JP2020084265A - オーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品 - Google Patents

オーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐クリープ特性と加工性とを両立するオーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品を提供する。【解決手段】本発明のオーステナイト系耐熱合金は、化学組成が、質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.0010〜0.0100%、O:0.01%以下、N:0.020%以下、Cr:25.0〜38.0%、Ni:40.0〜60.0%、W:3.0〜10.0%、Ti:0.01〜1.20%、Al:0.30%以下、B:0.0001〜0.01%、Zr:0.0001〜0.2%などを含有し、転位密度が3.4×1014m−2以上、3.9×1015m−2未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、オーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品に関する。
近年、環境負荷軽減の観点から発電用ボイラ等では運転条件の高温・高圧化が世界的規模で進められており、過熱器管または再熱器管の材料として使用されるオーステナイト系耐熱合金には、より優れた高温強度および耐食性を有することが求められている。特に、近年では、より優れた耐クリープ特性を有することが要求されている。
また、従来フェライト系耐熱鋼が使用されていた、主蒸気管、再熱蒸気管等の大径かつ厚肉の部品においても、オーステナイト系耐熱合金の適用が検討されている。
このような技術的背景のもと、耐熱性を高めたオーステナイト系耐熱合金がこれまでにいくつか検討されている。例えば、特許文献1には、所定の条件式を充足する化学成分を含むことで好適なクリープ破断強度を有するオーステナイト系耐熱合金が開示されている。また、特許文献2には、所定の化学成分を含み、かつ、組織が粗粒組織であることにより耐熱耐圧部品の素材として有用なオーステナイト系耐熱鋼が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、耐クリープ特性と加工性とを両立することが難しかった。
特許第4431905号 特許第4007241号
以上のように、オーステナイト系耐熱合金において、耐クリープ特性と加工性とを両立するものは存在していなかった。このような背景のもと、本発明は、耐クリープ特性と加工性とを両立するオーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、オーステナイト系耐熱合金の強化相であるα−Crに注目した。耐クリープ特性を向上させるためには、強化相であるα−Crを微細に析出させることが必要となるが、本発明者らはα−CrがTi硫化物またはTi炭硫化物を核として析出することを知見した。つまり、本発明者らは、α−Crを微細に析出させるためには、Ti硫化物またはTi炭硫化物を微細に析出させることが必要であることを知見した。
さらに、本発明者らは、Ti硫化物またはTi炭硫化物が転位を核生成サイトとして析出していることを知見した。以上の知見から、本発明者らは、加工によって転位密度を上昇させることでTi硫化物またはTi炭硫化物が微細に析出し、これに伴いα−Crが微細に析出するので、耐クリープ特性を向上させることを想到した。
従来技術では、オーステナイト系耐熱合金にSを多く含有させることで、耐クリープ特性の向上を図っていた。しかしながら、オーステナイト系耐熱合金にSを多く含有させると、粒界が脆化し、好適な加工性を得られない場合があった。そのため、従来のオーステナイト系耐熱合金では、耐クリープ特性と加工性との両立が困難であった。
本発明は、上記課題を解決して、係る目的を達成するために以下の手段を採用する。
(1)本発明の第1の態様に係るオーステナイト系耐熱合金は、化学組成が、質量%で、
C:0.01〜0.15%、
Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P:0.04%以下、
S:0.0010〜0.0100%、
O:0.01%以下、
N:0.020%以下、
Cr:25.0〜38.0%、
Ni:40.0〜60.0%、
W:3.0〜10.0%、
Ti:0.01〜1.20%、
Al:0.30%以下、
B:0.0001〜0.01%、
Zr:0.0001〜0.2%、
Ca:0〜0.0100%、
Mg:0〜0.0500%、
REM:0〜0.100%、
Co:0〜1.0%、
Cu:0〜1.0%、
Mo:0〜1.0%、
V:0〜0.5%、
Nb:0〜0.5%、
残部:Feおよび不純物であり、転位密度3.4×1014−2以上、3.9×1015−2未満である。
(2)上記(1)に記載のオーステナイト系耐熱合金は、前記化学組成が、質量%で、
Ca:0.0001〜0.0100%、
Mg:0.0001〜0.0500%、および
REM:0.0001〜0.100%、
からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のオーステナイト系耐熱合金は、前記化学組成が、質量%で、
