JP2014146486A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料予備排気室における試料の破損や飛散を防ぐことができる荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子線装置100は、試料室10と、試料室10に仕切弁12を介して接続されている試料予備排気室20と、試料予備排気室20から排気される気体の排気流量を調整する排気流量調整弁70と、排気流量調整弁70を制御する制御部82と、を含み、制御部82は、排気流量調整弁70を開いて第1開度とする処理と、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度とする前の試料予備排気室20の第1圧力と、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度とした後の試料予備排気室20の第2圧力との差が第1基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、第1圧力と第2圧力との差が第1基準値よりも大きいと判定した場合に、排気流量調整弁70を第1開度よりも小さい第2開度とする処理と、を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、荷電粒子線装置に関する。
電子顕微鏡等の荷電粒子線装置では、例えば特許文献1に開示されているように、真空状態に維持された試料室に、試料予備排気室を介して試料を導入する。特許文献1の荷電粒子線装置では、大気圧状態の試料予備排気室に試料を導入し、当該試料予備排気室を排気装置により試料室の真空度と同じ真空度にした後に、ゲートバルブを開いて試料室に試料を導入している。これにより、試料室を真空状態に維持しつつ、試料を試料室に導入することができる。また、このような荷電粒子線装置では、試料室から試料予備排気室を介して試料を取り出すことで、試料室を真空状態に維持しつつ、試料を試料室から取り出すことができる。
特開2009−48801号公報
しかしながら、このような荷電粒子線装置では、試料を試料室に導入する際の試料予備排気室の予備排気において、試料予備排気室内の単位時間あたりの圧力変化が大きくなる場合がある。特に、ロータリーポンプ等で粗引きを開始した直後や、ロータリーポンプ等で粗引きした後、ターボ分子ポンプ等に切り替えた直後には、圧力変化が大きくなる。また、試料を試料室から取り出す際の試料予備排気室のベントにおいても、試料予備排気室内の単位時間あたりの圧力変化が大きくなる場合がある。
試料予備排気室内の大きな圧力変化により、例えば、試料が破損したり、試料が粉体の場合には試料が飛散したりする場合がある。また、試料周囲にガスを導入して試料室の圧力より高い圧力環境下で試料の観察ができる環境セルを用いた観察を行う場合、この環境セルに用いられる隔膜が、試料予備排気室内の圧力変化により壊れる場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、試料予備排気室における試料の破損や飛散を防ぐことができる荷電粒子線装置を提供することにある。
(1)本発明に係る荷電粒子線装置は、
真空状態に維持される試料室と、
前記試料室に仕切弁を介して接続されている試料予備排気室と、
前記試料予備排気室を排気する排気装置と、
前記排気装置によって前記試料予備排気室から排気される気体の排気流量を調整する排気流量調整弁と、
前記試料予備排気室の圧力を測定する圧力計と、
前記排気流量調整弁を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
前記排気流量調整弁を制御して、前記排気流量調整弁を第1開度とする処理と、
前記圧力計によって測定された前記排気流量調整弁を前記第1開度とする前の前記試料
予備排気室の第1圧力と、前記圧力計によって測定された前記排気流量調整弁を前記第1開度とした後の前記試料予備排気室の第2圧力との差が、第1基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、
前記第1圧力と前記第2圧力との差が前記第1基準値よりも大きいと判定した場合に、前記排気流量調整弁を制御して、前記排気流量調整弁を前記第1開度よりも小さい第2開度とする処理と、
を行う。
このような荷電粒子線装置によれば、試料予備排気室を予備排気する際に、試料が破損したり飛散したりするような大きな圧力変化を生じさせないことができる。したがって、試料予備排気室における試料の破損や飛散を防ぐことができる。
(2)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記制御部は、
前記第1圧力と前記第2圧力との差が第2基準値よりも小さいか否かを判定する処理と、
前記第1圧力と前記第2圧力との差が前記第2基準値よりも小さいと判定した場合に、前記排気流量調整弁を制御して、前記排気流量調整弁を前記第1開度よりも大きい第3開度とする処理と、
を行ってもよい。
(3)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記試料予備排気室に気体を導入する気体供給部と、
前記気体供給部によって前記試料予備排気室に導入される気体の流量を調整する導入流量調整弁と、
を含み、
前記制御部は、さらに、前記導入流量調整弁を制御し、
前記制御部は、
前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を第4開度とする処理と、
前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とする前の前記試料予備排気室の第3圧力と、前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とした後の前記試料予備排気室の第4圧力との差が、第3基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、
