本発明の実施形態を図1〜図11を用いて説明する。ここで、本発明は、各種表示入力装置に適用可能であるが、複合機100(画像形成装置に相当)の操作パネル1(表示入力装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概略構成)
まず、図1に基づき、実施形態に係る複合機100本体の概略を説明する。図1は、複合機100の一例を示す模型的正面断面図である。
本実施形態の複合機100は、上部に原稿搬送装置2b、画像読取部2a、操作パネル1等が設けられる。原稿搬送装置2bは、原稿載置トレイ21に積載された原稿を1枚ずつ連続的に画像読取部2aの読取位置(送り読取用コンタクトガラス22)に向けて搬送する。又、原稿搬送装置2bは、図1の紙面奥側に設けられた支点(不図示)により、手前側を振るようにして開閉可能である。例えば書籍等の原稿を載置読取用コンタクトガラス23に載せ、原稿搬送装置2bを閉じることで原稿を抑えることができる。
画像読取部2aは、原稿を読み取り画像データを生成する。そして、画像読取部2aの上面にコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス22と載置読取用コンタクトガラス23)が設けられる。画像読取部2aの内部には、水平方向(図1で言えば、左右方向)で移動する移動枠(露光ランプ、ミラー等を具備)、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(いずれも不図示)が設けられる。例えば、原稿搬送装置2bで連続的に搬送される原稿を読み取る場合、送り読取用コンタクトガラス22の下方に移動枠を固定し、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサに導く。又、載置読取用コンタクトガラス23に載置された原稿を読み取る場合には、移動枠を水平方向に移動させて、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサに導く。
そして、画像読取部2aはこれら光学系部材を用い、原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。そして、複合機100は読取られた画像データに基づき印刷可能である(コピー機能)。
又、図1において破線で示すように、操作パネル1が画像読取部2aの正面側(複合機100の正面上方)に設けられる。尚、操作パネル1の詳細は後述する。
また、複合機100本体内部に、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b等が設けられる。
給紙部3aは、印刷に用いる用紙を収容、供給する。給紙部3aは、垂直方向に積まれた挿脱可能なカセット31(31a、31b)を計2つ含む。各カセット31は、各種(例えば、普通紙、コピー用紙、再生紙等)、各サイズ(例えば、A4、A3、B4、B5、レターサイズ等)の用紙を複数(例えば、500〜1000枚程度)積載して収容する。各カセット31(31a、31b)には、給紙ローラー32が設けられる。そして、印刷とき、何れかの給紙ローラー32が回転駆動し、用紙の供給がなされる。
搬送路3bは、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路3bには、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラー対33や、搬送される用紙を画像形成部4aの手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせ送り出すレジストローラー対34や、定着済み用紙を排出トレイ35に向けて排出する排出ローラー対36等が設けられる。
画像形成部4aは、画像データに基づき給紙部3aから供給された用紙に画像(トナー像)を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。尚、画像データには、画像読取部2aで取得された原稿の画像データや、複合機100に接続されるコンピューター200(図3参照)から送信された画像データが利用される。そして、画像形成部4aは、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム41や、その周囲に配設された帯電装置42、露光装置43、現像装置44、転写ローラー45、クリーニング装置46等を備える。
画像形成部4aの略中心に、所定方向に回転駆動する感光体ドラム41が設けられる。帯電装置42は、所定電位に感光体ドラム41を帯電させる。露光装置43は、画像データに基づきレーザ光を出力し、感光体ドラム41表面を走査、露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置44は、感光体ドラム41に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラー45は感光体ドラム41に圧接し、ニップを形成する。そして、レジストローラー対34がタイミングを図り用紙をニップに進入させる。用紙とトナー像がニップ進入している時、転写ローラー45には所定の電圧が印加される。これにより、用紙に感光体ドラム41上のトナー像が転写される。クリーニング装置46は、転写後に感光体ドラム41に残留するトナー等を除去する。
定着部4bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態の定着部4bは、発熱体を内蔵する加熱ローラー47と加圧ローラー48を含む。加熱ローラー47と加圧ローラー48は圧接しニップを形成する。そして、用紙のニップ通過により、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。定着部4bを通過した用紙は、排出トレイ35に送られ、排出される。
(操作パネル1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る操作パネル1の一例を説明する。図2は操作パネル1の一例を示す平面図である。
