JP2014139865A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】過充電特性及び充放電サイクル特性が良好であり、満充電状態ないし過充電状態においても外部からの衝撃による電池の熱暴走を抑制することができる非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】正極極板11と負極極板12とを第1セパレータ13a及び第2セパレータ13bを介して巻回した巻回電極体14と、非水溶媒中に電解質塩を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池10において、正極極板11は正極活物質層の表面に無機質粒子層が形成されており、第1セパレータ13aは負極極板12の外周面に接する側に位置し、第2セパレータ13bは負極極板12の内周面に接する側に位置し、第1セパレータ13aの巻回電極体14の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は7.8〜11.8Nであり、第2セパレータ13bの巻回電極体14の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は2.9〜5.9Nとなるようにされている。
【選択図】図1
【解決手段】正極極板11と負極極板12とを第1セパレータ13a及び第2セパレータ13bを介して巻回した巻回電極体14と、非水溶媒中に電解質塩を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池10において、正極極板11は正極活物質層の表面に無機質粒子層が形成されており、第1セパレータ13aは負極極板12の外周面に接する側に位置し、第2セパレータ13bは負極極板12の内周面に接する側に位置し、第1セパレータ13aの巻回電極体14の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は7.8〜11.8Nであり、第2セパレータ13bの巻回電極体14の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は2.9〜5.9Nとなるようにされている。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に過充電特性及び充放電サイクル特性が良好であり、しかも、満充電状態ないし過充電状態において外部からの衝撃による電池の熱暴走を抑制することができる非水電解質二次電池に関する。
今日の携帯電話機、携帯型パーソナルコンピューター、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型電子機器の駆動電源として、さらには、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)用の電源として、高エネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が広く利用されている。これらの非水電解質二次電池は、正極極板と負極極板との間にセパレータを挟んで巻回して巻回電極体を作製し、角形非水電解質二次電池の場合にはさらに巻回電極体を押し潰すことによって偏平状の巻回電極体を作製し、電池外装体内に挿入することにより作製されている。
近年、非水電解質二次電池の大容量化、高容量密度化の進展に伴い、より安全性の向上が求められるようになっている。非水電解質二次電池の安全性向上のため、非水電解質二次電池に使用されるセパレータは、正極極板及び負極極板を互いに絶縁する機能及び非水電解液を保持する機能を備えているだけでなく、何らかの影響によって電池が高温になった際の安全性を確保するため、シャットダウン機能を備えているものが使用されており、主としてポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン製の微多孔性膜が使用されている。
ここで、シャットダウン機能とは、電池内部の温度が上昇した際にセパレータ材料の一部が溶融して微多孔を塞ぐことによって電池反応を停止させることを意味する。しかしながら、非水電解質二次電池に短時間での急激な温度上昇や内部ガスの発生による内圧上昇が起こった場合、低融点膜の溶融による収縮や流動が顕著になったり、溶融による微多孔の閉塞が不十分な状態になって、セパレータのシャットダウン機能が十分に発揮されないことがある。
そのため、下記特許文献1には、セパレータのシャットダウン機能が発揮されない場合に対処するため、正極極板ないし負極極板の少なくとも一方の表面に無機多孔質絶縁層を形成したものを用いた非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)の発明が開示されている。この非水電解質二次電池50は、図2Aに示すように、正極極板52及び負極極板51の間にセパレータ53が配置され、正極活物質層55及び負極活物質層54のいずれかの表面上に無機酸化物粒子と樹脂バインダーとを含む多孔質絶縁層56が堆積されている。この多孔質絶縁層56は、図2Bに示すように、微細な形成領域57と非形成領域58とを有している。
