以下、図面を参照して、本発明に係る送信装置の機能を備えた複合機1の一実施形態について説明する。図1は、複合機1を含む画像形成システム300の全体構成を説明するための図である。図2は、複合機1の全体構成を説明するための図である。
まず、画像形成システム300の全体構成について説明する。
図1に示すように、画像形成システム300は、本発明に係る送信装置の機能を備えた複合機1と、複数の端末装置200とが、ローカルエリアネットワーク等の通信ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続されて構成される。図示のように、画像形成システム300は、1の複合機1に対して複数の端末装置200が接続可能に構成される。1の複合機1に対して複数の端末装置200が接続可能とは、複数の端末装置200が同時に接続されていることに加え、複数の端末装置200のそれぞれが異なるタイミングで接続されることを含む。
端末装置200としては、固定的に設置されたデスクトップ型の端末装置であってもよいし、ユーザーにより携帯可能なノート型の端末装置であってもよい。この場合の端末装置200は、それぞれ固有のメールアドレス又はFTP(アドレス)を有する。また、端末装置200としては、ファクシミリ機能を備えた複合機であってもよい。この場合の端末装置200は、固有のファクシミリ番号を有する。
複合機1は、通信ネットワークNWを介して、それぞれの端末装置200との間でデータの送受信を行うことができる。複合機1は、ユーザーが1の送信先に対応するメールアドレス、FTP(アドレス)、ファクシミリ番号等(以下、「宛先情報」ともいう)を指定して送信ジョブの実行を指示することにより、1の端末装置200に所定のデータを送信することができる。また、複合機1は、ユーザーが複数の送信先に対応する宛先情報及びデータを指定して送信ジョブの実行を指示することにより、複数の端末装置200に所定のデータを同報送信することができる。本実施形態では、複合機1において、主に同報送信を実行するための構成及び機能について説明する。そのため、複合機1において、1の端末装置200にデータを送信する場合の構成及び機能については説明を適宜に省略する。
なお、端末装置200においても、通信ネットワークNWを介して、複合機1や他の端末装置200へ所定のデータを送信(同報送信を含む)する機能を備える。
次に、複合機1の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態の複合機1は、電子写真方式の画像形成装置であり、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gを複合機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15における複合機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図2に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とを複合機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図2において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。更に、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を備えたイメージセンサーである。
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が到達するタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tを複合機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34における複合機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
画像形成部40は、トナー画像を形成するためのものであり、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(不図示)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(不図示)により接続されている。
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図2に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。更に、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
次に、複合機1の機能的な構成について説明する。図3は、複合機1の機能的な構成を示すブロック図である。また、図4は、同報送信においてタッチパネル100の表示面112に表示される表示画面111の一例を示す説明図である。
図3に示すように、複合機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。エンジン部3は、用紙Tに画像データに基づく画像を形成する。なお、図2を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
また、複合機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、タッチパネル100と、インターフェイス部150と、制御部90とを備える。以下、この順番に説明する。
操作部70は、テンキー、スタートキー(いずれも不図示)等を備える。テンキーは、ユーザーが複合機1に対して印刷部数等の数字を入力するために操作する入力装置である。スタートキーは、ユーザーが複合機1に対して各種処理(印刷の実行、同報送信を含む送信の実行等)を指示するために操作する入力装置である。操作部70は、いずれかのキーが操作(押下)されることにより、そのキーが操作されたことを示す信号を制御部90に出力する。なお、操作部70に設定されたすべてのキー又は一部のキーを、タッチパネル100(後述)に設けてもよい。
