JP2014162919A - ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムに配合した場合に、加硫速度を低下させること無く、スコーチタイムが改善された良好な加工性を有するゴム組成物を得ることができるゴム配合用フェノール樹脂組成物、ならびに、このゴム配合用フェノール樹脂組成物を用いてなるゴム組成物及びタイヤを提供すること。
【解決手段】
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、第1のフェノール樹脂(a)と充填剤(b)を含むゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、充填剤(b)は第1のフェノール樹脂(a)によって表面が被覆されたものである、ことを特徴とする。また、本発明のゴム組成物は、このフェノール樹脂組成物とゴムとを含むゴム組成物であって、第1のフェノール樹脂(a)の含有量がゴム100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下である、ことを特徴とする。さらに、本発明のタイヤは、このゴム組成物を含んでなる、ことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ゴム組成物及びタイヤに関するものである。
フェノール樹脂は、土木・建築用材料、各種工業製品材料、汎用日用品など様々な種類の用途に用いられている。これらの中でも、ゴム材料には、原料ゴムにフェノール樹脂等の様々な添加剤を加えた複合材料が使用され、要求される耐摩耗性、耐クラック性、耐外傷性など種々の特性向上が試みられている。
例えば、主原料であるゴムには、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)などの各種合成ゴムや天然ゴムが用いられるが、これらのゴム材料に、耐摩耗性能や機械的強度を与えるためには、フェノール樹脂のような弾性率の高い熱硬化性樹脂を配合したり、硫黄、加硫促進剤、カーボンブラック等の配合剤を多量に配合する方法などが実施されている。
一方で、フェノール樹脂のような熱硬化性樹脂を配合した場合、ゴムの機械的な性能は向上するが、加工性が低下する傾向にある。特に、スコーチタイムと呼ばれる未加硫ゴムの可使用時間(低温での加硫反応が進行することにより使用できなくなるまでの時間)が短くなり、この改善が望まれている。
スコーチタイムを改善する(長くする)手段としては、一般的にはスコーチ防止剤の添加により調整される(例えば特許文献1、非特許文献1参照。)。しかしながら、スコーチ防止剤の添加は、同時に加硫速度を低下させるばかりでなく、多量に添加した場合にはゴムの物性の低下を招き、この改善が望まれていた。
特開平5−209085号公報
大内新興化学工業(株)著「リターダーCTPについて(1)(スコーチ防止剤)」、日本ゴム協会誌63(5)、1990年、p301−302
本発明は、ゴムに配合した場合に、加硫速度を低下させること無く、スコーチタイムが改善された良好な加工性を有するゴム組成物を得ることができるゴム配合用フェノール樹脂組成物、ならびに、このゴム配合用フェノール樹脂組成物を用いてなるゴム組成物及びタイヤを提供するものである。
このような目的は、以下の本発明により達成される。
(1) 第1のフェノール樹脂(a)と充填剤(b)を含むゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、前記充填剤(b)は前記第1のフェノール樹脂(a)によって表面が被覆されたものである、ことを特徴とするゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(2) 前記第1のフェノール樹脂(a)の含有量が前記充填剤(b)100質量部に
対して0.5質量部以上、25質量部以下である、(1)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(3) 前記第1のフェノール樹脂(a)がフェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むものである、(1)又は(2)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(4) 前記第1のフェノール樹脂(a)が未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂を少なくとも1種含むものである、(1)から(3)のいずれか1項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(5) 前記充填剤(b)が炭素質材料である、(1)から(4)のいずれか1項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(6) 前記炭素質材料がカーボンブラックである、(5)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(7) (1)から(6)のいずれか1項に記載のフェノール樹脂組成物とゴムとを含むゴム組成物であって、前記第1のフェノール樹脂(a)の含有量が前記ゴム100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下である、ことを特徴とするゴム組成物。
(8) さらに第2のフェノール樹脂(c)を含み、前記第1のフェノール樹脂(a)と前記第2のフェノール樹脂(c)の合計含有量が前記ゴム100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下である、(7)に記載のゴム組成物。
(9) 前記第1のフェノール樹脂(a)の含有量が前記第2のフェノール樹脂(c)100質量部に対して0.5質量部以上である、(8)に記載のゴム組成物。
(10) 前記第2のフェノール樹脂(c)がフェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むものである、(8)又は(9)に記載のゴム組成物。
