JP4776300B2 - ガス流量設定方法およびイオンビーム加工装置 - Google Patents

ガス流量設定方法およびイオンビーム加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガスイオン源に供給されるガスの流量を設定するガス流量設定方法、および電子顕微鏡の観察試料などを作製するイオンビーム加工装置に関する。
現在、イオンビーム加工装置は、透過電子顕微鏡(TEM)や走査電子顕微鏡(SEM)の観察試料を作製するのに利用されている。このイオンビーム加工装置として、遮蔽材を試料(被加工試料)上に配置し、遮蔽材で覆われなかった試料部分をイオンビームでエッチングして観察断面を得るものがある。そして、このような電顕試料作製用のイオンビーム加工装置においては、イオン源としてガスイオン源が用いられており、たとえばペニング型イオン源が用いられている。
ペニング型イオン源はカソードとアノードと磁場発生手段を備えており、そのイオン化室にはガスが導入されるように構成されている。このような構成において、カソードから放出された電子は前記磁場により旋回運動を行い、イオン化室に導入されたガスはその電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンは、イオン化室の外に加速されて放出される。なお、ペニング型イオン源に関する特許文献として、特開昭53−114661号公報(特許文献1)などが知られている。
さて、より短い時間で電顕試料を作製するにはエッチング速度を上げる必要があり、そのためにはペニング型イオン源から放出されるイオンの量を多くする必要がある。すなわち、イオン源から放出されるイオンビームの電流値Iを大きくする必要がある。このイオンビームの電流値Iは、ガス源からイオン源に供給されるガスの流量Fによって変化する。
そこでオペレータは、被加工試料のイオンビーム加工前に以下の(a)〜(c)の手順で前記ガス流量Fを設定している。なお、そのガス流量Fの設定は、被加工試料がイオンビーム加工装置の加工室にセットされ(試料セット時、加工室は一時的に大気に開放される)、その加工室が排気手段によって所定の真空度Pまで排気されてから行われる。
(a)加工室に用意されている電流測定手段を、イオン源からのイオンビームを測定できる位置に配置する。
(b)イオン源とガス源の間に設けられた流量コントロールバルブを開けると共に、イオン源を動作させる。これにより、ガスがイオン源に供給されて、イオンビームがイオン源から放出される。
(c)前記電流測定手段の測定値(イオンビーム電流値I)が最大値Imaxを示すように、前記流量コントロールバルブの開口度を調節して前記ガス流量Fをfに設定する。
このガス流量fの設定後に被加工試料のイオンビーム加工が開始され、被加工試料は加工開始時点から、電流値Iが最大のイオンビームでエッチングされる。被加工試料のイオンビーム加工はたとえば5時間ほど連続して行われ、その間、ガス流量Fは前記fに固定される。
特開昭53−114661号公報
さて、被加工試料のイオンビーム加工の間、イオン源から放出されるイオンビームの電流値Iは前記最大値Imaxに保たれることが望ましい。しかし実際には、イオンビーム電流値Iはイオンビーム加工中にImaxより小さくなる。そこで本件発明者は実験を繰り返し行い、このようにイオンビーム電流Iが小さくなる原因は前記加工室の真空度の変化にあることを見つけ出した。このことについて以下に詳しく説明する。
イオンビーム加工装置の加工室は、被加工試料のイオンビーム加工中、前記排気手段によって連続して排気される。このため、イオンビーム加工開始時点において最高の真空度に達していなかった加工室の真空度は、イオンビーム加工中に徐々に高くなる(圧力は低くなる)。
これに伴い、加工室につながった前記イオン化室の真空度、すなわちガス源から一定のガス(ガス流量f)が供給されているイオン化室の真空度も、イオンビーム加工中に徐々に高くなる。これを受け、イオン化室のガスの濃度はイオンビーム加工中に徐々に低くなり(ガスが薄くなる)、イオン化室でイオン化されるガスの量は減少していく。この結果、イオン化室で発生するイオンの量は減少していく。
以上のような理由により、イオン源から放出されるイオンビームの電流値Iは、被加工試料のイオンビーム加工中に前記最大値Imaxより小さくなる。また、最悪の場合、イオンビーム加工中に電流値Iがほぼ零になることもある。
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その目的は、長時間にわたって大電流のイオンビームをイオン源から放出させることができるガス流量設定方法およびイオンビーム加工装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のガス流量設定方法は、被加工試料を収容する真空容器と、前記真空容器の内部を排気する排気手段と、前記真空容器に接続され、ガス源からのガスをイオン化してイオンビームを放出するイオン源と、前記ガス源から前記イオン源に供給されるガスの流量Fを変化させるガス流量可変手段と、前記イオン源から放出されるイオンビームの電流値Iを測定する電流測定手段を備え、前記被加工試料を前記イオンビームにより加工するようにしたイオンビーム加工装置において、前記被加工試料のイオンビーム加工時における前記ガス流量Fを、以下の(1)(2)の手順で設定するようにしたことを特徴としている。