前記第3圧力と前記第4圧力との差が前記第3基準値よりも大きいと判定した場合に、前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を前記第4開度よりも小さい第5開度とする処理と、
を行ってもよい。
(4)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記制御部は、
前記第3圧力と前記第4圧力との差が第4基準値よりも小さいか否かを判定する処理と、
前記第3圧力と前記第4圧力との差が前記第4基準値よりも小さいと判定した場合に、前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を前記第4開度よりも大きい第6開度とする処理と、
を行ってもよい。
(5)本発明に係る荷電粒子線装置は、
真空状態に維持される試料室と、
前記試料室に仕切弁を介して接続されている試料予備排気室と、
前記試料予備排気室に気体を導入する気体供給部と、
前記気体供給部によって前記試料予備排気室に導入される気体の流量を調整する導入流量調整弁と、
前記試料予備排気室の圧力を測定する圧力計と、
前記導入流量調整弁を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を第4開度とする処理と、
前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とする前の前記試料予備排気室の第3圧力と、前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とした後の前記試料予備排気室の第4圧力との差が、第3基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、
前記第3圧力と前記第4圧力との差が前記第3基準値よりも大きいと判定した場合に、前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を前記第4開度よりも小さい第5開度とする処理と、
を行う。
このような荷電粒子線装置によれば、試料予備排気室をベントする際に、試料が破損したり飛散したりするような大きな圧力変化を生じさせないことができる。したがって、試料予備排気室における試料の破損や飛散を防ぐことができる。
本実施形態に係る荷電粒子線装置の構成を説明するための図。 本実施形態に係る荷電粒子線装置の試料室および試料予備排気室の排気系および吸気系の構成を説明するための図。 本実施形態に係る荷電粒子線装置の制御部の排気流量調整処理の一例を示すフローチャート。 本実施形態に係る荷電粒子線装置の制御部の導入流量調整処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 荷電粒子線装置
まず、本実施形態に係る荷電粒子線装置の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る荷電粒子線装置100の構成を説明するための図である。なお、図1では、便宜上、後述する試料室10および試料予備排気室20の排気系および吸気系の図示は省略している。
荷電粒子線装置100は、図1に示すように、電子線源1001と、照射レンズ1002と、試料室10と、仕切弁(ゲートバルブ)12と、試料予備排気室20と、対物レンズ1004と、中間レンズ1005と、投影レンズ1006と、撮像装置1008と、試料ホルダー1010と、を含んで構成されている。本実施形態では、荷電粒子線装置100が、透過電子顕微鏡(TEM)である場合について説明する。図1は、試料が試料ホルダー1010に保持されて、試料室10に配置されている状態を示している。
電子線源1001、照射レンズ1002、対物レンズ1004、中間レンズ1005、投影レンズ1006は、鏡筒1012の内部に収容されている。鏡筒1012の内部は、
排気装置(図示せず)によって排気されている。
電子線源1001は、電子線EBを発生させる。電子線源1001は、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線EBを放出する。電子線源1001として、公知の電子銃を用いることができる。
照射レンズ1002は、電子線源1001の後段に配置されている。照射レンズ1002は、電子線源1001で発生した電子線EBを試料に照射するためのレンズである。照射レンズ1002は、例えば、複数の集束レンズ(図示せず)を含んで構成されている。
試料室10には、試料ホルダー1010によって試料が保持されている。試料室10は、鏡筒1012内の空間である。試料室10は、真空状態に維持される。ここで真空状態とは、大気よりも圧力の低い状態をいう。試料室10の圧力は、例えば、10−5Pa程度である。試料室10において、試料に荷電粒子線(電子線)が照射される。試料の試料予備排気室20から試料室10への移動、および試料の試料室10から試料予備排気室20への移動は、試料ホルダー1010を操作することにより行われる。
試料予備排気室20は、仕切弁12を介して試料室10に接続されている。なお、試料室10および試料予備排気室20の詳細については後述する。
対物レンズ1004は、照射レンズ1002の後段に配置されている。対物レンズ1004は、試料を透過した電子線EBで結像するための初段のレンズである。
中間レンズ1005は、対物レンズ1004の後段に配置されている。投影レンズ1006は、中間レンズ1005の後段に配置されている。中間レンズ1005および投影レンズ1006は、対物レンズ1004によって結像された像(電子顕微鏡像)をさらに拡大し、撮像装置1008上に結像させる。
撮像装置1008は、電子線EBを検出するための検出器を有している。検出器は、例えば、2次元的に配置されたCCDを有するCCDカメラである。撮像装置1008は、投影レンズ1006によって結像された電子顕微鏡像を検出し、この電子顕微鏡像の情報を出力する。