(11) 前記第2のフェノール樹脂(c)が未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂を少なくとも1種含むものである、(8)から(10)のいずれか1項に記載のゴム組成物。
(12) (7)から(11)のいずれか1項に記載のゴム組成物を含んでなる、ことを特徴とするタイヤ。
本発明に従うと、加硫速度を低下させること無く、スコーチタイムが改善された良好な加工性を有するゴム組成物を得ることができる。このため、本発明のゴム組成物は、加工工程の多い製品、特にタイヤに好適に使用できるものである。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、第1のフェノール樹脂(a)と充填剤(b)を含むゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、充填剤(b)は第1のフェノール樹脂(a)によって表面が被覆されたものである、ことを特徴とする。これにより、ゴムに配合した場合に、加硫速度を低下させること無く、スコーチタイムが改善された良好な加工性を有するゴム組成物を得ることができるゴム配合用フェノール樹脂組成物を得ることができる。また、本発明のゴム組成物は、このフェノール樹脂組成物とゴムとを含むゴム組成物であって、第1のフェノール樹脂(a)の含有量がゴム100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下である、ことを特徴とする。さらに、本発明のタイヤは、このゴム組成物を含んでなる、ことを特徴とする。以下、本発明について、詳細に説明する。
まず、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物について説明する。本発明のゴム配合
用フェノール樹脂組成物は、第1のフェノール樹脂(a)と充填剤(b)を含むゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、充填剤(b)は第1のフェノール樹脂(a)によって表面が被覆されたものであることを特徴とする。本発明にのゴム配合用フェノール樹脂組成物をゴムに配合することによってスコーチタイムが短くなるのを抑制できる理由は定かではないが、次のような理由によるものと推察される。すなわち、充填剤(b)が第1のフェノール樹脂(a)によって被覆されたものであることにより、ゴム組成物を作製する際、後述する第2のフェノール樹脂(c)も含めたフェノール樹脂が充填剤(b)の表面に偏在し易くなり、ゴムマトリックスへ溶解・分散するフェノール樹脂の量が減少することとなり、これにより、ゴム組成物に第2のフェノール樹脂(c)を添加しても、加硫速度を保ちつつ、スコーチタイムが短くなるのを抑制できるものと考えられる。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物中の第1のフェノール樹脂(a)の含有量は、充填剤(b)100質量部に対して、0.5質量部以上、25質量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは、1質量部以上、15質量部以下であり、特に好ましくは、2質量部以上、10質量部以下である。フェノール樹脂(a)の含有量を上記上限値以下とすることで、充填剤(b)間の空隙がすべてフェノール樹脂(a)で充填されてしまうことがなく、ゴム配合時における充填剤(b)の分散性が良好となり、ゴム組成物の機械的物性を良好なものとすることができる。また、フェノール樹脂(a)の含有量を上記下限値以上とすることで、充填剤(b)表面へのフェノール樹脂の偏在が起こり易くなり、スコーチタイムが短くなるのを抑制する効果を得ることができる。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に用いられる第1のフェノール樹脂(a)としては、特に限定されるものではないが、フェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むものであることが好ましい。フェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むフェノール樹脂は、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール類をアルデヒド源と反応させることにより得ることができる。フェノール、アルキルフェノールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、炭素数3〜20のアルキル鎖が付加したアルキルフェノール等が挙げられる。アルキル鎖は直鎖状でも、分岐構造を有していてもかまわないし、不飽和結合を有していても良い。フェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むフェノール樹脂は、剛直な樹脂骨格を有しながら、ゴムへの相溶性に優れるため、良好な補強効果を発揮することができる。また、これらフェノール類と反応させるアルデヒド源としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラキシレンジメチルエーテル等が挙げられる。コストの点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレンが好ましい。これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
第1のフェノール樹脂(a)としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂を少なくとも1種含むものである。これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。クレゾール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、クレゾールのオルソ、メタ、パラの各異性体いずれを用いても良いし、それらの混合物を用いてもかまわない。さらにフェノールを加えたクレゾール変性フェノール樹脂としても良い。ビ