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、複合機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。また、記憶部80は、端末装置200(図1参照)毎に設定されたメールアドレス、FTP(アドレス)、ファクシミリ番号等を記憶する。更に、記憶部80は、タッチパネル100を介して設定された複数の送信ジョブを記憶する。
タッチパネル100は、ユーザーによるジェスチャーを含む操作入力を受付可能な表示入力装置である。タッチパネル100は、表示部110及びセンサ部130を備える。タッチパネル100において、センサ部130は、表示部110の表示面側に重ねて配置されている。
表示部110は、図4に示すように、表示画面111を表示する表示面112を有する。表示面112には、例えば、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能が割り当てられた各種の操作キーを含む表示画面111が表示される(図示を省略)。なお、図4は、本実施形態の同報送信において表示されるアイコンをすべて表示した場合の表示画面111を示している。すなわち、図4に示すアイコンは、同じ表示画面111に同時に表示されるものではなく、必要に応じて選択的に表示される。
また、同報送信の実行が指示されると、表示画面111には、送信ジョブ毎に、対応付けられたジョブ識別画像(ジョブ識別子)の表示画面111が表示される。図4に示す例では、表示面112に、9件の送信ジョブに対応付けられたジョブ識別画像J1〜J9を含む表示画面111が表示されている。
ユーザーは、データを送信する送信先の宛先情報を、タッチパネル100を介して選択する。すなわち、ユーザーは、タッチパネル100の表示面112に送信先と宛先情報とが対応付けられたリストを含む表示画面111を表示させ(不図示)、そのリストの中からデータを送信したい送信先を選択する。また、ユーザーは、タッチパネル100の表示画面111にデータのリストを含む表示画面111を表示させ(不図示)、そのリストの中から送信したいデータを選択する。
ユーザーにより送信先とデータとが選択されると、制御部90(後述)において、それぞれの送信先に対応する送信ジョブが設定され、記憶部80の所定エリアに記憶される。そして、ユーザーにより同報送信の実行が指示されると、制御部90は、図4に示すようなジョブ識別画像J1〜J9を含む表示画面111を表示面112に表示させる。
ここで、ジョブ識別画像J1を例として、ジョブ識別画像について説明する。図4に示すように、ジョブ識別画像J1は、宛先アイコン113と、接続ライン114と、を有する。
宛先アイコン113は、送信ジョブを識別するための情報であり、例えば「J1」等の送信ジョブ名(例えば、送信先の名称)が付加的に表示される。宛先アイコン113は、図4に示すように、データを送信先にブラウザ/メールソフトを介して送信する場合には封筒の図柄となり、データを送信先にFTP(アドレス)により送信する場合にはPC(パーソナルコンピューター)の図柄となる。なお、図4には示していないが、データを送信先にファクシミリ機能により送信する場合にはファクシミリ装置の図柄となる。後述するように、宛先アイコン113の表示形態は、そのジョブ識別画像がキャンセルの対象となった場合に、他のジョブ識別画像の表示形態と異なるように表示される。
接続ライン114は、対応する送信ジョブの通信状態を示す情報である。接続ライン114の一方の端部は、宛先アイコン113に接続している。また、接続ライン114の他方の端部は、通信ネットワーク115(図1の通信ネットワークNWに相当)に接続している。後述するように、接続ライン114の表示形態は、対応する送信ジョブの通信状態に応じて変更される。なお、本実施形態では、接続ライン114における表示形態を、実画面の色に対応付けた線種(1本線、2本線、破線等)により表現するが、図4では、接続ライン114をすべて同じ線で図示している。
図4において、操作領域120は、ジョブ識別画像J1が表示された領域を含む所定領域である。図4では、操作領域120をジョブ識別画像J1のみ図示するが、操作領域120は、ジョブ識別画像J1〜J9のそれぞれ設定されている。
また、図4において、通信ネットワーク115の一端側には、同報送信を実行する複合機1(自機)を示すアイコン116が表示される。また、通信ネットワーク115の他端側には、ページ送りのためのアイコン117が表示される。ユーザーが指でアイコン117を指し示す(センサ部130の表面に接触する)ことにより、表示面112には、次ページの表示画面111が表示される。
なお、本実施形態では、同報送信において、図4に示すような表示画面111を表示部110に表示する例について説明するが、データを1の送信先へ送信する場合において、同様の表示画面111を表示部110に表示させてもよい。
再び図3に戻って説明する。センサ部130は、ユーザーの指やペン等の接触物(以下、総称して「指」ともいう)が接触した位置及び/又は領域を検出すると共に、検出した情報である操作位置情報を制御部90へ出力する入力装置である。センサ部130は、光透過性を有する。そのため、ユーザーは、センサ部130を介して表示部110の表示面112に表示された表示画面111を視認することができる。
センサ部130は、ユーザーの指がセンサ部130の表面を指し示したときの位置、及びユーザーの指がセンサ部130の表面で移動したときの領域を検出する。本実施形態では、ユーザーの指がセンサ部130の表面を指し示したときに検出される位置、及びユーザーの指がセンサ部130の表面で移動したときに検出される領域を総称して「ジェスチャーの領域」という。
ユーザーは、センサ部130を介して表示画面111に表示された操作キーやアイコン(図4参照)を視認することができる。ユーザーが、表示画面111に表示された操作キーやアイコンの中から、所望の操作キーやアイコンを目標にしてセンサ部130の表面を指で指し示すと、ユーザーの指が接触した位置及び/又は領域が検出され、その操作位置情報が制御部90に出力される。制御部90は、センサ部130から出力された操作位置情報に基づいて、表示部110の表示面に表示されているどの操作キーやアイコンに対して操作がなされたかを特定することができる。なお、制御部90によるジェスチャー領域の検出については後述する。