下記特許文献1に開示されている非水電解質二次電池50によれば、多孔質絶縁層56に微細な非形成領域58があるため、通常使用時にはより高いイオン伝導性を実現することができ、また、内部短絡時には微細な形成領域57が正負極間の直接の短絡を防ぐことにより、絶縁状態を維持するかもしくは短絡電流が低く抑えられるため、安全性を確保することができるという効果を奏するものである。
また、下記特許文献2には、短時間での急激な温度上昇や内部ガスの発生による内圧上昇に際してもセパレータのシャットダウン機能を発揮させることができるようにするため、正極極板と接する側に小さな平均孔径の微多孔を有し、負極極板と接する側にそれよりも大きな平均孔径の微多孔を有する2層構造のセパレータを使用した非水電解質二次電池の発明が開示されている。
さらに、下記特許文献3には、サイクル特性を向上させて正極極板と負極極板との間で内部短絡が生じ難くなるようにするため、それぞれリチウムイオン透過性が異なる2種類のセパレータを使用した非水電解質二次電池の発明が開示されている。下記特許文献3に開示されている非水電解質二次電池の巻回電極体60は、図3に示すように、負極極板61と正極極板62との間にセパレータ63が配置されており、このセパレータ63は、負極極板61の外周面に接する側に配置された第1セパレータ64と、負極極板61の内周面に接する側に配置された第2セパレータ65とからなり、第1セパレータ64として第2セパレータ65よりもリチウムイオン透過性が小さいものを用いたものである。なお、このリチウムイオン透過性は、第1セパレータ64及び第2セパレータ65のそれぞれのモード系、透気度ないし厚みを変えることにより変えている。
下記特許文献3に開示されている非水電解質二次電池においては、第2セパレータ65よりもリチウムイオン透過性が小さい第1セパレータ64が負極極板61の外周面(正極極板62の内周面)に配置されているため、負極極板61の表面への金属リチウムの析出が防止されるようになると共に、析出した金属リチウムが第1セパレータ64を突き破ることが防止できるようになる。加えて、負極極板の内周面に配置された第2セパレータ65のリチウムイオンの透過性が良好であるため、この第2セパレータ65の内側に位置する正極極板62との間のリチウムイオン透過性も良好となる。そのため、下記特許文献3に開示されている非水電解質二次電池によれば、充放電サイクル特性に優れると共に過充電状態となった場合にも安全性が向上した非水電解質二次電池が得られるという効果を奏する。
上記特許文献1及び2に開示されている非水電解質二次電池によれば一応内部短絡時の安全性を確保することができ、また、上記特許文献3に開示されている非水電解質二次電池によれば充放電サイクル特性に優れると共に過充電状態となった場合にも安全性を確保することができるようになる。しかしながら、近年の高容量密度化が進展している非水電解質二次電池においては、特に電池が満充電状態ないし過充電状態となった際の外部からの衝撃による電池自体の熱暴走の抑制が困難となっており、安全性の低下が問題となってきている。このような満充電状態ないし過充電状態の非水電解質二次電池の外部からの衝撃による熱暴走は、上記特許文献1〜3に開示されている非水電解質二次電池でも抑制することができず、新たな課題となっている。
発明者等は、過充電特性及び充放電サイクル特性が良好であり、しかも、満充電状態ないし過充電状態の非水電解質二次電池の外部からの衝撃による熱暴走を抑制すべくセパレータの物性を種々検討した結果、正極極板の活物質層の表面に無機質粒子層が形成されているものを用いると共に、セパレータとして負極極板の外周面に接する側と内周面に接する側とでそれぞれ強度が異なる2種類のセパレータを用いることによって解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、特に過充電特性及び充放電サイクル特性が良好であり、満充電状態ないし過充電状態において外部からの衝撃による電池の熱暴走を抑制することができる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の非水電解質二次電池は、正極極板と負極極板とをセパレータを介して巻回した巻回電極体と、非水溶媒中に電解質塩を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、前記正極極板は正極活物質層の表面に無機質粒子層が形成されており、前記セパレータは、前記負極極板の外周面に接する側に位置する第1セパレータと、