JP2014128915A - 樹脂構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に発生した段差を吸収することができる樹脂構造体を提供することを課題とする。
【解決手段】インストルメントパネル10は、基材12の一方の面13に発泡樹脂層30が積層され、この発泡樹脂層30に表皮41が積層されている。発泡樹脂層30は、第1発泡層31と、第2発泡層32とからなる。第1発泡層31は、第2発泡層32よりも塑性変形性に富む。段差51は、第1発泡層31が段差形状に倣って塑性変形することにより吸収される。第2発泡層は、第1発泡層よりも剛性が大きいので、変形しない。
【効果】基材に接する第1発泡層は塑性変形性に富むので、基材に発生した段差を吸収することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂構造体に関し、具体的には、車両のインストルメントパネルの内装に使用される樹脂構造体及びその製造方法に関する。
エアバッグ装置が内蔵されたインストルメントパネルの樹脂構造体が知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
この特許文献1の技術を図面に基づいて以下に説明する。
図15は従来のインストルメントパネルの基本構成を説明する図であり、樹脂構造体100は、基材101の開口部102にドア基材103を挿入し、ドア基材103の狭持部104で開口部102を狭持する。基材101及びドア基材103と、表皮105との間に発泡原料を注入し、発泡させる。すると、基材101及びドア基材103と、表皮105とに密着した発泡層106が形成される。
図16に示すように、基材101及びドア基材103は、成形誤差等により組み付け時に基材101とドア基材103との間に段差107が生じることがある。この基材101とドア基材103との段差107の影響により、発泡層106を介して表皮105の表面にまで段差108が生じ、意匠性が損なわれる虞がある。段差107の影響は、発泡層106が薄い場合は顕著に表れる。
特開平11−151728号公報
本発明は、基材に発生した段差を吸収することができる樹脂構造体を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、基材と、この基材の一方の面に被せる表皮と、この表皮と前記基材との間に設ける発泡樹脂層とからなる樹脂構造体であって、前記発泡樹脂層は、前記基材の一方の面に接する第1発泡層と、前記表皮に接する第2発泡層との少なくとも2層からなり、前記第1発泡層は、前記第2発泡層よりも塑性変形性に富むことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、第1発泡層では、層内に発生した亀裂により空洞同士が繋がっていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、第1発泡層に第2発泡層よりも融点の低い樹脂を使用し、この融点の低い樹脂が溶融する低い温度で加熱し、第1発泡層の樹脂が溶融して隣り合う空洞同士が接触すると共に連通されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、第1発泡層及び第2発泡層に電子線を照射し、第2発泡層の架橋度が第1発泡層の架橋度よりも高くなるように架橋させ、その後、加熱して第1発泡層の樹脂が溶融して隣り合う空洞同士が接触すると共に連通されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、第1発泡層及び第2発泡層の発泡後に、第1発泡層に針で刺すことにより連通させることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、発泡樹脂層は、基材の一方の面に接する第1発泡層と、表皮に接する第2発泡層との少なくとも2層からなり、第1発泡層は、第2発泡層よりも塑性変形性に富む。仮に、基材に段差が介在するときは、基材に接する第1発泡層は塑性変形性に富むので、基材に発生した段差を吸収することができる。
加えて、第2発泡層は第1発泡層よりも塑性変形性に乏しいので、剛性が高く表皮の形状を適正に保つことができる。
