JP2007002075A - 光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム - Google Patents

光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【構成】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、酸化チタン(B)25重量部を越え50重量部以下、ポリオルガノ水素シロキサン(C)0.01〜3重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)0.01〜1重量部、有機金属塩(E)0.01〜2重量部および繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)0〜2重量部からなる組成物を成形してなる光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム。
【効果】本発明の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルムは、ハロゲンやリンを含有する従来の難燃剤を使用することなく優れた難燃性を示し、燃焼時にハロゲンを含むガスの発生等の懸念もなく、環境調和の面からも極めて優れており、とりわけ液晶バックライトユニット等に使用される光反射フィルムとして好適に用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルムに関する。本発明に係わるフィルムは、光反射性に優れ、さらには、成形時の熱安定性、機械的強度、難燃性、外観にも優れていることから、特に液晶バックライトユニット等の光反射フィルムに好適に使用できる。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、機械、自動車などの分野に広く用いられている。一方、ポリカーボネート樹脂が有するこれらの優れた性能に加えて、電気、電子、OA分野では安全上の要求を満たすため、高い難燃性を具備した材料が求められている。そこで、ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するためにハロゲン系化合物やリン系化合物などの各種難燃剤を配合する方法が種々提案され採用されている。液晶バックライトユニット等に使用される光反射フィルムの用途でも同様の状況である。
特開平6−207092号公報 特開平7−258554号公報 特開平9−111109号公報 特開平9−12853号公報 特開平10−1600号公報
しかしながら、難燃剤としてハロゲン系化合物を配合した場合には、燃焼時に当該ハロゲンを含むガスが発生する懸念もあり、環境面でも塩素、臭素等を含有しない難燃剤の使用が望まれている。
また、光反射性ポリカーボネート樹脂材料を得るために、酸化チタンを使用し、さらに有機臭素化合物やリン系化合物を難燃剤として使用した場合には、衝撃強度などの機械的性質が低下するという問題があり、その改良が求められていた。そこで、ポリオルガノ水素シロキサンおよびエポキシ変性エラストマーを更に配合する手法が提案されている。
特開2000−302959号公報
しかし、エポキシ変性エラストマーを配合することにより衝撃強度の低下は抑制されうるが、樹脂フィルムの流れ性が低下する傾向にあり、これに起因して表面外観が低下するといった問題があった。また、前述の環境面への配慮から有機臭素化合物やりん系化合物に代わる難燃剤を用いた配合系にて、優れた光反射性、難燃性、良好な表面外観を具備し、かつ熱安定性にも優れたポリカーボネート樹脂フィルムが望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、難燃剤として特定構造のシリコーン化合物を用いて、これと有機金属塩を併用すること、さらに必要に応じて繊維形成型の含フッ素ポリマーを添加することによりエラストマーを配合することなく衝撃強度や、成形性も飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、酸化チタン(B)25重量部を越え50重量部以下、ポリオルガノ水素シロキサン(C)0.01〜3重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)0.01〜1重量部、有機金属塩(E)0.01〜2重量部および繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)0〜2重量部からなる組成物を成形してなる光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルムを提供するものである。
本発明の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルムは、ハロゲンやリンを含有する従来の難燃剤を使用することなく優れた難燃性を示し、燃焼時にハロゲンを含むガスの発生等の懸念もなく、環境調和の面からも極めて優れており、とりわけ液晶バックライトユニット等に使用される光反射フィルムとして好適に用いることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独または2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000である。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される酸化チタン(B)としては、塩素法、硫酸法どちらで製造されたものでもよく、その結晶形態としてはルチル型、アナターゼ型又はイタチタン石型のいずれであっても構わない。また、酸化チタン(B)の粒径としては特に限定するものではないが、0.1〜0.5μm程度のものが好適に使用できる。
酸化チタン(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり25重量部を越え50重量部以下である。配合量が25重量部以下では光反射性に劣り、また50重量部を超えると外観や機械強度(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適には 26〜35重量部の範囲である。
本発明にて使用されるポリオルガノ水素シロキサン(C)としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシクロシロキサン等が挙げられ、とりわけ下記一般式(1)〜(3)の構成単位から選択された化合物が好ましい。
一般式(1)
Figure 2007002075
(式中、Rは脂肪族不飽和を含まない一価の炭化水素基、
aは1.00〜2.10、
bは0.1〜1.0、
(a+b)は2.00〜2.67である。)
一般式(2)
Figure 2007002075
一般式(3)
Figure 2007002075
