JP2004316100A - 建物の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の構築方法において、建物の設置位置における作業工数を低減し、工期を短縮するとともに施工費用を低減することができるようにする。
【解決手段】工場で製作した鋼板構造体1を重量物運搬車両で運搬するとともに、建物の設置位置には、底部に下部基礎版8が設けられた地下階構築部6を形成する。地下階構築部6上とその近傍にレール部4を配置し、下部基礎版8上に設置したレール支持架構5で支持する。鋼板構造体1をレール部4上に下ろして移動させ、ジャッキ装置で下降させて、下部基礎版8上の免震装置9と固定して据え付ける。その後コンクリートを充填して建物の躯体となる鋼板コンクリート構造体を形成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の構築方法に関する。特に、作業環境が整っていない遠隔地、例えば人工島や臨海部などに構築される大型建物などに好適な建物の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物を構築するに当たって、建物を多数のブロックに分割して、各ブロックをそれぞれ建物の設置位置とは離れた工場などの製作地で製作し、それらを設置位置に運搬して建物を構築する工法が行われている。
例えば、特許文献1には、建物の上部構造を複数に分割したブロックを製作し、工場において各ブロックをドーリーに搭載して、例えば船舶などの輸送バージ上に移動し、建物の設置位置の基礎構造上までドーリーに搭載したまま運搬して、ドーリーから基礎構造上に据え付けて、その後ドーリーを退去させる建物の構築方法が記載されている。
これに対して、例えば火力発電所のボイラーなどの最大でも3000t程度の構造物は、工場で一括製作された後、設置位置まで運搬されて、そのまま据え付けられる場合がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−303768号公報(第3−4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の建物の構築方法には、以下のような問題があった。
建物を多数のブロックに分割する方法では、各ブロックを設置位置で結合する工程が必要となり、そのような工程を実施するための作業空間や作業環境が整っていない場所では施工効率が劣ってしまうという問題があった。
一方、建物を工場で一括製作してから設置位置まで運搬して据え付けることも考えられるが、構造部材が鉄筋コンクリート(RC)造の場合には建物の質量が数万トンにもなる場合があり、運搬船(バージ船)や重量物運搬車両(超大型特殊トレーラ)で運搬することが困難であった。
また運搬可能な質量を有する建物であっても、建物は一般に地下階を有する場合が多い。この場合には、建物の設置レベルが地盤面より下となるので、従来技術では、建物を地下階を構築するために掘削された設置場所に建物を上方から吊り下げて据え付けることが行われる。その結果、設置場所に重量物運搬車両を乗り入れるための堅牢な構台を設けたり、建物を据え付けるために建物全体を囲う大架構を設けたりして、建物を一時的に吊り下げなければならないという問題があった。特にRC造の場合はコンクリート強度が発現するまでは吊った状態を保持しなければならなかった。
このように、建物を工場で一括製作することによりコスト低減、工期短縮を図ろうとしても、建物の運搬や据え付けに多大のコストと時間がかかるため、全体としてはコストや工期の面であまり改善されないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、建物の設置位置における作業工数を低減し、工期を短縮するとともに施工費用を低減することができる建物の構築方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、建物の設置位置から離れた工場などの製造地において建物構造体を製作し、該建物構造体を前記建物の設置位置に運搬して据え付ける建物の構築方法であって、前記建物構造体を、コンクリートを充填することにより鋼板コンクリート構造体が形成可能な鋼板構造体として製作し、該鋼板構造体を前記建物の設置位置に運搬して据え付けた後に、コンクリートを充填する。