請求項2に係る発明では、第1発泡層では、層内に発生した亀裂により空洞同士が繋がっている。仮に、空洞が独立していると、空洞内のガス(空気など)が密封され、このガスが空洞を元の形状に戻そうとするため、変形能力が小さくなる。この点、本発明では、第1発泡層内の空洞同士が繋がっているので、ガスが流動し、空洞が元の形状に戻り難くなる。結果、段差を第1発泡層で良好に吸収させることができる。
請求項3に係る発明では、第1発泡層に第2発泡層よりも融点の低い樹脂を使用する。第1発泡層と第2発泡層に占める空洞の体積を制御することで、基材の段差の吸収率を制御するが、第1発泡層の空洞の体積を変えるには、融点の低い樹脂が溶融する低い温度で加熱するだけであるので、気泡の密度を容易に制御することができる。結果、製造が容易であり製造コストの低減を図ることができる。
請求項4に係る発明では、第1発泡層及び第2発泡層に電子線を照射し、第2発泡層の架橋度が第1発泡層の架橋度よりも高くなるように架橋させることで第2発泡層の強度を高める。第1発泡層と第2発泡層を同じ温度で加熱しても、第1発泡層の樹脂のみが溶融して隣り合う空洞同士が接触して連通するので、温度の制御が容易になる。
請求項5に係る発明では、第1発泡層及び第2発泡層の発泡後に、第1発泡層に針で刺すことにより連通させる。第1発泡層に針を刺すので、空洞を容易に連通させることができる。
実施例1に係る樹脂構造体が使用されるインストルメントパネルの平面図である。 図1の2−2線断面図である。 図2の3部拡大図である。 第1押し出し工程及び第1発泡工程を説明する図である。 第2押し出し工程及び第2発泡工程を説明する図である。 ラミネートシート成形工程及びシート加熱工程を説明する図である。 真空成形工程を説明する図である。 図3の樹脂構造体の作用図である。 図4及び図5の別態様を説明する図である。 図6の別態様を説明する図である。 実施例2に係る第1押し出し工程及び第1発泡工程を説明する図である。 実施例2に係る第2押し出し工程及び第2発泡工程を説明する図である。 実施例3に係る第1押し出し工程及び第1発泡工程を説明する図である。 図7の別態様を説明する図である。 従来技術に係るインストルメントパネルの断面図である。 図15の要部拡大図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、インストルメントパネル10は、裏側にエアバッグ装置(詳細後述)を備え、このエアバッグ装置のエアバッグが展開する際に、インストルメントパネル10が突き破られる。
インストルメントパネル10は、エアバッグ装置が配置される部位に切断予定線としてのテアライン溝11が設けられる。テアライン溝11は、矩形を呈しており、この矩形内においても車幅方向に1本延びる。なお、テアライン溝11は、矩形に限定されず、エアバッグが展開する形状に設けられれば、他の形状であっても差し支えない。
次にインストルメントパネル及びエアバッグ装置について説明する。
図2に示すように、樹脂構造体10(以下、インストルメントパネル10という。)は、基材12と、この基材12の一方の面13に積層される発泡樹脂層30と、この発泡樹脂層30に被せられる表皮41とからなる。
基材12は、本体部14と、この本体部14の開口部15に設けられるドア基材16とからなる。このドア基材16にテアライン溝11が設けられる。本体部14の開口部15には、下方に窪んだ凹部21が設けられ、この凹部21にドア基材16が嵌められる。
本体部14及びドア基材16は、樹脂成形品である。成形時のそり、ひけ等に起因し、ドア基材16が凹部21の奥まで嵌らず、本体部14とドア基材16との間に段差51が生じることがある。なお、段差51は、本体部14とドア基材16との間に生じた段差51に限定されず、基材12自体に生じる凹凸等、他の位置に生じる段差51も含むものとする。
発泡樹脂層30は、基材12の一方の面13に接する第1発泡層31と、この第1発泡層31に積層され表皮41に接する第2発泡層32とからなる。なお、実施例では発泡樹脂層30は、第1発泡層31と第2発泡層32との2層からなるが、第1発泡層31と第2発泡層32との間にさらに複数の発泡層を積層しても差し支えない。
