JP2010132805A - 光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】臭素や塩素を含有する従来の難燃剤およびリン系難燃剤を使用しないことから環境面において優れ、さらに優れた難燃性、高い光反射性を維持し、優れた流動性と良好な衝撃強度を兼ね備える液晶フレームまたはランプホルダー用光反射板等の用途に好適なポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)、酸化チタン(B)、シリコーン化合物(C)、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)、有機金属塩(E)、繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)、流動性向上剤(G)および所望によっては蛍光増白剤(H)からなる光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれからなる成形品。
【選択図】なし
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)、酸化チタン(B)、シリコーン化合物(C)、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)、有機金属塩(E)、繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)、流動性向上剤(G)および所望によっては蛍光増白剤(H)からなる光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれからなる成形品。
【選択図】なし
Description
本発明は、光反射性および成形時の流動性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、および該組成物より成形されてなる光反射板に関する。本発明に係わる樹脂組成物は、光反射性に優れ、さらには、成形時の流動性、難燃性、耐衝撃性、外観にも優れていることから、特に液晶フレームまたはランプホルダー用光反射板に好適に使用できる。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、機械、自動車などの分野に広く用いられている。一方、ポリカーボネート樹脂が有するこれらの優れた性能に加えて、電気、電子、OA分野では安全上の要求を満たすため、高い難燃性を具備した材料が求められている。そこで、ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するために有機臭素化合物やリン系化合物などの各種難燃剤を配合する方法が種々提案され採用されている。液晶バックライト等の光反射板の用途でも同様の状況であり、その具体例が開示されている。(特許文献1〜3を参照。)
しかしながら、有機臭素化合物などのハロゲン系化合物を配合した場合には、燃焼時に当該ハロゲンを含むガスが発生する懸念もあり、環境面でも塩素、臭素等を含有しない難燃剤の使用が望まれている。また、リン系化合物にしても環境影響に及ぼす懸念から、こういった難燃剤に代わる新規の難燃剤が求められているのが現状である。
また、光反射性ポリカーボネート樹脂材料を得るために、酸化チタンを使用し、さらに有機臭素化合物やリン系化合物を難燃剤として使用した場合に衝撃強度などの機械的性質が低下する問題があり、その改良が求められていた。特許文献4には、難燃剤として有機臭素化合物および/またはりん系化合物を使用し、ポリオルガノ水素シロキサンおよびエポキシ変性エラストマーを更に配合することにより衝撃強度を向上させる手法が提案されている。
特開平7−258554号公報
特開平9−111109号公報
特開平10−1600号公報
特開2000−302959号公報
一方、製品の用途によっては流動性の良好なポリカーボネート樹脂材料が求められている。流動性を改善させる手法として、過去より様々な技術が提案されてきたが、いずれも一長一短があり、必ずしも満足できる材料が提案されているわけではない。例えば、ポリカーボネート樹脂の分子量に着目して高い分子量のものと低い分子量のものを併用し、かつどちらかに分岐したポリカーボネート樹脂を用いる方法(特許文献5)、ポリカーボネート樹脂にABS樹脂やMBS樹脂を配合する方法(特許文献6)あるいはポリカーボネート樹脂にABS樹脂やリン酸エステルを配合する方法(特許文献7)などが提案されているが、これらの技術では、ポリカーボネート樹脂が持つ前述の優れた特徴の内いずれか1種以上が大きく損なわれてしまうといった問題を孕んでおり、従来からその改善が強く望まれてきた。また、ポリカーボネート樹脂に脂肪酸を配合することで流動性を改良する方法(特許文献8)が提案されているが、この場合、流動性は向上するものの、脂肪酸によるポリカーボネート樹脂の分解が起こり機械的強度の低下を招く等の根本的問題があった。
ポリカーボネート樹脂にエポキシ変性エラストマーを配合することにより、衝撃強度の低下は抑制されうるが、樹脂組成物の流動性が低下する傾向にあり、これに起因する成形性の低下の改良が望まれていた。また、前述の環境面への配慮から有機臭素化合物やりん系化合物に代わる難燃剤を用いて、優れた光反射性、難燃性、機械的性質、流動性、成形性を具備し、かつ熱安定性、外観にも優れたポリカーボネート樹脂組成物の開発が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、衝撃改良剤として特定構造のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、特定の流動性向上剤を用いて、これと特定のシリコーン化合物、有機金属塩および繊維形成型の含フッ素ポリマー、更に所望によっては特定の蛍光増白剤、とを併用することにより、驚くべきことに、難燃性および衝撃強度のみならず流動性も飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、酸化チタン(B)5〜25重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜3重量部、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)0.1〜5重量部、有機金属塩(E)0.01〜2重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)0.01〜2重量部、芳香族ビニル系単量体とフェニルメタクリレートとの共重合体からなる流動性向上剤(G)2〜12重量部および4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベン(H)0〜0.1重量部からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、ならびにこれを成形してなる成形品を提供するものである。
