JP2001055733A - 地中壁の施工方法及びその地中壁構造 - Google Patents

地中壁の施工方法及びその地中壁構造

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JP2001055733A
JP2001055733A JP11232623A JP23262399A JP2001055733A JP 2001055733 A JP2001055733 A JP 2001055733A JP 11232623 A JP11232623 A JP 11232623A JP 23262399 A JP23262399 A JP 23262399A JP 2001055733 A JP2001055733 A JP 2001055733A
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unit
underground wall
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excavation hole
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Masami Ito
正己 伊藤
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型のクレーンを使うことなく狭いスペース
で容易に施工することができる地中壁の施工方法及びそ
の地中壁構造を提供する。 【解決手段】 掘削孔12の深さより低い高さで形成さ
れて掘削孔12内に吊り降ろされるフレームユニットを
継ぎ足してフレーム架構26を構築する。このフレーム
架構26上に昇降装置30を設置する。昇降装置30か
ら吊持され、上記フレーム架構26を囲む帯状の枠体4
2の外周に縦筋50を固定させて形成した上記縦筋ユニ
ット40を上記枠体42に設けた係合部を支持台38と
フレーム架構26に係合させて吊り降ろし、その上に他
の縦筋ユニット40を継ぎ足すとともに、その外周にス
トランド62を巻き付けて補強筋籠を構築する。昇降装
置30を取り外した後に上記掘削孔12にコンクリート
を打設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に形成された
掘削孔に構築される地中壁の施工方法とその地中壁構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の地中壁の施工方法を示す説
明図である。従来、地中壁の施工は、まず地面を掘削し
て深さ数十メートルの掘削孔12を形成する。一方、地
中壁の骨格をなし縦鉄筋と横鉄筋とで籠状に組み立てら
れた約10mの籠状鉄筋ユニット92を上記掘削孔12
周辺の作業現場で形成する。そして、この上記籠状鉄筋
ユニット92を大型クレーン94で吊り上げて上記掘削
孔12内に吊り降ろし、上記籠状鉄筋ユニット92の上
部を地上に突出させた位置で、掘削孔12に架け渡され
たかんざし筋に仮固定して大型クレーン94を籠状鉄筋
ユニット92から取り外す。
【0003】次に、二つ目の籠状鉄筋ユニット92を大
型クレーン94で吊り上げるとともに、上記仮固定され
た籠状鉄筋上ユニット92にそれらの縦鉄筋同士がそれ
ぞれ上下に位置するように配置し、それら縦鉄筋同士を
ジョイント部材で連結する。そして、前記一つ目の籠状
鉄筋ユニット92の仮固定を外すとともに、連結された
籠状鉄筋ユニット92を大型クレーン94で下降させ、
この連結された籠状鉄筋ユニット92の上部を掘削孔1
2から地上に突出させた位置で上述と同様にかんざし筋
に仮固定して、大型クレーン94を籠状鉄筋ユニット9
2から取り外す。
【0004】上記方法による連結作業を繰り返して、籠
状鉄筋ユニット92が掘削孔12の底部12aから地面
に達するように複数の籠状鉄筋ユニット92を連結し、
籠状鉄筋90を掘削孔12内に立設する。最後に、この
掘削孔12内にコンクリートを打設して地中壁を形成す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の地中壁の施
工方法では、大型クレーン94で吊り降ろされる補強部
材は、鉄筋を縦横に配して組み立てられた籠状鉄筋ユニ