ドア基材16の他方の面18には、エアバッグ装置60を取り付ける取付片22が設けられる。エアバッグ装置60は、取付片22に取り付けられるエアバッグケース61と、このエアバッグケース61内に折り畳まれて収容され車両衝突時に膨張するエアバッグ62と、エアバッグケース61内に設けられエアバッグ62を膨張させるインフレータ63とからなる。
車両衝突時、エアバッグ62が膨張すると、エアバッグ62によりドア基材16が押し上げられる。さらにエアバッグ62が膨張すると、インストルメントパネル10のテアライン溝11が破断し、エアバッグ62が上方に展開する。
次にインストルメントパネルの断面について詳細に説明する。
図3に示すように、インストルメントパネル10は、基材12の一方の面13に発泡樹脂層30が積層され、この発泡樹脂層30に表皮41が積層されている。テアライン溝11は、ドア基材16の一方の面13から肉厚中心に向かって掘られる第1溝17と、ドア基材16の他方の面18から第1溝17の近傍位置まで掘られる第2溝19とからなる。
発泡樹脂層30は、第1発泡層31と、第2発泡層32とからなる。第1発泡層31は、第2発泡層32よりも塑性変形性に富む。第1発泡層31内部の気泡による空洞部分が塑性変形することにより、段差51が吸収される。第2発泡層は、第1発泡層よりも剛性が大きいので、変形しない。結果、基材12に段差51がある場合でも、表皮41は段差に影響されず、意匠性を良好に保つことができる。
第1発泡層31は、基材12に直接的に接している。このため、第1発泡層31により、段差51を吸収しやすい。また、第1発泡層31のうち変形していない部分の厚さは、L1である。段差51の厚み方向の差は、L2であり、L2<L1である。結果、第1発泡層31のみで、段差51を全て吸収することができる。
次に第1押し出し工程及び第1発泡工程について説明する。
図4(a)に示すように、第1の樹脂33と発泡剤34とを混練し、押し出し成形機71に投入する。混練した第1の樹脂33及び発泡剤34を、押し出し成形機71により押し出し成形し、第1の発泡剤含有シート35を得る。(第1押し出し工程)
第1の発泡剤含有シート35を加熱すると、第1の樹脂33が溶融し、発泡剤34が発泡すると共に、隣り合う気泡同士が接触することで連通する。すると、(b)に示す第1発泡層31が得られる。(第1発泡工程)
なお、第1の樹脂33は、比較的融点の低いポリエチレンが好適である。ただし、第1の樹脂33は、ポリエチレンに限定されず、加熱時に隣り合う気泡同士が接触することで連通すれば、ポリプロピレン、ウレタン等であっても差し支えない。
(c)は(b)の拡大図であり、第1発泡層31は、母材33(第1の樹脂33)と、この母材33内に分散する空洞36と、層内に発生した亀裂37とからなる。これらの亀裂37により複数の空洞36同士が繋がっている。空洞36が独立していると、空洞36内のガス(空気など)が密封され、このガスが空洞36を元の形状に戻そうとするため、変形能力が小さくなる。この点、本発明では、第1発泡層31内の空洞36同士が繋がっているので、ガスが流動し、空洞36が元の形状に戻り難くなる。結果、第1発泡層31は、塑性変形性に富む。
次に第2押し出し工程及び第2発泡工程について説明する。
図5(a)に示すように、第2の樹脂38と発泡剤34とを混練し、押し出し成形機71に投入する。混練した第2の樹脂38及び発泡剤34を、押し出し成形機71により押し出し形成し、第2の発泡剤含有シート39を得る。(第2押し出し工程)
第2発泡剤含有シート39を加熱すると、第2の樹脂38が溶融し、発泡剤34が発泡する。すると、(b)に示す第2発泡層32が得られる。(第2発泡工程)
なお、第2の樹脂38は、比較的融点の高いポリプロピレンが好適である。ただし、第2の樹脂38は、ポリプロピレンに限定されず、加熱時に隣り合う気泡同士が連通しなければ、ポリエチレン、ウレタン等であっても差し支えない。
第2発泡工程では、隣合う気泡同士が連通しない程度に加熱する。(c)に示すように、第2発泡層32は、母材38(第2の樹脂38)と、この母材33内に分散する空洞36とからなり、亀裂は介在しない。結果、複数の空洞36がそれぞれ独立し、空洞36内のガスが密封され、このガスが空洞36を元の形状に戻そうとするため、変形能力が小さくなる。