荷電粒子線装置100は、図示の例では、除振器1014を介して架台1016上に設置されている。
図2は、荷電粒子線装置100の試料室10および試料予備排気室20の排気系および吸気系の構成を説明するための図である。
荷電粒子線装置100は、図2に示すように、さらに、圧力計30,32,34と、排気装置40,50と、気体供給部60と、排気流量調整弁70と、導入流量調整弁72と、処理部80と、操作部90と、表示部92と、記憶部94と、記録媒体96と、を含んで構成されている。
試料室10には、試料室排気弁74が設けられた試料室排気管4が接続されている。試料室10は、試料室排気管4を介して排気装置50によって排気される。試料室10の圧力は、圧力計32で測定することができる。
試料予備排気室20は、仕切弁12を開くことにより、試料室10と連通する。これにより、試料を試料室10と試料予備排気室20との間で移動させることができる。試料予
備排気室20には、排気流量調整弁70が設けられた試料予備排気室排気管2が接続されている。試料予備排気室20は、試料予備排気室排気管2を介して排気装置40によって排気される。これにより、試料予備排気室20内の圧力を、例えば大気圧から試料室10と同じ圧力まで変動させることができる。また、試料予備排気室20には、導入流量調整弁72が設けられた試料予備排気室導入管6が接続されている。試料予備排気室20には、試料予備排気室導入管6を介して気体供給部60から気体が導入される。これにより、試料予備排気室20の圧力を、例えば試料室10と同じ圧力から大気圧まで変動させることができる。試料予備排気室20の圧力は、圧力計30で測定することができる。
荷電粒子線装置100では、試料予備排気室20を介して試料室10に試料を導入することにより、試料室10を高い真空度に維持した状態で試料を試料室10に導入することができる。さらに、荷電粒子線装置100では、試料室10から試料予備排気室20を介して試料を取り出すことにより、試料室10を高い真空度に維持した状態で試料を試料室10から取り出すことができる。
仕切弁12は、試料室10と試料予備排気室20とを隔離(真空隔離)する隔壁として機能する。仕切弁12は、例えば、真空バルブ(真空弁)である。仕切弁12によって、試料室10を真空状態に保ったまま、試料予備排気室20を大気圧状態にすることができる。
圧力計30は、試料予備排気室20の圧力を測定する。圧力計32は、試料室10の圧力を測定する。圧力計34は、大気(外部)の圧力を測定する。圧力計30,32,34によって測定された圧力の情報は、処理部80(制御部82)に出力される。
排気装置40は、試料予備排気室20を排気する。排気装置40は、例えば、ターボ分子ポンプである。当該ターボ分子ポンプの排気口には、例えば、油回転ポンプ(図示せず)が接続される。なお、排気装置40は、ターボ分子ポンプに限定されず、拡散ポンプ等のその他の真空ポンプであってもよい。排気装置40は、試料予備排気室排気管2を介して、試料予備排気室20を排気する。
排気装置50は、試料室10を排気する。排気装置50は、例えば、ターボ分子ポンプである。なお、排気装置50は、ターボ分子ポンプに限定されず、拡散ポンプ等のその他の真空ポンプであってもよい。排気装置50は、試料室排気弁74が設けられた試料室排気管4を介して、試料室10を排気する。なお、試料室排気弁74の開閉は、制御部82によって制御される。
気体供給部60は、試料予備排気室20に気体を導入する。気体供給部60は、例えば、圧縮された高圧の気体が収容されたボンベである。気体供給部60が、試料予備排気室20に気体を導入することにより、例えば試料予備排気室20を試料室10と同じ圧力から大気圧にすることができる。気体供給部60が供給する気体は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガスである。気体供給部60は、試料予備排気室導入管6を介して、試料予備排気室20に気体を導入する。
排気流量調整弁70は、排気装置40によって試料予備排気室20から排気される気体の流量(排気流量)を調整する。排気流量調整弁70は、試料予備排気室20と排気装置40とを接続している試料予備排気室排気管2に設けられている。排気流量調整弁70は、排気流量調整弁70の開度に応じて、排気流量が変化する。排気流量調整弁70では、開度が大きい(弁が開く)ほど、排気流量を大きくすることができる。排気流量調整弁70は、例えば、電圧や電流が供給されることによって動作する。また、排気流量調整弁70は、空気圧によって動作してもよい。排気流量調整弁70の開度は、制御部82によっ
て制御される。
導入流量調整弁72は、気体供給部60によって試料予備排気室20に導入される気体の流量(導入流量)を調整する。導入流量調整弁72は、試料予備排気室20と気体供給部60とを接続している試料予備排気室導入管6に設けられている。導入流量調整弁72は、開度に応じて、導入流量が変化する。導入流量調整弁72では、開度が大きい(弁が開く)ほど、導入流量を大きくすることができる。導入流量調整弁72は、例えば、電圧や電流が供給されることによって動作する。また、導入流量調整弁72は、空気圧によって動作してもよい。導入流量調整弁72の開度は、制御部82によって制御される。
操作部90は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部80に送る処理を行う。操作部90は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。
表示部92は、処理部80から入力される表示信号に基づいて、処理部80の処理結果等を文字やグラフその他の情報として表示するものである。表示部92は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイなどである。