この発明によれば、建物の設置位置に運搬して据え付けるのはコンクリートを充填する前の鋼板構造体なので、建物の大きさの割に軽量となり、大型の建物であっても運搬や据え付けが容易となる。また、鋼板構造体はコンクリートを充填すれば鋼板コンクリート構造体となるので、コンクリートを充填するだけで建物の躯体を形成することができるから、建物の設置位置で躯体を形成するための手間が大幅に簡素化される。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の建物の構築方法において、前記鋼板構造体を前記建物の設置位置に据え付ける前に、前記建物の設置位置に基礎を形成し、該基礎上に免震装置を設けておき、該免震装置上に前記鋼板構造体を運搬して据え付ける。
この発明によれば、鋼板構造体と基礎との接合を免震装置を介して行うので、接合が容易となる。また、接合後は鋼板構造体は免震されるので、接合後コンクリート強度が発現するまで養生したり、仮設的な補強を行ったりしなくても施工を継続できる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の建物の構築方法において、前記建物に地下階を形成するために、前記鋼板構造体にあらかじめ地下階構造の一部を形成し、前記建物の設置位置をあらかじめ掘削して地下階構築部を形成し、該地下部構築部近傍およびその上部に、架構を介して前記基礎上に支持された、前記鋼板構造体を水平移動するためのレール部を設け、前記鋼板構造体を設置位置に運搬して据え付ける際に、前記レール部上を移動させて、前記鋼板構造体を前記地下階構築部上に配置し、前記地下階構築部に設けられたジャッキ装置により前記鋼板構造体を支持し、前記架構およびレール部を前記地下階部構築部上から撤去し、前記ジャッキ装置を下降させて、前記鋼板構造体を前記地下階構築部内に下ろすことにより前記鋼板構造体を設置位置に据え付ける。
この発明によれば、鋼板構造体が基礎上で架構により支持されたレール部を移動するので、重量物運搬車両などの運搬手段を乗り入れる堅牢な構台を設けることなく、重量物運搬車両の質量を除く軽量な鋼板構造体を支持できる架構を設置するだけでよい。また、鋼板構造体の昇降を建物の基礎構造が形成された地下階構築部上にジャッキ装置を配置して行うので、大架構を地下階構築部近傍に設けなくても簡素な設備で鋼板構造体の昇降を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1〜4は、本発明の実施形態に係る建物の構築方法の概略工程を順を追って説明するための模式説明図である。
本発明の実施形態に係る建物の構築方法について説明する。
本実施形態の建物の構築方法は、建物の躯体を低コスト・短工期で構築するための方法であって、特に、完成した躯体が、大型構造物の運搬手段(例えばバージ船など)では運搬困難な質量を有する大型の建物を低コスト・短工期で構築するための方法であり、どのような建物にも適用することができるが、特に、作業環境に恵まれない人工島や臨海部などの遠隔地に大型構造物を構築する場合、例えば、火力発電所などの各種プラントを建設する場合などに好適となるものである。
本方法の概略工程は、建物構造体製作工程、建物構造体運搬工程、基礎構築工程、建物構造体据え付け工程および躯体構築工程からなる。
【0010】
建物構造体製作工程は、大型構造物の運搬手段で運搬可能な質量を有し、建物の躯体の骨格となる建物構造体を製作する工程である。
図1(a)は、本工程で製作した鋼板構造体1を重量物運搬車両2に積載して運搬する様子を示す模式説明図である。図1(b)は、図1(a)のA視側面図である。
本工程では、建物構造体である鋼板構造体1を建物の設置位置とは離れた工場などの製造地において製作し、鋼板構造体1を陸上運搬するための重量物運搬車両2上に積載する。
【0011】
鋼板構造体1は、コンクリートを充填することにより鋼板コンクリート構造(Steel Plate Reinforced Concrete、以下、SC構造と略称する)の躯体を形成するためのものである。すなわち、鋼板を溶接またはボルト締結してそれ自身が構造部材となるとともに、コンクリートの注入孔とコンクリートの流路とを有し、コンクリートを打設する際の型枠も兼用するようなコンクリート充填可能な構造体として製作されたものである。
そして、本実施形態では、地上階の躯体を構成する地上階構造1aと、地下階の躯体を構成する地下階構造1bとを備えている。これらは、例えばバージ船や重量物運搬車両2などで運搬可能な重量とされている。例えば、運搬物の重心高さにもよるが、3000t程度とされている。
【0012】
地下階構造1bには、建物の設置位置に据え付けるための複数の柱構造部1Bが、地上階構造1aの最下層の床部を形成する梁などの構造体と所定の柱間隔で接合されている。柱構造部1Bの下端部には、鋼板構造体1の質量を支えるとともに後述するレール部上を走行することが可能な車輪1cが設けられている。
