JP2014156731A - 架台基礎部用型枠及び架台構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】あらかじめ一体成形された捨て型枠として組み立てや分解の作業を省略できると共に、複数積み重ね可能とされて運搬や設置対象箇所への設置等において型枠載置スペースを大幅に縮減でき、架台構築作業の簡略化が図れる架台基礎部用型枠を提供する。
【解決手段】型枠本体11を、錐台の上下面を除去した形状とすると共に、型枠本体上縁部に内方に突出する配置として吊支用部材を配設し、型枠10を積み重ね可能とすることから、運搬や現場仮置き時には複数の型枠10を積み重ねるようにすれば、型枠の占有スペースの面で有利であることに加え、型枠を積み重ねた状態でも内方に突出する配置の吊支用部材に所定の型枠吊具70を連結して複数の型枠10をまとめて吊支可能であり、複数の型枠10を一度に移動させられるなど型枠の取扱い性に優れ、基礎部の構築に係る型枠設置作業の点でも有利となり、工事全体のコストダウンが図れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の支持対象物を架設支持するための架台における、地面近くの架台基礎部を形成するための型枠と、この型枠を用いた架台の構築方法に関する。
太陽電池パネルを多数用いて太陽の光から電力を得る太陽光発電施設は、近年の環境問題に対する意識の高まりに加えて、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始等を受けて、ますます増加しており、適度な広さの空いた土地を発電施設に活用する例も増えている。こうした太陽光発電施設は、太陽電池パネルを太陽の仰角に対応させた傾斜状態で効率よく並べて配置するために、地面に据え付けた架台上に太陽電池パネルを取り付けるのが一般的である。
太陽電池パネルを取り付ける架台としては、地面に設置したコンクリート製等の基礎上に鋼材等を組み合わせたフレームを一体化したものや、架台のほとんどをコンクリート構造物としたものなどが従来から用いられている。
このような従来の太陽電池パネル用の架台の例として、特開2012−186215号公報や、特開2007−35849号公報に記載されるものがある。
特開2012−186215号公報 特開2007−35849号公報
従来の太陽電池パネル用の架台は前記各特許文献に示される構成となっており、通常、太陽光発電施設では施設用の敷地内に多数の太陽電池パネルを設置するために、架台を広範囲に配設するようになることから、現場打ちのコンクリート基礎とフレームとの一体化構造の架台を採用した場合、架台の設置にあたっては、基礎の構築に用いる型枠の部品を設置現場に搬入し、現場で型枠を組み立て、必要に応じ型枠内に鉄筋を組み、架台の支柱部分を建て込むなどした上で、型枠内にコンクリートを打設し、さらに所定の養生時間を経た後、型枠を分解して他の基礎を設置する箇所まで運ぶといった一連の基礎構築作業を複数回繰り返すこととなり、架台の設置に手間と時間がかかるという課題を有していた。
また、コンクリート基礎が外部で製造されて設置現場に導入される場合、基礎の重量が大となることから、設置現場での取り扱いに配慮が必要となり、基礎設置作業のコストも大となってしまうという課題を有していた。
一方、架台をほぼコンクリート構造物とする場合、現場打ちコンクリート製とすると、やはりコンクリートが硬化するまでの保持に型枠が必要となり、構造物の大きさから型枠が大がかりなものとなる分、型枠の組み立てや分解の作業には手間がかかることとなる。型枠を、前記特許文献2で示される外皮のように、成形品の捨て型枠として、型枠自体が架台表面部をなす場合、組み立てや分解の作業は必要なくなるものの、その構造上、大きなスペースを占有して、現場までの移送や現場での設置作業を効率よく行えないという課題を有していた。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、あらかじめ一体成形された捨て型枠として組み立てや分解の作業を省略できると共に、複数積み重ね可能とされて運搬や現場搬入、設置対象箇所への設置等において型枠載置スペースを大幅に縮減でき、架台の構築作業の簡略化が図れる架台基礎部用型枠、及び、当該型枠を複数積み重ねた状態で取り扱うことで作業効率を高められる架台構築方法を提供することを目的とする。
本発明に係る架台基礎部用型枠は、上面側より下面側が大きい錐台形状における上面及び下面を開放した中空の枠形状として形成される型枠本体と、当該型枠本体における中空部を挟んで対向する上縁部の少なくとも二箇所に、それぞれ上縁部から中空部側へ突出する状態で型枠本体と一体に配設される、吊支用部材とを備え、前記型枠本体が、少なくとも前記吊支用部材を介して吊支された場合に枠形状を維持可能であり、且つ型枠として保持する対象の流動性材料を中空部に打設されても変形しない強度を有してなり、中空部に打設された流動性材料が硬化した後もそのまま残されて架台の基礎部における側面部分をなすものである。
このように本発明によれば、型枠本体を、錐台の上下面を除去した形状とすると共に、型枠本体上縁部に内方に突出する配置として吊支用部材を配設し、型枠を積み重ね可能とすることにより、運搬や現場仮置き時には複数の型枠を積み重ねるようにすれば、型枠の占有スペースの面で有利であることに加え、型枠を積み重ねた状態でも内方に突出する配置の吊支用部材に所定の型枠吊具を連結して複数の型枠をまとめて吊支可能であり、複数の型枠を一度に移動させられるなど型枠の取扱い性に優れ、基礎部の構築に係る型枠設置作業の点でも有利となり、工事全体の極めて大きなコストダウンが図れる。また、型枠中空部に打設されたコンクリート等の流動性材料が硬化した後、型枠をそのまま残して基礎部表面として利用するのに適しており、型枠として設置するのみで別途組み立てや分解の必要がなく、基礎部構築に係る手間を軽減できる。
