JP2014142061A - 真空断熱構造体用外装袋及びそれを用いた真空断熱構造体、並びに真空断熱構造体用外装袋の保管または輸送方法、及び真空断熱構造体用外装袋の製法 - Google Patents

真空断熱構造体用外装袋及びそれを用いた真空断熱構造体、並びに真空断熱構造体用外装袋の保管または輸送方法、及び真空断熱構造体用外装袋の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた断熱性能を有し、更に、長期間使用した際にも断熱性能の経時安定性に優れた真空断熱構造体を提供すること。
【解決手段】水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]からなることを特徴とする真空断熱構造体用外装袋。
【選択図】なし

Description

本発明は、真空断熱構造体用外装袋及びそれを用いた真空断熱構造体、並びに真空断熱構造体用外装袋の保管または輸送方法、及び真空断熱構造体用外装袋の製法に関するものであり、更に詳しくは、断熱性能に非常に優れた真空断熱構造体を得ることのできる真空断熱構造体用外装袋に関するものである。
従来、冷蔵庫や電気ポットの断熱材、あるいは住宅用断熱壁用の断熱パネルとしては、ポリウレタンフォームを用いた断熱体が利用されてきたが、近年これに代わる、優れた材料として、グラスウール、酸化珪素、発泡樹脂などの断熱性材料を芯材とし、これをガスバリア性ラミネートフィルムで密封し且つ内部を真空とした真空断熱構造体が用いられ始めている。
かかるガスバリア性ラミネートフィルムとして、アルミ箔を含有した多層フィルムや、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムやエチレン−ビニルアルコール系樹脂フィルムを含有した多層フィルムなどが挙げられる。
例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムを含有した多層フィルムを含む真空断熱構造体としては、芯材と、前記芯材を外包する外装袋外被材とを備え、前記外装袋が、蒸着層を有するラミネートフィルム同士、もしくは蒸着層を有するラミネートフィルムと、金属箔を有するラミネートフィルムとを、熱溶着によって袋状にしたものであり、前記蒸着層を有するラミネートフィルムが、熱溶着層と、ガスバリア層と、最外層とを含み、前記ガスバリア層がエチレン−ビニルアルコール系樹脂を含むプラスチックフィルムの片側にアルミ蒸着を施したものであり、かつ、アルミ蒸着を施した面が熱溶着層側に設けられている真空断熱体(例えば、特許文献1参照)や、また、断熱性材料を二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む多層フィルムにより密封包装して得られる真空断熱構造体であり、かかる多層フィルムとしては、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムと、金属が蒸着されていてもよいポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム等が積層した多層フィルムを用いた真空断熱構造体(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開平10−122477号公報 特開2007−078176号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の開示技術においては、外装袋に、各種フィルムがラミネートされた多層フィルムが用いられるが、かかる多層フィルムを構成する各種フィルムには、製造時に除去しきれなかったり、保管時に吸収されたりした、水分や有機溶剤などの揮発成分が内包されている。かかる揮発成分が、真空断熱構造体を構成した後に、経時とともにその構造体内部にガスとして染み出すこととなり、それが原因で断熱性能を著しく低下させてしまうおそれがあった。特に、多層フィルムの少なくとも一層に、吸湿性を有するビニルアルコール系樹脂フィルムを用いる場合には、なおさら断熱性能の低下が懸念されるところであり、近年の高度な断熱性能が要求される状況においては、更なる改良が求められている。
そこで、このような背景下において、本発明は非常に優れた断熱性能を有する真空断熱構造体を得ることができる真空断熱構造体用外装袋を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、真空断熱構造体に用いる外装袋において、外装袋を構成する多層フィルム中の水分量、ひいては外装袋とした際の水分量が非常に少ないものを用いることにより、真空断熱構造体とした場合に、非常に優れた断熱性能を有する真空断熱構造体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]からなる真空断熱構造体用外装袋に関するものである。
また、本発明は、多層フィルム[I]が、多層フィルム[i]と、乾燥剤とを、アルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱してなることにより得られる多層フィルムである真空断熱構造体用外装袋に関するものである。
更に、本発明は、前記真空断熱構造体用外装袋を用いて、断熱性材料を密封包装してなる真空断熱構造体に関するものである。
そして更に、本発明は、多層フィルム[i]からなる真空断熱構造体用外装袋と、乾燥剤とを、アルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱した後、密封包装のまま保管または輸送する真空断熱構造体用外装袋の保管または輸送方法に関するものである。
また、本発明は、多層フィルム[i]と、乾燥剤とを、アルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱した後、密封包装のまま保管または輸送し、真空断熱構造体用外装袋の製造時に開封する真空断熱構造体用外装袋の製法に関するものである。
なお、本発明においては、水分率が0.3重量%以下に調整された多層フィルムを「多層フィルム[I]」と表記し、調整前の多層フィルムを「多層フィルム[i]」と表記する場合がある。
なお、通常、真空断熱構造体を製造する際には、多層フィルムからなる外装袋の四辺の内三辺をシールした状態(一辺はシールしていない)で乾燥を行い、その後、断熱性材料を密封包装して真空断熱構造体とするものであるが、かかる真空断熱構造体用外装袋では水分を充分に除去しきれないものであり、そのためまだまだ満足のいく断熱性能を得ることができなかったところ、本発明においては、真空断熱構造体の断熱性能との関係において、外装袋を構成する多層フィルムの水分量に着目して、上記課題を解決したものである。
本発明においては、水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]からなる真空断熱構造体用外装袋を用いて真空断熱構造体とすることにより、断熱性能に非常に優れた効果を有するものとなる。また、通常、真空断熱構造体を製造する際に、予め真空断熱構造体用外装袋を予備乾燥しなければならないところ、水分率が0.3重量%以下の多層フィルム[I]であれば、かかる予備乾燥を行う必要もなく真空断熱構造体を製造することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の真空断熱構造体用外装袋は、水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]からなるものであり、かかる外装袋を用いて、断熱性材料を密封包装して真空断熱構造体を製造する。かかる多層フィルム[I]中の水分率は、好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.07重量%以下、殊に好ましくは0.05重量%以下である。かかる水分率が高すぎると真空断熱構造体の断熱性能が低下する傾向がある。なお、水分率の下限値は通常0.001重量%である。
ここで多層フィルム[I]中の水分率は、下記のようにして測定される。
