うことで定検時に水平展開を実施可能となり、保守対象設備の稼働率低下を抑制できる。
図10は、本発明の第4の実施形態における交換・補修時期判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、交換・補修時期判定装置300は、操作入力部101と、表示部102と、記憶部310と、制御部320とを具備する。記憶部310は、交換・補修実績記憶部111と、未交換部品記憶部313とを具備する。制御部320は、累積運転時間取得部121と、時間−交換率・補修率関係取得部122と、累積起動回数取得部123と、回数−交換率・補修率関係取得部124と、未交換部品検出部326と、交換・補修時期判定部330とを具備する。交換・補修時期判定部330は、累積運転時間閾値取得部131と、累積起動回数閾値取得部132と、閾値判定部133と、未交換部品処理部335とを具備する。
図10において、図3の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(101〜102、111、121〜124、131〜133)を付して説明を省略する。
例えば、定検の請負者が、定検時の交換を推奨したが当該定検時には交換されなかった部品について、表示部102が表示する定検計画表にてチェックするなどして未交換部品として交換・補修時期判定装置300に登録しておく。
交換・補修時期判定部330は、交換・補修時期判定部130(図3)と同様、予定されている保守作業について当該保守作業時に前記判定対象部品の交換を推奨するか否かの判定を行う。但し、交換・補修時期判定部330(未交換部品処理部335)は、未交換部品については、制御部320が当該部品の推奨交換時期を求める処理を抑制し、当該部品を早急に交換することを推奨する。
これにより、交換・補修時期判定部330は、未交換部品については交換を推奨するか否かの判定を行う必要がない。従って、交換・補修時期判定部330の処理量を低減させることができる。
図11は、本発明の第5の実施形態における交換・補修時期判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、交換・補修時期判定システム1は、交換・補修時期判定装置400と、端末装置500とを具備する。交換・補修時期判定装置400は、操作入力部101と、表示部102と、記憶部110と、通信部403と、制御部420とを具備する。記憶部110は、交換・補修実績記憶部111を具備する。制御部420は、累積運転時間取得部121と、時間−交換率・補修率関係取得部122と、累積起動回数取得部123と、回数−交換率・補修率関係取得部124と、交換・補修時期判定部130とを具備する。交換・補修時期判定部130は、累積運転時間閾値取得部131と、累積起動回数閾値取得部132と、閾値判定部133とを具備する。端末装置500は、操作入力部501と、表示部502と、通信部503と、制御部520とを具備する。
図11において、図3の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(101〜102、110〜111、121〜124、130〜133)を付して説明を省略する。
交換・補修時期判定装置400は、交換・補修時期判定装置100(図3)と同様の処理を行う。但し、交換・補修時期判定装置400は、端末装置500と通信を行う点で交換・補修時期判定装置100と異なる。交換・補修時期判定装置400は、判定対象部品の推奨交換時期や予測補修時期の判定結果を端末装置500へ送信する。
制御部420は、制御部120(図3)と同様の処理を行う、加えて、制御部420は、通信部403が行う通信を制御する。
操作入力部501は、例えばキーボードやマウスなどの入力デバイスを有し、ユーザ操作を受け付ける。特に、操作入力部501は、交換時期や補修時期の判定を要求するユーザ操作を受ける。
通信部503は、ユーザ操作に従って、交換時期や補修時期の判定要求を交換・補修時期判定装置400へ送信する。また、通信部503は、交換・補修時期判定装置400の判定結果を受信する。通信部503は、受信部の一例に該当する。
制御部520は、端末装置500の各部を制御して各種機能を実行する。制御部520は、例えば端末装置500の具備するCPUが、端末装置500の具備する記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで実現される。
端末装置500を、補修対象設備の現地に設置することで、保守対象設備の運営者は、推奨交換時期・予測補修時期を直接把握することができる。これにより、交換・補修時期判定システム1は、保守対象設備の運営者の利便性を高めることができる。例えば、保守対象設備の運営者は、推奨交換時期の判定結果を随時参照して交換が必要となる部品を把握し、運営計画に反映させることができ、より精度の高い運営計画を立てることができる。
これにより、保守対象設備の運営者は、より長期的に推奨交換時期を直接把握することができる。この点において、交換・補修時期判定システム1は、保守対象設備の運営者の利便性をさらに高めることができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
10 保守作業タイミング判定装置
11 累積運転時間取得部
12 時間−保守作業実施率関係取得部
13 保守作業タイミング判定部
14 出力部
100、200、300、400 交換・補修時期判定装置
101、501 操作入力部
102、502 表示部
110、210、310 記憶部
111 交換・補修実績記憶部
120、220、320、420、520 制御部
121 累積運転時間取得部
122 時間−交換率・補修率関係取得部
123 累積起動回数取得部
124 回数−交換率・補修率関係取得部
130、230、330 交換・補修時期判定部
131 累積運転時間閾値取得部
132 累積起動回数閾値取得部
133 閾値判定部
212 早急交換指定部品型式記憶部
225 早急交換指定部品型式取得部
234 早急交換指定部品処理部
313 未交換部品記憶部
326 未交換部品検出部
335 未交換部品処理部
403、503 通信部
500 端末装置
Claims (10)
- 保守対象設備における部品である判定対象部品について、当該判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得する累積運転時間取得部と、
前記判定対象部品と同一の部品の保守作業実績から得られる、設備の累積運転時間と当該部品の保守作業実施率との関係を取得する時間−保守作業実施率関係取得部と、
前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間、および、前記設備の累積運転時間と前記部品の保守作業実施率との関係に基づいて、前記判定対象部品の保守作業タイミングの判定を行う保守作業タイミング判定部と、
前記保守作業タイミングの判定結果を出力する出力部と、
を具備することを特徴とする保守作業タイミング判定装置。 - 前記累積運転時間取得部は、予定されている保守作業時における、前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得し、
