以下に、本発明の実施形態に係る高周波信号線路及びこれを備えた電子機器について図面を参照しながら説明する。
(高周波信号線路の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る高周波信号線路10の外観斜視図である。図2ないし図7は、図1の高周波信号線路10の分解図である。なお、図4では、線路部12b,12f,12jを示しているが、線路部12b,12jは、図4に示す長さよりも実際には短い。ただし、線路部12b,12jの内部構造が線路部12fの内部構造と同じであるため、線路部12b,12jの分解斜視図として図4を援用している。図8は、図2のA−Aにおける断面構造図である。図9は、図2のB−Bにおける断面構造図である。図10は、高周波信号線路10の線路部12b〜12d,12f〜12hを平面視した図である。図11は、高周波信号線路10の線路部12d〜12f,12h〜12jを平面視した図である。以下では、高周波信号線路10の積層方向をz軸方向と定義する。また、高周波信号線路10の長手方向をx軸方向と定義し、x軸方向及びz軸方向に直交する方向をy軸方向と定義する。
高周波信号線路10は、例えば、携帯電話等の電子機器内において、2つの高周波回路を接続するために用いられる。高周波信号線路10は、図1ないし図7に示すように、誘電体素体12、外部端子16a,16b、信号線路20、基準グランド導体22、補助グランド導体24、ビアホール導体(層間接続部)b1,b2,B1〜B4及びコネクタ100a,100bを備えている。
誘電体素体12は、図1に示すように、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に長手方向を有する可撓性を有する板状部材であり、x軸方向の中央部分においてy軸方向に往復するミアンダ形状をなしている。誘電体素体12は、線路部12a〜12k、接続部12l,12mを含んでいる。誘電体素体12は、図2ないし図7に示すように、保護層14、誘電体シート18a〜18cがz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に積層されて構成されている積層体である。以下では、誘電体素体12のz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、誘電体素体12のz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
線路部12a〜12kは、図1に示すように、直線的に延在し、かつ、均一な幅を有する帯状をなしている。線路部12a,12kは、x軸方向に延在している。線路部12b〜12jは、z軸方向の正方向側から平面視したときに、線路部12aと線路部12kとの間において、1本に接続されることによりミアンダ形状をなしている。
線路部12bは、線路部12aのx軸方向の正方向側の端部からy軸方向の負方向側に向かって延在している。線路部12cは、線路部12bのy軸方向の負方向側の端部からx軸方向の正方向側に向かって延在している。線路部12dは、線路部12cのx軸方向の正方向側の端部からy軸方向の正方向側に向かって延在している。すなわち、線路部12dは、線路部12bに沿って延在している。線路部12eは、線路部12dのy軸方向の正方向側の端部からx軸方向の正方向側に向かって延在している。線路部12fは、線路部12eのx軸方向の正方向側の端部からy軸方向の負方向側に向かって延在している。すなわち、線路部12fは、線路部12dに沿って延在している。線路部12gは、線路部12fのy軸方向の負方向側の端部からx軸方向の正方向側に向かって延在している。線路部12hは、線路部12gのx軸方向の正方向側の端部からy軸方向の正方向側に向かって延在している。すなわち、線路部12hは、線路部12fに沿って延在している。線路部12iは、線路部12hのy軸方向の正方向側の端部からx軸方向の正方向側に向かって延在している。線路部12jは、線路部12iのx軸方向の正方向側の端部からy軸方向の負方向側に向かって延在している。すなわち、線路部12jは、線路部12hに沿って延在している。また、線路部12jのy軸方向の負方向側の端部は、線路部12kのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。なお、図1において、線路部12a〜12kの境界については、点線で示した。
以上のように、線路部12aと線路部12bとが接続されることにより、角C1が形成されている。線路部12bと線路部12cとが接続されることにより、角C2が形成されている。線路部12cと線路部12dとが接続されることにより、角C3が形成されている。線路部12dと線路部12eとが接続されることにより、角C4が形成されている。線路部12eと線路部12fとが接続されることにより、角C5が形成されている。線路部12fと線路部12gとが接続されることにより、角C6が形成されている。線路部12gと線路部12hとが接続されることにより、角C7が形成されている。線路部12hと線路部12iとが接続されることにより、角C8が形成されている。線路部12iと線路部12jとが接続されることにより、角C9が形成されている。線路部12jと線路部12kとが接続されることにより、角C10が形成されている。
接続部12lは、線路部12aのx軸方向の負方向側の端部に接続されており矩形状をなしている。接続部12lのy軸方向の幅は、線路部12aのy軸方向の幅よりも大きい。接続部12mは、線路部12kのx軸方向の正方向側の端部に接続されており矩形状をなしている。接続部12mのy軸方向の幅は、線路部12kのy軸方向の幅よりも大きい。
誘電体シート18a〜18cは、図2ないし図7に示すように、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12と同じ平面形状をなしている。誘電体シート18a〜18cは、ポリイミドや液晶ポリマー等の可撓性を有する熱可塑性樹脂により構成されている。以下では、誘電体シート18a〜18cのz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、誘電体シート18a〜18cのz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
誘電体シート18aの厚さT1は、図8及び図9に示すように、誘電体シート18bの厚さT2よりも大きい。誘電体シート18a〜18cの積層後において、厚さT1は、例えば、50〜300μmである。本実施形態では、厚さT1は100μmである。また、厚さT2は、例えば、10〜100μmである。本実施形態では、厚さT2は50μmである。
また、誘電体シート18aは、図2ないし図7に示すように、線路部18a−a〜18a−k及び接続部18a−l,18a−mにより構成されている。線路部18b−a〜18b−k及び接続部18b−l,18b−mにより構成されている。線路部18c−a〜18c−k及び接続部18c−l,18c−mにより構成されている。線路部18a−a,18b−a,18c−aは、線路部12aを構成している。線路部18a−b,18b−b,18c−bは、線路部12bを構成している。線路部18a−c,18b−c,18c−cは、線路部12cを構成している。線路部18a−d,18b−d,18c−dは、線路部12dを構成している。線路部18a−e,18b−e,18c−eは、線路部12eを構成している。線路部18a−f,18b−f,18c−fは、線路部12fを構成している。線路部18a−g,18b−g,18c−gは、線路部12gを構成している。線路部18a−h,18b−h,18c−hは、線路部12hを構成している。線路部18a−i,18b−i,18c−iは、線路部12iを構成している。線路部18a−j,18b−j,18c−jは、線路部12jを構成している。線路部18a−k,18b−k,18c−kは、線路部12kを構成している。接続部18a−l,18b−l,18c−lは、接続部12lを構成している。接続部18a−m,18b−m,18c−mは、接続部12mを構成している。
信号線路20は、図2ないし図7に示すように、高周波信号(電磁波)が伝送され、線路部12a〜12m及び接続部12l,12mが延在している方向に沿って延在している線状の導体である。本実施形態では、信号線路20は、誘電体シート18bの表面上に形成されており、線路導体20a〜20mにより構成されている。