スフェノール変性フェノール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZなどとフェノールのアルデヒド縮合物が挙げられる。特に好ましくは、コストと性能の両立の点から、未変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂である。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に用いられる充填剤(b)は、特に限定されるものではないが、炭素質材料であることが好ましい。炭素質材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、黒鉛、カーボンブラック、炭、コークス、ダイヤモンド、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等が挙げられる。炭素質材料は、フェノール樹脂との親和性に優れるため、第2のフェノール樹脂(c)も含めたフェノール樹脂が炭素質材料の表面により偏在し易くなるため、ゴムに配合した場合に、より確実にスコーチタイムが短くなるのを抑制する効果を得ることができる。
炭素質材料は、カーボンブラックであることがさらに好ましい。カーボンブラックは比表面積や吸油量が大きいため、第2のフェノール樹脂(c)も含めたフェノール樹脂がカーボンブラックの表面にさらに偏在し易くなるため、ゴムに配合した場合に、さらに確実にスコーチタイムが短くなるのを抑制する効果を得ることができる。カーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックのいずれを用いても良い。ファーネスブラックとしては、特に限定されるものではなく、SAF(Super Abration Farnese carbon)、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF、HCF、MCF、RCF、XCF、などの各種グレードや、その中間グレードを用いてもかまわない。これらは単独で用いても良いし、必要に応じて組み合わせて用いても良い。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物において、充填剤(b)を第1のフェノール樹脂(a)で表面を被覆する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、充填剤(b)と、水や有機溶剤等に溶解して液化した第1のフェノール樹脂(a)、又は熱で溶融して液化した第1のフェノール樹脂(a)とを準備した後、混合機中で両者を混合したり、充填剤(b)に溶解又は溶融して液化した第1のフェノール樹脂(a)をスプレー等で吹き付けたりして作製することができる。混合機としては、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ロール類などを用いても良いし、スクリューコンベアのような混合と搬送を兼ねるような設備を用いても良い。バッチ式、連続式、いずれの設備を用いてもかまわない。水や溶剤等を用いた場合は、別途乾燥工程を設けても良い。
次に、本発明のゴム組成物について説明する。本発明のゴム組成物は、ゴム配合用フェノール樹脂組成物とゴムとを含むゴム組成物であって、第1のフェノール樹脂(a)の含有量がゴム100質量部に対して、0.5質量部以上、20質量部以下であることを特徴とする。好ましくは1質量部以上、18質量部以下であり、特に好ましくは、2質量部以上、15質量部以下である。これにより、加工性と機械的物性に優れたゴム組成物を得ることができる。また、第1のフェノール樹脂(a)の含有量を上記上限値以下とすることで、ゴムのヒステリシスロスの増加に伴うゴムの発熱性の悪化を抑制することができる。さらに、第1のフェノール樹脂(a)の含有量を上記下限値以上とすることで、ゴムの補強効果を得ることができる。
ゴム組成物は、必要に応じてさらに第2のフェノール樹脂(c)を含んでも良い。フェノール樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、第1のフェノール樹脂(a)と第2のフェノール樹脂(c)の合計含有量がゴム100質量部に対して0.5質量部以上
、20質量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1質量部以上、18質量部以下であり、特に好ましくは、2質量部以上、15質量部以下である。これにより、加工性と機械的物性に優れたゴム組成物が得ることができる。また、第1のフェノール樹脂(a)と第2のフェノール樹脂(c)の合計含有量を上記上限値以下とすることで、ゴムのヒステリシスロスの増加に伴うゴムの発熱性の悪化を抑制することができる。さらに、第1のフェノール樹脂(a)と第2のフェノール樹脂(c)の合計含有量を上記下限値以上とすることで、ゴムの補強効果を得ることができる。
さらに第2のフェノール樹脂(c)を配合する場合、特に限定されるものではないが、第1のフェノール樹脂(a)の含有量が第2のフェノール樹脂(c)100質量部に対して0.5質量部以上となるように配合することが好ましい。さらに好ましくは1質量部以上、特に好ましくは2質量部以上である。第1のフェノール樹脂(a)の含有量を上記下限値以上とすることで、スコーチタイムが短くなるのを抑制する効果を得ることができる。
第2のフェノール樹脂(c)としては、特に限定されるものではないが、フェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むものであることが好ましい。フェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むフェノール樹脂は、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール類をアルデヒド源と反応させることにより得ることができる。フェノール、アルキルフェノールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、炭素数3〜20のアルキル鎖が付加したアルキルフェノール等が挙げられる。アルキル鎖は直鎖状でも、分岐構造を有していてもかまわないし、不飽和結合を有していても良い。フェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むフェノール樹脂は、剛直な樹脂骨格を有しながら、ゴムへの相溶性に優れるため、良好な補強効果を発揮することができる。また、これらフェノール類と反応させるアルデヒド源としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラキシレンジメチルエーテル等が挙げられる。コストの点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレンが好ましい。これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。第2のフェノール樹脂(c)は第1のフェノール樹脂(a)と同じものであっても良いし、異なる樹脂を用いてもかまわない。
