JP2014156536A - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、下記の一般式(1)で表されるホスホニウム塩を0.1〜1.3質量部、及びパーフルオロアルキルスルホン酸塩を0.01〜0.5質量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
[(R1)3R2P]+・(R3SO2)(R4SO2)N- (1)
[上記式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよい。]
【選択図】なし
Description
例えば、スルホン酸ホスホニウム塩を帯電防止剤として含むポリカーボネート樹脂組成物(特許文献1及び2参照)や、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂等に適用可能であるホスホニウムイミドを含む帯電防止剤(特許文献3)等が提案されている。
また、ホスホニウム塩と芳香族スルホン酸金属塩を併用する方法(特許文献4)や、スルホン酸ホスホニウム塩とリン酸エステルを併用する方法(特許文献5)等が提案されている。
さらに昨今では帯電防止性と難燃性を両立した材料が求められているが、例えば前記文献の方法は帯電防止性能を発現することができる一方で、ポリカーボネート樹脂の特性である燃え難さは低下し、帯電防止性と難燃性との両立は困難であった。
すなわち、本発明は、下記ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体に関する。
[(R1)3R2P]+・(R3SO2)(R4SO2)N- (1)
[上記式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよい。]
2. 前記ホスホニウム塩が、一般式(1)において、R1が炭素数2〜4のアルキル基を示し、R2が炭素数8〜14の直鎖状アルキル基を示し、R3及びR4が炭素数1又は2のパーフルオロアルキル基を示すホスホニウム塩である、前記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3. 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パーフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム及びパーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上である、前記1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4. 前記ポリカーボネート樹脂が、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を含む、前記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5. JIS K7105に準拠して測定した全光線透過率が85%以上である成形体が得られる、前記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
6. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形される厚み0.5〜15mmの成形体。
7. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形される厚み0.5〜15mmの板状成形体。
8. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃以上で射出成形して得られる厚み0.5〜15mmの成形体。
9. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃以上で射出成形して得られる厚み0.5〜15mmの板状成形体。
10. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃未満で射出成形して得られる厚み2.5〜15mmの成形体。
11. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃未満で射出成形して得られる厚み2.5〜15mmの板状成形体。
12. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、押出し成形して得られる成形体。
13. 前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、押出し成形して得られる板状成形体。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂、特定のホスホニウム塩及びパーフルオロアルキルスルホン酸塩を特定量含有するものであり、さらにポリカーボネート樹脂以外の透明性を有する熱可塑性樹脂を含有することができる。
以下、本発明において用いられる上記ポリカーボネート樹脂、特定のホスホニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩及び熱可塑性樹脂について説明する。
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂であっても脂肪族ポリカーボネート樹脂であってもよいが、耐衝撃性及び耐熱性等の観点から芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性及び耐熱性が良好であるため樹脂組成物の主成分とすることができる。
分岐構造を導入するためには分岐剤を用いればよく、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドキシフェニル)エタン;α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;フロログルシン、トリメリット酸、及びイサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を三個以上有する化合物等を用いることができる。
なお、本発明において、ポリカーボネート樹脂中の分岐剤含有量とは、ポリカーボネート樹脂を構成する全モノマーの総モル数における、分岐剤モル数を意味する。例えば、分岐構造を有さないポリカーボネート樹脂と分岐構造を有するポリカーボネート樹脂とを併用する場合、上記分岐剤含有量は、全ポリカーボネート樹脂中の分岐剤含有量である。
なお、本発明において用いることができるポリカーボネート共重合体は上記ポリカーボネート共重合体に限定されない。
フッ素原子及びケイ素原子を含まないポリカーボネート樹脂を用いることにより、帯電防止剤がポリカーボネート樹脂組成物の成形体表面に出やすくなり優れた帯電防止性を付与することができる。
上記粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式にて算出するものである。
[η]=1.23×10-5Mv0.83
本発明で用いられるホスホニウム塩は下記の一般式(1)で表され、帯電防止剤として用いられる。
[(R1)3R2P]+・(R3SO2)(R4SO2)N- (1)
上記式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよい。