また、本発明に係る架台基礎部用型枠は必要に応じて、前記型枠本体が、内部に補強材を埋め込まれる構造として形成され、前記吊支用部材が、前記補強材と共に型枠本体内へ埋め込まれる埋設部と、型枠本体の外に露出する部分とを有して、前記埋設部の型枠本体内への埋め込みで型枠本体と一体化される部材として形成され、吊支用部材の埋設部が、型枠本体内部の補強材と係合した状態で型枠本体内に埋め込まれているものである。
このように本発明によれば、吊支用部材をその埋設部の型枠本体への埋め込みで型枠本体と一体化させると共に、吊支用部材の埋設部が型枠本体内部の補強材と係合した状態とされることにより、吊支用部材における埋設部の大きさを小さくしても型枠本体との結合強度を高くすることができ、型枠の吊支時の支持強度を十分なものとして安全を確保しつつ、吊支用部材の埋設部を必要最小限の大きさとしてコストダウンが図れる。
また、本発明に係る架台基礎部用型枠は必要に応じて、前記型枠本体が、コンクリート製とされ、前記補強材として所定の線条材を一又は複数埋め込まれてなり、前記吊支用部材が、前記埋設部及び型枠本体の外に露出する部分を略板状とされ、埋設部の範囲に一又は複数の切欠き部を設けられ、前記吊支用部材が、前記補強材連続方向と直角をなす向きとして配設され、埋設部の切欠き部を補強材が通る配置とされるものである。
このように本発明によれば、吊支用部材における埋設部及び型枠本体の外に露出する部分を略板状とすると共に、埋設部の型枠本体内部の補強材との係合部分を、線状材である補強材が挿入配設される切欠き部とすることにより、吊支用部材そのものの構造を大幅に簡略化できると共に、埋設部と補強材との係合も極めて簡略に実現でき、吊支状態を考慮した型枠の必要な強度を確保しつつ、型枠の製造に係るコストを大きく低減できる。
また、本発明に係る架台基礎部用型枠は必要に応じて、前記吊支用部材が、フックであり、型枠本体上縁部から中空部側へ突出する鉤状部を少なくとも有し、当該鉤状部が、鉤先端が下向きとなる配置とされると共に、鉤状部の前記型枠本体上縁部より上側となる最上部より鉤先端側に位置する鉤外周部分を、鉤先端側に向けて斜め下に傾斜する形状とされ、且つ、鉤状部の鉤内周部分が、少なくとも前記鉤外周部分の斜め下に傾斜する形状部分の下側の範囲で、斜め上に傾斜する形状部分と鉤先端側に向けて斜め下に傾斜する形状部分とに挟まれた谷状の凹部分を生じさせる形状とされてなり、前記凹部分を鉤内周部分で最も上方に位置させるものとなるものである。
このように本発明によれば、吊支用部材としてのフックの、鉤状部における型枠吊支用の所定の器具の掛かる鉤内周部分を、その最上部に谷状の凹部分を位置させる形状として、吊支用の器具での吊支状態で器具端部が必ず凹部分に位置するようにすると共に、その上側の鉤外周部分を鉤先端に向かう斜め下向き傾斜形状として、吊支用の器具が弛んだ状態では器具端部がその傾斜形状に誘導されて鉤先端側へ向かい、鉤状部から自然に外れるようになることにより、吊支用の器具を用いて吊支した状態の型枠を下ろして着地させると、弛んだ吊支用の器具端部が自動的にフックの鉤状部から外れて、型枠を解放状態とすることができ、型枠設置後、フックから吊支用の器具を取り外す作業が不要となり、型枠設置に係る作業能率を高められる。
また、本発明に係る架台構築方法は必要に応じて、架台基礎部用型枠が複数積み重ねられて一組とされたものを、一又は複数組、型枠設置箇所近くに仮置きし、前記一組の積み重ねた状態の型枠ごとに、全ての型枠の各吊支用部材にそれぞれ掛脱可能な複数の掛止部と、当該掛止部を一端部にそれぞれ設けられる複数の可撓性部材と、当該各可撓性部材の他端部をまとめて取り付けられる支持部材とを少なくとも有する型枠吊具を用いて、各型枠における吊支用部材に型枠吊具の各掛止部をそれぞれ掛けた状態とし、積み重ねた型枠の組ごとに、型枠吊具の支持部材を上昇させ、弛んだ状態にあった型枠吊具の各可撓性部材をそれぞれ緊張状態に移行させて各型枠をまとめて吊り上げ、各型枠を所定間隔で上下に互いに離隔した状態に維持しつつ、型枠吊具及び各型枠を所定の型枠設置箇所まで移動させ、各型枠を所定の型枠設置箇所上方に到達させたら、最も下側の型枠を型枠設置箇所の地面に着地させると共に、前記最も下側の型枠と隣り合う直上の型枠とが離隔した状態を保つ程度に、型枠吊具の支持部材を下降させ、最も下側の型枠が地面に着地し、当該型枠に対応する型枠吊具の掛止部が吊支用部材から外れるか、前記型枠に対応する型枠吊具の可撓性部材他端部が支持部材から外れて、型枠吊具から最も下側の型枠が解放された後、再び型枠吊具の支持部材を上昇させて残りの型枠をまとめて吊り上げ、各型枠を所定間隔で上下に互いに離隔した状態に維持しつつ、型枠吊具及び各型枠を次の型枠設置箇所まで移動させ、以降は前記同様の作業を繰り返して、全ての型枠設置箇所に型枠を設置し、設置された各型枠に対し、あらかじめ一体化された架台上部構造部を型枠上方に位置させ、続いて架台上部構造部を下ろして架台上部構造部における下部をそれぞれ型枠の上側開口から型枠中空部分に挿入し、さらにコンクリートを型枠中空部分に打設し、硬化させて、型枠ごと架台上部構造部と一体化した基礎部を得るものである。