【0013】
重量物運搬車両2は、積載面を昇降させることが可能となっており、積載面を柱構造部1Bの高さより低くして地上階構造1aの下方に配置した後、積載面を上昇させることにより、地上階構造1aの床部を形成する梁などの下面を受けて鋼板構造体1を運搬することが可能となっている(図1(a)、(b)参照)。そして図1(b)に示したように各柱構造部1B間を幅広く受けるように重量物運搬車両2を配置することにより、鋼板構造体1の重量が重量物運搬車両2に分散して伝達されるようになっている。
【0014】
なお、本実施形態では、一例として地下階構造1bが柱構造部1Bの高さしか有しない場合で説明するが、それに限るものではなく、例えば、地下階が2階以上あって、柱構造部1Bの上端部に床部をはじめとする階の躯体を構成するための構造が設けられていてもよい。
【0015】
建物構造体運搬工程は、重量物運搬車両2に積載された鋼板構造体1を設置位置近傍まで運搬する工程である。陸路は重量物運搬車両2に積載されて運搬され、海路は重量物運搬車両2に積載されたままバージ船などの船舶により運搬される。
【0016】
基礎構築工程は、建物の設置位置に鋼板構造体1を据え付けるための下部基礎版8(基礎)を設けるとともに、鋼板構造体1を据え付けたときに建物の下層階を構築するために必要な施工を行う工程である。
図2(a)は、本工程終了後の設置位置近傍の様子を示す概略説明図である。本実施形態では建物が地下階を有するので、本工程は地下階構築部6を設ける工程ともなっている。
【0017】
図2(a)に示したように、地下階構築部6は、下部基礎版8、側壁7、免震装置9などからなり、鋼板構造体1の地下階構造1bを内部に収納することが可能となっている。
下部基礎版8は、建物の基礎を形成するためのもので、地盤3を所定深さ掘削し、必要に応じて杭打ち基礎などを設けた後に、基礎スラブとして構築される。側壁7は、下部基礎版8の外周を取り囲むように立設され、地下階と地盤3とを仕切る壁体である。
【0018】
免震装置9は、建物の基礎免震に用いられる種々の免震装置を採用することができる。例えば、下部固定板と上部固定板との間に、鉛直方向に比して水平方向に非常に小さな弾性係数を有する積層ゴムなどからなる弾性部材を設けたり、水平方向に可動とされた転動部材や摺動部材などを設けたりして、下部固定板、上部固定板をそれぞれ下部基礎版8、鋼板構造体1に固定可能としたものが好適に採用できる。それぞれの固定はボルト締結が用いられる。
このような免震装置9は、鉛直方向には比較的高い剛性を有し上方の建物の荷重を支持可能とされているが、水平方向には比較的低い剛性を有し、例えば地震などで地盤3が横揺れを起こすと、下部固定板が上部固定板に対して容易に水平移動するので、上方の建物の横揺れが著しく低減され、免震されるものである。
【0019】
本工程では、まず建物の設置位置の所定範囲を所定深さ掘削する。そして、地盤3により必要に応じて底部に杭基礎などの適宜の地業を施し、コンクリートを打設して下部基礎版8を施工する。そして、山留め部に側壁7を構築する。
そして、下部基礎版8の養生後、コンクリート強度が発現してから、鋼板構造体1の柱構造部1Bを据付位置の下部基礎版8上にそれぞれ免震装置9を設置しボルト締結する。
【0020】
建物構造体据え付け工程は、建物構造体運搬工程により、設置位置近傍に運搬した鋼板構造体1を設置位置に据え付ける工程である。
図2(a)に示したように、基礎構築工程終了後、地下階構築部6上とその近傍の地盤3上に鋼板構造体1に設けられた車輪1cを走行させるためのレール部4を適宜位置に撤去可能に設置する。地下階構築部6上のレール部4と下部基礎版8との間には、鋼板構造体1の重量を支持するためのレール支持架構5(架構)を撤去可能に設置する。
鋼板構造体1は、重量物運搬車両2からレール部4に移載するので、レール部4、レール支持架構5は、鋼板構造体1の移動荷重を支持可能な強度を備えていればよい。すなわち本実施形態では、質量3000t程度を支持できればよい。
【0021】
重量物運搬車両2に運搬された鋼板構造体1が到着してから、図2(a)に示したように、重量物運搬車両2により、車輪1cが地盤3上のレール部4の上方に来るように位置調整しつつ乗り入れる。そして、柱構造部1Bと地盤3との間に適宜個数のジャッキ装置10を設置する。
そして、ジャッキ装置10をジャッキアップし、鋼板構造体1を上昇させて、ジャッキ装置10のみで支持し、重量物運搬車両2を鋼板構造体1の下方から逃すように移動する(図2(b)参照)。