操作パネル1は、コピー等の印刷や原稿読取や画像データの送信の設定を行うための入力部として機能する。そして、図1に示すように、複合機100の正面上方に設けられる。そして、操作パネル1は、液晶表示部5(表示部に相当)を含む。
液晶表示部5は、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを1又は複数表示する。使用者は、液晶表示部5に表示された設定画面93やキーを押すことで、画像データの印刷、読取、送信や、複合機100に蓄積された画像データに基づく印刷に関する設定を行うことができる。
又、液晶表示部5の上面には、タッチパネル部6(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部6は、液晶表示部5で押された部分の位置、座標を検知するためのものである。尚、タッチパネル部6としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
又、操作パネル1には、以下のようなハードとしてのキー(ボタン)が設けられる。例えば、数字入力用のテンキー部11や、各種設定後、コピー等の処理開始指示用のスタートキー12等が設けられる。又、コピー機能を利用する際に押されるコピーキー13、スキャナ機能、FAX機能を利用する際に押される送信キー14等が設けられる。又、ボックス機能(複合機100に蓄積された画像データの利用や、複合機100への画像データの蓄積に関する機能)を利用する際に押されるボックスキー15も設けられる。このように、操作パネル1には、ボックスキー15や各種ハードキーが備えられ、複合機100の各機能について、各種設定、モード選択等を行う入力部として機能する。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図3は、複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
複合機100内には、主制御部7が設けられる。主制御部7は、例えば、操作パネル1、画像読取部2a、原稿搬送装置2b、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b等の制御を行う。
主制御部7は、例えば、CPU71等の処理、演算を行う素子を含む。CPU71は記憶部72に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機100の各部を制御する。尚、主制御部7は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割されてもよい。本説明では、分割され得る制御部を主制御部7としてまとめた形態を示し、説明する。
記憶部72は、主制御部7と通信可能に接続される。記憶部72は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。記憶部72は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
そして、主制御部7は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えた通信部73(通信インターフェイス)と通信可能に接続される。通信部73はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバ)や相手方FAX装置300(図7では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、画像読取部2aでの原稿読み取りで得られた画像データを外部のコンピューター200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピューター200や相手方FAX装置300から送信され、複合機100に入力される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
又、例えば、主制御部7には、画像読取部2aで原稿を読み取って得られた画像データや通信部73を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部74が設けられる。画像処理部74が処理した画像データは、例えば、露光装置43に送信され、感光体ドラム41の走査・露光に用いられたり、記憶部72に記憶されたり、外部のコンピューター200等に送信される。
又、主制御部7は、操作パネル1と通信可能に接続される。主制御部7は、操作パネル1になされた入力内容、設定内容を操作パネル1から受信し、使用者の設定にあわせてコピー等が行われるように複合機100を制御する。
本実施形態の操作パネル1は、表示制御部8、メモリー81、液晶表示部5、タッチパネル部6、ボックスキー15等を含む。表示制御部8は、CPUやICや液晶表示部5の液晶パネルのドライバ回路等で構成される。まず、表示制御部8は、液晶表示部5の表示を制御する。又、表示制御部8は、タッチパネル部6の出力を受け、液晶表示部5(タッチパネル部6)で押された位置の座標を特定する。タッチパネル部6の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリー81に記憶される。表示制御部8は、押された位置の座標と、液晶表示部5に表示されている画面の画像データを比較して、画面上で選択された(押された)キーを特定、認識する。
又、表示制御部8は、時間を測定する計時部82を含む。計時部82は、タッチパネル部6の出力に基づき、液晶表示部5に表示されるキーが押されてから次のキーが押されるまでの時間を測定する。尚、表示制御部8内のCPUの計時機能を用いて時間の測定がなされても良い。
通常の操作において、複合機100の各機能の設定項目を選択し、設定値を設定するには、液晶表示部5における最上層の表示から、液晶表示部5に表示されるキーの選択を繰り返す。そして、キー選択ごとに、表示制御部8は、液晶表示部5の表示を切り換えさせ、最終的に、選択、設定しようとする機能の設定値が設定される。表示制御部8は、機能(設定項目)の選択や設定値の設定入力を認識し、設定内容を本体の主制御部7に送信する。これにより、主制御部7は、操作パネル1で選択、設定された機能を反映した動作を画像形成部4a等の各部に行わせ、使用者の意思が、印刷や原稿読取等に反映される(例えば、濃度設定や拡大縮小など)。