(1)前記被加工試料のイオンビーム加工前に、前記ガス流量可変手段を用いて前記ガス流量Fを複数段階f,…,f,…,fに変化させる。そのときの各ガス流量f,…,f,…,fにおける前記イオンビーム電流値Iを、前記電流測定手段を用いて測定する。
(2)上記(1)の測定において、ガス流量f迄は前記イオンビーム電流値Iが増え続け、ガス流量fを超えると前記イオンビーム電流値Iが減り続けるような測定結果が得られると、最大のイオンビーム電流値Imaxが得られる前記ガス流量fより流量dだけ多いガス流量f+dを、前記被加工試料のイオンビーム加工時における前記ガス流量Fとして設定する。
したがって本発明によれば、長時間にわたって大電流のイオンビームをイオン源から放出させることができるガス流量設定方法およびイオンビーム加工装置を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のイオンビーム加工装置の一例を示したものである。まず、図1の装置構成について説明する。
1は真空容器であり、真空容器1内部の加工室2は排気手段3により排気されるように構成されている。4は真空計であり、真空計4は加工室2の真空度を測定するためのものである。
5はペニング型イオン源であり、イオン源5は前記真空容器1の上部に取り付けられている。イオン源5はカソード6,7とアノード8と加速電極9を備えており、さらに磁場発生手段(図示せず)を備えている。10は加速電圧電源であり、加速電圧電源10はアノード8と加速電極(接地)9間に加速電圧Vaccを印加するためのものである。
11はガス源であり、ガス源11はガス管12,流量コントロールバルブ(ガス流量可変手段)13,ガス管14を介してイオン源5に接続されている。流量コントロールバルブ13を開ければ、ガス源11のガス(たとえばアルゴンガス)がイオン源5のイオン化室15に供給されるように構成されている。そして、流量コントロールバルブ13の開口度を調節すれば、ガス源11からイオン源5に供給されるガスの流量Fを変化させることができる。
16は電流測定手段であり、電流測定手段16は前記加工室2に設けられている。この電流測定手段16は、イオン源5から放出されるイオンビームIの電流値Iを測定するために用意されている。そして、図1の装置では、電流測定手段16をイオン源5の光軸O上に配置および光軸O上から退避できるように構成されている。
17は中央制御装置(CPU)であり、中央制御装置17はイオン源制御部18とガス流量制御部19と表示制御部20を備えている。また中央制御装置17は、上述した加速電圧電源10と流量コントロールバルブ13と電流測定手段16に電気的に接続されている。さらに中央制御装置17は、キーボードやマウス等の入力手段21と、表示手段(CRT)22に電気的に接続されている。
以上、図1の装置構成について説明した。以下、図1の装置において、被加工試料Sをイオンビーム加工して電顕試料を作製する場合の動作説明を行う。
まずオペレータは、被加工試料Sを加工室2にセットする(図1参照)。このとき、試料セットのために加工室2は一時的に大気に開放され、被加工試料Sのセットが完了すると加工室2は大気から遮断される。こうして被加工試料Sが加工室2にセットされると、オペレータは排気手段3を動作させる。これにより、加工室2は排気手段3によって排気される。
次にオペレータは、電流測定手段16が光軸O上に位置するように、図示していない電流測定手段移動機構を操作する。これにより、電流測定手段16は図1に示すように光軸O上に配置され、電流測定手段16はイオン源5と被加工試料Sの間に配置される。
そしてオペレータは、入力手段21上において「加速電圧Vacc=V」の入力を行う。この際、オペレータは、被加工試料Sをイオンビーム加工するのに最適な加速電圧Vを入力する。すると、加速電圧信号Vが入力手段21からイオン源制御部18に送られる。
加速電圧信号Vを受けたイオン源制御部18は、イオン源5の加速電圧VaccがVとなるように加速電圧電源10を制御する。この結果、アノード8と加速電極9間に加速電圧Vが印加される。また、イオン源制御部18は、アノード8とカソード6,7間に所定の電圧Vが印加されるように電圧電源(図示せず)を制御する。この結果、電圧Vがアノード8とカソード6,7間に印加され、カソード6,7から電子が放出される。
さらにオペレータは、加工室2の真空度が所定の真空度P(たとえば1×10−3Pa)になったことを真空計4の表示から確認すると、入力手段21上において「ガス・スイープ」の入力を行う。すると、ガス・スイープ信号GSが入力手段21からガス流量制御部19に送られる。
ガス・スイープ信号GSを受けたガス流量制御部19は、流量コントロールバルブ13を制御して、前記ガス流量Fを複数段階f,…,f,…,fに変化させる。すなわち、ガス流量制御部19は、流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、ガス流量Fを図2に示すようにf(=0)〜fに連続的に変化させる(スイープさせる)。fはたとえば1ccm(1cc/min)に設定される。
こうして流量コントロールバルブ13を通ってイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンのうち、アノード8とカソード7の各イオンビーム通過孔を通過した陽イオンは、加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。
このようにイオン源5から放出されたイオンビームIは、光軸O上に配置された電流測定手段16によって検出され、イオンビームIの電流値Iは電流測定手段16で測定される。そして、電流測定手段16の出力は表示制御部20に送られる。