上述したセンサ部130としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、及び荷重検出方式等のセンサが用いられる。
インターフェイス部150には、通信ネットワークNW(図1参照)が接続される。1又は複数の端末装置200から送信されたデータは、通信ネットワークNWからインターフェイス部150を介して複合機1に受信される。また、複合機1から送信されたデータは、インターフェイス部150から通信ネットワークNWを介して1又は複数の端末装置200に送信される。
次に、制御部90について説明する。制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
また、制御部90は、同報送信指示受付部91と、同報送信ジョブ実行部92と、同報送信ジョブ表示制御部93と、ジェスチャー検出部94と、同報送信ジョブ実行制御部95と、を備える。
同報送信指示受付部91は、同報送信の実行を指示する操作入力を受付ける。ユーザーが操作部70のスタートキーを操作すると、同報送信指示受付部91は、同報送信の実行を指示する操作入力を受付ける。同報送信指示受付部91は、同報送信の実行を指示する操作入力を受付けると、同報送信ジョブ実行部92、同報送信ジョブ表示制御部93及び同報送信ジョブ実行制御部95に対して、同報送信の実行を指示する操作入力を受付けたことを通知する。
同報送信ジョブ実行部92は、同報送信指示受付部91から同報送信の実行を指示する操作入力を受付けたことが通知されると、記憶部80に記憶されている複数の送信ジョブについて、先頭の送信ジョブから順にデータの送信を実行する。同報送信ジョブ実行部92は、1つの送信ジョブ毎に、宛先情報に対応する送信先にデータを送信する。
同報送信ジョブ表示制御部93は、同報送信指示受付部91から同報送信の実行を指示する操作入力を受付けたことが通知されると、送信ジョブ毎に、送信ジョブを識別する情報としての宛先アイコン113及び当該送信ジョブの通信状態を示す接続ライン114を有するジョブ識別画像(ジョブ識別子)を含む表示画面111を表示部110の表示面112に表示させる(図4参照)。
また、同報送信ジョブ表示制御部93は、表示面112に表示されるジョブ識別画像の表示形態を、当該ジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブの通信状態に応じて変更する。具体的には、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジョブ識別画像における接続ライン114(図4参照)の表示形態を、ジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブの通信状態に応じて変更する。例えば、データの送信中であれば、接続ライン114を赤い線で表示させる。待機中であれば、接続ライン114をグレーの線で表示させる。データの送信が完了した場合には、接続ライン114を青い線で表示させる。エラーが発生した場合には、接続ライン114を緑の線で表示させる。
なお、実施形態の図面では、データの送信中であれば、接続ライン114を太い1本線(実画面の赤い線に対応)で示す。待機中であれば、接続ライン114を細い2本線(実画面のグレーの線に対応)で示す。データの送信が完了した場合には、接続ライン114を細い1本線(実画面の青い線に対応)で示す。エラーが発生した場合には、接続ライン114を破線(実画面の緑の線に対応)で示す。
また、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94(後述)で検出されたジェスチャーの領域が、複数のジョブ識別画像のうち、1のジョブ識別画像が表示された領域を含む操作領域120の一部に対応する領域である場合に、表示面112に表示されるそのジョブ識別画像の表示形態を、他のジョブ識別画像の表示形態と異なるように表示させる。
具体的には、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、複数のジョブ識別画像のうち、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域である場合に、そのジョブ識別画像の接続ライン114を点滅表示させる(他のジョブ識別画像の接続ライン114は点灯表示)。ここで、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域とは、例えば、ユーザーがジョブ識別画像の宛先アイコン113を指で指し示したときに検出されるジェスチャーの領域である。
なお、以下の説明において、上述したジェスチャーの領域に対応するジョブ識別画像を「キャンセルの対象となるジョブ識別画像」ともいう。また、キャンセルの対象となるジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブを「キャンセルの対象となる送信ジョブ」ともいう。
また、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、複数のジョブ識別画像のうち、1のジョブ識別画像が表示された領域を含む操作領域120の一部に対応する領域である場合に、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行可能な処理を示す処理識別子を表示面112に表示させる。
具体的には、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域である場合に、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の接続ライン114を点滅表示させると共に、図4に示すように、処理識別子として、キャンセル実行アイコン118(ハサミ図柄)を、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の操作領域120内又はその近傍(以下、「操作領域120内」ともいう)に表示させる。キャンセル実行アイコン118は、送信ジョブをキャンセルする処理を示す。図4は、キャンセル実行アイコン118を、ジョブ識別画像J3の近傍に表示した例を示す。