そして、液晶表示部5で表示される各種の画面、画像の画像データは、操作パネル1内のメモリー81が記憶する。従って、表示制御部8は、設定項目の選択画面92や各設定画面93中のキーが押されるごとに、表示制御部8は、次に表示すべき画面の画像データをメモリー81から読み出す。そして、表示制御部8は、液晶表示部5に表示を切り替えさせる。
(誤入力防止の概要)
次に、図4〜図6を用いて、実施形態に係る操作パネル1での誤入力防止の概要を説明する。図4は、ボックス機能を利用するためのボックス初期画面91の一例を示す説明図である。図5は、原稿を読み取る上での設定項目を選択する選択画面92の一例を示す説明図である。図6は、原稿サイズの設定項目の設定値を設定する設定画面93の一例を示す説明図である。
まず、使用者は、複合機100(操作パネル1)に次第に慣れてくる。例えば、良く用いる機能について設定を繰り返すと、画面の表示内容やキーの表示位置などを記憶する。そうすると、予測して操作パネル1へのタッチ(押下)を素早く行うようになる。例えば、画面が切り替わると、表示される画面の内容を確認せずに直ちにキーを押すといった操作を行う。しかし、表示される画面の内容をほとんど確認しないでキーを押すので、誤ってキーを押してしまうことがある。
又、素早い指の動作を行うとき1回だけ押そうとしても、反射的に意図せず2度押ししてしまう場合もある。そして、1回目にキー押して画面が切り替わると、同じ位置に別のキーが配されていることがある。このような意図しない2度押しがなされると、使用者は意図しないキー(誤ったキー)を押してしまう。
誤ったキーを押しても、通常、表示制御部8は、誤ったキーが押されたと認識し、入力を受け付ける。そして、入力を受け付けたキーに応じ、表示制御部8は、液晶表示部5に画面の表示の切り替えさせる等の処理を行う。
そのため、誤ったキーを押してしまうと、画面の切替や設定値の変更などの操作が必要になることがある。特に、設定を取り消すキーが押されると、表示制御部8は、例えば、保持している設定内容をメモリー81に破棄させる処理を行う。そのため、使用者は、設定のやり直しを行う必要がある。又、例えば、誤って設定項目の設定完了を指示するキーが押されると、表示制御部8は、設定項目の設定画面93から他の画面への表示の切り替えを液晶表示部5に行わせることがある。そうすると、使用者は、タッチパネル部6に入力を行い、閉じた設定画面93を液晶表示部5に再度表示させ、所望する設定値に設定し直す必要がある。
このように使用者の慣れに起因して、誤入力(誤ったキーの押下)がなされることがある。一方で、誤入力があっても直ちに(1タッチで)修正可能な場合もある。そこで、本実施形態の操作パネル1には、1タッチでは修正できないような誤って押されると手間のかかる設定のやり直しが必要となる特定キー(例えば、取消キーや確定キーなど)の入力を遅らせる誤入力防止モードが設けられる。そこで、図4〜図6を用いて、誤入力防止モードを説明する。
ここで、本説明では、複合機100のボックス機能を例に挙げて、誤入力防止モードを説明する。尚、誤入力防止モードは、コピー機能、スキャン機能、送信機能等に関する機能の設定にも適用できる。そして、以下のボックス機能についての説明は、コピー機能、スキャン機能、送信機能等の各種機能の設定についても当てはまる。
まず、図4を用いて、ボックス機能の概要を説明する。図4は、液晶表示部5が表示するボックス初期画面91の一例である。表示制御部8は、操作パネル1のボックスキー15が押されると、液晶表示部5にボックス初期画面91を表示させる。言い換えると、ボックス初期画面91はボックス機能に関する画面のうち、最上層に位置する画面である。
複合機100の記憶部72のHDDには、各種ボックスを記憶させるための領域が仮想的に確保される。ボックスの種類としては、後日再利用する等の目的で、画像読取部2aを用いて読み取ったファイル(画像データ)が記憶されるカスタムボックス(図4の「Custum Box」のタブに対応)、コンピューター200から送信された印刷ジョブや送信ジョブを一時的に蓄えるジョブボックス(図4の「Job Box」のタブに対応)、通信部73に接続された外部メモリー(例えば、USBメモリーや各種メモリーカード)内の画像データを取り込んで蓄える外部メモリボックス(図4の「Removable Memory」のタブに対応)、FAXの送信ジョブを一時的に蓄えるFAXボックス(図4の「Fax Box」のタブに対応)等がある。
そして、図4は、カスタムボックスを開いた状態の一例を示している。カスタムボックスのボックス初期画面91には、カスタムボックス(記憶部72)に記憶された画像データを一覧形式で表示する一覧表示領域F1が設けられる。図4は、データ名が「□□□□」であり、記憶させた使用者(登録者)が「△△△△」のファイル(画像データ)が1件、カスタムボックスに記憶されているときの表示の一例を示している。
そして、ボックス初期画面91には、例えば、蓄積キーK1(「Store File」と付されたキー)や、詳細キーK2(「Detail」と付されたキー)や、開くキーK3(「Open」と付されたキー)が設けられる。尚、ボックス初期画面91の右側に設けられるキーは、カスタムボックスに複数蓄積されたファイルを検索するためのキーである。
画像読取部2aにより原稿を読み取って得られたファイル(画像データ)をカスタムボックスに新たに蓄積して記憶させるとき、蓄積キーK1が押される。カスタムボックスに蓄積されたファイルの詳細(例えば、データサイズやページ数等)を確認するとき、確認するファイルを指定して詳細キーK2が押される。詳細キーK2が押されると、表示制御部8は、タッチにより選択された画像データの詳細を液晶表示部5に表示させる。又、カスタムボックスに蓄積されたファイルを印刷や送信等に利用するとき、利用するファイルを指定して(押して)、開くキーK3が押される。開くキーK3が押されると、例えば、表示制御部8は、指定されたファイルの印刷や送信設定用の画面を液晶表示部5に表示させる。