即ち、多層フィルムの水分率は、例えば、三菱化学社製カールフィッシャー測定装置(水分気化装置:VA−100型、微量水分測定装置:CA−100型)を用いて、水分気化法−電量滴定法で測定を行う。なお、多層フィルムを4cm×1cmの短冊状に切り、10枚をボードに乗せ、加熱温度120℃で滴定継続時間を30分間として行う。
まず、断熱性材料を密封包装するための真空断熱構造体用外装袋となる多層フィルム[I]について説明する。
本発明で用いられる多層フィルム[I]は、例えば、基材フィルム(A)とガスバリア性フィルム(B)を層構成として含むものであり、好ましくは基材フィルム(A)/ガスバリア性フィルム(B)の層構成を有するものである。
<基材フィルム(A)>
本発明における上記基材フィルム(A)としては、真空断熱構造体用外装袋を作製する際に用いる基材フィルムとして公知一般の基材フィルムを用いることができ、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエーテル系フィルム、ポリウレタン系フィルムを挙げることができる。中でも、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルムを使用することが、加工性、耐久性及び経済性の点で好ましく、特にはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましく、殊にはポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、上記基材フィルム(A)は延伸処理を施されたものを用いることがフィルム表面の平滑性や、連続塗工機や連続貼合機への適用性の点から好ましく、特には二軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
また、本発明において、基材フィルム(A)として、蒸着フィルム、とりわけ、金属或いは金属酸化物が蒸着されたフィルムを用いることが水蒸気バリア性及びガスバリア性の点で好ましく、特には金属或いは金属酸化物が蒸着されたポリエステル系樹脂フィルムであることが好ましい。
かかる金属或いは金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、スズなどの金属、或いはかかる金属の酸化物を用いることができる。それらのなかでも、アルミニウム、金、銀、スズが好ましく用いられ、特にアルミニウムが、コストの面からも好ましく用いられる。また、金属或いは金属酸化物による蒸着の代わりに、シリカ蒸着を行うこともできる。
かかる蒸着層の厚みは、好ましくは20〜100nm、特に好ましくは30〜80nmである。蒸着層の厚みが薄すぎると、熱放射特性が得られにくい傾向があり、厚すぎるとその厚みを得るための蒸着時間が長すぎて、蒸着時の熱的な影響が大きくなりすぎる傾向があり、工業的に好ましくない傾向がある。
また、上記蒸着層は、一度の蒸着処理で得られたものであってもよいし、複数回にわたり蒸着処理を繰り返して得られたものであってもよい。
かかる蒸着方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法、高周波誘導加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法などの一般的な真空蒸着法を用いることができる。
かかる基材フィルム(A)の厚みとしては、通常、5〜100μmであり、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは、5〜30μmである。かかる厚みが厚すぎると、真空断熱構造体に仕上げた場合に外装袋に入るシワの部分へ集中する応力が増大しピンホールの発生する可能性が高まる傾向があり、薄すぎると真空断熱構造体に仕上げた場合の外装袋としての強度が充分に得られず、加工中及び使用中に破袋する傾向がある。
<ガスバリア性フィルム(B)>
本発明で用いられるガスバリア性フィルム(B)は、真空断熱構造体の外装袋として用いられる公知のガスバリア性フィルムであればよく、通常、かかるガスバリア性フィルムの中でも、23℃×50%RHの条件でJIS K 7126(等圧法)に記載の方法に準じて測定した際の酸素透過量が、1ml/(m2・day・atm)以下のフィルムを用いることが好ましく、特には、0.1ml/(m2・day・atm)以下のフィルムを用いることが好ましい。具体的には、ビニルアルコール系樹脂フィルムであることが高いガスバリア性を得るという点で特に好ましい。
かかるビニルアルコール系樹脂フィルムは、ビニルアルコール系樹脂より製膜されてなるものであり、ビニルアルコール系樹脂とは、ビニルエステル単位がケン化されてなるビニルアルコール単位を有するものであればよく、好ましくは平均ケン化度が90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、更に好ましくは97モル%以上である。
ビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と略記することがある)や、エチレン−ビニルアルコール系樹脂(以下、「EVOH系樹脂」と略記することがある)を挙げることができ、中でもPVA系樹脂であることが特に好ましい。
〈PVA系樹脂〉
まず、PVA系樹脂について説明する。
PVA系樹脂は水(温水も含む。)に溶解し得る熱可塑性樹脂であり、本発明で用いられるPVA系樹脂としては、未変性のPVAや変性PVAが挙げられる。未変性のPVAは、酢酸ビニルを単独重合し、更にそれをケン化して製造される。一方、変性PVAには、共重合変性PVAと後変性PVAとがあり、その変性量としては本発明の効果を損なわない範囲内であり、通常10モル%未満である。
上記共重合変性PVAは、酢酸ビニルと、酢酸ビニルと共重合可能な不飽和単量体とを共重合させた後、ケン化して製造されるものである。
上記酢酸ビニルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類及びそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩等が挙げられる。
また、共重合変性PVAとして、側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVAを用いることもできる。かかる側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVAは、例えば、(ア)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(ウ)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(エ)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
本発明において、側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVAを用いる場合には、側鎖1,2−ジオール構造含有量は、0.01〜20モル%であることが良好なフィルム成形性を得るという点で好ましく、特には0.2〜15モル%、更には0.5〜12モル%が好ましい。
次に、前記の後変性PVAは、未変性のPVAを後変性することにより製造することができる。かかる後変性の方法としては、未変性のあるいは上記変性PVAをアセト酢酸エステル化、アセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、オキシアルキレン化する方法等が挙げられる。
本発明においては、上記PVA系樹脂の平均重合度が1100以上であることが好ましく、更に好ましい範囲は1100〜4000、特に好ましい範囲は1200〜2600である。かかる平均重合度が低すぎると得られるフィルムとした時の機械強度が低下する傾向にある。なお、平均重合度が高すぎると製膜及び延伸時の加工性が低下する傾向にある。
また、上記PVA系樹脂の平均ケン化度は90モル%以上であることが好ましく、更に好ましい範囲は95〜100モル%、特に好ましい範囲は99〜100モル%である。かかる平均ケン化度が低すぎると耐水性が低下し、ガスバリア性の湿度による変化が著しくなる傾向にあるので、比較的高いものを選ぶことが好ましい。
