JP2014144739A - ブレーキキャリパ - Google Patents

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聡 齊藤
Shinya Takahashi
伸也 高橋
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Abstract

【課題】本発明は、安価な構造をもち、偏摩耗を抑制することができる鞍乗り型車両用キャリパボデイを提供することを課題とする。
【解決手段】第1マスタシリンダ31に接続した大径シリンダ47と、この大径シリンダ47よりも小径の小径シリンダ48と、大径シリンダ47に収容される大径ピストン45及び小径シリンダ48に収容される小径ピストン46によって押圧されるパッド75とを備え、このパッド75で回転するブレーキディスク27に制動力を付与するブレーキキャリパにおいて、パッド75の長手方向中心(CL)から小径ピストン46の中心102までの距離(A)は、パッド75の長手方向中心(CL)から大径ピストン45の中心101までの距離(B)よりも短く設定されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置を構成するブレーキキャリパの改良に関する。
自動二輪車等において、通常、前輪のブレーキに対して、前輪用ブレーキ操作子が設けられ、後輪のブレーキに対して、後輪用ブレーキ操作子が設けられる。これとは別に、1つのブレーキ操作子を操作し、連動して前後のブレーキに制動力を与えるブレーキは、連動ブレーキ装置と呼ばれる。このような連動ブレーキ装置に備えられているキャリパボデイが知られている(例えば、特許文献1(図1、図7)参照。)。
特許文献1の図1及び図7に示すように、前輪用ブレーキキャリパのキャリパボデイ(6)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)は、3つのシリンダ孔(9、10、11)を有し、これらのシリンダ孔(9、10、11)に、摩擦パッド(7)を押す3つのピストン(13、16、19)がブレーキディスクの回転方向に沿って設けられる。このキャリパボデイ(6)は、いわゆる、3ポッドキャリパである。これらのピストンのうちの真ん中に位置するピストン(19)に、連動ブレーキ通路(24)が接続され、両端のピストン(13、16)には単独ブレーキ通路(23)が接続される。この真ん中のピストン(19)で摩擦パッド(7)の中心を押圧するとともに、両端のピストン(13、16)が連動して、摩擦パッド(7)の両端を同時に押圧することで、摩擦パッド(7)(以下、「パッド」と呼ぶ。)の偏摩耗は抑制される。
しかし、3ポッドキャリパは、ピストンが3つ収容されているため、高価なものになり易い。安価な構造をもち、パッドの偏摩耗を抑制することができるブレーキキャリパが望まれる。
特開2010−185503公報
本発明は、安価な構造をもち、偏摩耗を抑制することができる鞍乗り型車両用キャリパボデイを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、前輪又は後輪のうちの一方に制動力をかける単独ブレーキ操作子によって押圧される第1マスタシリンダに接続した大径シリンダと、前輪及び後輪の双方に制動力をかける連動ブレーキ操作子によって押圧される第2マスタシリンダに接続し大径シリンダよりも小径の小径シリンダと、大径シリンダに連通する第1入口と、小径シリンダに連通する第2入口と、大径シリンダに収容される大径ピストン及び小径シリンダに収容される小径ピストンによって押圧されるパッドと、を備え、このパッドで前輪又は後輪と共に回転するブレーキディスクに制動力を付与するブレーキキャリパにおいて、パッドの長手方向中心から小径ピストンの中心までの距離は、パッドの長手方向中心から大径ピストンの中心までの距離よりも短く設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、パッドは、大径ピストン及び小径ピストンが当接する裏板と、この裏板に取付けられブレーキディスクに当接する摩擦材とからなり、この摩擦材は、大径ピストンと小径ピストンの間に形成される溝によって、大径側制動面と小