表示制御部20は、電流測定手段16の出力と、ガス流量制御部19からの参照信号Ref(図2に示したガス流量f,…,f,…,fを表す信号)から、各ガス流量f,…,f,…,fにおける前記電流値Iの情報(すなわち測定データ)を取得する。そして表示制御部20は、その取得した測定データに基づき、表示画像データMを作成する。その表示画像データMは表示制御部20から表示手段22に送られ、表示手段22の表示画面上には図3に示すグラフが表示される。
図3のグラフは、横軸に前記ガス流量F、縦軸に前記電流値Iをとって表示されている。このグラフから、ガス流量f迄はイオンビーム電流値Iが増え続け、ガス流量fを超えるとイオンビーム電流値Iが減り続けることがわかる。
従来、被加工試料のイオンビーム加工時におけるガス流量Fは、最大のイオンビーム電流値Imaxが得られるガス流量fに設定されていた。しかし、ガス流量Fをfに設定したのでは、前記「発明が解決しようとする課題」で述べた問題が発生してしまう。すなわち、イオンビーム加工中にイオン化室15のガスの濃度が低くなり(ガスが薄くなる)、イオンビーム電流IがImaxよりかなり小さくなってしまう。たとえば、イオンビーム加工開始からしばらくしてイオン化室の真空度が最高の真空度Pmaxに達したとき、イオンビーム電流値IがImax×30%程度になってしまうこともある(図3参照)。そして、その後もイオン化室15の真空度がPmaxに維持されると、電流値のかなり低いイオンビームで試料エッチングが長時間行われることになる。これでは、電顕試料を短時間で作製することはできない。
そこで本発明においては、図3のグラフが表示手段22上に表示されると、まずオペレータは、最大のイオンビーム電流値Imaxが得られるガス流量Fはfであることをそのグラフから確認する。そしてオペレータは、その確認したガス流量fよりも多いガス流量Fであり、かつ、Imax×80%程度のイオンビーム電流値が得られるガス流量Fを図3のグラフ上で確認する。この場合、ガス流量f+dがそのガス流量Fに相当する(図3参照)。そこでオペレータは、入力手段21上において「ガス流量F=f+d」の入力を行い、ガス流量f+dを被加工試料Sのイオンビーム加工時におけるガス流量Fとして設定する。
このようにガス流量Fをfよりd(d>0)だけ多く設定するのは、イオンビーム加工中にイオン化室15のガスの濃度が低くなる(ガスが薄くなる)ことを見越してのことである。すなわちオペレータは、イオンビーム加工開始からしばらくしてイオン化室15の真空度が最高の真空度Pmaxに達したとき、その真空度Pmaxにおいて最大のイオンビーム電流値Imax’が得られるように、予めdだけ多くガス流量を設定している。このdをどの程度に設定するかは予め実験により求められており、オペレータは、ガス流量をスイープさせ始めたときの前記真空度P(加工室2の真空度P)や、加工室2を排気する排気手段3の排気能力などを考慮してdを設定する。
さて、上述したようにオペレータが入力手段21上において「ガス流量F=f+d」の入力を行うと、ガス流量固定信号f+dが入力手段21からガス流量制御部19に送られる。ガス流量固定信号f+dを受けたガス流量制御部19は、流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、ガス流量Fをf+dに設定する。
こうして流量f+dでイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンは、前記加速電圧Vが印加された加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。そこでオペレータは、これまで光軸O上に配置されていた電流測定手段16を光軸O上から退避させる。これにより、イオン源5から放出されたイオンビームIは被加工試料Sを照射し、被加工試料Sのイオンエッチングが開始される。
このイオンエッチング開始時における加工室2の真空度は、図3に示したグラフを得たときと同程度(前記P程度)である。そして、ガス流量Fはf+dに固定されている。このため、被加工試料Sのイオンビーム加工開始時点においては、イオン源5から放出されるイオンビームIの電流値IはImax×80%程度である(図3参照)。このようにイオンビーム加工開始直後においては、被加工試料SはImaxに近い電流値のイオンビームによってエッチングされる。
そして本発明においては、イオンビーム加工開始からしばらくしてイオン化室15の真空度が最高の真空度Pmaxに達すると、上述したように最大のイオンビーム電流値Imax’が得られる。その後もイオン化室15の真空度がPmaxに維持されると、被加工試料Sはその後ずっと、最大強度のイオンビームでエッチングされる。したがって、本発明においては、電顕試料を短時間で作製することができる。
なお、図1の装置においては、遮蔽材が被加工試料S上に配置され、遮蔽材で覆われなかった試料部分がイオンビームでエッチングされ、観察断面が得られる。
以上、図1のイオンビーム加工装置について説明した。
次に、本発明の他の例を説明する。図4は、本発明のイオンビーム加工装置の一例を示したものである。まず図4の装置構成について説明するが、図1の構成要素と同じものには図1と同じ番号が付けられており、その説明を省略する。