ここで、本説明では、ボックス初期画面91で蓄積キーK1が押された場合を説明する。ボックス初期画面91で蓄積キーK1が押されると、図5に示すように、表示制御部8は、原稿読み取りに関する設定項目の選択画面92を液晶表示部5に表示させる。
図5は、選択画面92のうち、機能タブTB1(「Function」と付されたタブ)を押した状態の選択画面92である。尚、簡易設定タブTB2(「Quick Setup」と付されたタブ)が押されると、経験上良く用いられる設定項目(例えば、2〜3つの設定項目)に絞られたキー(例えば、読取の縮小や拡大や保存ファイル形式の設定項目)等により読み取りの設定を行える選択画面92が表示される(不図示)。
機能タブTB1が押されたとき、選択画面92には、設定項目を選択するための12個の略矩形のキーが表示される。この選択画面92には、原稿のサイズを設定する原稿サイズキーK4(「Original Size」と付されたキー)や、原稿が両面であるか片面であるか等、原稿のタイプを設定する両面キーK5(「2-Side/Book Original」と付されたキー)や、原稿の載置方向を設定するための載置方向キーK6(「Original Orientation」と付されたキー)等が設けられる。尚、他の設定項目のキーも機能が割り振られるが、説明を割愛する。
又、設定項目を1画面に表示しきれないので(原稿読み取りに関する設定項目が12個以上あるので)、表示される設定項目を切り替える矢印キーK7、K8が選択画面92に設けられる。矢印キーK7、K8が押されると、表示制御部8は、選択画面92に表示される設定項目のキーの表示を液晶表示部5に切り替えさせる。
又、選択画面92の右下には、戻るキーK9(「Back to List」と付されたキー)が配される。戻るキーK9が押されると、表示制御部8は、今までになされた設定内容を全て破棄して、図4に示すボックス初期画面91を液晶表示部5に表示させる。
そして、図6は、原稿サイズキーK4が押されたときに表示される原稿サイズの設定項目の設定画面93である。表示制御部8は、原稿サイズキーK4が押されると、原稿サイズの設定項目の設定画面93を液晶表示部5に表示させる。設定画面93は、各設定項目に対して設けられ、表示制御部8は、選択された(押された)設定項目に応じて、対応する設定画面93を液晶表示部5に表示させる。
設定項目の設定画面93には、第1標準サイズキーK10(「Standard Size1」と付されたキー)、第2標準サイズキーK11(「Standard Size2」と付されたキー)、その他キーK12(「Others」と付されたキー)、サイズ入力キーK13(「Size Entry」と付されたキー)が設けられる。
そして、図6は、原稿サイズの設定項目の設定画面93でサイズ入力キーK13が押されたときに表示される設定画面93の一例を示す。そして、プラスキーK14やマイナスキーK15やテンキー利用キーK16を用いて、原稿の横方向のサイズを設定することができる。又、プラスキーK17やマイナスキーK18やテンキー利用キーK19を用いて、原稿の縦方向のサイズを設定値として設定することができる。
尚、第1標準サイズキーK10や第2標準サイズキーK11やその他キーK12が押されると、A4横、A4縦、レターサイズ等、定型サイズと呼ばれる用紙サイズを示すキーが複数表示される。使用者は、表示された用紙サイズに対応するキーを押し、定型の原稿サイズを設定値として設定できる。
原稿サイズの設定項目の設定画面93の右下には、OKキーK20(特定キーに相当)とキャンセルキーK21(特定キーに相当)が設けられる。OKキーK20は、原稿サイズの設定を完了するときに押される。表示制御部8は、OKキーK20が押されると、設定された原稿サイズで読み取りを行うと認識し、設定内容をメモリー81に記憶させる。表示制御部8は、キャンセルキーK21が押されると、原稿サイズの設定がなされなかったものと認識する。そして、OKキーK20やキャンセルキーK21が押されると、表示制御部8は、液晶表示部5に図5に示した選択画面92を表示させる。尚、OKキーK20やキャンセルキーK21は、どの設定項目の設定画面93でもほぼ同じ位置に表示される。そのため、どの設定項目の設定画面93のOKキーK20やキャンセルキーK21も特定キーとしてもよい。そして、所望の設定項目に対して設定値の設定を行った後、スタートキー12が押されると、表示制御部8は、主制御部7に設定内容を伝達する。主制御部7は、操作パネルでの設定内容に応じて、原稿搬送装置2bや画像読取部2aに原稿の読み取りを行わせ、画像データ(ファイル)を生成させ、記憶装置72に画像データを格納させる。
ここで、操作に慣れた使用者が、キーを素早く押すことにより原稿サイズの設定項目の設定画面93でのキャンセルキーK21を誤って押すと、サイズ入力キーK13を入力して原稿サイズを設定しても、再度、原稿サイズの設定を行わなければならない。
又、OKキーK20を押すことにより、選択画面92に表示が切り替わるが、図5及び図6に示すように、設定画面93でOKキーK20のある位置に、選択画面92には戻るキーK9が配される。そして、良く確認せずOKキーK20を誤って2度押ししてしまうと、戻るキーK9の入力がなされることがある。戻るキーK9が押されると、これまでなされた設定が全て取り消されてしまう。この場合、使用者は設定を全てやり直すことになる。
そこで、表示制御部8は、キーが押される間隔が短いとき、特定キーの入力の受付を遅らせる誤入力防止モードでキーの入力(押下)を受け付ける(認識する)。ここで、本実施形態では、特定キーは、設定項目の設定を確定するキー(例えば、OKキーK20)や、設定内容を取り消すキー(例えば、キャンセルキーK21や戻るキーK9)である。尚、確定するキーや取り消すキー以外に、他のキーを特定キーとしてもよい。
(誤入力防止モードでの処理)
次に、図7〜図9を用いて、誤入力防止モードでのキー入力の受付を説明する。図7は、誤入力防止モードのキー入力の受付を設定する誤入力防止モード設定画面94の一例を示す説明図である。図8は、確認画面95の一例を示す説明図である。図9は特定キーの移動の一例を示す説明図である。