ット92が施工する地中壁の大きさに合わせて連結され
た籠状鉄筋90であるため、その重量が極めて大きくな
る。例えば、高さ10mの籠状鉄筋ユニット92では、
その重量が約40t(トン)になり、高さ30mの地中
壁を形成する際に用いられる籠状鉄筋90の重量は12
0tになる。即ち、従来の地中壁の施工方法では、籠状
鉄筋90を吊り降ろすために上記重量を支えられるだけ
の特別大型のクレーンが必要とされる。
【0006】しかしながら、この地中壁の施工は、当然
のことながら地中壁を形成するために掘削された掘削孔
12の周辺で行われ、この周辺の地盤が緩い場合には上
記のような大型クレーン94を搬入するだけで、掘削孔
12のトレンチが落ちたり、孔壁が崩落するなど施工で
きない状況が生じた。
【0007】また、大型クレーン94を使用するため、
その大型クレーン94の搬入、搬出及びその大型クレー
ン94の設置場所に広いスペースが必要となるととも
に、籠状鉄筋を吊り下げて移動するために大型クレーン
94が旋回する作業スペースも広く必要となるという課
題があった。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、大型クレーンを使うことなく狭いス
ペースで容易に施工することができる地中壁の施工方法
及びその地中壁構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す地中壁の施工方法は、地中
壁の施工位置に掘削孔を形成し、該掘削孔の深さより低
い高さで形成されて掘削孔内にクレーンで吊り降ろされ
る複数のフレームユニットを作成する第1工程と、上記
掘削孔内に吊り降ろした上記フレームユニットを地面に
仮固定し、そのフレームユニット上へ新たなフレームユ
ニットを継ぎ足し、その後仮固定を撤去して吊り降ろす
作業をフレームユニットの継ぎ足し毎に繰り返して、掘
削孔の底部から地面に達する高さにフレームユニットを
継ぎ足したフレーム架構を構築する第2工程と、上記フ
レーム架構上に昇降装置を設置する第3工程と、上記掘
削孔の深さよりも短い長さで形成されて掘削孔内へ上記
フレーム架構に沿って吊り降ろされる複数の縦筋ユニッ
トを上記昇降装置に取り付け、昇降装置を下降駆動して
縦筋ユニットを掘削孔内に吊り降ろして当該縦筋ユニッ
ト上へ新たな縦筋ユニットを取り付ける作業を、縦筋ユ
ニットの継ぎ足し作業毎に繰り返して、掘削孔の底部か
ら地面に達する高さに縦筋ユニットを継ぎ足した補強筋
籠を構築する第4工程と、上記掘削孔にコンクリートを
打設する第5工程とで地中壁を構築することを特徴とす
る。
【0010】即ち、本発明の請求項1に示す地中壁の施
工方法では、地中壁の内部に設ける補強部材をフレーム
架構と補強筋籠とに分けて、それらを組み合わせて構成
することとしたので、クレーンによって吊り降ろされる
フレーム架構の重量は、全補強部材の重量に比べ大幅に
軽減される。従って、大型クレーンを用いることなく小
型のクレーンを使って作業することができ、このクレー
ンの搬入、搬出及び小型のクレーンを使って行う作業に
広いスペースを必要とせず、地中壁を施工する場所の周
辺に広い作業スペースがとれない場合であっても容易に
地中壁を形成することができる。
【0011】また、この補強筋籠はフレーム架構上に設
置された昇降装置によって吊り降ろされるので、補強筋
籠及び昇降装置の重量は掘削孔の底部にかかり、掘削孔
周辺の地面にはかからないため、補強筋籠を形成する作
業において、掘削孔のトレンチが落ちたり、孔壁が崩落
することなく容易に効率良く地中壁を施工することがで
きる。
【0012】また、本発明の請求項2に示す地中壁の施
工方法は、上記フレーム架構上に適宜高さを有する支持
台を介して上記昇降装置を設け、該昇降装置により吊持
されて上記フレーム架構を囲む帯状の枠体の外周に縦筋
を固定させて上記縦筋ユニットを形成することを特徴と
する。
【0013】即ち、上記補強筋籠を形成する縦筋ユニッ
トをフレーム架構上に構築した支持台上に設置した昇降
装置から吊持された枠体に縦筋を固定して形成するの
で、支持台によって上記枠体を地上に露出させた状態に
維持させることができるとともに、上記枠体を任意の高
さに配置させることができるため、枠体を地上の縦筋を