図4において23は中央制御装置(CPU)であり、中央制御装置23はイオン源制御部24とガス流量制御部25とガス流量決定部26を備えている。そして中央制御装置23は、加速電圧電源10と流量コントロールバルブ13と電流測定手段16に電気的に接続されている。さらに中央制御装置23は、キーボードやマウス等の入力手段21と、表示手段(CRT)22に電気的に接続されている。
このような構成において、被加工試料S’のイオンビーム加工に先立ち、イオ源5の加速電圧V,V,…,Vに応じて最適なガス流量fa1+d,fa2+d,…,fan+dが求められる。その際、まず、それまで大気に開放されていた加工室2が大気から遮断される。そして、オペレータは排気手段3を動作させる。
次にオペレータは、電流測定手段16が光軸O上に位置するように、図示していない電流測定手段移動機構を操作する。これにより、電流測定手段16は図4に示すように光軸O上に配置される。
そしてオペレータは、入力手段21上において「加速電圧Vacc=V」の入力を行う。すると、加速電圧信号Vが入力手段21からイオン源制御部24に送られる。加速電圧信号Vを受けたイオン源制御部24は、イオン源5の加速電圧VaccがVとなるように加速電圧電源10を制御する。この結果、アノード8と加速電極9間に加速電圧Vが印加される。また、イオン源制御部24は、アノード8とカソード6,7間に所定の電圧Vが印加されるように電圧電源(図示せず)を制御する。この結果、電圧Vがアノード8とカソード6,7間に印加され、カソード6,7から電子が放出される。
さらにオペレータは、加工室2の真空度が前記真空度Pになったことを真空計4の表示から確認すると、入力手段21上において「ガス・スイープ」の入力を行う。すると、ガス・スイープ信号GSが入力手段21からガス流量制御部25に送られる。
ガス・スイープ信号GSを受けたガス流量制御部25は、流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、前記ガス流量Fを図2に示したようにf〜fに連続的に変化させる(スイープさせる)。fはたとえば1ccm(1cc/min)に設定される。
こうして流量コントロールバルブ13を通ってイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンのうち、アノード8とカソード7の各イオンビーム通過孔を通過した陽イオンは、加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。
このようにイオン源5から放出されたイオンビームIは、光軸O上に配置された電流測定手段16によって検出され、イオンビームIの電流値Iは電流測定手段16で測定される。そして、電流測定手段16の出力はガス流量決定部26の表示部26aに送られる。
ガス流量決定部26の表示部26aは、電流測定手段16の出力と、ガス流量制御部25からの参照信号Ref(図2に示したガス流量f,…,f,…,fを表す信号)から、各ガス流量f,…,f,…,fにおける前記電流値Iの情報(すなわち測定データ)を取得する。そして表示部26aは、その取得した測定データに基づき、表示画像データMを作成する。その表示画像データMは表示部26aから表示手段22に送られ、表示手段22の表示画面上には図3に示したようなグラフが表示される。
図3に示したようなグラフが表示手段22上に表示されると、まずオペレータは、最大のイオンビーム電流値Imaxが得られるガス流量Fはfa1(図3のfに相当)であることをそのグラフから確認する。そしてオペレータは、その確認したガス流量fa1よりも多いガス流量Fであり、かつ、Imax×80%程度のイオンビーム電流値が得られるガス流量Fをそのグラフ上で確認する。この場合、ガス流量fa1+d(図3のf+dに相当)がそのガス流量Fに相当する。そこでオペレータは、入力手段21上において「ガス流量F=fa1+d」の入力を行い、ガス流量fa1+dを加速電圧Vにおけるガス流量Fとして設定する。なお、このようにガス流量Fをfa1よりdだけ多く設定するのは、前記図1を用いた実施例において説明したように、イオンビーム加工中にイオン化室15のガスの濃度が低くなる(ガスが薄くなる)ことを見越してのことである。
さて、上述したようにオペレータが入力手段21上において「ガス流量F=fa1+d」の入力を行うと、ガス流量固定信号fa1+dが入力手段21からガス流量決定部26に送られる。ガス流量固定信号fa1+dを受けたガス流量決定部26は、現在設定されているイオン源5の加速電圧はVであることをイオン源制御部24からの参照信号Vacc’から認識すると、その内部メモリ26bに、加速電圧Vに対応させてガス流量fa1+dを記憶する。
このようにして加速電圧Vに対してガス流量fa1+dが求められると、次に加速電圧Vが設定され、加速電圧Vのときと同様にしてガス流量fa2+dが求められる。そのガス流量fa2+dは加速電圧Vに対応して前記メモリ26bに記憶される。以後同様にして、加速電圧V,…,Vに応じて最適なガス流量fa3+d,…,fan+dが求められ、その求められたガス流量は加速電圧に対応して前記メモリ26bに記憶される。なお、加速電圧によってガス流量Fとイオンビーム電流値Iの関係が変化し、加速電圧によって図3に示したグラフの形が変化するので、このように加速電圧を変えてガス流量が求められる。
以上のようにして加工前のデータ登録、すなわち加速電圧毎のガス流量の登録が完了すると、オペレータは被加工試料S’を加工室2にセットする。このとき、試料セットのために加工室2は一時的に大気に開放され、被加工試料S’のセットが完了すると加工室2は大気から遮断される。こうして被加工試料S’が加工室2にセットされると、オペレータは排気手段3を動作させる。なお、このとき、電流測定手段16は光軸O上から退避されている。