径側制動面とに分割され、この小径側制動面の面積は、大径側制動面の面積よりも大きく設定されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、溝に、大径ピストンの外周と小径ピストンの外周とが各々接していることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、小径シリンダは、大径シリンダに対してブレーキディスクの回転方向上流側に配置されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、パッドの長手方向中心から小径ピストンの中心までの距離は、パッドの長手方向中心から大径ピストンの中心までの距離よりも短く設定されている。小径ピストンのみがパッドを押圧する場合において、パッドの長手方向中心は、小径ピストンの中心側へ寄せて配置される。仮想押圧中心が、第2ピストンの中心からパッドの長手方向中心側へ移動する。大径ピストンに比べて押圧力の小さい小径ピストンが、パッドの長手方向中心寄りを押圧することになるので、パッドの偏摩耗を減らすことができる。
また、大径ピストンと小径ピストンとからなる2ポッドタイプのブレーキキャリパを利用する場合に、大径ピストンと小径ピストンに対し、パッドの位置をパッドの長手方向に移動するだけで、パッド偏摩耗を低減することができる。結果、3ポッドタイプによらず、安価な2ポッドタイプのブレーキキャリパでパッドの偏摩耗を減らすことができる。
請求項2に係る発明では、大径側制動面と小径側制動面とに分割されたパッドの摩擦材において、小径側制動面の面積は、大径側制動面の面積よりも大きく設定される。大径ピストンに比べて押圧力が小さい小径ピストン側に位置する小径側制動面を広くすることで、小径ピストンのみがパッドを押圧する場合に、小径側制動面を押す押圧力は減る。結果、小径側制動面に生じ易い偏摩耗を一層減らすことができる。
請求項3に係る発明では、溝に、大径ピストンの外周と小径ピストンの外周とが各々接している。すなわち、押圧力の向きは、パッドの長手方向に直角な向きであって、裏板を介して摩擦材に伝わるので、小径側の摩擦材に押圧力がかかり易い。結果、パッドの偏摩耗を一層抑制することができる。
請求項4に係る発明では、小径シリンダは、大径シリンダに対してブレーキディスクの回転方向上流側に配置されている。同じ力であればブレーキディスクにかかる力が比較的小さい側の小径シリンダをブレーキディスクの回転方向上流側に配置したので、パッドの偏摩耗を一層抑制することができる。
本発明に係るブレーキ装置のシステム構成図である。 ブレーキキャリパの左側面図である。 図2の3−3線断面図である。 ディスクパッド及び周辺部の分解斜視図である ブレーキキャリパの要部断面図である。 図3の6−6線断面図である。 図6の変形例図である。 比較例及び実施例に係るブレーキキャリパの構成図と作用説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のディスクブレーキ装置11は、自動二輪車10に搭載され、操向ハンドルに取付けられるブレーキレバー51及び/又は車体フレームの下部に取付けられるブレーキペダル52に運転者が入力操作をすることで、車輪12に所定の制動力を付与する。
自動二輪車10において、車輪12は前輪13と後輪14とからなり、前輪13にブレーキをかける前輪ブレーキ15と、後輪14にブレーキをかける後輪ブレーキ16は、車両の非回転側に支持される前輪キャリパボデイ17及び/又は後輪キャリパボデイ18にブレーキ圧力を供給し、前輪側及び後輪側に各々取付けられる円盤状のブレーキディスク27、28の双方又は一方を挟むことで所定のブレーキ力を付与する。
ディスクブレーキ装置11は、単独ブレーキ操作子(前輪ブレーキ操作子23)を操作したときに、前輪13のみにブレーキをかける前輪ブレーキ15と、連動ブレーキ操作子24を操作したときに、前輪13及び後輪14の双方に同時にブレーキ力をかけるいわゆる連動ブレーキ25とからなる。連動ブレーキ25は、前輪13及び後輪14の双方に同時に制動力をかけるものである。
