本発明の実施形態を図1〜図12を用いて説明する。ここで、本発明は、各種表示入力装置に適用可能であるが、複合機100(画像形成装置に相当)に設けられた操作パネル1(表示入力装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概略構成)
まず、図1に基づき、実施形態に係る複合機100本体の概略を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
本実施形態の複合機100は、上部に画像読取部2a、原稿搬送部2b、操作パネル1等が設けられる(操作パネル1の詳細は後述)。原稿搬送部2bは、原稿載置トレイ21に積載された原稿を1枚ずつ連続的に画像読取部2aの読取位置(送り読取用コンタクトガラス22)に向けて搬送する。又、原稿搬送部2bは、図1の紙面奥側に設けられた支点(不図示)により、手前側を振るようにして開閉可能である。例えば書籍等の原稿を載置読取用コンタクトガラス23に載せ、原稿搬送部2bを閉じることで原稿を抑えることができる。画像読取部2aは、送り読取用コンタクトガラス22を通過する原稿、又は、載置読取用コンタクトガラス23に載置された原稿を読み取って、画像データを生成する。生成された原稿の画像データは、コピーや送信などに用いられる。
また、複合機100本体内部に、印刷部3が設けられる。印刷部3は、給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3dを含む。
給紙部3aは、印刷に用いる用紙を収容、供給する。搬送部3bは、装置内で用紙を搬送する通路である。画像形成部3cは、画像データに基づき給紙部3aから供給された用紙に画像(トナー像)を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部3dは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。搬送部3bは、定着部3dを通過した用紙を排出トレイ31に排出する。
(操作パネル1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る操作パネル1の一例を説明する。図2は実施形態に係る操作パネル1の一例を示す図である。
操作パネル1は、コピー等の印刷や原稿読取や画像データの送信の設定を行うための表示入力装置として機能する。そして、図1に示すように、複合機100の正面上方に設けられる。そして、図2に示すように、操作パネル1は、表示部11を含む。
表示部11は、液晶表示パネルである。しかし、画面、画像を表示できるものであればよく、有機EL表示パネルのように、液晶パネル以外の表示パネルを用いてもよい。そして、表示部11は、設定する設定項目(用いる機能)を選択するため選択画面5や、選択した設定項目の設定値を設定するための設定画面6を表示する。また、表示部11は、設定項目の選択や、設定値の設定や、設定の完了や、設定のキャンセルや、ジョブの実行指示を行うためのキー(ボタン)や、説明する文字などの画像を表示する。使用者は、表示部11に表示されたキーに対して操作を行う(キーの表示位置をタッチする)ことで、印刷、スキャン、送信など複合機100で実行できるジョブに関する設定を行う。
又、表示部11の上面には、タッチパネル部12が設けられる。タッチパネル部12は、表示部11で押された部分の位置、座標を検知するためのものである。尚、タッチパネル部12としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
又、操作パネル1には、以下のようなハードとしてのキー(ボタン)が設けられる。例えば、数字入力用のテンキー部13や、各種設定後、コピー等の処理開始指示用のスタートキー14が設けられる。又、コピー機能を利用する際に押されるコピーキー151、スキャナ機能、FAX機能を利用する際に押される送信キー152のような機能選択キー15も設けられる。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図3は、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示す図である。
複合機100内には、主制御部4が設けられる。主制御部4は、例えば、操作パネル1、画像読取部2a、原稿搬送部2b、印刷部3(給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3d)などの制御を行う。
主制御部4は、例えば、CPU41等の処理、演算を行う素子を含む。CPU41は、記憶部42に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機100の各部を制御する。尚、主制御部4は、全体制御や画像処理を行う制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部を分割するなど、機能ごとに分割されてもよい。
記憶部42は、主制御部4と通信可能に接続される。記憶部42は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。記憶部42は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
そして、主制御部4は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えた通信部43(通信インターフェイス)と通信可能に接続される。通信部43はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバ)や相手方FAX装置300(図3では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、通信部43を用いて、画像読取部2aでの原稿読み取りで得られた画像データをコンピューター200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、通信部43を用いて、コンピューター200や相手方FAX装置300から送信され、複合機100に入力される画像データに基づき印刷等を行うこともできる(プリンター機能、FAX機能)。
又、例えば、主制御部4には、画像読取部2aで原稿を読み取って得られた画像データや通信部43を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部44が設けられる。画像処理部44が処理した画像データは、画像形成部3cに送信され、感光体ドラムの走査・露光に用いられたり、記憶部42に記憶されたり、通信部43からコンピューター200等に送信される。