記憶部94は、処理部80が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部94は、処理部80の作業領域として用いられ、操作部90から入力された操作信号、記録媒体96から読み出されたプログラムやデータ、処理部80が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
記録媒体96は、各種のプログラムやデータを記憶するための、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。また、記録媒体96は、処理部80の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記録する記録部としても機能するようにしてもよい。記録媒体96は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
処理部80は、記憶部94に記憶されているプログラムや記録媒体96に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理を行う。処理部80の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
本実施形態では、処理部80は、記憶部94に記憶されているプログラムを実行することで、以下に説明する排気流量調整弁70および導入流量調整弁72を制御する制御部82として機能する。あるいは、有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーから当該プログラムを受信し、記憶部94や記録媒体96に記憶させて実行するようにしてもよい。ただし、処理部80の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
制御部82は、試料室10に試料を導入するための試料予備排気室20の予備排気時に、排気流量調整処理を行う。
制御部82は、排気流量調整処理において、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度(初期開度)とする処理と、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度とする前の試料予備排気室20の圧力(初期圧力P1)と、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度とした後の試料予備排気室20
の圧力(現在圧力P2)との差εp2−1=|P2−P1|が第1基準値εs1よりも大きいか否かを判定する処理と、差εp2−1が第1基準値εs1よりも大きいと判定した場合に、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度よりも小さい第2開度とする処理と、を行う。
ここで、第1基準値εs1は、例えば、試料の破壊や飛散が起こらない圧力差(圧力変動)の上限値である。第1基準値εs1は、例えば、試料の耐圧に応じてあらかじめ設定される。また、第1開度および第2開度の大きさは、例えば、排気装置40の排気能力に応じてあらかじめ設定される。制御部82は、例えば、初期圧力P1と現在圧力P2とをあらかじめ設定された時間間隔で取得する。
また、制御部82は、排気流量調整処理において、圧力P1と圧力P2との差εp2−1が第2基準値εs2よりも小さいか否かを判定する処理と、差εp2−1が第2基準値εs2よりも小さいと判定した場合に、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度よりも大きい第3開度とする処理と、を行う。
ここで、第2基準値εs2は、第1基準値εs1よりも小さい値に設定される。第2基準値εs2は、例えば、試料予備排気室20を効率よく排気できる圧力差(圧力変動)の下限値である。第2基準値εs2は、あらかじめ設定される。
荷電粒子線装置100では、制御部82が、上述した排気流量調整処理を行うことにより、試料予備排気室20の予備排気時に、差εp2−1の範囲、すなわち、試料予備排気室20の圧力変動の範囲を、あらかじめ設定した範囲(εs2≦εp2−1≦εs1)にすることができる。
さらに、制御部82は、試料室10から試料予備排気室20を介して試料を取り出すための試料予備排気室20のベント時に、導入流量調整処理を行う。
制御部82は、導入流量調整処理において、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度(初期開度)とする処理と、圧力計30によって測定された導入流量調整弁72を第4開度(初期開度)とする前の試料予備排気室20の圧力P3(初期圧力P3)と、圧力計30によって測定された導入流量調整弁72を第4開度とした後の試料予備排気室20の圧力(現在圧力P4)との差εp4−3=|P4−P3|が第3基準値εs3よりも大きいか否かを判定する処理と、差εp4−3が第3基準値εs3よりも大きいと判定した場合に、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度よりも小さい第5開度とする処理と、を行う。
ここで、第3基準値εs3は、例えば、試料の破壊や飛散が起こらない圧力差(圧力変動)の上限値である。第3基準値εs3は、例えば、試料の耐圧に応じてあらかじめ設定される。第3基準値εs3は、例えば、第1基準値εs1と同じ値であってもよい。また、第3開度および第4開度の大きさは、例えば、気体供給部60の気体供給能力に応じてあらかじめ設定される。制御部82は、例えば、初期圧力P3と現在圧力P4とをあらかじめ設定された時間間隔で取得する。
また、制御部82は、導入流量調整処理において、初期圧力P3と現在圧力P4との差εp4−3が第4基準値εs4よりも小さいか否かを判定する処理と、差εp4−3が第4基準値εs4よりも小さいと判定した場合に、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度よりも大きい第5開度とする処理と、を行う。