固定しやすい高さで停止させて縦筋を固定することがで
きる。従って、縦筋ユニットの組み立てはフレーム架構
上で行われるので、組み立て用の作業スペースを必要と
せず狭いスペースであっても容易に補強筋籠を形成する
ことができる。
【0014】また、本発明の請求項3に示す地中壁の施
工方法は、ストランド巻付装置を設置するとともに、上
記縦筋ユニットの外周にストランドを巻き付けることを
特徴とする。
【0015】即ち、この補強筋籠は横鉄筋を用いずスト
ランドを巻き付けて形成するので、補強筋籠を軽量化す
るとともに効率良く作業が進められ、高強度の補強筋籠
を容易に形成することができる。
【0016】また、本発明の請求項4に示す地中壁の施
工方法は、上記フレーム架構にガイド部を形成するとと
もに、上記縦筋ユニットを構成する上記枠体の内周に上
記ガイド部と係合する係合部を形成し、上記縦筋ユニッ
トを上記フレーム架構に沿って下降させることを特徴と
する。
【0017】即ち、フレーム架構のガイド部と縦筋ユニ
ットを構成する枠体の係合部とを係合させて縦筋ユニッ
トを下降させるため、吊持された縦筋ユニットを安定し
た状態で下降させることができるとともに、ストランド
を巻き付ける等の作業の際に、縦筋ユニットに横方向の
力がかかっても、縦筋ユニットのフレーム架構に対する
相対位置を維持して、縦筋ユニットを正しい位置に適切
に配設することができる。
【0018】また、本発明の請求項5に示す地中壁構造
は、地中壁の施工位置に形成した掘削孔内に該掘削孔の
深さより低いフレームユニットを継ぎ足して立設された
フレーム架構と、上記フレーム架構を囲む補強筋籠と、
掘削孔に打設されたコンクリートとで構成され、該補強
筋籠が、上記フレーム架構を囲んで吊持された帯状の枠
体の外周に縦筋を固定した縦筋ユニットの外周にストラ
ンドを巻き付けて形成されていることを特徴とする。
【0019】即ち、地中壁の内部に設ける補強部材をフ
レーム架構と補強筋籠とに分けた構成としたので、別々
に分けることによってそれらを従来のような一体となっ
た籠状鉄筋よりも大幅に軽量化できることから、小型の
クレーンで作業することができ、クレーンの搬入、搬出
及び小型のクレーンを使っておこなう作業に広いスペー
スを必要とせず、地中壁の施工場所の周辺に広い作業ス
ペースがとれない場合でも、補強部材を分けて吊り込
み、作業性を改善しつつ従来と遜色のない十分な強度の
地中壁を形成することができる。
【0020】また、枠体に縦筋を固定して上記縦筋ユニ
ットを形成する構造としたので、形成する縦筋ユニット
は、上記枠体を縦筋を固定しやすい地上位置に吊持して
容易に形成することができる。
【0021】また、この補強筋籠は横鉄筋を用いず縦筋
ユニットの外周にストランドを巻き付けて形成する構造
としたので、補強筋籠を軽量化しつつ効率良く高強度の
地中壁を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図6は本発明の
地中壁の施工方法及びその地中壁構造の一実施形態を示
し、図1は本発明の地中壁の施工方法の手順を示す説明
図である。図2は本発明の地中壁の施工方法の第2工程
を示す説明図であり、(a)は1つ目のフレームユニッ
トを掘削孔に仮固定した状態を示す断面図、(b)は2
つ目のフレームユニットを継ぎ足した状態を示す断面
図、(c)は3つ目のフレームユニットを継ぎ足した状
態を示す断面図、(d)はフレーム架構を掘削孔に構築
した状態を示す断面図、(e)はフレーム架構の建て込
み精度を修正する工程を示す断面図である。図3は本発
明の地中壁の施工方法の第3,4工程を示す説明図であ
り、(a)は昇降装置及びストランド巻付装置を設置し
た状態を示す断面図、(b)は1つ目の枠体をセットし
た状態を示す断面図、(c)は1つ目の枠体に縦筋を固
定した状態を示す断面図、(d)は縦筋ユニットを下降
させつつその外周にストランドを巻き付けた状態を示す
断面図、(e)は新たな枠体をセットした状態を示す断
面図である。図4は地中壁の施工方法及びその地中壁構
造の詳細を示す側面図であり、本図においては正面及び
裏面側の縦筋を省略している。図5は図4の平面図、図
6は図4のA−A断面図である。
【0023】本発明の地中壁の施工方法は、以下の5つ