又、主制御部4は、操作パネル1と通信可能に接続される。主制御部4は、操作パネル1になされた入力内容、設定内容を操作パネル1から受信し、使用者の設定にあわせてコピーや送信のようなジョブが行われるように印刷部3、原稿搬送部2b、画像読取部2a、通信部43、記憶部42などを制御する。
次に、本実施形態の操作パネル1のハードウェア構成について説明する。操作パネル1は、パネル制御部10、メモリー16、表示部11、タッチパネル部12、テンキー部13、スタートキー14、機能選択キー15などを含む。
そして、パネル制御部10は、CPUやICや表示部11のパネルのドライバ回路などを含む。パネル制御部10は、表示部11の表示を制御する。又、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力を受け、表示部11(タッチパネル部12)で押された(タッチされた)位置の座標を認識する。タッチパネル部12の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリー16に記憶される。パネル制御部10は、押された位置の座標と、表示部11に表示されている画面の画像データを比較して、画面上で選択された(押された)キーを特定、認識する。又、パネル制御部10は、ハードキーからの信号を受け、いずれのハードキーが押されたかを認識する。
又、パネル制御部10は、時間を測定する計時部10aを含む。計時部10aは、タッチパネル部12の出力に基づき、表示部11に表示されるキーが押されてから次のキーが押されるまでの時間を計る。例えば、計時部10aは、パネル制御部10や主制御部4に設けられるクロック信号生成回路(不図示)が生成するクロック信号をカウントして経時を行う。尚、パネル制御部10内のCPUの計時機能を用いて、時間を計るようにしてもよい。
(操作パネル1での設定)
次に、図4、図5を用いて、実施形態に係る操作パネル1での設定の一例を説明する。図4は、実施形態に係る操作パネル1での設定項目の選択画面5の一例を示す図である。図5は、実施形態に係る操作パネル1での設定値の設定画面6の一例を示す図である。
本実施形態の複合機100では、上述のように、機能選択キー15により、コピー機能、送信機能など、用いる機能を選択することができる。以下では、コピー機能を用いるときの設定項目の選択と、選択した設定項目での設定値の設定を例に挙げて説明する。コピー機能は、原稿を読み取り、読み取りで得られた画像データに基づき、印刷を行って原稿を複写する機能である。そして、コピー機能に関し、複数の設定項目(用いることができる機能)が用意される。尚、複合機100は、送信機能のほか、コンピューター200から送信された画像データや設定データに基づき印刷を行うプリンター機能、読み取りで得られた画像データを蓄積し再利用できるボックス機能など、他の機能も有する。送信機能、プリンター機能、ボックス機能など、他の機能についても、複数の設定項目が用意されるが説明を割愛する。
機能選択キー15のうち、コピーキー15が押されると、表示部11は、コピー機能に関する設定項目を選択するための選択画面5を表示する。パネル制御部10は、コピーの選択画面5内に、タブとして、初期画面タブ51、原稿/用紙/仕上げタブ52、レイアウト編集タブ53、画質タブ54、応用/その他タブ55を表示部11に表示させる。タブ51〜55は、各種選択画面5に表示される。
予め用意され、選択可能な設定項目は多数に及ぶので、1画面内に設定項目を選択するためのキー(設定項目選択キー)を表示しきれない。また、1つのキーが小さくなりすぎないようにキーを表示すべきである。そのため、各設定項目は、複数のカテゴリー(タブ)のうち、何れか1つ、又は、複数に予め分類される。
タブ(タブ51〜55)の表示位置がタッチされると、パネル制御部10は操作されたタブに関連付けられた設定項目(操作されたタブのカテゴリーに属すると予め分類された設定項目)を選択するための選択画面5を表示部11に表示させる。選択画面5内には、設定項目を選択するための選択キーが一覧的に表示される。
図4は、初期画面タブ51の表示位置がタッチされたときに表示される選択画面5の一例を示す。初期画面タブ51は、使用者によって予め選択された、あるいは、経験的に設定頻度が多いとして、予め選び出された(初期設定された)設定項目を選択するためのキーが並べられた画面である。
尚、原稿/用紙/仕上げタブ52がタッチされると、原稿サイズや用紙サイズや、原稿や用紙の向きや、給紙元など、原稿や用紙に関する設定項目を選択するための選択画面5が表示される。レイアウト編集タブ53がタッチされると、コピーでの各ページの配置や、印刷物の内容の編集に関する設定項目の選択画面5が表示される。画質タブ54がタッチされると、印刷物の濃度など、画質に関する設定項目を選択するための選択画面5が表示される。応用/その他タブ55がタッチされると、タブ51〜55のいずれにも分類されない設定項目を選択するための選択画面5が表示される。尚、各選択画面5の表示に要する画面データD1(図3参照)は、メモリー16に記憶される(図3参照)。また、原稿/用紙/仕上げタブ52、レイアウト編集タブ53、画質タブ54、及び、応用/その他タブ55に対応する選択画面5の図示、詳細な説明は省略する。
パネル制御部10は、選択画面5内の設定項目選択キーの表示位置がタッチされると、操作された設定項目選択キー対応する設定項目が選択されたと認識する。そして、パネル制御部10は、選択された設定項目に関する設定値を設定するための設定値設定画面6を表示部11に表示させる。尚、上述の画面データD1には、設定値設定画面6の表示に要する画像データも含まれる。パネル制御部10は、メモリー16内の画面データD1を用いてタブへの操作に応じて選択画面5を表示部11に表示させ、設定項目選択キーへの操作に応じて設定値の設定画面6を表示部11に表示させる。
図5は、初期画面タブ51の選択画面5で、設定項目選択キーの1つである原稿サイズキーK1の表示位置がタッチされたとき(原稿サイズの設定項目が選択されたとき)に表示される原稿サイズ設定の設定画面6の一例を示す。尚、各種選択画面5に配される他の設定項目選択キーに対して操作を行うと、対応する設定画面6が表示されるが、原稿サイズ設定以外の設定項目については、図示、説明を割愛する。
図5に示すように、本実施形態の操作パネル1では、原稿サイズの設定項目の設定画面6では、原稿のサイズの分類を選択するための4つの分類キーが表示される。第1定形サイズキーK21は、A型用紙(例えば、A4やA3)や、B型用紙(例えば、B4やB5)に対応したキーである。第2定形サイズキーK22は、レターサイズのようなインチ系の用紙に対応したキーである。その他キーK23は、定形はがきのようなA型用紙、B型用紙、インチ系の用紙の何れにも当てはまらないとして分類されたサイズの用紙に対応したキーである。