本発明の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、臭素や塩素を含有する従来の難燃剤を使用しないことから、燃焼時に当該難燃剤に起因する臭素や塩素を含むガスの発生の懸念もなく、かつリン系難燃剤も使用しないことから環境面において優れている。さらに、優れた難燃性および高い光反射性を維持したまま、優れた流動性と良好な衝撃強度を兼ね備えていることから、特に大型化および薄肉化している液晶フレームまたはランプホルダー用光反射板等の用途に好適であり、実用上の利用価値が極めて高い。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独または2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは12000〜25000、更に好ましくは14000〜18000である。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。上記粘度平均分子量の測定方法は、塩化メチレンを溶媒として0.5重量%の溶液とし、キャノンフェンスケ型粘度管を用い温度20℃で比粘度(ηsp)を測定し、濃度換算により極限粘度〔η〕を求め下記のSCHNELLの式から算出した。
〔η〕=1.23×10−4M0.83
〔η〕=1.23×10−4M0.83
本発明にて使用される酸化チタン(B)とは、塩素法、硫酸法どちらで製造されたものでもよく、その結晶形態としてはルチル型、アナターゼ型のどちらであっても構わない。また、酸化チタンの粒径としては0.1〜0.5μm程度のものが好適である。とりわけ、ポリエンのリン酸化物により表面処理されている酸化チタンが好適に用いられる。
市販の酸化チタンとしては、DuPont社製R902,レジノカラー工業社製DCF17007,Kronos社製2230、石原産業社製タイペークPF740等があげられる。
酸化チタン(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり5〜25重量部である。配合量が5重量部未満では光反射性に劣り、また25重量部を超えると外観や機械強度(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適な配合量は9〜16重量部の範囲である。
本発明にて使用されるシリコーン化合物(C)は、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなり、下記一般式(1)にて示される。
一般式(1)
一般式(1)
ここで、R1、R2およびR3は主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(C)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(C)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン化合物(C)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン化合物(C)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。
シリコーン化合物(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり、0.01〜3重量部である。配合量がこの範囲外であると何れも充分な難燃効果が得られないので好ましくない。より好ましくは0.02〜2重量部の範囲である。
本発明にて使用されるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)とは、ポリオルガノシロキサン粒子(D−1)40〜90部の存在下に分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D−2)100〜50重量%およびその他の共重合可能な単量体(D−3)0〜50重量%からなるビニル系単量体0.5〜10部を重合し、さらにビニル系単量体(D−4)5〜50部を(D−1〜D−4を合わせて100重量部とする)重合して得られるグラフト共重合体である。
ポリオルガノシロキサン粒子(D−1)は、光散乱法または電子顕微鏡観察から求められる数平均粒子径が、好ましくは0.008〜0.6μm、さらに好ましくは0.01〜0.2μm、特に好ましくは0.01〜0.15μmである。
また、ポリオルガノシロキサン粒子(D−1)は、ポリオルガノシロキサンのみからなる粒子だけでなく、他の(共)重合体、たとえば、ポリアクリル酸ブチル、アクリル酸ブチルースチレン共重合体などを5%以下含んだ変性ポリオルガノシロキサンでもよい。
分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D−2)としては、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、フタル酸ジアリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジビニルベンゼンなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これらのうち、メタクリル酸アリルが好適に使用できる。
また、上記D−2と共重合可能なその他の単量体(D−3)ならびにビニル系単量体(D−4)としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、パラブチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
なお、ポリオルガノシロキサン粒子(D−1)の存在下での単量体(D−2)またはこれと単量体D−3、ならびに更に単量体D−4を加えての重合では、グラフト共重合体の枝にあたる部分が幹成分(ここでは、D−1)にグラフトせずに枝成分だけで単独に重合して得られるいわゆるフリーポリマーも副生し、グラフト共重合体とフリーポリマーの混合物としてえられるが、本発明ではこの両者を併せてポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)という。ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)は、市販品として入手可能であり、例えばカネカ社製カネエースMR01、カネエースMR02等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.1〜5重量部である。配合量が0.1重量部未満では衝撃強度に劣り、また5重量部を超えると流動性が低下するので好ましくない。更に好ましくは0.5〜2.0重量部の範囲である。
本発明にて使用される有機金属塩(E)とは、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3'−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が使用できる。
有機金属塩(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部未満では、難燃性が低下するので好ましくない。また、2重量部を超えると、機械物性や難燃性が得られなかったり、表面外観が悪化するといった問題が発生する。より好適な配合量は、0.2〜1重量部の範囲である。
本発明にて使用される滴下防止剤(F)としては、ポリカーボネート樹脂(A)中でフィブリル状構造を形成するものがよく、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とりわけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μm以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適に使用される。