前記負極極板の内周面に接する側に位置する第2セパレータとからなり、前記第2セパレータは前記第1セパレータよりも前記巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度が低く、前記第1セパレータの前記巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は7.8〜11.8Nであり、前記第2セパレータの前記巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は2.9〜5.9Nであることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池においては、正極活物質層の表面に無機質粒子層が形成されているので、正極極板自体の熱暴走を抑制させることができる。加えて、本発明の非水電解質二次電池においては、セパレータとして負極極板の内周面に接する側に位置する第2セパレータの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度が負極極板の外周面に接する側に位置する第1セパレータよりも低く、第1セパレータの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は7.8〜11.8Nであり、第2セパレータの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は2.9〜5.9Nとされているので、過充電状態になっても発煙や液漏れが生じ難く、かつ、過充電状態での耐衝撃性も良好となり、安全性が非常に良好となる。
なお、セパレータとしては、巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度が2.9N未満のセパレータを均一に成膜することは困難である。また、セパレータの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度が11.8Nを超えるようになると、セパレータの強度が強すぎて大きく破断され難くなるので、正極極板及び負極極板の表面がそれぞれ接触する面積が小さくなるため、衝撃試験時に短絡電流が集中して局部的に温度が上昇し、非水電解質二次電池が破裂・発煙に至り易くなる。
なお、第1セパレータと度第2セパレータとの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度が重複しないようにするため、それぞれ臨界的限度ではないが、第1セパレータの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度の下限は7.8Nとすることが好ましく、第2セパレータの巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度の上限は5.9Nとすることが好ましい。
なお、本発明の非水電解質二次電池においては、セパレータは負極極板と正極極板との間に配置されているから、第1セパレータは正極極板の内周面にも接し、第2セパレータは正極極板の外周面にも接している。なお、本発明における第1及び第2セパレータの「巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度」と「リチウムイオンの透過性」との間には直接の相関関係はない。また、本発明の非水電解質二次電池における第1及び第2セパレータとしては、それぞれポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン材料からなる微多孔膜を使用し得る。
なお、本発明の非水電解質二次電池の正極極板で使用し得る正極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能なLiMO2(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO2、LiNiO2、LiNiyCo1−yO2(y=0.01〜0.99)、LiMnO2、LiMn2O4、LiCoxMnyNizO2(x+y+z=1)、又はLiFePO4などが一種単独もしくは複数種を混合したものを用いることができる。
また、無機質粒子層に含まれる無機粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)より選択される少なくとも1種を用いることができ、電池内での安定性、リチウムとの反応性やコストを考慮すれば、酸化アルミニウム及びルチル型の酸化チタンが特に好ましい。また、無機粒子の平均粒子径としては、セパレータの平均孔径よりも大きいものであればよく、0.1〜1.0μmの範囲内のものを適宜選択して使用し得る。
