JP2012131835A - 光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 - Google Patents

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Abstract

【構成】ポリカーボネート樹脂(A)、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(B)、芳香族硫黄化合物の金属塩(C)、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(D)、繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)および二酸化チタン(F)からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
【効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、臭素や塩素を含有する従来の難燃剤を使用しないことから、燃焼時に当該難燃剤に起因する臭素や塩素を含むガスの発生の懸念もなく、かつリン系難燃剤も使用しないことから環境面において優れている。さらに、薄肉成形品においてUL94試験5V相当の耐燃性を有していることから光反射性が要求される液晶フレームやランプホルダーに好適である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高い光反射性を有し、かつ優れた難燃性および耐燃性を有するポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、機械、自動車などの分野に広く用いられている。なかでも液晶表示装置のフレームやランプホルダー等の光反射板の用途においては、耐衝撃性、耐熱性等の面からポリカーボネート樹脂が着目されており、ポリカーボネート樹脂に高い光反射性を付与するために、多量の酸化チタンを配合する方法が提案されている。また、酸化チタンの表面を処理することで所望とする光反射性を得ることが試みられている。(特許文献1〜3を参照)

特開2005−320457号公報 特開2005−015655号公報 特開2003−183491号公報
一方、液晶フレームやランプホルダーに使用されるポリカーボネート樹脂には、光反射性のみならず安全上の要求を満たすためUL94試験V−0相当の高度な難燃性も要求されている。この用途向けのポリカーボネート樹脂の難燃化においては、従来から難燃剤としてハロゲン系化合物やリン系化合物を配合する方法が採用されている(特許文献4参照)。これらの中で特に臭素や塩素といったハロゲン系化合物については、環境面からこれらを含有しない難燃剤の使用が望まれており、シリコーン系難燃剤による難燃化の提案がされている。(特許文献5参照)
特開2000−302959号公報 特開2003−155405号公報
液晶フレームやランプホルダーに使用されるポリカーボネート樹脂に対しては、光反射性のみならずUL94試験V−0相当の高い難燃性能が求められている。最近では、更に高い難燃性能であるUL94試験5V相当の耐燃性が市場から求められている。
本発明者は、かかる課題に鑑み鋭意研究を行った結果、特定のシリコーン化合物および繊維形成型の含フッ素ポリマーにて難燃化された光反射性ポリカーボネート樹脂に、芳香族硫黄化合物およびパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩を併用して配合することで、驚くべきことに、耐燃性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(B)0.1〜1.5重量部、芳香族硫黄化合物の金属塩(C)0.01〜0.5重量部、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(D)0.01〜0.5重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)0.1〜1.0重量部および二酸化チタン(F)5〜25重量部からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
本発明の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、臭素や塩素を含有する従来の難燃剤を使用しないことから、燃焼時に当該難燃剤に起因する臭素や塩素を含むガスの発生の懸念もなく、かつリン系難燃剤も使用しないことから環境面において優れている。さらに、ポリカーボネート樹脂が有する種々の優れた性能を損なうことなく、薄肉成形品においてUL94試験5V相当の耐燃性を有していることから光反射性が要求される液晶フレームやランプホルダーに好適であり、実用上の利用価値が極めて高い。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独または2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは12000〜35000、更に好ましくは15000〜28000である。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
上記粘度平均分子量の測定方法は、塩化メチレンを溶媒として0.5重量%の溶液とし、キャノンフェンスケ型粘度管を用い温度20℃で比粘度(ηsp)を測定し、濃度換算により極限粘度〔η〕を求め下記のSCHNELLの式から算出した。
〔η〕=1.23×10−40.83
本発明にて使用されるシリコーン化合物(B)は、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなり、下記一般式(1)にて示される。
一般式(1)
Figure 2012131835
ここで、R、RおよびRは主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(B)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン化合物(B)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン化合物(B)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。
シリコーン化合物(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり、0.1〜1.5重量部である。配合量がこの範囲外であると何れも充分な難燃効果が得られないので好ましくない。好ましくは0.1〜1.0重量部、より好ましくは0.2〜0.9重量部の範囲である。
本発明にて使用される芳香族硫黄化合物の金属塩(C)とは、アルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3'−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム等が使用できる。
芳香族硫黄化合物の金属塩(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜0.5重量部である。配合量がこの範囲外であると何れも充分な耐燃性を備えた難燃効果が得られないので好ましくない。好ましくは0.02〜0.3重量部、より好ましくは0.02〜0.2重量部の範囲である。
本発明にて使用されるパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(D)とは、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。なかでも、パーフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩が好適に使用できる。
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜0.5重量部である。配合量が0.01重量部未満では、耐燃性および難燃性が低下するので好ましくない。また、0.5重量部を超えると、耐燃性および難燃性が得られない、または表面外観が悪化するといった問題が発生するので好ましくない。好ましくは0.05〜0.3重量部、より好ましくは0.1〜0.2重量部の範囲である。
本発明にて使用される繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)としては、ポリカーボネート樹脂(A)中でフィブリル状構造を形成するものがよく、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とりわけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μm以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適に使用される。
繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜1.0重量部である。配合量が0.1重量部未満では滴下防止性に劣り、また1.0重量部を超えると表面外観や造粒性が悪化するので好ましくない。好ましくは0.2〜0.6重量部、より好ましくは0.3〜0.45重量部の範囲である。
本発明にて使用される二酸化チタン(F)とは、塩素法、硫酸法どちらで製造されたものでもよく、その結晶形態としてはルチル型、アナターゼ型のどちらであっても構わない。また、二酸化チタンの粒径としては0.1〜0.5μm程度のものが好適である。
市販の二酸化チタンとしては、DuPont社製R902、レジノカラー工業社製DCF17007、Kronos社製2230、石原産業社製タイペークPF740等があげられる。
二酸化チタン(F)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり5〜25重量部である。配合量が5重量部未満では光反射性に劣り、また25重量部を超えると外観や機械強度(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適な配合量は9〜20重量部の範囲である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)の配合方法は特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機で容易に溶融混練することができる。また、これらの配合順序についても特に制限はない。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の樹脂組成物に各種の熱安定剤、酸化防止剤、充填材、離型剤、帯電防止剤、軟化材、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)、染顔料等の添加剤、他のポリマーを配合しても良い。
充填材としては、例えばガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク粉、クレイ粉、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラストナイト粉、シリカ粉、アルミナ粉等が挙げられる。
他のポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂等のスチレン系ポリマー;ポリプロピレン、さらにポリカーボネートとアロイ化して通常使用されるポリマーが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
なお、使用した原材料は以下のものである。
ポリカーボネート樹脂:
ビスフェノールAおよびホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住友ダウ社製カリバー200−20、粘度平均分子量:19000
以下、PCと略記)
シリコーン化合物(以下、シリコーン化合物と略記):
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
芳香族硫黄化合物の金属塩:
パラトルエンスルホン酸ナトリウム(以下、金属塩1と略記)
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩:
パーフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩(以下、金属塩2と略記)
繊維形成型の含フッ素ポリマー:
ダイキン社製ポリフロンFA500
(ポリテトラフルオロエチレン、以下、PTFEと略記)
二酸化チタン:
Kronos社製2230
(Kronos社製2230、以下、TiO2と略記)
本発明における各種評価項目の測定方法等について説明する。
(樹脂組成物ペレットの作成)
表2〜表5に示す配合成分および配合比率にて、各種配合成分をタンブラーで混合し、37mm径の二軸押出機(神戸製鋼社製KTX37)を用いて、シリンダー温度280度にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(耐燃性の評価)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて240℃、射出圧力1600kg/cmの条件下、燃焼性試験用試験片(2.0mm)を成形した。この試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で168時間放置し、アンダーラターズ・ラボラトリーの定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に従い耐燃性の評価を行った。
UL94−5Vの評価基準を表1に示す。基準をクリアした場合は合格(○)、それ以外を不合格(×)とした。
Figure 2012131835
ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
(外観の評価)
得られた各種ペレットを125℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cmにて光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。得られた試験片を目視にてヒケ、ムラの発生を判定した。ヒケ・ムラのないものを合格(○)、ヒケ・ムラのあるものを不合格(×)とした。
(光反射性)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cmの条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、波長400〜800nmにおけるY値を分光光度計(村上色彩研究所製CMS−35SP)により測定した。
Y値が94%以上となるものを合格(○)、94%未満を不合格(×)とした。
評価結果をそれぞれ表2〜表5に示した。
Figure 2012131835
Figure 2012131835
Figure 2012131835
Figure 2012131835
表2および表3に示すとおり、本発明の構成要件の全てを満足する場合(実施例1〜10)では、評価項目において十分な性能を有していた。
一方、表4および表5に示すとおり、本発明の構成を満足しない場合には、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、シリコーン化合物の配合量が規定量よりも少ない場合で、耐燃性に劣っていた。
比較例2は、シリコーン化合物の配合量が規定量よりも多い場合で、耐燃性および外観に劣っていた。
比較例3は、金属塩1の配合量が規定量よりも少ない場合で、耐燃性に劣っていた。
比較例4は、金属塩1の配合量が規定量よりも多い場合で、耐燃性および外観に劣っていた。
比較例5は、金属塩2の配合量が規定量よりも少ない場合で、耐燃性に劣っていた。
比較例6は、金属塩2の配合量が規定量よりも多い場合で、耐燃性および外観に劣っていた。
比較例7は、PTFEの配合量が規定量よりも少ない場合で、耐燃性に劣っていた。
比較例8は、PTFEの配合量が規定量よりも多い場合で、耐燃性・外観に劣っていた。
比較例9は、TiOの配合量が規定量よりも少ない場合で、光反射性に劣っていた。
比較例10は、TiOの配合量が規定量よりも多い場合で、耐燃性に劣っていた。

Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(B)0.1〜1.5重量部、芳香族硫黄化合物の金属塩(C)0.01〜0.5重量部、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(D)0.01〜0.5重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(E)0.1〜1.0重量部および二酸化チタン(F)5〜25重量部からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(B)の配合量が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.1〜1.0重量部であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 芳香族硫黄化合物の金属塩(C)の配合量が0.02〜0.2重量部、かつパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(D)の配合量が0.1〜0.2重量部、であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)が、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)の配合量が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.3〜0.45重量部であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
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