の工程で構成される。
【0024】=第1工程= 先ず、地中壁の施工位置に、例えば矩形状の掘削孔12
を形成する。次に、上記掘削孔12の深さより低い高さ
の複数のフレームユニット20を掘削孔12近くの地上
で形成する。このフレームユニット20は、上記掘削孔
12の深さより短い長さのH型鋼22を柱として四隅に
配置し、これらH型鋼22間に上下に梁材を架け渡し、
上記掘削孔12の平面形状より小さな相似形の平面形状
をなす直方体状に組み立てられた鉄骨部材であり、その
側面にはブレース23が設けられている。
【0025】=第2工程= 図2に示すように、上記フレームユニット20の一つを
クレーン80で上記掘削孔12内に吊り降ろし、その上
部が地上に突出する位置に掘削孔12に架け渡されたか
んざし筋82で仮固定する。次に、上記仮固定されたフ
レームユニット20aからクレーン80を取り外し、盛
り替えて他のフレームユニット20bを上記仮固定され
たフレームユニット20a上に吊り降ろし、上下に位置
させた各H型鋼22同士をそのフランジとウェブとで形
成される溝が連結されるようにボルトナットまたは溶接
にて固定して継ぎ足す。そして、上記フレームユニット
20aを仮固定していたかんざし筋82を撤去して上記
継ぎ足して一体となったフレームユニット20cを吊り
降ろす。
【0026】上記の第2工程の作業をフレームユニット
20の継ぎ足し毎に繰り返して、掘削孔12の底部12
aから地面に達する高さにフレームユニット20を継ぎ
足したフレーム架構26を構築する。その後、構築した
フレーム架構26の建て込み精度を通常用いられる修正
手段によって修正する。
【0027】=第3工程= 図3に示すように、構築した上記フレーム架構26上
に、そのフレーム架構26と同様に柱として四隅にH型
鋼22を配置した支持台38としての鉄骨架構を構築す
る。この支持台38を構成する4本のH型鋼22と上記
フレーム架構26のH型鋼22とは、そのフランジとウ
ェブとで形成される溝が連結されるように継ぎ足されて
ボルトナットで固定され、支持台38から掘削孔12の
底部12aに至る連続したガイド部22aを形成してい
る。そして、上記支持体に周知の転倒防止手段84を備
える。例えば、図3では支持台38をワイヤで支えた形
態を示している。
【0028】次に、上記支持台38上に昇降装置30を
設置する。この昇降装置30は、図4,図5に示すよう
に、井桁状に形成されたベース32とその上に設けられ
た天板33の中央に設置された油圧ユニット34と、井
桁状をなすベース32の各端部32a上に設けられたワ
イヤジャッキ36とで構成されている。そして、このワ
イヤジャッキ36の設けられたベース32の各端部32
aは、上記支持台38の最上部に架け渡された各梁材か
ら2つづつ外方に突出させて設けられ、ワイヤジャッキ
36のワイヤ36aは上記フレーム架構26の外周部分
に沿って垂下されている。
【0029】そして、上記支持台38の側方に位置する
地上部分には、地面から所定高さを有する位置に自走式
のストランド巻付装置60を備えるとともに、上記支持
台38を中心としてその外側に周方向に走行レール64
が設置され、この走行レールに案内されてストランド巻
付装置60が走行する。
【0030】=第4工程= 図3,図6に示すように、上記昇降装置30から垂下す
るワイヤ36aに上記フレーム架構26を囲む帯状の枠
体42を、地上から縦筋50を固定しやすい位置に吊持
する。このとき、枠体42の内周に設けられた係合部4
4が上記支持台38とフレーム架構26とに連続するガ
イド部22aに係合するように配置する。
【0031】一方、クレーン80に吊り下げられた環状
のハンガー86の全周に適宜間隔を隔てて仮固定された
縦筋50を、昇降装置30の上方から上記枠体42の外
周に縦筋50が位置するように吊り降ろす。例えば、上
記縦筋50には上記フレームユニット20の高さと略等
しい長さの鋼棒を用いる。
【0032】そして、上記枠体42に縦筋50を溶接し
て取り付け縦筋ユニット40を形成した後にハンガー8
6を分離する。
【0033】次に、上記縦筋ユニット40の下端部にス
トランド62の端部を固定する。そして、上記昇降装置
30を下降駆動させて上記縦筋ユニット40を下降させ
つつストランド巻付装置60を自走させて上記縦筋ユニ
