JP2014120740A - 基板処理装置、及び基板の張り付け又は剥離方法 - Google Patents

基板処理装置、及び基板の張り付け又は剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板を撓ませるように複数の支持ピンの昇降を制御する。
【解決手段】真空チャンバ内で基板を載置するステージと、基板を支持する複数の支持ピン32と、前記複数の支持ピンを昇降させる複数の駆動部と、前記複数の駆動部を制御することによって、前記複数の支持ピンの昇降を制御する制御部400と、を有し、前記複数の支持ピンの少なくとも1以上の支持ピンの先端部に樹脂により形成されたボールベアリングを設け、前記制御部は、前記複数の支持ピンの先端部に支持された基板を撓ませるように前記複数の支持ピンの昇降を制御することを特徴とする基板処理装置1が提供される。
【選択図】図5

Description

本発明は、基板処理装置、及び基板の張り付け又は剥離方法に関する。
例えば、基板に処理を行う基板処理装置では、基板をステージに張り付けて載置し、基板に所望の処理を行い、処理済の基板をステージから剥がして離間させ、搬送ロボットに引き渡す。これにより処理済の基板が次工程の処理室に搬送される。
ステージに基板を張り付け又はステージから基板を剥がす際には、基板をステージから持ち上げる必要がある。そのため、ステージには厚み方向に複数の貫通孔が形成され、モータから出力される動力により複数の支持ピンを昇降させて、これらの貫通孔にそれぞれ支持ピンを挿通させる。ステージを貫通した複数の支持ピンは、基板をステージから持ち上げた状態で基板を支持する。
特開2010−56217号公報
しかしながら、近年の基板の大型化により、基板は薄く、破損し易くかつ布のように振る舞う。よって、基板をステージから剥がす際、複数の支持ピンにより基板をフラットに支持して垂直に剥がすと、基板を破損する可能性がある。例えば、吸着パッド等の吸着手段が設けられたステージの場合には、基板への吸着力が強いため基板を破損する可能性が高くなる。また、複数の支持ピンにより支持された基板をフラットな姿勢のままステージに載置する場合、吸着後の基板に皺が生じてしまう。特に、フェイスダウンで基板をステージに吸着させた場合には、基板に生じた皺により吸着力が基板の各位置で異なることによって、基板の落下を引き起こす場合もある。
上記課題に対して、本発明の目的とするところは、基板を撓ませるように複数の支持ピンの昇降を制御することが可能な基板処理装置、及び複数の支持ピンの昇降制御による基板の張り付け又は剥離方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
真空チャンバ内で基板を載置するステージと、
基板を支持する複数の支持ピンと、
前記複数の支持ピンを昇降させる複数の駆動部と、
前記複数の駆動部を制御することによって、前記複数の支持ピンの昇降を制御する制御部と、を有し、
前記複数の支持ピンの少なくとも1以上の支持ピンの先端部に樹脂により形成されたボールベアリングを設け、
前記制御部は、前記複数の支持ピンの先端部に支持された基板を撓ませるように前記複数の支持ピンの昇降を制御することを特徴とする基板処理装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別態様によれば、
真空チャンバ内で基板を載置するステージと、
基板を支持する複数の支持ピンであって、少なくとも1以上の支持ピンの先端部に樹脂により形成されたボールベアリングが設けられた前記複数の支持ピンと、
前記複数の支持ピンを昇降させる複数の駆動部と、を有する基板処理装置にて前記ステージに基板を張り付け又は剥離する方法であって、
前記複数の支持ピンを上昇させて該複数の支持ピンにより該基板を支持するステップと、
前記複数の支持ピンの先端部に支持された基板を撓ませるように前記複数の支持ピンを昇降させる昇降ステップと、
を有することを特徴とする基板の張り付け又は剥離方法が提供される。