このように本発明によれば、型枠を積み重ねてまとめて吊支し、順次設置箇所に型枠を下ろし、吊支状態から解放して設置していくことで、複数の型枠を積み重ねてまとめて取り扱うことができ、型枠をその都度付け替えて吊支し移動させる手間が省け、型枠設置箇所への型枠設置を能率よく実行でき、その後の基礎部構築及び架台全体の構築もスムーズに行える。また、型枠と打設したコンクリートを一体化させてそのまま基礎部とすることにより、基礎部の構築にあたり型枠組み立てや分解の作業は不要であり、効率よくコンクリートを打設して基礎部を構築できる。加えて、設置された型枠に対し架台上部構造部をまとめて移送して位置決めすることで、支柱建て込み等の慎重を要する作業が不要であり、速やかに架台上部構造部と基礎部を一体化させて架台を効率よく構築できる。
本発明の一実施形態に係る架台基礎部用型枠の吊支準備状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る架台基礎部用型枠の吊支開始状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る架台基礎部用型枠の(A)一部断面図、(B)吊支時におけるフック上での環状金具移動状態説明図、及び、(C)型枠着地時におけるフックからの環状金具脱落状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る架台基礎部用型枠の複数吊支状態からの着地に伴う設置状態への移行過程説明図である。 本発明の一実施形態に係る架台構築方法による架台上部構造物の型枠に対する吊り下ろし状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る架台構築方法による架台上部構造物の設置完了状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る架台構築方法により得られた架台の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る架台基礎部用型枠の(A)吊支開始時における他の吊支用部材上での掛止部移動状態説明図、(B)他の吊支用部材上での掛止部の安定吊支状態への移行状態説明図、及び、(C)型枠着地時における他の吊支用部材からの掛止部脱落状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る他の架台基礎部用型枠の設置状態説明図である。
以下、本発明の一実施形態を前記図1ないし図7に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、太陽電池パネルを支持するための架台への適用例について説明する。
前記各図において本実施形態に係る架台基礎部用型枠10は、上面側より下面側が大きい錐台形状における上面及び下面を開放した中空の枠形状として形成される型枠本体11と、この型枠本体11における中空部を挟んで対向する上縁部の複数箇所にそれぞれ上縁部から中空部側へ突出する状態で型枠本体11と一体に配設される、吊支用部材としてのフック12とを備える構成である。
また、この本実施形態に係る型枠10を用いて構築される架台50は、この型枠10をあらかじめ設定された型枠設置箇所に設置した状態で、少なくともコンクリートを型枠10の中空部に打設し硬化させ、型枠10と一体化させて形成される基礎部30と、少なくとも三つ以上の支柱部41を有して自立可能とされ、あらかじめ一体化されてなる架台上部構造部40とを備えるものである。
前記型枠10は、型枠本体11の中空部に硬化する流動性材料としてのコンクリートを打設される一方、打設されたコンクリートが硬化した後も取り外されることなくそのまま残されて、架台50の基礎部30における側面部分をなす、いわゆる捨て型枠となっている。
前記型枠本体11は、水平に切断した場合の断面形状が細長い矩形となる四角錐台形状における上面及び下面を開放した中空の枠形状をなすように、コンクリート等の流動性材料を硬化させて形成され、その内部には鉄筋等の補強材11a及びフック12の一部をあらかじめ埋め込まれる構成である。型枠本体11は所定の厚みを有しているが、型枠本体11の上縁部外周位置よりも下縁部内周位置が外側に位置するよう形状を設定されており、型枠本体同士を複数上下に無理なく積み重ねることが可能である。
この型枠本体11は、それ自体をフック12を介して吊支された場合にその枠形状を維持可能であり、また、所定数積み重ねてもその荷重で破損したりせず、さらに、型枠として保持する対象であるコンクリートを中空部に打設されても変形することなく型枠としての機能を確実に維持できる強度を有している。
この型枠本体11を用いる型枠10は、上下に開口のある簡略なコンクリート製の枠状体であり、錐台形状に準じて側面部のいずれでも上部より下部が大きいので、上下に積み重ね可能であり、移送や仮置き等の際の占有スペースを必要最小限とすることができ、型枠そのもののコストだけでなく、型枠の取り扱いに係るコストも低減できる。また、型枠設置後のコンクリート打設により重量のある安定した状態に容易に移行させられると共に、型枠10はそのまま基礎部30の一部として架台全体の支持に使用でき、基礎部構築に係る作業コストも抑えられる。
なお、型枠本体11は、水平に切断した場合の断面形状が矩形となる、四角錐台形状における上面及び下面を開放した中空の枠形状として形成される構成としているが、上面側より下面側が大きい錐台形状をベースにした積み重ね可能なものであれば、型枠本体を、円錐台や楕円錐台、他の多角錐台形状における上面及び下面を開放した中空の枠形状とする構成としてもかまわない。