それから、ジャッキ装置10をジャッキダウンし、鋼板構造体1の車輪1cをレール部4上に乗せ、鋼板構造体1をレール部4上に移載する。その後ジャッキ装置10を撤去する(図3(c)参照)。
【0022】
そして、図3(d)に示したように、鋼板構造体1をレール部4上で走行させて、地下階構築部6上の所定位置まで移動させる。
一方、下部基礎版8上には、この時点までに、鋼板構造体1を上昇させるために適宜個数のジャッキ装置11を撤去可能に設置しておく。なお、図3(d)では、簡略化のため免震装置9の図示は省略している。
【0023】
次に、図4(e)に示したように、ジャッキ装置11をジャッキアップして、鋼板構造体1を上昇させ、ジャッキ装置11のみで支持するようにする。なお、図示ではジャッキ装置11が柱構造部1Bの底部を押し上げるように描かれているが、柱構造部1Bと免震装置9との固定位置からはずれた場所に設置されているものである。また、ジャッキ装置11の設置場所は、柱構造部1Bの下面とは限らず、鉛直荷重を安定して支持できる部位であれば鋼板構造体1のどこを支持してもよい。
そして、その上昇位置を保ったまま、レール部4、レール支持架構5を撤去する。
【0024】
それから、ジャッキ装置11をジャッキダウンし、柱構造部1Bが免震装置9と固定可能な高さまで鋼板構造体1を下降させ、その高さを保持する。
図4(f)に示したように、その状態で免震装置9と柱構造部1Bとを固定してから、ジャッキ装置11をジャッキダウンして、鋼板構造体1を免震装置9上に移載する。そして、ジャッキ装置11を地下階構築部6から撤去する。
このようにして、建物構造体据え付け工程が終了する。
【0025】
躯体構築工程は、鋼板構造体1にコンクリートを打設して、必要な躯体強度を有する鋼板コンクリート構造体100を構築する工程である。
あらかじめ設けられたコンクリート注入孔(不図示)からコンクリートを注入し、鋼板構造体1内にコンクリートを充填する。養生後、コンクリート強度が発現すると、鋼板コンクリート構造体100が形成される。
以上で、下部基礎版8上に、設置位置上に免震装置9により免震支持された躯体である鋼板コンクリート構造体100が完成するので、それに適宜の外装、内装、配管、設備設置などの通常の施工を行うことにより、所望の建物が構築できる。
【0026】
本実施形態に係る建物の構築方法の作用について説明する。
本実施形態では、鋼板構造体1を工場などの製造地で製作してから、コンクリート未充填の状態で建物構造体運搬工程を行うので、運搬可能な荷重の範囲で比較的大きな構造体とすることができ、建物の設置位置において、鋼板構造体1同士を接合するといった作業をなくすか、大幅に低減することが可能となる。
【0027】
また、建物構造体据え付け工程では、重量物運搬車両2からレール部4へ鋼板構造体1を移載してコンクリート未充填のままで、レール部4上を走行させるので、重量物運搬車両2や充填されるコンクリートの重量を支持する必要がなく、比較的剛性の小さいレール部4、レール支持架構5を用いて鋼板構造体1を移動することができる。その結果、レール部4やレール支持架構5を簡素化でき、設置や撤去を容易に行うことができる。
【0028】
また、鋼板構造体1を鉛直方向に移動させるときには、下部基礎版8に設置されたジャッキ装置11を用いるので、鋼板構造体1を吊り下げて搬入する場合のように、地下階構築部6のまわりに鋼板構造体1を囲う大架構などを設けなくてもよいから、簡素で容易な施工とすることができる。したがって、地上階構造1aが高い大型建物ほど著しい効果をあげることができる。
また、鋼板構造体1は、免震装置9に据え付けるので、ボルト締結を採用することができ、鉄筋コンクリート構造で接合する場合のように、コンクリート強度が発現するまで養生する必要がなく、迅速な据え付けが可能となる。
【0029】
そして、免震装置9への据え付けが終了してからコンクリートを充填して躯体を完成させるので、コンクリートが硬化する間も免震されているから、外部振動などの影響を受けない。その結果、仮設の補強部材を設けたり、養生中に他の施工作業を中断したりする必要がなくなるので、工数を省いたり、施工効率を向上することができる。
【0030】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係る建物の構築方法によれば、工場などで製作した軽量の建物構造体を運搬して、設置位置の基礎上に配置された免震装置に据え付けてから、コンクリートを充填するので、施工を大幅に簡素化することができ、その結果、工期を大幅に短縮し、施工費の低減を図ることができるという利点がある。