そしてオペレータは、入力手段21上において「加速電圧Vacc=V」の入力を行う。この際、オペレータは、被加工試料S’をイオンビーム加工するのに最適な加速電圧Vを入力する。すると、加速電圧信号Vが入力手段21からイオン源制御部24に送られる。
加速電圧信号Vを受けたイオン源制御部24は、イオン源5の加速電圧VaccがVとなるように加速電圧電源10を制御する。この結果、アノード8と加速電極9間に加速電圧Vが印加される。また、イオン源制御部24は、アノード8とカソード6,7間に所定の電圧Vが印加されるように電圧電源(図示せず)を制御する。この結果、電圧Vがアノード8とカソード6,7間に印加され、カソード6,7から電子が放出される。
さらにオペレータは、加工室2の真空度が前記真空度Pになったことを真空計4の表示から確認すると、入力手段21上において「イオンビーム加工開始」の入力を行う。すると、加工開始信号startが入力手段21からガス流量決定部26に送られる。
加工開始信号startを受けたガス流量決定部26は、現在設定されているイオン源5の加速電圧はVであることをイオン源制御部24からの参照信号Vacc’から認識すると、その内部メモリ26bから、加速電圧Vに対応するガス流量データ(fa3+d)を読み出す。そして、ガス流量決定部26は、その読み出したガス流量データ(fa3+d)をガス流量制御部25に送る。このガス流量データ(fa3+d)を受けたガス流量制御部25は、流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、ガス流量Fをfa3+dに設定する。
こうして流量fa3+dでイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンは、前記加速電圧Vが印加された加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。イオン源5から放出されたイオンビームIは被加工試料S’を照射し、被加工試料S’のイオンエッチングが開始される。
このイオンビーム加工開始直後においては、上述した図1の例と同様、被加工試料S’はImaxに近い電流値のイオンビームによってエッチングされる。そして本実施例においても、イオンビーム加工開始からしばらくしてイオン化室15の真空度が最高の真空度Pmaxに達すると、上述したように最大のイオンビーム電流値Imax’が得られる。そして、その後もイオン化室15の真空度がPmaxに維持されると、被加工試料S’はその後ずっと、最大強度のイオンビームでエッチングされる。したがって、電顕試料を短時間で作製することができる。
本実施例においては、最適なガス流量が加速電圧毎に予め装置に記憶されているので、加速電圧を入力すればそれに対応するガス流量が自動的に設定される。このため、本実施例においては、イオンビーム加工の度にガス流量を求める必要はない。
以上、図4のイオンビーム加工装置について説明した。
次に、本発明の他の例を説明する。図5は、本発明のイオンビーム加工装置の一例を示したものである。まず図5の装置構成について説明するが、図1の構成要素と同じものには図1と同じ番号が付けられており、その説明を省略する。
図5において27は中央制御装置(CPU)であり、中央制御装置27はイオン源制御部28とガス流量制御部29とガス流量決定部30を備えている。そして中央制御装置27は、加速電圧電源10と流量コントロールバルブ13と電流測定手段16に電気的に接続されている。さらに中央制御装置27は、キーボードやマウス等の入力手段21に電気的に接続されている。
また、31は電流測定手段移動機構である。電流測定手段移動機構31は、電流測定手段16を光軸O上に配置、および光軸O上から退避させるためのものである。この電流測定手段移動機構31は中央制御装置27に電気的に接続されている。また、真空計4の出力は中央制御装置27に送られており、中央制御装置27およびガス流量制御部29は加工室2の真空度を常に把握している。
以上、図5の装置構成について説明した。以下、図5の装置において、被加工試料S’をイオンビーム加工して電顕試料を作製する場合の動作説明を行うが、図5の装置は図1の装置をさらに自動化したものである。
まずオペレータは、被加工試料S’を加工室2にセットする(図5参照)。このとき、試料セットのために加工室2は一時的に大気に開放され、被加工試料S’のセットが完了すると加工室2は大気から遮断される。こうして被加工試料Sが加工室2にセットされると、オペレータは排気手段3を動作させる。
そしてオペレータは、入力手段21上において「加速電圧Vacc=V」の入力を行う。この際、オペレータは、被加工試料S’をイオンビーム加工するのに最適な加速電圧Vを入力する。すると、加速電圧信号Vが入力手段21からイオン源制御部28に送られる。
加速電圧信号Vを受けたイオン源制御部28は、イオン源5の加速電圧VaccがVとなるように加速電圧電源10を制御する。この結果、アノード8と加速電極9間に加速電圧Vが印加される。また、イオン源制御部28は、アノード8とカソード6,7間に所定の電圧Vが印加されるように電圧電源(図示せず)を制御する。この結果、電圧Vがアノード8とカソード6,7間に印加され、カソード6,7から電子が放出される。
次にオペレータは、入力手段21上において「イオンビーム加工開始」の入力を行う。すると、加工開始信号startが入力手段21から中央制御装置27に送られ、中央制御装置27は、電流測定手段16が光軸O上に位置するように電流測定手段移動機構31を制御する。これにより、電流測定手段16は図5に示すように光軸O上に配置される。