前記フック12は、型枠本体11の外に露出する鉤状部12aと、補強材11aと共に型枠本体11内へ埋め込まれる埋設部12bとを有し(図3(A)参照)、埋設部12bの型枠本体11内への埋め込みで型枠本体11と一体化される略板状部材として形成される構成である。このフック12は、型枠本体11の長手方向と平行となる二つの上縁部にそれぞれ所定間隔で二つ配設されて、合計四つとされる。各フック12は、それぞれ長手方向と直交する向きで中空部を挟んで他のフックと対向すると共に、中空部の中心位置を挟んでさらに別のフックと対向する対称配置とされており、フック12を介して吊支した状態で型枠10がバランスを崩さず、地面と平行な状態を維持できるようにしている。
フック12は、その鉤状部12aと埋設部12bを連続する略板状として形成され、その厚さは数ミリ程度で強度的にも十分なものとすることができる。ただし、基礎部の完成後における人との接触に係る安全性を考慮した場合、鉤状部12aの厚さは厚い方が望ましい。
これらフック12は、型枠本体11の上縁部から中空部側へ、すなわち内方へ突出していることで、型枠10を複数積み重ねたとしても、型枠10のフック12と、隣り合う他の型枠における型枠本体等との接触はなく、型枠同士を無理なく積み重ねることができると共に、型枠を積み重ねた状態でも各フック12に対し型枠吊支用の器具を問題なく掛止状態とすることができる。
このフック12の鉤状部12aは、鉤先端が下向きとなる配置とされる構成である。そして、鉤状部12aは、この鉤状部における型枠本体11上縁部より上側となる最上部より鉤先端側に位置する鉤外周部分を、鉤先端側に向けて斜め下に傾斜する形状とされる。加えて、鉤状部12aの鉤内周部分は、少なくとも前記鉤外周部分の斜め下に傾斜する形状部分の下側の範囲で、斜め上に傾斜する形状部分と鉤先端側に向けて斜め下に傾斜する形状部分とに挟まれた谷状の凹部分12dを生じさせる形状とされてなり、この凹部分12dを鉤内周部分で最も上方に位置させるものとなっている。
なお、鉤状部12aにおける前記最上部より型枠本体11上縁部側に位置する鉤外周部分は、上縁部側に向けて斜め下に傾斜する形状とされており、この部分に型枠吊支用の器具、具体的には、後述する型枠吊具70の環状金具71を掛止可能とされる構成である。
また、フック12のうち、埋設部12bは、複数の切欠き部12cを設けられる構成である。この切欠き部12c内に補強材11aの一部が位置する配置関係とされて、補強材11aが埋設部12bの上方への移動に対する障害となるように、埋設部12bと補強材11aが係合した状態で、型枠本体11内へあらかじめ埋め込まれて配設される構成である(図3(A)参照)。
フック12の型枠本体11への埋め込みによる結合強度、及び、フック12そのものの強度は、フック12を介して型枠本体11を吊支した場合に、フック12が型枠本体11との一体性を維持可能な程度であればよいが、架台撤去時を考慮した場合、型枠本体中空部分にコンクリートを打設して硬化一体化させてなる基礎部30を、フック12を介して吊支可能となる程度に付与するのが望ましい。
また、前記型枠10を用いて構築される基礎部30は、型枠設置箇所に設置された各型枠10に対し、上側開口から必要に応じ鉄筋31を中空部へ挿入すると共に、架台上部構造部40における一又は複数の支柱部41の下部を同じく型枠10の上側開口から中空部に挿入した状態で、硬化する流動性材料としてのコンクリートを中空部に打設されて、架台上部構造部40と一体に形成されるものである。
この基礎部30が設けられる位置、すなわち型枠設置箇所は、架台上部構造部40の各支柱部41の配置に対応したものとされ、全ての支柱部41下部に基礎部30を設けられることとなる。
この基礎部30と共に架台50を構成する架台上部構造部40は、鋼材やアルミ形材等からなる柱材や梁材を組み合わせた構造体(フレーム)であり、太陽電池パネルを傾斜状態で支持可能な所定形状とされてなるものである。本実施形態では、一組の架台上部構造部40は、八本の支柱部41を有して自立可能に形成され、所定間隔で並列配置された四つの基礎部30に支柱部41をそれぞれ二本ずつ固定されて設置される。
この架台上部構造部40は、架台50の構築作業に先立って一体化されており、吊支しての上げ下げなど移送の際はそのまま一体の架台上部構造部40として取り扱われる。なお、架台上部構造部としては、より小型の構成として四本の支柱部を有して自立可能に形成されるものとしたり、揚重機等で吊支可能な範囲で、さらに多くの支柱部を有する、より大型のものとすることもできる。
この架台上部構造部40の他の構造については、従来公知の太陽電池パネルを支持する架台のフレーム等と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
本実施形態における架台構築方法で、積み重ねた複数の型枠10の吊支に用いる型枠吊具70は、各フック12ごとに対応する掛止部としての環状金具71と、一端部に環状金具71を取り付けられる可撓性部材としてのワイヤ72と、複数のワイヤ72をまとめて支持する支持部材73からなるものである。
前記ワイヤ72は、一端部に環状金具71を取り付けられ、他端部を支持部材73に着脱可能に支持されるものであり、いずれも同じ長さとして用いられる。このワイヤ72及び一端部の環状金具71は、それぞれ型枠10を吊支するのに十分な強度を有するものである。なお、可撓性部材はワイヤに限られるものではなく、チェーンや、ワイヤとチェーンとを組合せたものを用いることもできる。
