[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜図5は本発明の第1の実施形態を示す。この第1の実施形態に係るのコネクタ1は、図1に示すように、燃焼圧センサ素子(図示せず)を一体として有し、エンジン20のシリンダヘッド21に装着される。以下、説明する。
図2及び図3に示すように、コネクタ1は、第1コネクタ部であるワイヤーハーネス側コネクタ部2と、このワイヤーハーネス側コネクタ部2に装着される第2コネクタ部であるセンサ側コネクタ部10とを備えている。
ワイヤーハーネス側コネクタ部2は、円筒状の本体部3と、この本体部3の一端側に回転自在に設けられた円筒状の第1ハウジング部4とを有する。この第1ハウジング部4の一端側の嵌合室内には、第1端子である雌端子5が配置されている。本体部3の他端側には、外部コネクタ部6が設けられている。外部コネクタ部6は、第1ハウジング部4の一端側のハウジング嵌合方向に対しほぼ垂直方向をハウジング嵌合方向とする。外部コネクタ部6の嵌合室内には、外部端子7が配置されている。外部コネクタ部6には、車体側ワイヤーハーネスのコネクタ(図示せず)が接続される。雌端子5と外部端子7間は、本体部3内に収容された電線Wで接続されている。電線Wは余長のある状態で収容されている。第1ハウジング部4と本体部3には、図4(a)に詳しく示すように、双方の過剰回転を規制する回転規制部8a,8bが設けられている。これにより、本体部3内の電線Wが過剰に捻れるのを防止している。第1ハウジング部4の他端側の外周には、誘導リブ部9が突設されている。この誘導リブ部9は、図4(b)に詳しく示すように、その下端面の全域が円弧面9aに形成されている。円弧面9aは、中央が最も低く、その左右側が徐々に上方に上がるものである。
センサ側コネクタ部10は、内部に燃焼圧センサ素子(図示せず)が配置されたセンサ本体部11と、このセンサ本体部11に固定されたアウターガイド筒部13と、センサ本体部11に固定され、アウターガイド筒部13内に配置された第2ハウジング部14とを有する。センサ本体部11の外周には、ネジ部11aが形成されている。センサ本体部11をシリンダヘッド21のネジ孔21aに螺入することによって、センサ側コネクタ部10がシリンダヘッド21に装着されている(図2参照)。このようにネジ締結であるため、センサ側コネクタ部10の第2ハウジング部14は、特定の向き(回転位置)ではなく任意の向き(回転位置)で装着される。
アウターガイド筒部13は、円筒形状であり、上面が開口している。
第2ハウジング部14は、下記に詳述するような円筒形状であり、上面が開口している。第2ハウジング部14は、上面開口している嵌合室内に第2端子である雄端子12が配置されている。雄端子12は、燃焼圧センサ素子からの出力を取り出すためのものである。
第2ハウジング部14は、上端面が斜め方向となるよう切断された円筒形状である。この斜め方向の上端面が回転方向誘導部である誘導レール面15として形成されている。つまり、誘導レール面15は、円筒状の第2ハウジング部14の上端面を、正規の回転嵌合位置の対向位置で最も高く、正規の回転嵌合位置で最も低くした傾斜面である。誘導レール面15は、誘導リブ部9が当接すると、雌端子5と雄端子12間が接触を開始する前の嵌合位置までに、第1ハウジング部4と第2ハウジング部14が正規の回転嵌合位置となるように誘導リブ部9をガイドする。
第2ハウジング部14には、誘導レール面15の最下方位置に開口するストレートなガイド溝16が形成されている。ガイド溝16は、誘導リブ部9の回転を規制し、第1ハウジング部4が第2ハウジング部14に正規の嵌合回転位置で嵌合する移動のみを許容する。誘導リブ部9がガイド溝16に入り込んでから雌端子5と雄端子12間の接触を開始し、誘導リブ部9がガイド溝16の奥まで入り込む嵌合完了位置では、雌端子5と雄端子12が適正な接触状態となる。
上記構成において、シリンダヘッド21にワイヤーハーネス側コネクタ部2を装着し、その後、シリンダヘッド21上にヘッドカバー22が装着される。ヘッドカバー22には、センサ側コネクタ部10の装着位置に孔22aが形成され、この孔22aよりワイヤーハーネス側コネクタ部2を組み付ける。
次に、ワイヤーハーネス側コネクタ部2の組み付け作業を説明する。外部コネクタ部6の向き(回転位置)を所望の向きとしてワイヤーハーネス側コネクタ部2をヘッドカバー22の孔22aを経てアウターガイド筒部13内に挿入する。すると、図5(a)に示すように、第1ハウジング部4を第2ハウジング部14に正規の嵌合回転位置で挿入した場合を除き、第1ハウジング部4の誘導リブ部9が第2ハウジング部14の誘導レール面15の任意の箇所に当接する。そして、図5(b)に示すように、誘導リブ部9が図3のA領域に当接すれば、第1ハウジング部4が図3のa矢印方向に回転しつつ第1ハウジング部4が嵌合を深める方向に移動する。誘導リブ部9が図3のB領域に当接すれば、第1ハウジング部4が図3のb矢印方向に回転しつつ第1ハウジング部4が嵌合を深める方向に移動する(図5(b)はこの状態を示す)。このようにして、図5(c)に示すように、第1ハウジング部4は、誘導リブ部9が誘導レール面15の最下方位置に位置する回転位置となる。これにより、第1ハウジング部4と第2ハウジング部14は、正規の嵌合回転位置となる。その後、更に第1ハウジング部4の嵌合を進めると、誘導リブ部9がストレートなガイド溝16に入り、図5(d)に示すように、嵌合完了位置まで挿入される。誘導リブ部9がストレートなガイド溝16を進む過程で、雌端子5と雄端子12が接続を開始し、嵌合完了位置では適正な接続位置となる。これで完了する。
また、第1ハウジング部4を第2ハウジング部14に正規の嵌合回転位置の状態で嵌合を開始した場合には、誘導リブ部9が誘導レール面15を摺動することなくストレートなガイド溝16に直接入り、図5(d)に示すように、嵌合完了位置まで挿入される。
以上説明したように、コネクタ1は、第1ハウジング部4を本体部3に回転自在に設け、且つ、誘導リブ部9を設け、第2ハウジング部14には、第1端子及び第2端子が接触開始する前の位置までに、誘導リブ部9がいずれの回転位置に位置する場合でも誘導リブ部9を正規の回転位置までガイドする回転方向誘導部である誘導レール面15を設けた。従って、第1ハウジング部4と第2ハウジング部14が正規の嵌合回転位置でない状態で嵌合を開始しても、雌端子5と雄端子12間が接続を開始する位置までに、誘導リブ部9と誘導レール面15によって第1ハウジング部4と第2ハウジング部14が正規の嵌合回転位置とされる。従って、センサ側コネクタ部10の第2ハウジング部14の回転位置が分からなくても簡単に第1ハウジング部4と第2ハウジング部14間の嵌合作業ができる。
回転方向誘導部は、第2ハウジング部14の上端面を、正規の回転嵌合位置の対向位置で最も高く、正規の回転嵌合位置で最も低い傾斜面とした誘導レール面15である。従って、第1ハウジング部4は、最大回転角が180度であり、ワイヤーハーネス側コネクタ部2内の電線Wの最大捻り量が最大でも第1ハウジング部4の半円周長さで足りる。従って、第1ハウジング部4を360度回転する構造に較べて、電線Wの余長長さを短くできる。
本体部3は、ハウジング部の反対側に外部コネクタ部6を有する。従って、センサ側コネクタ部10の向き(回転位置)に関わらず、外部コネクタ部6の向きを所望の向きとしてワイヤーハーネス側コネクタ部2をセンサ側コネクタ部10に装着できる。これにより、外部コネクタ部6とワイヤーハーネスのコネクタ部(図示せず)との接続を所望の向きで行うことができる。又、外部コネクタ部6の外部端子7と雌端子5との間を余長のある電線Wで接続した。これにより、外部端子7と雌端子5の接続を維持しつつ第1ハウジング部4の本体部3への回転を可能にできる。
雌端子5と外部コネクタ部6の外部端子7間を電線Wで接続し、第1ハウジング部4の過剰回転を規制する回転規制部8a,8bを設けた。従って、過剰回転によって電線Wがダメージを受ける(例えば、断線する)のを防止できる。
(その他)
前述した第1の実施形態では、ワイヤーハーネス側コネクタ部2を本体部3に回転自在に設けたが、センサ側コネクタ部10をセンサ本体部11に回転自在に設けても良い。又、ワイヤーハーネス側コネクタ部2を本体部3に回転自在に設けると共に、センサ側コネクタ部10をセンサ本体部11に回転自在に設けても良い。つまり、ワイヤーハーネス側コネクタ部2とセンサ側コネクタ部10を共に回転自在に設けても良い。
前述した第1の実施形態では、ワイヤーハーネス側コネクタ部2の第1ハウジング部4に誘導リブ部9を設け、センサ側コネクタ部10の第2ハウジング部14に誘導レール面15を設けたが、逆に、ワイヤーハーネス側コネクタ部2の第1ハウジング部4に誘導レール面15を設け、センサ側コネクタ部10の第2ハウジング部14に誘導レール面15を設けても良い。
前述した第1の実施形態では、コネクタ1は、燃焼圧センサ素子(図示せず)を一体として有し、エンジン20のシリンダヘッド21に装着されるものであるが、本発明はこれに限定されない。本発明のコネクタは、例えばセンサ素子の有無を問わず適用できるし、センサ素子以外の部品を一体として有するものでも適用できることはもちろんである。本発明のコネクタは、上記したように、相手側のハウジング部が目視で明確に分からなく場合に有効であるが、相手側のハウジング部が目視できる場合でも利用可能である。つまり、相手側ハウジングの向き(回転位置)を配慮することなく嵌合作業を容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るコネクタ101は、主として、第1のコネクタ部を第2のコネクタ部に設置したときに、各コネクタ部の設置状態を、被係止部と係止部と被係止部保持部とを用いて保持するようにしているところが、第1の実施形態に係るコネクタ1と異なり、その他のところは、第1の実施形態に係るコネクタ1と概ね同様に構成されており同様に変形可能でありほぼ同様の効果を奏する。
コネクタ101は、図6〜図10、図14等で示すように、第1のコネクタ部2と第2のコネクタ部10と本体部3とを備えて構成されている。
第1のコネクタ部2は、被係止部115を備えて構成されており、第2のコネクタ部10は、係止部111を備えて構成されており、本体部3は被係止部保持部119を備えて構成されている。
そして、第1のコネクタ部2が第2のコネクタ部10に設置されたときに、被係止部115が係止部111に係止されるとともに、被係止部保持部119が、被係止部115が係止部111に係止されている状態を保持するように構成されている。