また、同報送信ジョブ表示制御部93は、キャンセルの対象となるジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブに対して、同報送信ジョブ実行部92がキャンセル実行アイコン118(処理識別子)の示す処理を実行している間、キャンセル実行アイコン118の示す処理が実行中であることを示す処理実行識別子を表示面112に表示させる。具体的には、同報送信ジョブ表示制御部93は、処理実行識別子として、図4に示すキャンセル実行アイコン118を点滅表示させる(図示を省略)。
処理識別子であるキャンセル実行アイコン118を点滅表示させて処理実行識別子とすることにより、ユーザーは、キャンセル実行アイコン118の処理が実行中であることを直感的に理解することができる。また、表示するアイコンの数を少なくできるため、ユーザーが理解しやすい操作環境を提供することができる。
また、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブに対して、同報送信ジョブ実行部92がキャンセル実行アイコン118(処理識別子)の示す処理の実行を完了したときに、キャンセル実行アイコン118の示す処理の実行が完了したことを示す処理完了識別子を表示面112に表示させる。
具体的には、同報送信ジョブ表示制御部93は、図4に示すように、処理完了識別子として、キャンセル完了アイコン119(バツ印図柄)を表示面112に表示させる。キャンセル完了アイコン119は、送信ジョブのキャンセルが完了したことを示すアイコンである。キャンセル完了アイコン119は、例えば、キャンセルの対象となるジョブ識別画像における接続ライン114の上に重ねて表示される。図4は、キャンセル完了アイコン119を、ジョブ識別画像J4の接続ライン114の上に重ねて表示した例を示す。
ジェスチャー検出部94は、タッチパネル100(センサ部130)から出力された操作位置情報に基づいて、ユーザーがタッチパネル100に対して行ったジェスチャーの領域(座標データ群)を検出する。ジェスチャー検出部94は、検出したジェスチャーの領域を、同報送信ジョブ実行制御部95へ送信する。
同報送信ジョブ実行制御部95は、表示面112にキャンセル実行アイコン118が表示された状態において、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、予め設定されたパターンに対応するジェスチャーの領域であって、ジョブ識別画像を含む操作領域120の一部に対応する領域である場合に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブのうち、未送信の送信ジョブを実行しないように同報送信ジョブ実行部92を制御する。
ここで、予め設定されたパターンに対応するジェスチャーの領域とは、例えば、ユーザーが表示面112に対して指を横方向に移動するジェスチャーをしたときに検出されるジェスチャー領域である。また、ジョブ識別画像を含む操作領域120の一部に対応する領域とは、例えば、ユーザーがジョブ識別画像の操作領域120を横切るようなジェスチャーをしたときに検出されるジェスチャーの領域である。
また、送信ジョブを実行しないとは、送信ジョブをキャンセルする(取り消す)ことのほか、送信ジョブを実行する順番を繰り下げることや、送信ジョブの実行を保留又は中断すること等を含む。本実施形態では、主に送信ジョブをキャンセルする場合について説明するが、送信ジョブを実行する順番を繰り下げることや、送信ジョブの実行を保留又は中断すること等についても、送信ジョブを実行しないことに含まれる。
上述のように、同報送信ジョブ実行制御部95は、表示面112にキャンセル実行アイコン118が表示された状態において、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の操作領域120を横切るようなジェスチャーをしたときに検出されるジェスチャーの領域である場合に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブが未送信であれば、その送信ジョブをキャンセルするように同報送信ジョブ実行部92を制御する。
すなわち、本実施形態の同報送信ジョブ実行制御部95は、同報送信の実行中に、ジェスチャー検出部94で検出された2回のジェスチャー(指で指し示すジェスチャー、指を横方向に移動するジェスチャー)の領域が、いずれも1のジョブ識別画像が表示された領域を含む操作領域120の一部に対応する領域の領域である場合に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブが未送信であれば、その送信ジョブをキャンセルするように同報送信ジョブ実行部92を制御する。
次に、本実施形態の複合機1において、同報送信を実行する場合の動作について、図5を参照しながら説明する。図5は、制御部90が同報送信を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
なお、ユーザーは、同報送信の実行を指示する前に、データの送信先とデータとを、タッチパネル100を介して選択する。これにより、それぞれの送信先に対応する送信ジョブが設定され、記憶部80の所定エリアに記憶される。ここでは、9件(図4に示すジョブ識別画像J1〜J9)の送信先に対応する送信ジョブが設定されたものとする。なお、9件の送信ジョブにおいて、6件(ジョブ識別画像J1〜J6)はブラウザ/メールソフトによるメール送信であり、3件(ジョブ識別画像J7〜J9)はFTP(アドレス)によるデータ送信である。
図5に示すステップST101において、同報送信指示受付部91は、同報送信の実行を指示する操作入力を受付ける。ユーザーは、操作部70(図3参照)のスタートキーを操作することにより、同報送信の実行を指示することができる。
ステップST102において、同報送信ジョブ実行部92は、記憶部80に記憶されている複数の送信ジョブについて、先頭の送信ジョブから順にデータの送信(同報送信)を実行する。なお、同報送信ジョブ実行部92が端末装置200(送信先装置)との間で通信プロトコルを確立する動作、及びデータの送信に関する一連の動作については説明を省略する。
ステップST103において、同報送信ジョブ表示制御部93は、送信ジョブ毎に、送信ジョブを識別する情報としての宛先アイコン113及び当該送信ジョブの通信状態を示す接続ライン114を含むジョブ識別画像を表示面112に表示させる。表示面112に表示されるジョブ識別画像の具体例については後述する。
