以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、デジタル複合機として本発明を具体化する。
図1は本実施形態におけるデジタル複合機の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、複合機100は、画像読取部120および画像形成部140を含む本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102とを備える。本体101の上面には原稿台103が設けられており、原稿台103はプラテンカバー102によって開閉されるようになっている。また、プラテンカバー102は、原稿搬送装置110を備えている。
原稿台103の下方には、画像読取部120が設けられている。画像読取部120は、走査光学系121により原稿の画像を読み取りその画像のデジタルデータ(画像データ)を生成する。原稿は、原稿台103や原稿搬送装置110に載置することができる。走査光学系121は、第1キャリッジ122や第2キャリッジ123、集光レンズ124を備える。第1キャリッジ122には線状の光源131およびミラー132が設けられ、第2キャリッジ123にはミラー133および134が設けられている。光源131は原稿を照明する。ミラー132、133、134は、原稿からの反射光を集光レンズ124に導き、集光レンズ124はその光像をラインイメージセンサ125の受光面に結像する。この走査光学系121において、第1キャリッジ122および第2キャリッジ123は、副走査方向135に往復動可能に設けられている。第1キャリッジ122および第2キャリッジ123を副走査方向135に移動することによって、原稿台103に載置された原稿の画像をイメージセンサ125で読み取ることができる。原稿搬送装置110にセットされた原稿の画像を読み取る場合、画像読取部120は、第1キャリッジ122および第2キャリッジ123を画像読取位置に合わせて一時的に固定し、画像読取位置を通過する原稿の画像をイメージセンサ125で読み取る。イメージセンサ125は、受光面に入射した光像から、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色に対応する原稿の画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成部140において用紙に印刷することができる。また、ネットワークインターフェイス161によりネットワーク162を通じて他の機器(図示せず)へ送信することもできる。
画像形成部140は、画像読取部120で得た画像データや、ネットワーク162に接続された他の機器から受信した画像データを用紙に印刷する。画像形成部140は、感光体ドラム141を備える。感光体ドラム141は一定速度で一方向に回転する。感光体ドラム141の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器142、露光器143、現像器144、中間転写ベルト145が配置されている。帯電器142は、感光体ドラム141表面を一様に帯電させる。露光器143は、一様に帯電した感光体ドラム141の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム141上に静電潜像を形成する。現像器144は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム141上にトナー像を形成する。中間転写ベルト145は、感光体ドラム141上のトナー像を用紙に転写する。画像データがカラー画像である場合、中間転写ベルト145は、各色のトナー像を同一の用紙に転写する。なお、RGB形式のカラー画像は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)形式の画像データに変換され、各色の画像データが露光器143に入力される。
画像形成部140は、手差しトレイ151、給紙カセット152、153、154等から、中間転写ベルト145と転写ローラ146との間の転写部に用紙を給送する。手差しトレイ151や各給紙カセット152、153、154には、様々なサイズの用紙を載置または収容することができる。画像形成部140は、ユーザの指定した用紙や、自動検知した原稿のサイズに応じた用紙を選択し、選択した用紙を給送ローラ155により手差しトレイ151やカセット152、153、154から給紙する。給紙された用紙は搬送ローラ156やレジストローラ157で転写部に搬送する。トナー像を転写した用紙は、搬送ベルト147により定着器148に搬送される。定着器148は、ヒータを内蔵した定着ローラ158および加圧ローラ159を有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像形成部140は、定着器148を通過した用紙を排紙トレイ149へ排紙する。
