JP2014145109A - オーステナイト系耐熱合金部材およびオーステナイト系耐熱合金素材 - Google Patents

オーステナイト系耐熱合金部材およびオーステナイト系耐熱合金素材 Download PDF

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Abstract

【課題】厚さが20mm以上の厚肉の場合であっても、熱間加工時の表面欠陥が防止できるオーステナイト系耐熱合金部材を提供する。
【解決手段】厚さ20mm以上のオーステナイト系耐熱合金部材であって、質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜55%、Cr:20〜35%、W:3〜10%、Ti:0.01〜1.2%、Al:0.3%以下、B:0.0001〜0.01%、N:0.02%以下およびO:0.01%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、表層がASTM粒度番号7番以上の再結晶粒からなる金属組織を有し、部材の厚さ中央部がASTM粒度番号4番以下の結晶粒からなる金属組織を有するオーステナイト系耐熱合金部材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オーステナイト系耐熱合金部材に係り、特に、熱間加工時の表面での割れ(以下、「表面欠陥」ということがある。)を防止できて、発電用ボイラの主蒸気管や再熱蒸気管など、厚肉、大径の高温部材として好適に用いることができるオーステナイト系耐熱合金部材およびそれを製造するのに際して用いられるオーステナイト系耐熱合金素材に関する。
近年、環境負荷軽減の観点から発電用ボイラ等では運転条件の高温・高圧化が世界的規模で進められており、過熱器管や再熱器管の材料として使用されるオーステナイト系耐熱合金には、より優れた高温強度および耐食性を有することが求められている。
また、従来フェライト系耐熱鋼が使用されていた、主蒸気管、再熱蒸気管等の大径かつ厚肉の部材においても、オーステナイト系耐熱合金の適用が検討されている。
このような技術的背景のもと、種々のオーステナイト系耐熱合金に関する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、表面加工を施して330HV以上となる塑性加工硬化層を表面に形成させた後、その硬化した表面部分に対して、十分な再結晶を生じさせるとともに再結晶粒内または粒界にCr炭化物を分散して析出させるための局部的な加熱処理を施して、耐粒界腐食性と耐応力腐食割れ性を高めた、オーステナイト系合金構造物およびその製造法が開示されている。
特許文献2には、Ni基合金製品が提案されている。このNi基合金製品は、Wを活用して高温強度を高めるとともに、有効B量を管理することにより、熱間加工性を改善するとともに溶接割れを防止した、特に大型製品として好適なオーステナイト系耐熱合金製品である。
特許文献3には、Cr、TiおよびZrの活用によりα−Cr相を強化相としてクリープ強度を高めた、オーステナイト系耐熱合金ならびに、その合金からなる耐熱耐圧部材およびその製造方法が提案されている。
特許文献4には、多量のWを含有させるとともにAlおよびTiを活用して、固溶強化とγ’相の析出強化によって強度を高めた、Ni基耐熱合金が提案されている。
特開2000−265249号公報 特開2011−63838号公報 国際公開第2009/154161号 国際公開第2010/038826号
オーステナイト系耐熱合金を構造物として使用するために、一般に、溶接、熱間加工等が施される。溶接が施される場合、主に冶金的要因に起因した様々な割れが溶接部に発生しやすいことが知られている。
しかしながら、特許文献1は、耐粒界腐食性および耐応力腐食割れ性の向上を目的とする技術でしかなく、溶接部の割れ発生に配慮して開発されたものではない。さらに、熱間加工性についても全く検討されていない。
一方、特許文献2〜4に開示されているオーステナイト系耐熱合金(Ni基耐熱合金)はいずれも、溶接割れ感受性が十分に低いため、溶接が施される構造物の素材として好適に用いることができる。
しかしながら、本発明者らが実施した詳細な調査から、特許文献2〜4で開示されたオーステナイト系耐熱合金を用いても、熱間加工した場合、特に、厚さが20mm以上の厚肉の部材において、これまでに確認されていなかった表面欠陥が発生する場合があることが明らかとなった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、厚さが20mm以上の厚肉の場合であっても、熱間加工時、例えば熱間曲げ加工時または熱間鍛造時の表面欠陥が防止できて、発電用ボイラの主蒸気管、再熱蒸気管等の厚肉、大径の高温部材に熱間加工して用いるのに好適な、オーステナイト系耐熱合金部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、以下の知見を得るに至った。