線路導体20aは、線路部18b−aにおいてx軸方向に沿って延在しており、線路部18b−aのy軸方向の略中央に位置している。線路導体20bは、線路部18b−bにおいてy軸方向に沿って延在しており、線路部18b−bのx軸方向の略中央に位置している。線路導体20cは、線路部18b−cにおいてx軸方向に沿って延在しており、線路部18b−cのy軸方向の略中央に位置している。線路導体20dは、線路部18b−dにおいてy軸方向に沿って延在しており、線路部18b−dのx軸方向の略中央に位置している。線路導体20eは、線路部18b−eにおいてx軸方向に沿って延在しており、線路部18b−eのy軸方向の略中央に位置している。線路導体20fは、線路部18b−fにおいてy軸方向に沿って延在しており、線路部18b−fのx軸方向の略中央に位置している。線路導体20gは、線路部18b−gにおいてx軸方向に沿って延在しており、線路部18b−gのy軸方向の略中央に位置している。線路導体20hは、線路部18b−hにおいてy軸方向に沿って延在しており、線路部18b−hのx軸方向の略中央に位置している。線路導体20iは、線路部18b−iにおいてx軸方向に沿って延在しており、線路部18b−iのy軸方向の略中央に位置している。線路導体20jは、線路部18b−jにおいてy軸方向に沿って延在しており、線路部18b−jのx軸方向の略中央に位置している。線路導体20kは、線路部18b−kにおいてx軸方向に沿って延在しており、線路部18b−kのy軸方向の略中央に位置している。線路導体20a〜20kは、この順に並ぶように接続されている。
線路導体20lは、線路導体20aのx軸方向の負方向側の端部に接続されており、接続部18b−lにおいてx軸方向に沿って延在している。線路導体20lのx軸方向の負方向側の端部は、図2に示すように、接続部18b−lの略中央に位置している。線路導体20mは、線路導体20kのx軸方向の正方向側の端部に接続されており、接続部18b−mにおいてx軸方向に沿って延在している。線路導体20mのx軸方向の正方向側の端部は、図3に示すように、接続部18b−mの略中央に位置している。
信号線路20の線幅は、例えば、300μm〜700μmである。本実施形態では、信号線路20の線幅は300μmである。信号線路20は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。ここで、信号線路20が誘電体シート18bの表面に形成されているとは、誘電体シート18bの表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて信号線路20が形成されていることや、誘電体シート18bの表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて信号線路20が形成されていることを指す。また、信号線路20の表面には平滑化が施されるので、信号線路20が誘電体シート18bに接している面の表面粗さは信号線路20が誘電体シート18bに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
基準グランド導体22は、図2ないし図7に示すように、誘電体素体12において信号線路20よりもz軸方向の正方向側に設けられているベタ状の導体層である。より詳細には、基準グランド導体22は、誘電体シート18aの表面に形成され、誘電体シート18aを介して信号線路20と対向している。基準グランド導体22には、信号線路20と重なる位置には開口が設けられていない。高周波信号線路10の特性インピーダンスは、主に、信号線路20と基準グランド導体22との対向面積及び距離、並びに、誘電体シート18a〜18cの比誘電率に基づいて定まる。そこで、高周波信号線路10の特性インピーダンスを50Ωに設定する場合には、例えば、信号線路20と基準グランド導体22によって高周波信号線路10の特性インピーダンスが50Ωよりもやや高めの55Ωとなるように設計する。そして、信号線路20と基準グランド導体22と補助グランド導体24によって高周波信号線路10の特性インピーダンスが50Ωとなるように、後述する補助グランド導体24の形状を調整する。
基準グランド導体22は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。ここで、基準グランド導体22が誘電体シート18aの表面に形成されているとは、誘電体シート18aの表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて基準グランド導体22が形成されていることや、誘電体シート18aの表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて基準グランド導体22が形成されていることを指す。また、基準グランド導体22の表面には平滑化が施されるので、基準グランド導体22が誘電体シート18aに接している面の表面粗さは基準グランド導体22が誘電体シート18aに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
また、基準グランド導体22は、図2ないし図7に示すように、主要導体22a〜22k及び端子導体22l,22mにより構成されている。主要導体22aは、線路部18a−aの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体22bは、線路部18a−bの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体22cは、線路部18a−cの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体22dは、線路部18a−dの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体22eは、線路部18a−eの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体22fは、線路部18a−fの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体22gは、線路部18a−gの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体22hは、線路部18a−hの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体22iは、線路部18a−iの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体22jは、線路部18a−jの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体22kは、線路部18a−kの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体22a〜22kは、この順に並ぶように接続されている。
端子導体22lは、接続部18a−lの表面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子導体22lは、主要導体22aのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。端子導体22mは、接続部18a−mの表面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子導体22mは、主要導体22kのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
補助グランド導体24は、図2ないし図7に示すように、信号線路20よりもz軸方向の負方向側に設けられている。補助グランド導体24には、信号線路20に沿って並ぶ複数の開口30が設けられている。より詳細には、補助グランド導体24は、誘電体シート18cの表面に形成され、誘電体シート18bを介して信号線路20と対向している。補助グランド導体24は、シールドとしても機能するグランド導体である。以下では、補助グランド導体24のz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、基準グランド導体24のz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
補助グランド導体24は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。ここで、補助グランド導体24が誘電体シート18cの表面に形成されているとは、誘電体シート18cの表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて補助グランド導体24が形成されていることや、誘電体シート18cの表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて補助グランド導体24が形成されていることを指す。また、補助グランド導体24の表面には平滑化が施されるので、補助グランド導体24が誘電体シート18cに接している面の表面粗さは補助グランド導体24が誘電体シート18cに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