図2は複合機が備える操作パネルの外観の一例を示す図である。ユーザは、操作パネル200を用いて、複合機100に複写開始やその他の指示を与えたり、複合機100の状態や設定を確認したりすることができる。操作パネル200には、タッチパネル付きディスプレイ201や操作キー203が配置されている。ディスプレイ201は、操作ボタンやメッセージ等を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示面と、当該表示面上の押圧位置を検出するセンサとを備える。押圧位置の検知方法は特に限定されない。抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波方式、電磁波方式等、任意の方式を採用することができる。ユーザは、自身の指やタッチペン202を使用して、ディスプレイ201を通じて入力を行うことができる。
ディスプレイ201は、ボタン表示部204、メッセージ表示部205およびステータス表示部206を有する操作画面を表示する。ボタン表示部204には、複数のタブ208が用意されており、各タブにはそのタブのカテゴリーに応じた操作ボタンが配列されている。「簡単設定」タブは、基本的な設定に使用される操作ボタンを有する。図2の例では、用紙サイズ、複写倍率、濃度、印刷面、ページ集約、後処理を設定するための操作ボタンが配列されている。例えば「濃度」ボタン207を押圧する操作をユーザが行うと、濃度を選択するための「薄い」、「ふつう」、「濃い」等の選択ボタンを有するポップアップ画面がその操作ボタン上に重ねて表示され、ユーザの選択(押圧)によりその濃度が設定される。図2の例では、「簡単設定」タブの他、「原稿/用紙/仕上げ」タブ、「カラー/画質」タブ、「レイアウト/編集」タブ、「応用/その他」タブも設けられている。ユーザは、タブボタン208を選択する操作を行うことによって、これらのタブの表示に切り替えることができる。一つのタブが選択されている間、操作画面上で他のタブやその要素は隠れている。
メッセージ表示部205には、複写が可能か否か、複写部数などの設定をユーザに通知するメッセージが表示される。なお、本実施形態の複合機100は、複合機100を使用する場合に、ユーザ(操作者)の利用資格を確認するユーザ認証処理(ログイン処理)が実施される構成になっている。図2は、当該ユーザ認証処理が実施される前の状態を示しており、メッセージ表示部205に、ユーザ認証情報の入力を要求する「認証情報を入力してください」のメッセージが表示されている。ここでは、ユーザは、ソフトウェアキーボード表示ボタン209を選択(押圧)することでディスプレイ201に表示されるソフトウェアキーボードを用いてユーザ認証情報を入力する。
ステータス表示部206には、必要に応じて装置ステータス情報が表示される。この表示には、複合機100が備える各種センサの検知結果が反映される。装置ステータス情報とは、装置は動作可能な状態にあるが、異常への対応を促す警告をユーザに通知するメッセージを意味する。例えば、用紙残量が少ない旨、原稿台103が汚れている旨、ファクシミリのメモリ受信が設定されている場合にファックス文書がメモリに格納された旨等が含まれる。また、用紙切れや搬送ジャム等が装置ステータス情報に含まれてもよい。
操作キー203は、テンキー210やスタートキー211、クリアキー212、LogOutキー213、主電源キー214等を含む。例えば、テンキー210は、複写部数の指定や複写倍率の設定に用いることができる。ユーザがそれらの設定をすると、複合機100は、メッセージ表示部205に、例えば、「コピーできます(設定あり)」のようなメッセージを表示し、ユーザによる設定が行われたことを通知する。スタートキー211は、複写や画像印刷の開始指示に使用される。ユーザは、自身でした設定を解除する場合、クリアキー212を操作する。ユーザによる設定を機械が受け付けているかどうかは上述のメッセージで判断することができるので、その設定が不要になればクリアキー212を操作すればよい。主電源キー214は、複合機100の主電源のON、OFFの切り替えに使用される。特に限定されないが、本実施形態では、上述のユーザ認証処理によりユーザの利用資格が確認されるまで、当該認証に関する情報の入力を除き、操作パネル200を通じた操作が禁止される構成になっている。認証されたユーザが複合機使用後にLogOutキー213を押下する、あるいは、操作パネル200に対する操作および画像読取部120や画像形成部140の動作がない時間が認証後に所定時間継続すると、複合機100は認証処理が実施される前の状態に戻るように構成されている。