単独ブレーキ(前輪ブレーキ)15の制動力発生源となる第1マスタシリンダ31は、単独ブレーキ操作子23によって押圧される。また、連動ブレーキ25の制動力発生源となる第2マスタシリンダ32は、連動ブレーキ操作子24によって押圧される。
このようなディスクブレーキ装置11は、前輪13と共に回転する前輪ブレーキディスク27と、この前輪ブレーキディスク27に制動力を付与する前輪キャリパボデイ17と、後輪と共に回転する後輪ブレーキディスク28と、この後輪ブレーキディスク28に制動力を付与する後輪キャリパボデイ18と、前輪キャリパボデイ17に液圧(油圧)を供給する第1油圧経路35及び第2油圧経路36と、この第2油圧経路36の中間部36aから分岐し後輪キャリパボデイ18に延び接続される第3油圧経路37と、第1油圧経路35の一端に接続され液圧を発生する第1マスタシリンダ(前輪マスタシリンダ)31と、この前輪マスタシリンダ31にブレーキ力を入力する前輪ブレーキ操作子23と、第2油圧経路36の一端に接続され液圧を発生する第2マスタシリンダ(連動マスタシリンダ)32と、この連動マスタシリンダ32にブレーキ力を入力する連動ブレーキ操作子24とを主要素とする。
第2油圧経路36の中間部36aと前輪キャリパボデイ17の間にて第2油圧経路36に遅動弁(Delay Valve:DV)43が介在され、第3油圧経路37に前後輪制動力配分特性に応じた入出力特性をもつ比例制御弁(Proportional Control Valve:PCV)44が介在される。
前輪キャリパボデイ17と後輪キャリパボデイ18は、いずれも、車両の非回転側に支持されている。前輪キャリパボデイ17は、第1油圧経路35に連通し、前輪ブレーキディスク27を押す大径ピストン45を内挿する大径シリンダ47と、第2油圧経路36に連通し、同じく、前輪ブレーキディスク27を押す小径ピストン46を内挿する小径シリンダ48とを有する。後輪キャリパボデイ18は、後輪油圧経路37に連通し後輪ピストン49を内挿する後輪シリンダ部50を有する。
本実施例では、ブレーキレバー51は、単独ブレーキ操作子23の一形態であり、ハンドルの一端に設けられ運転者が握り操作する。ブレーキペダル52は、連動ブレーキ操作子24の一形態であり、運転者が足を踏み込み操作する。この踏み込み操作により後輪14のみならず前輪13をも同時に制動する機能をもたせた。なお、連動ブレーキ操作子をブレーキペダルに代えて、ハンドルの他端に設けられ運転者が握り操作する別のブレーキレバーとすることは差し支えない。
ディスクブレーキ装置11において、単独ブレーキ操作子(前輪ブレーキ操作子)23を操作すると、前輪マスタシリンダ31で油圧が発生し、この油圧は第1油圧経路35を介して前輪キャリパボデイ17に伝達され、前輪キャリパボデイ17の大径ピストン45が前輪ブレーキディスク27を押圧することで、前輪13に制動力をかける。
同様に、連動ブレーキ操作子24を操作すると、連動マスタシリンダ32で油圧が発生し、この油圧は第2油圧経路36を介して前輪キャリパボデイ17に伝達されると共に、第2油圧経路36の中間部36aから分岐した第3油圧経路37を通って後輪キャリパボデイ18に伝達される。そして、前輪キャリパボデイ17の小径ピストン46が前輪ブレーキディスク27を押圧することで、前輪13に制動力をかけると共に、後輪キャリパボデイ18の後輪ピストン49が後輪ブレーキディスク28を押圧することで、後輪14に制動力をかけるようにした。
次に連動ブレーキに用いられる前輪ブレーキキャリパについて説明する。
図2に示すように、前輪キャリパボデイ17(以下、「キャリパボデイ17」と言う。)に、ブレーキディスク(図1、符号27)を押す大径ピストン45が内挿される大径シリンダ47と、この大径シリンダ47に並んで設けられ、大径シリンダ47よりも小径であって、ブレーキディスク27を押す小径ピストン46が内挿される小径シリンダ48と、大径シリンダ47に連通しブレーキ媒体が出入りする第1入口53と、小径シリンダ48に連通し小径ピストン46を押すブレーキ媒体が出入りする第2入口54とを有する。キャリパボデイ17に設けられる大径ピストン45及び小径ピストン46は、図1に示したシステム構成により、それぞれ独立して作動可能なものである。キャリパボデイ17は、車両側に固定されている板状のブラケット55へ、第1支持部57と第2支持部58によって取付けられている。キャリパボデイ17は、第1支持部57と第2支持部58によって、ブレーキディスク27の軸方向に移動可能に支持される。この他、大径シリンダ47に、エア抜き通路としての第1ブリーダ61が連通し、小径シリンダ48に、エア抜き通路としての第2ブリーダ62が連通している。ここで、キャリパボデイ17(前輪キャリパボデイ17)の前面とは、キャリパボディ17を車両に取付けたときに、車幅方向外側の面をいう。