また、コネクタ101には、第1のコネクタ部2が第2のコネクタ部10に設置されたときに、第1のコネクタ部2、第2のコネクタ部10同士の嵌合を維持する力を付与する付勢手段104が設けられている。
第1のコネクタ部2は、第1のコネクタ構成体105を備えて構成されており、第2のコネクタ部10は、第2のコネクタ構成体103を備えて構成されており、本体部3は、第3のコネクタ構成体107を備えて構成されている。
第1のコネクタ構成体105のハウジング4部は、内側に第1の端子113が設けられている第1の円筒状部123を備えて構成されており、第2のコネクタ構成体103のハウジング部14は、内側に第2の端子109が設けられている第1の円筒状部121を備えて構成されている。
第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内径が第1のコネクタ構成体105の第1の円筒状部123の外径よりもごく僅かに大きくなっており、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105が設置された状態では、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内側に第1のコネクタ構成体105の第1の円筒状部123が入り込んで嵌合状態になるように構成されている。
第1のコネクタ構成体105のハウジング部4は、外径が第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内径よりも小さい第2の円筒状部125を備えて構成されている。第3のコネクタ構成体107は、外径が第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内径よりもごくわずかに小さく、内径が第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の外径よりもごくわずかに大きい円筒状部127を備えて構成されている。
係止部111は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121に設けられた貫通孔129で構成されている。なお、係止部111を貫通孔129で構成することに代えてもしくは加えて、凹部で構成してもよい。すなわち、係止部111が、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121に設けられた貫通孔、凹部の少なくともいずれかで構成されていてもよい。
被係止部115は、弾性アーム131と被係止爪133とを備えて構成されている。弾性アーム131は、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125に切り欠き135(図11等参照)を設けたことによって片持ち梁状に形成されている。被係止爪133は、弾性アーム131の先端から第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の外側に突出し折り返えした態様で形成されており、この折り返しによって形成された部位137が、弾性アーム131とは所定の間隔をあけて離れている。第3のコネクタ構成体107の円筒状部127の一部(先端部)139が被係止部保持部119を構成している。
そして、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置する途中の状態では、図11、図12で示すように、弾性アーム131が第2のコネクタ構成体103の各筒状部(第2の円筒状部141と第1の円筒状部121)に押されて内側に弾性変形するように構成されている。なお、第2の円筒状部141についての詳細は後述する。
また、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置し終えた状態では、図14で示すように、弾性アーム131が復元して、弾性アーム131の被係止爪133の折り返しによって形成された部位137が係止部111を構成している貫通孔129に入り込み、被係止部115が係止部111に係止されるように構成されている。
また、第2のコネクタ構成体103に設置された第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107を設置し終えた状態では、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内側に第3のコネクタ構成体107の円筒状部127が入り込み、第3のコネクタ構成体107の円筒状部127の内側に第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125が入り込み、被係止部保持部119が弾性アーム131と被係止爪133の折り返しによって形成された部位137との間の空間138に入り込むことで、被係止部115が係止部111に係止されている状態が保持されるように構成されている。
付勢手段104は、第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107との間に設けられた弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)124で構成されており、第2のコネクタ構成体103に設置された第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107を設置し終えた状態で、第1のコネクタ構成体105を第2のコネクタ構成体103側に付勢している。
第2のコネクタ構成体103は、たとえば、待ち受け雄コネクタであり、上述したように、第2の端子109と係止部111とを備えて構成されている。第2のコネクタ構成体103が、シリンダヘッド102にはじめに一体的に設置されるようになっている。
また、第2のコネクタ構成体103には、ディーゼルエンジンのグロープラグ等の点火装置(図示せず)が設けられている。第2の端子109は、雄端子で形成されており、雄端子109は、図では示していないが複数設けられており、これらの雄端子109はグロープラグに電気的に接続されている。
なお、第2のコネクタ構成体103に点火装置を設けることに代えてもしくは加えて、燃焼圧センサ素子等のセンサ素子が設けられていてもよい。センサ素子を設けた場合であっても、センサ素子は雄端子109に電気的に接続されている。
第1のコネクタ構成体105は、上述したように、第1の端子113と被係止部115とを備えて構成されている。第1のコネクタ構成体105の第1の端子113は、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103に設置されたときに、第2の端子109に接合(接続)されるようになっている。
第1のコネクタ構成体105は、雌コネクタ(たとえば、グロープラグ側雌コネクタ)である。第1の端子113は、雌端子で形成されており、雌端子は、図では示していないが複数設けられている。
第1のコネクタ構成体105が、第2のコネクタ構成体103に設置されることで、第2のコネクタ構成体103の複数の第2の端子109のそれぞれと、第1のコネクタ構成体105の複数の第1の端子113のそれぞれとがお互いに接合されるようになっている。
第3のコネクタ構成体107は、第3の端子117と被係止部保持部119とを備えて構成されている。被係止部保持部119は、上述したように、第2のコネクタ構成体103に設置された第1のコネクタ構成体(設置済み第1のコネクタ構成体)105に第3のコネクタ構成体107が設置されたときに、弾性アーム131のところの空間138内に入り込んで弾性アーム131の変形を阻止し、被係止部115が係止部111に係止されている状態を保持するように構成されている(図14等参照)。
第3のコネクタ構成体107は、たとえば、ワイヤハーネス側雄コネクタである。第3の端子117は、雄端子で構成されており、複数設けられている。
第1の端子113のそれぞれと第3の端子117とは、お互いが、可撓性を備え図6〜図14では図示していない配線(第1のコネクタ構成体105や第3のコネクタ構成体107の内側を通って延びている電線W;図2参照)で電気的に接続されている。したがって、第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107とは、お互いが、可撓性を備えた配線でつながっている。また、第3のコネクタ構成体107は、第1のコネクタ構成体105に対してある程度の自由度(可撓性を備えた配線が許す範囲)でその位置や姿勢を変えることができるようになっている。
第3の端子117には、図示しないワイヤハーネスが接続されるようになっている。そして、設置済み第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107が設置され、第3の端子117にワイヤハーネスが接続されると、第2の端子109が第1の端子113と可撓性を備えた配線と第3の端子117とを介して、ワイヤハーネスに電気的に接続されるようになっている。
被係止部115が係止部111に係止されている状態は、設置済み第1のコネクタ構成体105に設置されている第3のコネクタ構成体(設置済み第3コネクタ構成体)107を設置済み第1のコネクタ構成体105から離さない限り、維持(保持)されるようになっている。すなわち、被係止部保持部119が被係止部115に係合することで、被係止部115が係止部111に係止されている状態が保持されるようになっている。そして、被係止部保持部119による保持を解除して(図14で第3コネクタ構成体107を上方に移動して)設置済み第1のコネクタ構成体105を図14の状態から上方に移動して第2のコネクタ構成体103から取り外すには、まず、被係止部保持部119を被係止部115から離す必要がある。
また、コネクタ101では、図13で示すように、第1のコネクタ構成体105を第2のコネクタ構成体103に設置しただけの状態でも(設置済み第1のコネクタ構成体105でも)、被係止部115が係止部111に係止されている。図14で示すように、設置済み第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107を設置することで、被係止部保持部119が被係止部115に係合し、被係止部115は係止部111に係合している状態から変形せず、被係止部115が係止部111に係合して係止されている状態が維持(保持)されるようになっている。