ここで、第4基準値εs4は、第3基準値εs3よりも小さい値に設定される。第4基
準値εs4は、例えば、試料予備排気室20に効率よく気体を導入できる圧力差(圧力変動)の下限値である。第4基準値εs4は、あらかじめ設定される。
荷電粒子線装置100では、制御部82が、上述した導入流量調整処理を行うことにより、試料予備排気室20のベント時に、差εp4−3の範囲、すなわち、試料予備排気室20の圧力変動の範囲を、あらかじめ設定した範囲(εs4≦εp4−3≦εs3)にすることができる。
2. 荷電粒子線装置の制御部の処理
次に、荷電粒子線装置100の制御部82の処理について説明する。
2.1. 排気流量調整処理
まず、制御部82の排気流量調整処理について説明する。図3は、本実施形態に係る荷電粒子線装置100の制御部82の排気流量調整処理の一例を示すフローチャートである。以下、図2および図3を参照しながら説明する。
試料予備排気室20を介して試料室10に試料を導入する場合、荷電粒子線装置100では、試料室排気弁74は開いており、試料室10は排気装置50によって高真空状態(例えば10−5Pa程度)になるように排気されている。また、排気流量調整弁70および導入流量調整弁72は閉じられており、試料予備排気室20は大気圧状態である。なお、排気装置40は、動作している。このような状態で、試料予備排気室20に、試料が導入される。そして、制御部82は、例えば、ユーザーが操作部90を操作することにより出力される開始信号を取得して、排気流量調整処理を開始する。
まず、制御部82は、圧力計30によって測定された試料予備排気室20の初期圧力P1の情報を取得する処理を行う(S100)。初期圧力P1の情報は、圧力計30から出力され、制御部82は、圧力計30から出力された初期圧力P1の情報を取得する。ここでは、初期圧力P1は、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を開く前(第1開度とする前)の試料予備排気室20の圧力である。
次に、制御部82は、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を開いて、排気流量調整弁70の開度を第1開度(初期開度)とする処理を行う(S102)。具体的には、制御部82は、排気流量調整弁70を第1開度開くための制御信号を生成し、当該制御信号を排気流量調整弁70に送る。
次に、制御部82は、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度とした後の試料予備排気室20の現在圧力P2の情報を取得する処理を行う(S104)。現在圧力P2の情報は、圧力計30から出力され、制御部82は、圧力計30から出力された現在圧力P2の情報を取得する。
次に、制御部82は、初期圧力P1と現在圧力P2との差εp2−1=|P2−P1|を算出する処理を行う(S106)。そして、制御部82は、差εp2−1が第1基準値εs1よりも大きいか否かを判定する処理を行う(S108)。
制御部82は、差εp2−1が第1基準値εs1よりも大きい(εp2−1>εs1)と判定した場合(S108でYES)、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度よりも小さい第2開度とする処理を行う(S110)。具体的には、制御部82は、εp2−1>εs1と判定した場合、排気流量調整弁70を第2開度とするための制御信号を生成し、当該制御信号を排気流量調整弁70に送る。
一方、制御部82は、差εp2−1が第1基準値εs1よりも大きくないと判定した場合(S108でNO)、初期圧力P1と現在圧力P2との差εp2−1が第2基準値εs2よりも小さいか否かを判定する処理を行う(S112)。
制御部82は、差εp2−1が第2基準値εs2よりも小さい(εp2−1<εs2)と判定した場合(S112でYES)、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度よりも大きい第3開度とする処理を行う(S114)。具体的には、制御部82は、εp2−1<εs2と判定した場合、排気流量調整弁70を第3開度とするための制御信号を生成し、当該制御信号を排気流量調整弁70に送る。
制御部82は、排気流量調整弁70を第2開度とする処理(S110)を行った後、差εp2−1が第2基準値εs2よりも小さくないと判定した場合(S112でNO)、または、排気流量調整弁70を第3開度とする処理(S114)を行った後、現在圧力P2が試料室10に試料を導入するために必要な圧力値Pset以下であるか否かを判定する処理を行う(S116)。圧力値Psetは、例えば、圧力計32で測定された試料室10の圧力値を用いることができる。すなわち、制御部82は、試料予備排気室20の現在圧力P2が、試料室10の圧力以下であるか否かの判定を行う。
制御部82は、現在圧力P2が圧力値Pset以下であると判定した場合(S118でYES)、例えば、表示部92に予備排気が完了した旨を表示する処理を行い、排気流量調整処理を終了する。これにより、仕切弁12を開いて、試料を試料予備排気室20から試料室10に移動させることができる。
一方、制御部82は、現在圧力P2が圧力値Pset以下でないと判定した場合(S118でNO)、現在圧力P2の値を、初期圧力P1の値として設定する処理を行う(S120)。また、制御部82は、現在の排気流量調整弁70の開度を第1開度(初期開度)として設定する処理を行う。そして、制御部82は、現在圧力P2の情報を取得する処理を行う(S104)。制御部82は、S104、S106、S108、S110、S112、S114、S116、S118、S120の処理を、現在圧力P2がPset以下であると判定される(S118でYES)まで繰り返し行う。
2.2. 導入流量調整処理
次に、制御部82の導入流量調整処理について説明する。図4は、本実施形態に係る荷電粒子線装置100の制御部82の導入流量調整処理の一例を示すフローチャートである。以下、図2および図4を参照しながら説明する。