Co:0.01〜1.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜0.5%、および
Nb:0.01〜0.5%、
からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
(4)上記(1)〜(3)の何れか1態様に記載のオーステナイト系耐熱合金は、700℃で100時間保持した後の任意の断面におけるα−Crの個数密度が2.5個/μm以上であってもよい。
(5)本発明の第2の態様に係るオーステナイト系耐熱合金部品は、上記(1)〜(4)の何れか1態様に記載のオーステナイト系耐熱合金からなり、700℃で1000時間保持した後の任意の断面におけるα−Crの個数密度が2.6個/μm以上である。
本発明によれば、耐クリープ特性と加工性とを両立するオーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品を提供することが可能である。
以下に、本発明について説明する。
まず、本発明に係るオーステナイト系耐熱合金の化学組成の限定理由を述べる。なお、組成についての%の表記は、特に断りが無い限り質量%を意味する。
<化学組成>
<C:0.01〜0.15%>
Cは、オーステナイトを安定にするとともに粒界に微細な炭化物を形成し、高温でのクリープ強度を向上させる。この効果を十分に得るためには、0.01%以上のC含有量が必要である。しかしながら、Cが過剰に含有された場合には、炭化物が粗大となり、かつ多量に析出するので、粒界の延性が低下し、さらに、靱性およびクリープ強度の低下も生じる。したがって、上限を設け、Cの含有量を0.01〜0.15%とする。C含有量は0.03%以上であるのが望ましく、0.04%以上であるのがより望ましく、0.05%以上であるのがさらに望ましい。また、C含有量は0.12%以下であるのが望ましく、0.10%以下であるのがより望ましい。
<Si:2.0%以下>
Siは、脱酸作用を有するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。しかしながら、Siが過剰に含有された場合にはオーステナイトの安定性が低下して、靱性およびクリープ強度の低下を招く。そのため、Siの含有量に上限を設けて2.0%以下とする。Si含有量は1.6%以下であるのが望ましく、1.2%以下であるのがより望ましい。
なお、Siの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端に低減させると脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性が劣化するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上効果が得難くなり、製造コストも大きく上昇する。そのため、Si含有量は0.02%以上であるのが望ましく、0.05%以上であるのがより望ましい。
<Mn:2.0%以下>
Mnは、Siと同様、脱酸作用を有する。Mnは、オーステナイトの安定化にも寄与する。しかしながら、Mnの含有量が過剰になると脆化を招き、さらに、靱性およびクリープ延性の低下も生じる。そのため、Mnの含有量に上限を設けて2.0%以下とする。Mnの含有量は1.5%以下であるのが望ましく、1.0%以下であるのがより望ましく、0.8%以下であるのがさらに望ましい。
<P:0.04%以下>
Pは、不純物として合金中に含まれ、多量に含まれる場合には、加工性および溶接性を著しく低下させ、さらに、長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、Pの含有量に上限を設けて0.04%以下とする。Pの含有量は、0.03%以下であるのが望ましく、0.02%以下であるのがより望ましい。
なお、Pの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量は0.0005%以上であるのが望ましく、0.0008%以上であるのがより望ましい。
<S:0.0010〜0.0100%>
Sは、Pと同様に不純物として合金中に含まれ、多量に含まれる場合には、加工性および溶接性を著しく低下させ、さらに、長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、Sの含有量に上限を設けて0.0100%以下とする。Sの含有量は、0.0080%以下であるのが望ましく、0.0050%以下であるのがより望ましい。
なお、Sの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、S含有量は0.0010%以上とし、0.0008%以上であるのがより望ましい。
<O:0.01%以下>
O(酸素)は、不純物として合金中に含まれ、その含有量が過剰になると熱間加工性が低下し、さらに靱性および延性の劣化を招く。このため、Oの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Oの含有量は0.008%以下であるのが望ましく、0.005%以下であるのがより望ましい。
なお、Oの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量は0.0005%以上であるのが望ましく、0.0008%以上であるのがより望ましい。