さらに、前記加工開始信号startを受けた中央制御装置27のガス流量制御部29は、加工室2の真空度が前記真空度Pになると流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、前記ガス流量Fを図2に示したようにf〜fに連続的に変化させる(スイープさせる)。fはたとえば1ccm(1cc/min)に設定される。
こうして流量コントロールバルブ13を通ってイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンは、加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。イオン源5から放出されたイオンビームIは、光軸O上に配置された電流測定手段16によって検出され、イオンビームIの電流値Iは電流測定手段16で測定される。そして、電流測定手段16の出力はガス流量決定部30に送られる。
ガス流量決定部30は、電流測定手段16の出力と、ガス流量制御部29からの参照信号Ref(図2に示したガス流量f,…,f,…,fを表す信号)から、各ガス流量f,…,f,…,fにおける前記電流値Iの情報(すなわち測定データ)を取得する。すなわちガス流量決定部30は、ガス流量f迄はイオンビーム電流値Iが増え続け、ガス流量fを超えるとイオンビーム電流値Iが減り続けるような測定データ(図3参照)を取得する。
そしてガス流量決定部30は、その取得した測定データに基づき、まず、最大のイオンビーム電流値Imaxを求める。次にガス流量決定部30は、そのイオンビーム電流値Imaxに対応するガス流量fを求める。そしてガス流量決定部30は、その求めたガス流量fよりも多いガス流量Fであり、かつ、Imax×80%程度のイオンビーム電流値が得られるガス流量Fを、前記測定データに基づいて求める。この場合、ガス流量f+dがそのガス流量Fに相当する(図3参照)。そこでガス流量決定部30は、求めたガス流量データ(f+d)をガス流量制御部29に送る。
このガス流量データ(f+d)を受けたガス流量制御部29は、流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、ガス流量Fをf+dに設定する。なお、このとき、電流測定手段16は、電流測定手段移動機構31によって光軸O上から退避される。
さて、こうして流量f+dでイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンは、前記加速電圧Vが印加された加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。イオン源5から放出されたイオンビームIは被加工試料S’を照射し、被加工試料S’のイオンエッチングが開始される。
このイオンビーム加工開始直後においては、上述した図1の例と同様、被加工試料S’はImaxに近い電流値のイオンビームによってエッチングされる。そして本実施例においても、イオンビーム加工開始からしばらくしてイオン化室15の真空度が最高の真空度Pmaxに達すると、上述したように最大のイオンビーム電流値Imax’が得られる。そして、その後もイオン化室15の真空度がPmaxに維持されると、被加工試料S’はその後ずっと、最大強度のイオンビームでエッチングされる。したがって、本実施例においては、電顕試料を容易に短時間で作製することができる。
以上、図5のイオンビーム加工装置について説明した。
次に、本発明の他の例を説明する。図6は、本発明のイオンビーム加工装置の一例を示したものである。まず図6の装置構成について説明するが、図1の構成要素と同じものには図1と同じ番号が付けられており、その説明を省略する。
図6において32は中央制御装置(CPU)であり、中央制御装置32はイオン源制御部33とガス流量制御部34とガス流量決定部35を備えている。そして中央制御装置32は、加速電圧電源10と流量コントロールバルブ13と電流測定手段16に電気的に接続されている。さらに中央制御装置32は、キーボードやマウス等の入力手段21と、電流測定手段移動機構36に電気的に接続されている。また、真空計4の出力は中央制御装置32に送られており、中央制御装置32およびガス流量制御部34は加工室2の真空度を常に把握している。以上、図6の装置構成について説明したが、図6は図4の装置をさらに自動化したものである。
このような構成において、被加工試料S’のイオンビーム加工に先立ち、イオ源5の加速電圧V,V,…,Vに応じて最適なガス流量fa1+d,fa2+d,…,fan+dが求められる。その際、まず、それまで大気に開放されていた加工室2が大気から遮断される。そして、オペレータは排気手段3を動作させる。
次にオペレータは、入力手段21上において「ガス流量データの取得」の入力を行う。するとデータ取得開始信号が入力手段21からイオン源制御部33に送られ、イオン源制御部33は、イオン源5の加速電圧VaccがVとなるように加速電圧電源10を制御する。この結果、アノード8と加速電極9間に加速電圧Vが印加される。また、イオン源制御部33は、アノード8とカソード6,7間に所定の電圧Vが印加されるように電圧電源(図示せず)を制御する。この結果、電圧Vがアノード8とカソード6,7間に印加され、カソード6,7から電子が放出される。
また、前記データ取得信号を受けた中央制御装置32は、電流測定手段16が光軸O上に位置するように電流測定手段移動機構36を制御する。これにより、電流測定手段16は図6に示すように光軸O上に配置される。