また、補助グランド導体24は、図2ないし図7に示すように、主要導体24a〜24k及び端子導体24l,24mにより構成されている。主要導体24aは、線路部18c−aの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体24bは、線路部18c−bの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体24cは、線路部18c−cの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体24dは、線路部18c−dの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体24eは、線路部18c−eの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体24fは、線路部18c−fの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体24gは、線路部18c−gの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体24hは、線路部18c−hの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体24iは、線路部18c−iの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体24jは、線路部18c−jの表面に設けられ、y軸方向に沿って延在している。主要導体24kは、線路部18c−kの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。主要導体24a〜24kは、この順に並ぶように接続されている。
端子導体24lは、接続部18c−lの表面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子導体24lは、主要導体24aのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。端子導体24mは、接続部18c−mの表面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子導体24mは、主要導体24kのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
また、主要導体24a〜24kには、図2ないし図7に示すように、信号線路20に沿ってに延在する長方形状をなす複数の開口30が設けられている。また、主要導体24a〜24eにおいて開口30に挟まれた部分をブリッジ部90と呼ぶ。ブリッジ部90は、信号線路20に直交する方向に延在している線状の導体である。これにより、主要導体24a〜24kは、梯子状をなしている。複数の開口30及び複数のブリッジ部90とは、z軸方向から平面視したときに、信号線路20に交互に重なっている。そして、本実施形態では、信号線路20は、開口30及びブリッジ部90を横切っている。
また、補助グランド導体24は、前記の通り、高周波信号線路10の特性インピーダンスが50Ωとなるように最終的な調整を行うために設計されている。更に、補助グランド導体24のブリッジ部90のx軸方向の間隔は、使用帯域内において輻射ノイズが発生しないように設計される。
以上のように、信号線路20は、基準グランド導体22及び補助グランド導体24によってz軸方向の両側から挟まれている。すなわち、信号線路20、基準グランド導体22及び補助グランド導体24は、トリプレート型のストリップライン構造をなしている。また、信号線路20と基準グランド導体22との間隔(z軸方向における距離)は、図8及び図9に示すように誘電体シート18aの厚さT1と略等しく、例えば、50μm〜300μmである。本実施形態では、信号線路20と基準グランド導体22との間隔は、100μmである。一方、信号線路20と補助グランド導体24との間隔(z軸方向における距離)は、図8及び図9に示すように誘電体シート18bの厚さT2と略等しく、例えば、10μm〜100μmである。本実施形態では、信号線路20と補助グランド導体24との間隔は、50μmである。すなわち、補助グランド導体24と信号線路20とのz軸方向における距離は、基準グランド導体22と信号線路20とのz軸方向における距離よりも小さくなるように設計されている。
外部端子16aは、図1及び図2に示すように、接続部18a−lの表面上の中央に形成されている矩形状の導体である。よって、外部端子16aは、z軸方向から平面視したときに、信号線路20の線路導体20lのx軸方向の負方向側の端部と重なっている。外部端子16bは、図1及び図3に示すように、接続部18a−mの表面上の中央に形成されている矩形状の導体である。よって、外部端子16bは、z軸方向から平面視したときに、信号線路20の線路導体20mのx軸方向の正方向側の端部と重なっている。
外部端子16a,16bは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。また、外部端子16a,16bの表面には、Ni/Auめっきが施されている。ここで、外部端子16a,16bが誘電体シート18aの表面に形成されているとは、誘電体シート18aの表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて外部端子16a,16bが形成されていることや、誘電体シート18aの表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて外部端子16a,16bが形成されていることを指す。また、外部端子16a,16bの表面には平滑化が施されるので、外部端子16a,16bが誘電体シート18aに接している面の表面粗さは外部端子16a,16bが誘電体シート18aに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
ビアホール導体b1は、図2に示すように、誘電体シート18aの接続部18a−lをz軸方向に貫通しており、外部端子16aと線路導体20lのx軸方向の負方向側の端部とを接続している。ビアホール導体b2は、図3に示すように、誘電体シート18aの接続部18a−mをz軸方向に貫通しており、外部端子16bと線路導体20mのx軸方向の正方向側の端部とを接続している。これにより、信号線路20は、外部端子16a,16b間に接続されている。ビアホール導体b1,b2は、誘電体シート18aに形成された貫通孔内に金属材料が充填されることによって形成されている。
複数のビアホール導体B1は、図2ないし図6に示すように、線路部18a−a,18a−b,18a−c,18a−d,18a−e,18a−f,18a−g,18a−h,18a−i,18a−j,18a−kをz軸方向に貫通している。複数のビアホール導体B1は、図2及び図3に示すように、線路部18a−a,18a−kにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の正方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B1は、図4に示すように、線路部18a−b,18a−f,18a−jにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の正方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B1は、図5に示すように、線路部18a−d,18a−hにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の負方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B1は、図6及び図7に示すように、線路部18a−c,18a−e,18a−g,18a−iにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の正方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。