<N:0.020%以下>
Nは、オーステナイトを安定にするのに有効な元素であるものの、過剰に含有されると、高温での使用中に多量の微細窒化物が粒内に析出してクリープ延性および靱性の低下を招く。そのため、Nの含有量に上限を設けて0.020%以下とする。Nの含有量は0.018%以下であるのが望ましく、0.015%以下であるのがより望ましい。
なお、Nの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端に低減させるとオーステナイトを安定にする効果が得難くなり、製造コストも大きく上昇する。そのため、N含有量は0.0005%以上であるのが望ましく、0.0008%以上であるのがより望ましい。
<Cr:25.0〜38.0%>
Crは、高温での耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素である。本発明のNi含有量の範囲で、上記の効果を得るためには、25.0%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crの含有量が38.0%を超えると、高温でのオーステナイトの安定性が劣化してクリープ強度の低下を招く。したがって、Crの含有量を25.0〜38.0%とする。Cr含有量は25.5%以上であるのが望ましく、26%以上であるのがより望ましい。また、Cr含有量は37.5%以下であるのが望ましく、37%以下であるのがより望ましい。
<Ni:40.0〜60.0%>
Niは、オーステナイトを得るために有効な元素であり、長時間使用時の組織安定性を確保するために必須の元素である。さらにNiはAlまたはTiと結合して微細な金属間化合物相を形成し、クリープ強度を高める作用を有する。本発明のCr含有量の範囲で十分な効果を得るためには、40.0%以上のNi含有量が必要である。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量に含有させるとコストの増大を招く。そのため、上限を設けて、Niの含有量を40.0〜60.0%とする。Ni含有量は41.0%以上であるのが望ましく、43.0%以上であるのがより望ましい。また、Ni含有量は59.0%以下であるのが望ましく、58.0%以下であるのがより望ましい。
<W:3.0〜10.0%>
Wは、マトリックスに固溶して固溶強化元素としてクリープ破断強度の向上に寄与するばかりでなく、FeW型のLaves相またはFe型のμ相として析出し、クリープ破断強度を大幅に向上させる極めて重要な元素である。さらに、Wは、25.0〜38.0%のCrを含有する本発明において析出するα−Cr相中に固溶して、高温での長時間使用中のα−Cr相の成長粗大化を抑制し、長時間側でのクリープ破断強度の急激な低下を抑止する作用を有する。しかしながら、W含有量が3.0%以下では、前記した効果が得られない。一方、10.0%を超える量のWを含有させても、前記の効果が飽和してコストが嵩むだけであり、しかも、組織安定性および熱間加工性が劣化する。したがって、W含有量は3.0〜10.0%とする。
<Ti:0.01〜1.20%>
Tiは、α−Cr相の析出を促進させてクリープ破断強度を高める重要な元素である。特に、Tiを後述のZrと複合して含有させることで、α−Cr相の析出が一層促進されて、クリープ破断強度をより高めることが可能になる。しかしながら、Ti含有量が0.01%未満では十分な効果が得られず、一方、1.20%を超えると熱間加工性が低下する。したがって、Ti含有量は0.01〜1.20%とする。Ti含有量は0.10%以上とするのが好ましく、0.20%以上とするのがより好ましい。また、Ti含有量は0.90%以下とするのが好ましく、0.50%以下とするのがより好ましい。
<Al:0.30%以下>
Alは脱酸作用を有するので、合金中に添加してもよい。なお、Alを多量に含有させることによって、γ’相が析出してクリープ破断強度を高めることができるが、本発明においては、適正量のW、TiおよびZrを含有させ、α−Cr相とLaves相等による複合析出強化でクリープ破断強度を飛躍的に高めることができるため、γ’相による強化は不要である。しかも、Al含有量が0.30%を超えると、加工性、延性および靱性が劣化することがある。そのため、Al含有量を0.30%以下とする。
<B:0.0001〜0.01%>
Bは、B単体で粒界に、または炭窒化物中に存在し、高温での使用中における粒界強化による粒界すべり抑制および炭窒化物の微細分散析出促進によって、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。その効果を発揮するには、0.0001%以上の含有量が必要である。しかしながら、B含有量が0.01%を超えると、溶接性が劣化する。したがって、B含有量は0.01%以下とする。
<Zr:0.0001〜0.2%>
Zrは、Tiと同様に、α−Cr相の析出を促進させてクリープ破断強度を高める重要な元素である。特に、Zrを上述のTiと複合して含有することで、α−Cr相の析出が一層促進されて、クリープ破断強度をより高めることが可能になる。しかしながら、Zr含有量が0.0001%未満では十分な効果が得られず、一方、0.2%を超えると熱間加工性が低下する。したがって、Zr含有量は0.0001〜0.2%とする。Zr含有量は0.01%以上であるのが好ましい。また、Zr含有量は0.1%以下であるのが好ましく、0.05%以下であるのがより好ましい。