第1定形サイズキーK21、第2定形サイズキーK22、その他キーK23の表示位置がタッチされると、パネル制御部10は、分類キーの右側に配された用紙サイズキー表示領域F1に、分類に割り当てられた用紙サイズごとのキーを表示部11に表示させる。図5は、第1定形サイズキーK21を操作することで、各種A型用紙やB型用紙に対応するキーが一覧的に列挙されて表示される例を示している。パネル制御部10は、使用者により原稿のサイズと一致するとしてタッチされたキーを認識し、原稿のサイズの設定入力として受け付ける。尚、サイズ入力キーK24の表示位置がタッチされると、パネル制御部10は、テンキー部13などを用いて原稿のサイズを手入力により設定するための画面を表示部11に表示させる。
また、図4に示すように、選択画面5の下方には、現在の設定状態でジョブ(図4の例ではコピージョブ)の実行を指示するための実行キー5aと、いままでなされた設定を解除(キャンセル)してデフォルトの設定値に戻すためのキャンセルキー5bが配される。尚、いずれのタブを選んでも、実行キー5aとキャンセルキー5bは、各選択画面5に、同様の位置に表示される。
パネル制御部10は、実行キー5aに対しての操作(タッチ)を認識すると、主制御部4に現在の設定状態(設定された設定値)を通知し、主制御部4は、通知に基づき、操作パネル1になされた設定に従った内容のジョブを、画像読取部2aや原稿搬送部2bや印刷部3などに行わせる。一方、パネル制御部10は、キャンセルキー5bに対しての操作(タッチ)を認識すると、既になされた設定を破棄する(設定をキャンセルし、デフォルトの設定値に戻す)。また、主制御部4に現在の設定状態の破棄を通知する。尚、各設定項目のデフォルトの設定値は、メモリー16にデフォルト設定値データD2としてメモリー16に記憶されている。
又、設定画面6の下方には、OKキー6aとキャンセルキー6bが配される。OKキー6aは、なされた設定(選択された設定値)を確定させるためのキーである。キャンセルキー6bは、設定を確定しないで設定画面6を閉じる(キャンセルする)ためのキーである。OKキー6aとキャンセルキー6bは、各設定項目の設定画面6内に、同様の位置に表示される。
パネル制御部10は、OKキー6aに対しての操作(タッチ)を認識すると、設定画面6で設定された設定値を、ジョブを実行するときの設定値と確定する。そして、パネル制御部10は、主制御部4に現在の設定状態(設定された設定値)を通知する。一方、パネル制御部10は、キャンセルキー6bに対しての操作(タッチ)を認識すると、設定項目の設定値を設定画面6の表示前と同じ値で保つ(変更しない)。
そして、OKキー6aやキャンセルキー6bの表示位置がタッチされると、パネル制御部10は、現在表示している設定画面6に替えて、現在の設定画面6を表示する前に表示していた選択画面5を表示部11に表示させる。このように、本実施形態の複合機100では、表示階層的に、選択画面5が上位である。
(連打防止モードと通常モード間の遷移)
次に、図6を用いて、実施形態に係る操作パネル1での連打防止モードと通常モード間の遷移について説明する。図6は、実施形態に係る操作パネル1での連打防止モードと通常モード間での遷移を示すフローチャートである。
上述のように、各機能の設定項目を選択し、設定値を設定するには、表示部11における最上層の表示から、表示部11に表示されるキーの選択を繰り返す。そして、キー選択のような操作がなされるごとに、パネル制御部10は、表示部11の表示を切り換えさせ、最終的に、選択、設定しようとする機能の設定値が設定される。
ここで、使用者は、操作パネル1での操作に次第に慣れてくる。例えば、良く用いる機能について設定を繰り返すと、画面の表示内容やキーの表示位置などを記憶する。使用者の中には、慣れてくると、設定を速やかに行うため、予測して操作パネル1へのタッチ操作を素早く行う者も出てくる。例えば、画面が切り替わると、表示される画面の内容を確認せずに直ちにキーを押すといった操作を行う場合がある。あるいは、画面の切り替わりが完了する前から、キーが表示されると予測した位置にタッチを行う場合もあり得る。しかし、表示される画面の内容をほとんど確認しないでキーを押すので、誤って不要なキーを押してしまうことがある。
又、素早い指の動作を行うとき1回だけ押そうとしても、意図せず2度押ししてしまう場合もある。そして、1回目にキー押して画面が切り替わると、同じ位置に別種のキーが配されていることがある。同じ位置の連続タッチのような操作がなされると、使用者は意図しないキー(誤ったキー)を操作してしまう場合がある。
通常であれば、パネル制御部10は、誤っていても誤っていなくても、操作されたキーに対する入力を受け付け、操作されたキーに応じて、画面の表示を切り替える。その結果、誤ったキーが操作されても、入力を受け付けたキーに応じ、パネル制御部10は、表示部11に画面の表示を切り替えさせたり、ジョブの実行を開始させる等の処理を行わせたりしている。
そのため、誤ったキーを押してしまうと、画面の切替や設定値の修正などの操作が必要になることがある。例えば、選択画面5でキャンセルキー5bが操作されると、パネル制御部10は、例えば、保持している設定内容をメモリー16に破棄させる。そのため、誤ってキャンセルキー5bを操作した使用者は、設定のやり直しを行う必要がある。又、例えば、設定が完了していないのに、誤って実行キー5aが操作されると、パネル制御部10は、主制御部4に現在の設定値の設定状態でジョブを実行させる。そうすると、ジョブの中止操作や、設定項目の選択、設定値の設定をやり直す必要がある。
このように使用者の慣れに起因した連打的なタッチ操作の過程で、誤入力(誤ったキーへの操作)がなされることがある。そこで、本実施形態の操作パネル1には、連打的なタッチ操作によって、設定のやり直しが必要となり、又、不要なジョブが実行されるような特定キー(例えば、キャンセルキーや実行キー5aなど)に対する誤入力(誤操作)を無くすための連打防止モードが設けられる。
連打防止モードでは、特定キーの表示位置は、ずらされ(ずらし表示)、ずらされた特定キーの表示領域の変化(領域変化表示)がなされる(詳細は後述)。そこで、まず、図6を用いて、連打防止モードと通常モード間の遷移を説明する。