図3に示すように、キャリパボデイ17の下端をブレーキディスク27の軸方向に移動可能に支持する第2支持部58は、板状のブラケット55に締結されピン64を有するピンボルト65と、このピンボルト65に回動自在に支持されキャリパボデイ17側に嵌合する支持ブッシュ67とからなる。ブラケット55とピンボルト65の間にワッシャ68が介在されている。第1支持部57の構造は、上述した第2支持部58の構造と同様なものであり説明を省略する。
キャリパボデイ17は、第1パッド(ピストン側パッド)75が配置される側のベース部71と、このベース部71の上端からブレーキディスクの側面に直角な方向へ延びるブリッジ部72と、このブリッジ部72から下方へ延びて第2パッド(受部側パッド76)が配置される側の爪部73とからなる。べース部71は、その下端に第2支持部58を有し、その高さ方向中間部に小径シリンダ48を有する。
小径シリンダ48に小径ピストン46が内挿され、この小径ピストン46に前輪ブレーキディスク27(ブレーキディスク27)の一方の側面27aを押すピストン側パッド75がセットされ、爪部73に受部74が形成され、この受部74にブレーキディスクの他方の側面27bを押す受部側パッド76がセットされている。ピストン側パッド75と受部側パッド76との間に挟まれるようにして、ピストン側パッド75と受部側パッド76の間に、ブレーキディスク(前輪ブレーキディスク27)が配置される。ベース部71にダストシール77が嵌合する第1溝部81が形成され、この第1溝部81よりも小径シリンダ48の奥の側にピストンシール78が嵌合する第2溝部82が形成されている。
図4に示すように、ピストン側パッド75(以下、単に「パッド75」と言う。)は、小径ピストン46が当接する裏板84と、この裏板84に固着されブレーキディスク(前輪ブレーキディスク27)に当接する摩擦材85とからなり、大径ピストン45及び小径ピストン46によって押圧可能に設けられている。図3にて、受部側パッド76は、爪部73の受部74に支持される裏板86と、この裏板86に固着されブレーキディスク27に当接する摩擦材87とからなる。
次に、ブレーキディスクと、パッドと、このパッドの裏板に当接するピストンの位置関係等について説明する。
図5に示すように、ブレーキキャリパ(前輪キャリパボデイ)17に、大径ピストン45及び小径ピストン46によって押圧されるパッド(ピストン側パッド)75が備えられる。このパッド75で車輪(前輪(図1、符号13))と共に回転するブレーキディスク27に制動力を付与する。
パッド75は、大径ピストン45及び小径ピストン46が当接する裏板84と、この裏板84に固着され前輪13と共に回転するブレーキディスク27に当接する摩擦材85とからなる。
小径シリンダ48は、大径シリンダ47に対してブレーキディスク28の回転方向上流側に配置されている。小径シリンダ48に小径ピストン46が挿入される。同じ力であればブレーキディスク28にかかる力が比較的小さい側の小径ピストン46をブレーキディスク28の回転方向上流側に配置すれば、パッド75の偏摩耗を抑制することができる。
図6に示すように、ピストン側パッド75をブレーキディスク側から見たときに、裏板84の図手前側に制動面100を有する摩擦材85が取付けられている。摩擦材85の面積は、裏板の面積よりも小さい面積であるが、大径ピストン45と小径ピストン46をほぼカバーする大きさの面積に設定される。
次に、図6の変形例について説明する。
図7に示すように、摩擦材85は、大径ピストン45と小径ピストン46の間に形成される溝90によって、大径側摩擦材91と小径側摩擦材92とに分割される。大径側摩擦材91は大径側制動面93を有し、小径側摩擦材92は小径側制動面94を有する。すなわち、制動面100は、大径側制動面93と小径側制動面94とに分割される。パッド75の長手方向中心CLから小径側制動面94の端面までの距離(L1)は、パッド75の長手方向中心CLから大径側制動面93の端面までの距離(L2)より長く設定されている(L2<L1)。加えて、小径側制動面94の面積Ssは、大径側制動面93の面積Sbよりも大きく設定されている(Sb<Ss)。