本実施形態の操作パネル1では、誤入力防止モードでの表示制御部8の入力受付の振る舞い(入力を受け付ける条件等)を設定することができる。この設定は、誤入力防止モード設定画面94で行うことができる。表示制御部8は、使用者により誤入力防止モード設定画面94を開く操作がなされると、液晶表示部5に誤入力防止モード設定画面94を表示させる。
この誤入力防止モード設定画面94には、使用キーK22と不使用キーK23が設けられる。使用キーK22は、キーが押される間隔が短いため、特定キーの入力の受付を遅らせるとき(誤入力防止モードを利用するとき)押される。尚、誤入力防止モードになるタイミングについての詳細は後述する。不使用キーK23は、誤入力防止モードを用いないとき押される。
誤入力防止モード設定画面94の右下部分にはOKキーK24とキャンセルキーK25が設けられる。表示制御部8は、使用キーK22が押された状態でOKキーK24が押されると、誤入力防止モードとなってよい旨の設定情報をメモリー81に記憶させる。表示制御部8は、不使用キーK23が押された状態でOKキーK24が押されると、誤入力防止モードを用いない旨の設定情報をメモリー81に記憶させる。これにより、使用者は、誤入力防止モードとなるか否かを操作パネル1で設定することができる。
そして、使用キーK22と不使用キーK23の下方には、5つのラジオボタン(ラジオボタンRB1、ラジオボタンRB2、ラジオボタンRB3、ラジオボタンRB4、ラジオボタンRB5)が設けられる。これらのラジオボタンRB1〜RB5は、誤入力防止モードでの表示制御部8の入力受付の振る舞い(第1モードから第5モード)を設定するためのボタンである。
〈第1モード〉
ラジオボタンRB1は、誤入力防止モードのモードを第1モードとするとき、押される。表示制御部8は、誤入力防止モードの第1モードでは、先のキーが押されてから入力を無視する時間(入力無視時間)が経過してから、特定キーの入力(押下)を受け付ける。言い換えると、表示制御部8は、第1モードのとき、先のキーが押されてから入力無視時間が経過するまでに特定キーが押されても、無視する(特定キーが押されていないものと扱う)。そして、表示制御部8は、入力を受け付けた特定キーに応じて処理を行う。
ここで、第1モードでの「入力無視時間」は、任意に定めることができる時間である。例えば、十分に使用者に押そうとしているキーの内容を確認させるための時間であり、慣れによるキーの早押しを行っているか否かを判定するための基準時間よりも長くすることができる。言い換えると、入力無視時間は、操作に慣れた使用者が自分の押すキーが正しいか否かを確認できる時間とすればよい。例えば、入力無視時間は、2秒程度に設定される。2秒程度あれば、正しいキーを押しているか否かを使用者に十分認識させることができる。
従って、通常モード(通常のキーの入力の受付)では、表示制御部8は、単にキーが押されるとキーの入力を受け付けるが、誤入力防止モードでは入力無視時間を設けることにより、特定キーの入力の受付を遅らせる。
〈第2モード〉
ラジオボタンRB2は、誤入力防止モードのモードを第2モードとするとき押される。表示制御部8は、誤入力防止モードの第2モードでは、特定キーが2度押しされると、特定キーの入力(押下)を受け付ける。言い換えると、表示制御部8は、第2モードのとき、1回特定キーが押されただけでは、特定キーが押されたとは認識せず、2度押しされて初めて特定キーの入力を受け付ける。そして、表示制御部8は入力を受け付けた特定キーに応じて処理を行う。
ここで、第2モードでは、特定キーの入力を受け付けるまでに押すべき回数は、2回とは限らず、3回以上でもよい。尚、回数が増えるほど、入力を受け付けるまでの時間は長くなり、正しいキーを押しているか否かを使用者に確認させる時間は長くなる。そこで、特定キーの入力を受け付けるまでに押すべき回数は、3回程度としてもよい。
従って、通常モード(通常のキーの入力の受付)では、表示制御部8は、単にキーが押されるとキーの入力を受け付けるが、誤入力防止モードでは、特定キーの入力回数(受け付けられるまでに押す回数)を意図的に増やすことにより特定キーの入力の受付を遅らせる。
〈第3モード〉
ラジオボタンRB3は、誤入力防止モードのモードを第3モードとするとき押される。表示制御部8は、誤入力防止モードの第3モードでは、特定キーがされると、押したキーに誤りが有るか否かを確認するための確認画面95(ダイアログ)を液晶表示部5に表示させる。言い換えると、表示制御部8は、第3モードのとき、1回特定キーが押されただけでは、特定キーが押されたとは認識せず、確認画面95を表示し、処理を進めても良い旨の入力(押された特定キーに誤りが無い旨の入力)があると特定キーの入力を受け付ける。そして、表示制御部8は、入力を受け付けた特定キーに応じて処理を行う。
図8を用いて説明する。図8は、図5を用いて説明した選択画面92で、誤入力防止モードで戻るキーK9が押されたときに表示される確認画面95の一例を示している。図8に示すように、例えば、表示制御部8は、誤入力防止モードで押された特定キーを確認画面95に表示させる。図8に示す例では、特定キーは、戻るキーK9である。又、表示制御部8は、確認画面95内にYesキーK26とNoキーK27を液晶表示部5に表示させる。そして、表示制御部8は、YesキーK26が押されると、特定キーが押されたものと扱い、本例では戻るキーK9の入力を受け付け、ボックス初期画面91を液晶表示部5に表示させる。一方、YesキーK26が押されると、特定キーが押されたとは扱わず、本例では戻るキーK9の入力を受け付けない(無視する)。
従って、通常モード(通常のキーの入力の受付)では、表示制御部8は、単にキーが押されるとキーの入力を受け付けるが、誤入力防止モードでは、使用者に正しいキーを押したか否かを確認することにより、特定キーの入力の受付を遅らせる。
〈第4モード〉
ラジオボタンRB4は、誤入力防止モードのモードを第4モードとするとき押される。表示制御部8は、誤入力防止モードの第4モードでは、特定キーが長押しされると、特定キーの入力(押下)を受け付ける。言い換えると、表示制御部8は、第4モードのとき、単に特定キーが押されただけでは、特定キーが押されたとは認識せず、長押しされて初めて特定キーの入力を受け付ける。そして、表示制御部8は、入力を受け付けた特定キーに応じて処理を行う。