R2で示される炭素数8〜20のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは炭素数8〜14の直鎖状アルキル基である。具体的には、例えば、オクチル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、2−メチルオクチル基、デシル基、2−メチルノニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
R3及びR4で示される炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のパーフルオロアルキル基であり、好ましくは炭素数1又は2のパーフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1のパーフルオロアルキル基である。具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるパーフルオロアルキルスルホン酸塩は、上記ホスホニウム塩と併用することにより、パーフルオロアルキルスルホン酸塩を用いずホスホニウム塩を単独で用いた場合よりも、帯電防止性がさらに向上しかつ帯電防止性能の安定性が増すという相乗効果を奏するものである。また、パーフルオロアルキルスルホン酸塩とホスホニウム塩とを併用しても優れた耐衝撃性及び耐熱性が維持される。また、パーフルオロアルキルスルホン酸塩の含有量が比較的少量であるため、成形体の透明性が損なわれること無く、一方でパーフルオロアルキルスルホン酸塩が有するポリカーボネート樹脂に対する難燃性も発揮することができる。
(CeF2e+1SO3)f M (B)
式中、eは1〜10の整数を示し、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアリカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属を示し、fはMの原子価を示す。
これらの化合物としては、例えば、特公昭47−40445号公報に記載されているものがこれに該当する。
本発明においてパーフルオロアルキルスルホン酸塩としては、特にパーフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム及びパーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムが好適である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、透明性を損なわない程度に前記ポリカーボネート樹脂以外の透明性を有する熱可塑性樹脂を含有させることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂組成物の帯電防止性をさらに向上させることができる観点から、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、及びポリエステル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また、上記ポリアルキレングリコールとポリアミドとのエステル等も透明性を損なわない程度に添加することができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル、アクリル酸エチル−アクリル酸−2−クロロエチル共重合体、アクリル酸−n−ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル-スチレン共重合体等が挙げられる。上記アクリル系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、離型剤、酸化防止剤、難燃助剤等の各種添加剤を適宜含有させることができる。
一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は完全エステルとしては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。
離型剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂組成物における離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.005〜1質量部、より好ましくは0.01〜0.4質量部である。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネートジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂組成物における酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.002〜0.5質量部、より好ましくは0.01〜0.2質量部である。
また、ポリカーボネート樹脂組成物における難燃助剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部である。
本発明の成形体は、上述のポリカーボネート樹脂、ホスホニウム塩及びパーフルオロアルキルスルホン酸塩を含むポリカーボネート樹脂組成物を溶融混練した後、成形することにより製造することができる。
溶融混練機としては、例えばバンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ及び多軸スクリュー押出機等が挙げられる。溶融混練における加熱温度は、通常220〜300℃が適当である。
また上記成形方法としては、公知の成形方法、例えば中空成形、射出成形、押出成形、真空成形、圧空成形、熱曲げ成形、圧縮成形、カレンダー成形及び回転成形等を適用することにより、成形体とすることができ、特に射出成形及び押出成形による成形法が好ましい。射出成形時の金型温度は、特に薄肉成形品では帯電防止性能を高めるためには高温にすることが好ましく、その際、成形体の取り出し時の変形抑制の観点から、ヒートアンドクール成形等で取り出し時の金型温度を下げる等の方法が可能である。
また、厚み2.5〜15mmの成形体の場合には金型温度100℃未満であっても良い。金型温度100℃未満の場合、成形体の厚みが2.5mm以上であれば十分な帯電防止性能を発現させることができ、透明性にも優れる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を押出し成形して成形体を得る場合、成形体の厚みに制限なく、成形体の優れた透明性と充分な帯電防止性能とを両立させることができる。
なお、成形体が板状でない場合、成形体の体積を成形時の金型への投影面積で割った値を成形体の平均の厚み、即ち成形体の厚みとする。
(1)光学特性(透明性):ヘーズ(%)
JIS K7105に記載の測定方法に準拠し、実施例及び比較例で得られたペレットを用いて射出成形により作製した2.5mmの厚みを有する試験片を用い、スガ試験機株式会社製のDIGITAL HAZE COMPUTERにより温度23℃にて測定した。
(2)光学特性(透明性):全光線透過率(%)
JIS K7105に記載の測定方法に準拠し、実施例及び比較例で得られたペレットを用いて射出成形により作製した2.5mmの厚みを有する試験片を用い、スガ試験機株式会社製のDIGITAL HAZE COMPUTERにより温度23℃にて測定した。