弾性アーム131は、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125に少なくも一対の切り欠き135を設けたことによって片持ち梁状に形成されている。一対の切り欠き135は、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の中心軸C1の延伸方向に長く延び、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の周方向で僅かな間隔をあけ、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の肉部を貫通して形成されている。一対の切り欠き135を設けたことで1本の弾性アーム131が形成されている。
弾性アーム131は、外力が加わっていない状態(常態;非係合状態)では、図10等で示すように、中心軸C1の延伸方向にまっすぐ延びている。
被係止爪133は、上述しまた図10等で示すように、弾性アーム131の先端から第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の外側に突出し折り返えした態様で形成されており、上記折り返しによって形成された部位137が、弾性アーム131とは所定の間隔(第3コネクタ構成体7の円筒状部127の肉部の厚さの値と等しいかもしくは肉部の厚さの値よりも値がごく僅かに大きい間隙)138をあけて離れている。
外力が加わっていない状態で弾性アーム131がまっすぐ延びていることで、被係止爪133の最も外側の端と第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の中心軸C1との間の距離の値は、第2のコネクタ構成体103の第2の円筒状部141の内径の1/2の値よりも僅かに大きくなっている。
たとえば、図10で示すように、2つの被係止部115(弾性アーム131や被係止爪133)が、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の中心軸C1に対して対称に設けられているとすると、外力が加わっていない状態で、一対の被係止爪133の最も外側の端の間の距離L1は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内径L2よりも僅かに大きくなっている。
そして、第2のコネクタ構成体103に設置された第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107が設置された状態(設置し終えた状態)では、図14等で示すように、総ての円筒状部121,123,125,127,141の中心軸C1がお互いに一致しており、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内側に第3のコネクタ構成体107の円筒状部127(下端部139)が入り込み、第3のコネクタ構成体107の円筒状部127の内側に第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125が入り込み、被係止部保持部119が弾性アーム131と被係止爪133の折り返しによって形成された部位137との間に形成されている空間(間隙)138に入り込んでいる。
これにより、被係止部115が係止部111に係止されている状態が保持されるように構成されている。
ここで、コネクタ101についてさらに詳しく説明する。説明の便宜のために、各円筒状部121,123,125,127,141の中心軸C1の延伸方向を上下方向(高さ方向)とし、上下方向に対して直交する所定の一方向を第1の径方向とし、上下方向と第1の径方向とに対して直交する所定の他の一方向を第2の径方向とする。
コネクタ101の第2のコネクタ構成体103は、第1の実施形態に係るコネクタ1と同様にして、図示しない雄ネジ部によってシリンダヘッド102に一体的に設置されるようになっている。したがって、第2のコネクタ構成体103がシリンダヘッド102に設置された状態で、第2のコネクタ構成体103やシリンダヘッド102の個体差等により、中心軸C1まわりの第2のコネクタ構成体103の回転角度は一定にならず変化する。たとえば、2つのコネクタ101の第2のコネクタ構成体103のそれぞれを、2つのシリンダヘッド102のそれぞれに設置すると、1つ目の第2のコネクタ構成体103の中心軸C1まわり回転角度と、2つ目の第2のコネクタ構成体103の中心軸C1まわり回転角度とは、お互いが一致することもあるが多くの場合は、異なっている。
一方、第3のコネクタ構成体107は、ワイヤハーネスが接続される第3の端子(中心軸C1に対して直交する方向に突出している端子)117の回転位置を一定にするために、中心軸C1まわりの回転角度を一定にする必要がある。
また、第2のコネクタ構成体103の第2の端子109や第1のコネクタ構成体105の第1の端子113は複数設けられているので、シリンダヘッド102に設置されている第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置する際には、第1のコネクタ構成体105を中心軸C1まわりで適宜回転(回動)させて、第2のコネクタ構成体103の複数の第2の端子109のそれぞれと、第1のコネクタ構成体105の複数の第1の端子113のそれぞれとをお互いに接合させる必要がある。
この必要性のために、第1のコネクタ構成体105は、第3のコネクタ構成体107に対して中心軸C1まわりで所定の角度内(たとえば±180°)で回転するようになっている。また、上記必要性のために、第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107とをシリンダヘッド102に設置されている第2のコネクタ構成体103に設置するときに、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を係合させて、第1のコネクタ構成体105を回転位置決めする回転位置決め部151が設けられている。
第1の実施形態に係るコネクタ1と同様な回転位置決め部151が設けられていることにより、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103でガイドされ、第2のコネクタ構成体103に対する第1のコネクタ構成体105が正規の嵌合位置に位置するように構成されている。
第2のコネクタ構成体103は、図10等で示すように、上述した第1の円筒状部121と、上述した第2の円筒状部141と、底壁部143とを備えて構成されている。第2の円筒状部141の外径は、第1の円筒状部121の外径と等しくなっており、第2の円筒状部141の内径は、第1の円筒状部121の内径よりも僅かに大きくなっている。第2の円筒状部141の中心軸C1と第1の円筒状部121の中心軸C1とはお互いが一致しており、第1の円筒状部121の上側に第2の円筒状部141が接続されている。
また、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の上端には、第1の実施形態に係る誘導レール面と同様な誘導レール面(回転方向誘導部)145が形成されている(図10参照)。誘導レール面145は、第1の円筒状部121を構成する円筒素材の上側を、中心軸C1に対して斜めに交差する平面で切断したときに切断面の形状になっている。
誘導レール面145は、第2の径方向の一端(図10等の紙面の手前)でもっとも低く、第2の径方向の他端(図10等の紙面の奥)でもっとも高くなっている。
底壁部143は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の下端を塞いでいる。第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内側は、端子嵌合室を形成しており、第2の端子109は、底壁部143から上側に突出している。
底壁部143の下側には、第2のコネクタ構成体103をシリンダヘッド102に設置するために雄ネジ部(図示せず)が形成されており、この雄ネジ部の内部に、グロープラグ等の点火装置が設けられている。
係止部111を構成する貫通孔129は、たとえば、一対で設けられており、2つ設けられている貫通孔129は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の上側で、中心軸C1に対して対称に配置されている。一対の貫通孔129は、第1の径方向の一端側と他端側とに配置されている。
また、貫通孔129は、たとえば、矩形状に形成されており、貫通孔129には、被係止部115をガイドするC面147が形成されている。C面147は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内側であって、貫通孔129の上側のところに形成されている。
また、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121には、第1の実施形態で示すようなガイド溝と同様なガイド溝(図6〜図14では図示せず;図2参照)149が設けられている。ガイド溝149は、第2の径方向の一端(図10等の紙面の手前)で、誘導レール面145が最も低くなっているところに設けられている。
また、ガイド溝149は、第1の径方向で所定の幅を備え、誘導レール面145から底壁部143まで延びている。また、第2の径方向では、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内面から外側に向かって所定の深さをもって形成されている。
第1のコネクタ構成体105は、図10等で示すように、上述した第1の円筒状部123と、上述した第2の円筒状部125とを備えて構成されている。第1の円筒状部123の外径は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内径よりもごく僅かに小さくなっている。第2の円筒状部125の外径は、第1の円筒状部123の外径よりも小さくなっている。第1の円筒状部123の中心軸C1と第2円筒状部125中心軸C1とはお互いが一致しており、第1の円筒状部123上側に第2の円筒状部125接続されている。