複数のビアホール導体B2は、図2ないし図6に示すように、線路部18b−a,18b−b,18b−c,18b−d,18b−e,18b−f,18b−g,18b−h,18b−i,18b−j,18b−kをz軸方向に貫通している。複数のビアホール導体B2は、図2及び図3に示すように、線路部18b−a,18b−kにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の正方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B2は、図4に示すように、線路部18b−b,18b−f,18b−jにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の正方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B2は、図5に示すように、線路部18b−d,18b−hにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の負方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B2は、図6及び図7に示すように、線路部18b−c,18b−e,18b−g,18b−iにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の正方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。
ビアホール導体B1とビアホール導体B2とは、互いに接続されることによって1本のビアホール導体を構成しており、基準グランド導体22と補助グランド導体24とを接続している。ビアホール導体B1,B2は、誘電体シート18a,18bに形成された貫通孔内に金属材料が充填されることによって形成されている。
複数のビアホール導体B3は、図2ないし図6に示すように、線路部18a−a,18a−b,18a−c,18a−d,18a−e,18a−f,18a−g,18a−h,18a−i,18a−j,18a−kをz軸方向に貫通している。複数のビアホール導体B3は、図2及び図3に示すように、線路部18a−a,18a−kにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の負方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B3は、図4に示すように、線路部18a−b,18a−f,18a−jにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の負方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B3は、図5に示すように、線路部18a−d,18a−hにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の正方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B3は、図6及び図7に示すように、線路部18a−c,18a−e,18a−g,18a−iにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の負方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。
複数のビアホール導体B4は、図2ないし図6に示すように、線路部18b−a,18b−b,18b−c,18b−d,18b−e,18b−f,18b−g,18b−h,18b−i,18b−j,18b−kをz軸方向に貫通している。複数のビアホール導体B4は、図2及び図3に示すように、線路部18b−a,18b−kにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の負方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B4は、図4に示すように、線路部18b−b,18b−f,18b−jにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の負方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B4は、図5に示すように、線路部18b−d,18b−hにおいて、各ブリッジ部90よりもx軸方向の正方向側に設けられており、y軸方向に一列に並んでいる。また、複数のビアホール導体B4は、図6及び図7に示すように、線路部18b−c,18b−e,18b−g,18b−iにおいて、各ブリッジ部90よりもy軸方向の負方向側に設けられており、x軸方向に一列に並んでいる。
ビアホール導体B3とビアホール導体B4とは、互いに接続されることによって1本のビアホール導体を構成しており、基準グランド導体22と補助グランド導体24とを接続している。ビアホール導体B3,B4は、誘電体シート18a,18bに形成された貫通孔内に金属材料が充填されることによって形成されている。
ここで、ビアホール導体B1〜B4は、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の劣角側であって、かつ、角C1〜C10の二等分線上には設けられていない。本実施形態では、ビアホール導体B1〜B4は、誘電体素体12において角C1〜C10の二等分線上には設けられていない。以下に、角C2〜C9を例に挙げて説明する。
まず、劣角について説明する。劣角とは、線路部12a〜12kが接続されることにより形成される角C1〜C10において、小さい方(すなわち、180度以下)の角度を意味する。また、線路部12a〜12kが接続されることにより形成される角C1〜C10において、大きい方(すなわち、180度以下)の角度を優角とする。
図10に示すように、角C2,C6における角の二等分線を二等分線L1とする。角C2,C6では、二等分線L1における信号線路20よりも劣角側の部分(図10の太線部分)には、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。更に、本実施形態では、角C2,C6では、二等分線L1における信号線路20よりも優角側の部分にも、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
また、図10に示すように、角C3,C7における角の二等分線を二等分線L2とする。角C3,C7では、二等分線L2における信号線路20よりも劣角側の部分(図10の太線部分)には、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。更に、本実施形態では、角C3,C7では、二等分線L2における信号線路20よりも優角側の部分にも、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
図11に示すように、角C4,C8における角の二等分線を二等分線L3とする。角C4,C8では、二等分線L3における信号線路20よりも劣角側の部分(図11の太線部分)には、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。更に、本実施形態では、角C4,C8では、二等分線L3における信号線路20よりも優角側の部分にも、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
また、図11に示すように、角C5,C9における角の二等分線を二等分線L4とする。角C5,C9では、二等分線L4における信号線路20よりも劣角側の部分(図11の太線部分)には、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。更に、本実施形態では、角C5,C9では、二等分線L4における信号線路20よりも優角側の部分にも、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
ここで、図10に示すように、線路部12b,12fにおいて二等分線L1に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Baと呼ぶ。また、線路部12c,12gにおいて二等分線L1に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bbと呼ぶ。更に、信号線路20においてビアホール導体Baに最も近接している部分を部分Paとする。信号線路20においてビアホール導体Bbに最も近接している部分を部分Pbとする。このとき、部分Paと部分Pbとの間の信号線路20の長さLaは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。例えば、高周波信号の周波数が2GHzである場合には、部分Paと部分Pbとの間の信号線路20の長さLaは、高周波信号の1/4以下である場合には0.0375m以下である。
また、図10に示すように、線路部12c,12gにおいて二等分線L2に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bcと呼ぶ。また、線路部12d,12hにおいて二等分線L2に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bdと呼ぶ。更に、信号線路20においてビアホール導体Bcに最も近接している部分を部分Pcとする。信号線路20においてビアホール導体Bdに最も近接している部分を部分Pdとする。このとき、部分Pcと部分Pdとの間の信号線路20の長さLbは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。