(a)熱間加工時の表面欠陥の発生は、熱間加工前の部材表面の金属組織と関係する。例えば、部材表面に加工層が残存した状態で熱間加工すると、熱間加工中、加工層内の転位上に炭化物が析出し、その結果、粒内が強化されて相対的に粒界が弱化するので、表面近傍に粒界割れが発生する。加えて、部材表面の結晶粒径が粗粒であるほど部材は変形しにくくなるため、粗粒組織も粒界弱化を助長することとなる。
(b)熱間加工時の表面欠陥を防止するためには、部材表面に加工層を残存させた状態で熱処理を施し、表面近傍を再結晶化させることで転位上への析出を抑制するとともに、細粒効果によって表面近傍の変形抵抗を下げることが粒界弱化の低減に効果的であることが新たに分かった。
(c)表面欠陥が存在する場合、クリープ亀裂の発生起点となる。したがって、優れたクリープ特性を維持するためにも表面欠陥を防止する必要がある。
(d)熱間加工時の表面欠陥を防止するためには、部材表面からの深さが50μmまでの領域(以下、上記領域を「表層」ということがある。)における金属組織を、平均結晶粒度でASTM粒度番号7番以上の再結晶粒にする必要がある。
(e)また、優れたクリープ特性を維持するためには、表層の金属組織を上記の再結晶粒として表面欠陥を防止するとともに、部材厚さの25%となる各表面側を除外した領域(以下、上記領域を「部材の厚さ中央部」ということがある。)における金属組織を、平均結晶粒度でASTM粒度番号4番以下の粗粒にする必要がある。
本発明は、上記の知見を基礎としてなされたものであり、下記のオーステナイト系耐熱合金部材およびオーステナイト系耐熱合金素材を要旨とする。
(1)厚さ20mm以上のオーステナイト系耐熱合金部材であって、
質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜55%、Cr:20〜35%、W:3〜10%、Ti:0.01〜1.2%、Al:0.3%以下、B:0.0001〜0.01%、N:0.02%以下およびO:0.01%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
表層がASTM粒度番号7番以上の再結晶粒からなる金属組織を有し、
部材の厚さ中央部がASTM粒度番号4番以下の結晶粒からなる金属組織を有することを特徴とするオーステナイト系耐熱合金部材。
(2)Feの一部に代えて、質量%で、さらに下記に示す群から選択される1種以上の元素を含有することを特徴とする上記(1)に記載のオーステナイト系耐熱合金部材。
第1群:Ca:0.05%以下およびREM:0.1%以下
第2群:Co:1%以下、Cu:1%以下、Mo:1%以下、V:0.5%以下、Nb:0.5%以下およびZr:0.5%以下
(3)前記表層を含む試験片を、1100℃において0.0001s−1のひずみ速度で引張試験を行い、伸びが10%となった時の試験片内部における割れの深さが20μm以下(0を含む)であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のオーステナイト系耐熱合金部材。
(4)質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜55%、Cr:20〜35%、W:3〜10%、Ti:0.01〜1.2%、Al:0.3%以下、B:0.0001〜0.01%、N:0.02%以下およびO:0.01%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する素材の表面に強加工を施し、再結晶熱処理を行うことで、
厚さ20mm以上であり、
表層がASTM粒度番号7番以上の再結晶粒からなる金属組織を有し、
部材の厚さ中央部がASTM粒度番号4番以下の結晶粒からなる金属組織を有するオーステナイト系耐熱合金部材を製造するのに際して用いられるオーステナイト系耐熱合金素材であって、
該強加工後で該再結晶熱処理前における素材表層の硬さがHV0.1で300以上であることを特徴とするオーステナイト系耐熱合金素材。
(5)Feの一部に代えて、質量%で、さらに下記に示す群から選択される1種以上の元素を含有することを特徴とする上記(4)に記載のオーステナイト系耐熱合金素材。
第1群:Ca:0.05%以下およびREM:0.1%以下
第2群:Co:1%以下、Cu:1%以下、Mo:1%以下、V:0.5%以下、Nb:0.5%以下およびZr:0.5%以下
本発明によれば、厚さが20mm以上の厚肉の合金部材を用いた場合であっても、熱間加工時の表面欠陥を防止することができる。したがって、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、発電用ボイラの主蒸気管、再熱蒸気管等の厚肉、大径の高温部材に熱間加工して用いるのに好適である。
1.化学組成
C:0.01〜0.15%
Cは、オーステナイトを安定にするとともに粒界に微細な炭化物を形成し、高温でのクリープ強度を向上させる。この効果を十分に得るためには、0.01%以上のC含有量が必要である。しかしながら、Cが過剰に含有された場合には、炭化物が粗大となり、かつ多量に析出するので、粒界の延性が低下し、さらに、靱性およびクリープ強度の低下も生じる。したがって、上限を設け、Cの含有量を0.01〜0.15%とする。C含有量の望ましい下限は0.03%、より望ましい下限は0.04%、さらに望ましい下限は0.05%である。また、C含有量の望ましい上限は0.12%、より望ましい上限は0.10%である。