ット40の外周にストランド62を螺旋状に巻き付け
る。ストランド62としては、PC鋼線やCFRP等の
有機繊維補強樹脂が用いられる。
【0034】下降させた縦筋ユニット40の上部が地上
に突出している状態で、ストランド巻き付け作業を停止
して、この縦筋ユニット40を掘削孔12に架け渡され
たかんざし筋82で仮固定し、縦筋ユニット40から昇
降装置30のワイヤ36aを取り外す。
【0035】そして、上記縦筋ユニット40の上方に新
たな枠体42aを昇降装置30から吊り降ろし、この新
たな枠体42aと既に仮固定されている縦筋ユニット4
0の枠体42とに鋼棒46の両端部をそれぞれ溶接して
連結する。
【0036】次に、上記新たな枠体42aの外周に上述
のように吊り降ろされた縦筋50を取り付けるととも
に、仮固定された縦筋ユニット40の縦筋50にその枠
体42aに固定した縦筋50をカップラジョイント52
を介して連結し、縦筋ユニット40を仮固定しているか
んざし筋82を撤去する。
【0037】その後、縦筋50を枠体42に固定して継
ぎ足しストランド62を巻き付ける作業を縦筋ユニット
40の継ぎ足し毎に繰り返して、掘削孔12の底部12
aから地面に達する高さに縦筋ユニット40を継ぎ足し
て、その上端部にストランド62を固定して切り離し補
強筋籠48を構築する。
【0038】=第5工程= 上記昇降装置30と支持台38とを撤去して、最後に上
記掘削孔12にコンクリートを打設する。
【0039】従って、上記地中壁は、地中壁の施工位置
に形成した掘削孔12内に、その深さより低いフレーム
ユニット20を継ぎ足してフレーム架構26を立設す
る。その外側に、縦筋ユニット40を継ぎ足すととも
に、その外周にストランド62を巻き付けて補強筋籠4
8を構築する。そして、その掘削孔12内にコンクリー
トが打設されて形成されている。
【0040】以上の構成により本発明の地中壁の施工方
法とその地中壁構造によれば、地中壁の内部に設ける補
強部材をフレーム架構26と補強筋籠48とに分けて、
それらを組み合わせて構成することとしたので、クレー
ン80によって吊り降ろされるフレーム架構26の重量
は、全補強部材の重量の半分程度となり大幅に軽減され
る。従って、大型クレーンを用いることなく小型のクレ
ーン80を使って作業することができ、このクレーン8
0の搬入、搬出及び小型のクレーン80を使って行う作
業に広いスペースを必要とせず、地中壁の施工場所の周
辺に広い作業スペースがとれない場合であっても小型の
クレーン80を使って容易に地中壁を形成することがで
きる。
【0041】また、上記補強筋籠48は横鉄筋を用いず
ストランド62を巻き付けて形成するので、補強筋籠4
8を軽量化することができる。その上、この補強筋籠4
8とこれを形成する縦筋ユニット40とは、フレーム架
構26上に設置された昇降装置30によって吊り降ろさ
れるので、補強筋籠48及び昇降装置30の重量は掘削
孔12の底部12aにかかり、掘削孔12周辺の地面に
はかからないため、補強筋籠48を形成する作業におい
て、掘削孔12のトレンチが落ちたり、孔壁が崩落する
ことなく容易に補強筋籠48を形成することができる。
【0042】また、上記補強筋籠48を構成する縦筋ユ
ニット40をフレーム架構26上に構築した支持台38
に設置された昇降装置30から吊持された枠体42に縦
筋50を固定して形成するので、支持台38によって枠
体42を地上に露出させた状態に維持することができる
とともに、上記枠体42を任意の高さに配置させること
ができるため、枠体42を地上の縦筋50を固定しやす
い高さで停止させて容易に作業することができる。さら
に、上記縦筋ユニット40を下降させつつその外周にス
トランド62を巻き付けるので、地上の任意の高さにス
トランド62を供給するだけで容易に縦筋ユニット40
の外周にストランド62を螺旋状に巻き付けることがで
き、効率良く作業することができる。
【0043】また、フレーム架構26を形成する各フレ
ームユニット20と支持台38との四隅に設けられてい
るH型鋼22の平面形状を一致させるので、そのH型鋼
22が有する溝によって支持台38から最下のフレーム
ユニット20に至るガイド部22aが形成され、このガ
イド部22aに縦筋ユニット40を構成する枠体42の