本発明によれば、基板を撓ませるように複数の支持ピンの昇降を制御することで、基板を載置するステージに基板を容易に張り付け又は基板を載置するステージから基板を容易に剥がすことができる。
一実施形態に係る基板処理システムの全体構成図。 一実施形態に係る成膜部の縦断面図。 一実施形態に係る基板処理装置の斜視図。 一実施形態に係る基板処理装置の平面図。 一実施形態に係る基板の撓みの一例を示した図(図4のA−A断面図)。 一実施形態に係る基板の撓みの一例を示した図。 一実施形態に係る基板を張り付ける動作例を示した図。 一実施形態に係る基板を張り付ける動作例を示した図。 一実施形態に係る基板を張り付ける動作例を示した図。 一実施形態に係る基板を剥がす動作例を示した図。 一実施形態に係る基板を剥がす動作例を示した図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[基板処理システムの全体構成]
まず、本発明の一実施形態に係る基板処理システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る基板処理システムの全体構成図である。
基板処理システムSyは、基板搬入部10、基板回転部10a、アライメント部10b、搬入側バッファ部20、第1の調整部30、成膜部40、第2の調整部50、搬出側バッファ部60、マスクデチャック部70b、基板回転部70a、基板搬出部70及びリターン部80を有する。基板処理システムSyの各部は真空雰囲気に制御されている。基板処理システムSyは、各部の真空領域に基板Sを搬送させるインライン型のシステムである。
基板搬入部10は、ゲートバルブV3の開閉により基板Sを搬入し、ゲートバルブV15の開閉及び搬送によりチャッキングステージCを搬入する。次に、基板搬入部10でチャッキングステージC上に基板Sを載せる。その状態で、チャッキングステージCの吸着力により基板SをチャッキングステージCに吸着させる。チャッキングステージCはチャッキングストック部93にストックされており、搬入されてくる基板Sと対になるように基板搬入部10に搬入される。
基板回転部10aは、基板SがチャッキングステージCに吸着された状態でチャッキングステージCを反転する。反転された基板は、アライメント部10bに搬送される。基板回転部10aがチャッキングステージCを反転させることによって、成膜部40では、基板Sの成膜面が下を向く。アライメント部10bは、マスクトレイMとチャッキングステージC上の基板Sとのアライメントを実行し、マスクトレイM上にチャッキングステージC及び基板Sを配置する。搬入側バッファ部20は、アライメント部10bと第1の調整部30とを連結し、基板を第1の調整部30に搬入する前に一時収納する。搬入側バッファ部20は、基板搬入時やアライメントの処理時間のばらつきを吸収するバッファ機構として機能する。
第1の調整部30は、成膜部40と連結し、基板の加減速を制御しながら基板を成膜部40まで搬送する。成膜部40は、搬入された基板を搬送方向に搬送させながら、蒸着ガスの付着により所望の膜を成膜する。成膜部40では、図2に示したように、マスクトレイMに装着された基板Sが、フェイスダウンの状態でチャッキングステージCに吸着されている。
図2に示したように、成膜部40の底部には、真空ポンプPが設けられ、成膜部40の内部を所望の真空状態に保持する。複数の蒸着源41には、それぞれ所望の蒸着材料が収納されている。各蒸着材料は、各蒸着源41にて蒸発し、ガスGとなって蒸着ヘッド42のノズル44から成膜部40内の空間に導入される。ノズル44の開口上部には、各蒸着材料のガスGを遮断可能なシャッター43が設けられ、シャッター43の開閉により、各蒸着材料のガスGの拡散が制御される。図2では、一つのシャッター43が開いている。よって、基板は、シャッター43が開いている蒸着ヘッド42の蒸着材料のガスGにより成膜され、その他の蒸着材料のガスGは遮断される。
なお、基板Sは、チャッキングステージCに吸着され、フェイスダウンの状態でローラ100の回転により成膜部40を搬送される。
図1に戻り、成膜部40にて成膜された基板は、第2の調整部50内に搬送される。第2の調整部50は、基板の加減速を制御しながら成膜部40から搬出された基板を搬送する。