【0031】
なお、上記の説明では、建物が1個の鋼板構造体だけで構築できる例で説明した。本発明は、建物構造体を工場などで製作しておくことにより建物の設置位置での工数を減らすという目的があるので、これが最も好ましい実施形態である。しかし、より大きな建物を構築する場合、1個の鋼板構造体だけでは運搬できない重量となる場合もあり得る。その場合、運搬可能な重量の範囲内の鋼板構造体を複数製作して、個別に運搬し、設置位置に個別に据え付けた後、互いに接合してから、コンクリートを充填してもよい。
この場合、鋼板構造体を接合する工程は必要となるものの、それぞれの鋼板構造体の大きさを運搬可能な範囲でできるだけ大きくすることにより、建物構造体運搬工程や建物構造体据え付け工程において軽量な鋼板構造体を扱え、鋼板構造体を吊り上げないで据え付けることによる工数削減効果が勝るものである。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、工場などの製造地で製作されたコンクリート未充填の鋼板構造体を運搬後に、コンクリートを充填するので、大型の建物であっても運搬や据え付けが容易となり、建物の設置位置で躯体を形成するための手間が大幅に簡素化されるから、工期を大幅に短縮し、施工費用の大幅な低減を図ることができるという効果を奏する。
【0033】
請求項2に記載の発明では、鋼板構造体と基礎との接合を免震装置を介して行うので、接合が容易となり、仮設的な補強なども不要となるから、工期を短縮することができるという効果を奏する。
【0034】
請求項3に記載の発明では、鋼板構造体が基礎上で架構により支持されたレール部を移動し、ジャッキ装置で鋼板構造体を昇降するので、重量物運搬車両などの運搬手段を乗り入れる堅牢な構台や、鋼板構造体を吊り下げるための大架構を設けなくても、簡素な設備で鋼板構造体を据え付け位置に配置することができるので、施工が簡素となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る建物の構築方法の概略工程を、順を追って説明するための模式説明図である。
【図2】同じく図1に続く工程を説明するための模式説明図である。
【図3】同じく図2に続く工程を説明するための模式説明図である。
【図4】同じく図3に続く工程を説明するための模式説明図である。
【符号の説明】
1 鋼板構造体(建物構造体)
1b 地下階構造
2 重量物運搬車両(超大型特殊トレーラ)
4 レール部
5 レール支持架構(架構)
6 地下階構築部
8 下部基礎版(基礎)
9 免震装置
10、11 ジャッキ装置
100 鋼板コンクリート構造体

Claims (3)

  1. 建物の設置位置から離れた工場などの製造地において建物構造体を製作し、該建物構造体を前記建物の設置位置に運搬して据え付ける建物の構築方法であって、
    前記建物構造体を、コンクリートを充填することにより鋼板コンクリート構造体が形成可能な鋼板構造体として製作し、
    該鋼板構造体を前記建物の設置位置に運搬して据え付けた後に、コンクリートを充填することを特徴とする建物の構築方法。
  2. 請求項1に記載の建物の構築方法において、
    前記鋼板構造体を前記建物の設置位置に据え付ける前に、前記建物の設置位置に基礎を形成し、該基礎上に免震装置を設けておき、
    該免震装置上に前記鋼板構造体を運搬して据え付けることを特徴とする建物の構築方法。
  3. 請求項1または2に記載の建物の構築方法において、
    前記建物に地下階を形成するために、前記鋼板構造体にあらかじめ地下階構造の一部を形成し、
    前記建物の設置位置をあらかじめ掘削して地下階構築部を形成し、
    該地下部構築部近傍およびその上部に、架構を介して前記基礎上に支持された、前記鋼板構造体を水平移動するためのレール部を設け、
    前記鋼板構造体を設置位置に運搬して据え付ける際に、
    前記レール部上を移動させて、前記鋼板構造体を前記地下階構築部上に配置し、
    前記地下階構築部に設けられたジャッキ装置により前記鋼板構造体を支持し、
    前記架構およびレール部を前記地下階部構築部上から撤去し、
    前記ジャッキ装置を下降させて、前記鋼板構造体を前記地下階構築部内に下ろすことにより前記鋼板構造体を設置位置に据え付けることを特徴とする建物の構築方法。
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