図3は、複合機における制御系のハードウェア構成図である。本実施形態の複合機100は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304および原稿搬送装置110、画像読取部120、画像形成部140における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。ROM303やHDD304等はプログラムを格納しており、CPU301はその制御プログラムの指令にしたがって複合機100を制御する。例えば、CPU301はRAM302を作業領域として利用し、ドライバ305とデータや命令を授受することにより上記各駆動部の動作を制御する。また、HDD304は、画像読取部120により得られた画像データや、他の機器からネットワークインターフェイス161を通じて受信した画像データの蓄積にも用いられる。
内部バス306には、操作パネル200やネットワークインターフェイス161、各種のセンサ307も接続されている。操作パネル200は、ユーザの操作を受け付け、その操作に基づく信号をCPU301に供給する。操作パネル200のディスプレイ201は、CPU301からの制御信号にしたがって上述の操作画面を表示する。センサ307は、プラテンカバー102の開閉検知センサや原稿台103上の原稿検知センサ、定着器148の温度センサ、搬送される用紙または原稿の検知センサなど各種のセンサを含む。
CPU301は、例えばROM303に格納されたプログラムを実行することで、以下の各手段(機能ブロック)を実現するとともに、これらセンサからの信号に応じて各手段の動作を制御する。
図4は、本実施形態の複合機の機能ブロック図である。図4に示すように、本実施形態の複合機100は、配置順保持部401、操作認識部402、判定部403および配置順変更部404を備える。特に限定されないが、以下では、機能を割り当てたショートカットキー等の操作ボタンがディスプレイ201に表示される特定のページ(以下、ユーザメニューページという。)に配置されており、当該ユーザメニューページにおける操作ボタンの配置順を変更する事例について説明する。また、以下の例では、操作ボタンの形状およびサイズは固定であり、ユーザメニューページには1ページあたり8個の操作ボタンが当該ページ内の予め指定された位置に配置される構成になっている。
配置順保持部401は、ディスプレイ201(タッチパネル)の表示面における各操作ボタンの配置順情報を保持する。特に限定されないが、ここでは、配置順保持部401は、配置順情報をボタン配置順テーブルとして保持している。後述するように、ボタン配置順テーブルは、ユーザメニューページにおいて操作ボタンが配置される位置を示す情報と、当該位置に割り当てられる機能を示す情報とを対応づけて格納している。
操作認識部402は、操作パネル200における、操作キー203の押下およびディスプレイ201の押圧を認識し、ユーザの操作内容を認識する。また、操作認識部402は、表示制御部405を通じて、ディスプレイ201の表示面に複数の操作ボタンを備える上述の各種操作画面を表示する。本実施形態では、ディスプレイ201の押圧位置を検出するセンサにより検出された押圧位置の座標が操作認識部402に入力され、操作認識部402が、自身が保持する操作ボタン等の画面要素の座標と入力された押圧位置の座標とに基づいてディスプレイ201に対するユーザの操作内容を認識する。操作認識部402により認識された操作は、認証部406、判定部403または動作制御部407に入力される。
本実施形態では、操作認識部402は、押圧位置変動情報認識部411および対象操作ボタン認識部412を含み、ディスプレイ201の表示面における一連の押圧位置の変動を示す変動情報と、当該一連の押圧位置の変動に対応する操作ボタンとを含む入力内容を認識する。
一連の押圧位置の変動とは、押圧状態を維持したまま(すなわち、表示面から離脱させることなく)押圧位置を変動させる操作を意味する。つまり、押圧を開始してから押圧を解消するまでが一連の押圧位置の変動になる。例えば、押圧状態を維持したまま、丸、三角形、四角形、チェック印や、C、U、W等の一筆書きで描くことができる図形や文字(以下、図形等という。)をディスプレイ201の表示面に描く操作が一連の押圧位置の変動に含まれる。