第2のフェノール樹脂(c)としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂を少なくとも1種含むものである。これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。クレゾール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、クレゾールのオルソ、メタ、パラの各異性体いずれを用いても良いし、それらの混合物を用いてもかまわない。さらにフェノールを加えたクレゾール変性フェノール樹脂としても良い。ビスフェノール変性フェノール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZなどとフェノールのアルデヒド縮合物が挙げられ
る。特に好ましくは、コストと性能の両立の点から、未変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂である。
ゴム組成物に用いるゴムは特に限定されるものではないが、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、イソプレンブタジエンゴム(IBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、又は任意に組み合わせて用いることができる。なかでも、ゴムの強度という点から、NR、SBR、IR、BRを用いるのが好ましい。
本発明のゴム組成物には、さらに必要に応じて硫黄や硫黄化合物、過酸化物などのゴム架橋剤、その他の繊維等の補強材、充填剤(フィラー)、補強材や充填剤等への表面処理剤、老化防止剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤、樹脂硬化剤、可塑剤、滑材、発泡剤、粘着付与剤、シャク解剤、安定化剤、軟化剤、プロセスオイル等の加工助剤、着色剤、その他薬剤を配合することができる。
本発明のゴム組成物を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、配合物をニーダー、バンバリーミキサー、二軸混練機、単軸混練機等の混練機を用いて混合及び/又は混練することで得ることができる。ゴム、補強材、充填剤、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物、樹脂、硬化剤、架橋剤、その他薬剤の添加の方法は通常に実施される方法で行えばよい。
次に、本発明のタイヤについて説明する。本発明のタイヤは、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物とゴムとを含む本発明のゴム組成物を用いて、通常の方法により作製し、得ることができる。本発明のゴム組成物は加工性に優れるため、特に他の製品に比べて加工工程の多い、タイヤへ好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ここに記載されている「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
<フェノール樹脂組成物の作製>
(フェノール樹脂組成物作製例1)
カシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686、住友ベークライト(株)製)2.5部をアセトン250部に溶解させ、ワニスを作製した。そこへカーボンブラック(ダイアブラックE、三菱化学(株)製)50部を添加し、回転式ミキサーで1分間混合した。これを150℃・1時間、温風対流式乾燥機で乾燥させ、フェノール樹脂組成物Aを得た。得られたフェノール樹脂組成物Aは、光学顕微鏡により、カーボンブラックの表面がカシュー油変性フェノール樹脂で被覆されたものであることが観察された。
(フェノール樹脂組成物作製例2)
カシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686、住友ベークライト(株)製)10部をアセトン50部に溶解させ、ワニスを作製した。そこへカーボンブラック(ダイアブラックE、三菱化学(株)製)10部を添加し、回転式ミキサーで1分間混合した。これを150℃・1時間、温風対流式乾燥機で乾燥させ、フェノール樹脂組成物Bを得た。得られたフェノール樹脂組成物Bは、光学顕微鏡により、カーボンブラックの表面がカシュー油変性フェノール樹脂で被覆されたものであることが観察された。
<ゴム組成物の作製>
以下に示した各種原料、ならびに、フェノール樹脂組成物作製例1及び2で得られたフェノール樹脂組成物A及びBを用い、表1及び表2に示す配合割合(質量部)で、(株)東洋精機製作所製、ラボプラストミル10C100を用いて、100℃で加熱混練し、ゴム組成物を得た。
カシュー油変性フェノール樹脂:PR−12686、住友ベークライト(株)製
天然ゴム:RSS3、(株)東知製
カーボンブラック:ダイアブラックE、三菱化学(株)製
酸化亜鉛:1号、堺化学工業(株)製
ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR、日油(株)製
硫黄:微粉硫黄、細井化学工業(株)製
加硫促進剤:ノクセラーDM、大内新興化学工業(株)製
硬化剤:ヘキサメトキシメチルメラミン、バラ・ケミカル社製
<加硫ゴムシートの作製>
得られたゴム組成物を、圧縮成形にて160℃、20分間加硫して、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。