前記支持部材73は、所定長さの棒状体であり、各ワイヤ72他端部を、そのワイヤが支持する型枠の上下位置に合わせて上下方向の位置を変えて着脱可能に取り付けられる構成である。この支持部材73は、その上部を直接又は吊支用の他の介在物を介して揚重機や荷役機等、例えば、クレーン、に支持されて、上下移動可能に吊支されることとなる。
この支持部材73における各型枠ごとのワイヤ取付位置は、それぞれのワイヤ72下端の環状金具71の位置が、各型枠10を吊支してワイヤ72が緊張した状態で、上下に隣り合う各型枠10が離隔して互いに接触しないような位置関係をなす配置(図2参照)とされる。具体的には、各ワイヤ取付位置は、型枠10の寸法に対応して、積み重ねた型枠が互いに密着した状態から互いに接触しなくなる程度に上下に離れる所定距離分、離隔させた配置とされる。
この場合、上記のワイヤ取付位置の配置に代えて、支持部材73における各型枠10ごとのワイヤ取付位置を同じにするか、上下方向の取付位置の違いを小さくすると共に、各ワイヤの長さをそれぞれ異ならせて、吊支状態における型枠の位置を互いに接触しないようにしてもよい。
支持部材73により、各型枠10を吊支してワイヤ72が緊張した状態では、各型枠10は互いに接触しない配置とされたまま、型枠10の吊支状態が維持される一方、吊支状態から支持部材73を下げて、支持部材73と地面に着地した最下部の型枠との距離が縮まると、この最下部の型枠につながるワイヤが弛み、ワイヤ一端部の環状金具71が型枠10のフック12における鉤状部12aの凹部に相対的に押し付けられていた状態から解放されて下方にずれることで、自然にフック12から環状金具71が外れる状態を得られる仕組みである。
こうして、型枠吊具70を用いて互いに離隔させた吊支状態の各型枠10を所定の型枠設置箇所まで移動させ、型枠設置箇所上方に到達させたら、最下部の型枠10が型枠設置箇所の地面に着地し、且つ、前記最下部の型枠10に対しその直上の型枠が接触しない程度に、型枠吊具70及び各型枠を下げることで、最下部の型枠10をまとめて吊支される状態から自動的に解放して型枠設置箇所に設置することができる(図4参照)。
前記型枠吊具70を用いて、複数積み重ねた型枠の組を複数組吊支して型枠を一度に複数箇所設置する場合、この型枠吊具70を所定の枠体に横方向所定間隔で複数取り付けて、それぞれで型枠の組を支持するようにすればよい(図1参照)。型枠吊具70の数は、吊支する型枠の総重量が揚重機や荷役機等の吊支可能な範囲となるようにし、あらかじめ設定された型枠設置箇所の水平方向間隔に合わせて所定数の型枠吊具70を並べた状態とする。これにより、複数積み重ねた型枠の組を一度にまとめて吊り上げて、複数の型枠設置箇所に対し必要最小限の上げ下ろし作業で型枠を一括設置できる。また、例えば型枠吊具及び型枠の吊支にラフタークレーンを用いるとすると、クレーンを細かく移動させず旋回させるのみで型枠吊具及び型枠の位置を変えて複数組の型枠を各型枠設置箇所に到達させられ、一度に複数の型枠を設置でき、クレーンの作業可能範囲を有効に活用して作業工数を低減できる。
次に、前記構成に基づく架台基礎部用型枠を用いる架台構築方法を適用した架台の構築工程について説明する。前提として、複数積み重ねられた状態の型枠10や、あらかじめ一体に組み合わされている架台上部構造部40は、揚重機や荷役機等で無理なく吊支可能な重量であり、また、型枠10を積み重ねる段数は、積み重ねられた型枠のいずれに対しても作業者が型枠吊具70の環状金具71をフック12に掛止する作業を実行できる程度に設定するものとする。
まず、型枠の設置工程として、型枠10を所定数積み重ねた組状態で、その一又は複数組を、架台の設置計画に基づいた、型枠設置箇所近くに搬入、仮置きする。
積み重ねられた組の各型枠における全てのフック12に対し、型枠吊具70の各型枠ごとに対応するワイヤ72一端部の環状金具71をそれぞれ掛止した状態とする。環状金具71は、フック12の鉤状部12aにおける、最上部より型枠上縁部側の、最上部より下となる最奥部位まで環状金具71を進めて、環状金具71がフック12に保持されて落ちない状態とする。
こうした型枠10のフック12に対する作業は、積み重ねた型枠10に対しそのまま実行されるため、型枠10の積み重ね段数は作業者の手が最下部の型枠のフックに届く程度とする(例えば、型枠の高さ約30cmの場合積み重ね数は4〜5となる)。
型枠吊具70の各環状金具71の、各型枠10のフック12に対する掛止が完了したら、そして、各型枠10を積み重ねた状態(図1参照)のまま、揚重機や荷役機等を用いて各型枠吊具70の支持部材73を上昇させる。支持部材73の上昇により、支持部材73に連結されたワイヤ72が上から順に緊張状態へ移行し、積み重ねられた型枠10を上から吊り上げていく。
型枠吊具70の支持部材73におけるワイヤ取付位置が上下に異なり、この取付位置の上下間隔は、積み重なった状態で隣り合う型枠のフック間距離より大きいことから、支持部材73が上昇していずれのワイヤ72も緊張した状態では、ワイヤ72に連結する各型枠を、互いに離隔させることとなる(図2参照)。こうして型枠吊具70で各型枠を互いに離隔した状態に保持しつつ吊支して、所定の型枠設置箇所まで移動させる。