そして、ガス流量制御部34は、加工室2の真空度が前記真空度Pになると流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、前記ガス流量Fを図2に示したようにf〜fに連続的に変化させる(スイープさせる)。fはたとえば1ccm(1cc/min)に設定される。
こうして流量コントロールバルブ13を通ってイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンのうち、アノード8とカソード7の各イオンビーム通過孔を通過した陽イオンは、加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。
このようにイオン源5から放出されたイオンビームIは、光軸O上に配置された電流測定手段16によって検出され、イオンビームIの電流値Iは電流測定手段16で測定される。そして、電流測定手段16の出力はガス流量決定部35に送られる。
ガス流量決定部35は、電流測定手段16の出力と、ガス流量制御部34からの参照信号Ref(図2に示したガス流量f,…,f,…,fを表す信号)から、各ガス流量f,…,f,…,fにおける前記電流値Iの情報(すなわち測定データ)を取得する。すなわちガス流量決定部35は、ガス流量fa1(図3のfに相当)迄はイオンビーム電流値Iが増え続け、ガス流量fa1を超えるとイオンビーム電流値Iが減り続けるような測定データ(図3参照)を取得する。
そしてガス流量決定部35は、その取得した測定データに基づき、まず、最大のイオンビーム電流値Imaxを求める。次にガス流量決定部35は、そのイオンビーム電流値Imaxに対応するガス流量fa1(図3のfに相当)を求める。そしてガス流量決定部35は、その求めたガス流量fa1よりも多いガス流量Fであり、かつ、Imax×80%程度のイオンビーム電流値が得られるガス流量Fを、前記測定データに基づいて求める。この場合、ガス流量fa1+d(図3のf+dに相当)がそのガス流量Fに相当する(図3参照)。そこでガス流量決定部35は、現在設定されているイオン源5の加速電圧はVであることをイオン源制御部33からの参照信号Vacc’から認識すると、その内部メモリ35aに、加速電圧Vに対応させてガス流量fa1+dを記憶する。
このようにして加速電圧Vに対してガス流量fa1+dが求められると、次に加速電圧Vが設定され、加速電圧Vのときと同様にしてガス流量fa2+dが求められる。そのガス流量fa2+dは加速電圧Vに対応して前記メモリ35aに記憶される。以後同様にして、加速電圧V,…,Vに応じて最適なガス流量fa3+d,…,fan+dが求められ、その求められたガス流量は加速電圧に対応して前記メモリ35aに記憶される。
以上のようにして加工前のデータ登録、すなわち加速電圧毎のガス流量の登録が完了すると、オペレータは被加工試料S’を加工室2にセットする。このとき、試料セットのために加工室2は一時的に大気に開放され、被加工試料S’のセットが完了すると加工室2は大気から遮断される。こうして被加工試料S’が加工室2にセットされると、オペレータは排気手段3を動作させる。なお、このとき、電流測定手段16は光軸O上から退避されている。
そしてオペレータは、入力手段21上において「加速電圧Vacc=V」の入力を行う。この際、オペレータは、被加工試料S’をイオンビーム加工するのに最適な加速電圧Vを入力する。すると、加速電圧信号Vが入力手段21からイオン源制御部33に送られる。
加速電圧信号Vを受けたイオン源制御部33は、イオン源5の加速電圧VaccがVとなるように加速電圧電源10を制御する。この結果、アノード8と加速電極9間に加速電圧Vが印加される。また、イオン源制御部33は、アノード8とカソード6,7間に所定の電圧Vが印加されるように電圧電源(図示せず)を制御する。この結果、電圧Vがアノード8とカソード6,7間に印加され、カソード6,7から電子が放出される。
そしてオペレータは、入力手段21上において「イオンビーム加工開始」の入力を行う。すると、加工開始信号startが入力手段21からガス流量決定部35に送られる。
加工開始信号startを受けたガス流量決定部35は、現在設定されているイオン源5の加速電圧はVであることをイオン源制御部33からの参照信号Vacc’から認識すると、その内部メモリ35aから、加速電圧Vに対応するガス流量データ(fa3+d)を読み出す。そして、ガス流量決定部35は、その読み出したガス流量データ(fa3+d)をガス流量制御部34に送る。このガス流量データ(fa3+d)を受けたガス流量制御部34は、加工室2の真空度が前記真空度Pになると、流量コントロールバルブ13の開口度を制御し、ガス流量Fをfa3+dに設定する。
こうして流量fa3+dでイオン化室15に導入されたガスは、前記カソード6,7から放出された電子の衝突を受けてイオン化される。そして、そのイオン化により発生した陽イオンは、前記加速電圧Vが印加された加速電極9で加速されてイオン源5の外に放出される。イオン源5から放出されたイオンビームIは被加工試料S’を照射し、被加工試料S’のイオンエッチングが開始される。
このイオンビーム加工開始直後においては、上述した図1の例と同様、被加工試料S’はImaxに近い電流値のイオンビームによってエッチングされる。そして本実施例においても、イオンビーム加工開始からしばらくしてイオン化室15の真空度が最高の真空度Pmaxに達すると、上述したように最大のイオンビーム電流値Imax’が得られる。そして、その後もイオン化室15の真空度がPmaxに維持されると、被加工試料S’はその後ずっと、最大強度のイオンビームでエッチングされる。したがって、本実施例においては、電顕試料を容易に短時間で作製することができる。
