JP2010028306A - 伝送線路および伝送システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体基板1と、誘電体基板1に設けられた信号線2と、誘電体基板1の上面および下面に設けられた接地導体3b,3aと、誘電体基板1を貫通するように設けられ、接地導体3a,3b間を電気的に接続するGNDビア4とを備え、GNDビア4は信号線2に沿ってその両側に複数個ずつ配置され、GNDビア4と信号線2との間の距離は一定間隔とし、信号線2を流れる信号の主要周波数成分をλとしたとき、GNDビア4の配置間隔は、λ/2より狭い、不等間隔として設定される。
【選択図】図1
Description
図1および図2はこの発明の実施の形態1に係る伝送線路の構成を示す斜視図および平断面図である。図1および図2において、1は略矩形の誘電体基板であり、2は誘電体基板1内に埋設され、外部に露出していない信号線である。信号線2は、誘電体基板1の水平方向の略中央部分に配置され、誘電体基板1の長手方向の端から端まで延設されている。なお、信号線2は、図1においては、誘電体基板1の垂直方向の略中央位置より上方へシフトした位置(すなわち、上面寄りの位置)に設けられているが、これに限定されるものではない。また、3aは誘電体基板1の下面(裏面)に取り付けられた地導体(接地導体)で、3bは誘電体基板1の上面(表面)に取り付けられた地導体(接地導体)であり、これらの地導体3a,3bはストリップ線路を構成している。また、誘電体基板1、信号線2、および、これらの地導体3a,3bは、伝送線路として動作する。4は、誘電体基板1内を上面から下面にかけて垂直方向に貫通して、地導体3aと地導体3bとを電気的に接続するGNDビア(貫通導体)である。GNDビア4は、図2に示すように、信号線2に対して水平方向に等距離な位置を保ちながら、信号線2に沿って、信号線2の両側に複数個ずつ配列されている。これらのGNDビア4は、不要結合抑制や平行平板モード発生の抑制等を目的として配置される。また、5a〜5gはGNDビア4の配置距離で、信号線2により伝送される高周波信号の主要周波数成分をλ(高周波信号の波長)としたとき、各配置間隔5a〜5gは、それぞれλ/2より狭く、かつ、互いに等しくない不等間隔になるように設定されている。また、信号線2とGNDビア4との間の距離は上述のように一定間隔であり、その距離は、配置間隔5a〜5gよりも小さい値とすることが望ましいが、配置間隔5a〜5gと同程度の値であってもよい。いずれにしても、GNDビア4は、信号線2の近傍(所定距離以内)に設置されていることが望ましい。
上述したように、本実施の形態1においては、誘電体基板1、信号線2、および、上下の地導体3a、3bにより伝送線路を形成し、当該伝送線路により高周波信号が伝送される。GNDビア4は、上述したように、不要結合抑制や平行平板モード発生の抑制等を目的として配置される。すなわち、本実施の形態1においても、GNDビア4と信号線2は不要結合し、信号の反射が若干生じるが、GNDビア4の配置間隔5a〜5gをλ/2よりも狭い不等間隔としているので、その反射のタイミングは各GNDビア4で一様でなく、等間隔の場合のように特定の周波数で反射が大きく増大することは無い。また、若干発生する反射も信号の主要周波数成分λより高い周波数にのみ影響するので、信号伝送への影響を最小限に抑えることができる。
上述の実施の形態1では、GNDビア4を不等間隔にすることにより反射を小さくした例について説明したが、本実施の形態2においては、GNDビア4列をまたぐ不要結合を抑制するため、GNDビア間隔5a〜5gのとりうる値の範囲が、信号線2を流れる信号の主要周波数成分λに対して、λ/4〜λ/2の範囲となるように設定した実施形態を示す。本実施の形態2の構成を示す斜視図および平断面図は図1および図2と同じであるが、GNDビア4の各配置間隔5a〜5gは、いずれも、信号線2を流れる高周波信号の主要周波数成分λに対して、λ/4〜λ/2の範囲内に設定されている点のみが実施の形態1と異なる。
反射を抑制する動作は上述の実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。従って、ここでは、不要結合を抑制する動作について説明する。GNDビア4の配置間隔を狭めていくと、配置間隔がλ/4に近づくにつれ、GNDビア4列をまたぐ不要結合、特に、近端クロストークが大きくなり、λ/4で最大となる。多層基板の場合、GNDビア4の配置間隔を狭くしすぎると他の層の配線に支障が出る。したがって、不要結合を抑制し、さらに、高密度実装を実現するためには、GNDビア4の配置間隔5a〜5gは、λ/4より大きくすることが望ましい。従って、本実施の形態2においては、GNDビア4のすべての配置間隔5a〜5gを、λ/4〜λ/2の範囲内の値になるように設定する。なお、本実施の形態においても、配置間隔5a〜5gは互いに等しくない不等間隔となっている。
図4は、この発明の実施の形態3に係る伝送線路の構成を示す平断面図であり、上述の実施の形態1または2で説明したGNDビア4の配置間隔をランダムな間隔としている。なお、このランダムな間隔は、人為的に任意に設定してもよく、あるいは、乱数表等を用いて任意に設定してよいものとする。