試料予備排気室20を介して試料室10から試料を取り出す場合、荷電粒子線装置100では、試料室排気弁74は開いており、試料室10は排気装置50によって高真空状態となるように排気されている。また、排気流量調整弁70は開いており、試料予備排気室20は排気装置40によって高真空状態となるように排気されている。このような状態で、仕切弁12を開き、試料室10から試料予備排気室20に試料を移動させる。その後、仕切弁12および排気流量調整弁70は閉じられる。そして、制御部82は、例えば、ユーザーが操作部90を操作することにより出力される開始信号を取得して、導入流量調整処理を開始する。
まず、制御部82は、圧力計30によって測定された試料予備排気室20の初期圧力P3の情報を取得する処理を行う(S200)。初期圧力P3の情報は、圧力計30から出力され、制御部82は、圧力計30から出力された初期圧力P3の情報を取得する。ここでは、初期圧力P3は、圧力計30によって測定された導入流量調整弁72を開く前(第4開度とする前)の試料予備排気室20の圧力である。
次に、制御部82は、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を開いて、導入流量調整弁72の開度を第4開度(初期開度)とする処理を行う(S202)。具体的には、制御部82は、導入流量調整弁72を第4開度開くための制御信号を生成し、当該制御信号を導入流量調整弁72に送る。
次に、制御部82は、圧力計30によって測定された導入流量調整弁72を第4開度とした後の試料予備排気室20の現在圧力P4の情報を取得する処理を行う(S204)。現在圧力P4の情報は、圧力計30から出力され、制御部82は、圧力計30から出力された現在圧力P4の情報を取得する。
次に、制御部82は、初期圧力P3と現在圧力P4との差εp4−3=|P4−P3|を算出する処理を行う(S206)。そして、制御部82は、差εp4−3が第3基準値εs3よりも大きいか否かを判定する処理を行う(S208)。
制御部82は、差εp4−3が第3基準値εs3よりも大きい(εp4−3>εs3)と判定した場合(S208でYES)、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度よりも小さい第5開度とする処理を行う(S210)。具体的には、制御部82は、εp4−3>εs3と判定した場合、導入流量調整弁72を第5開度とするための制御信号を生成し、当該制御信号を導入流量調整弁72に送る。
一方、制御部82は、差εp4−3が第3基準値εs3よりも大きくないと判定した場合(S208でNO)、初期圧力P3と現在圧力P4との差εp4−3が第4基準値εs4よりも小さいか否かを判定する処理を行う(S212)。
制御部82は、差εp4−3が第4基準値εs4よりも小さい(εp4−3<εs4)と判定した場合(S212でYES)、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度よりも大きい第6開度とする処理を行う(S214)。具体的には、制御部82は、εp4−3<εs4と判定した場合、排気流量調整弁70を第6開度とするための制御信号を生成し、当該制御信号を導入流量調整弁72に送る。
制御部82は、導入流量調整弁72を第5開度とする処理(S210)を行った後、差εp4−3が第3基準値εs3よりも小さくないと判定した場合(S212でNO)、または、導入流量調整弁72を第6開度とする処理(S214)を行った後、現在圧力P4が外部に試料を取り出すために必要な圧力値Pair以上であるか否かを判定する処理を行う(S216)。圧力値Pairは、例えば、圧力計34で測定された外部の圧力値(大気圧)を用いることができる。すなわち、制御部82は、試料予備排気室20の現在圧力P4が、大気圧以上であるか否かの判定を行う。
制御部82は、現在圧力P4が圧力値Pair以上であると判定した場合(S218でYES)、例えば、表示部92にベントが完了した旨を表示する処理を行い、処理を終了する。これにより、試料を試料予備排気室20から取り出すことができる。
一方、制御部82は、現在圧力P4が圧力値Pair以上でないと判定した場合(S218でNO)、現在圧力P4の値を、初期圧力P3の値として設定する処理を行う(S220)。また、制御部82は、現在の導入流量調整弁72の開度を第4開度(初期開度)に設定する処理を行う。そして、制御部82は、現在圧力P4の情報を取得する処理を行う(S204)。制御部82は、S204、S206、S208、S210、S212、S214、S216、S218、S220の処理を、現在圧力P4がPair以上であると判定される(S218でYES)まで繰り返し行う。
本実施形態に係る荷電粒子線装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
荷電粒子線装置100によれば、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度(初期開度)とする前の試料予備排気室20の初期圧力P1と、圧力計30によって測定された排気流量調整弁70を第1開度とした後の試料予備排気室20の現在圧力P2との差εp2−1が第1基準値εs1よりも大きいか否かを判定する処理と、初期圧力P1と現在圧力P2との差が第1基準値εs1よりも大きいと判定した場合に、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度よりも小さい第2開度とする処理と、を行う。これにより、試料予備排気室20を予備排気する際に、試料が破損したり飛散したりするような大きな圧力変化を生じさせないことができる。したがって、荷電粒子線装置100によれば、試料予備排気室20における試料の破損や飛散を防ぐことができる。