また、一連の押圧位置の変動に対応する操作ボタンとは、一連の押圧位置の変動により描かれた図形等に基づいて特定される操作ボタンを意味する。例えば、押圧状態を維持したままで描かれた図形の内側に存在する操作ボタンや、当該図形が重なりを有する操作ボタンが一連の押圧位置の変動に対応する操作ボタンに含まれる。
押圧位置変動情報認識部411は、ユーザが押圧を開始した位置(以下、押圧始点という。)を始点とした、ディスプレイ201の表示面における押圧位置の変動情報を認識する。また、対象操作ボタン認識部412は、押圧位置変動情報認識部411が認識した変動情報に基づいて、当該変動情報のディスプレイ201上における座標と、ディスプレイ201の表示面に表示されている操作ボタンのディスプレイ201上における座標とに基づいて一連の押圧位置の変動に対応する操作ボタンを特定する。
判定部403は、操作認識部402(押圧位置変動情報認識部411)により認識された変動情報が予め登録された動作条件と一致するか否かを判定する。判定部403には、動作条件である一筆書きにより描くことができる上述の図形等と順序変更方法とが対応づけて格納されている。特に限定されないが、ここでは、判定部403は、これらの情報を順序変更テーブルとして保持している。後述するように、順序変更テーブルは、動作条件である図形等と「先頭に移動」、「最後尾に移動」等の順序変更方法とを対応づけて格納している。
配置順変更部404は、判定部403により一致すると判定された場合、配置順保持部401に保持された配置順情報を変更する。当該順序変更は、判定部403が一致すると判定した動作条件に対応する順序変更方法にしたがう順序変更であり、操作認識部402により認識された操作ボタンの配置順(配置順保持部401に保持された配置順情報)に対して実施される。
表示制御部405は、上述のユーザメニューページを表示する場合、配置順保持部401に保持された配置順情報にしたがって各操作ボタンをディスプレイ201の表示面に表示する。
認証部406は、操作パネル200を通じて入力されたユーザ認証情報が、予め登録された認証条件を満足するか否かを判定することで上述のユーザ認証を実行する。本実施形態では、上述のように、ユーザは、ディスプレイ201に表示されるソフトウェアキーボードを用いてユーザ認証情報を入力する。本実施形態では、各ユーザに一義的に割り当てられたユーザIDと、当該ユーザIDに対応づけられたパスワードをユーザ認証情報として使用している。ユーザIDは、ユーザを特定することができる情報であればよく、ここではソフトウェアキーボードにより入力可能な文字や記号等からなる情報によって構成されている。また、パスワードもソフトウェアキーボードにより入力可能な文字や記号等からなる情報によって構成されている。
本実施形態では、認証部406に、複合機100の使用を許可するユーザのユーザIDと当該ユーザIDと対応づけられたパスワードを記録した使用許可者リストが予め登録されている。操作認識部402に認識されたユーザIDおよびパスワードが使用許可者リストに含まれている場合、認証部406はユーザ認証条件を満足すると判断する。認証部406は、ユーザ認証条件を満足する場合に、そのユーザによる複合機100の使用(画像読取部120における画像データの生成、画像形成部140における画像データの印刷等)を許可し、ユーザ認証条件を満足しない場合に、そのユーザによる複合機100の使用を禁止する。なお、本実施形態では、複合機100における各種処理は、操作認識部402が認識したユーザの指示に基づいて、動作制御部407が実行するよう構成されており、認証部406は動作制御部407の動作制限を解除することで各種処理を実現する。
動作制御部407は、操作認識部402が認識した操作パネル200を通じたユーザの指示に基づいて画像読取部120における画像データの生成、画像形成部140における画像データの印刷等を実行する。
図5は、複合機100が実施する操作ボタン配置順変更手順の一例を示すフロー図である。当該手順は、ユーザ認証がなされた後、ディスプレイ201に操作ボタン順序変更対象画面(ここでは、ユーザメニューページ)が表示されたことをトリガとして開始する。当該手順が開始すると、複合機100(例えば、操作認識部402)は、ユーザによる入力があるまで待機する(図5 ステップS501No)。なお、操作ボタン順序変更対象画面は、操作パネル200に対するユーザの操作によりディスプレイ201に表示される構成であってもよいが、ここでは、認証処理直後に操作ボタン順序変更対象画面(ユーザメニューページ)がディスプレイ201に表示される構成になっている。