第1のコネクタ構成体105の第1の円筒状部123の高さ寸法は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の高さ寸法よりも僅かに小さくなっており、第1のコネクタ構成体105の高さ寸法は、第2のコネクタ構成体103の円筒状部121の高さ寸法よりも大きくなっている。
第1の端子113は、第1のコネクタ構成体105の第1の円筒状部123の内部で第1の円筒状部123の下端に設けられている。
被係止部115を構成する弾性アーム131と被係止爪133とは、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125に形成されたお互いが近接している2つの切り欠き135の間に形成されている。また、片持ち梁状の弾性アーム131を構成する切り欠き135は、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の下端から上側に向かって所定の長さ延びている。これにより、片持ち梁状の弾性アーム131は、先端が下方に位置し基端が上方に位置している。被係止爪133は弾性アーム131の先端に形成されている。
弾性アーム131と被係止爪133とは、一対で設けられており、第1の径方向の両端に配置されている。弾性アーム131と被係止爪133と2つの切り欠き135の下側(第1のコネクタ構成体105の第1の円筒状部123の部位)には、2つの切り欠き135間の外寸の値と同じ値の幅寸法の切り欠き153(図10等参照;弾性アーム131を片持ち梁状にするための切り欠き)が設けられている。
被係止爪133は、上述したように、折り返し部137を備えて構成されており、第3のコネクタ構成体107を設置済み第1のコネクタ構成体105に設置し終えたとき、折り返し部137が、第2のコネクタ構成体103の貫通孔129内に入り込み、被係止部115が係止部111に係止されるようになっている。
また、第1のコネクタ構成体105には、第1の実施形態に係るコネクタ1と同様に、誘導リブ159(図6等参照)が設けられている。誘導リブ159は、第1のコネクタ構成体105の第1の円筒状部123の外周の下端側で、第2の径方向の一端側(図10等の紙面の手前側)に突設されている。誘導リブ(誘導リブ部)159は、この下端面の全域が半円状の円弧面に形成されている。円弧面は、中央が最も低く、その左右側が徐々に上方に上がるものである。
シリンダヘッド102に設置された第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置しようとして第1のコネクタ構成体105を下降させて第2のコネクタ構成体103に近づけると、まず、誘導リブ159の下端が誘導レール面145に当接するようになっている。第1のコネクタ構成体105をさらに下降させると、回転位置決め部151を構成している誘導リブ159が誘導レール面145に対して摺動して第1のコネクタ構成体105が中心軸C1を中心にして回転し、誘導リブ159がガイド溝149の上端に入り込み、第2のコネクタ構成体103に対する第1のコネクタ構成体105の回転位置決めがなされるようになっている。
第1のコネクタ構成体105をさらに下降させると、第2のコネクタ構成体103の複数の第2の端子109のそれぞれと、第1のコネクタ構成体105の複数の第1の端子113のそれぞれとがお互いに接合されるようになっている。
なお、すでに理解されるように、誘導レール面145は、誘導リブ159が当接すると、第2の端子109と第1の端子113同士が接触を開始する前の嵌合位置までに、第2のコネクタ構成体103に対して第1のコネクタ構成体105が正規の回転嵌合位置となるように誘導リブ159をガイドするのである。また、ガイド溝149は、誘導リブ159(第1のコネクタ構成体105)の回転を規制し、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103に正規の嵌合回転位置で嵌合する移動のみを許容する。誘導リブ159がガイド溝149に入り込んでから第2のコネクタ構成体103の複数の第2の端子109のそれぞれと、第1のコネクタ構成体105の複数の第1の端子113のそれぞれとがお互いの接触を開始し、誘導リブ159がガイド溝149の奥(下側)まで入り込む嵌合完了位置では、第2の端子109と第1の端子113とが適正な接触状態となる。
第3のコネクタ構成体107は、図10等で示すように、上述した円筒状部127と、底壁部161と本体部163と取り付けアーム部165と端子設置部167とを備えて構成されている。
上述したように、円筒状部127の外径は、第2のコネクタ構成体103の第1の円筒状部121の内径よりもごくわずかに小さくなっており、円筒状部127の内径は、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の外径よりもごくわずかに大きくなっている。
円筒状部127の高さ寸法は、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の高さ寸法よりも大きくなっている。
底壁部161は、第3のコネクタ構成体107の円筒状部127の上端を塞いでいる。底壁部161の上側には、本体部163が配置されている。取り付けアーム部165は、本体部163から第1の径方向の一端側に突出して設けられている。端子設置部167は本体部163の上側に配置されている。端子設置部167の内部には第3の端子117が設けられている。端子設置部167は、第2の径方向の一端側に開口しており、端子設置部167(第3の端子117)に設置されたワイヤハーネスは、第2の径方向の一端側に延出するようになっている。
シリンダヘッド102には、上方に開口している凹部173が設けられており、シリンダヘッド102に設置されたコネクタ101は、取り付けアーム部165を含む取り付けアーム部165から上の部位が凹部173から上方に突出しており、取り付けアーム部165よりも下側の部位は、凹部173内に存在している。
シリンダヘッド102の凹部173の底面には、第2のコネクタ構成体103の雄ネジ(図示せず)が螺合する雌ネジ(図示せず)が設けられている。
また、シリンダヘッド102に設置されたコネクタ101は、取り付けアーム部165が、シリンダヘッド102の凹部173の周辺の部位に接触しており、取りつけネジ(ボルト)175等の締結部材によって、取り付けアーム部165(第3のコネクタ構成体107)がシリンダヘッド102に固定されている(図8等参照)。これにより、シリンダヘッド102と第3のコネクタ構成体107とは一体化するようになっている。
シリンダヘッド102に設置された第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105が設置される前の状態では、第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107とは、図示しない電線等を介してお互いがつながっている。
さらに説明すると、図10で示すように、第1のコネクタ構成体105は、第2の円筒状部125が上側に位置し、第1の円筒状部123が下側にしている。そして、第3のコネクタ構成体107の円筒状部127が下側に開口しており、第3のコネクタ構成体107の円筒状部127内に、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125が入り込んでいる。また、第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125の上端と第3のコネクタ構成体107の底壁部161との間であって、第3のコネクタ構成体107の底壁部161の内部には、圧縮コイルバネ142が設けられている。この圧縮コイルバネ142により、第3のコネクタ構成体107に対して、第1のコネクタ構成体105が下方に付勢されている。第3のコネクタ構成体107の円筒状部127の下端は、第1のコネクタ構成体105の被係止部115を構成する被係止爪133の上方で被係止爪133から僅かに離れている。
図10等では図示していない電線は、第3のコネクタ構成体107の円筒状部127の内部と第1のコネクタ構成体105の第2の円筒状部125との内部を通って、第1の端子113と第3の端子117とをお互いに接続している。
なお、第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107とにも、第1の実施形態の係るコネクタ1と同様な回転規制部(図示せず)が設けられている。これにより、中心軸C1まわりで、第3のコネクタ構成体107に対する第1のコネクタ構成体105の回転量がたとえば±180°以内に制限され、図示しない電線が過剰に捻れることが防止されるようになっている。
なお、上記説明では、外力が加わっていない状態で弾性アーム131が曲がっておらず、第1のコネクタ構成体105を第2のコネクタ構成体103に設置する途中の状態で、弾性アーム131が内側に弾性変形し、第1のコネクタ構成体105を第2のコネクタ構成体103に設置し終えたときに、弾性アーム131が復元し、被係止部115が係止部111に係止されるようになっているが、必ずしもこのように構成されている必要はない。
たとえば、外力が加わっていない状態では弾性アーム131が内側に曲がっており、第2のコネクタ構成体103に設置された第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107が設置されたときに、被係止部保持部119によって弾性アーム131が外側に弾性変形し、被係止部115が係止部111に係止されるように構成されていてもよい。
次に、シリンダヘッド102に設置されている第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107とを設置する組み付け作業を説明する。
初期状態として、図10等で示すように、第1のコネクタ構成体105(第3のコネクタ構成体107)が、第2のコネクタ構成体103から離れて、第2のコネクタ構成体103の上方に位置しているものとする。また、初期状態では、各コネクタ構成体103,105,107の中心軸C1はお互いに一致しているものとする。