型枠吊具70で吊支した各型枠10を所定の型枠設置箇所上方に到達させたら、揚重機や荷役機等により型枠吊具70を下降させて、型枠吊具70に吊支された複数の型枠のうち、最も下側の型枠を型枠設置箇所の地面に付ける。そして、型枠吊具70の支持部材73をさらに所定高さまで下降させ、最も下側の型枠と隣り合う直上の型枠が最も下側の型枠と接触しない程度に、最も下側以外の型枠も下げる。こうして、各型枠のうち最も下側の型枠10が地面に付いてから、さらに型枠吊具70の支持部材73を下げていることで、最も下側の型枠10に対応するワイヤ72は緊張状態から弛んだ状態に移行する。
型枠10が吊支されてワイヤ72が緊張状態にある場合には、フック12における環状金具71は、これを上方へ移動させようとする力を受けていることから、フック12に対し上に移動しようとして、その下部をフック12の鉤状部12aにおける鉤内周部分で最も上にある谷状の凹部分12dに位置させる状態に達して停止し、この位置でフック12を安定して支える状態となっている(図3(A)、(B)参照)。
そして、ワイヤ72が緊張状態から弛んだ状態に移行すると、ワイヤ72の弛みに伴い、環状金具71はその自重でフック12に対し下に移動しようとして、その下部が凹部分12dから離れる一方、環状金具71上部がフック12の鉤状部12aにおける鉤外周部分に接することとなる。この鉤状部12aの鉤外周部分における、凹部分12dのちょうど上側にあたる部位から最上部までは、少なくとも環状金具71の内寸を超える寸法とされ、この時下がった環状金具71の上部が接する鉤外周部分は、必ず最上部から鉤先端側に向かう斜め下向きの傾斜形状部分となる。これにより、環状金具71は、ワイヤ72が緊張状態から弛んだ状態に至ると、自重で鉤外周部分の傾斜形状部分に沿って鉤先端側へ導かれる、すなわち、環状金具71はフック12の鉤状部12aから自動的に外れることとなる(図3(C)参照)。
このようにして、最も下側の型枠10が地面に着地し、さらにこの型枠10に対応するワイヤ72が弛んで、環状金具71がフック12から外れることで、最も下側の型枠が型枠吊具70から解放され、型枠設置箇所への設置状態となる(図4参照)。この後は、揚重機や荷役機等で再び型枠吊具70の支持部材73を上昇させて残りの型枠を吊り上げて、次の型枠設置箇所へ移動させ、上記同様の作業を繰り返して、全ての型枠設置箇所に型枠を設置していく。
型枠10におけるフック12の鉤状部12a形状を工夫して、型枠が10複数積み重なっている吊支前の段階では、型枠吊具70の環状金具71がフック12に掛止されて落下しない状態を確保できると共に、一旦型枠吊具70で型枠10を吊支した後、下ろして型枠10を地面に着地させた場合、環状金具71がフック12から自動的に外れる状態が得られることで、型枠の設置に係る作業を省力化できる。
続いて、基礎部の構築工程として、各型枠設置箇所に設置された型枠10に対し、その上側開口部分から必要に応じ鉄筋31を挿入して中空部の所定高さ位置に配置した後、あらかじめ一体化された架台上部構造部40を揚重機や荷役機等で吊り上げて、その支柱部41が型枠上方に位置するようにし(図5参照)、さらに架台上部構造部40を下ろして、その支柱部41下部をそれぞれ型枠10の上側開口部分から中空部に挿入する(図6参照)。架台上部構造部40の各支柱部41がそれぞれ対応する型枠の中空部に位置する状態で、架台上部構造部40はその支柱部41により自立する構造となっていることから、別途架台上部構造部40を支えておく必要はない。
架台上部構造部40を設置したら、生コンクリートを各型枠10の中空部に打設し、硬化させる。コンクリートの硬化により得られた打設コンクリート硬化部20が、外側の型枠10と共に、架台上部構造部40の支柱部41下部と一体化した基礎部30となって、そのまま架台50として完成となる(図7参照)。この後、架台50に対し、例えば太陽電池パネル等の支持対象物をさらに設置することとなる。
このように、本実施形態に係る架台基礎部用型枠においては、型枠本体11を、四角錐台の上下面を除去した形状とすると共に、型枠本体上縁部に内方に突出する配置としてフック12を配設し、型枠10を積み重ね可能とすることから、運搬や現場仮置き時には複数の型枠10を積み重ねるようにすれば、型枠10の占有スペース低減の面で有利であることに加え、型枠10を積み重ねた状態でも内方に突出する配置のフック12に型枠吊具70を連結して複数の型枠10をまとめて吊支可能であり、複数の型枠10を一度に移動させられるなど型枠10の取扱い性に優れ、基礎部30の構築に係る型枠設置作業の点でも有利となり、工事全体のコストダウンが図れる。また、型枠中空部に打設されたコンクリート等の流動性材料が硬化した後、型枠10をそのまま残して基礎部30表面として利用するのに適しており、型枠10として設置するのみで別途組み立てや分解の必要がなく、基礎部構築に係る手間を軽減できる。
なお、前記実施形態に係る架台基礎部用型枠においては、型枠本体11をコンクリート製としているが、これに限らず、型枠本体を、フック等の吊支用部材を介して吊支された場合に枠形状を維持可能であり、且つコンクリート等の流動性材料を中空部に打設されても変形することのない十分な強度を有する、金属やプラスチック製としてもかまわない。またこの場合、型枠本体とフック等の吊支用部材を、同じ材質で一体成形するのが、構成を簡略化できる点で望ましい。