滴下防止剤(F)の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部未満では滴下防止性に劣り、また2重量部を超えると表面外観や機械物性(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適には、0.2〜1重量部の範囲である。
芳香族ビニル系単量体とフェニルメタクリレートとの共重合体からなる流動性向上剤(G)に使用される芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、αメチルスチレン、p−tert.ブチルスチレンなどが挙げられ、これらは単独もしくは2種以上で使用することができる。好ましい流動性向上剤(G)としては、スチレン/フェニルメタクリレート共重合体またはスチレン/αメチルスチレン/フェニルメタクリレート共重合体が挙げられる。
また、芳香族ビニル系単量体とフェニルメタクリレートとの共重合体からなる流動性向上剤(G)の重合方法は、乳化重合、懸濁重合、塊状重合が挙げられ、特に乳化重合が好ましく用いられる。なお、当該流動性向上剤(G)は、商業的に入手可能であり、三菱レイヨン社のメタブレンTP003が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体とフェニルメタクリレートとの共重合体からなる流動性向上剤(G)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、2〜12重量部である。配合量が2重量部未満であると流動性の改善効果に劣り、配合量が12重量部を越えると衝撃強度が低下するので好ましくない。より好ましくは3〜10重量部、更に好ましくは4〜8重量部である。
本発明にて使用される4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベン(H)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0〜0.1重量部である。配合量が0.1重量部を超えると耐光性が低下するので好ましくない。より好ましくは、0.01〜0.05重量部の範囲である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)の配合方法は特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の一軸または二軸押出機で容易に溶融混練することができる。また、これらの配合順序についても特に制限はない。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に各種の熱安定剤、酸化防止剤、充填材、離型剤、軟化材等の添加剤、他のポリマーを配合しても良い。
充填材としては、例えばガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク粉、クレイ粉、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラストナイト粉、シリカ粉、アルミナ粉等が挙げられる。
他のポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂等のスチレン系ポリマー;ポリプロピレン、さらにポリカーボネートとアロイ化して通常使用されるポリマーが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
なお、使用した原材料は以下のものである。
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製カリバー301−40
(粘度平均分子量:16600、以下、PC−1と略記)
住友ダウ社製カリバー301−22
(粘度平均分子量:18800、以下、PC−2と略記)
酸化チタン:
レジノカラー工業社製DCF17007(以下、B−1と略記)
Kronos社製2230(以下、B−2と略記)
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製カリバー301−40
(粘度平均分子量:16600、以下、PC−1と略記)
住友ダウ社製カリバー301−22
(粘度平均分子量:18800、以下、PC−2と略記)
酸化チタン:
レジノカラー工業社製DCF17007(以下、B−1と略記)
Kronos社製2230(以下、B−2と略記)
シリコーン化合物:(以下「シリコーン化合物」と略記)
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体:
カネカ社製カネエースMR01(以下、D−1と略記)
カネカ社製カネエースMR02(以下、D−2と略記)
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩:
パラトルエンスルホン酸ナトリウム(以下、金属塩と略記)
ポリテトラフルオロエチレン:
ダイキン社製ポリフロンFA500
(ポリテトラフルオロエチレン、以下、PTFEと略記)
流動性向上剤:
スチレン/フェニルメタクリレート共重合体
三菱レイヨン社製TP003(以下、流動性向上剤と略記)
4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベン:
住化カラー社製ホワイトフローPSN (以下、FWAと略記)
カネカ社製カネエースMR01(以下、D−1と略記)
カネカ社製カネエースMR02(以下、D−2と略記)
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩:
パラトルエンスルホン酸ナトリウム(以下、金属塩と略記)
ポリテトラフルオロエチレン:
ダイキン社製ポリフロンFA500
(ポリテトラフルオロエチレン、以下、PTFEと略記)
流動性向上剤:
スチレン/フェニルメタクリレート共重合体
三菱レイヨン社製TP003(以下、流動性向上剤と略記)
4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベン:
住化カラー社製ホワイトフローPSN (以下、FWAと略記)
本発明における各種評価項目の測定方法等について説明する。
(樹脂組成物ペレットの作成)
以下の表2〜表6に示す配合成分におよび配合比率にて、各種配合成分をタンブラーで混合し、37mm径の二軸押出機(神戸製鋼社製KTX37)を用いて、シリンダー温度280度にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(樹脂組成物ペレットの作成)
以下の表2〜表6に示す配合成分におよび配合比率にて、各種配合成分をタンブラーで混合し、37mm径の二軸押出機(神戸製鋼社製KTX37)を用いて、シリンダー温度280度にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(難燃性)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて240℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、燃焼性試験用試験片(1.5mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で168時間放置し、アンダーラターズ・ラボラトリーが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に従い難燃性の評価を行った。UL94によるクラスを表1に示す。V−0を合格(○)、それ以外を不合格(×)とした。