まず、図6のスタートは、複合機100の主電源が投入されたときや、省電力モードから復帰したときなど、表示部11での画面、画像の表示を開始する時点である。まず、パネル制御部10は、メモリー16から基準時間を示す基準時間データD3を読み出す(ステップ♯11)。基準時間データD3は、メモリー16に記憶されるデータである(図3参照)。基準時間は、連打的にタッチ操作がなされているか否かを判断、検知するための時間である。基準時間は、画面の切替速度や、表示部11の画面サイズや、各キー間の平均距離やタッチパネル部12の反応速度などを考慮して適宜設定される値である(例えば、数百ミリ秒〜数秒の間の何れかの値。操作パネル1で設定可能としてもよい)。また、「基準時間」は、実験等により操作に慣れた使用者の平均的なキーとキーを押す間隔よりも短い時間の範囲内で定めても良い。
続いて、パネル制御部10は、連打回数(連打のカウント値)と、非連打回数(非連打のカウント値)をリセットする(ステップ♯12)。ここで、パネル制御部10(のCPU)は、連打回数と非連打回数をカウントする。パネル制御部10は、自己のレジスタや、連打回数や非連打回数をメモリー16に保持させる。
まず、パネル制御部10は、キーの表示位置をタッチする間隔(キーを操作してから次のキーを操作するまでの間隔。特定キーに限られない)を計る。連打回数は、基準時間以下の間隔が続いた回数である。例えば、前後2回のタッチの間隔が基準時間以下であるとき、連打回数は「1」としてカウントされる。また、3回のタッチがなされたとき、1回目のタッチと2回目のタッチの間隔と、2回目のタッチと3回目のタッチの間隔の何れもが基準時間以下であるとき、連打回数は「2」としてカウントされる。このように、パネル制御部10は、基準時間以下のタッチの間隔が連続した回数を連打回数としてカウントする。また、パネル制御部10は、間隔が基準時間を越えると、連打回数の値をリセットする。
一方、非連打回数は、基準時間を越えた間隔(キーの表示位置をタッチする間隔、キーを操作してから次のキーを操作するまでの間隔)が続いた回数である。例えば、前後2回のタッチの間隔が基準時間を越えているとき、非連打回数は「1」としてカウントされる。また、3回のタッチがなされたとき、1回目のタッチと2回目のタッチの間隔と、2回目のタッチと3回目のタッチの間隔の何れもが基準時間を越えているとき、非連打回数は「2」としてカウントされる。このように、パネル制御部10は、基準時間を越える間隔でのタッチが連続した回数を非連打回数としてカウントする。また、パネル制御部10は、間隔が基準時間以下となると、非連打回数の値をリセットする。
そして、パネル制御部10は、通常モードでの表示を行う(ステップ♯13)。通常モードとは、パネル制御部10が、予め定められた位置に、通常どおり、キーを表示部11に表示させるモードである。言い換えると、通常モードとは、連打防止モードのように、各画面に表示するキーの表示位置のずらし表示や、領域変化表示を行わないモードである。例えば、実行キー5aや、OKキー6aや、キャンセルキー5b、6bは、図4、図5に示す位置に表示される。
そして、パネル制御部10(計時部10a)は、キーの表示位置がタッチされてから次のキーの表示位置がタッチされるまで(キーが操作されてから次のキーが操作されるまで)の間隔を計る(ステップ♯14)。
そして、パネル制御部10は、間隔が基準時間以下であるか否かを確認する(ステップ15)。もし、基準時間を越えているとき(ステップ♯15のNo)、パネル制御部10は、連打回数の値をリセットする(ステップ♯16)。そして、フローは、ステップ♯14に戻る。一方、基準時間以下のとき(ステップ♯15のYes)、パネル制御部10は、連打回数に1を加算する(ステップ♯17)。
続いて、パネル制御部10は、連打回数が予め定められた基準連打回数以上となったか否かを確認する(ステップ♯18)。もし、基準連打回数以上であるとき(ステップ♯18のYes)、パネル制御部10は、表示部11の表示モードを連打防止モードとする(連打防止モードへの移行。ステップ♯19)。そして、パネル制御部10は、連打回数(連打のカウント値)と、非連打回数(非連打のカウント値)をリセットする(ステップ♯110)一方、基準連打回数を下回っているとき(ステップ♯18のNo)、フローはステップ♯14に戻る。
基準連打回数は、連打防止モードに移行すべきか否かを判定するための値であり、適宜定めることができる。例えば、基準連打回数は、1〜2回程度の値に設定することができる。尚、基準連打回数を1回するのであれば、ステップ♯18により確認を行わず、直ちに連打防止モード(ステップ♯19)に移行すればよい。基準連打回数を示す基準連打回数データD4は、例えば、メモリー16に記憶される(図3参照)。
ステップ♯110の後、パネル制御部10(計時部10a)は、キーの表示位置がタッチされてから次のキーの表示位置がタッチされるまで(キーが操作されてから次のキーが操作されるまで)の間隔を計る(ステップ♯111)。
そして、パネル制御部10は、間隔が基準時間を越えているか否かを確認する(ステップ112)。もし、基準時間以下のとき(ステップ♯112のNo)、パネル制御部10は、非連打回数の値をリセットする(ステップ♯113)。そして、フローは、ステップ♯111に戻る。一方、基準時間を越えているとき(ステップ♯112のYes)、パネル制御部10は、非連打回数に1を加算する(ステップ♯114)。
続いて、パネル制御部10は、非連打回数が予め定められた基準非連打回数以上となったか否かを確認する(ステップ♯115)。もし、基準非連打回数以上であるとき(ステップ♯115のYes)、フローは、ステップ♯12に戻る。これにより、パネル制御部10は、表示部11の表示モードを通常モードとする(通常モードへの移行。ステップ♯13)。一方、基準非連打回数を下回っているとき(ステップ♯115のNo)、フローはステップ♯111に戻る。主電源OFFや省電力モードへの移行により、表示部11の表示がOFFされない限り、フローは続けられる。
ここで、基準非連打回数は、連打防止モードから通常モードに移行すべきか否かを判定するための値であり、適宜定めることができる。例えば、基準非連打回数は、1〜2回程度の値に設定することができる。尚、基準非連打回数を1回とするのであれば、ステップ♯115により確認を行わず、直ちに通常モード(ステップ♯12、13)に移行すればよい。基準非連打回数を示す基準非連打回数データD5は、例えば、メモリー16に記憶される(図3参照)。
(連打防止モード・ずらし表示)
次に、図7、図8を用いて、本実施形態の操作パネル1でのずらし表示を説明する。図7は、実施形態に係る特定キーとして実行キー5aをずらし表示する一例を示す図である。図8は、実施形態に係る特定キーとしてキャンセルキー5bをずらし表示する一例を示す図である。