図6は、複合機100が表示するユーザメニューページの一例を示す図である。図6に示すように、ユーザメニューページ601は、操作ボタン配置領域602を備える。上述のように、本実施形態では、1ページ内に操作ボタンが8個配置される構成になっている。図6では、操作ボタンが配置される位置を破線で示している。操作ボタンが配置されるそれぞれの位置には、位置を示す情報(位置ID)が付与されている。ここでは、図6の矩形内に示しているように、位置IDとして「位置1」、「位置2」、・・・「位置8」を例示している。
また、図7は、配置順保持部401が保持しているボタン配置順テーブルの一例を示す図であり、図8は、当該に対応するユーザメニューページを示す図である。図7に示すように、ボタン配置順テーブル701は、位置IDと当該位置に割り当てられる機能を示す情報とを対応づけて記録している。なお、機能としては、4in1等のレイアウトやステープル等の後処理の処理条件を設定したコピー機能や印刷機能、複数の送信先を登録したFAX送信機能やファイル送信機能等、複合機100において実行可能な任意の機能を登録することができる。ここでは、説明のため、登録されている機能を、単に、「機能1」、「機能2」、・・・と表現する。なお、同一の機能を異なる操作ボタンに登録することも構成上は可能であるが、ここでは、登録されている各機能の内容は互いに異なっているものとする。
図7は、7個の操作ボタンが登録されている例であり、位置ID「位置1」〜「位置7」に、機能「機能1」〜「機能7」がそれぞれ対応づけられている。この場合、図8に示すように、図6に示す矩形「位置1」〜「位置7」に「機能1」〜「機能7」に対応する操作ボタンがそれぞれ配置されている。
当該状態において、操作ボタンの配置順の変更を希望するユーザは、判定部403に予め登録されている動作条件に一致する図形等を入力する。図9は、判定部403が保持している順序変更テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、順序変更テーブル901は、動作条件である図形等と、順序変更方法とを対応づけて記録している。図9の例では、動作条件「丸」と「先頭に移動」、動作条件「チェック印」と「最後尾に移動」、動作条件「四角」と「位置固定」、動作条件「三角」と「位置固定解除」がそれぞれ対応づけられている。なお、動作条件は、形状のみであってもよいが、例えば、「右回りの丸」と「左回りの丸」のように描画方向が異なる図形等を異なる動作条件として登録することもできる。
例えば、図10に示すように、ユーザが、図8に示すユーザメニューページにおいて、ディスプレイ201の操作ボタン「機能6」上で押圧状態を維持したまま「丸」を描いたとする(図5 ステップS501Yes)。
この場合、押圧位置変動情報認識部411は押圧始点を始点とした押圧位置の変動情報(ここでは、「丸」)を認識する(図5 ステップS502)。また、対象操作ボタン認識部412は、押圧位置変動情報認識部411が認識した「丸」のディスプレイ201上における座標と、ディスプレイ201の表示面に表示されている操作ボタンのディスプレイ201上における座標とに基づいて操作ボタン(ここでは、操作ボタン「機能6」)を特定する(図5 ステップS503)。
操作認識部402は、押圧位置変動情報認識部411および対象操作ボタン認識部412が認識した入力内容(変動情報および操作ボタン情報)を判定部403に入力する。なお、操作認識部402は、例えば、1箇所の押圧等、押圧位置変動情報認識部411が変動情報を認識できない入力がなされた場合、認識した入力内容を動作制御部407に入力する。すなわち、操作認識部402は、配置順変更のための操作と確認できない操作の内容は動作制御部407に入力する。
変動情報および操作ボタン情報が入力された判定部403は、入力された変動情報が予め登録されている動作条件と一致するか否かを判定する(図5 ステップS504)。この例では変動情報として「丸」が入力されており、順序変更テーブル901の動作条件にも「丸」が登録されている。そのため、判定部403は一致すると判定する(図5 ステップS504Yes)。このとき、判定部403は、入力された変動情報と一致する動作条件に対応づけられた順序変更方法(ここでは、「先頭へ移動」)を、入力された操作ボタン情報(ここでは、操作ボタン「機能6」)とともに配置順変更部404に入力する。なお、ステップS504の判定において、判定部403が一致しないと判定した場合、判定部403は特に何もすることなく、次の入力があるまで待機する(図5 ステップS504No、S501)。