また、前記実施形態に係る架台基礎部用型枠においては、型枠上縁部から突出する吊支用部材としてフック12を設ける構成としているが、この他、フックに代えて、環状部分を有するか、型枠上縁部と共に閉じた環状部分を生じさせる形状の環部材16を設ける構成とすることもできる。この場合、型枠吊具の掛止部としては、環部材16に掛かるフック76を用いることとなる(図8参照)。このフック76の形状が、環部材16の下側からフックの鉤先端が通って掛止可能な大きさで、且つ鉤先端部を環部材16に掛けられるように鉤内周側へ大きく曲げた形状とされ、さらに、フック76が型枠吊具のワイヤ(図示を省略)に自然に吊り下げられた状態(図8(C)参照)で、鉤内周部分の最も下で且つ鉤先端の下側からは外れた位置となる谷状の凹部分76aを生じさせる形状とされてなることで、積み重なっている型枠14の環部材16に型枠吊具のフック76を掛け、このフック76の環部材16への掛止状態を維持した上で、型枠吊具で各型枠を一旦吊り上げた後、各型枠を下ろして最も下側の型枠を地面に着地させ、型枠吊具のワイヤが弛んだ状態とすると、型枠吊具のフック76が環部材16から自動的に外れることとなる。
詳細には、型枠14が吊支されてワイヤが緊張状態にある場合には、環部材16におけるフック76は、これを上方へ移動させようとする力を受けていることから、環部材16に対し上に移動しようとして、フック76における鉤内周部分で最も奥側となる谷状の凹部分76aの位置で環部材16に掛かった状態に達して停止し(図8(B)参照)、この位置で環部材16を安定して支える状態となっている。なお、積み重なっている型枠14の環部材16に型枠吊具のフック76を掛けてから、型枠吊具による吊支の開始でワイヤが緊張状態となり、フック76が谷状の凹部分76aの位置で環部材16に掛かった状態に達するまでの間、フック76と環部材16との相対位置関係が大きく変化するものの、フック76の鉤先端部を鉤内周側へ大きく曲げた形状としているため、フック76の環部材16への掛止状態を確実に維持でき、フック76が外れることはない。
そして、ワイヤが緊張状態から弛んだ状態に移行すると、ワイヤの弛みに伴い、フック76はその自重で環部材16に対し下に移動しようとして、その下部(凹部分76a下側)が環部材16から離れるが、フック76がワイヤに自然に吊り下げられた状態では、フック形状に基づく重心位置の関係から、凹部分76aが鉤内周部分の最も下で且つ鉤先端の下側からは外れた位置となっており、フック76の鉤先端部は環部材16と接触しない位置にあることから、フック76はそのまま環部材16に引っ掛かることなく下がって環部材16から離れる(図8(C)参照)。こうして、フック76は、ワイヤが緊張状態から弛んだ状態に至ると、環部材16に掛かることなく落下する、すなわち、フック76は環部材16から自動的に外れることとなる。
この他、吊支用部材は、型枠吊具をなすワイヤ等の可撓性部材を直接あるいは掛止部を介して連結可能なものであれば、フックや環部材以外の形態を有するものとすることもできる。また、吊支用部材は一様な材質からなる一つの部材に限らず、複数の部材を組み合わせたものでもよく、さらにそれらを必要に応じて分離可能な構造としてもかまわない。
例えば、吊支用部材を、型枠本体から外部に露出するものの上縁部から突出状態とはならない配置のアンカー部と、このアンカー部に着脱可能な吊支用アダプタとの組合せ構造とし、型枠本体から突出する吊支用アダプタが型枠吊具で吊支されるようにすると共に、型枠吊具で各型枠を一旦吊り上げた後、各型枠を下ろして最も下側の型枠を地面に着地させ、型枠吊具のワイヤが弛んだ状態とすると、型枠吊具の掛止部が前記フックや環部材の場合と同様に吊支用アダプタから自動的に外れるような構成とすることもできる。型枠設置後、アンカー部から吊支用アダプタを取り外せば、型枠上縁部で突出するものがなくなり、その後の作業や基礎部構築後の放置状態で人が誤って接触するのを防止できる。
また、前記実施形態に係る架台基礎部用型枠においては、型枠上縁部から突出する吊支用部材として特別な形状のフック12を設けて、一旦吊り上げた型枠を下ろして、最も下側の型枠に対応する型枠吊具のワイヤが弛むと、型枠吊具の掛止部がフックから自然に外れる状態を得る構成としているが、これに限らず、最も下側の型枠が地面に着地した状態を検出して、これに基づいて、型枠に対応する型枠吊具の掛止部が型枠側の吊支用部材から脱落するように作動させる可動機構を設けたり、最も下側の型枠に対応する型枠吊具の可撓性部材他端部が支持部材から離脱するように作動させる自動着脱機構を設ける構成とすることもできる。
また、前記実施形態に係る架台基礎部用型枠において、型枠10は前後に長い形状とされて、コンクリート打設により基礎部30として形成される場合に、架台上部構造部40の前後方向の支柱部41二本を共に型枠本体11の中空部に挿入されてこれらと一体に結合され、前後に長い基礎部30とされる構成としているが、この他、基礎部として形成された後の大きさ及び重量が、基礎部として十分に機能を発揮できるようであれば、図9に示すように、型枠15を、架台上部構造部40の支柱部41一本分と結合する小型の基礎部となる大きさとしてもかまわない。その場合、型枠本体17としては、型枠本体を小さくできる分、フック等を介した吊支時や、型枠積み重ね状態での荷重負担が減少することから、型枠本体の設計強度を下げて形成するようにしても問題ない。加えて、型枠本体17の上縁部におけるフック18の配設数も、型枠本体の小型化による吊支荷重減に合わせて必要最小限の二つに減らすことができる。
さらに、前記実施形態に係る架台基礎部用型枠においては、型枠10下側の地盤には特に構造物を挿入配設しない構成としているが、これに限らず、地盤に所定長さ打ち込まれて用いられる杭状部材を、設置された型枠の中空部分の範囲で新たに地盤に打ち込んで配設するか、型枠設置箇所にあらかじめ打ち込んで配設した状態で型枠を設置した後、そのまま、又は架台上部構造部の支柱部下部と杭状部材上部とを連結一体化させた上で、型枠中空部分へのコンクリート打設により、杭状部材上部と一体化された基礎部を構築する構成とすることもでき、架台の支持強度をさらに向上させられる。