また、図11に示すように、線路部12d,12hにおいて二等分線L3に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Beと呼ぶ。また、線路部12e,12iにおいて二等分線L3に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bfと呼ぶ。更に、信号線路20においてビアホール導体Beに最も近接している部分を部分Peとする。信号線路20においてビアホール導体Bfに最も近接している部分を部分Pfとする。このとき、部分Peと部分Pfとの間の信号線路20の長さLcは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。
また、図11に示すように、線路部12e,12iにおいて二等分線L4に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bgと呼ぶ。また、線路部12f,12jにおいて二等分線L4に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bhと呼ぶ。更に、信号線路20においてビアホール導体Bgに最も近接している部分を部分Pgとする。信号線路20においてビアホール導体Bhに最も近接している部分を部分Phとする。このとき、部分Pgと部分Phとの間の信号線路20の長さLdは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。
更に、部分Pbと部分Pcとの間の信号線路20の長さLeは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。同様に、部分Pfと部分Pgとの間の信号線路20の長さLfは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。
保護層14は、誘電体シート18aの表面の略全面を覆っている絶縁膜である。これにより、保護層14は、基準グランド導体22を覆っている。保護層14は、例えば、レジスト材等の可撓性樹脂からなる。
また、保護層14は、図2に示すように、線路部14a〜14k及び接続部14l,14mにより構成されている。線路部14a〜14kは、線路部18a−a〜18a−kの表面の全面を覆うことにより、主要導体22a〜22kを覆っている。
接続部14lは、線路部14aのx軸方向の負方向側の端部に接続されており、接続部18a−lの表面を覆っている。ただし、接続部14lには、開口Ha〜Hdが設けられている。開口Haは、接続部14lの中央に設けられている矩形状の開口である。外部端子16aは、開口Haを介して外部に露出している。また、開口Hbは、開口Haよりもy軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hcは、開口Haよりもx軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hdは、開口Haよりもy軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。端子導体22lは、開口Hb〜Hdを介して外部に露出することにより、外部端子として機能する。
接続部14mは、線路部14kのx軸方向の正方向側の端部に接続されており、接続部18a−mの表面を覆っている。ただし、接続部14mには、開口He〜Hhが設けられている。開口Heは、接続部14mの中央に設けられている矩形状の開口である。外部端子16bは、開口Heを介して外部に露出している。また、開口Hfは、開口Heよりもy軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hgは、開口Heよりもx軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hhは、開口Heよりもy軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。端子導体22mは、開口Hf〜Hhを介して外部に露出することにより、外部端子として機能する。
以上のように構成された高周波信号線路10では、信号線路20の特性インピーダンスは、インピーダンスZ1とインピーダンスZ2との間を周期的に変動する。より詳細には、信号線路20において開口30と重なっている部分では、信号線路20と基準グランド導体22及び補助グランド導体24との間に相対的に小さな容量が形成される。そのため、信号線路20において開口30と重なっている部分の特性インピーダンスは、相対的に高いインピーダンスZ1となる。
一方、信号線路20においてブリッジ部90と重なっている部分では、信号線路20と基準グランド導体22及び補助グランド導体24との間に相対的に大きな容量が形成される。そのため、信号線路20においてブリッジ部90と重なっている部分の特性インピーダンスは、相対的に低いインピーダンスZ2となる。そして、開口30とブリッジ部90とは信号線路20に沿って交互に並んでいる。そのため、信号線路20の特性インピーダンスは、インピーダンスZ1とインピーダンスZ2との間を周期的に変動する。インピーダンスZ1は、例えば、55Ωであり、インピーダンスZ2は、例えば、45Ωである。そして、信号線路20全体の平均の特性インピーダンスは、例えば、50Ωである。
コネクタ100a,100bはそれぞれ、図1に示すように、接続部12l,12mの表面上に実装される。コネクタ100a,100bの構成は同じであるので、以下にコネクタ100bの構成を例に挙げて説明する。図12は、高周波信号線路10のコネクタ100bの外観斜視図である。図13は、高周波信号線路10のコネクタ100bの断面構造図である。
コネクタ100bは、図12及び図13に示すように、コネクタ本体102、外部端子104,106、中心導体108及び外部導体110により構成されている。コネクタ本体102は、矩形状の板部材に円筒部材が連結された形状をなしており、樹脂等の絶縁材料により作製されている。
外部端子104は、コネクタ本体102の板部材のz軸方向の負方向側の面において、外部端子16bと対向する位置に設けられている。外部端子106は、コネクタ本体102の板部材のz軸方向の負方向側の面において、開口Hf〜Hhを介して露出している端子導体22mに対応する位置に設けられている。
中心導体108は、コネクタ本体102の円筒部材の中心に設けられており、外部端子104と接続されている。中心導体108は、高周波信号が入力又は出力する信号端子である。外部導体110は、コネクタ本体102の円筒部材の内周面に設けられており、外部端子106と接続されている。外部導体110は、接地電位に保たれるグランド端子である。
以上のように構成されたコネクタ100bは、図12に示すように、外部端子104が外部端子16bと接続され、外部端子106が端子導体22mと接続されるように、接続部12mの表面上に実装される。これにより、信号線路20は、中心導体108に電気的に接続されている。また、基準グランド導体22及び補助グランド導体24は、外部導体110に電気的に接続されている。
高周波信号線路10は、以下に説明するように用いられる。図14は、高周波信号線路10が用いられた電子機器200をy軸方向から平面視した図である。図15は、高周波信号線路10が用いられた電子機器200をz軸方向から平面視した図である。
高周波信号線路10は、図14及び図15に示すように、電子機器200に用いられる。電子機器200は、高周波信号線路10、回路基板202a,202b、レセプタクル204a,204b、バッテリーパック(金属体)206及び筐体210を備えている。
筐体210は、高周波信号線路10、回路基板202a,202b、レセプタクル204a,204b及びバッテリーパック206を収容している。回路基板202aには、例えば、アンテナを含む送信回路又は受信回路が設けられている。回路基板202bには、例えば、給電回路が設けられている。バッテリーパック206は、例えば、リチウムイオン2次電池であり、その表面が金属カバーにより覆われた構造を有している。回路基板202a、バッテリーパック206及び回路基板202bは、x軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並んでいる。
レセプタクル204a,204bはそれぞれ、回路基板202a,202bのz軸方向の負方向側の主面上に設けられている。レセプタクル204a,204bにはそれぞれ、コネクタ100a,100bが接続される。これにより、コネクタ100a,100bの中心導体108には、回路基板202a,202b間を伝送される例えば2GHzの周波数を有する高周波信号がレセプタクル204a,204bを介して印加される。また、コネクタ100a,100bの外部導体110には、回路基板202a,202b及びレセプタクル204a,204bを介して、グランド電位に保たれる。これにより、高周波信号線路10は、回路基板202a,202b間を接続している。