なお、上記平均重合度及び平均ケン化度は、JIS K6726に準じて測定される。
また、上記PVA系樹脂の4重量%水溶液の粘度としては、2.5〜100mPa・s(20℃)が好ましく、更には2.5〜70mPa・s(20℃)、特には2.5〜60mPa・s(20℃)が好ましい。該粘度が低すぎるとフィルム強度等の機械的物性が劣る傾向があり、高すぎるとフィルムへの製膜性が低下する傾向がある。
なお、上記粘度はJIS K6726に準じて測定されるものである。
これらのPVA系樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
〈EVOH系樹脂〉
次に、EVOH系樹脂について説明する。
EVOH系樹脂は、エチレンとビニルエステル系モノマーを共重合させた後にケン化させることにより得られる、水(温水も含む。)には溶解しない熱可塑性樹脂であり、エチレンとビニルエステル系モノマーとの重合は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより行うことができる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、一般的に酢酸ビニルが用いられるが、他のビニルエステル系モノマー、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等の、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルを用いてもよい。これらのモノマーは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
EVOH系樹脂のエチレン含有量は、ISO14663に基づいて計測した値で、通常20〜60モル%であるが、良好な延伸性を得る観点からは、エチレン含有量は25モル%以上であることが好ましく、更には30モル%以上であることが特に好ましい。また、ガスバリア性の観点からは、エチレン含有量は55モル%以下、更には50モル%以下であることが特に好ましい。エチレン含有量が多すぎるとガスバリア性が低下する傾向がある。
なお、かかるEVOH系樹脂のエチレン含有量は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
前記EVOH系樹脂におけるビニルエステル成分の平均ケン化度は、JIS K6726(ただしEVOH樹脂は水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて)に基づいて計測した値で、通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは99〜100モル%である。かかる平均ケン化度が低すぎた場合にはガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下する傾向がある。
前記EVOH系樹脂のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は、通常0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜35g/10分である。MFRが大きすぎる場合には、成形安定性に乏しくなる傾向があり、小さすぎる場合には押出加工が困難になる傾向がある。
EVOH系樹脂には、本発明の目的を阻外しない範囲内で、酸化防止剤、色剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、可塑剤、硼酸等の架橋剤、無機充填剤、無機乾燥剤等の各種添加剤、ポリアミド、ポリオレフィン、高吸水性樹脂等の各種樹脂を配合してもよい。
また、EVOH系樹脂には、加熱溶融する場合には安定性向上のために共重合成分としてビニルシラン化合物を0.0002〜0.2モル%含有させることもできる。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
更に、本発明の目的を阻外しない範囲内で加熱溶融する場合に安定性を向上させるため、EVOH系樹脂にホウ素化合物をブレンドすることもできる。ここでホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物のうちでもオルトホウ酸(以下、単に「ホウ酸」と表示する場合がある)であることが好ましい。
EVOH系樹脂にホウ素化合物をブレンドする場合、ホウ素化合物の含有量は、好ましくはホウ素元素換算で20〜2000ppm、より好ましくは50〜1000ppmである。この範囲内でホウ素化合物をブレンドすることで加熱溶融時のトルク変動が抑制されたEVOH系樹脂を得ることができる。ホウ素化合物の含有量が少なすぎると添加効果が小さく、多すぎるとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
更に、本発明の効果が阻害されない範囲で、エチレン、ビニルエステル系モノマー以外に、他のエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよい。他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類等が挙げられる。
更に、本発明に用いられるEVOH系樹脂は、公知の方法にてウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化など「後変性」されていてもよい。
また、EVOH系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール構造を有するEVOH系樹脂を用いることも好ましく、側鎖1,2−ジオール構造の含有量は、EVOH系樹脂の0.01〜20モル%であることが良好なフィルム成形性を得るという点で好ましく、特には、0.2〜15モル%、更には0.5〜10モル%が好ましい。
これらのEVOH系樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
〈ビニルアルコール系樹脂フィルムの製膜〉
本発明では、上記ビニルアルコール系樹脂を用いてフィルム製膜するのであるが、かかる製膜方法も公知のものでよく、例えば、ドラム、エンドレスベルト等の金属面上にビニルアルコール系樹脂溶液を流延してフィルム形成する流延式成形法、あるいは押出機により溶融押出する溶融成形法によって製膜される。
かかるビニルアルコール系樹脂フィルムは、無延伸フィルムとして用いてもよいが、通常一軸延伸或いは二軸延伸フィルムとして用いることが好ましく、特にガスバリア性の点から、二軸延伸フィルムとして用いるのが好ましい。かかる一軸及び二軸延伸フィルムの流れ方向(MD方向)の延伸倍率としては2.5〜5倍であることが好ましい。
かかる延伸処理方法は、通常行われる一軸延伸方法や、同時二軸延伸、逐次二軸延伸など、公知方法に従い行うことが可能である。
本発明においては、かかる二軸延伸ビニルアルコール系樹脂フィルムの中でも、二軸延伸PVA系樹脂フィルム、二軸延伸EVOH系樹脂フィルムが好ましく用いられ、特には二軸延伸PVA系樹脂フィルムが好ましく用いられる。以下、これら二軸延伸フィルムの具体的な製法について説明する。
(二軸延伸PVA系樹脂フィルムの製法)
まず、二軸延伸PVA系樹脂フィルムの製法について説明する。
上記PVA系樹脂を用いて、PVA系樹脂フィルム(延伸前PVA系樹脂フィルム)を製膜するわけであるが、通常は、製膜用の原液として、PVA系樹脂濃度が5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%のPVA系樹脂−水の組成物を調製する。
かかるPVA系樹脂−水組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール類の可塑剤やフェノール系、アミン系等の抗酸化剤、リン酸エステル類等の安定剤、着色料、香料、増量剤、消泡剤、剥離剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤等の通常の添加剤を適宜配合しても差し支えない。また、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のPVA系樹脂以外の他の水溶性樹脂を混合してもよい。