ここで、第4モードでは、特定キーの入力を受け付けるまでに押すべき時間(予め定められた長押しと認められるまでの長押し時間)は、例えば、2秒程度とされる。2秒程度あれば、正しいキーを押しているか否かを使用者に十分認識させることができる。
従って、通常モード(通常のキーの入力の受付)では、表示制御部8は、単にキーが押されるとキーの入力を受け付けるが、誤入力防止モードでは、特定キーの入力が受け付けられるまでに長押しを条件とすることにより、特定キーの入力の受付を遅らせる。
〈第5モード〉
ラジオボタンRB5は、誤入力防止モードのモードを第5モードとするとき、押される。表示制御部8は、誤入力防止モードの第5モードでは、画面切替後の特定キーの位置が、画面切替前に押されたキーの位置と重複するとき、切替後の画面の特定キーの位置をずらす。言い換えると、表示制御部8は、第5モードのとき、反射的な2度押しがあったとき、2度目に押される位置に特定キーが位置することになるとき、切替後の画面での特定キーの位置をずらす。そして、表示制御部8は、入力を受け付けた特定キーに応じて処理を行う。
図9を用いて説明する。図9は、誤入力防止モードで図6を用いて説明した設定画面93でOKキーK20が押され、選択画面92に遷移したとき(戻ったとき)の、選択画面92の一例を示している。図9に示す例では、特定キーは、戻るキーK9である。又、図9では、移動前の戻るキーK9の位置を破線で示している。
図6と図9に対比すると、液晶表示部5での原稿サイズの設定項目の設定画面93でのOKキーK20の位置と、移動前の選択画面92での戻るキーK9の位置は重複している。そして、入力を素早く行うため、使用者がOKキーK20の位置で連続的に(連打的に)キーを押す動作を行うと、移動前の選択画面92での戻るキーK9を誤って押してしまいかねない。誤って戻るキーK9を押すと、設定のやり直しとなる。そこで、図9に示すように、例えば、表示制御部8は、誤入力防止モードでは、切替後の画面での特定キーの位置を、切替前に押されたキーの位置と重複しないように移動させる。
従って、通常モード(通常のキーの入力の受付)では、表示制御部8は、単にキーが押されるとキーの入力を受け付け、特定キーの位置を移動させないが、押す位置を変えるために指先を移動させるための時間を設けることにより、特定キーの入力の受付を遅らせる。
使用者は、何れかのラジオボタンを押して、誤入力防止モードでの特定キーの入力受付の態様を定める。そして、表示制御部8は、何れかのラジオボタンが押された状態でOKキーK24が押されると、誤入力防止モードでの特定キーを受け付ける態様(第1〜第5のうち選択されたモード)を示す設定情報をメモリー81に記憶させる。そして、表示制御部8は、誤入力防止モードで使用者の設定にあわせて、特定キーの入力を受け付ける。
(誤入力防止モードと通常モードの遷移と復帰)
次に、図10を用い、本実施形態の操作パネル1で誤入力防止モードと通常モードの遷移を説明する。図10(a)と(b)は、誤入力防止モードと通常モードの遷移の一例を説明するための説明図である。
本実施形態の操作パネル1の表示制御部8は、キーが押される間隔が短いとき、誤入力防止モードで特定キーの入力を受け付ける。表示制御部8は、通常モードから誤入力防止モードに遷移すべきか、及び、誤入力防止モードから通常モードに復帰にすべきかを確認するため、各キーが押される時間間隔を測定する。このキーの押される時間間隔は、例えば、計時部82が測定する。
そして、表示制御部8は、時間間隔が予め定められた基準時間よりも短いとき、誤入力防止モードで特定キーの入力を受け付ける。基準時間は予め定められ、操作パネル1のメモリー81に基準時間を示すデータが記憶される。尚、「基準時間」は、表示部(液晶表示部5)の画面サイズや各キー間の平均距離などを勘案して任意に定めることができる時間である。例えば、「基準時間」は、実験等により操作に慣れた使用者の平均的なキーとキーを押す間隔に基づき定めても良い。例えば、基準時間は、0.5秒程度とされる。言い換えると、基準時間は、使用者が表示された画面の内容を理解し、押すキーが何のキーかを理解して押しているか否かを判別するための時間である。そして、表示制御部8は、タッチパネル部6の出力に基づき、タッチパネルが押された時間間隔(キーが押された時間間隔)と基準時間を比較して、通常モードから誤入力防止モードに遷移すべきか否かを確認する。
図10(a)、(b)を用いて、通常モードから誤入力防止モードへの遷移を説明する。まず、図10(a)、(b)での横軸は、時間の流れを示している。そして、T1〜T10の各時点は、使用者によってキーが押された時点(表示制御部8がキーの入力を受け付けた時点)である。尚、T1〜T10の各時点で押されるキーは、特定キーとは限らず全てのキーを対象とする。言い換えると、表示制御部8は、全てのキーを対象として、キーが押された時間間隔が予め定められた基準時間よりも短いか否かを確認する。そして、Δ1〜Δ10は、前のキーが押された時から次のキーが押されるまでの時間間隔を示す。
尚、図10(b)は、時間間隔(Δ7〜Δ10)が全て基準時間よりも長い場合を示し、通常モードから誤入力防止モードに遷移させない場合を示す。このように、本実施形態の操作パネル1では、常時、誤入力防止モードとするのではなく、使用者が比較的内容を確認しつつ入力(キーの押下)を行っていると認められるとき、表示制御部8は、通常モード(特定キーであるか否かを問わず)で押されたキーの入力を受け付ける。
そして、図10(a)に示す例では、時間間隔Δ2〜Δ5は、基準時間よりも短い時間間隔である。キーが押されてから次のキーが押されるまでの時間が短いとき(図10(a)に示すT2の時点のとき)、表示制御部8の特定キーの入力を受け付けるモードは、特定キーが押されると入力を受け付ける通常モードから誤入力防止モードとなる。
そして、誤入力防止モードとなってから、図10(a)に示すように、キーが押される時間間隔が基準時間よりも長くなると、誤入力防止モードが解除され、通常モードに復帰する(図10(a)の例では、T5の時点でキーが押されてからT6の時点でキーが押されるまでの間に通常モードに復帰)。
