JP2009272288A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】
低真空SEMに於いて、試料周辺の残留ガス分子による二次電子増幅法と吸収電流を利用して画像を形成する方法が試みられており、これによる画像は二次電子像と酷似しているため微細な表面構造や立体像の観察が低真空雰囲気において可能となっている。この特徴から低真空SEM利用者に需要が出てきており、低コスト・簡単な操作性・良好な像質等が要求されている。
【解決手段】
高真空時の観察に用いている二次電子検出器の二次電子コレクタ電極を、本発明の基となっている基本原理に適用した低真空走査電子顕微鏡。また試料微動ステージにリング状電極を設置し収量増大・像質向上を目的として構成される低真空走査電子顕微鏡。またそれら電極構造において、像観察する際の観察条件自動設定機能を用いた低真空走査電子顕微鏡。
【選択図】図1
低真空SEMに於いて、試料周辺の残留ガス分子による二次電子増幅法と吸収電流を利用して画像を形成する方法が試みられており、これによる画像は二次電子像と酷似しているため微細な表面構造や立体像の観察が低真空雰囲気において可能となっている。この特徴から低真空SEM利用者に需要が出てきており、低コスト・簡単な操作性・良好な像質等が要求されている。
【解決手段】
高真空時の観察に用いている二次電子検出器の二次電子コレクタ電極を、本発明の基となっている基本原理に適用した低真空走査電子顕微鏡。また試料微動ステージにリング状電極を設置し収量増大・像質向上を目的として構成される低真空走査電子顕微鏡。またそれら電極構造において、像観察する際の観察条件自動設定機能を用いた低真空走査電子顕微鏡。
【選択図】図1
Description
本発明は低真空SEMによる像観察手法に属し、具体的には試料周辺の残留ガス分子による二次電子増幅法と吸収電流を利用して画像を形成する方法を基本原理としている。これの実用化に向けた電極構造と、この電極構造を用いて像観察する際の観察条件自動設定機能を用いる事に関する。
低真空SEMにおける画像形成法として、試料周辺の残留気体分子を利用して二次電子を増幅させ吸収電流として取り込む方法が数々試みられている。この種の原理に関する内容については、セコンダリー エレクトロン イメージング インザ バリアブル プレッシャー スキャニング エレクトロン マイクロスコープ、スキャニング20、436−441(1998)の論文(Secondary Electron Imaging In the Variable Pressure Scanning Electron Microscope.Scannig20 ,436-441(1998)において挙げられている。具体的にはまず、試料より飛び出した二次電子を陽極の電極で残留気体分子と衝突・増幅させる。この時発生した(+)イオンは試料方向にドリフトされ試料に吸収、その後吸収電流として検出される。発生した(+)イオンは二次電子の情報を持っていることから、この吸収電流から得られた画像は二次電子観察像となる。
従来の技術が抱えている問題点としては、上記の吸収電流が画像形成に依存することから電極でより多くの(+)イオンを発生させ、吸収電流の収量を増やす為に様々な電極構造が試みられている。しかし、実用化を考慮した最適な電極構造はまだ見出されておらず、また上記の原理を簡略化した機構構造がない為製品化には装置の改造、部品の追加などが考えられ多くの問題点を抱えている。更に、この吸収電流の収量は試料室真空度と電極の印加電圧値や試料位置(作動距離:ワーキングデイスタンス(W.D.))などで変動することから最適条件での像観察の際には操作性上の問題がある。
本発明の目的は、低コストな電極構造の開発ならびに吸収電流の収量増加を目的とした電極構造の開発をし、更にこれらの装置構成に於いて像観察する際の操作性向上を図ることである。
本発明の目的の一つ目に原理を簡略した電極構造を挙げているが、この課題を解決する為に高真空時の観察に用いている二次電子検出器の二次電子コレクタ電極を低真空時にも併用し、さきに挙げた論文の電極による二次電子増幅法と同等の効果を得ることで解決できる。試料上方に電極を設置するということに関しては論文と同様であるが、通常の走査電子顕微鏡に標準で搭載されている二次電子検出器のコレクタ電極を、低真空時においても印加電圧を切断せずにそのまま印加させておくことで、前述した試料上方の電極と等価的な効果をもたせることで二次電子増幅法にそのまま利用できる。これにより、二次電子を増幅させる為の特別な装置の改良や部品の追加などを施す必要がないという点で有効な手段である。更にこの手法だと通常の試料室内配置構造に何ら変更がいらないため、本手法を取扱うことに際して特に試料移動や傾斜といった制限が不要である。