Si:1%以下
Siは、脱酸作用を有するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。しかしながら、Siが過剰に含有された場合にはオーステナイトの安定性が低下して、靱性およびクリープ強度の低下を招く。そのため、Siの含有量に上限を設けて1%以下とする。Siの含有量は望ましくは0.8%以下、より望ましくは0.6%以下である。
なお、Siの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性が劣化するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上効果が得難くなり、製造コストも大きく上昇する。そのため、Si含有量の望ましい下限は0.02%、より望ましい下限は0.05%である。
Mn:2%以下
Mnは、Siと同様、脱酸作用を有する。Mnは、オーステナイトの安定化にも寄与する。しかしながら、Mnの含有量が過剰になると脆化を招き、さらに、靱性およびクリープ延性の低下も生じる。そのため、Mnの含有量に上限を設けて2%以下とする。Mnの含有量は望ましくは1.8%以下、より望ましくは1.5%以下である。
なお、Mnの含有量についても特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を劣化させるとともに、オーステナイト安定化効果が得難くなり、さらに製造コストも大きく上昇する。そのため、Mn含有量の望ましい下限は0.02%、より望ましい下限は0.05%である。
P:0.03%以下
Pは、不純物として合金中に含まれ、多量に含まれる場合には、熱間加工性および溶接性を著しく低下させ、さらに、長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、Pの含有量に上限を設けて0.03%以下とする。Pの含有量は、望ましくは0.025%以下、より望ましくは0.02%以下である。
なお、Pの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の望ましい下限は0.0005%、より望ましい下限は0.0008%である。
S:0.01%以下
Sは、Pと同様に不純物として合金中に含まれ、多量に含まれる場合には、熱間加工性および溶接性を著しく低下させ、さらに、長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、Sの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Sの含有量は、望ましくは0.008%以下、より望ましくは0.005%以下である。なお、Sの含有量は可能な限り低減することが好ましい。
Ni:40〜55%
Niは、オーステナイトを得るために有効な元素であり、長時間使用時の組織安定性を確保するために必須の元素である。後述の20〜35%という本発明のCr含有量の範囲で、上記したNiの効果を十分に得るためには、40%以上のNi含有量が必要である。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量に含有させるとコストの増大を招く。そのため、上限を設けて、Niの含有量を40〜55%とする。Ni含有量の望ましい下限は41%、より望ましい下限は42%である。また、Ni含有量の望ましい上限は54%、より望ましい上限は53%である。
Cr:20〜35%
Crは、高温での耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素である。上記40〜55%という本発明のNi含有量の範囲で、上記したCrの効果を得るためには、20%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crの含有量が35%を超えると、高温でのオーステナイトの安定性が劣化してクリープ強度の低下を招く。したがって、Crの含有量を20〜35%とする。Cr含有量の望ましい下限は20.5%、より望ましい下限は21%である。また、Cr含有量の望ましい上限は34.5%、より望ましい上限は34%である。
W:3〜10%
Wは、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度の向上に大きく寄与する元素である。その効果を十分に発揮させるためには少なくとも3%以上のW含有量が必要である。しかしながら、Wを過剰に含有させても効果は飽和し、却ってクリープ強度を低下させる場合もある。さらに、Wは高価な元素であるため、過剰に含有させるとコストの増大を招く。そのため、上限を設けて、Wの含有量を3〜10%とする。W含有量の望ましい下限は3.5%、より望ましい下限は4%である。また、W含有量の望ましい上限は9.5%、より望ましい上限は9%である。