図5は、この発明の実施の形態4に係る伝送線路の構成を示す平断面図であり、本実施の形態4においては、上記の実施の形態1または2で説明したGNDビア4の配置間隔を、間隔の増減が周期的になるように設定している。ここで、間隔の増減とは、隣接する配置間隔との間の差を求めたときに、その差の増減のことを意味する。なお、他の構成は上述の実施の形態1または2と同じである。
図6はこの発明の実施の形態5に係る伝送線路の構成を示す平断面図であり、上述の実施の形態1または2の配置間隔を、計算機上の乱数発生手法により決めた不等間隔としている。配置間隔の値の決定方法としては、乱数の値の上限と下限とを定めて、その範囲の乱数を発生させて、発生した当該乱数に予め設定した所定の係数を乗算して、配置間隔の値として決定する等の方法がある。伝送線路の他の構成については、上述の実施の形態1または2と同じであるため、ここではその説明を省略する。
図7はこの発明の実施の形態6に係る伝送線路の構成を示す平断面図であり、実施の形態1〜5で示したGNDビア4列を信号線2の片側にのみ配置している。従って、GNDビア4の配置間隔は、上述の実施の形態1〜5で示した配置間隔のいずれかである。なお、不要結合抑制を目的としてGNDビア4列を配置する場合、不要結合を抑制したい対象と信号線2の配置によっては、GNDビア4列を両側に配置する必要は無いので、本実施の形態6においては、信号線2の片側にのみ配置することとした。
図8はこの発明の実施の形態7に係る伝送線路の構成を示す平断面図であり、上述の実施の形態1〜5のGNDビア4列を信号線2の左右で非対称としている。不要結合抑制を目的としてGNDビア4列を配置する場合、不要結合を抑制したい対象と信号線2の配置によっては、GNDビア4列を両側に均等に配置する必要は無い。なお、図8において、5a〜5gは、信号線2に対して図面左側に配置されたGNDビア4の配置間隔であり、6a〜6gは、信号線2に対して図面右側に配置されたGNDビア4の配置間隔である。他の構成については、上述の実施の形態1〜5のいずれかと同じであるため、ここでは説明を省略する。
上述の実施の形態1〜7においては伝送線路について説明したが、本実施の形態は、そのような伝送線路を備えた伝送システムについて説明する。図9はこの発明の実施の形態8に係る伝送システムの構成を示す平断面図である。本実施の形態に係る伝送システムは、実施の形態1〜7のいずれかに記載の伝送線路を備えた伝送システムであって、スルーホールや、部品パッド、あるいは、配線の曲がり等の伝送線路の不連続部分10を含み、当該不連続部分10の近傍にλ/4よりも狭い間隔でGNDビア4が配置されているものである。図8では不連続部が配線の曲がりの場合を示している。なお、ここで、「近傍」とは、不連続部分10を構成している部材からの距離が所定の範囲内であることを意味し、当該所定の範囲は適宜設定されるものとする。
Claims (10)
- 誘電体基板と、
上記誘電体基板に設けられた信号線と、
上記誘電体基板の上面および下面に設けられた接地導体と、
上記誘電体基板を貫通するように設けられ、上記接地導体間を電気的に接続するGNDビアと
を備え、
上記GNDビアは上記信号線に沿って複数配置され、上記GNDビアと上記信号線との間の距離は一定間隔とし、上記信号線を流れる信号の主要周波数成分をλとしたとき、上記GNDビアの配置間隔を、λ/2より狭い、不等間隔とする
ことを特徴とする伝送線路。 - 上記GNDビアの配置間隔を、λ/4〜λ/2の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアの配置間隔を、ランダムな値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアの配置間隔を、間隔の増減が周期的になるように設定することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアの配置間隔を、間隔が漸増または漸減または漸増と漸減の繰り返しとなるように設定することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアの配置間隔を、計算機上の乱数発生手法により決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアは、上記信号線の両側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアは、上記信号線の片側だけに配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の伝送線路。
- 上記GNDビアの配置間隔を、上記信号線の両側で非対称としたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の伝送線路。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の上記伝送線路を備えた伝送システムであって、
スルーホール、部品パッド、あるいは、配線の曲がり等の伝送線路の不連続部分を含み、
上記不連続部分の近傍にλ/4よりも狭い間隔でGNDビアを配置したことを特徴とする伝送システム。
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