二つ目の目的に吸収電流の収量増加を図った電極構造を挙げているが、この課題は試料近傍のリング電極を微動ステージに固定設置することで解決できる。低真空SEMの二次電子観察手法において、その吸収電流の収量は試料上に印加される電界の強さに依存するが、従来のリング電極は試料室の空きポートより挿入されていて、作動距離:ワーキングデイスタンス(W.D.)を変えるとリング電極と試料の距離が一定ではない為リング電極による電界の効果を十分に得ることができない。本発明によって、リング電極を試料と共に可動させることで常に試料とリング電極の距離が一定に保たれ均一な最適電界を作用させることが可能となる。
三つ目の条件設定における操作性向上については、吸収電流収量が最大収量になるような印加電圧値と試料室真空度を自動設定する機能を設けることで解決できる。もちろん請求項1の場合は、その自動設定条件にW.D.も含まれる。
本発明によって、試料周辺の残留気体分子を利用して二次電子を増幅させ吸収電流として取り込む方法として、簡易的な電極構造などで実現でき、試料台固定式のリング状電極の採用により更に像質向上が実現される。またこれらの最も必要となるパラメータのひとつである試料室真空度と電極印加電圧を自動制御する機能によって操作性の向上も実現される。
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態について、具体的に説明する。
図1に本発明による電極3を示し、図2にリング電極4を示す。電子ビーム1は対物レンズ12によって低真空雰囲気中(例えば1〜3000Pa)におかれた試料6に収束されると同時に偏向装置7によって試料6上を走査する。電子ビーム1によって照射された試料6からは二次電子2が発生する。二次電子2は電極4に印加された(+)電界によって電極4方向に加速される。加速された二次電子2は低真空雰囲気中の残留気体分子9と衝突し+イオンが発生する(イオン化現象)。残留気体分子9との衝突後の二次電子2は電極4の電界によって更に加速され再び残留気体分子9と衝突し+イオンが発生する(階層的に増幅される)。
このように、二次電子2は電極によって加速、衝突を繰り返しながら電極4方向へと移動していくが、この際に発生した+イオンは、電極4に印加された(+)電位に反発して上方へは上がらず、アース16に接続されている試料6の方向へドリフトしていく。その後、試料台6に吸収され、吸収電流11として検出され増幅器14経由で画像形成される。この吸収電流11は二次電子2と等価なコントラスト成分を持っていることから、二次電子観察のような画像形成が可能となる。
図1の構成におけるポイントは、電界を生成するのに必要となる電極4が通常高真空時に利用している二次電子検出器のコレクタ電極4と併用することにある。
これにより試料室内配置構造に何ら変更がいらないため、本手法を取扱うことに際して特に試料移動や傾斜といった制限が不要であることは言うまでもない。
ここで取扱う電極4の構造は通常の二次電子検出器のコレクタ電極に使われている、板状タイプのプレート形やボックス形やメッシュ状電極またはそれと同等な効果を出せる電極構造である。
以上のような画像形成法ではいかに多くの吸収電流11を取り込めるかが問題となっている。吸収電流11の収量は電極4からの電界に依存する。図2に更に効率よく吸収電流11を取込む手法を説明する。前述で説明した本開発手法も含めて従来の方法では一般的には試料室13の空きポートよりリング電極5を試料6の上方に挿入するためW.D.17を変えるとそれに伴って電極4やリング状電極5と試料6の距離も変わってしまい、試料に一定の最適電界を作用させることができない。具体的にはW.D.17が大きく(長く)なれば電極4・5が固定されているため試料6上の電界強度は弱くなる。しかし、本発明ではリング状電極5を試料6と共に可動させることができる構造とした。これにより、常に試料とリング電極の距離が一定に保たれ均一な最適電界を作用させることが可能となる。
画像生成法は前述の図1と同じである。これによってより多くの吸収電流を取り込むことが可能となった。ここで取扱うリング状電極5の構造は円形タイプのリング状や円盤状、またはそれと同等な効果を出せる電極構造である。
以上では本発明の電極構造に関する説明であるが、次にその操作性に関する発明を記述する。前述した低真空SEMの二次電子観察手法においては、どの条件でも吸収電流をいかに効率良く収集するかにかかっている。しかし、本手法のパラメータは電極電圧・試料室真空度・W.D.と多岐にわたっており、その最適化を手動で求めるのは難しい。ポイントとなるのはガス増幅の原理より真空度である。