<Ca:0〜0.0100%>
Caは、熱間加工性を阻害するSを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有するので、この効果を得るためにCaを含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.0100%を超えると、清浄性が低下し、かえって熱間加工性および延性が損なわれる。したがって、含有させる場合のCaの量は0.0100%以下とする。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ca含有量は0.0001%以上とするのが好ましい。
<Mg:0〜0.0500%>
Mgは、合金中に不可避的に含有されるSを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有するので、この効果を得るためにMgを含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.0500%を超えると、清浄性が低下し、かえって熱間加工性および延性が損なわれる。したがって、含有させる場合のMgの量は0.0500%以下とする。一方、上記の効果を確実に得るためには、Mg含有量は0.0001%以上とするのが好ましい。
<REM:0〜0.100%>
REMは、Sを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有する。また、REMには、鋼表面のCr保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度およびクリープ破断延性を向上させる作用もある。しかしながら、REM含有量が0.100%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性および溶接性が損なわれる。したがって、含有させる場合のREMの量は0.100%以下とする。一方、上記の効果を確実に得るためには、REM含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましく、0.002%以上とするのがさらに好ましい。
<Co:0〜1.0%>
Coは、Niと同様にオーステナイト組織を安定にする作用を有するとともに、クリープ破断強度の向上にも寄与する元素であるので、前記の効果を得るためにCoを含有させてもよい。しかしながら、1.0%を超えてCoを含有させても上記の効果が飽和してコストが嵩むばかりであり、しかも、熱間加工性も低下する。したがって、Co含有量は1.0%以下とする。一方、前記したCoのオーステナイト組織を安定にする効果およびクリープ破断強度の向上効果を確実に得るためには、Co含有量を0.05%以上とすることが好ましい。
<Cu:0〜1.0%>
Cuは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Cuは、NiおよびCoと同様オーステナイト生成元素であり、相安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。したがって、Cuを含有させても良い。しかしながら、Cuが過剰に含有された場合には熱間加工性の低下を招く。したがって、Cuを含有させる場合には、その含有量を1.0%以下とする。Cu含有量は0.8%以下であるのが望ましい。
<Mo:0〜1.0%>
Moは、マトリックスに固溶して、固溶強化元素としてクリープ破断強度の向上に寄与する元素として、Wと同等の作用を有するので、この効果を得るためにMoを含有させてもよい。一方、WとCrとを含む合金にMoが複合して含まれている場合には、長時間使用した際にσ相が析出することがあり、このため、クリープ破断強度、延性および靱性の低下をきたすことがあることが判明した。よって、Mo含有量を1.0%以下とする。なお、Mo含有量は0.2%未満に制限することが好ましい。
<V:0〜0.5%>
Vは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Vは、CまたはNと結合して微細な炭化物または炭窒化物を形成し、クリープ強度を向上させる作用を有する。このため、Vを含有させても良い。しかしながら、Vが過剰に含有された場合、炭化物または炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性の低下を招く。したがって、Vを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。V含有量は0.4%以下であるのが望ましい。
<Nb:0〜0.5%>
Nbは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させるとともに結晶粒を微細化して延性を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにNbを含有させてもよい。しかしながら、Nb含有量が0.5%を超えると、熱間加工性および靱性が低下する。したがって、含有させる場合のNbの量は0.5%以下とする。一方、上記の効果を確実に得るためには、Nb含有量は0.05%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましい。