操作ボタン情報および順序変更方法が入力された配置順変更部404は、入力された情報にしたがって配置順保持部401に保持された配置順情報を変更する(図5 ステップS505)。この例では、配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル701を、操作ボタン「機能6」を先頭に移動させた状態に変更する。図11は、配置順変更部404により変更されたボタン配置順テーブル701を示す図である。図11に示すように、操作ボタン「機能6」が位置ID「位置1」に移動され、当該移動に伴って、他の操作ボタン(「機能1」〜「機能5」)が位置ID「位置2」〜「位置6」に移動される。
特に限定されないが、本実施形態では、このとき、表示制御部405が変更されたボタン配置順テーブル701に基づいてユーザメニューページ601を表示する。図12は、当該ユーザメニューページを示す図である。図12に示すように、ユーザメニューページ601の各操作ボタンは、図11に示すボタン配置順テーブル701にしたがった配置になっている。また、このユーザメニューページ601では、ボタン配置順テーブル701の変更を認識した表示制御部405がユーザメニューページ601中に「OK」ボタン1201と「キャンセル」ボタン1202を表示する。当該状態で「OK」ボタン1201が選択されると、上述の変更されたボタン配置順テーブル701が確定される。一方、「キャンセル」ボタン1202が選択されると、上述の順序変更がキャンセルされ、変更前のボタン配置順テーブル701(図7参照)に戻される。
このように、複合機100では、ユーザがディスプレイ201の表示面に対して押圧状態で押圧位置を変動させるという非常に簡単な操作により、ディスプレイ201の表示面に表示される操作ボタンの表示位置を好みに応じて変更することができる。
ここで、「先頭へ移動」以外の配置順変更について簡単に説明する。
図11に示すように、ユーザが、図8に示すユーザメニューページにおいて、ディスプレイ201の操作ボタン「機能2」上で押圧状態を維持したまま「チェック印」を描いたとする。この場合、押圧位置変動情報認識部411は変動情報として「チェック印」を認識するとともに、対象操作ボタン認識部412は操作ボタン「機能2」を特定する。
判定部403は、入力された変動情報「チェック印」と一致する動作条件に対応づけられた順序変更方法「最後尾へ移動」を、入力された操作ボタン情報「機能2」とともに配置順変更部404に入力する。
配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル701を、操作ボタン「機能2」を最後尾に移動させた状態に変更する。これにより、操作ボタン「機能2」が位置ID「位置7」に移動され、当該移動に伴って、他の操作ボタン(「機能3」〜「機能7」)が位置ID「位置2」〜「位置6」に移動される。
このとき、表示制御部405が変更されたボタン配置順テーブル701に基づいてユーザメニューページ601を表示する。図14に示すように、ユーザメニューページ601の各操作ボタンは、変更されたボタン配置順テーブル701にしたがった配置になる。上述のように、当該状態で「OK」ボタン1201が選択されると、変更されたボタン配置順テーブル701が確定される。
次いで、ユーザメニューページが複数ページである事例について説明する。図15は、ユーザメニューページが複数ページである場合のボタン配置順テーブルを示す図である。図15に示すように、ボタン配置順テーブル1501は、ユーザメニューページの各ページについて位置IDと当該位置に割り当てられる機能を示す情報とを対応づけて記録している。図15の例では、15個の操作ボタンが登録されている。1ページ目の位置ID「位置1」〜「位置8」に、機能「機能1」〜「機能8」がそれぞれ対応づけられており、2ページ目の位置ID「位置1」〜「位置8」に、機能「機能9」〜「機能15」がそれぞれ対応づけられている。