上述のように、基準時間よりも短い間隔でのキー操作(タッチ)が連続すると、パネル制御部10は、表示部11の表示モードを通常(通常モード)から連打防止モードに切り替える。連打防止モードでは、パネル制御部10は、特定キーに対するずらし表示を行う。ここで、本実施形態の操作パネル1では、特定キーは、実行キー5a、OKキー6a、キャンセルキー5b、6bのような設定のやり直しが必要となるキーが特定キーとして扱われる。尚、実行キー5a、OKキー6a、キャンセルキー5b、6bの全てを特定キーと扱う必要はなく、何れか1つ、又は複数を特定キーと扱うようにしてもよい。
ここで、本実施形態の操作パネル1では、ずらし表示の対象となる特定キーは、表示しようとする特定キーのうち、直前に操作されたキーの表示位置と、これから表示しようとする特定キーの通常の(通常モードでの)表示位置が重なる特定キーに対し、ずらし表示を行う。具体的に、パネル制御部10は、直前にタッチされたキーと、表示しようとする特定キーが重複しない位置にずらすように、表示部11に特定キーを表示させる。
しかし、パネル制御部10は、新たに表示する特定キーの全てに対し、前画面に表示されたキーと重複しない位置にずらすように、表示部11にずらし表示を行わせてもよい。
図7の上図は、原稿サイズの設定項目の設定画面6である。そして、図7の上図は、原稿がA4縦サイズであることを設定するため、第1定形サイズキーK21、A4サイズ(縦)を指定するためのキー、OKキー6aの順で、キーの表示位置がタッチされたことを示している。
そして、図7の下図は、第1定形サイズキーK21を操作してからA4サイズ(縦)を指定するためのキーを操作するまでの間隔と、A4サイズ(縦)を指定するためのキーを操作してからOKキー6aを操作するまでの間隔の何れもが基準時間以下であるため、連打防止モードになったときの選択画面5での表示の一例を示している。尚、OKキー6aが操作され、設定が確定すると、パネル制御部10は、設定画面6を表示する前に表示していた選択画面5を表示させる。
ここで、本実施形態の操作パネル1では、画面のデザイン的な共通性を持たせる意味合いもあり、設定値を設定するための設定画面6でOKキー6aが表示されていた位置に、設定項目を選択するための選択画面5では、実行キー5aが配される。言い換えると、肯定的な意味合いを持つキーの配置位置が各画面で同様の位置に配される。
ここで、使用者がOKキー6aに対し、同じ位置をタッチするような連続的なタッチ(連打的なタッチ操作)を行った場合、OKキー6aと実行キー5aの表示位置が同様の位置である(重なっている)ので、何ら配慮をしなければ、画面切替により新たに表示される実行キー5aに対する入力、操作を誤って行ってしまう場合がある。言い換えると、連打的なタッチ操作によって、まだ操作するつもりがなく、設定を続けたいのに誤って実行キー5aを操作してしまう場合がある。
そこで、図7の下図に示すように、本実施形態の操作パネル1では、連打防止モードでは、特定キー(図7の例では、実行キー5a)を通常とは異なる位置に表示位置をずらす。
具体的に、図7の下図の例では、パネル制御部10は、画面切替(選択画面5への切替)により、新たに表示しようとする特定キー(図7の下図の例では、実行キー5a)のうち、直前に操作された特定キー(図7の上図の例ではOKキー6a)の表示位置と、これから表示しようとし、通常での表示位置が重なる特定キー(実行キー5a)を、直前にタッチされたOKキー6aと重複しない位置にずらすように表示部11に表示させる。
ここで、パネル制御部10は、表示部11にずらし表示を行わせるとき、特定キー(実行キー5a)の通常の表示位置に対し、上下方向、又は、左右方向に特定キーの表示位置をずらすように表示部11に表示させる。図7の下図の例では、下方向及び、右方向にはずらすことができないので、特定キー(実行キー5a)を左方向、又は、上方向にずらす例を示している。これにより、慣れに起因する連打的な操作を行っても、誤った特定キー(実行キー5a)に対する操作、入力が受け付けられない。
ここで、図7の下図に示すように、通常の表示位置とずらし表示された特定キーの間隔が予め定められた長さ以下となるように特定キーはずらされる。予め定められた長さは、適宜定められる。予め定められた長さをゼロと定めることができる。ゼロの場合、パネル制御部10は、通常の表示位置の特定キーに隣接する位置となるように、表示部11に特定キーのずらし表示を行わせる。また、予め定められた長さは、数mmのように一定の長さでもよい。図7の下図の例では、通常の表示位置の特定キー(実行キー5a)に、ほぼ隣接するように特定キーをずらす例を示している。また、予め定められた長さは、特定キーの縦方向の長さと横方向の長さの何れか一方よりも短い長さとしてもよい。
例えば、上方向にずらす場合は、通常の表示位置での特定キーの上辺と、ずらし表示された特定キーの下辺との隙間が、予め定められた長さ以下の長さとされる。そして、下方向にずらす場合は、通常の表示位置での特定キーの下辺と、ずらし表示された特定キーの上辺との隙間が、予め定められた長さ以下の長さとされる。また、右方向にずらす場合は、通常の表示位置での特定キーの右辺と、ずらし表示された特定キーの左辺との隙間が、予め定められた長さ以下の長さとされる。また、左方向にずらす場合は、通常の表示位置での特定キーの左辺と、ずらし表示された特定キーの右辺との隙間が、予め定められた長さ以下の長さとされる。これにより、ずらし表示によって、元の表示位置と大きく替わってしまい、わかり辛くなるようなことが無くなる。
尚、特定キーを斜め方向にずらすようにしてもよい。この場合、パネル制御部10は、通常モードの表示位置での特定キーとずらし表示された特定キーの対向する隅部分の間隔が予め定められた長さ以下となるように、表示部11にずらし表示を行わせる。
また、図8は、キャンセルキー5bをずらし表示を行う特定キーとする例を示している。図8の上図は、図7と同様に、原稿サイズの設定項目の設定画面6である。そして、図8の上図は、原稿がA4縦サイズであることを設定するため、第1定形サイズキーK21、A4サイズ(縦)を指定するためのキーを押したところ、設定をキャンセルするため、キャンセルキー6bの順で、キーの表示位置がタッチされたことを示している。
そして、図8の下図は、第1定形サイズキーK21を操作してからA4サイズ(縦)を指定するためのキーを操作するまでの間隔と、A4サイズ(縦)を指定するためのキーを操作してからキャンセルキー6bを操作するまでの間隔の何れもが基準時間以下であるため、連打防止モードになったときの選択画面5での表示の一例を示している。尚、キャンセルキー6bが操作され、設定操作がキャンセルされる(取り消させる)と、パネル制御部10は、設定画面6を表示する前に表示していた選択画面5を表示させる。