PVA系樹脂フィルムの製膜法については、特に限定されないが、上記PVA系樹脂−水組成物を押出機に供給して溶融混練した後、Tダイ法、インフレーション法により押出し製膜し、乾燥する方法が好ましい。
かかる方法における押出機内での溶融混練温度は、50〜170℃、特には55〜160℃が好ましい。かかる温度が低すぎるとフィルム肌の不良を招き、高すぎると発泡現象を招く傾向にある。また、製膜後のフィルムの乾燥については、70〜120℃で行うことが好ましく、更には80〜100℃で行うことが好ましい。
上記で得られたPVA系樹脂フィルムに対して、更に二軸延伸を施すことにより、本発明で好ましく用いられる二軸延伸PVA系樹脂フィルムとなる。
かかる二軸延伸については、機械の流れ方向(MD方向)の延伸倍率が2.5〜5倍、幅方向(TD方向)の延伸倍率が2〜4.5倍であることが好ましく、特に好ましくはMD方向の延伸倍率が3〜5倍、TD方向の延伸倍率が2.5〜4.5倍である。該MD方向の延伸倍率が低すぎると延伸による物性向上が得難くかつ耐熱性が損なわれる傾向があり、高すぎるとフィルムがMD方向へ裂けやすくなる傾向がある。また、TD方向の延伸倍率が低すぎると延伸による物性向上が得難く、かつ耐熱性が損なわれる傾向があり、高すぎると工業的にフィルムを製造する際に延伸時の破断が多発する傾向がある。
かかる二軸延伸を行うにあたっては、PVA系樹脂フィルムの含水率を5〜30重量%、特には20〜30重量%に調整しておくことが好ましい。含水率の調整は、乾燥前のPVA系樹脂フィルムを引き続き乾燥する方法、含水率5重量%未満のPVA系樹脂フィルムを水に浸漬あるいは調湿等を施す方法等により行うことができる。かかる含水率が低すぎても、高すぎても延伸工程でMD方向、TD方向の延伸倍率を高めることができない傾向がある。
更に、二軸延伸を施した後は、熱固定を行うことが好ましく、かかる熱固定の温度は、PVA系樹脂の融点より低い温度を選択することが好ましく、特には140〜250℃であることが好ましい。熱固定温度が、融点より80℃以上低い温度の場合は、寸法安定性が悪く収縮率が大きくなる傾向があり、一方、融点より高い場合は、フィルムの厚み変動が大きくなる傾向がある。また、熱固定時間は1〜30秒間であることが好ましく、より好ましくは5〜10秒間である。
また、必要に応じて、熱変形性を更に減少させる目的で、かかる二軸延伸PVA系樹脂フィルムに、水溶液への接触及び乾燥の加工を施すことも可能である。水溶液との接触においては、通常5〜60℃、好ましくは10〜50℃の水溶液が用いられ、水溶液との接触時間は、水溶液の温度に応じて適宜選択されるが、工業的には10〜60秒であることが好ましい。
かかる水溶液との接触方法については、例えば、水溶液への浸漬や水溶液の噴霧、水溶液の塗布、スチーム処理などが挙げられ、これらを併用することもできる。水溶液との接触の後、工業的には、エアーシャワー等で非接触的に表面の付着水を取り除き、次いでニップロール等で接触的な水分除去を次に行うことが好ましい。また、乾燥機の種類としては、例えば、金属ロールやセラミックロール等に直接接触して乾燥する方法、あるいは非接触型の乾燥機を用いる方法などが挙げられる。
かかる水溶液との接触と乾燥の後に、得られた二軸延伸PVA系樹脂フィルムを再度巻き取ってロール状とする場合は、フィルムの水分量を通常3重量%以下、好ましくは0.1〜2重量%にすることが望まれる。かかる水分量が多すぎるとフィルムロールの中でフィルム同士が密着してしまう傾向があり、再度加工のための巻き出しを行う際にフィルムが破損するなどの問題を発生するおそれがある。
かくして本発明で好適に用いられる二軸延伸PVA系樹脂フィルムが得られる。
(二軸延伸EVOH系樹脂フィルムの製法)
次に、二軸延伸EVOH系樹脂フィルムの製法について説明する。
上記EVOH系樹脂を用いて、EVOH系樹脂フィルム(延伸前EVOH系樹脂フィルム)を製膜する。
かかるEVOH系樹脂には、本発明の目的を阻外しない範囲内で、酸化防止剤、色剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、可塑剤、硼酸等の架橋剤、無機充填剤、無機乾燥剤等の各種添加剤、ポリアミド、ポリオレフィン、高吸水性樹脂等の各種樹脂を配合してもよい。
上記EVOH系樹脂を用いて、EVOH系樹脂フィルムを製膜する際には、主に溶融成形が用いられる。以下に溶融成形方法について説明する。
かかる溶融成形時の条件としては、特に限定されないが、通常はノンベント、スクリュータイプ押出機を用い、溶融温度190〜250℃で押出製膜される。通常、圧縮比2.0〜4.5のスクリューを用い、Tダイス、または丸ダイスを用いて製膜される。
かくしてEVOH系樹脂フィルムが得られるわけであるが、該フィルムに対しては、更に、二軸延伸、好ましくは逐次二軸延伸を施すことにより、二軸延伸EVOH系樹脂フィルムとすることができる。
かかる二軸延伸の面積倍率については、好ましくは3倍以上、より好ましくは6倍以上、特に好ましくは9倍以上であることが、ガスバリア性および機械強度の観点から重要である。延伸する方法としては、ダブルバブル法、テンター法、ロール法等の一軸または二軸延伸する方法等公知の延伸方法を採用することができ、二軸延伸の場合は、同時延伸、逐次延伸のいずれの方式も採用できる。
また、延伸前の原反フィルムに予め含水させておくことで容易な連続延伸が可能となり、延伸前の原反フィルムの水分率としては、2〜30重量%が好ましく、特には5〜30重量%が好ましく、更には10〜30重量%が好ましい。水分率が少なすぎると、延伸斑が残りやすく、また特にテンターで延伸する場合、グリップに近い部分の延伸倍率が高くなるために、グリップ近辺での破れが生じやすくなることがある。一方、水分率が高すぎると、延伸された部分の弾性率が低く、未延伸部分との差が充分でなく、延伸斑が残りやすくなることがある。
かかる延伸温度に関しては、延伸前の原反フィルムの水分率によって多少異なるが、一般に50〜130℃の範囲が適応可能である。特に同時二軸延伸においては、70〜100℃の範囲において、厚み斑の少ない二軸延伸EVOH系樹脂フィルムが得られやすく、逐次二軸延伸においては、ロールでの長手方向の延伸において70〜100℃、テンターでの幅方向の延伸において80〜120℃の温度範囲で行うことにより、厚み斑の少ない二軸延伸EVOH系樹脂フィルムが得られやすい。
そして、二軸延伸EVOH系樹脂フィルムの製造に関する更に重要な因子としては、延伸後の熱処理と、その熱処理の結果として得られる二軸延伸EVOH系樹脂フィルムの密度および水分率がある。熱処理は、EVOHの融点より5〜40℃低い温度で、5〜20秒間行われることが好ましい。熱処理温度が低すぎると、熱処理が不充分なため、蒸着工程に耐えるだけの耐熱性および充分なガスバリア性が得られないことがある。一方、熱処理温度が高すぎると、部分的に延伸効果が低減されることがある。
かくして本発明で好適に用いられる二軸延伸EVOH系樹脂フィルムが得られる。
本発明においては、上記ビニルアルコール系樹脂フィルム等のガスバリア性フィルム(B)として、蒸着フィルム、とりわけ、金属或いは金属酸化物が蒸着されたフィルムを用いることが水蒸気バリア性及びガスバリア性の点で好ましく、特には金属或いは金属酸化物が蒸着された二軸延伸ビニルアルコール系樹脂フィルム、更には金属或いは金属酸化物が蒸着された二軸延伸PVA系樹脂フィルムであることが好ましい。
蒸着に際しては、上記基材フィルム(A)における蒸着の場合と同様であり、かかる金属或いは金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、スズなどの金属、或いはかかる金属の酸化物を用いることができ、それらのなかでも、アルミニウム、金、銀、スズが好ましく用いられ、特にアルミニウムが、コストの面からも好ましく用いられる。また、金属或いは金属酸化物による蒸着の代わりに、シリカ蒸着を行うこともできる。