すなわち、第1発泡層(図4、符号31)に第2発泡層32よりも融点の低い第1の樹脂(図4、符号33)を使用し、この融点の低い第1の樹脂33が溶融する低い温度で加熱するので、第1発泡層31のみの空洞36同士が繋がり、第2発泡層32の空洞36同士が繋がらない。
次にラミネートシート成形工程及びシート加熱工程について説明する。
図6(a)に示すように、第1発泡層31に第2発泡層32を積層し、この第2発泡層32に表皮41を積層し、加熱することで熱溶着させる。すると、(b)に示すラミネートシート42を得ることができる。(ラミネートシート成形工程)
さらに(c)に示すように、ヒータ72でラミネートシート42を加熱する。(シート加熱工程)
次に真空成形工程について説明する。
図7(a)に示すように、下型73に基材12をセットする。ラミネートシート42を矢印(1)のように基材12に被せ、上型74を矢印(2)のように移動させる。
(b)に示すように、上型74及び下型73を閉じた状態にする。矢印(3)のように真空引きし、ラミネートシート42の表皮41に加工を施す。矢印(4)のように真空引きし、ラミネートシート42を基材12に貼り付け、(c)に示すインストルメントパネル10を得る。(真空成形工程)
なお、実施例では、インストルメントパネル10を製造したが、これに限定されず、基材にラミネートシートを積層したものであれば、他の樹脂構造体であっても差し支えない。
以上に述べたインストルメントパネルの作用を次に説明する。
図8(a)は比較例に示すインストルメントパネル120の断面図であり、基材121は、本体部122と、ドア基材123とからなる。インストルメントパネル120は、基材121と、この基材121に積層され均一な材料で構成される発泡樹脂層124と、この発泡樹脂層124に積層された表皮125とからなる。
基材121は、本体部122とドア基材123との間に段差126を有し、この段差126を発泡樹脂層124で吸収しきれずに、表皮125にも段差127が現れ好ましくない。また、発泡樹脂層124全体をより柔軟な材質にすると、段差126は吸収できるが、発泡樹脂層124の剛性が小さくなり、表皮125まで柔軟になるため好ましくない。
図8(b)は実施例に示すインストルメントパネル10の断面図であり、段差51は、第1発泡層に吸収され、表皮41に段差は現れない。また、第2発泡層32は、第1発泡層31に比較して剛性が大きいので、表皮41を適度な硬さに保つことができる。
次に押し出し工程からラミネートシート成形工程までの別態様について説明する。
図9(a)に示すように、第1の樹脂33と発泡剤34とを混練し、押し出し成形機71に投入し、さらに押し出し形成して第1の発泡剤含有シート35を得る。(第1押し出し工程)
(b)に示すように、第2の樹脂38と発泡剤34とを混連枝、押し出し成形機71に投入し、さらに押し出し成形して第2の発泡剤含有シート39を得る。(第2押し出し工程)
(c)に示すように、第1の発泡材含有シート35を第2の発泡剤含有シート39に積層し、(d)に示すヒータ72で加熱すると、(e)に示す第1発泡層31と、第2発泡層32とからなる発泡樹脂層30が得られる。(第1発泡工程及び第2発泡工程)
(f)に示すように、第1発泡層31の空洞36同士は、亀裂37により繋がっている。また、第2発泡層32の空洞36は繋がらずに独立している。
このように、第1の発泡材含有シート35及び第2の発泡剤含有シート39を同時に加熱しても、第1の樹脂33を融点の低いものにし、第2の樹脂38を第1の樹脂33よりも融点の高いものにすることで、塑性変形性の異なる層を有する発泡樹脂層30を得ることができる。
図10(a)に示すように、発泡樹脂層30に表皮41を積層する。加熱することにより、(b)に示すように表皮41を発泡樹脂層30に熱溶着させ、ラミネートシート42を得る。(ラミネートシート成形工程)
さらに(c)に示すように、ヒータ72でラミネートシート42を加熱する。(シート加熱工程)
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。なお、図4に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。第1押し出し工程及び第1発泡工程について説明する。