ここで、誘電体素体12の表面(より正確には、保護層14)は、バッテリーパック206に対して接触している。そして、誘電体素体12とバッテリーパック206とは、接着剤等により固定されている。誘電体素体12の表面は、信号線路20に関して基準グランド導体22側に位置する主面である。よって、信号線路20とバッテリーパック206との間には、ベタ状の基準グランド導体22が位置している。
ところで、高周波信号線路10を回路基板202a,202bに取り付ける際には、コネクタ100aをx軸方向の負方向側に引っ張り、コネクタ100bをx軸方向の正方向側に引っ張る。これにより、誘電体素体12がx軸方向に延びる。その結果、引っ張られた状態のコネクタ100a,100b間の距離は、引っ張られていない状態のコネクタ100a,100b間の距離よりも長くなる。すなわち、高周波信号線路10の長さを調整することができる。よって、コネクタ100a,100bをレセプタクル204a,204bに容易に装着することが可能となる。
(高周波信号線路の製造方法)
以下に、高周波信号線路10の製造方法について図2ないし図7を参照しながら説明する。以下では、一つの高周波信号線路10が作製される場合を例にとって説明するが、実際には、大判の誘電体シートが積層及びカットされることにより、同時に複数の高周波信号線路10が作製される。
まず、表面上の全面に銅箔(金属膜)が形成された熱可塑性樹脂からなる誘電体シート18a〜18cを準備する。具体的には、誘電体シート18a〜18cの表面に銅箔を張り付ける。更に、誘電体シート18a〜18cの銅箔の表面に、例えば、防錆のための亜鉛鍍金を施して、平滑化する。誘電体シート18a〜18cは、液晶ポリマーである。また、銅箔の厚さは、10μm〜20μmである。
次に、誘電体シート18aの表面上に形成された銅箔をパターニングすることにより、図2ないし図7に示す外部端子16a,16b及び基準グランド導体22を誘電体シート18aの表面上に形成する。具体的には、誘電体シート18aの表面の銅箔上に、図2ないし図7に示す外部端子16a,16b及び基準グランド導体22と同じ形状のレジストを印刷する。そして、銅箔に対してエッチング処理を施すことにより、レジストにより覆われていない部分の銅箔を除去する。その後、レジスト除去液を吹き付けてレジストを除去する。これにより、図2ないし図7に示すような、外部端子16a,16b及び基準グランド導体22が誘電体シート18aの表面上にフォトリソグラフィ工程により形成される。
次に、図2ないし図7に示す信号線路20を誘電体シート18bの表面上に形成する。更に、図2ないし図7に示す補助グランド導体24を誘電体シート18cの表面に形成する。なお、信号線路20及び補助グランド導体24の形成工程は、外部端子16a,16b及び基準グランド導体22の形成工程と同じであるので説明を省略する。
次に、誘電体シート18a,18bのビアホール導体b1,b2,B1〜B4が形成される位置にレーザービームを照射することによって貫通孔を形成する。そして、貫通孔に導電性ペーストを充填し、ビアホール導体b1,b2,B1〜B4を形成する。
次に、誘電体シート18a〜18cをz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に積み重ねて誘電体素体12を形成する。そして、誘電体シート18a〜18cに対してz軸方向の正方向側及び負方向側から熱及び圧力を加えることにより、誘電体シート18a〜18cを一体化する。
次に、樹脂(レジスト)ペーストをスクリーン印刷により塗布することにより、誘電体シート18aの表面上に基準グランド導体22を覆う保護層14を形成する。
最後に、接続部12l,12m上の外部端子16a,16b及び端子導体22l,22m上にはんだを用いてコネクタ100a,100bを実装する。これにより、図1に示す高周波信号線路10が得られる。
(効果)
以上のように構成された高周波信号線路10によれば、ビアホール導体B1〜B4が破損することを抑制できる。より詳細には、高周波信号線路10が回路基板202a,202bに取り付けられる際には、コネクタ100aがx軸方向の負方向側に引っ張られ、コネクタ100bがx軸方向の正方向側に引っ張られる。この際、角C1〜C10の劣角が広がるように誘電体素体12が変形する。特に、角C1〜C10において、二等分線L1〜L4における信号線路20よりも劣角側の部分(図10及び図11の太線部分)では、誘電体素体12が二等分線L1〜L4に直交する方向に引っ張られて大きく変形する。そこで、高周波信号線路10では、ビアホール導体B1〜B4は、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の劣角側であって、かつ、角C1〜C10の二等分線L1〜L4上には設けられていない。これにより、ビアホール導体B1〜B4が破損することが抑制される。その結果、高周波信号線路10の電気的特性が変化することが抑制される。
また、高周波信号線路10によれば、以下の理由によっても、ビアホール導体B1〜B4が破損することを抑制できる。角C1〜C10の劣角が広がるように誘電体素体12が変形すると、角C1〜C10において、二等分線L1〜L4における信号線路20よりも優角側の部分では、誘電体素体12が二等分線L1〜L4に直交する方向に圧縮されて変形する。そこで、高周波信号線路10では、ビアホール導体B1〜B4は、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の優角側であって、かつ、角C1〜C10の二等分線L1〜L4上には設けられていない。これにより、ビアホール導体B1〜B4が破損することが抑制される。
また、高周波信号線路10によれば、薄型化を図ることができる。より詳細には、高周波信号線路10では、補助グランド導体24には開口30が設けられている。これにより、信号線路20と補助グランド導体24との間に容量が形成されにくくなる。したがって、信号線路20と補助グランド導体24とのz軸方向における距離を小さくしても、信号線路20と補助グランド導体24との間に形成される容量が大きくなり過ぎない。よって、信号線路20の特性インピーダンスが所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)からずれにくい。その結果、高周波信号線路10によれば、信号線路20の特性インピーダンスを所定の特性インピーダンスに維持しつつ、薄型化を図ることが可能である。
また、高周波信号線路10によれば、高周波信号線路10がバッテリーパック206のような金属体に貼り付けられた場合に、信号線路20の特性インピーダンスが変動することが抑制される。より詳細には、高周波信号線路10は、信号線路20とバッテリーパック206との間にベタ状の基準グランド導体22が位置するように、バッテリーパック206に貼り付けられる。これにより、信号線路20とバッテリーパック206とが開口を介して対向しなくなり、信号線路20とバッテリーパック206との間に容量が形成されることが抑制される。その結果、高周波信号線路10がバッテリーパック206に貼り付けられることによって、信号線路20の特性インピーダンスが低下することが抑制される。
また、高周波信号線路10によれば、角C2〜C9からx軸方向及びy軸方向にノイズが放射されることが抑制される。以下に、角C2を例に挙げて説明する。図10に示すように、線路部12bにおいて二等分線L1に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Baと呼ぶ。また、線路部12cにおいて二等分線L1に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bbと呼ぶ。更に、信号線路20においてビアホール導体Baに最も近接している部分を部分Paとする。信号線路20においてビアホール導体Bbに最も近接している部分を部分Pbとする。
部分Pa,Pbでは、信号線路20にビアホール導体Ba,Bbが近接しているので、これらの間において容量が形成されている。そのため、部分Pa,Pbにおける信号線路20の特性インピーダンスは、部分Paと部分Pbとの間における信号線路20の特性インピーダンスよりも低い。よって、部分Pa,Pbにおいて高周波信号の反射が発生し、部分Paと部分Pbとの間において部分Pa,Pbを腹とする定在波が発生する。このような定在波は、ノイズの原因となるおそれがある。