Ti:0.01〜1.2%
Tiは、微細な炭窒化物として粒内に析出し、高温でのクリープ強度に寄与する。その効果を得るためには0.01%以上のTi含有量が必要である。しかしながら、Tiの含有量が過剰になると炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性および靱性の低下を招く。このため、上限を設けて、Tiの含有量を0.01〜1.2%とする。Ti含有量の望ましい下限は0.03%、より望ましい下限は0.05%である。また、Ti含有量の望ましい上限は1.0%、より望ましい上限は0.8%である。
Al:0.3%以下
Alは、脱酸作用を有する元素である。しかしながら、Alの含有量が過剰になると合金の清浄性が著しく劣化して、熱間加工性および延性が低下する。そのため、Alの含有量に上限を設けて0.3%以下とする。Alの含有量は望ましくは0.2%以下、さらに望ましくは0.1%以下である。
なお、Alの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を逆に劣化させるとともに、製造コストの上昇を招く。そのため、Al含有量の望ましい下限は0.0005%である。Alの脱酸効果を安定して得、合金に良好な清浄性を確保させるためには、Al含有量の下限は0.001%とすることがより望ましい。
B:0.0001〜0.01%
Bは、高温での使用中に粒界に偏析して粒界を強化するとともに粒界炭化物を微細分散させることにより、クリープ強度を向上させるのに必要な元素である。この効果を得るためには、B含有量を0.0001%以上とする必要がある。しかしながら、Bの含有量が過剰になると、溶接性が劣化することに加えて、熱間加工性が劣化する。そのため、上限を設けて、Bの含有量を0.0001〜0.01%とする。B含有量の望ましい下限は0.0005%、より望ましい下限は0.001%である。また、B含有量の望ましい上限は0.008%、より望ましい上限は0.006%である。
N:0.02%以下
Nは、オーステナイトを安定にするのに有効な元素であるものの、過剰に含有されると、高温での使用中に多量の微細窒化物が粒内に析出してクリープ延性および靱性の低下を招く。そのため、Nの含有量に上限を設けて0.02%以下とする。Nの含有量は望ましくは0.018%以下、より望ましくは0.015%以下である。
なお、Nの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端に低減するとオーステナイトを安定にする効果が得難くなり、製造コストも大きく上昇する。そのため、N含有量の望ましい下限は0.0005%、より望ましい下限は0.0008%である。
O:0.01%以下
O(酸素)は、不純物として合金中に含まれ、その含有量が過剰になると熱間加工性が低下し、さらに靱性および延性の劣化を招く。このため、Oの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Oの含有量は望ましくは0.008%以下、より望ましくは0.005%以下である。
なお、Oの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量の望ましい下限は0.0005%、より望ましい下限は0.0008%である。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、上述の各元素を含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有するものである。
なお、「不純物」とは、オーステナイト系耐熱合金部材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップまたは製造環境などから混入するものを指す。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材には、上述のFeの一部に代えて、Ca、REM、Co、Cu、Mo、V、NbおよびZrから選択される1種以上の元素を含有させても良い。
Ca:0.05%以下
Caは、熱間加工性を改善する作用を有する。具体的には、Caは、CaSを生成しSの粒界偏析を抑制することで、熱間加工性を改善する効果を有する元素である。このため、Caを含有させても良い。しかしながら、Caの含有量が過剰になるとOと結合して、清浄性を著しく低下させ、却って熱間加工性を劣化させる。このため、Caを含有させる場合には、その含有量を0.05%以下とする。Ca含有量の上限は、望ましくは0.04%である。
一方、前記したCaの効果は、Caの含有量が0.0001%以上の場合に安定して得られる。
REM:0.1%以下
REMは、熱間加工性を改善する作用を有する。すなわち、REMは、Sとの親和力が強く、熱間加工性の向上に寄与する。このため、REMを含有させても良い。しかしながら、REMの含有量が過剰になると、Oと結合して、清浄性を著しく低下させ、却って熱間加工性を劣化させる。このため、REMを含有させる場合には、その含有量を0.1%以下とする。REM含有量の上限は、望ましくは0.08%である。