さらに、本発明の非水電解質二次電池の負極極板で使用し得る負極活物質としては、黒鉛、コークス等の炭素材料や、酸化スズ、金属リチウム、珪素などのリチウムと合金化し得る金属及びそれらの合金等を使用することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池において使用し得る非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などの環状炭酸エステル、フッ素化された環状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン(BL)、γ−バレロラクトン(VL)などの環状カルボン酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、ジブチルカーボネート(DBC)などの鎖状炭酸エステル、フッ素化された鎖状炭酸エステル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネートなどの鎖状カルボン酸エステル、N、N'−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノンなどのアミド化合物、スルホランなどの硫黄化合物、テトラフルオロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムなどの常温溶融塩などが例示できる。これらは2種以上混合して用いることが望ましい。これらの中では、特に誘電率が大きく、非水電解液のイオン伝導度が大きい環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルが好ましい。
なお、本発明の非水電解質二次電池で使用する非水電解質中には、電極の安定化用化合物として、更に、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチルカーボネート(VEC)、無水コハク酸(SUCAH)、無水マイレン酸(MAAH)、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト(ES)、ジビニルスルホン(VS)、ビニルアセテート(VA)、ビニルピバレート(VP)、カテコールカーボネート、ビフェニル(BP)などを添加してもよい。これらの化合物は、2種以上を適宜に混合して用いることもできる。
また、本発明の非水電解質二次電池で使用する非水溶媒中に溶解させる電解質塩としては、非水電解質二次電池において一般に電解質塩として用いられるリチウム塩を用いることができる。このようなリチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。これらの中でも、LiPF6(ヘキサフルオロリン酸リチウム)が特に好ましい。前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は、0.8〜1.5mol/Lとするのが好ましい。
更に、本発明の非水電解質二次電池においては、非水電解質は液状のものだけでなく、ゲル化されているものであってもよい。
また、本発明の非水電解質二次電池においては、前記無機粒子層の厚みは、1μm〜4μmであることが好ましい。
無機粒子層の厚みは、厚くなればなるほど上記の効果が良好に奏されるようになるが、無機粒子層の厚みが大きくなり過ぎると、電池内部抵抗の増大により負荷特性の低下を招くために、上限は4μmとすることが好ましい。なお、無機粒子層の厚みが1μm未満であると無機粒子層を設けることの効果が奏されなくなる。そのため、本発明の非水電解質二次電池における無機粒子層の厚みは1μm〜4μmであることが好ましく、より好ましくは1〜2μmである。なお、本発明における無機粒子層の厚みとは、片面での厚みをいうものである。
また、本発明の非水電解質二次電池においては、前記第1及び第2セパレータの厚みは、それぞれ10μm〜22μmであることが好ましい。
それぞれのセパレータの厚みは、セパレータ厚みが22μmを超えると、過充電時の安全性及び衝撃安全性については良好な結果を奏するが、サイクル後の放電容量の低下及び厚み変化率の低下を招く。また、セパレータ厚みが10μm未満の場合には、過充電時の安全性及び衝撃安全性が低下する。
以下、本発明を実施するための形態を実施例及び比較例を用いて詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための一例として角形非水電解質二次電池を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
最初に、各実施例及び比較例に共通する角形非水電解質二次電池の構成について説明する。
[正極極板の作製]