そこで、高周波信号線路10では、部分Paと部分Pbとの間の信号線路20の長さLaは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下である。これにより、部分Paと部分Pbとの間において定在波が発生することが抑制される。その結果、角C2からx軸方向及びy軸方向にノイズが放射されることが抑制される。
また、高周波信号線路10では、線路部12c,12g,12e,12iからノイズが放射されることが抑制される。より詳細には、高周波信号線路10では、部分Pbと部分Pcとの間の信号線路20の長さLeは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下である。同様に、部分Pfと部分Pgとの間の信号線路20の長さLfは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下である。また、部分Pbと部分Pcとの間、及び、部分Pfと部分Pgとの間には、ビアホール導体が設けられていない。よって、部分Pbと部分Pcとの間の信号線路20、及び、部分Pfと部分Pgとの間の信号線路20において、定在波が発生しにくい。その結果、線路部12c,12g,12e,12iからノイズが放射されることが抑制される。
また、高周波信号線路10では、角C2〜C9において、信号線路20を伝送される高周波信号にノイズが混入することが抑制される。以下に、角C2を例に挙げて説明する。
信号線路20はz軸方向の両側から基準グランド導体22と補助グランド導体24とにより挟まれているので、信号線路20からz軸方向にノイズが放射されることが抑制されている。一方、信号線路20のx軸方向又はy軸方向には、ビアホール導体しか存在しない。そのため、信号線路20からx軸方向又はy軸方向にノイズが放射されやすい。
ここで、角C2では、線路部12bの線路導体20bと線路部12cの線路導体20cとが近接する。そのため、図10の矢印Mに示すように、線路部12bからx軸方向又はy軸方向にノイズが放射されると、信号線路12cを伝送される高周波信号にノイズが混入するおそれがある。同様に、図10の矢印Mに示すように、線路部12cからx軸方向又はy軸方向にノイズが放射されると、信号線路12bを伝送される高周波信号にノイズが混入するおそれがある。その結果、線路部12bと線路部12cとが電磁界結合し、伝送ロスが発生するおそれがある。
そこで、高周波信号線路10では、部分Paと部分Pbとの間の信号線路20の長さLaは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/4以下である。これにより、部分Paと部分Pbとの間において、信号線路20を伝送される高周波信号の2倍以下の周波数を有する定在波が発生することが抑制される。例えば、信号線路20を伝送される高周波信号の周波数が2GHzである場合には、4GHz以下の定在波が発生することが抑制される。信号線路20を伝送される高周波信号の周波数が2GHzである場合には、一般的に、信号線路20には1GHz〜3GHzの帯域幅を有する高周波信号が伝送される。よって、4GHz以下の定在波の発生が抑制されることにより、信号線路20を伝送される高周波信号の帯域内の周波数を有するノイズの発生が抑制されることになる。その結果、高周波信号線路10では、角C2において、信号線路20を伝送される高周波信号にノイズが混入することが抑制される。
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図16は、第1の変形例に係る高周波信号線路10aの線路部12b〜12d,12f〜12hを平面視した図である。なお、第1の変形例に係る高周波信号線路10aの外観斜視図については図1を援用する。
高周波信号線路10aは、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の優角側であって、かつ、角C1〜C10の二等分線L1〜L4上にビアホール導体B1〜B4が設けられている点において高周波信号線路10と相違する。なお、高周波信号線路10aのその他の構成は、高周波信号線路10と同じであるので説明を省略する。
誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の優角側に発生する応力は、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の劣角側に発生する応力よりも小さい。そのため、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の優角側では、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の劣角側よりも、ビアホール導体B1〜B4が破損しにくい。そこで、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において信号線路20よりも角C1〜C10の優角側であって、かつ、角C1〜C10の二等分線L1〜L4上にはビアホール導体B1〜B4が設けられていてもよい。
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図17は、第2の変形例に係る高周波信号線路10bを平面視した図である。図17において、線路部12a,12bの境界については点線で示した。
高周波信号線路10bは、誘電体素体12の形状において高周波信号線路10と相違する。なお、高周波信号線路10bのその他の構成は、高周波信号線路10と同じであるので説明を省略する。
高周波信号線路10bでは、誘電体素体12は、線路部12a,12b及び接続部12l,12mにより構成されている。線路部12aは、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の正方向側に進行するように、x軸に対して傾斜している。線路部12bは、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の負方向側に進行するように、x軸方向に対して傾斜している。線路部12aと線路部12bとは、互いに接続されることにより、角C11を形成している。そして、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において角C11の二等分線L11上にはビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
以上のように構成された高周波信号線路10bにおいても、ビアホール導体B1〜B4が破損することが抑制される。
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図18は、第3の変形例に係る高周波信号線路10cを平面視した図である。図18において、線路部12a〜12gの境界については点線で示した。
高周波信号線路10cは、誘電体素体12の形状において高周波信号線路10と相違する。なお、高周波信号線路10cのその他の構成は、高周波信号線路10と同じであるので説明を省略する。
高周波信号線路10bでは、誘電体素体12は、線路部12a〜12g及び接続部12l,12mにより構成されている。線路部12aは、x軸方向に延在している。線路部12b〜12fは、y軸方向に往復するジグザグ形状をなしている。より詳細には、線路部12bは、線路部12aのx軸方向の正方向側の端部から、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の負方向側に進行するように、x軸に対して傾斜している。線路部12cは、線路部12bのx軸方向の正方向側の端部から、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の正方向側に進行するように、x軸方向に対して傾斜している。線路部12dは、線路部12cのx軸方向の正方向側の端部から、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の負方向側に進行するように、x軸に対して傾斜している。線路部12eは、線路部12dのx軸方向の正方向側の端部から、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の正方向側に進行するように、x軸方向に対して傾斜している。線路部12fは、線路部12eのx軸方向の正方向側の端部から、x軸方向の正方向側に進行しながらy軸方向の負方向側に進行するように、x軸に対して傾斜している。
また、線路部12a〜12gは、互いに接続されることにより、角を形成している。そして、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において角の二等分線上にはビアホール導体B1〜B4が設けられていない。線路部12c,12dがなす角C12を例に挙げて説明する。