さらに、荷電粒子線装置100によれば、初期圧力P1と現在圧力P2との差εp2−1が第2基準値εs2よりも小さいと判定した場合に、排気流量調整弁70を制御して、排気流量調整弁70を第1開度よりも大きい第3開度とする処理を行う。これにより、試料予備排気室20を効率よく排気することができる。
したがって、荷電粒子線装置100によれば、試料予備排気室20の予備排気時に、試料予備排気室20の圧力変動の範囲(差εp2−1)の範囲を、あらかじめ設定した範囲(εs2≦εp2−1≦εs1)にすることができる。そのため、荷電粒子線装置100によれば、試料予備排気室20における試料の破損や飛散を防ぐことができ、かつ、試料予備排気室20を効率よく排気することができる。さらに、荷電粒子線装置100によれば、排気流量調整弁70を制御することにより排気流量を精度よく制御できるため、例えば、粗引き用のポンプを設けることなく、大気圧状態からターボ分子ポンプ(排気装置40)で排気することができる。したがって、排気系の構成を簡略化することができる。
荷電粒子線装置100によれば、圧力計30によって測定された導入流量調整弁72を第4開度(初期開度)とする前の試料予備排気室20の初期圧力P3と、圧力計30によって測定された導入流量調整弁72を第4開度とした後の試料予備排気室20の現在圧力P4との差εp4−3が第3基準値εs3よりも大きいか否かを判定する処理と、初期圧力P3と現在圧力P4との差εp4−3が第3基準値εs3よりも大きいと判定した場合に、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度よりも小さい第5開度とする処理と、を行う。これにより、試料予備排気室20をベントする際に、試料が破損したり飛散したりするような大きな圧力変化を生じさせないことができる。したがって、荷電粒子線装置100によれば、試料予備排気室20における試料の破損や飛散を防ぐことができる。
さらに、荷電粒子線装置100によれば、初期圧力P3と現在圧力P4との差εp4−3が第4基準値εs4よりも小さいと判定した場合に、導入流量調整弁72を制御して、導入流量調整弁72を第4開度よりも大きい第6開度とする処理を行う。これにより、試料予備排気室20を効率よくベントすることができる。
したがって、荷電粒子線装置100によれば、試料予備排気室20のベント時に、試料予備排気室20の圧力変動の範囲(差εp4−3)の範囲を、あらかじめ設定した範囲(εs4≦εp2−1≦εs3)にすることができる。そのため、荷電粒子線装置100によれば、試料予備排気室20における試料の破損や飛散を防ぐことができ、かつ、試料予備排気室20を効率よくベントすることができる。
3. 荷電粒子線装置の変形例
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。
上述した荷電粒子線装置100の制御部82は、排気流量調整処理において、排気流量調整弁70の開度を制御することにより、試料予備排気室20の圧力変化を制御していた。これに対して、制御部82は、排気流量調整処理において、排気流量調整弁70の開度および導入流量調整弁72の開度を制御することにより、試料予備排気室20の圧力変化を制御してもよい。
具体的には、制御部82は、図3に示す、排気流量調整弁70を第1開度とする処理S102、排気流量調整弁70を第2開度とする処理S110、および排気流量調整弁70を第3開度とする処理S114において、排気流量調整弁70の開度を制御するとともに、導入流量調整弁72の開度を制御してもよい。
また、上述した荷電粒子線装置100の制御部82は、導入流量調整処理において、導入流量調整弁72の開度を制御することにより、試料予備排気室20の圧力変化を制御していた。これに対して、制御部82は、導入流量調整処理において、導入流量調整弁72の開度および排気流量調整弁70の開度を制御することにより、試料予備排気室20の圧力変化を制御してもよい。
具体的には、制御部82は、図4に示す、導入流量調整弁72を第4開度とする処理S202、導入流量調整弁72を第5開度とする処理S210、および導入流量調整弁72を第6開度とする処理S214において、導入流量調整弁72の開度を制御するとともに、排気流量調整弁70の開度を制御してもよい。これにより、例えば導入流量調整弁72のみを用いる場合と比べて、試料予備排気室20内を、気体供給部60から供給される気体の雰囲気(不活性ガス雰囲気)にすることができる。したがって、試料が受ける外気の影響を低減することができる。
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。
上述した制御部82は、排気流量調整処理において、図3に示すように、試料予備排気室20の初期圧力P1の情報および現在圧力P2の情報を取得する処理(S100,S104)を行っていたが、制御部82は、さらに、初期圧力P1を測定した時間T1の情報および現在圧力P2を測定した時間T2の情報を取得してもよい。制御部82は、さらに、時間T1と時間T2との差を算出し、時間差|T2−T1|と差εp2−1とから、試料予備排気室20の単位時間あたりの圧力変動値を算出する処理を行ってもよい。そして、制御部82は、算出された単位時間あたりの圧力変動値に基づいて、排気流量調整弁70の開度を制御してもよい。
また、上述した制御部82は、導入流量調整処理において、図4に示すように、試料予備排気室20の初期圧力P3の情報および現在圧力P4の情報を取得する処理(S200,S204)を行っていたが、制御部82は、さらに、初期圧力P3を測定した時間T3の情報および現在圧力P4を測定した時間T4の情報を取得してもよい。制御部82は、さらに、時間T3と時間T4との差を算出し、時間差|T4−T3|と差εp4−3とから、試料予備排気室20の単位時間あたりの圧力変動値を算出する処理を行ってもよい。そして、制御部82は、算出された単位時間あたりの圧力変動値に基づいて、導入流量調
整弁72の開度を制御してもよい。