かかる蒸着層の厚みは、好ましくは20〜100nm、特に好ましくは30〜80nmである。蒸着層の厚みが薄すぎると、熱放射特性が得られにくい傾向があり、厚すぎるとその厚みを得るための蒸着時間が長すぎて、蒸着時の熱的な影響が大きくなりすぎる傾向があり、工業的に好ましくない傾向がある。
また、上記蒸着層は、一度の蒸着処理で得られたものであってもよいし、複数回にわたり蒸着処理を繰り返して得られたものであってもよい。
かかる蒸着方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法、高周波誘導加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法などの一般的な真空蒸着法を用いることができる。
また、上記ガスバリア性フィルム(B)の厚みとしては、通常、5〜100μmであり、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは、5〜30μmである。かかる厚みが厚すぎると、真空断熱構造体に仕上げた場合に外装袋に入るシワの部分へ集中する応力が増大しピンホールの発生する可能性が高まる傾向があり、薄すぎると真空断熱構造体に仕上げた場合の外装袋としての強度が充分に得られず、加工中及び使用中に破袋する傾向がある。
本発明では、上記の基材フィルム(A)とガスバリア性フィルム(B)、とりわけ基材フィルム(A)/ガスバリア性フィルム(B)を層構成として含み多層フィルム[I]とすることもできるが、更に、保護フィルム(C)やシール層(D)など、更に他の層を有せしめて多層フィルム[I]とすることが好ましい。
本発明においては、基材フィルム(A)の外側に保護フィルム(C)を積層することが好ましく、ガスバリア性フィルム(B)の内側にシール層(D)を積層することが好ましい。なお、保護フィルム(C)を設けず、基材フィルム(A)を最外層として保護フィルムの役割をもたせることもある。
<保護フィルム(C)>
本発明で用いられる保護フィルム(C)は、真空断熱構造体を作製した時の外層を保護する目的で用いられるフィルムであり、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリウレタン系フィルム等が挙げられる。中でもポリオレフィン系フィルム、好ましくはポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、あるいはフッ素系フィルムを用いることが、該主要バリア層に到達する水蒸気を減少させるために好ましい。
かかるポリオレフィン系フィルムとしては、汎用のポリオレフィン系フィルムを用いることできる。
例えば、ポリプロピレン、ポリブテン−1、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのホモポリマーが挙げられる他、プロピレンを主成分とするエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、スチレンなどとの共重合体、更には無水マレイン酸などのカルボン酸でグラフト変性されたもの、ブテン−1を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテン−2、イソブチレン、ブタジエン、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などとの共重合体、更には無水マレイン酸などのカルボン酸でグラフト変性されたもの、エチレンを主成分とするプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸グリシディルなどとの共重合体、更には無水マレイン酸などのカルボン酸でグラフト変性されたもの等を挙げられる。これらの中でも、特にはポリプロピレンを用いることが防湿性及び工業的な生産性の点で好ましい。
ここで主成分とは、全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含む意味である。
また、延伸処理を施し、一軸延伸或いは二軸延伸ポリオレフィン系フィルムを用いることも好ましく、特には、より薄膜でより高いガスバリア性を得るという点から、二軸延伸ポリオレフィン系フィルムが好ましく用いられる。
保護フィルム(C)の厚みに関しては、通常5〜200μm、特には10〜100μmであることが好ましい。厚みが薄すぎると得られる真空断熱構造体の芯材となる断熱性材料の充填性が低下する傾向があり、厚すぎると加工性が低下するばかりでなく経済的にも不利となる傾向がある。
更に、保護フィルム(C)は、初期弾性率が1〜100GPa、更には0.5〜50GPaであることが好ましく、また、水蒸気透過度が10g/m2/day以下、更には8g/m2/day以下であることが好ましい。なお、上記初期弾性率は、JIS K 7127に則して測定された25℃×60%RHでの値であり、水蒸気透過度は、JIS Z 0208に則して測定された25℃×90%RHでの値である。なお、かかる水蒸気透過度は小さければ小さいほどよいが、通常下限値としては0.0000001g/m2/dayである。
<シール層(D)>
本発明で用いられるシール層(D)としては、真空断熱構造体用外装袋を作製した時の内側に設けられるものであり、通常、シール強度の観点からポリオレフィン系樹脂層からなる層であることが好ましく、中でもポリプロピレンや高密度ポリエチレンや、低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。また、ポリオレフィン系樹脂以外として、エチレン−酢酸ビニル共重合体なども好適に用いられる。
本発明においては、シール層(D)を形成するに当たり、(1)上記シール層(D)を形成する樹脂を用いて、別途フィルムを作製しておき、外装袋の内側となる面に更に積層することもでき、また、(2)外装袋の内側となる面に直接溶融押出形成にて積層することもできるが、(1)のほうがシール性の点で好ましい。
シール層(D)の厚みは、通常は10〜100μm、特には20〜80μmが好ましく、薄すぎるとシール強度が低下する傾向があり、厚すぎるとシール層(D)の端面からのガス侵入が助長されることになりガスバリア性が低下する傾向がある。
本発明において、基材フィルム(A)、ガスバリア性フィルム(B)、保護フィルム(C)及びシール層(D)は、例えば、接着剤を用いて積層することが好ましい。かかる多層フィルム[I]における、各層の貼り合わせ方法に関しては、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法(ドライラミネート法)が好ましく用いられる。ただし、これら方法に限定されるものではない。
また、接着剤層の厚みとしては、接着強度の点から0.1〜10μmであることが好ましく、特には0.3〜7μm、更には0.5〜5μmであることが好ましい。かかる接着剤層の厚みが薄すぎると接着力が不充分となる傾向があり、厚すぎると接着剤層そのものの破壊によりデラミが発生し、接着強度が低下する傾向がある。
かくして、上記の多層フィルム[I]を用いて、真空断熱構造体用外装袋が得られる。
本発明においては、多層フィルム[I]中の水分率が0.3重量%以下であることが重要で、好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.07重量%以下、殊に好ましくは0.05重量%以下である。かかる水分率が高すぎると真空断熱構造体の断熱性能が低下するからである。なお、水分率の下限値は通常0.001重量%である。
本発明において、多層フィルム[I]中の水分率を上記範囲に調整するに際しては、例えば、上記の層構成を有する多層フィルム[i]と乾燥剤をアルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱することにより、多層フィルム[I]を得ることができる。
ここで、多層フィルム[i]は、上記アルミニウム包装による密封包装を行うことにより、有効に水分範囲に調整することができ、これを用いて得られる真空断熱構造体では良好な断熱性能が得られるのである。