第1の調整部30及び第2の調整部50では、成膜部40内の蒸着エリアにて成膜中のマスクトレイMに装着されている基板の搬送速度に影響を与えることなく、前後の基板を加速又は減速することが可能である。これにより、異なる成膜プロセス毎に異なる成膜速度を設定しても、設定された成膜速度に応じてマスクトレイMの間隔を制御することができる。
搬出側バッファ部60は、第2の調整部50とマスクデチャック部70bとを連結し、第2の調整部50から搬出された後に基板を一時収納可能な収納室を有する。搬出側バッファ部60は、成膜時や基板搬出時のばらつきを吸収するバッファ機構の一つである。
なお、第1の調整部30及び第2の調整部50はゲートバルブV1,V2により成膜部40と分離可能となっている。
マスクデチャック部70bは、マスクトレイM上に載置されているチャッキングステージCを当該チャッキングステージCに吸着された基板Sと共にマスクトレイMから分離する。分離したマスクトレイMは、リターン部80を介してアライメント部10bに回送される。チャッキングステージC及び基板Sは、基板回転部70aに搬送される。基板回転部70aにてチャッキングステージC及び基板Sを反転させて成膜面を上向き(フェイスアップ)にした後、基板搬出部70に搬送される。基板搬出部70の構成は、前述の基板搬入部10の構成と反対に構成される。すなわち、基板搬出部70にてチャッキングステージCから基板Sを剥離する。基板Sは、ゲートバルブV4の開閉により基板搬出部70から搬出される。基板Sから分かれたチャッキングステージCは、バルブ13の開閉によりチャッキングストック部92に回収される。チャッキングストック部92は、基板搬出部70で回収されたチャッキングステージCをストックする。
リターン部80は、アライメント部10bとマスクデチャック部70bとを連結し、マスクトレイMをアライメント部10bまで戻す。このようにしてマスクトレイMは回送されて繰り返し使用される。リターン部80には、繰り返し使うマスクトレイMの高温化防止のためのマスク冷却機構86やマスククリーニング機構87を設けることができる。
基板処理システムSyは、更に、搬入用マスクストッカ90a、搬入用マスクストッカロードロック91a、搬出用マスクストッカ90b、搬出用マスクストッカロードロック91bを有し、これによりマスク交換を行う。
リターン部80には、マスクトレイMを交換するマスク交換部81a、81bがある。搬入用マスクストッカ90aには未使用のマスクトレイMがストックされ、搬出用マスクストッカ90bには使用済のマスクトレイMがストックされている。マスク交換部81aは、ゲートバルブV5を介して搬入用マスクストッカ90aから未使用のマスクトレイMを搬入する。マスク交換部81bは、ゲートバルブV6を介して搬出用マスクストッカ90bに使用済のマスクトレイMを搬出する。また、マスクトレイMの交換時、搬入用マスクストッカロードロック91a、搬出用マスクストッカロードロック91bにて搬送空間を大気から真空又は真空から大気に切り替えることができる。
制御部400は、図3に構成例を示したように、例えばCPU(Central Processing Unit)410,ROM(Read Only Memory)420及びRAM(Random Access Memory)430を有する。CPU410はROM420又はRAM430に格納された各種レシピに従って、成膜部40における蒸着処理や第1の調整部30及び第2の調整部50における加減速処理を実行する。
制御部400は、例えば、支持ピンを駆動する駆動部としてのモータMを制御することにより、支持ピンの昇降を制御する。また、制御部400は、基板処理システムSyに取り付けられた各部、たとえば真空ポンプや各種の駆動機構を制御する。また、制御部400は、随時、蒸着ヘッド42から導入される蒸着材料のガスG量や各ゲートバルブの開閉を制御する。なお、制御部400は、ホストコンピュータ(図示せず)等とも接続されている。