以上に述べたブレーキキャリパの作用を次に述べる。
図8はブレーキキャリパの構成及び作用説明図である。図8(a)は比較例Aの構成及び作用図であり、図8(b)は比較例Bの構成及び作用図であり、図8(c)は実施例Aの構成及び作用図であり、図8(d)は実施例Bの構成及び作用図である。図中、CLはパッドの長手方向中心線である。
図8(a)及び図8(b)の比較例において、パッド75の長手方向中心線CLから小径ピストン46の中心線102までの距離(A)は、パッド75の長手方向中心線CLから大径ピストン45の中心線103までの距離(B)よりも長く設定されている(B<A)ことを示す。
図8(a)の比較例Aにおいて、大径ピストン45と小径ピストン46とが同時にピストン側パッド75を押圧するとき、押圧力は、主にピストン部の中心近傍に位置するパッド75の長手方向中心線CLで矢印Paの向きに作用する。この場合、押圧力Paは、主にパッド75の長手方向中心線CLの位置で作用するため、パッド75の偏磨耗は抑えられる。
図8(a)の比較例Bにおいて、小径ピストン46のみがピストン側パッド75を押圧すrとき、押圧力Pbは、主に小径ピストン46の中心線102の位置で図矢印の向きに作用する。図8(a)と図8(b)を比較すると、パッド75の長手方向中心線CLと小径ピストン46の中心線102間の距離Aにより、パッドに作用する押圧力の中心は、パッド75の回入側に移動する。このため、パッド75の偏磨耗が大きくなり易い。
図8(c)の実施例Aにおいて、パッド75の長手方向中心線CLから小径ピストン46の中心線102までの距離(A)は、パッド75の長手方向中心線CLから大径ピストン45の中心線までの距離(B)よりも短く設定されている(A<B)。
このとき、押圧力の向きは、パッド75の長手方向に直角な向きであって、裏板84を介して摩擦材85に直接伝わり易くなるので、小径側の摩擦材85に押圧力がかかり易い。結果、パッド75の偏摩耗を一層抑制することができる。
小径ピストン46のみがパッド75を押圧する場合において、パッド75の長手方向中心(CL)は、小径ピストン46の中心側へ寄せて配置される。仮想押圧中心(Pc)が、小径ピストン46の中心からパッド75の長手方向中心CL側へ移動する。すなわち、大径ピストン45に比べて押圧力の小さい小径ピストン46が、パッド75の長手方向中心(CL)寄りを押圧することになるので、パッド75の偏摩耗を減らすことができる。
また、大径ピストン45と小径ピストン46とからなる2ポッドタイプのブレーキキャリパを利用する場合に、大径ピストン45と小径ピストン46に対し、パッド75の位置をパッド75の長手方向に移動するだけで、パッド75の偏摩耗を低減することができる。結果、3ポッドタイプによらず、安価な2ポッドタイプのブレーキキャリパでパッド75の偏摩耗を減らすことができる。
図8(d)の実施例Bにおいて、実施例Aに加えて、裏板84に取付けられブレーキディスク27に当接する摩擦材85は、大径ピストン45と小径ピストン46の間に形成される溝90によって、大径側制動面93と小径側制動面94とに分割されている。この分割部となる溝90に、大径ピストン45の外周45gと小径ピストン46の外周46gとが各々接している。
図7を併せて参照し、大径側制動面93と小径側制動面94とに分割されたパッドの摩擦材85において、小径側制動面94の面積(Ss)は、大径側制動面93の面積(Sb)よりも大きく設定される(Sb<Ss)。大径ピストン45に比べて押圧力が小さい小径ピストン46側に位置する小径側制動面94を広くすることで、小径ピストン46のみがパッドを押圧するときに、小径側制動面94を押す単位面積あたりの押圧力は減る。これにより、小径側制動面94の磨耗量を減らすことができ、結果として、小径側制動面94に生じ易い偏摩耗を一層減らすことができる。
