JP2011057760A - 帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物は、耐候性に優れ、さらにポリカーボネート樹脂の優れた透明性を損なうことなく優れた帯電防止性を有し、かつ熱安定性に優れ、黄変が抑制されていることから、埃の付着を嫌う屋外用途の成形品、例えば照明用カバーやエクステリヤ−、カーポート等の用途に好適に用いられる。
【選択図】 なし
Description
特に光ディスクのカートリッジ等の事務機器の外装部品では、透明で内部の様子が充分に視認できること並びに埃が付着しないことが求められていた。
帯電防止剤として、
・ 下記式(1)に表される化合物(B)0.5〜10重量部および
・ 下記式(2)に表される化合物(C)0.1〜5重量部、
ならびに
紫外線吸収剤(D)0.03〜10重量部、
からなることを特徴とする帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
式(1):
[(R6)3R7P]+・(R8SO2)(R9SO2)N−
(式中、R6は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R7は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R8およびR9は同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示す。)
式(1):
式(3):
式(2):
[(R6)3R7P]+・(R8SO2)(R9SO2)N−
(式中、R6は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R7は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R8およびR9は同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示す。)
式(4):
ポリカーボネート樹脂(A):
住友ダウ社製 カリバー200−13
(粘度平均分子量:21500、以下PCと略記)
化合物(B):
竹本油脂社製 S−418
アルキルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩(以下、帯電防止剤Bと略記)
化合物(C):
1,1,1−トリブチル−1−ドデシルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタン
スルホニル)イミド(以下、帯電防止剤Cと略記)
1,1,1−トリブチル−1−ドデシルホスホニウム=ブロミド24.07g(0.0533モル、東京化成工業株式会社試薬)、塩化メチレン34.2g及びイオン交換水34.2g混合した後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸リチウム16.07g(0.0560モル)を添加し、室温で4時間攪拌した。反応終了後、得られた有機層を分液操作により分離し、イオン交換水34.2gで3回洗浄した。有機層を濃縮して塩化メチレンを除去後、残渣を減圧下で乾燥し、1,1,1−トリブチル−1−ドデシルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド32.0gを得た(収率92.2%)。
チバスペシャリティケミカルズ社製 TINUVIN329
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(以下、UVA−1と略記)
クラリアントジャパン社製 PR−25
マロネート系紫外線吸収剤 (以下、UVA−2と略記)
チバスペシャリティケミカルズ社製 TINUVIN1577
トリアジン系紫外線吸収剤 (以下、UVA−3と略記)
ADEKA社製 LA−31
高分子型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(以下、UVA−4と略記)
1.表面固有抵抗(Rs):
得られた試験片を23℃、50%相対湿度の条件で24時間状態調節した後、超絶縁計(シシド静電気社製SME−8311)を使用し、測定電圧500V、サンプリング時間60秒の条件で表面固有抵抗を測定した。表面固有抵抗Rsが1x1014未満の場合を合格とした。
2.半減期:
得られた試験片を用いて、シシド社製のスタティックオネストメーター H−0110にて、半減期を測定した。まず、10KVの電荷を、試験片の耐電圧が一定になるまで印加し続ける。その後、チャージを止め帯電圧の減衰を観察し、初期の帯電圧が半減するまでの時間を測定して半減期とした。半減期が10秒以下を合格とした。
3.全光線透過率:
得られた試験片を用いて、JIS K7361に準拠して全光線透過率を測定した。70%以上を合格とした。
4.イエローネスインデックス(YI):
得られた試験片を用いて、ASTM D−1925に準拠してイエローネスインデックス(YI)を測定した。10以下を合格とした。
5.耐候性:
射出成形により作成した試験片を(3cm×3cm×2mm厚み)に切り出し、超促進耐候試験機アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製SUV−W13)の中に設置し、6時間照射を行った。その後、照射前後の試験片をスペクトロフォトメータ(村上色彩技術研究所製CMS−35SP)により、イエローネスインデックス(YI)を測定した。△YI(YIの差)とは照射前後の黄身の程度を表し、△YIが小さい程、変色は小さく耐光性に優れている。△YIの評価基準としては、△YIの値が12未満であるものを合格(○)、12以上であるものを不合格(×)とした。
実施例4は帯電防止剤(B)1.5部および帯電防止剤(C)0.5部を併用した例であり、その表面固有抵抗は1012Ωのオーダーを示した。一方、帯電防止剤(B)1.5部のみ単独配合した例(比較例1)および帯電防止剤(C)0.5部のみ単独配合した例(比較例2)では、表面固有抵抗が何れも1015Ω以上を示した。この例からも分かるとおり、帯電防止剤(B)と帯電防止剤(C)とを併用することで、帯電防止性能における相乗効果が得られた。
比較例1は、帯電防止剤(C)を配合しない場合であり、表面固有抵抗と半減期が劣る結果となった。
比較例2は、帯電防止剤(B)を配合しない場合であり、表面固有抵抗と半減期が劣る結果となった。
比較例3は、帯電防止剤(B)の配合量が規定量より少ない場合であり、表面固有抵抗と半減期が劣る結果となった。
比較例4は、帯電防止剤(B)の配合量が規定量より多い場合であり、YIが劣る結果となった。
比較例5は、帯電防止剤(C)の配合量が規定量より少ない場合であり、表面固有抵抗と半減期が劣る結果となった。
比較例6は、帯電防止剤(C)の配合量が規定量より多い場合であり、透過率とYIが劣る結果となった。
比較例7は、紫外線吸収剤(D)の配合量が規定量より少ない場合であり、耐候性が劣る結果となった。
比較例8は、紫外線吸収剤(D)の配合量が規定量より多い場合であり、YIが劣る結果となった。
Claims (5)
- ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、
帯電防止剤として、
・ 下記式(1)に表される化合物(B)0.5〜10重量部および
・ 下記式(2)に表される化合物(C)0.1〜5重量部、
ならびに
紫外線吸収剤(D)0.03〜10重量部、
からなることを特徴とする耐候性に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
式(1):
(式中、R1は炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であり、R2〜R5は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、これらは同じであっても異なっていてもよい。)
式(2):
[(R6)3R7P]+・(R8SO2)(R9SO2)N−
(式中、R6は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R7は炭素数8〜20のアルキル基を示し、R8およびR9は同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示す。) - 前記化合物(B)の配合量が0.6〜1.5重量部であり、かつ前記化合物(C)の配合量が0.3〜1.0重量部(それぞれ、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり)である請求項1に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記紫外線吸収剤(D)が、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系およびマロネート系から選択される1種もしくは2種以上の紫外線吸収剤である請求項1に記載の帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物。
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