一方、前記したREMの効果は、REMの含有量が0.001%以上の場合に安定して得られる。
なお、「REM」とは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量はREMのうちの1種または2種以上の元素の合計含有量を指す。また、REMについては一般的にミッシュメタルに含有される。このため、例えば、ミッシュメタルの形で添加して、REMの量が上記の範囲となるように含有させても良い。
上記のCaおよびREMは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種の複合で含有させることができる。これらの元素を複合して含有させる場合の合計量は0.15%であっても良い。
Co:1%以下
Coは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Coは、Niと同様オ−ステナイト生成元素であり、相安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。したがって、Coを含有させても良い。しかしながら、Coは極めて高価な元素であるため、Coの過剰の含有は大幅なコスト増を招く。このため、Coを含有させる場合には、その含有量を1%以下とする。Co含有量の上限は、望ましくは0.8%である。
一方、前記したCoの効果は、Coの含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
Cu:1%以下
Cuは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Cuは、NiおよびCoと同様オ−ステナイト生成元素であり、相安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。したがって、Cuを含有させても良い。しかしながら、Cuが過剰に含有された場合には熱間加工性の低下を招く。このため、Cuを含有させる場合には、その含有量を1%以下とする。Cu含有量の上限は、望ましくは0.8%である。
一方、前記したCuの効果は、Cuの含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
Mo:1%以下
Moは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Moは、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度を向上させる作用を有する。したがって、Moを含有させても良い。しかしながら、Moが過剰に含有された場合にはオーステナイトの安定性が低下して、却ってクリープ強度の低下を招く。そのため、Moを含有させる場合には、その含有量を1%以下とする。Mo含有量の上限は、望ましくは0.8%である。
一方、前記したMoの効果は、Moの含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
V:0.5%以下
Vは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Vは、CまたはNと結合して微細な炭化物または炭窒化物を形成し、クリープ強度を向上させる作用を有する。したがって、Vを含有させても良い。しかしながら、Vが過剰に含有された場合、炭化物または炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性の低下を招く。そのため、Vを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。V含有量の上限は、望ましくは0.4%である。
一方、前記したVの効果は、Vの含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
Nb:0.5%以下
Nbは、Vと同様にCまたはNと結合して微細な炭化物または炭窒化物として粒内に析出し、高温でのクリープ強度向上に寄与する。したがって、Nbを含有させても良い。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると炭化物や炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性および靱性の低下を招く。そのため、Nbを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。Nb含有量の上限は、望ましくは0.4%である。
一方、前記したNbの効果は、Nbの含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
Zr:0.5%以下
Zrは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Zrは、粒界強化元素であり、高温でのクリープ強度向上に寄与し、さらに、クリープ延性の向上にも寄与する。したがって、Zrを含有させても良い。しかしながら、Zrの含有量が0.5%を超えると熱間加工性が低下する場合がある。そのため、Zrを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。Zr含有量の上限は、望ましくは0.4%である。