(3)帯電防止性:表面固有抵抗(Ω)
実施例及び比較例で得られたペレットを用いて射出成形により80×80mmで表1及び2に示す所定の厚みを有する試験片を作製し、下記条件に従い、表面固有抵抗を測定した。
試験方法:IEC 60093 準拠
試験条件:印加電圧 500V×1分
測定数 n=2
試験電極 導電性ゴム
主電極径 φ26
状態調節:23℃・50%RH×48時間以上
試験環境:23℃・50%RH
試 験 器:ハイレジスタンスメーター 4339B アジレント・テクノロジー株式会社
(4)耐衝撃性:Izod衝撃強度(kJ/m2)
JIS K7110の測定方法に準拠し、実施例及び比較例で得られたペレットを用いて射出成形により厚み3.2mmの試験片とし測定した。
(5)耐熱性:HDT、熱変形温度(℃)
ASTM D648の測定方法に準拠し、実施例及び比較例で得られたペレットを用いて射出成形により厚み3.2mmの試験片を作製し、荷重1.8MPaで測定した。
(6)難燃性:UL94(V試験)
実施例及び比較例で得られたペレットを用いて射出成形により厚さ2.5mmの試験片とし、UL94規格の燃焼試験に準拠して垂直燃焼試験(V試験)を行った。
(ポリカーボネート樹脂)
・FN1700A
タフロンFN1700A、出光興産株式会社製、ビスフェノールAポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:17,500
・FB2200J
タフロンFB2200J、出光興産株式会社製、分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量:22,800、分岐剤含有量:0.7モル%
(帯電防止剤)
・IL−AP3〔一般式(1)で表されるホスホニウム塩〕
広栄化学工業株式会社製、1,1,1−トリブチル−1−ドデシルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
・IPS−101〔比較用〕
竹本油脂株式会社製、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩
・パーフルオロブタンスルホン酸カリウム
・パーフルオロメタンスルホン酸カリウム
(その他の有機金属塩)
・p−トルエンスルホン酸ナトリウム
・ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム
(離型剤)
・EW440A
理研ビタミン株式会社製、ペンタエリスリトールテトラステアレート
(酸化防止剤)
・Irgafos 168
BASF株式会社製、リン系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
(難燃助剤)
・KR511
信越シリコーン株式会社製、メトキシ基及びビニル基を有するオルガノポリシロキサン
表1及び2に示す樹脂組成の割合で、各成分を混合し、2軸押出し機[東芝機械株式会社製、機種名「TEM−35B」]を用い、バレル温度270℃にて溶融混練することにより、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。このペレットを用い、前述した方法で各種物性評価を行った。物性評価の結果を表1及び2に示す。
一方で、比較例1、4〜7から、一般式(1)で表されるホスホニウム塩及びパーフルオロアルキルスルホン酸塩のどちらか一方を含有するだけでは、実施例と比べ優れた帯電防止性を示す射出成形体が得られず、難燃性にも劣るものとなった。また比較例2及び3では一般式(1)で表されるホスホニウム塩とは別の帯電防止剤を用いたが、実施例と同等の帯電防止性を付与するためには帯電防止剤の含有量を多くする必要があり、実施例と比べ耐衝撃性に劣る射出成形体となった。
また、比較例8より一般式(1)で表されるホスホニウム塩の含有量が少なすぎる場合、優れた帯電防止性を示す射出成形体が得られず、一方、比較例9より上記ホスホニウム塩の含有量が多すぎる場合、射出成形体の透明性、耐衝撃性、耐熱性及び難燃性が実施例と比べ低下することがわかる。さらに、比較例10及び比較例11より、パーフルオロアルキルスルホン酸塩の含有量が本発明の範囲外である場合、優れた帯電防止性及び難燃性を示す射出成形体が得られず、特にパーフルオロアルキルスルホン酸塩の含有量が多すぎる場合には射出成形体の透明性及び耐衝撃性が実施例と比べ極端に低下することがわかる。
Claims (13)
- ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、下記の一般式(1)で表されるホスホニウム塩を0.1〜1.3質量部、及びパーフルオロアルキルスルホン酸塩を0.01〜0.5質量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
[(R1)3R2P]+・(R3SO2)(R4SO2)N- (1)
[上記式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R3及びR4は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよい。] - 前記ホスホニウム塩が、一般式(1)において、R1が炭素数2〜4のアルキル基を示し、R2が炭素数8〜14の直鎖状アルキル基を示し、R3及びR4が炭素数1又は2のパーフルオロアルキル基を示すホスホニウム塩である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パーフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム及びパーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- JIS K7105に準拠して測定した全光線透過率が85%以上である成形体が得られる、請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形される厚み0.5〜15mmの成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形される厚み0.5〜15mmの板状成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃以上で射出成形して得られる厚み0.5〜15mmの成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃以上で射出成形して得られる厚み0.5〜15mmの板状成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃未満で射出成形して得られる厚み2.5〜15mmの成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、金型温度100℃未満で射出成形して得られる厚み2.5〜15mmの板状成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、押出し成形して得られる成形体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を、押出し成形して得られる板状成形体。
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