図16は、ボタン配置順テーブル1501にしたがって表示されるユーザメニューページを示す図である。図16(a)が1ページ目に対応し、図16(b)が2ページ目に対応する。図16(a)に示すように、1ページ目のユーザメニューページ1611の「位置1」〜「位置8」に「機能1」〜「機能8」に対応する操作ボタンがそれぞれ配置されている。また、図16(b)に示すように、2ページ目のユーザメニューページ1612の「位置1」〜「位置7」に「機能9」〜「機能15」に対応する操作ボタンがそれぞれ配置されている。なお、図16(a)に示すように、1ページ目のユーザメニューページ1611には、2ページ目のユーザメニューページ1612を表示するために選択される「次頁」ボタン1601が配置されている。また、図16(b)に示すように、2ページ目のユーザメニューページ1612には、1ページ目のユーザメニューページ1611を表示するために選択される「前頁」ボタン1602が配置されている。
この例において、図17に示すように、ユーザが1ページ目のユーザメニューページ1611の操作ボタン「機能2」上で押圧状態を維持したまま「チェック印」を描いたとする。この場合、押圧位置変動情報認識部411は変動情報として「チェック印」を認識するとともに、対象操作ボタン認識部412は操作ボタン「機能2」を特定する。
判定部403は、入力された変動情報「チェック印」と一致する動作条件に対応づけられた順序変更方法「最後尾へ移動」を、入力された操作ボタン情報「機能2」とともに配置順変更部404に入力する。
配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル1501を、操作ボタン「機能2」を最後尾に移動させた状態に変更する。この例では、最後尾は、2ページ目の位置ID「位置7」である。すなわち、当該移動に伴って、他の操作ボタン(「機能3」〜「機能15」)を移動させる場合、2ページ目から1ページ目に操作ボタンを1つ移動させる必要がある。2ページ目の先頭にある操作ボタンを1ページ目に移動させることも可能であるが、本実施形態では、このように、対象操作ボタン認識部412(操作認識部402)により認識された操作ボタン以外に他のページに操作ボタンを移動させる必要があるときに、当該他のページに移動させる操作ボタンの選択をユーザに要求する。すなわち、配置順変更部404は、図18に示すように、2ページ目の操作ボタン「機能9」〜「機能15」の中から、1ページ目に移動させる操作ボタンを選択するための選択画面1801をディスプレイ201に表示する。なお、図18の例では、ユーザにより、1ページ目に移動させる操作ボタンとして「機能12」が選択されている状態を示している。
この場合、配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル1501を、操作ボタン「機能2」を最後尾に移動させた状態に変更するとともに、2ページ目の「機能12」を1ページ目の末尾に移動させた状態に変更する。これにより、図19に示すように、操作ボタン「機能2」が2ページ目の位置ID「位置7」に移動されるとともに、操作ボタン「機能12」が1ページ目の位置ID「位置8」に移動される。また、当該移動に伴って、1ページ目の他の操作ボタン(「機能3」〜「機能8」)が位置ID「位置2」〜「位置7」に移動されるとともに、2ページ目の他の操作ボタン(「機能13」〜「機能15」)が位置ID「位置4」〜「位置6」に移動される。
このとき、表示制御部405が変更されたボタン配置順テーブル1501に基づいてユーザメニューページ1611、1612を表示する。図20(a)、図20(b)に示すように、ユーザメニューページ1611、1612の各操作ボタンは、変更されたボタン配置順テーブル1501にしたがった配置になる。上述のように、当該状態で「OK」ボタン1201が選択されると、変更されたボタン配置順テーブル1501が確定される。
続いて、ユーザが移動を希望しない操作ボタンの固定について説明する。図21に示すように、ユーザが、図8に示すユーザメニューページにおいて、ディスプレイ201の操作ボタン「機能4」上で押圧状態を維持したまま「四角」を描いたとする。この場合、押圧位置変動情報認識部411は変動情報として「四角」を認識するとともに、対象操作ボタン認識部412は操作ボタン「機能4」を特定する。
判定部403は、入力された変動情報「四角」と一致する動作条件に対応づけられた順序変更方法「位置固定」を、入力された操作ボタン情報「機能4」とともに配置順変更部404に入力する。配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル701において、操作ボタン「機能4」を固定状態にする。このとき、ユーザメニューページ601では、図22に示すように、操作ボタン「機能4」が固定状態にあることを示す位置固定マーク2201が表示される。当該状態で「OK」ボタン1201が選択されると、操作ボタン「機能4」の固定が確定される。