一方、前記したZrの効果は、Zrの含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。
上記のCo、Cu、Mo、V、NbおよびZrは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種以上の複合で含有させることができる。これらの元素を複合して含有させる場合の合計量は、4.5%であっても良い。
2.部材の平均結晶粒度
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、表層が平均結晶粒度でASTM粒度番号7番以上の再結晶粒からなる金属組織を有し、部材の厚さ中央部が平均結晶粒度でASTM粒度番号4番以下の粗粒な結晶粒からなる金属組織を有する。
前述のように、本発明において、「表層」とは部材表面からの深さが50μmまでの領域をいう。また、部材の厚さ中央部の平均結晶粒度とは、部材厚さの25%となる各表面側を除外した領域における平均結晶粒度のことである。
なお、熱間加工時の表面欠陥を防止するためには、表層の金属組織は細粒であるほど好ましく、平均結晶粒度について、上限は特に規定しない。しかしながら、過度に細粒な組織とするのは、技術的に困難であるだけでなく、製造コストの上昇を招くため、ASTM粒度番号12番以下とするのが好ましい。
また、優れたクリープ特性を得るためには、部材の厚さ中央部の平均結晶粒度は、ASTM粒度番号3番以下であるのが好ましく、2番以下であるのがより好ましい。一方、部材の厚さ中央部の金属組織が過度に粗粒であるとクリープ延性の劣化および衝撃値の低下を招く場合があるため、部材の厚さ中央部の平均結晶粒度は、ASTM粒度番号−2番以上であるのが好ましく、−1番以上であるのがより好ましい。
表層および部材の厚さ中央部の平均結晶粒度は、下記の手順で求めることができる。部材の横断面が被検面となるように切断し、鏡面研磨した後、王水で腐食して、倍率100倍で3視野光学顕微鏡観察して、切断法により平均粒切片長さを測定し、その平均粒切片長さを1.128倍して平均結晶粒径を求める。さらに、JIS G 0551−02(2009)により結晶粒度に換算する。
なお、部材の厚さ中央部の平均結晶粒度は、部材の溶体化熱処理時の温度および時間を管理することにより調整することが可能である。溶体化熱処理の条件としては、1000〜1280℃の温度域において、0.1〜5h保持するのが好ましい。熱処理の温度域は1100〜1250℃とするのがより好ましく、保持時間は0.2〜1.5hとするのがより好ましい。
また、表層の平均結晶粒度は、上記の溶体化熱処理を施した部材の表面に、工具による切削、研磨、レーザーもしくはサンドブラスト等を活用したショットピーニング、ロールもしくは油圧プレスによる冷間圧延、または冷間での抽伸等を行って、機械的に表面部に強加工を施した後、熱処理を施して再結晶させることにより制御可能である。再結晶させるための熱処理の条件としては、980〜1180℃の温度域で0.1〜3h保持するのが好ましい。熱処理の温度域は1000〜1150℃とするのがより好ましく、保持時間は0.5〜1.5hとするのがより好ましい。
表層の硬さについて、上記の強加工を施した後で再結晶熱処理前の素材の表層におけるHV0.1が300以上であるのが好ましく、350以上であるのがより好ましい。強加工後の素材表層のHV0.1が300未満では、再結晶熱処理後の部材表層の平均結晶粒度がASTM粒度番号7番以上とならないためである。そして、再結晶熱処理後の部材の表層の硬さは、HV0.1が250以下であるのが好ましく、200以下であるのがより好ましい。再結晶熱処理後の部材表層の硬さが250を超えると、粒内の変形抵抗が高く、粒界破壊を助長するためである。
ここで、「HV0.1」は、試験力を0.9807N(100gf)として、マイクロビッカース硬さ試験を実施した場合の「硬さ記号」を意味する。
なお、表層の硬さにおいて、HV0.1が300以上とは、表層の転位密度が1.0×1014/m以上であることに相当する。すなわち、強加工を施した後で再結晶熱処理前の素材の表層における転位密度は、1.0×1014/m以上であることが好ましい。
「転位密度」は、Co管球を用いてXRDにより試料表面をθ−2θ測定し、得られたX線回折データから{111}、{200}、{220}および{311}面のLorents関数近似によって回折ピークの角度、半値幅、回折強度を求め、Modified Ailliams-Hallの式およびModified Marren-Averbachの式より算出することができる。
3.割れの評価方法
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、熱間加工時の表面欠陥を防止できるものである。一方、部材内部の微小な割れについては、生じないのが最も望ましいことは言うまでもないが、たとえ生じたとしても、割れの深さが小さければ、実プラントにおいて重大な事故につながる可能性は低く、大きな問題とはならない。