(式中、A、Bおよびnは、一般式(2)に示すものと同一である。)
これら以外のポリオルガノ水素シロキサンを使用すると、高温下での溶融混練時にポリカーボネート樹脂(A)の分子量低下や黄色度が上昇する場合や、成形加工時に多量のガスの発生や成形品へのシルバーストリーク等が発生する場合がある。
前記酸化チタン(B)とポリオルガノ水素シロキサン(C)は、そのままの状態で直接ポリカーボネート樹脂(A)に配合することも可能である。また、ポリカーボネート樹脂(A)に配合する前に、酸化チタン(B)を一旦ポリオルガノ水素シロキサン(C)で表面処理し、これをポリカーボネート樹脂(A)に配合しても良い。
前記の表面処理の方法としては、湿式、乾式いずれの方法を用いても良い。湿式法としては、ポリオルガノ水素シロキサン(C)と低沸点溶媒との混合溶液に酸化チタン(B)を添加し、これを攪拌後、脱溶媒処理を行う方法等が挙げられる。その後、さらに120〜200℃の温度で熱処理しても良い。乾式法としては、ポリオルガノ水素シロキサン(C)と酸化チタン(B)をスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型タンブラー等の混合装置により混合攪拌処理する方法等が挙げられる。この際に、120〜200℃の温度条件で熱処理しても良い
本発明にて使用されるシリコーン化合物(D)としては、下記一般式(4)に示されるような、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるものである。
一般式(4)
Figure 2007002075
ここでR1、R2およびR3は主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(D)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン化合物(D)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン化合物(D)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。
シリコーン化合物(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜1重量部である。配合量が当該範囲外においてはいずれの場合も難燃効果が不十分であるので好ましくない。更に好ましくは0.5〜0.9重量部の範囲である。
本発明にて使用される(E)有機金属塩とは、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3'−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が使用できる。
有機金属塩(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部未満では、難燃性が低下するので好ましくない。また、2重量部を超えると、機械物性や難燃性が得られなかったり、表面外観が悪化するので好ましくない。より好適な配合量は、0.2〜1重量部の範囲である。
本発明にて使用される繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)としては、ポリカーボネート樹脂(A)中でフィブリル状構造を形成するものがよく、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とりわけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μm以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適に使用される。
繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部あたり0〜2重量部である。配合量が2重量部を超えると表面外観や機械物性(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適には、0〜0.5重量部の範囲である。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂フィルムに各種の熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、充填材、離型剤、軟化材、帯電防止剤等の添加剤、他のポリマーを配合しても良い。
充填材としては、例えばガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク粉、クレイ粉、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラストナイト粉、シリカ粉、アルミナ粉等が挙げられる。
他のポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリプロピレン、さらにポリカーボネートとアロイ化して通常使用されるポリマーが挙げられる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、「部」は断りのない限り重量基準に基づく。
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製 カリバー200−3
(粘度平均分子量:28000、以下「PC」と略記。)
酸化チタン:
石原産業製 PF−726
(塩素法で製造され、平均粒子径は0.20〜0.23μmであり、アルミ
ナ水和物とケイ酸水和物で処理された酸化チタン。以下「酸化チタン」と
略記。)
ポリオルガノ水素シロキサン:
信越化学工業社製 KF99
(粘度:20cSt、25℃。以下「ポリオルガノシロキサン」と略記。)
シリコーン化合物:(以下「シリコーン」と略記。)
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量
のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラ
クロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し
、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し
、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合
を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコ
ーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率: 40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*): 60モル%
・末端基: メチル基のみ