<残部及び不純物>
本発明のオーステナイト系耐熱合金の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、合金を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
<転位密度>
本発明のオーステナイト系耐熱合金の転位密度は、3.4×1014−2以上、3.9×1015−2未満である。この転位密度を有することにより、Ti硫化物またはTi炭硫化物が微細に析出し、これに伴いα−Crが微細に析出するので、耐クリープ特性が好適である。より具体的には、転位密度が上述の範囲にあることで、クリープ破断強度が140MPa以上、クリープ破断伸びが10%以上となり、好ましいためである。
オーステナイト系耐熱合金の転位密度の下限は、好ましくは3.4×1014−2であり、より好ましくは、1.2×1015−2である。オーステナイト系耐熱合金の転位密度の上限は、好ましくは3.4×1015−2であり、より好ましくは、2.3×1015−2である。
従来のオーステナイト系耐熱合金では、製造方法の最終工程において、1100〜1250℃の範囲内の温度に加熱保持した後冷却する最終熱処理が施されていた。このような最終熱処理が施される場合には、原子の拡散によって多くの転位が消滅するため、本発明のオーステナイト系耐熱合金の転位密度よりも低い転位密度となる。
一方、本発明のオーステナイト系耐熱合金では、従来行われていた最終熱処理工程を行わないため、上述の転位密度を得ることができる。
<転位密度の測定方法>
転位密度は、Co管球を用いてXRDにより試料表面をθ−2θ測定し、得られたX線回折データから{111}、{200}、{220}および{311}面のLorentz関数近似によって回折ピークの角度、半値幅、回折強度を求め、Modified Williamson−Hallの式およびModified Warren−Averbachの式より算出することができる。
<700℃100時間熱処理後のα−Crの個数密度>
本発明のオーステナイト系耐熱合金は、700℃で100時間熱処理(時効処理)した際に、任意の断面を観察したときのα−Crの個数密度が2.5個/μm以上であることが好ましい。オーステナイト系耐熱合金の強化相であるα−Crの個数密度が上述の範囲にあることにより、好適な耐クリープ特性が得られるため好ましい。
本発明のオーステナイト系耐熱合金は、転位密度が3.4×1014−2以上、3.9×1015−2未満であることにより、Ti硫化物またはTi炭硫化物が微細に析出する。これにより、Ti硫化物またはTi炭硫化物を核として析出するα−Crも微細に析出するため、700℃で100時間熱処理した際に、任意の断面を観察したときのα−Crの個数密度が2.5個/μm以上を実現することができる。
<α−Crの個数密度の測定方法>
α−Crの個数密度は次の方法で測定した。つまり、鏡面研磨した試料の断面を走査電子顕微鏡で反射電子像を撮影して測定した。加速電圧15kV、倍率7500倍で観察し、取得した画像を二値化して粒子解析で個数密度を得た。無作為に選択した5視野から個数密度の値を取得し、その平均値をα−Crの個数密度とした。なお、二値化する際に、面積が0.006μm以下の範囲はノイズとして処理した。
<オーステナイト系耐熱合金部品>
本発明のオーステナイト系耐熱合金部品は、本発明のオーステナイト系耐熱合金からなる。
<700℃1000時間熱処理後のα−Crの個数密度>
本発明のオーステナイト系耐熱合金部品は、700℃で1000時間熱処理(保持)した際に、任意の断面を観察したときのα−Crの個数密度が2.6個/μm以上である。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部品では、700℃で1000時間熱処理した際のα−Crの個数密度が上述の範囲であることにより、優れた耐クリープ特性を得ることができる。
<オーステナイト系耐熱合金の製造方法>
上述のように、本発明のオーステナイト系耐熱合金を素材とすることによって、耐クリープ特性と加工性とを両立するオーステナイト系耐熱合金を得ることができる。本発明の耐熱耐圧部材は、例えば以下の工程によって製造することが可能であるが、これに制限されるものではない。
<加工工程>
本発明のオーステナイト系耐熱合金の製造方法には、転位密度を3.4×1014−2以上、3.9×1015−2未満とするために、加工工程が含まれる。本発明における加工工程は、冷間加工である。
<冷間加工>
加工工程を冷間加工により行う場合、断面減少率を1.0〜12.0%とすればよく、それ以外の条件は特に限定されない。断面減少率を1.0〜12.0%とすることにより、転位密度を3.4×1014−2以上、3.9×1015−2未満とすることができる。
上述したように、本発明のオーステナイト系耐熱合金の製造方法では、従来行われていた最終熱処理工程を行わない。そのため、所定の転位密度を得ることができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する供試合金1〜9を、高周波真空溶解炉を用いて溶製し、インゴットを得た。なお、表1の数値は質量%を表す。
Figure 2020084265