ステップST104において、同報送信ジョブ実行部92は、記憶部80に記憶されているすべての送信ジョブについてデータの送信を完了したか否かを判定する。このステップST104において、同報送信ジョブ実行部92が、すべての送信ジョブについてデータの送信を完了した(YES)と判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。一方、ステップST104において、同報送信ジョブ実行部92が、すべての送信ジョブについてデータの送信を完了していない(NO)と判定した場合には、処理はステップST105へ移行する。
ステップST105において、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域か否かを判定する。このステップST104において、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域(YES)と判定した場合には、ステップST106の処理へ移行する。一方、ステップST105において、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域ではない(NO)と判定した場合には、ステップST104の処理へ戻る。
なお、後述するように、ユーザーが同報送信の実行を指示した後に、間違った送信先へのデータの送信をキャンセルする場合には、その送信ジョブに対応付けられたジョブ識別画像の宛先アイコン113を指で指し示すジェスチャーを行う。この場合、ステップST105において、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、ジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域であると判定するため、処理はステップST106へ移行する。
ステップST106(ステップST105:YES)において、同報送信ジョブ表示制御部93は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、ジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域であると判定したときのジョブ識別画像(キャンセルの対象となるジョブ識別画像)について、その接続ライン114を点滅表示させる。
ステップST107において、同報送信ジョブ表示制御部93は、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行可能な処理を示す処理識別子を表示面112に表示させる。本実施形態では、処理識別子として、キャンセル実行アイコン118(図4参照)を、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の操作領域120内に表示させる。
ステップST108において、同報送信ジョブ実行制御部95は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の操作領域120を横切るようなジェスチャーをしたときに検出されるジェスチャーの領域(以下、「操作領域120を横切るようなジェスチャーの領域」ともいう)か否かを判定する。このステップST108において、同報送信ジョブ実行制御部95は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、操作領域120を横切るようなジェスチャーの領域である(YES)と判定した場合には、ステップST109の処理へ移行する。一方、ステップST108において、同報送信ジョブ実行制御部95は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、操作領域120を横切るようなジェスチャーの領域ではない(NO)と判定した場合には、ステップST108の処理へ戻る。
なお、同報送信ジョブ実行制御部95は、キャンセル実行アイコン118が表示された後、タイマーによる計時をスタートさせ、例えば5秒以内にキャンセルの対象となるジョブ識別画像の操作領域120を横切るようなジェスチャーの領域を検出しなければ、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の点滅表示やキャンセル実行アイコン118の表示を停止させて、ステップST104へ戻るようにしてもよい。
ステップST109(ステップST108:YES)において、同報送信ジョブ実行制御部95は、キャンセルの対象となる送信ジョブのうち、未送信の送信ジョブをキャンセルするように同報送信ジョブ実行部92を制御する。
ステップST110において、同報送信ジョブ表示制御部93は、同報送信ジョブ実行部92がキャンセルの対象となる送信ジョブをキャンセルする処理を実行している間、キャンセル実行アイコン118の示す処理が実行中であることを示す処理実行識別子を表示面112に表示させる。本実施形態では、処理実行識別子として、キャンセル実行アイコン118を表示面112において点滅表示させる。
ステップST111において、同報送信ジョブ表示制御部93は、同報送信ジョブ実行部92がキャンセルの対象となる送信ジョブをキャンセルする処理が完了したときに、キャンセル実行アイコン118の示す処理の実行が完了したことを示す処理完了識別子を表示面112に表示させる。本実施形態では、処理識別子として、キャンセル完了アイコン119(図4参照)を表示面112に表示させる。
ステップST111の処理を終了した後、処理はステップST104へ戻る。この後、同報送信ジョブ実行部92が、すべての送信ジョブについてデータの送信を完了したと判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。
次に、本実施形態の複合機1において、同報送信の実行中に、ユーザーが所定の送信ジョブをキャンセルする場合の操作と、その操作による表示画面111の変化について説明する。図6〜図10は、同報送信の実行中に表示面112に表示される表示画面111を示す説明図である。