10、14 型枠
11、17 型枠本体
11a 補強材
12、18 フック
12a 鉤状部
12b 埋設部
12c 切欠き部
12d 凹部分
15 型枠
16 環部材
20 打設コンクリート硬化部
30 基礎部
31 鉄筋
40 架台上部構造部
41 支柱部
50 架台
70 型枠吊具
71 環状金具
72 ワイヤ
73 支持部材
76 フック
76a 凹部分

Claims (5)

  1. 上面側より下面側が大きい錐台形状における上面及び下面を開放した中空の枠形状として形成される型枠本体と、
    当該型枠本体における中空部を挟んで対向する上縁部の少なくとも二箇所に、それぞれ上縁部から中空部側へ突出する状態で型枠本体と一体に配設される、吊支用部材とを備え、
    前記型枠本体が、少なくとも前記吊支用部材を介して吊支された場合に枠形状を維持可能であり、且つ型枠として保持する対象の流動性材料を中空部に打設されても変形しない強度を有してなり、
    中空部に打設された流動性材料が硬化した後もそのまま残されて架台の基礎部における側面部分をなすことを
    特徴とする架台基礎部用型枠。
  2. 前記請求項1に記載の架台基礎部用型枠において、
    前記型枠本体が、内部に補強材を埋め込まれる構造として形成され、
    前記吊支用部材が、前記補強材と共に型枠本体内へ埋め込まれる埋設部と、型枠本体の外に露出する部分とを有して、前記埋設部の型枠本体内への埋め込みで型枠本体と一体化される部材として形成され、
    吊支用部材の埋設部が、型枠本体内部の補強材と係合した状態で型枠本体内に埋め込まれていることを
    特徴とする架台基礎部用型枠。
  3. 前記請求項2に記載の架台基礎部用型枠において、
    前記型枠本体が、コンクリート製とされ、前記補強材として所定の線条材を一又は複数埋め込まれてなり、
    前記吊支用部材が、前記埋設部及び型枠本体の外に露出する部分を略板状とされ、埋設部の範囲に一又は複数の切欠き部を設けられ、
    前記吊支用部材が、前記補強材連続方向と直角をなす向きとして配設され、埋設部の切欠き部を補強材が通る配置とされることを
    特徴とする架台基礎部用型枠。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の架台基礎部用型枠において、
    前記吊支用部材が、フックであり、型枠本体上縁部から中空部側へ突出する鉤状部を少なくとも有し、
    当該鉤状部が、鉤先端が下向きとなる配置とされると共に、鉤状部の前記型枠本体上縁部より上側となる最上部より鉤先端側に位置する鉤外周部分を、鉤先端側に向けて斜め下に傾斜する形状とされ、且つ、鉤状部の鉤内周部分が、少なくとも前記鉤外周部分の斜め下に傾斜する形状部分の下側の範囲で、斜め上に傾斜する形状部分と鉤先端側に向けて斜め下に傾斜する形状部分とに挟まれた谷状の凹部分を生じさせる形状とされてなり、前記凹部分を鉤内周部分で最も上方に位置させるものとなることを
    特徴とする架台基礎部用型枠。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の架台基礎部用型枠が、複数積み重ねられて一組とされたものを、一又は複数組、型枠設置箇所近くに仮置きし、
    前記一組の積み重ねた状態の型枠ごとに、全ての型枠の各吊支用部材にそれぞれ掛脱可能な複数の掛止部と、当該掛止部を一端部にそれぞれ設けられる複数の可撓性部材と、当該各可撓性部材の他端部をまとめて取り付けられる支持部材とを少なくとも有する型枠吊具を用いて、各型枠における吊支用部材に型枠吊具の各掛止部をそれぞれ掛けた状態とし、
    積み重ねた型枠の組ごとに、型枠吊具の支持部材を上昇させ、弛んだ状態にあった型枠吊具の各可撓性部材をそれぞれ緊張状態に移行させて各型枠をまとめて吊り上げ、各型枠を所定間隔で上下に互いに離隔した状態に維持しつつ、型枠吊具及び各型枠を所定の型枠設置箇所まで移動させ、
    各型枠を所定の型枠設置箇所上方に到達させたら、最も下側の型枠を型枠設置箇所の地面に着地させると共に、前記最も下側の型枠と隣り合う直上の型枠とが離隔した状態を保つ程度に、型枠吊具の支持部材を下降させ、
    最も下側の型枠が地面に着地し、当該型枠に対応する型枠吊具の掛止部がフック又は環部から外れるか、前記型枠に対応する型枠吊具の可撓性部材他端部が支持部材から外れて、型枠吊具から最も下側の型枠が解放された後、再び型枠吊具の支持部材を上昇させて残りの型枠をまとめて吊り上げ、各型枠を所定間隔で上下に互いに離隔した状態に維持しつつ、型枠吊具及び各型枠を次の型枠設置箇所まで移動させ、以降は前記同様の作業を繰り返して、全ての型枠設置箇所に型枠を設置し、
    設置された各型枠に対し、あらかじめ一体化された架台上部構造部を型枠上方に位置させ、続いて架台上部構造部を下ろして架台上部構造部における下部をそれぞれ型枠の上側開口から型枠中空部分に挿入し、さらにコンクリートを型枠中空部分に打設し、硬化させて、型枠ごと架台上部構造部と一体化した基礎部を得ることを
    特徴とする架台構築方法。
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