上記初期状態において、第1のコネクタ構成体105(第3のコネクタ構成体107)を下降させる。第1のコネクタ構成体105を第2のコネクタ構成体103に正規の嵌合回転位置で挿入した場合を除き、第1のコネクタ構成体105の誘導リブ159が第2のコネクタ構成体103の誘導レール面145の任意の箇所に当接する。そして、誘導リブ159が誘導レール面145に摺動することで、第1のコネクタ構成体105が中心軸C1を中心にして第2のコネクタ構成体103に対して適宜回転する。このようにして、第1のコネクタ構成体105は、誘導リブ159が誘導レール面145の最下方位置に位置する回転位置となる。これにより、第1のコネクタ構成体105と第2のコネクタ構成体103は、正規の嵌合回転位置となる。
また、図11、図12等で示すように、弾性アーム131が、第2のコネクタ構成体103から受ける反力で内側に弾性変形する。
続いて、第1のコネクタ構成体105(第3のコネクタ構成体107)をさらに下降させて嵌合を進めると、誘導リブ159がストレートなガイド溝149に入り始める。この後、この第2の端子109と第1の端子113との接合と、被係止部保持部119と被係止部115との係合と、係止部111と被係止部115との係合が始まる。
第1のコネクタ構成体105の下降は、図13に示すように、第1のコネクタ構成体105の下端が第2のコネクタ構成体103の底壁部143に当接するまでなされる。この当接に応じて、被係止部115を構成する被係止爪133が係止部111を構成する第2のコネクタ構成体103の貫通孔129に入り込み、被係止部115が係止部111で係止され、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103に一体的に設置されるとともに、弾性アーム131が復元する。また、誘導リブ159はストレートなガイド溝149に入り込んでおり、第1のコネクタ構成体105は中心軸C1まわりで回転せず、下降だけするようになっている。第1のコネクタ構成体105の下端が第2のコネクタ構成体103の底壁部143に当接することで、第2のコネクタ構成体103への第1のコネクタ構成体105の設置が終了する。
なお、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103に正規の嵌合回転位置の状態で嵌合を開始した場合には、誘導リブ159が誘導レール面145を摺動することなくストレートなガイド溝149に直接入るようになっている。
続いて、第3の端子117の向きを調整するために、第3のコネクタ構成体107を第1のコネクタ構成体105に対して適宜回転位置決めし、第3のコネクタ構成体107を、ボルト175を用いてシリンダヘッド102に固定する。
これにより、設置済み第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107が設置され、シリンダヘッド102と第2のコネクタ構成体103と第1のコネクタ構成体105と第3のコネクタ構成体107とが一体化する。
コネクタ101によれば、設置済み第1のコネクタ構成体105に第3のコネクタ構成体107が設置されたときに、第3のコネクタ構成体107の被係止部保持部119が、被係止部115が係止部111に係止されている状態を保持するように構成されているので、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103に規制され固定されており、第1のコネクタ構成体105や第3のコネクタ構成体107が第2のコネクタ構成体103に設置されている状態で振動が加わっても、各コネクタ構成体103,105,107同士の接合状態が容易には解除されず、各端子(第2の端子109、第1の端子113)同士の嵌合保証をすることができる。そして、各端子(第2の端子109、第1の端子113)間の接点同士での摺動の発生を抑制することができ、耐振動性、電気的接触性が向上する。
また、コネクタ101によれば、第1の実施形態に係るコネクタ1と同様にして、特許文献(米国特許出願公開2010/003841A1号明細書)に記載されているコネクタ90(図24参照)に比べて構成を簡素化することができる。
すなわち、上記米国特許文献に記載されているコネクタ90は、振動対策のために接触部品91,92,93がマルチコンタクト構造になっており、構成が煩雑で嵌合保証がし難く高価になっている。これに対して、コネクタ101では、マルチコンタクト構造を採用しておらず、構成が簡素になっており、コストの削減をすることができる。
また、コネクタ101によれば、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置する途中の状態で、弾性アーム131が第2のコネクタ構成体103に押されて内側に弾性変形するように構成されており、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置し終えた状態で、弾性アーム131が復元するように構成されているので、第2のコネクタ構成体103に第1のコネクタ構成体105を設置し終えた状態を作業者が容易に認識することができる。
また、コネクタ101によれば、圧縮コイルバネ142の付勢により、第1のコネクタ構成体105が第2のコネクタ構成体103側に付勢されて接続されるので、耐振動性や電気的接触性が向上する。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係るコネクタ101aは、主として、係止部111a、被係止部115a、被係止部保持部119aの構成が、本発明の第2の実施形態に係るコネクタ101と異なっており、その他は第1の実施形態に係るコネクタ101と概ね同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
第2の実施形態に係るコネクタ101aも、図16、図18等で示すように、第1のコネクタ部2と第2のコネクタ部10と本体部3とを備えて構成されている。
第1のコネクタ部2は、被係止部115aを備えて構成されており、第2のコネクタ部10は、係止部111aを備えて構成されており、本体部3は被係止部保持部119aを備えて構成されている。
そして、図23等で示すように、第1のコネクタ部2が第2のコネクタ部10に設置されたときに、被係止部115aが係止部111aに係止されるとともに、被係止部保持部119aが、被係止部115aが係止部111aに係止されている状態を保持するように構成されている。
また、コネクタ101aには、第1のコネクタ部2が第2のコネクタ部10に設置されたときに、第1のコネクタ部2、第2のコネクタ部10同士の嵌合を維持する力を付与する付勢手段104が設けられている。
第1のコネクタ部2は、第1のコネクタ構成体105aと第4のコネクタ構成体181とを備えて構成されており、第2のコネクタ部10は、第2のコネクタ構成体103aを備えて構成されており、本体部3は、第3のコネクタ構成体107aを備えて構成されている。
第1のコネクタ構成体105aのハウジング4部は、内側に第1の端子113が設けられている第1の円筒状部123aを備えて構成されており、第2のコネクタ構成体103aのハウジング部14は、内側に第2の端子109が設けられている円筒状部121aを備えて構成されている。
そして、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの内径が第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの外径よりもごく僅かに大きくなっており、第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aが設置された状態では、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの内側に第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aが入り込んで嵌合状態になるように構成されている。
第1のコネクタ構成体105aのハウジング部4は、外径が第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの外径よりも小さい第2の円筒状部125aを備えて構成されている。
第3のコネクタ構成体107aは、外径が第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの外径とほぼ等しく、内径が第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの外径よりも大きい第1の円筒状部183と、内径が第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの外径よりもごく僅かに大きい第2の円筒状部185とを備えて構成されている。
第4のコネクタ構成体181のハウジング部4は、外径が第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183に内径よりもごく僅かに小さい第1の円筒状部187と、外径が第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aよりも小さい第2の円筒状部189とを備えて構成されている。
係止部111aは、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aに設けられた貫通孔129(凹部でもよい)で構成されている。被係止部115aは、弾性アーム131aと被係止爪133aとを備えて構成されている。
被係止部115aを構成する弾性アーム(第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム)131aは、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aから突出して設けられていることで片持ち梁状に形成されている。第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aは、なんら外力が加わっていない状態では、外寸が第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の内径や第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの外径よりもごく僅かに小さくなっており、内寸が第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の外径よりもごく僅かに大きくなっている。