また、多層フィルム[i]を用いて袋状に調製した真空断熱構造体用外装袋と、乾燥剤とをアルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱することにより、多層フィルム[I]の水分率を0.3重量%以下に調整することができ、ひいては真空断熱構造体用外装袋の水分率を0.3重量%以下に調整することができる。但し、上記真空断熱構造体用外装袋は、後に断熱性材料を入れるための開口部を有している。すなわち、アルミニウム包装材により密封包装されている時点では、上記真空断熱構造体用外装袋自体は密封されていない。
上記加熱温度は、40℃以上であることが好ましく、特には50℃以上、更には70℃以上、殊には80℃以上であることが好ましい。加熱温度が低すぎると満足のいく水分率が得られなくなる傾向がある。なお、上限値は通常120℃である。加熱温度が高すぎるとシール層が融着してしまう傾向がある。
また、上記加熱時間は、0.5時間以上であることが好ましく、特には1〜96時間、更には3〜72時間であることが好ましい。加熱時間が短すぎるとフィルムの水分が充分除去できない傾向がある。また、フィルムの水分率が一定基準に達すると、それ以上加熱しても変化しない傾向がある。
上記乾燥剤としては、化合物の結晶水の一部あるいは全部を放出した状態の化合物あるいは無水化合物、例えば、1/2〜18水和物の一部あるいは全部を放出した状態の化合物あるいは無水化合物を用いることができる。かかる水和物としては、硫酸カルシウムの1/2水和物や塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム(2,4,6)水和物、硫酸銅5水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸アルミニウム18水和物などが挙げられる。中でも、このようなタイプの乾燥剤としては、例えば、無水塩化カルシウムや塩化カルシウム1水和物などを利用する塩化カルシウム系乾燥剤、あるいは塩化マグネシウム系乾燥剤、塩化スズ系乾燥剤、硫酸ナトリウム系乾燥剤などが挙げられる。
また乾燥剤として、特に周囲の水分と化学反応を起こすような乾燥剤、即ち、乾燥前と乾燥後で別の化合物となるような乾燥剤を用いることもできる。このようなタイプの乾燥剤としては、例えば、五酸化リン、酸化カルシウムなどが挙げられる。これらの化合物はそれぞれ水分と反応してリン酸、水酸化カルシウムなどに変化することで乾燥するものである。
これらの乾燥剤の包装方法としては、乾燥剤を粉末状あるいはフレーク状として、内部に存在させ包装することもできるし、乾燥剤だけを透過性の高い包装材で個別包装し、これを、多層フィルム[i]または多層フィルム[i]を用いて袋状に調製した真空断熱構造体用外装袋とともに包装することもできる。この場合の透過性の高い包装材としては紙、不織布、織布あるいはセロファンフィルムなどがあり、これらを単独あるいは複数を重ね合わせて利用することもできる。また、乾燥剤を紙や不織布等の表面に塗布するなどして、複合体として形成し、これをアルミニウム包装材にて包装することも可能である。
かかる乾燥剤の使用量としては、内部の多層フィルム[i](多層フィルム[i]を用いてなる真空断熱構造体用外装袋の場合も含む)100重量部に対して0.5〜50重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。乾燥剤が少なすぎると水分除去性が低下する傾向があり、多すぎると全体の体積が大きくなり輸送や収納が困難になる傾向がある。なお、本発明においては、上記乾燥剤以外のシリカゲルなどの従来より用いられる乾燥剤を併用してもよい。
なお、アルミニウム包装に用いる包装材としては、アルミ箔層を含む積層体であることが好ましい。アルニウム包装材の厚みは10〜1000μmであることが好ましく、特には30〜300μmであることが好ましい。
また、多層フィルム[I]の水分率を調整するに際しては、例えば、真空包装直前に乾燥する方法等も挙げられる。
本発明においては、多層フィルム[i]と乾燥剤とをアルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱した後、密封包装のまま保管または輸送することが好ましい。または、本発明においては、水分率を調整する前の多層フィルム[i]を用いて予め真空断熱構造体用外装体を作製し、得られた真空断熱構造体用外装袋と、乾燥剤とを、アルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱した後、密封包装のまま保管または輸送されることも好ましい。
上述の通り、アルニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱したものであれば、その後、その密封包装のまま保管または輸送することができ、開封後においても直ちに真空断熱構造体の製造に供すれば、特別な乾燥工程を必要とすることなく、真空断熱構造体用の外装袋として用いることができ、非常に有利である。
かくして本発明で用いられる水分率が0.3重量%以下の多層フィルム[I]が得られ、さらに、該多層フィルム[I]からなる真空断熱構造体用外装袋により、断熱性材料を密封包装することで真空断熱構造体を得ることができる。
更に本発明の真空断熱構造体においては、多層フィルム[I]が、ガスバリア性フィルム(B)を内側(断熱性材料側)にして断熱性材料が密封包装されていることが水蒸気の影響を受けにくくガスバリア性に優れ、断熱性能の維持に優れる点から好ましい。
また、必要に応じて、基材フィルム(A)やガスバリア性フィルム(B)には塗料層を設けることも、より薄い層構成において高いバリア性を得るという点で好ましい。塗料層は各フィルムのどちらの面に設けてもよく、蒸着層側の面及び該蒸着層とは反対側の面のどちらに設けてもよい。
塗料層を付与する場合においては、任意の塗料を選ぶことができるが、熱放射特性の点から、その塗料層の反射率が60%以上、特には80%以上であることが好ましく、色として白色、白銀色、銀色等が好適に用いられる。
塗料層の形成方法としては特に制限されないが、市販の塗料をグラビア印刷、オフセット印刷あるいはフレキソ印刷等の印刷法によって付与する方法が実用的である。
基材フィルム(A)やガスバリア性フィルム(B)と塗料層とのバインダーについても、特に限定されないが、バインダーにウレタン系硬化剤を配合しておく方が密着性の点から好ましい。
また、本発明で多層フィルム[I]の水蒸気透過度は、通常10g/m2/day以下であり、更には8g/m2/day以下であることが好ましい。多層フィルム[I]の水蒸気透過度が高すぎると過剰な水蒸気が多層フィルム内に取り込まれ、ひいてはガスバリア性フィルム(B)の水蒸気透過度まで低下させてしまうこととなり、多層フィルム全体の水蒸気透過度の低下をまねき、真空断熱構造体を構成した後に水蒸気が内部に侵入し性能を著しく低下させる傾向がある。
なお、水蒸気透過度は、JIS Z 0208に則して測定された23℃×90%RHでの値である。かかる水蒸気透過度は小さければ小さいほどよいが、通常下限値としては0.0000001g/m2/dayである。
また、多層フィルム[I]の酸素透過量は、23℃×50%RHの条件で、JIS K 7126(等圧法)に記載の方法に準じて測定した際の値が、通常1ml/(m2・day・atm)以下、好ましくは、0.1ml/(m2・day・atm)以下である。酸素透過量が高すぎると上記水蒸気と同様に真空断熱構造体を構成した後に窒素や酸素などの外気構成ガスが内部に侵入し性能を著しく低下させる傾向がある。
<真空断熱構造体>
次に、上記多層フィルム[I]により断熱性材料が密封包装されてなる本発明の真空断熱構造体について説明する。
かかる断熱性材料を包装するに当たって、その包装方法は、例えば、多層フィルム[I]を袋状に加工した外装袋を形成し、その中に断熱性材料を入れる方法等を用いることができる。
本発明において、多層フィルム[I]により、断熱性材料が密封包装される際の好ましい層構成としては、特に水蒸気の真空断熱構造体内部への侵入の可能性をより小さくするという点から、外層側(断熱性材料とは逆側)から、例えば、