正極活物質としての異種元素添加コバルト酸リチウムは次のようにして作製した。出発原料としては,リチウム源には炭酸リチウム(Li2CO3)を用いた。コバルト源には、炭酸コバルト合成時に異種元素としてジルコニウム(Zr)をコバルトに対して0.15mol%とマグネシウム(Mg)を0.5mol%共沈させ、その後、熱分解反応によって得られたジルコニウム,マグネシウム添加四酸化三コバルト(Co3O4)を用いた。これらを所定量秤量し混合した後,空気雰囲気下において850℃で24時間焼成し,ジルコニウム,マグネシウム添加コバルト酸リチウムを得た。
[正極極板の作製]
正極活物質としての異種元素添加コバルト酸リチウムは次のようにして作製した。出発原料としては,リチウム源には炭酸リチウム(Li2CO3)を用いた。コバルト源には、炭酸コバルト合成時に異種元素としてジルコニウム(Zr)をコバルトに対して0.15mol%とマグネシウム(Mg)を0.5mol%共沈させ、その後、熱分解反応によって得られたジルコニウム,マグネシウム添加四酸化三コバルト(Co3O4)を用いた。これらを所定量秤量し混合した後,空気雰囲気下において850℃で24時間焼成し,ジルコニウム,マグネシウム添加コバルト酸リチウムを得た。
以上のように得られたコバルト酸リチウム94質量%,導電剤としての炭素粉末が3質量%,結着剤としてのポリフッ化ビニリデン粉末が3質量%となるよう混合し,これをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液と混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚みが15μmのアルミニウム製の集電体の両面にドクターブレード法により塗布,乾燥して,正極集電体の両面に活物質層を形成した。その後,圧縮ローラーを用いて厚みが0.13mmとなるように圧縮して正極活物質層を作製した。比較例3〜5の正極極板としては、このようにして作製されたものをそのまま用いた。
次に、実施例1〜5、比較例1、2、6及び7の正極極板としては、溶剤としてアセトンに、無機質粒子として平均粒径0.25μmの酸化チタン粒子を用い、この無機質粒子と樹脂バインダーとを所定量混合し、スラリー化したものを、上記のようにして作製された正極活物質層の全面に、厚みが1μm以上2μm以下となるように塗布した後、溶剤を乾燥、除去して、正極活物質層の表面に無機粒子層を形成することにより、正極極板を作製した。活物質層上へのスラリーの塗布は、グラビアコート、ダイコート等の連続塗布法を用いることができるが、ここではダイコート法を用いた。
[負極極板の作製]
黒鉛粉末が95質量%,増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)が3質量%、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)2質量%を水に分散させスラリーを調整した。このスラリーを厚さ8μmの銅製の集電体の両面にドクターブレード法により塗布,乾燥して,負極集電体の両面に活物質層を形成した。その後,圧縮ローラーを用いて厚みが0.12mmとなるように圧縮して負極極板を作製した。
黒鉛粉末が95質量%,増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)が3質量%、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)2質量%を水に分散させスラリーを調整した。このスラリーを厚さ8μmの銅製の集電体の両面にドクターブレード法により塗布,乾燥して,負極集電体の両面に活物質層を形成した。その後,圧縮ローラーを用いて厚みが0.12mmとなるように圧縮して負極極板を作製した。
なお、正極極板及び負極極板のそれぞれの活物質の塗布量は、設計基準となる電池の充電電圧=4.2V(リチウム基準で正極の充電電位=4.3V)において、正極極板と負極極板の対向する部分での充電容量比(負極充電容量/正極充電容量)が1.1となるように調整した。
[非水電解質の調製]
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比で30/60/10の割合(1気圧、25℃換算)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてのLiPF6を1.0mol/Lの割合で溶解させ、非水電解質を調製した。
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比で30/60/10の割合(1気圧、25℃換算)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてのLiPF6を1.0mol/Lの割合で溶解させ、非水電解質を調製した。
[セパレータの作製]