ここで外寸とは、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの最も外側に存在する箇所(端)で規定される包絡線(第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの中心軸C1を中心とする包絡円)の外径のことである。
たとえば、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aが、2つ設けられていて、この一対の第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aが第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの中心軸C1を中心にして点対称の位置に配置されている場合にあっては、一対の第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aのうちの一方の弾性アーム131aの最も外側に存在する端(第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの中心軸C1から最も離れている端)と、一対の第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aのうちの他方の弾性アーム131aの最も外側に存在する端との間の距離になる。
同様にして内寸とは、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの最も内側に存在する箇所(端)で規定される包絡線の内径のことである。ただし、図18で示すように、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aとして、図18の上下方向に延びている先端側の部位(上側部位)のみを考えることとし、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの近傍で、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aから斜めに延出している部位は除くものとする。
第1のコネクタ構成体105aの各円筒状部(第1の円筒状部123aと第2の円筒状部125a)には、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aが内側に撓むことができるようにするための切り欠き191が設けられている。被係止爪133aは、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端側の部位(図18の上下方向に延びている先端側の部位)で構成されている。
第4のコネクタ構成体181の第1の円筒状部187から弾性アーム193が片持ち梁状に突出しており、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の外寸は、図18等で示すように、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの外径とほぼ等しくなっており、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の内寸は、第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の外径よりも大きくなっている。
第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の内寸が第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の外径よりも大きくなっていること、および、第1のコネクタ構成体105aの各円筒状部(第1の円筒状部123aと第2の円筒状部125a)に切り欠き191が設けられていることにより、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193も内側に弾性変形できるようになっている。
第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の外側には、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183が当接する段差195が設けられている。第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の一部(先端部)が被係止部保持部119aを構成している。
そして、第2のコネクタ構成体103aに、第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aと第4のコネクタ構成体181とを設置する前の状態(初期状態)では、図18等で示すように、第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの端(上端)に第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の端(下端)が当接して第1の当接箇所を形成しており、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の端(下端)が第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の段差195に当接して第2の当接箇所を形成しており、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の先端部(下端部)が、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端部(上端部)の内側に入り込んで、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aに当接している。
第2のコネクタ構成体103aに、第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aと第4のコネクタ構成体181とを設置する途中の状態では、第3のコネクタ構成体107aを第2のコネクタ構成体103aに近づけることで、上記第1の当接箇所と上記第2の当接箇所とを介して(第4のコネクタ構成体181が第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の端と第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の段差195との当接箇所と、第4のコネクタ構成体181と第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の端と第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの端との当接箇所とを介して)、第1のコネクタ構成体105aが第2のコネクタ構成体103a側に移動するようになっている。
そして、図19〜図20等で示すように、第1のコネクタ構成体105aが第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aに入り込み、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aから受ける反力により、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの外寸が第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの内径と等しくなるまで、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aが内側に弾性変形するようになっている。
この弾性アーム131aの弾性変形により、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193に内側向きの力が加わり、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の外寸が第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183よりも小さくなるとともに上記第2の当接箇所での当接が解除(第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の端の第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の段差195への当接が解除)されるまで、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193が内側に弾性変形する。
この弾性アーム193の弾性変形後に、第3のコネクタ構成体107aを第2のコネクタ構成体103aに近づけることで、図21で示すように、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の端(下端)が第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端(上端)に当接して第3の当接箇所が形成されるようになっている。
この第3の当接箇所の形成後に、第3のコネクタ構成体107を第2のコネクタ構成体103aに近づけることで、上記記第3の当接箇所(第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の端と第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端との当接箇所)を介して、第1のコネクタ構成体105aが第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121a内にさらに入り込み、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端部で構成されている被係止部115aが第2のコネクタ構成体103aの係止部111a(貫通孔129)に入り込むようになっている(図22参照)。