(イ)保護フィルム(C)/接着剤層/(蒸着面側)基材フィルム(A)/接着剤層/(蒸着面側)ガスバリア性フィルム(B)/接着剤層/シール層(D)、
(ロ)保護フィルム(C)/接着剤層/基材フィルム(A)(蒸着面側)/接着剤層/(蒸着面側)ガスバリア性フィルム(B)/接着剤層/シール層(D)、
等をあげることができ、中でも水蒸気バリア性の点で(ロ)が好ましい。
また、各層の間に、更に、ガスバリア性フィルムや接着剤(または粘着剤)層等の他の層を有していてもよい。
多層フィルム[I]からなる外装袋に密封包装される断熱性材料としては、例えば、内部に連続気泡を有する高分子、あるいは無機物や金属の微粉末が好ましく用いられ、外装袋内部を真空引きしても形状を保持できるものである。外装袋内部を真空引きし、開口部を封止して用いるにあたり、断熱性材料の高分子が気泡を有していない、あるいは独立気泡を有するものであると、真空断熱構造体の断熱効果が低減し好ましくない。
かかる断熱性材料としては、具体的には、ウレタンフォーム、カーボンフォーム、フェノールフォーム、フェノール−ウレタンフォームなどの連続気泡を有する高分子、アルミナ、シリカ、パーライトなどの微粉末、グラスウール、ロックウール、ケイソウ土、ケイ酸カルシウムなどの成形体等を挙げることができる。
これらの中でも、グラスウールなどの繊維状断熱性材料、粒状酸化ケイ素、発泡樹脂体などの粒状断熱性材料が、外装袋内部を真空引きしても形状を保持できる点や、気泡を有しているため真空断熱構造体の断熱効果を保持することができる点で好ましい。
また、かかる断熱性材料には、水分により真空度の低下をまねく場合があるため、生石灰や塩化カルシウム、酸化カルシウム等の乾燥剤を混合して使用することも好ましい。
かかる断熱性材料を多層フィルム[I]からなる外装袋に入れ、真空包装し、真空断熱構造体を形成するわけであるが、断熱性材料を外装袋に入れる際に、断熱性材料は予め所定の形状(例えば、立方体、直方体など)に形成しておくことが、断熱性能や作業性の点で好ましい。
本発明においては、断熱性材料を多層フィルム[I]からなる外装袋に入れた状態で、減圧し、最後に袋の開口部をシールして閉じることで真空断熱構造体を得ることができる。該真空断熱構造体の真空度としては、特に制限されるわけではないが、100Pa以下が好ましく、更には10Pa以下が好ましく、特には5Pa以下が好ましい。
本発明においては、真空断熱構造体の形状、大きさは特に限定されるものではなく、目的に応じて決めればよい。例えば、かかる真空断熱構造体形状については、一つの真空断熱構造体に対し、多層フィルム[I]からなる外装袋が一つ含まれる形状でもよいし、一つの真空断熱構造体に対し、外装袋が複数個含まれる形状のものでもよい。
かかる外装袋が複数個含まれる形状である場合においては、外装袋部同士のつなぎ目になるシール部分が真空断熱構造体の中で厚みの薄い部分となり、真空断熱構造体を変形させた場合の変形の中心部となるため、真空断熱構造体が容易に変形することが可能となり好ましい。
更には、外的要因によって穴等が発生し、真空断熱構造体の真空性が失われてしまう場合にも、外装袋が複数個含まれる形状であると、断熱性の減少を最小限に留めることができ好ましい。
かかる真空断熱構造体の大きさに関しては、一般的に厚み5〜100mmで、縦と横が100〜1000mmの範囲の直方体状に加工される場合が多い。真空断熱構造体の体積が不必要に大きいと、外装袋に穴等の欠陥が発生した場合に性能を失う面積が大きくなり、真空断熱構造体を利用した最終商品の性能を低下させるおそれがあるため、適当な大きさとすることが好ましい。
かくして得られる本発明の真空断熱構造体は、優れた断熱性能を示し、更に、長期間使用した際にも断熱性能の経時安定性に優れたものとなり、クーラーボックス、ボトルケース等の生活用品、冷蔵庫、電気ポット、炊飯器等の生活家電、温水器、浴槽、ユニットバス、便座等の住宅設備、床暖房、太陽光屋根、低温輻射板等の住宅システム、外壁用断熱パネル等の住宅建材、等の断熱材として有効に用いることができる。とりわけ、これらの中でも、特に冷蔵庫用の断熱材として特に好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものでない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<実施例1>
以下のフィルムを用意した。
〔基材フィルム(A)〕
(アルミ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム(A−1))
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(a−1)(東洋紡社製、商品名「コスモシャイン」)の平滑な片方の面に、金属アルミニウムを真空蒸発させ、厚さ80nmのアルミ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム(A−1)を得た。
〔ガスバリア性フィルム(B)〕
(二軸延伸PVAフィルム(B−1))
ジャケット温度を60〜150℃に設定した二軸押出機型混練機(スクリューL/D=40)のホッパーからPVA(重合度1700、4重量%水溶液の粘度40mPa・s、ケン化度99.7モル%、酢酸ナトリウム含有量0.3%)と水をPVA/水の重量比40/60にて、定量ポンプにより供給し、混練し、吐出量500kg/hrの条件で吐出した。
この吐出物を直ちに一軸押出機(スクリューL/D=30)に圧送し、温度85〜140℃にて混練した後、Tダイより5℃のキャストロールに押出し、90℃の熱風乾燥機で30秒間乾燥し、含水率25%のPVAフィルム(厚み150μm)を作製した。引き続き、かかるPVAフィルムをMD方向に3.8倍延伸した後、テンターでTD方向に3.8倍延伸し、次いで180℃で8秒間熱固定し、二軸延伸PVAフィルム(厚み12μm)(B−1)を得た。
〔保護フィルム(C)〕
(二軸延伸ポリプロピレンフィルム(C−1))
厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(C−1)(東洋紡社製、商品名「パイレンOT」)を用意した。このフィルムの23℃×90%RHでの水蒸気透過度を測定したところ7.2g/m2/dayであった。
〔シール層(D)〕
(無延伸ポリプロピレンフィルム(D−1)
厚さ30μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製、商品名「パイレンCT」)を用意した。
上記各フィルムを用いて、下記の通り真空断熱構造体を作製した。
アルミ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム(A−1)の蒸着処理を施していない面に、接着剤用主剤「タケラックA626」(三井化学社製)17部と接着剤用硬化剤「タケネートA50」(三井化学社製)17部に酢酸エチルを66部混合したドライラミネート用接着剤を塗工量10g/m2となるようにメッシュ100μmのグラビアロールを使ったグラビアコーターによって塗布し、これを80℃に暖めた乾燥機中を通し、滞留時間12秒で、乾燥後塗工量を3.4g/m2とした後、ラミネート圧力3.5kg/cm2(0.35MPa)で、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(C−1)と貼り合わせ、多層フィルム(1)を得た。
次に、二軸延伸PVAフィルム(B−1)の表面に、接着剤用主剤「タケラックA626」(三井化学社製)17部と接着剤用硬化剤「タケネートA50」(三井化学社製)17部に酢酸エチルを66部混合したドライラミネート用接着剤を塗工量10g/m2となるようにメッシュ100μmのグラビアロールを使ったグラビアコーターによって塗布し、これを80℃に暖めた乾燥機中を通し、滞留時間20秒で、乾燥後塗工量を3.4g/m2とした後、ラミネート圧力3.5kg/cm2(0.35MPa)で、上記の多層フィルム(1)のアルミ蒸着ポリエステルフィルム(A−1)のアルミ蒸着を施した面と貼り合わせ、多層フィルム(2)を得た。