前記保守作業タイミング判定部は、
前記設備の累積運転時間と前記部品の保守作業実施率との関係から、当該部品の保守作業実施率が所定の保守作業実施率以上となる累積運転時間閾値を求める累積運転時間閾値取得部と、
前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間と、前記累積運転時間閾値とを比較し、前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間が前記累積運転時間閾値より大きいと判定すると、前記保守作業時よりも早く前記判定対象部品の保守作業を行うことが適切と判定する累積運転時間比較部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の保守作業タイミング判定装置。 - 前記累積運転時間取得部は、複数の前記判定対象部品の各々について、予定されている複数の保守作業時の各々における、当該判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得し、
前記保守作業タイミング判定部は、前記複数の保守作業の各々について、当該保守作業時に保守作業を行うことが適切である判定対象部品を判定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の保守作業タイミング判定装置。 - 早急に交換する部品として指定された部品である早急交換指定部品の型式を取得する早急交換指定部品型式取得部と、
前記判定対象部品の型式と、前記早急交換指定部品の型式とを比較して、前記判定対象部品が、前記早急交換指定部品に該当するか否かを判定する早急交換要否判定部と、
を具備し、
前記保守作業タイミング判定部は、前記早急交換指定部品に該当すると判定された前記判定対象部品について、早急に交換することを推奨する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保守作業タイミング判定装置。 - 前記判定対象部品のうち交換を推奨したが交換されていない部品である未交換部品を検出する未交換部品検出部を具備し、
前記保守作業タイミング判定部は、予定されている保守作業時について当該保守作業時に前記判定対象部品の交換を推奨するか否かの判定を行い、前記未交換部品については当該保守作業時に交換することを推奨する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の保守作業タイミング判定装置。 - 前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積起動回数を取得する累積起動回数取得部と、
前記判定対象部品と同一の部品の保守作業実績から得られる、設備の累積起動回数と当該部品の保守作業実施率との関係を取得する回数−保守作業実施率関係取得部と、
を具備し、
前記保守作業タイミング判定部は、前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間、前記設備の累積運転時間と前記部品の保守作業実施率との関係、前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積起動回数、および、前記設備の累積起動回数と前記部品の保守作業実施率との関係に基づいて、前記判定対象部品の保守作業タイミングの判定を行う、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の保守作業タイミング判定装置。 - 保守作業タイミング判定装置と端末装置とを具備して、保守対象設備における部品である判定対象部品の保守作業タイミングを判定する保守作業タイミング判定システムであって、
前記保守作業タイミング判定装置は、
前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得する累積運転時間取得部と、
前記判定対象部品と同一の部品の保守作業実績から得られる、設備の累積運転時間と当該部品の保守作業実施率との関係を取得する時間−保守作業実施率関係取得部と、
前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間、および、前記設備の累積運転時間と前記部品の保守作業実施率との関係に基づいて、前記判定対象部品の保守作業タイミングの判定を行う保守作業タイミング判定部と、
前記判定対象部品の保守作業タイミングの判定結果を前記端末装置へ送信する送信部と、
を具備し、
前記端末装置は、
前記保守作業タイミング判定装置の判定結果を受信する受信部と、
前記保守作業タイミング判定装置の判定結果を表示する表示部と、
を具備することを特徴とする保守作業タイミング判定システム。 - 前記累積運転時間取得部は、複数の前記判定対象部品の各々について、予定されている複数の保守作業時の各々における、当該判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得し、
前記保守作業タイミング判定部は、前記複数の保守作業時の各々について、当該保守作業時に保守作業を行うことが適切である判定対象部品を判定する、ことを特徴とする請求項7に記載の保守作業タイミング判定システム。 - 保守作業タイミング判定装置の保守作業タイミング判定方法であって、
保守対象設備における部品である判定対象部品について、当該判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得する累積運転時間取得ステップと、
前記判定対象部品と同一の部品の保守作業実績から得られる、設備の累積運転時間と当該部品の保守作業実施率との関係を取得する時間−保守作業率関係取得ステップと、
前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間、および、前記設備の累積運転時間と前記部品の保守作業実施率との関係に基づいて、前記判定対象部品の保守作業タイミングの判定を行う保守作業タイミング判定ステップと、
前記保守作業タイミングの判定結果を出力する出力ステップと、
を具備することを特徴とする保守作業タイミング判定方法。 - 保守作業タイミング判定装置としてのコンピュータに、
保守対象設備における部品である判定対象部品について、当該判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間を取得する累積運転時間取得ステップと、
前記判定対象部品と同一の部品の保守作業実績から得られる、設備の累積運転時間と当該部品の保守作業実施率との関係を取得する時間−保守作業実施率関係取得ステップと、
前記判定対象部品の保守作業実施時からの前記保守対象設備の累積運転時間、および、前記設備の累積運転時間と前記部品の保守作業実施率との関係に基づいて、前記判定対象部品の保守作業タイミングの判定を行う保守作業タイミング判定ステップと、
前記保守作業タイミングの判定結果を出力する出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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