ポリエチレン混合物と無機微粉体及び可塑剤を混練・加熱溶融しながらシート状に成形した後、無機微粉体及び可塑剤をそれぞれ抽出除去及び乾燥し、所定の引っ張り強度となるように延伸し、実施例1〜5及び比較例1〜7でそれぞれ用いる微多孔膜からなる第1及び第2セパレータを作製した。なお、実施例1〜5及び比較例1〜7における第1セパレータ及び第2セパレータのそれぞれの厚みは18μmである。セパレータの強度と電極体に占める体積を考慮すれば、14〜22μmの厚さのものを使うことが好ましい。
ポリエチレン混合物と無機微粉体及び可塑剤を混練・加熱溶融しながらシート状に成形した後、無機微粉体及び可塑剤をそれぞれ抽出除去及び乾燥し、所定の引っ張り強度となるように延伸し、実施例1〜5及び比較例1〜7でそれぞれ用いる微多孔膜からなる第1及び第2セパレータを作製した。なお、実施例1〜5及び比較例1〜7における第1セパレータ及び第2セパレータのそれぞれの厚みは18μmである。セパレータの強度と電極体に占める体積を考慮すれば、14〜22μmの厚さのものを使うことが好ましい。
[セパレータ引張り破断強度の測定]
JISK−7127に準拠し、幅10mm×長さ50mmのサンプルを作製し、チャック部分の試験片の長さは2.5cmとし、その両面にチャックによるノッチ破断防止のためのセロハンテープを貼り、これを試験片とした。この試験片を温度23±2℃、引張り速度200mm/minの条件で、引張り破断強度を測定した。実施例1〜5及び比較例1〜7で使用した第1セパレータ及び第2セパレータの巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度を表1にまとめて示した。
JISK−7127に準拠し、幅10mm×長さ50mmのサンプルを作製し、チャック部分の試験片の長さは2.5cmとし、その両面にチャックによるノッチ破断防止のためのセロハンテープを貼り、これを試験片とした。この試験片を温度23±2℃、引張り速度200mm/minの条件で、引張り破断強度を測定した。実施例1〜5及び比較例1〜7で使用した第1セパレータ及び第2セパレータの巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度を表1にまとめて示した。
[電池の作製]
上述のようにして作製した正極極板、負極極板及び非水電解質と、第1及び第2セパレータとを用いて、巻回電極体を作製し、押し潰すことによって偏平状の巻回電極体とし、この偏平状の巻回電極体をアルミニウム製の外装缶に、上記電極体を挿入し、外装缶の開口部を封口板で封口し、封口板に設けられた注液口より上記非水電解質を注液し、注液口を封止することにより、図1に示すような高さ50mm、幅34mm、厚み6.0mmの実施例1〜5及び比較例1〜7に共通する形状を備える角形非水電解質二次電池を作製した。この角形非水電解質二次電池の設計容量は1160mAhである。
上述のようにして作製した正極極板、負極極板及び非水電解質と、第1及び第2セパレータとを用いて、巻回電極体を作製し、押し潰すことによって偏平状の巻回電極体とし、この偏平状の巻回電極体をアルミニウム製の外装缶に、上記電極体を挿入し、外装缶の開口部を封口板で封口し、封口板に設けられた注液口より上記非水電解質を注液し、注液口を封止することにより、図1に示すような高さ50mm、幅34mm、厚み6.0mmの実施例1〜5及び比較例1〜7に共通する形状を備える角形非水電解質二次電池を作製した。この角形非水電解質二次電池の設計容量は1160mAhである。
ここで、実施例1〜5及び比較例1〜7で用いた角形非水電解質二次電池の構成を図1を用いて説明する。この非水電解質二次電池10は、正極極板11と負極極板12とが第1セパレータ13aないし第2セパレータ13bを介して巻回された偏平状の巻回電極体14を、角形の電池外装缶15の内部に収容し、封口板16によって電池外装缶15を密閉したものである。このうち第1セパレータ13aは負極極板12の外周面側で正極極板11の内周面側に配置され、第2セパレータは負極極板12の内周面がわで正極極板11の外周面側に配置されている。
巻回電極体14は、ここでは正極極板11が最外周に位置して露出するように巻回されており、露出した最外周の正極極板11は、正極端子を兼ねる電池外装缶15の内面に直接接触し、電気的に接続されている。また、負極極板12は、封口板16の中央に形成され、絶縁体17を介して取り付けられた負極端子18に対して負極タブ19を介して電気的に接続されている。
そして、電池外装缶15は、正極極板11と電気的に接続されているので、負極極板12と電池外装缶15との短絡を防止するために、巻回電極体14の上端と封口板16との間に絶縁スペーサ20を挿入することにより、負極極板12と電池外装缶15とを電気的に絶縁状態にしている。この角形非水電解質二次電池は、巻回電極体14を電池外装缶15内に挿入した後、封口板16を電池外装缶15の開口部にレーザ溶接し、その後電解液注液孔21から非水電解液を注液し、この電解液注液孔21を密閉することにより作製された。
[安全性試験]