次に、上記で得られた多層フィルム(2)の二軸延伸PVAフィルム(B−1)の表面(蒸着ポリエステルフィルムが積層されていない面)に、接着剤用主剤「タケラックA626」(三井化学社製)17部と接着剤用硬化剤「タケネートA50」(三井化学社製)17部に酢酸エチルを66部混合したドライラミネート用接着剤を塗工量10g/m2となるようにメッシュ100μmのグラビアロールを使ったグラビアコーターによって塗布し、これを80℃に暖めた乾燥機中を通し、滞留時間12秒で、乾燥後塗工量を3.4g/m2とした後、ラミネート圧力3.5kg/cm2(0.35MPa)で、厚さ30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせ、多層フィルム[i−1]を得た。
得られた多層フィルム[i−1]を、30cm角のシートに裁断し、これを2枚用いて、その無延伸プロピレンフィルムの面同士を重ね合わせて、端部から10mmの幅で四辺の内三辺をシール温度130℃にてヒートシールすることで、三方シール包装袋(真空断熱構造体用外装袋)を得た。
(層構成=外側:二軸延伸ポリプロピレンフィルム/接着剤層/アルミ蒸着ポリエステルフィルム(蒸着面)/接着剤層/二軸延伸PVAフィルム/接着剤層/無延伸ポリプロピレンフィルム:内側)
上記で得られた真空断熱構造体用外装袋と、乾燥剤としての酸化カルシウム(大江化学工業社製、「ライム」)20g(多層フィルム[i−1]からなる真空断熱構造体用外装袋100部に対して10部に相当)とをアルミニウム箔の包装材料に密封包装し、80℃の温度環境下で2日間加熱を行い、その後、23℃×50%RH環境下に3時間放置した。アルミニウム箔の包装材料に密封包装して加熱乾燥し、徐冷した後の真空断熱構造体用外装袋中の多層フィルム[I−1]の水分率を下記の通り測定したところ、0.02%であった。
〔水分率の測定方法〕
多層フィルムの水分率は、三菱化学社製カールフィッシャー測定装置(水分気化装置:VA−100型、微量水分測定装置:CA−100型)を用いて、水分気化法−電量滴定法で測定を行った。なお、多層フィルムを4cm×1cmの短冊状に切り、10枚をボードに乗せ、加熱温度120℃で滴定継続時間を30分間として行った。
次に、上記で得られた真空断熱構造体用外装袋を用いて真空断熱構造体を作製した。即ち、市販の微細グラスウールを2kg/m2となるように積層し、これを630℃に加熱してから厚さ10mmになるまで荷重をかけて圧縮し、これを徐冷した後に20cm角に裁断して断熱性材料を得た。
上記で得られた断熱性材料をあらためて150℃の恒温槽に1時間放置して乾燥した。その後、外装袋に乾燥した断熱性材料を挿入し、更に、その三方シール包装袋の内縁部にポリプロピレンの不織布に入った生石灰乾燥剤3gを同封し、直ちに真空包装機に配置し、その真空包装機にて2Paの圧力で減圧封止し、真空断熱構造体を得た。
得られた真空断熱構造体について、以下の評価を行った。その評価結果を下記表1に示す。
(初期断熱性能)
得られた真空断熱構造体を20℃に保たれた恒温室内に24時間放置した後の熱伝導率を、熱伝導率測定装置(英弘精機社製、HC−074−304)にて測定し、初期断熱性能として評価した。
<実施例2〜5>
下記表1の通りアルミニウム包装後の加熱条件を変えた以外は実施例1と同様に行い真空断熱構造体を製造し、得られた真空断熱構造体について、実施例1と同様の評価を行った。
<比較例1>
実施例1で得られた多層フィルム[i−1]を用いて、アルミニウム包装を行わずそのまま、実施例1と同様に乾燥した断熱性材料を挿入し、更に、その三方シール包装袋の内縁部にポリプロピレンの不織布に入った生石灰乾燥剤3gを同封し、直ちに真空包装機に配置し、その真空包装機にて2Paの圧力で減圧封止し、真空断熱構造体を得た。得られた真空断熱構造体について、実施例1と同様の評価を行った。
上記の実施例及び比較例の評価結果を下記表1に示す。
Figure 2014142061
上記表1の結果から、真空断熱構造体の外装袋となる多層フィルムの層構成において、水分率が0.3重量%以下の多層フィルム[I]を用いた実施例の場合には、真空断熱構造体を製造する際に、予備乾燥を行う必要もなく真空断熱構造体を製造することができる。しかも、実施例は初期断熱性能に非常に優れたものであるのに対して、多層フィルムの水分率の多い比較例の場合においては、初期断熱性能に劣るものであり、実施例の真空断熱構造体のほうが優れているものであることがわかる。また、アルミニウム包装後の加熱条件においては、加熱温度が高いほど、また、加熱時間が長いほど、断熱性能に優れたものとなる。
なお、実施例と比較例における熱伝導率の差異については、単に数値だけを見る限りにおいては小さな数値の差であるが、現実的には、技術の高度化、要求性能の高まりの中において、レベルの高いものに対して更にほんの少しの数値を上げることが難しい状況であり、上記の差異は非常に大きな差異と言えるものである。
本発明の真空断熱構造体外装袋は、水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]からなるものであり、かかる外装袋を用いて得られる真空断熱構造体は、初期の断熱性能に優れ、更に、長期間使用した際にも断熱性能の経時安定性に優れた真空断熱構造体となり、クーラーボックス、ボトルケース等の生活用品、冷蔵庫、電気ポット、炊飯器等の生活家電、温水器、浴槽、ユニットバス、便座等の住宅設備、床暖房、太陽光屋根、低温輻射板等の住宅システム、外壁用断熱パネル等の住宅建材、等の断熱材として有効に用いることができ、とりわけ、これらの中でも、冷蔵庫用の断熱材として特に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]からなることを特徴とする真空断熱構造体用外装袋。
  2. 多層フィルム[I]が、基材フィルム(A)/ガスバリア性フィルム(B)の層構成を有することを特徴とする請求項1記載の真空断熱構造体用外装袋。
  3. 基材フィルム(A)が、ポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項2記載の真空断熱構造体用外装袋。
  4. ガスバリア性フィルム(B)が、ビニルアルコール系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項2または3記載の真空断熱構造体用外装袋。
  5. ビニルアルコール系樹脂フィルムが、二軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項4記載の真空断熱構造体用外装袋。
  6. 多層フィルム[I]が、基材フィルム(A)の外側に保護フィルム(C)を積層してなるものであることを特徴とする請求項2〜5いずれか一項に記載の真空断熱構造体用外装袋。
  7. 多層フィルム[I]が、ガスバリア性フィルム(B)の内側にシール層(D)を積層してなるものであることを特徴とする請求項2〜6いずれか一項に記載の真空断熱構造体用外装袋。
  8. 水分率が0.3重量%以下である多層フィルム[I]が、多層フィルム[i]と乾燥剤とをアルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱してなることにより得られる多層フィルムであることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の真空断熱構造体用外装袋。
  9. 請求項1〜8いずれか一項に記載の真空断熱構造体用外装袋を用いて、断熱性材料を密封包装してなることを特徴とする真空断熱構造体。
  10. 多層フィルム[i]からなる真空断熱構造体用外装袋と、乾燥剤とを、アルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱した後、密封包装のまま保管または輸送することを特徴とする真空断熱構造体用外装袋の保管または輸送方法。
  11. 多層フィルム[i]と、乾燥剤とを、アルミニウム包装材により密封包装した状態で、40℃以上の環境下にて加熱した後、密封包装のまま保管または輸送し、真空断熱構造体用外装袋の製造時に開封することを特徴とする真空断熱構造体用外装袋の製法。




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