以上、本実施形態にかかる基板処理システムSyの全体構成について説明した。これによれば、真空雰囲気においてインラインで基板を搬送し、成膜することができる。
[基板処理装置]
次に、本実施形態に係る基板処理装置1について、図3を参照しながら説明する。基板処理装置1は、例えば、図1の基板搬入部10及び基板搬出部70内に設置され、基板Sの搬入時及び搬出時に基板Sを基板チャッキングステージ200に張り付け又は基板Sを基板チャッキングステージ200から剥がす。
なお、本実施形態に係る基板処理装置1が設置される真空チャンバは、基板搬入部10及び基板搬出部70に限られず、真空雰囲気であればどのような構造の処理室であってもよい。また、本実施形態に係る基板処理装置1で使用される基板チャッキングステージ200は、真空チャンバ内でステージに基板Sを張り付け又はステージから基板Sを剥がすステージの一例である。図1のチャッキングステージCは、基板チャッキングステージ200の一例である。基板チャッキングステージ200は、チャッキングステージCのようにマスクトレイM上にチャッキングステージC及び基板Sを配置する構成であってもよいし、基板Sのみを張り付けて載置する構成であってもよい。
基板処理装置1は、載置台201上に基板チャッキングステージ200を有している。基板チャッキングステージ200は、載置台201と一体に形成されてもよいし、載置台201と分離可能であって図1のチャッキングステージCのように基板とともに搬送されてもよい。
基板チャッキングステージ200上には、吸着手段210が取り付けられている。吸着手段210による基板Sの吸着方法としては、ファンデルワールス力や静電吸着力によるものがある。基板チャッキングステージ200には、厚み方向に複数の貫通孔11a〜11e(以下、総称して貫通孔11ともいう。)が5列形成されている。
載置台201の下方には5列の昇降台300a〜300e(以下、総称して昇降台300ともいう。)が設けられ、各列の昇降台300a〜300eに基板チャッキングステージ200に向かって立設する支持ピン32a〜32e(以下、総称して支持ピン32ともいう。)が固定されている。支持ピン32a〜32eは、昇降台300a〜300eが昇降することにより、それぞれ昇降する。なお、本実施形態では、一例として5列の昇降台300を用いるが、支持ピン32を設ける昇降台300は、3列以上であれば何列であってもよい。
図4に示したように、昇降台300a〜300eの上面には、複数の貫通孔11と一対一に対応した位置に支持ピン32a〜32eが設けられている。支持ピン32a〜32eは、昇降台300a〜300eに沿って5列に配置されている。昇降台300a〜300eにはモータM33a〜33e(以下、総称してモータM33ともいう。)がそれぞれ接続されている。モータM33a〜33eは、支持ピン32a〜32eを駆動する複数の駆動部に相当する。
制御部400は、モータM33a〜33eをそれぞれ制御する。支持ピン32a〜32eは、昇降台300a〜300e及び昇降台300a〜300eを支持する支持部材(図3において支持部材31eのみ図示)を介して伝えられる各モータM33の動力により昇降する。これにより、5列の支持ピン32a〜32eの昇降が、制御部400によって列毎にそれぞれ制御される。
本実施形態にかかる基板処理装置1では、昇降台300の数だけモータM33が設置されているがこれに限らない。2以上の昇降台300に対して一台のモータM33を接続し、2以上の昇降台300の支持ピン32に対して同一制御を行うこともできる。同じモータM33に接続された昇降台300上の支持ピン32は、同一タイミングで昇降する。本実施形態にかかる基板処理装置1では、2以上のモータM33を設け、いずれかのモータMにより昇降台300の列毎に支持ピン32が駆動される。
かかる構成により、制御部400は、いずれか一列の支持ピン32の昇降が他の列の支持ピン32の昇降と異なるように各モータM33を制御することができる。これにより、基板チャッキングステージ200の貫通孔11から突出する各列の支持ピン32の先端部の高さ(位置)を、各列の支持ピン32毎に変えることができる。