このようにして作製された角形の非水電解質二次電池に対して、以下のような条件で安全性試験を行った。
このようにして作製された角形の非水電解質二次電池に対して、以下のような条件で安全性試験を行った。
〔過充電試験〕
実施例1〜5及び比較例1〜7の各電池について、それぞれ、0.4It(464mA)の定電流(過充電試験1)ないし0.6It(696mA)の定電流(過充電試験2)電池電圧が12.0Vとなるまで過充電した。この過充電によって電池が発煙したり、液漏れが生じたりしたものを×、発煙や液漏れが確認されなかったものを○と評価した。この結果を下記表1に纏めて示した。
実施例1〜5及び比較例1〜7の各電池について、それぞれ、0.4It(464mA)の定電流(過充電試験1)ないし0.6It(696mA)の定電流(過充電試験2)電池電圧が12.0Vとなるまで過充電した。この過充電によって電池が発煙したり、液漏れが生じたりしたものを×、発煙や液漏れが確認されなかったものを○と評価した。この結果を下記表1に纏めて示した。
〔衝撃試験〕
まず、実施例1〜5及び比較例1〜7の各電池について、500mAの定電流で充電し、電池電圧がそれぞれ4.20V(衝撃試験1)ないし4.33V(衝撃試験2)に到達した後は、それぞれの定電圧で電流値が10mA以下になるまで充電して満充電状態の電池を得た。この衝撃試験1は満充電時の耐衝撃試験を示し、衝撃試験2は過充電時の耐衝撃試験を示している。次いで、満充電状態の角形電池をベークライト板の上に平坦面が上下方向となるように載置し、1.0mの高さから質量550gの錘を平坦面上に落下させて各電池に衝撃を与えた。この衝撃により電池が発火・発煙を生じたものを×、発火や発煙が確認されなかったものを○と評価した。この結果を下記表1に纏めて示した。
まず、実施例1〜5及び比較例1〜7の各電池について、500mAの定電流で充電し、電池電圧がそれぞれ4.20V(衝撃試験1)ないし4.33V(衝撃試験2)に到達した後は、それぞれの定電圧で電流値が10mA以下になるまで充電して満充電状態の電池を得た。この衝撃試験1は満充電時の耐衝撃試験を示し、衝撃試験2は過充電時の耐衝撃試験を示している。次いで、満充電状態の角形電池をベークライト板の上に平坦面が上下方向となるように載置し、1.0mの高さから質量550gの錘を平坦面上に落下させて各電池に衝撃を与えた。この衝撃により電池が発火・発煙を生じたものを×、発火や発煙が確認されなかったものを○と評価した。この結果を下記表1に纏めて示した。
[充放電サイクル特性及び電池厚み変化率の測定]
実施例1〜5及び比較例1〜7の各電池について、以下に示した充放電条件下で充放電サイクル試験を行なった。なお、充放電サイクル試験は全て25℃に維持された恒温槽中で行ない、また、電圧値は全て電池の正極極板と負極極板との間に印加された電圧である。
実施例1〜5及び比較例1〜7の各電池について、以下に示した充放電条件下で充放電サイクル試験を行なった。なお、充放電サイクル試験は全て25℃に維持された恒温槽中で行ない、また、電圧値は全て電池の正極極板と負極極板との間に印加された電圧である。
まず、各電池について、1.0It(1160mA)の定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で電流値が1/50Itになるまで充電し、その後、1.0Itの定電流で電池電圧が2.75Vに達するまで放電を行った。充放電サイクル特性の測定は、上記と同じ条件で充放電することを1サイクルとし、500サイクルに達するまで繰返して500サイクル後の放電容量を求めた。そして、各電池について得られた500サイクル後の放電容量を、比較例1の500サイクル後の放電容量を100とした時の相対値として求めた。
また、電池厚みは、上記と同じ条件で充放電を500サイクル繰返した後の電池の厚み(試験後厚み)を測定し、充放電サイクル試験実施前に測定した電池の厚み(試験前厚み)により、以下の計算式に従って25℃における500サイクル後の厚み変化率(%)を求めた。結果を纏めて表1に示した。
厚み変化率(%)=(500サイクル後の試験後厚み/試験前厚み)×100
厚み変化率(%)=(500サイクル後の試験後厚み/試験前厚み)×100
表1に示した結果から、以下のことが分かる。すなわち、正極極板の表面に無機粒子層が形成されている場合、比較例2及び比較例6の測定結果から、セパレータとして第1セパレータ及び第2セパレータの巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度(以下、単に「引張り破断強度」という。)が同一の場合、
(1)引張り破断強度が9.8Nと高い(比較例2)と、過充電試験1及び2の結果は良好であるが、満充電時及び過充電時の耐衝撃性試験(衝撃試験1及び2)結果が劣り、また、放電容量が小さくなると共に、厚み変化率が大きくなる、