さらに、溝90に、大径ピストン45の外周45gと小径ピストン46の外周46gとが各々接している。すなわち、押圧力の向きは、大径ピストン45の外周45gと小径ピストン46の外周46gとが各々接していない場合に比べ、裏板を介してパッド75の摩擦材87に伝わり易くなるので、小径側の摩擦材92に押圧力がかかり易い。結果、パッド75の偏摩耗を一層抑制することができる。
尚、本発明のブレーキキャリパは、実施の形態では自動二輪車に適用したが、鞍乗り型三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
本発明のブレーキキャリパは、自動二輪車に好適である。
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、13…前輪、14…後輪、23…単独ブレーキ操作子、24…連動ブレーキ操作子、27…ブレーキディスク(前輪ブレーキディスク)、31…第1マスタシリンダ(前輪マスタシリンダ)、32…第2マスタシリンダ(後輪マスタシリンダ)、45…大径ピストン、45g…大径ピストンの外周、46g…小径ピストンの外周、47…大径シリンダ、48…小径シリンダ、53…第1入口、54…第2入口、75…パッド(ピストン側パッド)、84…裏板、85…摩擦材、90…溝、93…大径側制動面、94…小径側制動面、101…大径ピストンの中心(線)、102…小径ピストンの中心(線)、CL…パッドの長手方向中心(線)。

Claims (4)

  1. 前輪(13)又は後輪(14)のうちの一方に制動力をかける単独ブレーキ操作子(23)によって押圧される第1マスタシリンダ(31)に接続した大径シリンダ(47)と、
    前記前輪(13)及び前記後輪(14)の双方に制動力をかける連動ブレーキ操作子(24)によって押圧される第2マスタシリンダ(32)に接続し前記大径シリンダ(47)よりも小径の小径シリンダ(48)と、
    前記大径シリンダ(47)に連通する第1入口(53)と、
    前記小径シリンダ(48)に連通する第2入口(54)と、
    前記大径シリンダ(47)に収容される大径ピストン(45)及び前記小径シリンダ(48)に収容される小径ピストン(46)によって押圧されるパッド(75)と、
    を備え、このパッド(75)で前記前輪(13)又は前記後輪(14)と共に回転するブレーキディスク(45)に制動力を付与するブレーキキャリパにおいて、
    前記パッド(75)の長手方向中心から前記小径ピストン(46)の中心までの距離(A)は、前記パッド(75)の長手方向中心から前記大径ピストン(45)の中心までの距離(B)よりも短く設定されていることを特徴とするブレーキキャリパ。
  2. 前記パッド(75)は、前記大径ピストン(45)及び前記小径ピストン(46)が当接する裏板(84)と、この裏板(84)に取付けられ前記ブレーキディスク(27)に当接する摩擦材(85)とからなり、
    この摩擦材(85)は、前記大径ピストン(45)と前記小径ピストン(46)の間に形成される溝(90)によって、大径側制動面(93)と小径側制動面(94)とに分割され、
    この小径側制動面(94)の面積(Ss)は、前記大径側制動面(93)の面積(Sb)よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1記載のブレーキキャリパ。
  3. 前記溝(90)に、前記大径ピストン(45)の外周(45g)と前記小径ピストン(46)の外周(46g)とが各々接していることを特徴とする請求項2記載のブレーキキャリパ。
  4. 前記小径シリンダ(48)は、前記大径シリンダ(47)に対して前記ブレーキディスクの回転方向上流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のブレーキキャリパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017190280A1 (zh) * 2016-05-04 2017-11-09 张瑞龙 油压式时差刹车装置及其总成
CN113374812A (zh) * 2021-06-15 2021-09-10 浙江亚太机电股份有限公司 浮动式双缸制动卡钳

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