図11(a)に示すように、第1の樹脂33と発泡剤34とを混練し、押し出し成形機71に投入する。混練した第1の樹脂33及び発泡剤34を、押し出し成形機71により押し出し成形し、第1の発泡剤含有シート35を得る。(第1押し出し工程)
第1の発泡剤含有シート35を加熱すると、第1の樹脂33が溶融し、発泡剤34が発泡すると共に、隣り合う気泡同士が接触することで連通する。すると、(b)に示す第1発泡層31が得られる。(第1発泡工程)
(c)に示すように、第1発泡層31は、母材33(第1の樹脂33)と、この母材33内に分散する空洞36と、層内に発生した亀裂37とからなる。これらの亀裂37により複数の空洞36同士が繋がっている。空洞36が独立していると、空洞36内のガス(空気など)が密封され、このガスが空洞36を元の形状に戻そうとするため、変形能力が小さくなる。この点、本発明では、第1発泡層31内の空洞36同士が繋がっているので、ガスが流動し、空洞36が元の形状に戻り難くなる。結果、第1発泡層31は、塑性変形性に富む。
次に第2押し出し工程及び第2発泡工程について説明する。
図12(a)に示すように、第2の樹脂38と発泡剤34とを混練し、押し出し成形機71に投入する。混練した第2の樹脂38及び発泡剤34を、押し出し成形機71により押し出し形成し、第2の発泡剤含有シート39を得る。(第2押し出し工程)
(b)に示すように、第2の発泡剤含有シート39に電子線Eを照射し、架橋させる。第2の発泡剤含有シート39は、架橋により強度が高くなる。なお、図11(a)に示す第1の発泡材含有シート35及び第2の発泡剤含有シート39に電子線Eを照射し、第2の発泡剤含有シート39の架橋度が第1の発泡剤含有シート35の架橋度よりも高くなるように架橋させてもよい。
第2発泡剤含有シート39を加熱すると、第2の樹脂38が溶融する。発泡剤34が発泡するが、強度が高くなっているため、破泡することはなく、(c)に示す第2発泡層32が得られる。(第2発泡工程)
なお、図11(a)に示す第1の発泡剤含有シート35を発泡させ、第1発泡層(図11、符号31)及び第2発泡層32に電子線Eを照射し、第2発泡層32の架橋度が第1発泡層31の架橋度よりも高くなるように架橋させ、その後、加熱して第1発泡層31の樹脂が溶融して隣り合う空洞同士が接触すると共に連通されるようにしても差し支えない。
なお、第2の樹脂38は、比較的融点の高いポリプロピレンが好適である。ただし、第2の樹脂38は、ポリプロピレンに限定されず、加熱時に隣り合う気泡同士が連通しなければ、ポリエチレン、ウレタン等であっても差し支えない。
第2発泡工程では、隣合う気泡同士が連通しない程度に加熱する。(d)に示すように、第2発泡層32は、母材38(第2の樹脂38)と、この母材33内に分散する空洞36とからなり、亀裂は介在しない。結果、複数の空洞36がそれぞれ独立し、空洞36内のガスが密封され、このガスが空洞36を元の形状に戻そうとするため、変形能力が小さくなる。
次工程は、図6と同様に、第1発泡層31、第2発泡層32及び表皮41を積層して加熱することにより、熱溶着させラミネートシート42を得る。(ラミネートシート成形工程)
なお、実施例では、第2の発泡剤含有シート39に電子線Eを照射して架橋させてから、第1の発泡剤含有シート35と第2の発泡剤含有シート39とを熱溶着させたが、この方法に限定されず、第1の発泡剤含有シート35と第2の発泡剤含有シート39とを熱溶着させた後、第2の発泡剤含有シート39にのみ電子線Eを照射して架橋させても差し支えない。
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。なお、図4に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。第1押し出し工程及び第1発泡工程について説明する。
図13(a)に示すように、第1の樹脂33と発泡剤34とを混練し、押し出し成形機71に投入する。混練した第1の樹脂33及び発泡剤34を、押し出し成形機71により押し出し成形し、第1の発泡剤含有シート35を得る。(第1押し出し工程)
第1の発泡剤含有シート35を加熱すると、第1の樹脂33が溶融し、発泡剤34が発泡すると、(b)に示す第1発泡層31が得られる。(第1発泡工程)