<評価項目>
作製した未加硫状態のゴム組成物(未加硫ゴム)、及び加硫して得られる加硫ゴムシートについて、下記の評価を行った結果を表3及び表4に示した。
<未加硫ゴムの評価>
スコーチタイム
JIS K 6300−1に準拠し、(株)東洋精機製作所製、ムーニービスコメーターRLM−3を用いて、L型ローター、125℃におけるムーニースコーチタイムを測定した。5%粘度上昇tをスコーチタイムとして、評価に用いた。
加硫時間
JIS K 6300−2に準拠し、(株)東洋精機製作所製、ディスクレオメーターを用いて、160℃における加硫速度を測定した。90%加硫時間t90を加硫時間として評価に用いた。
<加硫ゴムシートの評価>
硬度
JIS K 6253−3に準拠して、(株)東洋精機製作所製、タイプDデュロメーターを用いて、硬度を測定し、評価した。
破断伸び
JIS K 6251に準拠して、(株)東洋精機製作所製のストログラフを用い、ダンベル状3号形、引張速度50mm/分で試験を行い、破断時の伸びを測定し、評価した。
表3の結果から明らかなように、樹脂配合量が同じで本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物を含む実施例1とこれを含まない比較例1との対比において、実施例1のゴム組成物は加硫速度が低下すること無く、スコーチタイムが長くなっていることが判る。また、表4の結果から明らかなように、樹脂配合量を増やした場合においても、同様に、樹脂配合量が同じで本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物を含む実施例2、3とこれを含まない比較例2との対比において、実施例2、3のゴム組成物は加硫速度が低下すること無く、スコーチタイムが長くなっていることが判る。また、充填剤(b)100部に対するフェノール樹脂(a)の量が多い実施例2では、硬度及び破断伸びが若干低下したものの、実施例1、3では、樹脂配合量が同じそれぞれ比較例1、2と比較しても、硬度や破断伸びに差は無く、ゴム物性の低下は認められなかった。したがって、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物を用いたゴム組成物は物性を損なうことなく、優れた加工性を付与できることが判る。
本発明に従うと、加硫速度の低下を招くこと無く、スコーチタイムが改善された良好な加工性を有するゴム組成物を得ることができるため、各種用途、特に、加工工程の多い製品であるタイヤへ好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. 第1のフェノール樹脂(a)と充填剤(b)を含むゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、前記充填剤(b)は前記第1のフェノール樹脂(a)によって表面が被覆されたものである、ことを特徴とするゴム配合用フェノール樹脂組成物。
  2. 前記第1のフェノール樹脂(a)の含有量が前記充填剤(b)100質量部に対して0.5質量部以上、25質量部以下である、請求項1に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
  3. 前記第1のフェノール樹脂(a)がフェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むものである、請求項1又は請求項2に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
  4. 前記第1のフェノール樹脂(a)が未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂を少なくとも1種含むものである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
  5. 前記充填剤(b)が炭素質材料である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
  6. 前記炭素質材料がカーボンブラックである、請求項5に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のフェノール樹脂組成物とゴムとを含むゴム組成物であって、前記第1のフェノール樹脂(a)の含有量が前記ゴム100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下である、ことを特徴とするゴム組成物。
  8. さらに第2のフェノール樹脂(c)を含み、前記第1のフェノール樹脂(a)と前記第2のフェノール樹脂(c)の合計含有量が前記ゴム100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下である、請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 前記第1のフェノール樹脂(a)の含有量が前記第2のフェノール樹脂(c)100質量部に対して0.5質量部以上である、請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 前記第2のフェノール樹脂(c)がフェノール、アルキルフェノールから選ばれる構造を少なくとも1種含むものである、請求項8又は請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 前記第2のフェノール樹脂(c)が未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂を少なくとも1種含むものである、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  12. 請求項7から請求項11のいずれか1項に記載のゴム組成物を含んでなる、ことを特徴とするタイヤ。
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CN111051083A (zh) * 2017-08-31 2020-04-21 株式会社普利司通 充气轮胎

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