当該状態で、図23に示すように、ユーザが、ディスプレイ201の操作ボタン「機能2」上で押圧状態を維持したまま「チェック印」を描いたとする。この場合、押圧位置変動情報認識部411は変動情報として「チェック印」を認識するとともに、対象操作ボタン認識部412は操作ボタン「機能2」を特定する。
判定部403は、入力された変動情報「チェック印」と一致する動作条件に対応づけられた順序変更方法「最後尾へ移動」を、入力された操作ボタン情報「機能2」とともに配置順変更部404に入力する。
配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル701を、操作ボタン「機能2」を最後尾に移動させた状態に変更する。このとき、図24に示すように、操作ボタン「機能2」が位置ID「位置7」に移動され、当該移動に伴って他の操作ボタンも移動される。しかしながら、操作ボタン「機能4」が固定状態にあるため、「機能3」と「機能5」が位置ID「位置2」〜「位置3」に移動され、「機能6」〜「機能7」が位置ID「位置5」〜「位置6」に移動される。
このとき、表示制御部405が変更されたボタン配置順テーブル701に基づいてユーザメニューページ601を表示する。図25に示すように、ユーザメニューページ601の各操作ボタンは、変更されたボタン配置順テーブル701にしたがった配置になる。上述のように、当該状態で「OK」ボタン1201が選択されると、変更されたボタン配置順テーブル701が確定される。
なお、上述のようにして固定された操作ボタンの固定解除をユーザが希望する場合、本実施形態では、ユーザは、位置固定マーク2201が表示された操作ボタン上で押圧状態を維持したまま「三角」を描けばよい。例えば、図25に示す状態で「OK」ボタン1201が選択された後のユーザメニューページ601において操作ボタン「機能4」の位置固定解除をする場合、図26に示すように、ユーザは操作ボタン「機能4」上で押圧状態を維持したまま「三角」を描く。これにより、押圧位置変動情報認識部411は変動情報として「三角」を認識するとともに、対象操作ボタン認識部412は操作ボタン「機能4」を特定する。そして、判定部403は、入力された変動情報「三角」と一致する動作条件に対応づけられた順序変更方法「位置固定解除」を、入力された操作ボタン情報「機能4」とともに配置順変更部404に入力する。配置順変更部404は、ボタン配置順テーブル701において、操作ボタン「機能4」の固定状態を解除する。このとき、ユーザメニューページ601では、操作ボタン「機能4」上の位置固定マーク2201が消滅する。
以上説明したように、この複合機100では、ユーザがディスプレイ201の表示面に対して押圧状態で押圧位置を変動させる操作という非常に簡単な操作により、ディスプレイ201の表示面に表示される操作ボタンの表示位置を好みに応じて変更することができる。
また、複合機100では、選択画面1801を表示する構成であるため、指定した操作ボタンの移動により、他の操作ボタンを他のページへ移動させる必要性が生じたときに、ユーザは当該他の操作ボタンも好みに応じて移動させることができる。
さらに、操作ボタンの固定も可能であるため、指定した操作ボタンの移動に応じて、ユーザが移動を望まない操作ボタンが移動することを防止できる。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上記実施形態では、操作ボタンを先頭や最後尾に移動する構成としたが、任意のページの先頭や、任意のページの最後尾に移動する構成であってもよい。また、上記では、「OK」ボタンを選択することで配置順変更が確定される構成としたが、このような確認を経ることなくそのまま配置順変更が確定される構成であってもよい。また、上記では、特に好ましい形態として認証部406を備える構成を説明したが、認証部406は本発明に必須の構成要素ではない。例えば、ユーザメニューページをユーザごとに設けることができる構成であれば同様の効果を得ることができる。
また、図5に示すフローチャートは、等価な作用を奏する範囲において、各ステップの順序を適宜変更可能である。例えば、入力された変動情報が動作条件と一致したときに、対象操作ボタンを特定する構成であってもよい。
加えて、上述の実施形態では、デジタル複合機として本発明を具体化したが、デジタル複合機に限らず、プリンタ、複写機等の任意の画像形成装置をはじめとする任意の電子機器に本発明を適用することも可能である。さらには、任意の操作装置に本発明を適用することも可能である。