例えば、制御部400は、モータM33a〜モータM33eを制御することにより、図4のA−A断面を示した図5のように、最外側の列の支持ピン32a、32eの一方の支持ピン32aの列の先端部32a1が、他の支持ピン32の列の先端部32b1〜32e1より基板チャッキングステージ200から離れた状態で各列の支持ピン32a〜32eを昇降させることができる。このように、5列の支持ピン32a〜32eの列毎の先端部32a1〜32e1が非対称に位置する状態で支持ピン32を昇降させてもよい。これにより、図4のA−A断面における基板Sの断面形状を、図5の三日月状又は傾斜状に撓ませながら昇降させることができる。
また、例えば、制御部400は、モータM33a〜モータM33eを制御することにより、図6(a)に示したように、最外側の両側の先端部32a1、32e1が、他の支持ピン32の列の先端部32b1〜32d1より基板チャッキングステージ200から離れた状態で各支持ピン32を昇降させることができる。これにより、図4のA−A断面における基板Sの断面形状を図6(a)に示したU字状又は皿状に撓ませることができる。図6(a)では、内側の3列の支持ピン32の先端部32b1〜32d1の高さが異なっているが、同じ高さにすることもできる。
また、制御部400は、モータM33a〜モータM33eを制御することにより、隣接する支持ピン32のうち、外側の列の支持ピン32の先端部が内側の列の支持ピン32の先端部より基板チャッキングステージ200から離れた状態で昇降させることができる。図6(b)では、支持ピン32cの先端部32c1が最も基板チャッキングステージ200に近く、その外側の支持ピン32b、32dの先端部32b1,32d1は支持ピン32cの先端部32cより基板チャッキングステージ200から離れ、最外側の支持ピン32a、32eの先端部32a1,32e1は支持ピン32b、32dの先端部32b1,32d1より更に基板チャッキングステージ200から離れている。これにより、図4のA−A断面における基板Sの断面形状を図6(b)のU字状、お椀状又は半球状に撓ませることができる。
なお、本実施形態に係る三日月状、傾斜状、皿状、U字状、お椀状及び半球状は、図4のA−A断面における基板Sの断面が概ねこれらの形状を有していればよい。例えば、本実施形態に係る三日月状及び傾斜状は、図4のA−A断面における基板Sの断面が、非対称であって、最外側の支持ピン32の一方が最も基板チャッキングステージ200から離れた状態に基板Sが撓んでいればよい。
また、本実施形態に係る皿状は、図4のA−A断面における基板Sの断面の両端が概ね皿の深さに該当する形状に基板Sが撓んでいればよい。同様に、本実施形態に係るU字状、お椀状及び半球状は、図4のA−A断面における基板Sの断面の中央部が最も凹む形状に基板Sが撓んでいればよい。
かかる構成の基板処理装置1が、例えば図1に示した基板搬入部10内に設置されている場合の動作を簡単に説明する。基板Sの搬入時には、基板Sは、ゲートバルブV3の開閉により、搬送ロボットのアーム61(図3を参照)を用いて基板搬入部10内に搬入される。支持ピン32a〜32eは、各モータMの動力により上昇し、基板チャッキングステージ200の貫通孔11a〜11eを貫通し、基板チャッキングステージ200の表面から突出し、基板チャッキングステージ200の上方で停止したアーム61上の基板Sに当接する。これにより、基板Sを支持ピン32a〜32eに支持させる。基板Sを支持ピン32a〜32e上に載置した後、搬送ロボットが退避する。
各モータMの動力により支持ピン32a〜32eが下降し、貫通孔11a〜11e内に収容され、これにより、基板Sが基板チャッキングステージ200上に載置される。
基板Sの搬出時には、各モータMの動力により支持ピン32a〜32eを上昇させる。支持ピン32a〜32eは、基板チャッキングステージ200の貫通孔11a〜11eを貫通し、基板Sに当接する。更に支持ピン32a〜32eを上昇させることにより、基板Sを支持ピン32a〜32eに支持させながら基板チャッキングステージ200から剥離する。基板チャッキングステージ200から離間された支持ピン32a〜32e上の基板Sは、搬送ロボットのアームに受け渡され、次の基板回転部10aに搬送される。各モータMの動力により支持ピン32a〜32eは下降し、貫通孔11a〜11e内に収容される。