インゴットに対して、熱間での鍛造および圧延による成形を行った後、熱処理(1200℃、10分)および水冷を実施した。その後、転位を導入するため表2に記載の断面減少率で冷間加工を行うことにより、板材を得た。この板材に対して、下記のクリープ試験を実施した。
<クリープ破断試験>
上記の工程で得た各板材の一部を用いて、厚さ方向中心部から、長手方向に平行に、直径が6mmで標点距離が30mmの丸棒引張試験片を機械加工により作製し、クリープ破断試験を実施した。クリープ破断試験は650〜750℃において種々の応力で試験を行い、Larson−Millerパラメータ法を用いて700℃、10,000時間のクリープ破断強度を求めた。140MPa以上のものを合格とした。
また、700℃、130MPaのクリープ破断試験を実施し、破断伸びを測定した。10.0%以上のものを合格とした。
<700℃100時間熱処理後のα−Crの個数密度>
上述の板材に対して、700℃100時間の熱処理を行い、α−Crの個数密度を測定した。
α−Crの個数密度は次の方法で測定した。つまり、鏡面研磨した試料の断面を走査電子顕微鏡で反射電子像を撮影して測定した。加速電圧15kV、倍率7500倍で観察し、取得した画像を二値化して粒子解析で個数密度を得た。無作為に選択した5視野から個数密度の値を取得し、その平均値をα−Crの個数密度とした。なお、二値化する際に、面積が0.006μm以下の範囲はノイズとして処理した。
<700℃1000時間熱処理後のα−Crの個数密度>
上述の板材に対して、700℃1000時間の熱処理を行い、α−Crの個数密度を測定した。α−Crの個数密度の測定は上述と同様の方法により測定した。
結果を表2に示した。
Figure 2020084265
表2に記載したように、断面減少率が1.0〜12.0%の冷間加工を行ったオーステナイト系耐熱合金は本発明の転位密度の条件を充足していたので、好適なクリープ破断強度及びクリープ破断伸びの結果を示した。また、α−Crの個数密度も所定の範囲内であった。
一方、断面減少率が1.0%未満又は12.0%超の冷間加工を行ったオーステナイト系耐熱合金は、本発明の転位密度の条件を充足しなかったため、クリープ破断強度又はクリープ破断伸びのいずれかが不合格であった。
なお、表2には記載していないが、各発明例の加工性を調べたところ、いずれの発明例も好適な加工性を示した。
本発明のオーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品は、耐クリープ特性と加工性とを両立するため、高温環境下で使用されるボイラ及び化学プラント等の装置用材料として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.01〜0.15%、
    Si:2.0%以下、
    Mn:2.0%以下、
    P:0.04%以下、
    S:0.0010〜0.0100%、
    O:0.01%以下、
    N:0.020%以下、
    Cr:25.0〜38.0%、
    Ni:40.0〜60.0%、
    W:3.0〜10.0%、
    Ti:0.01〜1.20%、
    Al:0.30%以下、
    B:0.0001〜0.01%、
    Zr:0.0001〜0.2%、
    Ca:0〜0.0100%、
    Mg:0〜0.0500%、
    REM:0〜0.100%、
    Co:0〜1.0%、
    Cu:0〜1.0%、
    Mo:0〜1.0%、
    V:0〜0.5%、
    Nb:0〜0.5%、
    残部:Feおよび不純物であり、転位密度3.4×1014−2以上、3.9×1015−2未満である
    ことを特徴とするオーステナイト系耐熱合金。
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    Ca:0.0001〜0.0100%、
    Mg:0.0001〜0.0500%、および
    REM:0.0001〜0.100%、
    からなる群から選択される1種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のオーステナイト系耐熱合金。
  3. 前記化学組成が、質量%で、
    Co:0.01〜1.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、
    V:0.01〜0.5%、および
    Nb:0.01〜0.5%、
    からなる群から選択される1種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーステナイト系耐熱合金。
  4. 700℃で100時間保持した後の任意の断面におけるα−Crの個数密度が2.5個/μm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のオーステナイト系耐熱合金。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のオーステナイト系耐熱合金からなり、
    700℃で1000時間保持した後の任意の断面におけるα−Crの個数密度が2.6個/μm以上であることを特徴とするオーステナイト系耐熱合金部品。
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