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて240℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、燃焼性試験用試験片(1.5mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で168時間放置し、アンダーラターズ・ラボラトリーが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に従い難燃性の評価を行った。UL94によるクラスを表1に示す。V−0を合格(○)、それ以外を不合格(×)とした。
残炎時間とは、着火元を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間であり、ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
(光反射性)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、波長400〜800nmにおけるY値を分光光度計(村上色彩研究所製CMS−35SP)により測定した。
Y値が90%以上となるものを合格(○)、90%未満を不合格(×)とした。
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、波長400〜800nmにおけるY値を分光光度計(村上色彩研究所製CMS−35SP)により測定した。
Y値が90%以上となるものを合格(○)、90%未満を不合格(×)とした。
(流動性)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて280℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、アルキメデススパイラルフロー金型(幅10mm、厚み1,0mm)を用い流動長を測定した。
スパイラル流動長が150mm以上を合格(○)、150mm未満を不合格(×)とした。
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100C−5)を用いて280℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、アルキメデススパイラルフロー金型(幅10mm、厚み1,0mm)を用い流動長を測定した。
スパイラル流動長が150mm以上を合格(○)、150mm未満を不合格(×)とした。
(耐衝撃性)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100E−5)を用いて280℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、強度測定用試験片(ISO規格179−2の試験片、厚み4mm)を成形し、先端角0.25Rのノッチ付き試験片に加工した。前述の試験片をISO179−2に準拠し23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間状態調整後、シャルピー衝撃試験機で衝撃強度を測定した。
シャルピー衝撃強度が15KJ/m2以上を合格(○)、15KJ/m2未満を不合格(×)とした。
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100E−5)を用いて280℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、強度測定用試験片(ISO規格179−2の試験片、厚み4mm)を成形し、先端角0.25Rのノッチ付き試験片に加工した。前述の試験片をISO179−2に準拠し23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間状態調整後、シャルピー衝撃試験機で衝撃強度を測定した。
シャルピー衝撃強度が15KJ/m2以上を合格(○)、15KJ/m2未満を不合格(×)とした。
(白色度)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100E−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、波長400〜800nmにおけるYI(黄色度)を分光光度計(村上色彩研究所製CMS−35SP)により測定した。
YI(黄色度)が2.0%以下となるものを合格(○)、2.0%を超えるものを不合格(×)とした。
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100E−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片を23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、波長400〜800nmにおけるYI(黄色度)を分光光度計(村上色彩研究所製CMS−35SP)により測定した。
YI(黄色度)が2.0%以下となるものを合格(○)、2.0%を超えるものを不合格(×)とした。
(耐光性)
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100E−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片に、スガ試験機社製キセノンウェザーメーターSX75を用い、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、照射線量150W/m2の条件で、200時間照射した後に、試験片のYI(黄色度)を評価した。表中の値は初期のYI(黄色度)からの変化値(ΔYI)である。
YI(黄色度)からの変化値(ΔYI)が25以下を合格(○)、25を超えるものを不合格(×)とした。
得られたペレットを125℃で4時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製J100E−5)を用いて300℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、光学測定用試験片(幅50mm、長さ40mm、厚み2mm)を成形した。前述の試験片に、スガ試験機社製キセノンウェザーメーターSX75を用い、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、照射線量150W/m2の条件で、200時間照射した後に、試験片のYI(黄色度)を評価した。表中の値は初期のYI(黄色度)からの変化値(ΔYI)である。
YI(黄色度)からの変化値(ΔYI)が25以下を合格(○)、25を超えるものを不合格(×)とした。
表2に示すとおり、本発明の構成を満足する場合(実施例1〜11)には、全ての評価項目において十分な性能を有していた。
一方、表4および表5に示すとおり、本発明の構成を満足しない場合には、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の配合量が規定量よりも少ない場合で、燃焼性、流動性および反射性能は合格するものの、衝撃性能が劣っていた。
比較例2は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の配合量が規定量よりも多い場合で、衝撃性能および反射性能は合格するものの、難燃性および流動性が劣っていた。