以上に説明した本実施形態にかかる基板処理装置1では、基板Sは、フェイスアップ(基板Sの処理面が上向き)になるように基板チャッキングステージ200に吸着された。しかしながら、本実施形態にかかる基板処理装置1は、これに限られず、基板Sは、フェイスダウン(基板Sの処理面が下向き)になるように基板チャッキングステージ200に吸着されてもよいし、基板Sの処理面が縦向きになるように基板チャッキングステージ200に吸着されてもよい。
[ボールベアリング]
複数の支持ピン32のうち、最外側の支持ピン32の先端部にはボールベアリングが設けられてもよい。図6(b)に示したように、本実施形態では、中央の支持ピン32cの先端部32c1以外の支持ピン32a、32b、32d、32eの先端部32a1、32b1、32d1、32e1には半球状の窪みが形成されている。その窪みには、球状のボールベアリングが各支持ピンに対して回転可能に嵌め込まれている。
支持ピン32a、32b、32d、32eと、先端部32a1、32b1、32d1、32e1のボールベアリングとは同一の樹脂により形成されている。ボールベアリングを形成する樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketoneketone)等の芳香族ポリエーテルケトンであることが好ましい。
これにより、ボールベアリングが回転することによって、支持ピン32の先端部と基板Sとの摩擦を防止できる。また、ボールベアリングにグリスを使用しない。支持ピン32もボールベアリングも同一の樹脂により形成されており柔らかいため、グリスを用いなくてもボールベアリングは回転可能である。これにより、支持ピン32の先端部と基板Sとの接触部分で基板Sを傷付けることを防止できる。また、グリス使用しないため、真空チャンバ内の汚染を防止できる。
一方、すべての支持ピン32の先端部にボールベアリングを設けると基板Sが滑ってしまい、支持ピン32による支持が困難になる。よって、本実施形態では、中央の支持ピン32cの先端部32c1には、ボールベアリングが設けられていない。これにより、支持ピン32cの先端部32c1と基板Sとの接触部分で摩擦を生じさせ、基板Sが支持ピン32上から滑ることを防止することができる。また、ボールベアリングが設けられない支持ピンの位置は、支持ピンと基板Sとが擦れる量が最も少ない位置に配置されてもよい。例えば、基板Sを基板チャッキングステージ200から剥離する際に、基板チャッキングステージ200に最も近くなる支持ピンにボールベアリングを設けないこともできる。図5では、基板チャッキングステージ200に最も近くなる最外側の支持ピン32eにボールベアリングが設けられていない。これにより、基板Sが滑ることを防止し、基板Sに傷が付かないように剥離できる。以上の構成により、本実施形態にかかる基板処理装置1では、支持ピン32上で基板Sを撓ませながら基板Sを基板チャッキングステージ200に張り付け又は基板Sを基板チャッキングステージ200から剥離することができる。
本実施形態に係る基板処理システムSyの成膜部40により行われる成膜が、有機ELの蒸着による成膜の場合、基板Sには低膨張ガラス(無アルカリガラス)の大型基板が用いられ、薄く布のような振る舞いをする。よって、基板Sを基板処理装置1に載置するときに基板Sに皺が生じ易い。このような性質の基板Sを容易に取り扱うために基板Sを基板チャッキングステージ200に吸着させることが行われる。その際、支持ピン32の高さを同一にし、基板Sをフラットな姿勢で基板チャッキングステージ200に張り付け又は剥離すると基板Sの皺を作りやすい。そこで、本実施形態に係る基板処理装置1では、支持ピン32上で基板Sを撓ませることにより、基板Sに剛性を持たせ、基板チャッキングステージ200に徐々に張り付け又は基板チャッキングステージ200から徐々に離間する。また、本実施形態に係る基板処理装置1では、少なくとも3列以上の支持ピン32の高さを各列の支持ピン32毎に変えることができるので、単純な凹形状だけでなく、傾いた凹形状や三日月状等、様々な形状に基板Sを撓ませることができる。よって、基板Sを載置する際に皺を作ることを回避するとともに、基板Sの容易な剥離が可能となり基板Sの破損を回避できる。