そして、第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aと第4のコネクタ構成体181とを設置し終えた状態(被係止部115aが係止部111aに入り込んで係止された後、第3のコネクタ構成体107aを第2のコネクタ構成体103aに近づけることで形成される状態)では、図23で示すように、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの内側に第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183が入り込み、また、第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の内側に第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aと第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aとが入り込み、被係止部保持部119aが、被係止部115aが係止部111aに係止されている状態を保持するように構成されている。
なお、付勢手段104は、第1のコネクタ構成体105aと第4のコネクタ構成体181との間に設けられた弾性体(たとえば、圧縮コイルバネ142)で構成されており、第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aと第4のコネクタ構成体181とを設置し終えた状態で、第1のコネクタ構成体105aを第2のコネクタ構成体103a側に付勢している。
ここで、コネクタ101aについてさらに詳しく説明する。説明の便宜のために、第2の実施形態の場合と同様に、各円筒状部121a,123a,125a,183,185,187,189の中心軸C1の延伸方向を上下方向(高さ方向)とし、上下方向に対して直交する所定の一方向を第1の径方向とし、上下方向と第1の径方向とに対して直交する所定の他の一方向を第2の径方向とする。
第1のコネクタ構成体105aは、第2の実施形態に係るコネクタ101と同様にして、図示しない雄ネジ部によってシリンダヘッド102に一体的に設置されるようになっている。
また、第2の実施形態に係るコネクタ101と同様にして、第2のコネクタ構成体103aが、第3のコネクタ構成体107aに対して中心軸C1まわりで回転(たとえば±180°回転)するようになっている。また、第2の実施形態に係るコネクタ101と同様にして、第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aとをシリンダヘッド102に設置されている第2のコネクタ構成体103aに設置するときに、第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aを係合させて、第1のコネクタ構成体105aを回転位置決めする回転位置決め部151が設けられている。
第2のコネクタ構成体103aは、図18等で示すように、上述した円筒状部121aと、底壁部143aを備えて構成されている。底壁部143aは、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの下端を塞いでいる。第2のコネクタ構成体103aの円筒状部21aの内側は、端子嵌合室を形成しており、第2の端子109は、底壁部143aから上側に突出している。
底壁部143aの下側には、第2のコネクタ構成体103aをシリンダヘッド102に設置するために雄ネジ部(図示せず)が形成されており、この雄ネジ部の内部に、グロープラグ等の点火装置が設けられている。
係止部111aを構成する貫通孔129は、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aに設けられており、円筒状部121aの肉部を貫通している。貫通孔129は、細長い矩形状に形成されており、幅方向(所定の狭い幅方向)が第2の径方向と一致して、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの上下方向に長く延びている。
また、貫通孔129は、たとえば、3つ等の複数設けられており、円筒状部121aの円周を3等配するように配置されている。
第1のコネクタ構成体105aは、図18等で示すように、上述した第1の円筒状部123aと第2の円筒状部125aとを備えて構成されている。
第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの外径は、上述したように、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの内径よりもごく僅かに小さくなっている。また、第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの外径は、第1の円筒状部123aの外径よりも小さくなっている。
第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの上下方向の寸法と、第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの上下方向の寸法との和は、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの上下方向の寸法よりも小さくなっている。各円筒状部123a,125aの中心軸C1はお互いが一致している。
第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの上側に第2の円筒状部125aが接続されている。第1の端子113は、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの内部で第1の円筒状部123aの下端に設けられている。
なお、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの下側には、円筒状の切り欠き197が形成されていることで、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの下側には、小径部199が形成されている。
被係止部115aは、前述したように、弾性アーム131aの先端側部位である被係止爪133aで構成されている。弾性アーム131aは、上下方向で、第1の円筒状部123aの中間部から上方に向かって突出している。弾性アーム131aの上端は、第2の円筒状部125aの上端よりも僅かに下方に位置している。さらに、弾性アーム131aは、たとえば、3つ等の複数設けられており、第1の円筒状部123a等の円周を3等配するように配置されている。
第3のコネクタ構成体107aは、図15、図18等で示すように、上述した第1の円筒状部183と、上述した第2の円筒状部185と本体部163と取り付けアーム部165と端子設置部167とを備えて構成されている。
図18等で示すように、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の外径は、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの外径とほぼ等しくなっている。第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の内径は、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの外径よりもごく僅かに大きくなっている。第1の円筒状部183の中心軸C1と第2の円筒状部185の中心軸C1とはお互いが一致している。
第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の上下方向の寸法は、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの上下方向の寸法よりも大きく、第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの上下上下方向の寸法よりも小さくなっている。
第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の上下方向の寸法は、第2の円筒状部185の上下方向の寸法よりも大きくなっている。
第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185は、第1の円筒状部183の上下方向の下側から、下方に向かって突出している。そして、既に理解されるように、第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の内側に、円筒状の空間を間にして、第1の円筒状部183が位置しており、この箇所では、第3のコネクタ構成体107aが2重の円筒状になっている。
また、上下方向では、第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の下端は、第1の円筒状部183の下端よりも下方に位置している。
本体部163は、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の上端を塞いでいる。また、本体部163は、第1の円筒状部183の上端から所定の距離だけ上方にも突出している。
取り付けアーム部165は、第1の円筒状部183の上端から所定の距離だけ上方にも突出している本体部163の部位から第1の径方向の一端側に突出して設けられている。端子設置部167は本体部163の上側に配置されている。端子設置部167の内部には第3の端子117が設けられている。端子設置部167は、第2の径方向の一端側に開口しており、端子設置部167(第3の端子117)に設置されたワイヤハーネスは、第2の径方向の一端側に延出するようになっている。
第4のコネクタ構成体181は、図16、図18、図23等で示すように、上述した第1の円筒状部187と上述した第2の円筒状部189とを備えて構成されている。
第4のコネクタ構成体181の第1の円筒状部187の外径は、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の内径よりもごく僅かに小さくなっている。なお、第1の円筒状部187の外周には、第4のコネクタ構成体181が第3のコネクタ構成体107aに対して移動するときの摩擦係数を小さくするための切り欠き201が適宜設けられている。
第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の外径は、第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの外径よりも小さくなっている。第4のコネクタ構成体181の第1の円筒状部187の中心軸C1と第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の中心軸C1とはお互いが一致しており、第2の円筒状部189の上側に第1の円筒状部187が接続されている。