係合部44を係合させるため、吊り降ろされた縦筋ユニ
ット40を安定した状態で下降させることができるとと
もに、ストランド62を巻き付ける等の作業の際に、縦
筋ユニット40に横方向の力がかかっても、縦筋ユニッ
ト40のフレーム架構26に対する相対位置を維持させ
て、縦筋ユニット40を正しい位置に適切に配設するこ
とができる。
【0044】本実施形態において、昇降装置30をフレ
ーム架構26上に別途設けた支持台38を介して設置し
た実施形態を示したが、地面に達する高さのフレーム架
構26が地上に突出している場合には、支持台38を別
途設けることなくフレーム架構26上に直接昇降装置3
0を設置してもよい。
【0045】また、フレーム架構26に形成したガイド
部22aを4本のH型鋼22の溝とする実施形態を示し
たが、ガイド部22aが形成される部材はH型鋼22に
限るものではなく、またその数も4本に限るものではな
い。さらに、このガイド部22aは、連続して形成され
る必要はなく、支持台38及びフレーム架構26を枠体
42が昇降する間において、ガイド部22aと枠体42
の係合部44とが常にいずれかの場所で係合してフレー
ム架構26と枠体42との間隔を維持していれば構わな
い。
【0046】また、本実施形態において、縦筋ユニット
40へのストランド62の巻き付けを同時に行う形態を
示したが、昇降装置30を下降駆動させて縦筋ユニット
40を下降させる作業と、ストランド巻付装置60を自
走させてストランド62を巻き付ける作業とを、交互に
行い縦筋ユニット40の外周にストランド62を螺旋状
に巻き付ける方法でも構わない。また、ストランド巻付
装置60とその走行レール64とをリフト上に備え、縦
筋ユニット40を停止させたままでストランド巻付装置
60とその走行レール64とを昇降させてストランド6
2を巻き付けても構わず、ストランドの巻き付け方法も
これに限るものではない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1で
は、補強部材をフレーム架構と補強筋籠とに分けた構成
としたので、クレーンで吊り降ろされるフレーム架構の
重量が全補強部材に比べ大幅に軽減されるため、小型の
クレーンを使って作業することができ、地中壁の施工場
所の周辺に広い作業スペースがとれない場合であっても
容易に地中壁を形成することができる。
【0048】また、この補強筋籠を吊り降ろす昇降装置
はフレーム架構上に設置されているので、補強筋籠及び
昇降装置の重量は掘削孔の底部にかかり、掘削孔周辺の
地面にはかからず、掘削孔のトレンチが落ちたり、孔壁
が崩落することなく容易に効率よく地中壁を施工するこ
とができる。
【0049】また、本発明の請求項2では、縦筋ユニッ
トを昇降装置から吊持した状態で形成するので、縦筋を
固定する枠体を地上に露出させてフレーム架構上で作業
することができるため、狭いスペースであっても容易に
補強筋籠を形成することができる。
【0050】また、本発明の請求項3では、補強筋籠に
横鉄筋を用いずストランドを巻き付けて形成するので、
補強筋籠を軽量化することができるとともに効率良く作
業が進められ、容易に高強度の補強筋籠を効率良く形成
することができる。
【0051】また、本発明の請求項4では、支持台から
最下のフレームユニットに至るガイド部が形成され、こ
のガイド部に枠体の係合部を係合させるため、縦筋ユニ
ットを安定した状態で下降させることができるととも
に、縦筋ユニットに横方向の力がかかっても、縦筋ユニ
ットのフレーム架構に対する相対位置を維持して配置す
ることができる。
【0052】また、本発明の請求項5では、補強部材を
フレーム架構と補強筋籠とに分割した構造としたので、
吊り降ろされる補強部材が軽量化されるため、小型のク
レーンで作業することができ、地中壁の施工場所の周辺
に広い作業スペースがとれない場合であっても容易に地
中壁を形成することができる。
【0053】また、枠体を吊持して上記縦筋ユニットを
形成する構造としたので、枠体を地上の作業しやすい高
さに吊持して容易に縦筋ユニットを形成することができ
る。
【0054】また、この補強筋籠は横鉄筋を用いず縦筋
ユニットの外周にストランドを巻き付けて形成する構造