まず、ユーザーが操作部70(図3参照)のスタートキーを操作して、同報送信の実行を指示すると、図6に示すように、ジョブ識別画像J1〜J9を含む表示画面111が表示面112に表示される。図6に示す表示画面111において、ジョブ識別画像J1〜J3は、接続ライン114が太い1本線(実画面の赤い線に対応)で表されている。そのため、ユーザーは、ジョブ識別画像J1〜J9のうち、ジョブ識別画像J1〜J3に対応付けられた送信ジョブが実行中(データの送信中)であることを理解することができる。
また、図6に示す表示画面111において、ジョブ識別画像J4及びJ5は、接続ライン114が細い1本線(実画面の青い線に対応)で表されている。そのため、ユーザーは、ジョブ識別画像J1〜J9のうち、ジョブ識別画像J4及びJ5に対応付けられた送信ジョブが完了したことを理解することができる。
また、図6に示す表示画面111において、ジョブ識別画像J6は、接続ライン114が破線(実画面の緑の線に対応)で表されている。そのため、ユーザーは、ジョブ識別画像J6に対応する送信ジョブにエラーが発生したことを理解することができる。
図6に示す表示画面111において、ジョブ識別画像J7〜J9は、接続ライン114が細い2本線(実画面のグレーの線に対応)で表されている。そのため、ユーザーは、ジョブ識別画像J1〜J9のうち、ジョブ識別画像J7〜J9に対応する送信ジョブが待機中であることを理解することができる。
上述のように、本実施形態の複合機1においては、同報送信の実行が指示されると、図6に示すような表示画面111が表示面112に表示されるので、ユーザーは、同報送信全体の進行状況を一元的に把握することができる。
次に、図6に示す表示画面111の状態において、ユーザーが送信先に間違いのあることに気が付き、その間違った送信先であるジョブ識別画像J2に対応付けられた送信ジョブをキャンセルしたいと考えたとする。この場合、ユーザーは、図7に示すように、ジョブ識別画像J2の宛先アイコン113を指で指し示すジェスチャーを行う。これにより、表示画面111において、キャンセルの対象となるジョブ識別画像J2の接続ライン114が点滅表示される(不図示)。続いて、図8に示すように、キャンセルの対象となるジョブ識別画像J2の操作領域120(不図示)内に、キャンセル実行アイコン118(処理識別子)が表示される。そのため、ユーザーは、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行可能な処理を認識することができる。
次に、ユーザーは、図9に示すように、表示面112にキャンセル実行アイコン118が表示されている状態において、ジョブ識別画像J2の操作領域120(例えば、接続ライン114)を横切るようなジェスチャーを行う。これにより、表示画面111において、キャンセル実行アイコン118が点滅表示される(不図示)。本実施形態において、キャンセル実行アイコン118の点滅表示は、処理実行識別子が表示されていることを示す。ユーザーは、キャンセル実行アイコン118が点滅表示されることにより、ジョブ識別画像J2に対応付けられた送信ジョブに対して、キャンセルの処理が実行中であることを理解することができる。なお、ユーザーがジョブ識別画像J2の操作領域120を横切るようなジェスチャーを行ったときに、キャンセル実行アイコン118を、そのジェスチャーの方向に沿って移動するように表示させてもよい。
その後、キャンセルの対象となるジョブ識別画像J2に対応付けられた送信ジョブのキャンセルが完了すると、図10に示すように、キャンセルの実行が完了したことを示すキャンセル完了アイコン119(処理完了識別子)が、キャンセルの対象となるジョブ識別画像J2における接続ライン114の上に重ねて表示される。
以上のように、ユーザーは、キャンセルしたいジョブ識別画像J2の宛先アイコン113を指で指し示すジェスチャーと、ジョブ識別画像J2の接続ライン114を横切るようなジェスチャーとを行うことにより、ジョブ識別画像J2に対応付けられた送信ジョブをキャンセルすることができる。すなわち、本実施形態において、ユーザーは、2ステップのジェスチャー(動作)を行うことにより、実行中のジョブ識別画像J2に対応付けられた送信ジョブをキャンセルすることができる。
以上説明したように、本実施形態の複合機1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態の複合機1は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、複数のジョブ識別画像のうち、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域である場合に、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行可能な処理を示すキャンセル実行アイコン118を表示面112に表示させる。そして、複合機1は、キャンセル実行アイコン118が表示された状態において、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、前記ジョブ識別画像の操作領域120を横切るようなジェスチャーの領域である場合に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブのうち、未送信の送信ジョブをキャンセルする。
このように、本実施形態の複合機1によれば、ユーザーは、同報送信の実行中に、実行させたくない送信ジョブに対応付けられたジョブ識別画像に対して簡単なジェスチャーを2回行うことにより、その送信ジョブをキャンセルすることができる。従って、本実施形態の複合機1によれば、ユーザーは、従来の送信装置のようにキャンセルのための煩雑な操作を行うことなしに、その送信ジョブを速やかにキャンセルすることができる。
とくに、複合機1では、キャンセル実行アイコン118(処理識別子)を表示面112に表示させるため、ユーザーは、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行することができる処理を容易に理解することができる。
とくに、複合機1では、キャンセル実行アイコン118が表示された状態において、ユーザーがジョブ識別画像の操作領域120を横切るようなジェスチャー(予め設定されたパターンに対応するジェスチャー)を行わない場合には、キャンセルの対象となる送信ジョブがキャンセルされることがない。そのため、ユーザーの不用意なジェスチャーにより、送信ジョブがキャンセルされることを回避できる。