あるキーが押されてから誤入力防止モードを解除するまで(通常モードに復帰するまで)の時間は、例えば、基準時間よりも長くされ、又、任意に定めることができる。例えば、キーが押されてから次のキーが押されるまでの時間が基準時間以上経過した後、表示制御部8は、誤入力防止モードを解除し、通常モードで特定キーの入力を受け付ける。
尚、誤入力防止モードのモードによっては(例えば、第1モード)、特定キーの入力が受け付けられるまでの時間は、基準時間よりも長くなる場合がある。そこで、誤入力防止モードを解除するまで(通常モードに復帰するまで)の時間(図10(a)での時間t1)は基準時間よりも長くするようにしてもよい。例えば、基準時間が0.5秒であり、入力無視時間が2秒であるとき、キーが押されてから次のキーが押されるまでの時間が入力無視時間よりも長いとき、表示制御部8は、誤入力防止モードを解除してもよい。言い換えると、誤入力防止モードから通常モードに復帰する条件は、任意に定めることができ、キーが押されてから次のキーが押されるまでの時間に基づき、表示制御部8は、復帰する条件が満たされたか否かを判定できる。
(入力受付の流れ)
次に、図11に基づき、本実施形態の操作パネル1でのキーの入力受付の流れを説明する。図11は、操作パネル1でのキーの入力受付の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図11のスタートは、設定項目の選択や設定値の設定等、操作パネル1でジョブ実行のために各種の入力が可能となった時点である。例えば、複合機100の主電源が投入された時点や、省電力モード解除に伴って、省電力モードで電力供給が遮断されていた操作パネル1に電力供給が再開された時点や、使用者の認証によるログインで、操作パネル1が入力を受け付けるようになった時点などがあてはまる。
まず、表示制御部8は、特定キーの入力を受け付けるモードを通常モードとする(ステップ♯1)。言い換えると、デフォルトのモードは、通常モードである。通常モードでは、表示制御部8は、特定キーが押されれば、特定キーが押されたと認識して入力を受け付ける。そして、表示制御部8は、キーが押されてから次のキーが押されるまでの時間を測定する(ステップ♯2)。次に、表示制御部8は、測定した時間間隔が基準時間よりも短いか否かを確認する(ステップ♯3)。測定した時間間隔が基準時間以上であれば(ステップ♯3のNo)、使用者は確認を行いながら入力していると認められるので、フローは、ステップ♯2に戻る
一方、測定された時間が基準時間よりも短ければ(ステップ♯3のYes)、表示制御部8は、誤入力防止モードで各キーの入力を受け付ける(ステップ♯4)。誤入力防止モードでは、表示制御部8は特定キーが押されると、誤入力防止モード設定画面94で設定された第1〜第5の何れかのモードで特定キーの入力を受け付ける。
そして、誤入力防止モードでも、表示制御部8は、キーが押されてから次のキーが押されるまでの時間を測定する(ステップ♯5)。そして、表示制御部8は、測定された時間間隔に基づき、誤入力防止モードを解除し通常モードに復帰するか否かを確認する(ステップ♯6)。
通常モードに復帰する条件を満たせば(ステップ♯6のYes)、表示制御部8は、通常モードでの各キーの入力受け付けを開始する(ステップ♯1に戻る)。一方、通常モードに復帰する条件を満たしていなければ(ステップ♯6のYes)、誤入力防止モードを維持すべきであるため、フローは、ステップ♯5に戻る。このように、操作パネル1での入力での誤入力防止モードと通常モードの状態の遷移が行われる。そして、操作パネル1が入力を受け付けない状態となったとき(省電力モードへの移行やログアウト等のあったとき、)、本フローは終了する。
このようにして、本実施形態の本実施形態に係る表示入力装置(操作パネル1)は、設定項目の選択、及び、選択された設定項目での設定値を設定するための複数のキーを画面に表示する表示部(液晶表示部5)と、表示部で押された位置を検知するためのタッチパネル部6と、タッチパネル部6の出力に基づき表示部に表示されるキーのうち押されたキーを認識して入力を受け付けるとともに、表示部の表示を制御し、押されたキーに応じて表示を表示部に切り替えさせる表示制御部8と、を含み、表示制御部8は、キーが押される時間間隔を測定し、予め定められた基準時間よりも短い時間間隔でキーが押されると、予め定められた特定のキーである特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)の入力の受け付けを遅らせる誤入力防止モードでキーの入力を受け付ける。
これにより、キーが押される時間間隔が短く、表示された画面の内容やキーを確認しないままキーが押されている可能性があるとき、慣れに起因して誤って前のキーを押してから短い時間の間隔で特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)が押されても、直ちには入力が受け付けられない。言い換えると、特定キーの入力が受け付けられるまでに要する時間を意図的に落とし、表示された画面の内容やキーの確認を促す。従って、使用者の意図しない処理がなされ、設定のやり直しを防ぐことができ、表示入力装置(操作パネル1)の使いやすさを向上させることができる。
又、表示制御部8は、誤入力防止モードとなった後、先のキーが押されてから次のキーの押されるまでの間隔が基準時間以上となると、誤入力防止モードを解除する。これにより、使用者がキーの内容を確認しつつ、キーを選択して入力している(押している)と認められるとき、誤入力防止モードが解除される。従って、慣れに起因する誤入力が生じ難いと認められるとき、入力の受付は遅延無く行われ、表示入力装置(操作パネル1)の使いやすさを高めることができる。
又、予め定められた特定のキーである特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)のみ入力の受け付けが遅らされる。これにより、表示部(液晶表示部5)に表示された全てのキーの入力の受付が遅らされない。従って、誤入力防止モードとなっても、設定入力の遅延は入力操作全般に及ばず、迅速な設定入力を妨げとなり難い。又、予め定められた基準時間よりも短い時間間隔でキーが押されたときのみ誤入力防止モードとなり、常時、誤入力防止モードとしないので、設定の入力の遅延を招き難い。