ここで、本実施形態の操作パネル1では、設定値を設定するための設定画面6でキャンセルキー6bが表示されていた位置に、設定項目を選択するための選択画面5では、設定値をデフォルトに戻すためのキャンセルキー5bが配される。言い換えると、否定的な意味合いを持つキーの配置位置が各画面で同様の位置に配される。
ここで、使用者がキャンセルキー6bの表示位置に対し、連続的なタッチ(連打的なタッチ操作)を行った場合、キャンセルキー6bとキャンセルキー5bの表示位置が同様の位置である(重なっている)ので、何ら配慮をしなければ、画面切替により、誤ってキャンセルキー5bに対する入力を行う場合がある。言い換えると、連打的なタッチ操作によって、設定値をデフォルトに戻したくないのに、誤ってキャンセルキー5bを操作してしまう場合がある。そうすると、設定を再度やり直さなくてはならない。
そこで、図8の下図に示すように、本実施形態の操作パネル1では、連打防止モードでは、特定キー(図8の例では、キャンセルキー5b)を通常とは異なる位置に表示位置をずらす。
具体的に、図8の下図の例では、パネル制御部10は、画面切替(選択画面5への切替)により、新たに表示しようとする特定キー(図8の下図の例では、キャンセルキー5b)のうち、直前に操作されたキャンセルキー6bの表示位置と、これから表示しようとし、通常での表示位置が重なるキャンセルキー5bを、直前にタッチされたキャンセルキー6bと重複しない位置にずらすように表示部11に表示させる。
ここで、パネル制御部10は、表示部11にずらし表示を行わせるとき、キャンセルキー5bの場合も、キャンセルキー5bの通常の表示位置に対し、上下方向、又は、左右方向に特定キーの表示位置をずらすように表示部11に表示させる。図8の下図の例では、下方向にはずらすことができないので、特定キー(キャンセルキー5b)を左方向、又は、上方向にずらす例を示している(右方向にずらしてもよい)。これにより、慣れに起因する連打的な操作を行っても、誤った特定キー(キャンセルキー5b)に対する操作、入力が受け付けられない。
ここで、図8の下図に示すように、通常の表示位置とずらし表示された特定キーの間隔が予め定められた長さ以下となるように特定キーはずらされる。予め定められた長さは、図7を用いてで説明したように、適宜定められる。
尚、図7、図8の例では、選択画面5に表示される実行キー5aとキャンセルキー5bに対してずらし表示を行う例を説明したが、選択画面5から設定画面6に切り替える場合など、設定画面6内のOKキー6aやキャンセルキー6bに対してずらし表示を行うようにしてもよい。
(連打防止モード・領域変化表示)
次に、図9、図10を用いて、本実施形態の操作パネル1での領域変化表示を説明する。図9は、実施形態に係るずらし表示を行った実行キー5a(特定キー)の表示領域を拡大していく領域変化表示の一例を示す図である。図10は、実施形態に係るずらし表示を行った実行キー5a(特定キー)の表示領域を通常の位置に戻していく領域変化表示の一例を示す図である。
本実施形態の操作パネル1では、連打防止モードでは、予め定められた特定キーに対し、ずらし表示がなされる。表示位置をずらしたままでは、ずらされた特定キーに対して操作を行いたいとき(ずらされた特定キーの表示領域に対してタッチを行いたいとき)、通常とは異なる位置に対してタッチを行う必要がある。通常とは操作が異なるため、操作に違和感を持たせ、操作の快適性や操作のしやすさが失われたと使用者が感じてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の操作パネル1では、パネル制御部10は、ずらし表示をした後、ずらし表示を行った特定キーの通常の表示領域に重なるように、ずらした特定キーの表示領域を変化させる領域変化表示を行う。
まず、図9を用いて、領域変化表示の一例を説明する。図9は、選択画面5でずらし表示した特定キー(図9の例では実行キー5a)の表示領域を、時間経過とともに、特定キーの通常の表示領域を覆うように、大きくしてゆく領域変化表示を行う例を示している。
図9では、時間の経過に伴って、上段の図から下段の図に向けて変化する例を示している。ここで、ずらし表示から、領域変化表示完了までの時間(領域変化表示を行う時間)は適宜定めることができる。例えば、2〜10秒程度に設定される。
図9の最上段の図は、ずらし表示を行った直後の時点であり、パネル制御部10が領域変化表示を表示部11に開始させていない時点の一例である。そして、図9の上から2段目と3段目の図は、時間の経過とともに、アニメーション的に、ずらし表示された特定キー(実行キー5a)の表示領域を、上下方向のサイズはそのままにして右方向に延ばす(拡大する)例を示している。そして、図9の最下段の図は、パネル制御部10は、ずらし表示をした特定キー(実行キー5a)の拡大を続け、特定キーの通常の表示領域を覆うことが完了したので、領域変化表示を終了した状態を示す。
尚、図9の太破線は、ずらし表示された特定キーのずらされた方向の端部の位置は、領域変化表示により領域が拡大しても変化しないことを示している。
このように、領域変化表示によって、ずらし表示された特定キーは際限なく領域を拡大して行くのではなく、パネル制御部10は、ずらした方向と垂直な方向での幅は保ったまま、ずらした方向と逆方向に特定キーの領域を拡大してゆき、通常の特定キーの表示領域を全て覆った時点で、特定キーの領域の拡大が停止するように、表示部11に領域変化表示を行わせる。
次に、図10を用いて、領域変化表示の一例を説明する。図10は、選択画面5でずらし表示された特定キー(図10の例では実行キー5a)の表示領域を、時間経過とともに、特定キーの通常の表示位置に戻してゆく領域変化表示を行う例を示している。
ここで、通常モードの表示位置に戻す場合も、ずらし表示から領域変化表示が完了までの時間(領域変化表示を行う時間)は適宜定めることができる。例えば、2〜10秒程度に設定される。
図10の最上段の図は、ずらし表示を行った直後の時点であり、パネル制御部10が領域変化表示を表示部11に開始させていない時点の一例である。そして、図10の上から2段目と3段目の図は、時間の経過とともに、アニメーション的に、ずらし表示された特定キー(実行キー5a)の表示領域を、表示領域を拡大することなく、上下方向の位置はそのままにして、通常の表示位置に向けて右方向にずらしていく例を示している。そして、図10の最下段の図は、パネル制御部10は、ずらし表示をした特定キー(実行キー5a)を通常の表示位置に戻し終えたので、領域変化表示を終了した状態を示す。
尚、図10の太い破線は、ずらし表示された特定キーのずらされた方向の端部の位置は、領域変化表示により、時間とともに位置が変化することを示している。