・重量平均分子量(**): 15,000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、
残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1
個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。
末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である

**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
有機金属塩:
バイエル社製バイオウエットC−4
(パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、以下「金属塩」と略記。)
ポリテトラフルオロエチレン:
ダイキン工業社製ネオフロンFA500
(以下「PTFE」と略記。)
前述の各種原料を表2〜5に示す配合比率にて、一括してタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼社製KTX37)を用いて、溶融温度280℃にて溶融混練し、ポリカーボネート樹脂フィルム用組成物のペレットを得た。
(厚みの変動)
得られた各種ペレットをTダイ押出機(田辺プラスチック製単軸40mm押出機)で、溶融温度280℃の条件下にて難燃性評価用フィルム(幅300mm、厚み0.20mm)を成型した。次いで、フィルム成型品の厚みをマイクロメーターにて30点測定し、厚みの標準偏差を求めた。また、外観を目視にて観察した。厚みの標準偏差値の求め方はフィルムの幅方向に30点マイクロメーター(最小単位=0.001mm)にて厚み測定を行い、次式を使って求めた。
厚みの標準偏差値:σ
Figure 2007002075
厚みの変動の評価基準は、以下のとおりである。
良好:フィルム厚み(0.2mm)の標準偏差(σ)が0.01以下。
普通:フィルム厚み(0.2mm)の標準偏差(σ)が0.011〜0.02。
劣る:フィルム厚み(0.2mm)の標準偏差(σ)が0.021以上。
普通から良好を合格とした。
(外観)
作成したフィルムの外観を目視にて判定した。判定基準は以下のとおりである。
良好:◎・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークの無いフィルム
普通:○・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークがほんの少しある
劣る:×・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークが劣るフィルム
普通から良好を合格とした。
(光反射性)
長さ50mm、幅50mm、厚み0.20mmのフィルム状試験片を作成し、波長380〜780nmにおけるY値を分光光度計(村上色彩技術研究所製CMS−35SP)により測定した。Y値が97.5%以上となるものを合格とした。
(難燃性)
前述のフィルム(厚み0.20mm)を幅50mm、長さ200mm、に切断し、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で72時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。UL94によるクラスを表1に示す。VTM−0を合格とした。
Figure 2007002075
残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
評価結果をそれぞれ表2〜5に示した。
Figure 2007002075
Figure 2007002075
Figure 2007002075
Figure 2007002075
*NRはどの難燃クラスにも属さないものを表す。
実施例1〜9に示すように、本発明の構成要件を具備したポリカーボネート樹脂フィルムは、高度な難燃性を維持しながら極めて良好な外観、高い光反射性ならびに少ない厚み変動を有する。
一方、比較例1〜8に示すように、本発明の構成要件を満たさない場合においては、何らかの欠点を有していた。
比較例1では、酸化チタンの配合量が規定範囲の下限よりさらに少ない場合であり、光反射率が不合格となった。
比較例2は、酸化チタンの配合量が規定範囲の上限を超えている場合であるが、厚みの標準偏差、外観、難燃性が不合格となった。
比較例3は、ポリオルガノシロキサンが規定範囲の下限よりさらに少ない場合であり、厚みの標準偏差、外観、光反射率、難燃性が不合格となった。
比較例4は、ポリオルガノシロキサンが規定範囲の上限を超えている場合であり、厚みの標準偏差、外観、が規格を満足しなかった。
比較例5は、シリコーン化合物の配合量が規定範囲の上限を超えている場合であるが、厚みの標準偏差、難燃性、光反射率が不合格となった。
比較例6は、金属塩の配合量が規定範囲の下限よりさらに少ない場合であるが、難燃性が不合格となった。
比較例7は、金属塩の配合量が規定範囲の上限を超えている場合であるが、厚みの標準偏差、外観が不合格となった。
比較例8は、PTFEの配合量が規定範囲の上限を超えている場合であるが、厚みの標準偏差、外観、光反射率が不合格となった。



Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、酸化チタン(B)25重量部を越え50重量部以下、ポリオルガノ水素シロキサン(C)0.01〜3重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(D)0.01〜1重量部、有機金属塩(E)0.01〜2重量部および繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)0〜2重量部からなる組成物を成形してなる光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム。
  2. 酸化チタン(B)の配合量が、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり26〜35重量部であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム。
  3. 有機金属塩(E)が、芳香族スルホン酸の金属塩またはパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム。
  4. 繊維形成型の含フッ素ポリマー(F)が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルム。
  5. 請求項1に記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂フィルムを成形してなる、液晶バックライトユニット用光反射フィルム。



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