第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193は、第4のコネクタ構成体181の第1の円筒状部187の下端から下方に向かって突出している。
第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の外側であって上下方向の中間部には、段差195が形成されている。弾性アーム131aの下端は、第2の円筒状部125aの下端よりも僅かに下方に位置している。弾性アーム193は、たとえば、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aと同様にして、3つ等の複数設けられており、第1の円筒状部187等の円周を3等配するように配置されている。
第4のコネクタ構成体181が第1のコネクタ構成体105aの上側に位置し、第4のコネクタ構成体181の中心軸C1と第1のコネクタ構成体105aの中心軸C1とがお互いに一致し、第4のコネクタ構成体181の第2の円筒状部189の下端と第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aの上端とがお互いに接触している状態では、第4のコネクタ構成体181の3つの弾性アーム193のそれぞれが、第1のコネクタ構成体105aの第2の円筒状部125aに形成された切り欠き191内に入り込むことで、第1のコネクタ構成体105aに対して中心軸C1を回動中心にして回動しないよになっている。また、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端部(上端部)それぞれの内側に、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の先端部(下端部)のそれぞれが入り込み、お互いの弾性アーム131a、193同士が接するようになっている。
第4のコネクタ構成体181の段差195から上端までの間の上下方向の寸法は、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の上下方向の寸法よりも小さくなっている。
また、第3のコネクタ構成体107aに第4のコネクタ構成体181が設置された状態では、第4のコネクタ構成体181の段差195に第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の下端が当接しており、第4のコネクタ構成体181の第1の円筒状部187が第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183内に入り込み、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の先端は、第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の下端よりも上方に位置している。
さらに、第3のコネクタ構成体107aに第4のコネクタ構成体181が設置された状態では、圧縮コイルバネ142は、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の内側で第3のコネクタ構成体107aの底壁部143aと第4のコネクタ構成体181の第1の円筒状部187との間に存在して、第4のコネクタ構成体181を下方に付勢するようになっている。
シリンダヘッド102には、第2に実施形態の場合と同様にして、また、図17等で示すように、上方に開口している凹部173が設けられており、シリンダヘッド102に設置されたコネクタ101aは、取り付けアーム部165を含む取り付けアーム部165から上の部位が凹部173から上方に突出しており、取り付けアーム部165よりも下側の部位は、凹部173内に存在している。
シリンダヘッド102の凹部173の底面には、第2のコネクタ構成体103aの雄ネジ(図示せず)が螺合する雌ネジ(図示せず)が設けられている。
また、シリンダヘッド102に設置されたコネクタ1aは、取り付けアーム部165が、シリンダヘッド2の凹部73の周辺の部位に接触しており、取りつけネジ(ボルト)175等の締結部材によって、取り付けアーム部165(第3のコネクタ構成体107a)がシリンダヘッド102に固定されるようになっている。
次に、シリンダヘッド102に設置されている第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aと第4のコネクタ構成体181等とを設置する組み付け作業を説明する。
初期状態として、図16や図17(a)や図18等で示すように、第1のコネクタ構成体105aと第3のコネクタ構成体107aと第4のコネクタ構成体181とが一体化しており、この一体化しているものが、第2のコネクタ構成体103aから離れて、第2のコネクタ構成体103aの上方に位置しているものとする。また、初期状態では、各コネクタ構成体103a,1055a,107a,181の中心軸C1はお互いに一致しているものとする。
また、上記初期状態では、図18で示すように、弾性アーム193の段差195に第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の下端が当接しており、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の先端部(下端部)が、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの上端部の内側で弾性アーム131aに係合しており、第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185の下端部の内側に、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端部(上端部)が入り込んでいる。
上記初期状態において、第3のコネクタ構成体107aを下降させる。第4のコネクタ構成体181と第1のコネクタ構成体105aとが下降し、回転位置決め部151により、第1のコネクタ構成体105aが第3のコネクタ構成体107aに対して中心軸C1を中心にして適宜回転する。これにより、第1のコネクタ構成体105aは第2のコネクタ構成体103aに対して、正規の嵌合回転位置となる。
続いて、第3のコネクタ構成体107aをさらに下降させると、図19で示すように、第1のコネクタ構成体105aの第1の円筒状部123aの下部が第2のコネクタ構成体103aの円筒状部121aの上端部内に入り込んで嵌合し始める。
第3のコネクタ構成体107aをさらに下降させると、図20で示すように、上記嵌合が一層進むとともに、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aが、第2のコネクタ構成体103aに押されて内側に弾性変形する。また、内側に弾性変形した弾性アーム131aの先端部が、第4のコネクタ構成体181の弾性アーム193の先端部を内側に押し、弾性アーム193の外寸が第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の内径よりも僅かに小さくなる。
第3のコネクタ構成体107aをさらに下降させると、図21で示すように、第3のコネクタ構成体107aが、第1のコネクタ構成体105aと第4のコネクタ構成体181とに対してさらに下降し、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の下端が、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの先端(上端)の当接し、圧縮コイルバネ142が圧縮される。
続いて、第3のコネクタ構成体107aをさらに下降させると、図22で示すように、弾性アーム131aが復元し、弾性アーム131aの被係止爪(先端部)133aが第2のコネクタ構成体103aの貫通孔129に入り込み、被係止部115aが係止部111aに係止され、第1のコネクタ構成体105aの第2のコネクタ構成体103aへの設置が終了する。
なお、回転位置決め部151による、第2のコネクタ構成体103aに対する第1のコネクタ構成体105aの正規の嵌合回転位置は、第2の端子109と第1の端子113との係合が開始する前であって、第1のコネクタ構成体105aの弾性アーム131aの被係止爪133aが、係止部111a(貫通孔129)内に入り込む前までに完了しているものとする。
続いて、第3のコネクタ構成体107aをさらに下降させると、図23で示すように、第3のコネクタ構成体107aの第1の円筒状部183の下端部(被係止部保持部119a)が、復元した弾性アーム131aの先端部に係合して弾性アーム131aに内側に位置する。これにより、被係止部保持部119aが被係止部115aに係合し、弾性アーム131aが変形しなくなる。さらに、第3のコネクタ構成体107aの第2の円筒状部185が、弾性アーム131aに外側に位置して弾性アーム131aに係合するので、弾性アーム131aは外側にも変形することができない。
続いて、第3の端子117の向きを調整するために、第3のコネクタ構成体107aを第1のコネクタ構成体105aに対して適宜回転位置決めし、第3のコネクタ構成体107aを、ボルト175を用いてシリンダヘッド102に固定する。これにより、シリンダヘッド102と第1のコネクタ構成体105aと第2のコネクタ構成体103aと第3のコネクタ構成体107aとが強い力で一体化する。
コネクタ101aによれば、第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aを設置する途中の状態で、弾性アーム131aが内側に弾性変形するように構成されており、第1のコネクタ構成体105aを第2のコネクタ構成体103aに設置し終えた状態で、弾性アーム131aが復元するように構成されているので、弾性アーム131aの挙動を手で感じ取ることができ、第2のコネクタ構成体103aに第1のコネクタ構成体105aを設置し終えた状態を作業者が容易に認識することができる。
また、コネクタ101aによれば、圧縮コイルバネ142に付勢により、第2のコネクタ構成体103aが第1のコネクタ構成体105a側に付勢されて接続されるので、耐振動性や電気的接触性が一層向上する。