このように、パネル制御部10は、ずらした方向と逆方向に、特定キーの大きさを変えないで、特定キーの表示位置を移動させ、最終的に、通常の表示領域まで、特定キーの領域を戻すような領域変化表示を表示部11に行わせてもよい。
(連打防止モードに関する設定)
次に、図11を用いて、実施形態に係る操作パネル1での連打防止モードに関する設定について説明する。図11は、実施形態に係る操作パネル1での連打防止モードのモード設定画面7の一例を示す図である。
本実施形態の複合機100(操作パネル1)では、連打防止モードでの操作パネル1の表示の振る舞いなどについて、予め設定しておくことができる。具体的に、図11に示すモード設定画面7で、設定を行うことができる。
図11に示すモード設定画面7は、操作パネル1に対して予め定められた手順での入力を行うことにより表示されることができる。パネル制御部10は、予め定められた手順での入力(ハードキーを押す操作やタッチパネル部12をタッチする操作)がなされると、図11に示すモード設定画面7を表示部11に表示させる。
モード設定画面7には、使用キー71、不使用キー72、第1ラジオボタン73、第2ラジオボタン74、第1チェックボックス75、第2チェックボックス76、第3チェックボックス77、第4チェックボックス78が配される。
パネル制御部10は、使用キー71の表示位置がタッチされたとき、連打防止モードでの表示を表示部11に行わせる設定がなされたと認識する。一方、パネル制御部10は、パネル制御部10は、不使用キー72の表示位置がタッチされたとき、連打防止モードでの表示を表示部11に行わせなない設定がなされたと認識する。連打防止モードで表示を行わない場合、通常モードのみでの表示となる。また、図6に示すフロー(処理)は実行されない。
第1ラジオボタン73と第2ラジオボタン74は2者択一の関係にある。パネル制御部10は、第1ラジオボタン73の表示位置がタッチされたとき、通常の表示位置を覆うように特定キーを拡大する領域変化表示を行う設定がなされたと認識する。一方、パネル制御部10は、第2ラジオボタン74の表示位置がタッチされたとき、ずらし表示した特定キーを通常の表示位置に戻すように領域変化表示を行う設定がなされたと認識する。
パネル制御部10は、第1チェックボックス75の表示位置がタッチされたとき、実行キー5aを特定キーと扱う設定がなされたと認識する。また、パネル制御部10は、第2チェックボックス76の表示位置がタッチされたとき、OKキー6aを特定キーと扱う設定がなされたと認識する。又、パネル制御部10は、第3チェックボックス77の表示位置がタッチされたとき、キャンセルキー5b、キャンセルキー6bを特定キーと扱う設定がなされたと認識する。パネル制御部10は、第4チェックボックス78の表示位置がタッチされたとき、画面に配される全てのキーを特定キーと扱う設定がなされたと認識する。
そして、モード設定画面7に配されたOKキー6aの表示位置がタッチされ、OKキー6aが操作されると、パネル制御部10は、モード設定画面7でなされた設定をメモリー16に記憶する。そして、連打防止モードでは、パネル制御部10は、モード設定画面7でなされた設定に沿うように、表示部11にずらし表示や領域変化表示を行わせる。
(連打防止モードでの表示制御)
次に、図12を用いて、実施形態に係る操作パネル1の連打防止モードでの表示制御の流れの一例を説明する。図12は、実施形態に係る連打防止モードでの表示制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図12のスタートは、連打防止モードであって、キーの操作によって画面を切り替えて新たに特定キーを表示させる時点である。
まず、パネル制御部10は、画面切替により新たに表示しようとする特定キーと、直前に操作されたキー(表示位置がタッチされたキー)とが重なるかを確認する(ステップ♯21)。もし、重なっていなければ(ステップ♯21のNo)、パネル制御部10は、通常の位置(通常モードでの位置)に特定キーを表示に表示させる(ステップ♯22)。そして、フローは終了する。
一方、重なっていれば(ステップ♯21のYes)、パネル制御部10は、重なる特定キーに対し、ずらし表示を表示部11に行わせる(ステップ♯23)。さらに、パネル制御部10は、ずらし表示を行った特定キーに対し、領域変化表示を表示部11に行わせる(ステップ♯24)。そして、フローは終了する。
このようにして、実施形態に係る表示入力装置(操作パネル1)は、表示部11とタッチパネル部12を含む。表示部11は、設定を行うためのキーを画面に表示する。タッチパネル部12は、表示部11に対して設けられ、タッチ位置を検知し、表示部11に表示されたキーのうち、操作されたキーを検知するためのものである。そして、表示部11は、予め定められた基準時間以下の間隔で、予め定められた基準連打回数以上連続して表示されたキーに対しタッチ操作がなされたとき、表示でのモードを通常のモードから連打防止モードに切り替え、表示部11は、連打防止モードでは、予め定められた特定キー(実行キー5a、キャンセルキー5b、OKキー6a、キャンセルキー6b)を通常とは異なる位置に表示位置をずらす、ずらし表示をした後、特定キーの通常の表示領域に重なるようにずらし表示がなされた特定キーの表示領域を変化させる領域変化表示を行う。
これにより、キーに対するタッチ操作の時間間隔が短く、表示された画面の内容やキーを確認しないままキーが操作されている可能性があるとき、ずらし表示によりキーの位置がずらすことができる。従って、キーをよく確認せず、同じ位置の連続的なタッチのような連打的なタッチ操作を行っても、空白をタッチさせることができる(特定キーはずらされるので、特定キーが配置される通常の領域は空白となる)。言い換えると、連続的な一連のタッチ操作(連打するようなタッチ操作)のうち、基準連打回数以降のタッチ操作は入力として、直ちに受け付けられないようにすることができる。従って、連打的なタッチ操作に起因して、誤って特定キーを操作する誤入力は受け付けられなくなる。その結果、使用者の意図しない処理がなされることや、設定のやり直しを防ぐことができ、表示入力装置(操作パネル1)の使いやすさを向上させることができる。
しかも、領域変化表示が行われる。これにより、時間が経過すると、通常と同じ位置をタッチすれば、ずらされた特定キーを選択できる(操作、入力できる)。従って、ずらされた特定キーに対するタッチ操作がしづらくなることや、特定キーの位置がわかり辛くなり操作がわかり辛くなることや、操作での快適性が大きく損なわれることもない。しかも、通常と同じ位置をタッチすればよい状態となるまでの時間は、画面の内容や、ずらされた特定キーの内容を使用者に確認させるための時間としても用いることできる。また、時間とともに特定キーの表示領域がアニメーション的に変化するので、どの特定キーの表示位置がずらされたか一見するだけで理解することができる。