以上、本発明の例を説明したが、本発明は上記例に限定されるものではない。たとえば、上記例では流量dは測定データに基づいてその都度求められたが、流量dを予め決められた固定値dとしても良い。
また、図4と図6の装置において、ガス流量決定部(26,35)のメモリ(26b,35a)に記憶されるデータをあるタイミングで更新するようにしても良い。たとえば、装置使用開始時に各加速電圧における最適なガス流量を測定し、ガス流量決定部(26,35)のメモリ(26b,35a)に記憶されるデータをその装置使用開始時に更新するようにすれば、装置状態が時間と共に変化することに対応できる。したがって、被加工試料を常に短時間でイオンビーム加工することができる。
本発明の一例を示した図である。 図1の装置の動作を説明するために示した図である。 図1の装置の動作を説明するために示した図である。 本発明の一例を示した図である。 本発明の一例を示した図である。 本発明の一例を示した図である。
符号の説明
1…真空容器、2…加工室、3…排気手段、4…真空計、5…イオン源、6,7…カソード、8…アノード、9…加速電極、10…加速電圧電源、11…ガス源、12…ガス管、13…流量コントロールバルブ、14…ガス管、15…イオン化室、16…電流測定手段、17,23,27,32…中央制御装置、18,24,28,33…イオン源制御部、19,25,29,34…ガス流量制御部、20…表示制御部、21…入力手段、22…表示手段、26,30,35…ガス流量決定部、26a…表示部、26b,35a…メモリ、31,36…電流測定手段移動機構

Claims (4)

  1. 被加工試料を収容する真空容器と、
    前記真空容器の内部を排気する排気手段と、
    前記真空容器に接続され、ガス源からのガスをイオン化してイオンビームを放出するイオン源と、
    前記ガス源から前記イオン源に供給されるガスの流量Fを変化させるガス流量可変手段と、
    前記イオン源から放出されるイオンビームの電流値Iを測定する電流測定手段を備え、
    前記被加工試料を前記イオンビームにより加工するようにしたイオンビーム加工装置において、
    前記被加工試料のイオンビーム加工時における前記ガス流量Fを、以下の(1)(2)の手順で設定するようにしたことを特徴とするガス流量設定方法
    (1)前記被加工試料のイオンビーム加工前に、前記ガス流量可変手段を用いて前記ガス流量Fを複数段階f,…,f,…,fに変化させる。そのときの各ガス流量f,…,f,…,fにおける前記イオンビーム電流値Iを、前記電流測定手段を用いて測定する。
    (2)上記(1)の測定において、ガス流量f迄は前記イオンビーム電流値Iが増え続け、ガス流量fを超えると前記イオンビーム電流値Iが減り続けるような測定結果が得られると、最大のイオンビーム電流値Imaxが得られる前記ガス流量fより流量dだけ多いガス流量f+dを、前記被加工試料のイオンビーム加工時における前記ガス流量Fとして固定設定する。
  2. 前記ガス流量f+dを前記イオン源の加速電圧毎に予め求めておき、
    前記被加工試料のイオンビーム加工時、その時に設定されるイオン源の加速電圧に応じて前記ガス流量f+dを選択して固定設定するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載のガス流量設定方法。
  3. 被加工試料を収容する真空容器と、
    前記真空容器の内部を排気する排気手段と、
    前記真空容器に接続され、ガス源からのガスをイオン化してイオンビームを放出するイオン源と、
    前記ガス源から前記イオン源に供給されるガスの流量Fを変化させるガス流量可変手段と、
    前記イオン源から放出されるイオンビームの電流値Iを測定する電流測定手段を備え、
    前記被加工試料を前記イオンビームにより加工するようにしたイオンビーム加工装置において、
    前記被加工試料のイオンビーム加工前に前記ガス流量可変手段を制御して、前記ガス流量Fを複数段階f,…,f,…,fに変化させるガス流量制御部と、
    前記ガス流量f迄は前記イオンビーム電流値Iが増え続け、ガス流量fを超えると前記イオンビーム電流値Iが減り続けるような測定データを前記電流測定手段の出力から取得し、その取得した測定データに基づき、最大のイオンビーム電流Imaxが得られる前記ガス流量fより流量dだけ多いガス流量f+dを求めるガス流量決定部を更に備え、
    前記ガス流量制御部は、前記被加工試料のイオンビーム加工時に前記ガス流量可変手段を制御して、前記ガス流量決定部で求められたガス流量f+dを前記ガス流量Fとして固定設定する
    ことを特徴とするイオンビーム加工装置。
  4. 前記ガス流量決定部は、前記ガス流量f+dを前記イオン源の加速電圧毎に予め求めて記憶しており、
    前記被加工試料のイオンビーム加工時、その時に設定されるイオン源の加速電圧に対応するガス流量f+dが前記ガス流量決定部において選択され、
    その選択されたガス流量f+dが前記ガス流量Fとして固定設定される
    ことを特徴とする請求項3記載のイオンビーム加工装置。
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