又、既になされた設定の取り消すための取消キーを押すと、設定内容を破棄する処理がなされ、設定のやり直しが必要となる。先に行った操作の繰り返しは煩雑である。又、先に行った操作が複雑であるほど、設定のやり直しに手間がかかる。そこで、表示制御部8は、既になされた設定の取消を受け付けるための取消キーを表示部(液晶表示部5)に表示させ、取消キーは、特定キーである。これにより、慣れに起因する取消キーの誤入力が受け付けられることを防ぐことができる。従って、手間のかかる設定のやり直しを防ぎ、表示入力装置(操作パネル1)の使いやすさを向上させることができる。
又、設定を確定する確定キーを押すと、設定項目の設定は完了し、画面の表示が大きく切り替わることがある。しかし、確定した設定項目の設定に誤りがあれば、設定項目の選択や設定値の設定のやり直しが必要となり、使用者にとって煩雑な操作となることがある。そこで、表示制御部8は、設定の確定を受け付けるための確定キーを表示部(液晶表示部5)に表示させ、確定キーは、特定キーである。これにより、慣れに起因して誤って押された確定キーの入力が受け付けを防ぐことができる。従って、手間のかかる設定のやり直しを防ぎ、表示入力装置(操作パネル1)の使いやすさを向上させることができる。
又、表示部(液晶表示部5)は、誤入力防止モード設定画面94を表示し、表示制御部は、前記誤入力防止モード設定画面94で、前記誤入力防止モード中の前記表示制御部の入力受付の振る舞いについてのモードであって、予め定められた複数の前記モードの中から、前記モードを選ぶ入力を受け付け、前記誤入力防止モードでは使用者により選ばれた前記モードにあわせて、特定キーの入力を受け付ける
又、表示制御部8は、誤入力防止モード設定画面94で、複数のモードの中から、誤入力防止モードのとき、先のキーが押されてから予め定められた入力無視時間が経過すると特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)による入力を受け付け、入力無視時間が経過からするまでの間に特定キーが押されても無視するモードを選ぶ入力を受け付ける。これにより、慣れに起因して誤った特定キーが押されても直ちに入力は受け付けられない。又、画面内容や押そうとしているキーが何であるかを使用者に確認させることができ、使用者は、入力無視時間経過後に正しいキーを押すことになり、誤入力を防止することができる。
又、表示制御部8は、前記誤入力防止モード設定画面94で、複数のモードの中から、誤入力防止モードのとき、特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)が複数回押されると、特定キーによる入力を受け付けるモードを選ぶ入力を受け付ける。これにより、慣れに起因して誤った特定キーが押されても直ちに入力は受け付けられない。又、使用者は、複数回キーを押すうちに、画面内容や押そうとしているキーを確認できる。そして、正しいキーを押しているか判定させることにより、誤入力を防止することができる。
又、表示制御部8は、誤入力防止モード設定画面94で、複数のモードの中から、誤入力防止モードのとき、特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)が押されると、表示部(液晶表示部5)に特定キーが押されたことを確認するための確認画面95を表示させ、確認画面95で処理を進めても良い旨の続行入力がなされると特定キーの入力を受け付け、処理を進めない旨の中止入力がなされると特定キーの入力を無視するモードを選ぶ入力を受け付ける。これにより、慣れに起因して誤った特定キーが押されても、入力したキー(押したキー)が正しいか否かが使用者に確実に確認される。従って、誤入力に基づく使用者の意図しない処理が行われない。
又、表示制御部8は、誤入力防止モード設定画面94で、複数の前記モードの中から、誤入力防止モードのとき、予め定められた長押し時間の間、特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)が押され続けると、特定キーによる入力を受け付けるモードを選ぶ入力を受け付けること。これにより、慣れに起因して誤った特定キーが押されても直ちに入力は受け付けられない。又、使用者は、キーを押している間、画面内容や押してしているキーが正しいキーか否かに気づくことができる。従って、誤入力を防止することができる。
又、表示制御部8は、誤入力防止モード設定画面94で、複数のモードの中から、キーが押されることにより表示部(液晶表示部5)に切替表示させる切替後の画面で、切替前の画面で押されたキーの位置と重複する位置に特定キー(例えば、OKキーK20、キャンセルキーK21、戻るキーK9等)が位置するとき、誤入力防止モードのとき、切替後の画面での特定キーの位置を重複しない位置に移動させて表示部に表示させるモードを選ぶ入力を受け付ける。これにより、通常では、同様の位置に表示されるキーを押すが、誤入力防止モードでは指の位置を移動させる必要がある。指の移動には、一定の時間がかかるので、押そうとしているキーが正しいキーか否かに気づく時間を設けることができる。又、慣れに起因する同じ位置や近い位置での二度押しによる誤ったキーの入力を生じ難くすることができる。
又、画像形成装置(例えば、複合機100)は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示入力装置(操作パネル1)を含む。これにより、上記の何れかの表示入力装置(操作パネル1)を含むので、使いやすい画像形成装置を提供することができる。
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、表示制御部8が操作パネル1への入力を受け付ける例を説明したが、表示制御部8に代えて、表示制御部8が行う処理を主制御部7に行わせても良い。このとき、主制御部7は、操作パネル1の制御部としても機能する。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。