また、複合機1は、表示面112に表示されるジョブ識別画像(ジョブ識別子)の表示形態を、当該ジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブの通信状態に応じて変更する。そのため、ユーザーは、同報送信の実行中において、それぞれの送信ジョブが送信中か待機中か等を直感的に理解することができる。
また、複合機1は、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、複数のジョブ識別画像のうち、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域である場合に、そのジョブ識別画像の接続ライン114を点滅表示させて、他のジョブ識別画像の接続ライン114の表示形態と異なるようにする。そのため、ユーザーは、自らが指定したキャンセルの対象となるジョブ識別画像を確実に判別することができる。
また、複合機1は、キャンセル実行アイコン118の示す処理を実行している間、キャンセル実行アイコン118の示す処理が実行中であることを示す処理実行識別子を表示面112に表示させる。そのため、ユーザーは、キャンセルの対象となる送信ジョブのキャンセルが実行されていることを容易に確認することができる。
とくに、複合機1では、処理実行識別子として、キャンセル実行アイコン118を点滅表示させるため、ユーザーは、キャンセル実行アイコン118の処理が実行中であることを直感的に理解することができる。また、処理実行識別子として、キャンセル実行アイコン118を点滅表示させることにより、表示するアイコンの数を少なくできるため、ユーザーが理解しやすい操作環境を提供することができる。
また、複合機1は、キャンセル実行アイコン118の示す処理の実行を完了したときに、キャンセル実行アイコン118の示す処理の実行が完了したことを示すキャンセル完了アイコン119(処理完了識別子)を表示面112に表示させる。そのため、ユーザーは、キャンセルの対象となる送信ジョブのキャンセルが完了したことを容易に確認することができる。
なお、本発明は、上述した一実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、同報送信ジョブ実行制御部95は、同報送信の実行中に、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域である場合に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブが未送信であれば、その送信ジョブをキャンセルするように同報送信ジョブ実行部92を制御してもよい。
この場合に、ユーザーは、同報送信の実行中に、実行させたくない送信ジョブに対応付けられたジョブ識別画像の宛先アイコン113を指し示すジェスチャーを1回行うだけで、その送信ジョブをキャンセルすることができる。従って、ユーザーは、送信ジョブをより速やかにキャンセルすることができる。なお、宛先アイコン113を指し示すジェスチャーの代わりに、操作領域120の少なくとも一部(例えば、接続ライン114)を横切るようなジェスチャーであってもよい。
また、同報送信ジョブ実行制御部95は、同報送信の実行中に、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、1のジョブ識別画像における宛先アイコン113の領域である場合に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブが実行中であれば、その送信ジョブが実行されないように同報送信ジョブ実行部92を制御すると共に、記憶部80において、その送信ジョブを実行する順番を実行待機中の他の送信ジョブよりも繰り下げるように制御してもよい。
これによれば、ユーザーは、複合機1にキャンセルを指示した送信ジョブについて、そのキャンセルの指示が正しいか否かを検討する時間を得ることができる。すなわち、ユーザーは、キャンセルの指示が正しいか否かを検討した結果、キャンセルの指示が正しいと判断した場合には、実行する順番が繰り下げられた送信ジョブの実行待機中に、改めてキャンセルを指示する操作を行うことができる。
また、実行する順番が繰り下げられた送信ジョブは、実行の順番が巡ってきた時点で自動的に実行される。そのため、キャンセルの指示が正しいか否かを検討した結果、その送信ジョブをキャンセルする指示が正しくないと判断した場合に、ユーザーは何も操作しなくても、送信ジョブを実行させることができる。すなわち、ユーザーが、その送信ジョブをキャンセルすべきでないと判断した場合に、改めてデータの送信先及び送信するデータを指定して送信ジョブを実行させる手間を省くことができる。
なお、送信ジョブを実行する順番を繰り下げる代わりに、送信ジョブの実行を保留するように制御してもよい。また、送信ジョブを実行する順番を繰り下げたことや、送信ジョブの実行を保留したことを通知するアイコンを表示面112の所定位置に表示させてもよい。このようなアイコンを表示させることにより、ユーザーは、キャンセルの指示が正しいか否かを検討すべき送信ジョブが存在することを直感的に認識することができる。
また、本実施形態では、キャンセルの対象となる送信ジョブを指定する際に、1のジョブ識別画像を指示する例について説明した。これに限らず、キャンセルの対象となる送信ジョブを指定する際に、2以上のジョブ識別画像を指示することもできる。
例えば、ユーザーは、キャンセルの対象となる複数のジョブ識別画像について、その宛先アイコン113を順番に指で指し示すジェスチャーを行ってもよいし、キャンセルの対象となる複数のジョブ識別画像について、その宛先アイコン113又は接続ライン114を連続的に横切るようなジェスチャーを行ってもよい。また、ユーザーがそのジェスチャーを行ったときに、キャンセル実行アイコン118を、ジェスチャーの方向に沿って移動するように表示させてもよい。
また、キャンセルの対象となる複数のジョブ識別画像をより簡単に指定することもできる。例えば、図4において、キャンセルの対象となるジョブ識別画像として、ジョブ識別画像J1〜J3を指定したいときに、ジョブ識別画像J1の宛先アイコン113の左側の空きスペースを指で指し示すジェスチャーを行った後、ジョブ識別画像J3の右側の空きスペースを指で指し示すジェスチャーを行う。これにより、ユーザーは、キャンセルの対象となるジョブ識別画像として、指で指し示すジェスチャーを行った2点の間に位置するジョブ識別画像J1〜J3を指定することができる。