としたので、補強筋籠を軽量化しつつ高強度の補強部材
を有する地中壁を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地中壁の施工方法の手順を示す説明図
である。
【図2】本発明の地中壁の施工方法の第2工程を示す説
明図である。
【図3】本発明の地中壁の施工方法の第3,4工程を示
す説明図である。
【図4】本発明の地中壁の施工方法及びその地中壁構造
の詳細を示す側面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図4のA−A断面図である。
【図7】従来の地中壁の施工方法を示す説明図である。
【符号の説明】
12 掘削孔 12a 底
部 20,20a,20b,20c フレームユニット 22 H型鋼 22a ガ
イド部 26 フレーム架構 30 昇降
装置 32 ベース 32a 端
部 34 油圧ユニット 36 ワイ
ヤジャッキ 36a ワイヤ 38 支持
台 40 縦筋ユニット 42,42
a 枠体 44 係合部 46 鋼棒 48 補強筋籠 50 縦筋 52 カップラジョイント 60 スト
ランド巻付装置 62 ストランド 64 レー
ル 80 クレーン 82 かん
ざし筋 84 転倒防止手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中壁の施工位置に掘削孔を形成し、該
    掘削孔の深さより低い高さで形成されて掘削孔内にクレ
    ーンで吊り降ろされる複数のフレームユニットを作成す
    る第1工程と、 上記掘削孔内に吊り降ろした上記フレームユニットを地
    面に仮固定し、そのフレームユニット上へ新たなフレー
    ムユニットを継ぎ足し、その後仮固定を撤去して吊り降
    ろす作業をフレームユニットの継ぎ足し毎に繰り返し
    て、掘削孔の底部から地面に達する高さにフレームユニ
    ットを継ぎ足したフレーム架構を構築する第2工程と、 上記フレーム架構上に昇降装置を設置する第3工程と、 上記掘削孔の深さよりも短い長さで形成されて掘削孔内
    へ上記フレーム架構に沿って吊り降ろされる複数の縦筋
    ユニットを上記昇降装置に取り付け、昇降装置を下降駆
    動して縦筋ユニットを掘削孔内に吊り降ろして当該縦筋
    ユニット上へ新たな縦筋ユニットを取り付ける作業を、
    縦筋ユニットの継ぎ足し作業毎に繰り返して、掘削孔の
    底部から地面に達する高さに縦筋ユニットを継ぎ足した
    補強筋籠を構築する第4工程と、 上記掘削孔にコンクリートを打設する第5工程とで地中
    壁を構築することを特徴とする地中壁の施工方法。
  2. 【請求項2】 上記フレーム架構上に適宜高さを有する
    支持台を介して上記昇降装置を設け、該昇降装置により
    吊持されて上記フレーム架構を囲む帯状の枠体の外周に
    縦筋を固定させて上記縦筋ユニットを形成することを特
    徴とする請求項1に記載の地中壁の施工方法。
  3. 【請求項3】 ストランド巻付装置を設置するととも
    に、上記縦筋ユニットの外周にストランドを巻き付ける
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の地中壁の施
    工方法。
  4. 【請求項4】 上記フレーム架構にガイド部を形成する
    とともに、上記縦筋ユニットを構成する上記枠体の内周
    に上記ガイド部と係合する係合部を形成し、上記縦筋ユ
    ニットを上記フレーム架構に沿って下降させることを特
    徴とする請求項2または3に記載の地中壁の施工方法。
  5. 【請求項5】 地中壁の施工位置に形成した掘削孔内に
    該掘削孔の深さより低いフレームユニットを継ぎ足して
    立設されたフレーム架構と、上記フレーム架構を囲む補
    強筋籠と、掘削孔に打設されたコンクリートとで構成さ
    れ、上記補強筋籠が、上記フレーム架構を囲んで吊持さ
    れた帯状の枠体の外周に縦筋を固定した縦筋ユニットの
    外周にストランドを巻き付けて形成されていることを特
    徴とする地中壁構造。
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