図18に示すように、角C12における角の二等分線を二等分線L12とする。角C12では、二等分線L12における信号線路20よりも劣角側の部分(図18の太線部分)には、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。更に、本実施形態では、角C12では、二等分線L12における信号線路20よりも優角側の部分にも、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
以上のように構成された高周波信号線路10cにおいても、ビアホール導体B1〜B4が破損することが抑制される。
(第4の変形例)
以下に、第4の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図19は、第4の変形例に係る高周波信号線路10dを平面視した図である。図19において、線路部12a〜12cの境界については点線で示した。
高周波信号線路10dは、誘電体素体12の形状において高周波信号線路10と相違する。なお、高周波信号線路10dのその他の構成は、高周波信号線路10と同じであるので説明を省略する。
高周波信号線路10dでは、誘電体素体12は、線路部12a〜12c及び接続部12l,12mにより構成されている。線路部12a,12cは、x軸方向に延在している。線路部12bは、y軸方向の正方向側に向かって突出する半円形状をなしている。線路部12bのx軸方向の負方向側の端部は、線路部12aのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。線路部12bのx軸方向の正方向側の端部は、線路部12cのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。
また、線路部12a〜12cは、互いに接続されることにより、角を形成している。そして、z軸方向から平面視したときに、誘電体素体12において角の二等分線上にはビアホール導体B1〜B4が設けられていない。線路部12a,12bがなす角C13を例に挙げて説明する。
図19に示すように、線路部12bは、曲線をなしている。そのため、線路部12aと線路部12bとが形成している角C13の二等分線L13は、線路部12aと線路部12bの角C13における接線L20とがなす角の二等分線である。そして、角C13では、二等分線L13における信号線路20よりも劣角側の部分(図19の太線部分)には、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。更に、本実施形態では、角C13では、二等分線L13における信号線路20よりも優角側の部分にも、ビアホール導体B1〜B4が設けられていない。
以上のように構成された高周波信号線路10dにおいても、ビアホール導体B1〜B4が破損することが抑制される。
(第5の変形例)
以下に、第5の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図20は、第5の変形例に係る高周波信号線路10eを平面視した図である。図20において、線路部12b〜12d,12f〜12hの境界については点線で示した。
高周波信号線路10eでは、図20に示すように、角C4,C5,C8,C9が曲線により構成されていてもよい。なお、図示を省略するが、角C1〜C3,C6,C7,C10も曲線により構成されていてもよい。
(第6の変形例)
以下に、第6の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図21は、第6の変形例に係る高周波信号線路10fの線路部12b〜12d,12f〜12hを平面視した図である。高周波信号線路10fの外観斜視図は、図1を援用する。
高周波信号線路10fは、角C2,C6,C3,C7近傍において信号線路20がビアホール導体により挟まれていない点において高周波信号線路10と相違する。より詳細には、線路部12b,12fでは、角C2,C6近傍のビアホール導体B3,B4が設けられていない。線路部12c,12gでは、角C2,C3,C6,C7近傍のビアホール導体B1,B2が設けられていない。線路部12d,12hでは、角C3,C7近傍のビアホール導体B3,B4が設けられていない。
高周波信号線路10fでは、高周波信号線路10とは異なり、ビアホール導体Bb,Bcは、線路部12c,12gのビアホール導体B3,B4となる。また、高周波信号線路10fでは、高周波信号線路10と同じように、ビアホール導体Baは、線路部12b,12fのビアホール導体B1となり、ビアホール導体Bdは、線路部12d,12hのビアホール導体B2となる。そして、高周波信号線路10fでは、高周波信号線路10と同様に、部分Paと部分Pbとの間の信号線路20の長さLaは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。
なお、線路部12d〜12f,12h〜12jも、線路部12b〜12d,12f〜12hと同じ構造を有しているが、図示及び説明を省略する。
以上のような高周波信号線路10fにおいても、高周波信号線路10と同様に、ノイズの放射を抑制することができる。
また、高周波信号線路10fにおいても、高周波信号線路10と同様に、信号線路20を伝送される高周波信号にノイズが混入することが抑制される。
(第7の変形例)
以下に、第7の変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図22は、第7の変形例に係る高周波信号線路10gの線路部12b〜12d,12f〜12hを平面視した図である。高周波信号線路10gの外観斜視図は、図1を援用する。
高周波信号線路10gは、線路部12c,12e,12g,12iにビアホール導体B1〜B4が設けられていない点において高周波信号線路10と相違する。この場合、図22に示すように、線路部12b,12fにおいて二等分線L1に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Baと呼ぶ。また、線路部12d,12hにおいて二等分線L2に対して最も近くに設けられているビアホール導体をビアホール導体Bdと呼ぶ。更に、信号線路20においてビアホール導体Baに最も近接している部分を部分Paとする。信号線路20においてビアホール導体Bdに最も近接している部分を部分Pdとする。このとき、部分Paと部分Pdとの間の信号線路20の長さLxは、信号線路20を伝送される高周波信号の波長の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましい。
なお、線路部12d〜12f,12h〜12jも、線路部12b〜12d,12f〜12hと同じ構造を有しているが、図示及び説明を省略する。
以上のような高周波信号線路10gにおいても、高周波信号線路10と同様に、角C2〜C9及び線路部12c,12g,12e,12iからのノイズの放射を抑制することができる。
以上のような高周波信号線路10gにおいても、高周波信号線路10と同様に、信号線路20を伝送される高周波信号にノイズが混入することが抑制される。
(その他の実施形態)
本発明に係る高周波信号線路は、高周波信号線路10,10a〜10gに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
なお、高周波信号線路10,10a〜10gの構成を組み合わせてもよい。
保護層14は、スクリーン印刷によって形成されているが、フォトリソグラフィ工程によって形成されてもよい。
なお、高周波信号線路10,10a〜10gにおいて、コネクタ100a,100bが実装されていなくてもよい。この場合、高周波信号線路10,10a〜10gの端部と回路基板とがはんだ等によって接続される。なお、高周波信号線路10,10a〜10gの一方の端部のみにコネクタ100aが実装されてもよい。
また、高周波信号線路10dにおいて、線路部12aも曲線であってもよい。この場合、角C13の二等分線L13は、線路部12aの角C13における接線と線路部12bの角C13における接線L20とがなす角の二等分線である。
なお、ビアホール導体の代わりに、スルーホール導体が用いられてもよい。スルーホール導体とは、誘電体素体12に設けられた貫通孔の内周面にめっき等の手段により導体を形成した層間接続部である。
なお、補助グランド導体24には開口30が設けられていなくてもよい。
なお、角は、高周波信号線路10,10a〜10gを伸縮可能に構成するために設けられるのではなく、高周波信号線路10,10a〜10gを電子機器200内の隙間を引き回すために設けられていてもよい。
なお、ビアホール導体B1〜B4は、線路部12a〜12kの全てに設けられている必要はなく、少なくとも1つの線路部にのみ設けられていてもよい。ただし、ビアホール導体B1〜B4は、グランド電位の安定化のために、線路部12a〜12kの全てに設けられていることが好ましい。
なお、高周波信号線路10,10a〜10gは、アンテナフロントエンドモジュールなどRF回路基板における高周波信号線路として用いられてもよい。