なお、第1の発泡剤含有シートは、破泡しない程度に加熱するものとする。また、第1の樹脂33は、比較的融点の低いポリエチレンが好適である。ただし、第1の樹脂33は、ポリエチレンに限定されず、ポリプロピレン、ウレタン等であっても差し支えない。
(c)に示すように、第1発泡層31を針75で刺して連通させ、(d)に示す連通した第1発泡層31を得る。(連通工程)
(e)に示すように、第1発泡層31は、母材33(第1の樹脂33)と、この母材33内に分散する空洞36と、層内に発生した亀裂37とからなる。これらの亀裂37は、針75の貫通孔であり、亀裂37により複数の空洞36同士が繋がる。空洞36が独立していると、空洞36内のガス(空気など)が密封され、このガスが空洞36を元の形状に戻そうとするため、変形能力が小さくなる。この点、本発明では、第1発泡層31内の空洞36同士が繋がっているので、ガスが流動し、空洞36が元の形状に戻り難くなる。結果、第1発泡層31は、塑性変形性に富む。
次工程は、図5、図6と同様に、第1発泡層31、第2発泡層32及び表皮41を積層して加熱することにより、熱溶着させラミネートシート42を得る。(ラミネートシート成形工程)
なお、実施例では、第1発泡層31に針75を刺してから、第1発泡層31と第2発泡層32とを熱溶着させたが、この方法に限定されず、第1発泡層31と第2発泡層32とを熱溶着させた後、第1発泡層31のみに針75を刺して連通させても差し支えない。
次に図7の別態様について説明する。なお、図7に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
図14(a)に示すように、下型73に基材12をセットする。ラミネートシート42を矢印(5)のように基材12に被せる。
(b)に示すように、下型73から矢印(6)のように真空引きし、ラミネートシート42を基材12に貼り付け、インストルメントパネル10を得る。(真空成形工程)
尚、本発明の樹脂構造体は、実施の形態では車両のインストルメントパネルに適用したが、車両の内装等、積層された樹脂構造体がしようできれば、一般の車両等に適用することは差し支えない。
本発明の樹脂構造体は、車両のインストルメントパネルに好適である。
10…樹脂構造体(インストルメントパネル)、12…基材、13…一方の面、14…本体部、16…ドア基材、30…発泡樹脂層、31…第1発泡層、32…第2発泡層、33…第1の樹脂(母材)、34…発泡剤、35…第1の発泡剤含有シート、36…空洞、37…亀裂、38…第2の樹脂(母材)、39…第2の発泡剤含有シート、41…表皮、42…ラミネートシート、75…針、E…電子線。

Claims (5)

  1. 基材と、この基材の一方の面に被せる表皮と、この表皮と前記基材との間に設ける発泡樹脂層とからなる樹脂構造体であって、
    前記発泡樹脂層は、前記基材の一方の面に接する第1発泡層と、前記表皮に接する第2発泡層との少なくとも2層からなり、
    前記第1発泡層は、前記第2発泡層よりも塑性変形性に富むことを特徴とする樹脂構造体。
  2. 前記第1発泡層では、層内に発生した亀裂により空洞同士が繋がっていることを特徴とする請求項1記載の樹脂構造体。
  3. 前記第1発泡層に前記第2発泡層よりも融点の低い樹脂を使用し、この融点の低い樹脂が溶融する低い温度で加熱し、前記第1発泡層の樹脂が溶融して隣り合う空洞同士が接触すると共に連通されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の樹脂構造体の製造方法。
  4. 前記第1発泡層及び前記第2発泡層に電子線を照射し、前記第2発泡層の架橋度が前記第1発泡層の架橋度よりも高くなるように架橋させ、その後、加熱して前記第1発泡層の樹脂が溶融して隣り合う空洞同士が接触すると共に連通されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の樹脂構造体の製造方法。
  5. 前記第1発泡層及び前記第2発泡層の発泡後に、前記第1発泡層に針で刺すことにより連通させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の樹脂構造体の製造方法。
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