したがって、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、再結晶粒からなる部材の表層を含む試験片を、1100℃において0.0001s−1のひずみ速度で引張試験を行い、伸びが10%となった時の試験片内部における割れの深さが20μm以下であるのが望ましい。
上記の試験に用いる試験片は、部材の少なくとも一方の面の表層を含むものとし、両方の面を含んでいても良い。また、形状については、JIS Z 2241(2011)に規定される、断面が長方形または正方形となるような板状試験片または棒状試験片を用いることができる。この際、試験片の少なくとも一面に部材表面が含まれるように試験片を作製するのが望ましい。
上記の試験片を用いて、熱間加工を模擬した低ひずみ速度での引張試験を行う。具体的には、グリーブル試験機を用いて、上記の試験片を、加工温度1100℃でひずみ速度が0.0001s−1の低ひずみ速度で引張試験し、伸び(ひずみ量)が10%になった時点で引張試験を中断し、引張試験中断後の試験片を用いて、試験片表面部および内部の割れを確認する。
なお、グリーブル試験とは、試験片中央部を通電加熱しながら行う引張試験である。加工温度は、グリーブル試験片の中央部に熱電対を溶着して測定する。
引張試験中断後の試験片表面における割れの有無は、JIS Z 2343−1(2001)に規定される浸透探傷試験により行うこととする。また、試験片内部の割れの有無は、引張試験中断後の試験片中央部を横断面が被検面となるように切断し、鏡面研磨した後、倍率100倍で光学顕微鏡観察して確認することとする。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有するオーステナイト系耐熱合金を実験室溶解してインゴットを作製した。上記インゴットを用いて、熱間での鍛造および圧延による成形ならびに表2に示す条件での溶体化熱処理を行い、厚さ25mm、幅100mm、長さ500mmの合金板を複数枚作製した。その後、合金板に切削バイトによる表面切削加工を行い、さらに表2に示す条件で熱処理を行い合金板表層部に再結晶層を形成した。
Figure 2014145109
Figure 2014145109
上記のようにして得た各合金板から、横断面が被検面となるように平均結晶粒度を決定するための試験片を切り出して鏡面研磨した。その後、各試験片について、表層となる表面加工を施した合金板表面から深さ50μmまでの領域、および合金板の厚さの25%となる各表面側を除外した領域のそれぞれの平均結晶粒度を、以下の方法により求めた。
上記の試験片を鏡面研磨して、王水で腐食した後、表層および部材の厚さ中央部のそれぞれの任意の3視野について倍率100倍で光学顕微鏡観察して、切断法により平均粒切片長さを測定し、その平均粒切片長さを1.128倍して平均結晶粒径を求めた。さらに、JIS G 0551−02(2009)により結晶粒度に換算した。
なお、素材の表層の硬さは、上記の強加工後で再結晶加熱処理前の合金板から試験片を採取し、強加工を施した合金板表面から深さ50μmの位置におけるマイクロビッカース硬さ(HV0.1)を試験力0.9807N(100gf)で3点測定し、その平均値を求めた。
さらに、上記の各合金板について、引張試験に用いるための試験片を切り出した。引張試験用の試験片は、表面加工を施した合金板表面が含まれるように、合金板の長手方向に平行な10mm角で長さが130mmの角棒状の試験片を複数本ずつ機械加工により作製した。
上記の試験片を用いて、前述の加工温度が1100℃、ひずみ速度が0.0001s−1の低ひずみ速度での引張試験を行った。そして、伸び(ひずみ量)が10%になった時点で引張試験を中断し、引張試験中断後の試験片を用いて試験片表面部および内部の割れを調査した。
前述の通り、引張試験中断後の試験片表面における割れの有無は、JIS Z 2343−1(2001)に規定される浸透探傷試験により行い、試験片内部の割れの有無は、試験片中央部を横断面が被検面となるように切断し、鏡面研磨した後、倍率100倍で光学顕微鏡観察して調査した。
加えて、各合金板の肉厚中央部から、直径6mm、標点距離30mmの丸棒クリープ破断試験片を採取して、700℃、120MPaの条件でクリープ破断試験を行った。なお、クリープ破断時間が、1000h以上となるものを合格とし、1000h未満のものを不合格とした。
表層および部材の厚さ中央部における平均結晶粒径ならびに上記の各試験結果について、表2に合わせて示した。表面割れについては、割れが発生しなかったものを「○」、割れが発生したものを「×」とした。また、内部割れについては、割れが発生しなかったものを「○」、割れは発生したものの、その深さが20μm以下であったものを「△」、20μmを超える深さの割れが発生したものを「×」とした。