なお、上述した実施形態および変形例では、荷電粒子線装置が透過電子顕微鏡である場合について説明したが、本発明に係る荷電粒子線装置は電子やイオン等の荷電粒子線を用いる装置であれば特に限定されない。本発明に係る荷電粒子線装置は、例えば、走査透過電子顕微鏡(STEM)や走査電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡、電子線マイクロアナライザー(EPMA)、集束イオンビーム装置(FIB装置)、電子ビーム露光装置等であってもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…試料予備排気室排気管、4…試料室排気管、6…試料予備排気室導入管、10…試料室、12…仕切弁、20…試料予備排気室、30,32,34…圧力計、40,50…排気装置、60…気体供給部、70…排気流量調整弁、72…導入流量調整弁、74…試料室排気弁、80…処理部、82…制御部、90…操作部、92…表示部、94…記憶部、96…記録媒体、100…荷電粒子線装置、1001…電子線源、1002…照射レンズ、1004…対物レンズ、1005…中間レンズ、1006…投影レンズ、1008…撮像装置、1010…試料ホルダー、1012…鏡筒、1014…除振器、1016…架台

Claims (5)

  1. 真空状態に維持される試料室と、
    前記試料室に仕切弁を介して接続されている試料予備排気室と、
    前記試料予備排気室を排気する排気装置と、
    前記排気装置によって前記試料予備排気室から排気される気体の排気流量を調整する排気流量調整弁と、
    前記試料予備排気室の圧力を測定する圧力計と、
    前記排気流量調整弁を制御する制御部と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記排気流量調整弁を制御して、前記排気流量調整弁を第1開度とする処理と、
    前記圧力計によって測定された前記排気流量調整弁を前記第1開度とする前の前記試料予備排気室の第1圧力と、前記圧力計によって測定された前記排気流量調整弁を前記第1開度とした後の前記試料予備排気室の第2圧力との差が、第1基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、
    前記第1圧力と前記第2圧力との差が前記第1基準値よりも大きいと判定した場合に、前記排気流量調整弁を制御して、前記排気流量調整弁を前記第1開度よりも小さい第2開度とする処理と、
    を行う、荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記第1圧力と前記第2圧力との差が第2基準値よりも小さいか否かを判定する処理と、
    前記第1圧力と前記第2圧力との差が前記第2基準値よりも小さいと判定した場合に、前記排気流量調整弁を制御して、前記排気流量調整弁を前記第1開度よりも大きい第3開度とする処理と、
    を行う、荷電粒子線装置。
  3. 請求項1または2のいずれか1項において、
    前記試料予備排気室に気体を導入する気体供給部と、
    前記気体供給部によって前記試料予備排気室に導入される気体の流量を調整する導入流量調整弁と、
    を含み、
    前記制御部は、さらに、前記導入流量調整弁を制御し、
    前記制御部は、
    前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を第4開度とする処理と、
    前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とする前の前記試料予備排気室の第3圧力と、前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とした後の前記試料予備排気室の第4圧力との差が、第3基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、
    前記第3圧力と前記第4圧力との差が前記第3基準値よりも大きいと判定した場合に、前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を前記第4開度よりも小さい第5開度とする処理と、
    を行う、荷電粒子線装置。
  4. 請求項3において、
    前記制御部は、
    前記第3圧力と前記第4圧力との差が第4基準値よりも小さいか否かを判定する処理と

    前記第3圧力と前記第4圧力との差が前記第4基準値よりも小さいと判定した場合に、前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を前記第4開度よりも大きい第6開度とする処理と、
    を行う、荷電粒子線装置。
  5. 真空状態に維持される試料室と、
    前記試料室に仕切弁を介して接続されている試料予備排気室と、
    前記試料予備排気室に気体を導入する気体供給部と、
    前記気体供給部によって前記試料予備排気室に導入される気体の流量を調整する導入流量調整弁と、
    前記試料予備排気室の圧力を測定する圧力計と、
    前記導入流量調整弁を制御する制御部と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を第4開度とする処理と、
    前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とする前の前記試料予備排気室の第3圧力と、前記圧力計によって測定された前記導入流量調整弁を前記第4開度とした後の前記試料予備排気室の第4圧力との差が、第3基準値よりも大きいか否かを判定する処理と、
    前記第3圧力と前記第4圧力との差が前記第3基準値よりも大きいと判定した場合に、前記導入流量調整弁を制御して、前記導入流量調整弁を前記第4開度よりも小さい第5開度とする処理と、
    を行う、荷電粒子線装置。
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