比較例3は、酸化チタンの配合量が少ない場合で、難燃性および流動性は合格するものの、反射性能が劣っていた。
比較例4は、酸化チタンの配合量が多い場合で、流動性および反射性能は合格するものの、難燃性および衝撃性能が劣っていた。
比較例5は、シリコーン化合物の配合量が少ない場合で、難燃性が劣っていた。
比較例6は、シリコーン化合物の配合量が多い場合で、難燃性が劣っていた。
比較例7は、流動向上剤の配合量が少ない場合で、流動性が劣っていた。
比較例8は、流動向上剤の配合量が多い場合で、難燃性および衝撃性能が劣っていた。
比較例1は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の配合量が規定量よりも少ない場合で、燃焼性、流動性および反射性能は合格するものの、衝撃性能が劣っていた。
比較例2は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の配合量が規定量よりも多い場合で、衝撃性能および反射性能は合格するものの、難燃性および流動性が劣っていた。
比較例3は、酸化チタンの配合量が少ない場合で、難燃性および流動性は合格するものの、反射性能が劣っていた。
比較例4は、酸化チタンの配合量が多い場合で、流動性および反射性能は合格するものの、難燃性および衝撃性能が劣っていた。
比較例5は、シリコーン化合物の配合量が少ない場合で、難燃性が劣っていた。
比較例6は、シリコーン化合物の配合量が多い場合で、難燃性が劣っていた。
比較例7は、流動向上剤の配合量が少ない場合で、流動性が劣っていた。
比較例8は、流動向上剤の配合量が多い場合で、難燃性および衝撃性能が劣っていた。
表2の実施例1に示す配合比率の樹脂組成物に対して、さらに4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベンを表4の配合比率にて追加配合した。これ以外は実施例1と同一の操作を行い各種性能の評価を行なった。結果を表6に示す。
表6に示すとおり、本発明の構成を満足する場合(実施例12、13)には、全ての評価項目において十分な性能を有していた。
一方、比較例7に示すように、4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベンの配合量が規定量よりも多い場合は、光反射性および初期の白色度は合格するものの、耐光性が劣っていた。
一方、比較例7に示すように、4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベンの配合量が規定量よりも多い場合は、光反射性および初期の白色度は合格するものの、耐光性が劣っていた。
Claims (10)
- ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、酸化チタン(B)5〜25重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜3重量部、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)0.1〜5重量部、有機金属塩(E)0.01〜2重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)0.01〜2重量部、芳香族ビニル系単量体とフェニルメタクリレートとの共重合体からなる流動性向上剤(G)2〜12重量部および4,4’ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2イル)スチルベン(H)0〜0.1重量部からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が、14000〜18000であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(D)が、ポリオルガノシロキサン粒子(D−1)40〜90重量部の存在下に多官能性単量体(D−2)100〜50重量%およびその他の共重合可能な単量体(D−3)0〜50重量%からなるビニル系単量体0.5〜10重量部を重合し、さらにビニル系単量体5〜50重量部(D−4)(D−1〜4を合わせて100重量部とする)を重合して得られるグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 多官能性単量体(D−2)が、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、フタル酸ジアリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジビニルベンゼンからなる群から選ばれた1種もしくは2種以上の単量体であることを特徴とする請求項3に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- ビニル系単量体(D−4)が芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体およびカルボキシル基含有ビニル系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項3に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 有機金属塩(E)が、芳香族スルホン酸の金属塩またはパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)が、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 流動性向上剤(G)が、スチレン/フェニルメタクリレート共重合体またはスチレン/αメチルスチレン/フェニルメタクリレート共重合体である請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形されてなる成形品。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形されてなる液晶フレームまたはランプホルダー用光反射板。
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JP2008311110A JP2010132805A (ja) | 2008-12-05 | 2008-12-05 | 光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品 |
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JP2010144165A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Cheil Industries Inc | 耐光性および難燃性に優れた熱可塑性ポリカーボネート樹脂組成物 |
CN105544203A (zh) * | 2016-01-28 | 2016-05-04 | 江苏侨新纤维有限公司 | 一种以氨纶废丝为原料的荧光氨纶的制备方法 |
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2008
- 2008-12-05 JP JP2008311110A patent/JP2010132805A/ja active Pending
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