表2の総合評価においては、クリープ破断時間が長く、かつ熱間加工時の耐割れ性評価である引張試験片表面および内部の双方に割れが認められなかった場合を「良」とした。また、クリープ破断強度が長く、浸透探傷試験では試験片表面に割れが認められなかったものの、試験片内部に深さ20μm以下の微小な割れが認められた場合を「可」とした。そして、クリープ破断時間が短い場合、引張試験片の表面に割れが認められた場合、または、引張試験片の内部に20μmを超える深さの割れが発生した場合を「不可」とした。
表2に示すように、表層および部材の厚さ中央部における平均結晶粒度が本発明で規定される範囲である試験番号2〜4、8〜10、14〜16および20〜22は、総合評価において、「良」または「可」となった。
一方、試験番号1、7、13および19は、部材の厚さ中央部の平均結晶粒度が大きいため、クリープ破断時間が短く、クリープ強度に劣る結果となった。また、試験番号5、11、17および23は、表層の平均結晶粒度が小さいため、熱間加工時に表面欠陥が生じる結果となった。さらに、試験番号6、12、18および24は、強加工後の素材表層の硬度が低いため、再結晶化熱処理後の部材表層の平均結晶粒度が小さく、熱間加工時に表面欠陥が生じる結果となった。
本発明によれば、厚さが20mm以上の厚肉の合金部材を用いた場合であっても、熱間加工時の表面欠陥を防止することができる。したがって、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、発電用ボイラの主蒸気管、再熱蒸気管等の厚肉、大径の高温部材に熱間加工して用いるのに好適である。
「転位密度」は、Co管球を用いてXRDにより試料表面をθ−2θ測定し、得られたX線回折データから{111}、{200}、{220}および{311}面のLorents関数近似によって回折ピークの角度、半値幅、回折強度を求め、Modified Williamson-Hallの式およびModified Warren-Averbachの式より算出することができる。

Claims (5)

  1. 厚さ20mm以上のオーステナイト系耐熱合金部材であって、
    質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜55%、Cr:20〜35%、W:3〜10%、Ti:0.01〜1.2%、Al:0.3%以下、B:0.0001〜0.01%、N:0.02%以下およびO:0.01%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
    表層がASTM粒度番号7番以上の再結晶粒からなる金属組織を有し、
    部材の厚さ中央部がASTM粒度番号4番以下の結晶粒からなる金属組織を有することを特徴とするオーステナイト系耐熱合金部材。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、さらに下記に示す群から選択される1種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載のオーステナイト系耐熱合金部材。
    第1群:Ca:0.05%以下およびREM:0.1%以下
    第2群:Co:1%以下、Cu:1%以下、Mo:1%以下、V:0.5%以下、Nb:0.5%以下およびZr:0.5%以下
  3. 前記表層を含む試験片を、1100℃において0.0001s−1のひずみ速度で引張試験を行い、伸びが10%となった時の試験片内部における割れの深さが20μm以下(0を含む)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーステナイト系耐熱合金部材。
  4. 質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜55%、Cr:20〜35%、W:3〜10%、Ti:0.01〜1.2%、Al:0.3%以下、B:0.0001〜0.01%、N:0.02%以下およびO:0.01%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する素材の表面に強加工を施し、再結晶熱処理を行うことで、
    厚さ20mm以上であり、
    表層がASTM粒度番号7番以上の再結晶粒からなる金属組織を有し、
    部材の厚さ中央部がASTM粒度番号4番以下の結晶粒からなる金属組織を有するオーステナイト系耐熱合金部材を製造するのに際して用いられるオーステナイト系耐熱合金素材であって、
    該強加工後で該再結晶熱処理前における素材表層の硬さがHV0.1で300以上であることを特徴とするオーステナイト系耐熱合金素材。
  5. Feの一部に代えて、質量%で、さらに下記に示す群から選択される1種以上の元素を含有することを特徴とする請求項4に記載のオーステナイト系耐熱合金素材。
    第1群:Ca:0.05%以下およびREM:0.1%以下
    第2群:Co:1%以下、Cu:1%以下、Mo:1%以下、V:0.5%以下、Nb:0.5%以下およびZr:0.5%以下
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