また、ユーザーが表示面112の空きスペースを指で指し示すジェスチャーを行ったときに、その指し示した点が3点以上ある場合には、最も外側に位置する2点に対するジェスチャーを有効とみなし、その2点の間に位置するジョブ識別画像が指定されたと判断するようにしてもよい。このように、複数のアイコンを同時に指定する場合の操作パターンについては、予め設定された複数の操作パターンの中からユーザーが特定の操作パターンを選択できるようにしてもよいし、ユーザーが所望の操作パターンを設定できるようにしてもよい。
このように、本実施形態の複合機1では、キャンセルの対象となる複数のジョブ識別画像をまとめて指示することができるため、複数の送信ジョブをキャンセルする操作を簡略化できるだけでなく、操作に要する時間を短縮することができる。そのため、キャンセルしたい送信ジョブが複数ある場合に、1つの送信ジョブをキャンセルする操作をしている間に、キャンセルしたい他の送信ジョブの実行が完了してしまう不具合を少なくすることができる。
また、本実施形態では、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、ジョブ識別画像が表示された領域を含む操作領域120(図4に示す破線の範囲)の一部に対応する領域である場合に、同報送信ジョブ表示制御部93及び同報送信ジョブ実行制御部95において、そのジョブ識別領域又はそのジョブ識別領域に対応付けられた送信ジョブに対して各種の処理を実行する例について説明した。この例に限らず、ジェスチャー検出部94で検出されたジェスチャーの領域が、ジョブ識別画像が表示された領域を含む操作領域120(図4に示す破線の範囲)の全部に対応する領域である場合に、同報送信ジョブ表示制御部93及び同報送信ジョブ実行制御部95において、そのジョブ識別領域又はそのジョブ識別領域に対応付けられた送信ジョブに対して各種の処理を実行するようにしてもよい。すなわち、ユーザーのジョブ識別画像に対するジェスチャーは、そのジョブ識別画像が表示された領域を含む操作領域120の一部に対するジェスチャーでもよいし、操作領域120の全部に対するジェスチャーでもあってもよい。
また、本実施形態では、ジョブ識別画像の接続ライン114の色(実施形態では線種)を、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブの通信状態に応じて変更する例について説明した。この例に限らず、ジョブ識別画像の宛先アイコン113の色、模様、形状等を変更してもよい。
また、本実施形態では、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の接続ライン114を点滅表示させる例について説明した。この例に限らず、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の宛先アイコン113を点滅表示させてもよいし、宛先アイコン113及び接続ライン114を交互に点滅表示させてもよい。また、キャンセルの対象となるジョブ識別画像において、宛先アイコン113及び/又は接続ライン114の色を通常とは異なる色に表示させてもよい。更に、キャンセルの対象となるジョブ識別画像の近傍に、そのジョブ識別画像に対応付けられた送信ジョブがキャンセルの対象であることを通知する別のアイコンを表示させてもよい。
また、本実施形態では、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行可能な処理を示す処理識別子として、キャンセル実行アイコン118を表示させる例について説明した。この例に限らず、キャンセルの対象となる送信ジョブに対して実行可能な処理を示す処理識別子として、キャンセルの対象とすることを取り消す(元に戻す)アイコン、キャンセルの対象とすることを取り消すと共に、その送信ジョブを実行する順番を実行待機中の他の送信ジョブよりも繰り下げるアイコン等を表示させるようにしてもよい。複数の処理識別子を表示させるようにした場合、ユーザーは、使用状況に応じて送信ジョブに対する処理を選択することができるため、より利便性を高めることができる。
また、本実施形態では、予め設定されたパターンに対応するジェスチャーの領域として、ユーザーが指を横方向に移動したときに検出されるジェスチャーの領域を例として説明した。これに限らず、ユーザーが複数の指を同時に移動したときに検出されるジェスチャーの領域であってもよいし、ユーザーが指を特定の文字、記号、図形等に似せて移動したときに検出されるジェスチャーの領域であってもよい。すなわち、予め設定されたパターンに対応するジェスチャーの領域は、ユーザーが指を移動させたときに検出されるジェスチャーの領域であって、他のジェスチャーの領域と区別することができれば、どのようなものでもよい。
また、本実施形態では、キャンセル実行アイコン118の示す処理が実行中であることを示す処理実行識別子として、キャンセル実行アイコン118を点滅表示させる例について説明した。この例に限らず、処理実行識別子として、キャンセル実行アイコン118とは別のアイコン(例えば、砂時計の図柄を有するアイコン)を、キャンセル実行アイコン118の近傍に表示させたり、このアイコンをキャンセル実行アイコン118の代わりに表示させたりしてもよい。
また、本実施形態では、キャンセル実行アイコン118の示す処理の実行が完了したことを示す処理完了識別子として、バツ印図柄のキャンセル完了アイコン119を表示させる例について説明した。この例に限らず、処理完了識別子として、例えば「OFF」、「キャンセル完了」等の文字を表示させてもよい。また、送信ジョブのキャンセルが完了した送信ジョブに対応付けられたジョブ識別画像の色を、他のジョブ識別画像とは異なる色で表示してもよいし、送信ジョブのキャンセルが完了した送信ジョブに対応付けられたジョブ識別画像を表示面112から消去してもよい。
また、本実施形態では、本発明に係る送信装置を複合機1に適用した例について説明した。これに限らず、本発明は、同報送信の機能を備えたパーソナルコンピューター、ファクシミリ装置等にも適用することができる。すなわち、本発明に係る送信装置は、同報送信の機能を備えた装置全般に適用することができる。