また、表示部11は、基準時間以下の間隔で、連打するようなタッチ操作が行われた場合にのみ連打防止モード(連打的な連続タッチによる誤入力を防止するモード)となる。そのため、連続タッチを行わない使用者に対しては、通常どおりの位置にキーは表示される。従って、連続タッチを行わない使用者を戸惑わせることもない。又、特定キーのみ、ずらし表示がなされる。これにより、表示部11に表示された全てのキーの表示位置がずらされない。従って、連打防止モードとなっても、ずらし表示や領域変化表示は、一部のキーに限られ、画面内の全てのキーの表示位置をずらすような使用者にとってわかり辛くなるような表示は、なされない。
又、表示部11は、連打防止モードでは、ずらし表示の後、時間経過とともに、ずらした特定キーの通常の表示位置での表示領域を覆うように、ずらした特定キー(実行キー5a、キャンセルキー5b、OKキー6a、キャンセルキー6b)の表示領域を大きくしてゆく領域変化表示を行うようにしてもよい。
これにより、ずらし表示された特定キーは時間の経過とともに領域が大きくなり、通常の表示位置までも特定キーの領域が拡大される。そのため、時間経過による拡大後には、特定キーの通常の表示位置と同じ位置をタッチすれば、ずらし表示がなされた特定キーに対し操作を行うことができる。従って、待ちさえすれば、通常のときと同様の操作で、ずらされた特定キーを選択、操作することができ、連打防止モードでも、通常と操作手順が異ならず(通常と同様の操作性)、使用者を戸惑わせることがない。
又、表示部11は、連打防止モードでは、ずらし表示の後、ずらした特定キー(実行キー5a、キャンセルキー5b、OKキー6a、キャンセルキー6b)の表示位置を時間経過とともに、ずらした特定キーの通常の表示位置に戻してゆく領域変化表示を行うようにしてもよい。
これにより、ずらし表示された特定キーは時間の経過とともに、通常の表示位置に移動し、通常の表示位置に戻る。そのため、時間経過後であれば、通常の表示位置と同じ位置をタッチすれば、ずらし表示がなされた特定キーに対し操作を行うことができる。従って、通常のときと同様の操作で、ずらされた特定キーを選択、操作することができ、連打防止モードでも、通常と操作手順が異ならず(通常と同様の操作性)、使用者を戸惑わせることがない。
又、連打防止モードでは、表示部11は、表示しようとする特定キー(実行キー5a、キャンセルキー5b、OKキー6a、キャンセルキー6b)のうち、直前に操作されたキーの表示位置と、これから表示しようとする特定キーの通常での表示位置が重なる特定キーに対し、直前にタッチされたキーと重複しない位置にずらす「ずらし表示」、又は、表示部11に新たに表示する特定キーの全てに対し、前画面に表示されたキーと重複しない位置にずらす「ずらし表示」を行う。
これにより、例えば、同じ位置を連続タッチするような操作を行っても、直前に操作されたキーに替わって新たに表示される特定キーを選択する操作としては受け付けられない。従って、連打的なタッチ操作の過程で、誤って特定キーを選択する誤入力は受け付けられないようにすることができる。
又、表示部11は、連打防止モードで、基準時間を越えた間隔で予め定められた基準非連打回数のキーへのタッチがあったとき、連打防止モードを終了し、通常の位置に特定キー(実行キー5a、キャンセルキー5b、OKキー6a、キャンセルキー6b)を表示し、領域変化表示を行わない通常のモードで表示することとした。
これにより、連打するようなタッチ操作がなくなると、連打防止モードが解除される。従って、条件が整うと(連打的なタッチ操作がなくなると)連打防止モードが解除され、通常の操作を行うことができる。
又、表示部11は、ずらし表示を行うとき、特定キー(実行キー5a、キャンセルキー5b、OKキー6a、キャンセルキー6b)の通常の表示位置に対し、上下方向、又は、左右方向に特定キーの表示位置をずらし、また、通常の表示位置とずらし表示された特定キーの間隔が予め定められた長さ以下となるようにずらし表示を行う。
これにより、ずらし表示されたとしても、通常の位置に対し、予め定められた長さを超えないような近距離の位置(例えば、隣接する位置)に特定キーがずらされる。従って、ずらし表示後の特定キーの位置が、通常の表示位置とかけ離れた位置とならないようにすることができる。そのため、ずらされた特定キーの位置の確認に手間取ることもなく、使いづらいと使用者に感じさせない。
又、特定キーは、ジョブの実行を指示するための実行キー5a、設定を確定するためのOKキー6a、設定をキャンセルするためのキャンセルキーの何れか1つ、又は、複数である。
これにより、誤入力がなされると、設定の取り消しや設定のやり直しのような手間のかかるキーに対してのみ、連打防止モードでずらし表示と領域変化表示がなされる。従って、ずらし表示や領域変化表示を行うキーを絞り込むことができる。
又、画像形成装置(複合機100)は、上述の表示入力装置(操作パネル1)を含む。
上記の何れかの表示入力装置(操作パネル1)を含むので、連打的なタッチ操作を行っても、誤入力が受け付けられないので、使いやすい画像形成装置(複合機100)を提供することができる。
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、連打防止モードのとき、画面の切替により、新たに表示される特定キーのうち、直前にタッチされた(操作された)キーと重なる特定キーに対して、ずらし表示と領域変化表示を行う例を説明した。しかし、同一画面内でも、慣れにより、よく確認せずにキーを連打的に操作する場合もあるので、連打防止モードとなったとき、既に表示されている全ての、又は、一部の特定キーに対し、ずらし表示や領域変化表示を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、実行キー5a、OKキー6a、キャンセルキー5b、キャンセルキー6bを特定キーと扱う例を説明したが、表示上の上位階層に戻るための戻るキーや、操作したキーに応じて表示されるポップアップ画面内に設けられるキー(例えば、YesキーやNoキー)を特定キーと扱うようにしてもよい。また、コピージョブの開始を指示するための実行キー5aを特定キーとして説明した。しかし、原稿読み取りで得られた画像データや、記憶部42に蓄積された画像データをコンピューター200やファクシミリ装置300に送信する送信ジョブの実行を指示するために表示される送信実行キーを特定キーと扱ってもよい。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。