[基板を撓ませて張り付ける動作]
次に、本実施形態に係る基板処理装置1を使用して基板Sを撓ませて張り付ける動作について、図7を参照しながら説明する。基板Sを撓ませて張り付ける動作においては、複数の支持ピン32を上昇させて複数の支持ピン32により基板Sを支持するステップと、複数の支持ピン32の先端部に支持された基板Sを撓ませるように複数の支持ピン32を昇降させる昇降ステップとを有する。
図7(a)では、中央の支持ピン32cが最も低く、外側の支持ピンになるほど高く制御されるため、基板SはU字状に撓んだ状態である。図7(b)では、この状態で全ての列の支持ピン32を下降させる。これにより、基板Sは中央の支持ピン32から順に基板チャッキングステージ200内に退避する。この結果、基板Sはその中央から外側に向けて徐々に基板チャッキングステージ200に接触していき、図7(c)に示したように基板チャッキングステージ200に吸着される。
以上に説明した、本実施形態に係る基板の張り付け方法によれば、基板Sを撓ませて、剛性を持たせて基板チャッキングステージ200に徐々に張り付ける。これにより、基板Sに皺を作ることなく基板Sを精度良く基板チャッキングステージ200に吸着することができる。
図8は、フェイスダウンで基板Sを基板チャッキングステージ200に吸着する場合を示す。この場合には、図8(a)に示したように、中央の支持ピン32cが最も高く、外側の支持ピンになるほど低く制御されるため、基板Sは逆U字状に撓んだ状態である。
図8(b)では、この状態で全ての列の支持ピン32を上昇させる。これにより、基板Sは、中央から外側に向けて順に基板チャッキングステージ200に接触する。この結果、基板Sは中央部から外側に向けて順に基板チャッキングステージ200に接触する。この結果、図8(c)に示したように基板Sは皺を生じることなく基板チャッキングステージ200に精度良く吸着される。これにより、基板Sの各部において均一に基板Sを吸着することができる。この結果、基板Sの落下を防止できる。
図9に示したように、複数の支持ピン32に加えて、又は複数の支持ピン32の替わりに、基板Sの外縁に係合して基板Sを撓ませるクロー71a、71bを使用することもできる。クロー71a、71bは、鉤爪状の器具の一例である。
図9では、基板Sの中央は支持ピン32b〜32dにより支持され、基板Sの外縁部は支持ピン32b〜32dにより支持する基板面とは逆の面からクロー71a、71bで基板SをU字状に撓ませる。図9では、クロー71a、71bのみ示しているが、クロー71a、71bは基板Sの各辺に設けられ、基板Sに形成された図示しない窪みに勘合することにより基板Sと係合してもよい。これによっても、基板SをU字状に撓んだ状態で基板チャッキングステージ200に精度良く吸着することができる。図5のように基板Sを三日月状又は傾斜させて撓ませながら、基板チャッキングステージ200に基板Sを載置してもよい。これによっても、基板Sを基板チャッキングステージ200に精度良く吸着することができる。
[基板を撓ませて剥離する動作]
次に、本実施形態に係る基板処理装置1を使用して基板Sを撓ませて剥離する動作について、図10を参照しながら説明する。基板を撓ませて剥離する動作においても、複数の支持ピン32を上昇させて基板Sを支持するステップと、基板Sを撓ませるように複数の支持ピン32を昇降させる昇降ステップとを有する。
図10(a)では、基板Sは基板チャッキングステージ200に載置されている。図10(b)では、最外側の支持ピンから順に支持ピン32a、32e→支持ピン32b、32d→支持ピン32cと基板チャッキングステージ200から支持ピン32を突出させる。この結果、基板Sは最外側から内側に向けて順に基板チャッキングステージ200から徐々に剥がされていく。その結果、図10(c)に示したように、中央の支持ピン32cが最も低く、外側の支持ピンになるほど高くなり、基板SはU字状に撓んだ状態で支持される。