(2)引張り破断強度が4.9Nと低い(比較例6)と、放電容量は大きく、厚み変化率も小さいが、過充電時の耐衝撃試験(衝撃試験2)結果が劣るようになる。
(1)引張り破断強度が9.8Nと高い(比較例2)と、過充電試験1及び2の結果は良好であるが、満充電時及び過充電時の耐衝撃性試験(衝撃試験1及び2)結果が劣り、また、放電容量が小さくなると共に、厚み変化率が大きくなる、
(2)引張り破断強度が4.9Nと低い(比較例6)と、放電容量は大きく、厚み変化率も小さいが、過充電時の耐衝撃試験(衝撃試験2)結果が劣るようになる。
同じく、比較例1及び実施例1の測定結果から、第1セパレータと第2セパレータとが互いに引張り破断強度が相違するものを用いると、いずれも満充電時及び過充電時の耐衝撃性試験(衝撃試験1及び2)結果は良好であるが、第2セパレータの引張り破断強度が第1セパレータのものよりも高い(比較例1)と、第2セパレータの引張り破断強度が第1セパレータのものよりも低い(実施例1)場合よりも過充電試験2の試験結果が劣るようになる。そのため、第2セパレータの引張り破断強度は第1セパレータのものよりも低い方が好ましいことが分かる。
なお、正極極板の表面に無機粒子層が形成されていない場合(比較例3〜5)も上記の正極極板の表面に無機粒子層が形成されている場合と同様な傾向の結果が得られているが、正極極板の表面に無機粒子層が形成されていないと、既に知られているように、内部短絡時の安全性を確保できないために、採用し難い。
また、正極極板の表面に無機粒子層が形成されており、かつ、第1セパレータの引張り破断強度が9.8N一定であり、第2セパレータの引張り破断強度を変化させた実施例1〜3の測定結果から、第2セパレータの引張り破断強度は少なくとも2.9N〜5.9Nの範囲であれば、過充電試験1及び2の測定結果、満充電時及び過充電時の耐衝撃性試験(衝撃試験1及び2)結果、充放電サイクル特性及び電池厚み変化率についても良好な結果が得られている。
同じく、第2セパレータの引張り破断強度が4.9N一定であり、第1セパレータの引張り破断強度を換えた実施例1、4〜5及び比較例7の測定結果から、第1セパレータの引張り破断強度は7.8〜11.7Nであれば過充電試験1及び2の測定結果、満充電時及び過充電時の耐衝撃試験(衝撃試験1及び2)結果、充放電サイクル特性及び電池厚み変化率について良好な結果が得られているが、第1セパレータの引張り破断強度が12.7N(比較例7)の場合には過充電時の耐衝撃性が低下し出す。よって第1セパレータの引張り破断強度は7.8N〜11.8Nとすることが好ましいことが分かる。
なお、実施例1〜5では、第1セパレータと第2セパレータとの引張り破断強度が重複しないようにするため、第1セパレータの引張り破断強度の下限を7.8Nとし、第2セパレータの引張り破断強度の上限を5.9Nとした例を示したが、これらの値はそれぞれ臨界的限度を意味するものではない。また、上記実施例1〜5及び比較例1〜7では、角形非水電解質二次電池の場合について測定した例を示したが、円筒形非水電解質二次電池の場合においても同様の作用効果が生じる。
10…非水電解質二次電池 11…正極極板 12…負極極板 13a…第1セパレータ 13b…第2セパレータ 14…巻回電極体 15…電池外装缶 16…封口板 17…絶縁体 18…負極端子 19…負極タブ 20…絶縁スペーサ 21…電解液注液孔
Claims (3)
- 正極極板と負極極板とをセパレータを介して巻回した巻回電極体と、非水溶媒中に電解質塩を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、
前記正極極板は正極活物質層の表面に無機質粒子層が形成されており、
前記セパレータは、前記負極極板の外周面に接する側に位置する第1セパレータと前記負極極板の内周面に接する側に位置する第2セパレータとからなり、
前記第2セパレータは前記第1セパレータよりも前記巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度が低く、前記第1セパレータの前記巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は7.8〜11.8Nであり、前記第2セパレータの前記巻回電極体の巻回方向に対する垂直方向の引張り破断強度は2.9〜5.9Nであることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記無機粒子層の厚みは、1μm〜4μmであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記セパレータの厚みは、10μm〜22μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
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