図4に本手法による代表的な吸収電流の測定例を示す。縦軸が吸収電流の量を示しており、横軸が試料室真空度を示す。任意の電子ビーム1量に対して電極4・5のバイアス電圧を0V〜50V程度として試料室真空度を可変させて吸収電流をトレースすると初期値マイナスだった吸収電流値が反転してプラスに転じるポイントがある、このときの試料室真空度がその条件における最適な試料室真空度となる。この試料室真空度をχPaとして条件により必要となる係数αを用いることで必要な最適試料室真空度を求めることができ、その試料室真空度において電極印加電圧を放電しないレベルで最大値を印加させてあげれば最大収量値となる。係数αは加速電圧やW.D.などにより可変するため、任意に変更できる。図3はそれらをフローにしたものである。決められた操作メニューより、自動制御を実行すると、まず電極4・5へ印加するバイアス電圧を0〜50V程度に設定し、試料室真空度をその装置が所有している最大圧力に設定する。その後吸収電流11を測定しながら試料室真空度を1ステップ毎に変更更新していく。吸収電流が0Aとなったところで、その試料室真空度Vacに係数αを足したものを必要試料室真空度とする。
以上のような画像形成の制御を簡単に行う為の機能が、電極4・5の印加電圧値と試料室真空度を自動設定する機能である。
本手法の吸収電流量は試料室内及び試料周辺の構造状態,加速電圧,W.D.,試料室真空度,電極4・5の印加電圧など各種パラメータにより変化する。従って少しでも簡単にパラメータを設定できるようにするため、ポイントとなる電極の印加電圧値と試料室真空度の全ての組み合わせにおいて、測定された吸収電流値の結果を基にパラメータの最適値を自動選出する機能で操作性の向上を図った。
1…電子ビーム(1次電子)、2…二次電子、3…SED(二次電子検出器)、4…SEコレクタ電極、5…リング状電極、6…試料・試料台、7…偏向装置、8…試料微動ステージ、9…ガス分子・残留気体分子、10…+イオン、11…吸収電流、12…対物レンズ、13…試料室、14…増幅器・AMP、15…外部電源、16…GND・アース、17…作動距離:ワーキングデイスタンス(W.D.)、G…二次電子のガス増幅作用。
Claims (1)
- 電子ビームを収束する対物レンズと、
前記試料を配置するための試料台と、
前記試料台を内部に有する試料室と、
前記電子線照射により試料から放出された二次電子を検出するための二次電子検出器と、
前記二次電子と前記試料室内のガス分子との衝突により発生するイオンに基づく電流を検出するための電流検出手段と、
を備えた走査電子顕微鏡において、
前記試料室内の内圧を変化させながら前記電流を測定し、
前記吸収電流値が0となる時の試料室内の内圧に基づいて、
試料測定時の試料室内の内圧を設定すること
を特徴とする走査電子顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008317814A JP2009272288A (ja) | 2008-12-15 | 2008-12-15 | 走査電子顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005263171A Division JP4292176B2 (ja) | 2005-09-12 | 2005-09-12 | 走査電子顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009272288A true JP2009272288A (ja) | 2009-11-19 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2008317814A Pending JP2009272288A (ja) | 2008-12-15 | 2008-12-15 | 走査電子顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012099312A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Hitachi High-Technologies Corp | 荷電粒子線装置 |
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2008
- 2008-12-15 JP JP2008317814A patent/JP2009272288A/ja active Pending
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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