これによれば、基板Sを撓ませて、剛性を持たせてから基板チャッキングステージ200から剥離することができる。これにより、容易に基板チャッキングステージ200から基板Sを剥離することができ、基板Sの破損を回避できる。
なお、基板を撓ませて剥離する動作においても、図8(c)の状態→図8(b)の状態→図8(a)の状態に支持ピン32を制御することにより、基板Sを逆U字状に撓ませながら、基板チャッキングステージ200から基板Sを剥離してもよい。また、図9(c)の状態→図9(b)の状態→図9(a)の状態に支持ピン32及びクロー71a、71bを制御することにより、基板Sを逆U字状に撓ませながら、基板チャッキングステージ200から基板Sを剥離してもよい。また、図5のように基板Sを三日月状又は傾斜させて撓ませながら、基板チャッキングステージ200から剥離してもよい。これによっても、精度よく、容易に基板チャッキングステージ200から基板Sを剥離することができる。
図11に示したように複数の支持ピン32の替わり又は複数の支持ピン32に加えて、基板Sの外縁に係合して基板Sを撓ませるクロー71a、71bを使用することもできる。
図11では、基板Sの外縁部はクロー71a、71bを上昇させることで、基板SをU字状に撓ませ、基板チャッキングステージ200から剥がす。図11ではクロー71a、71bのみ示しているが、クロー71a、71bは基板Sの各辺に設けられ、基板Sに形成された図示しない窪みに勘合することにより基板Sと係合してもよい。これにより、基板SをU字状に撓んだ状態で基板チャッキングステージ200から精度よく、かつ容易に剥離することができ、基板Sの破損を回避できる。なお、図11では、基板Sの中央に支持ピン32がないが基板Sの中央に支持ピン32を有してもよい。
以上、基板処理装置及び基板の張り付け又は剥離方法を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施例及び変形例を矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
例えば、本発明に係る基板処理装置は、有機EL蒸着装置、容量結合型プラズマ (CCP:Capacitively Coupled Plasma) 装置、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma) 装置、ヘリコン波励起型プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)装置、ラジアルラインスロットアンテナ(Radial Line Slot Antenna)から生成したマイクロ波プラズマやSPA(Slot Plane Antenna)プラズマを含むマイクロ波励起表面波プラズマ装置、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron resonance Plasma)装置等を用いることができる。
1:基板処理装置、10:基板搬入部、11、11a〜11e:貫通孔、32、32a〜32e:支持ピン、32a1〜32e1:支持ピンの先端部、33、33a〜33e:モータ、40:成膜部、70:基板搬出部、71a,71b:クロー、200:基板チャッキングステージ、201:載置台、210:吸着手段、300、300a〜300e:昇降台、400:制御部、Sy:基板処理システム

Claims (14)

  1. 真空チャンバ内で基板を載置するステージと、
    基板を支持する複数の支持ピンと、
    前記複数の支持ピンを昇降させる複数の駆動部と、
    前記複数の駆動部を制御することによって、前記複数の支持ピンの昇降を制御する制御部と、を有し、
    前記複数の支持ピンの少なくとも1以上の支持ピンの先端部に樹脂により形成されたボールベアリングを設け、
    前記制御部は、前記複数の支持ピンの先端部に支持された基板を撓ませるように前記複数の支持ピンの昇降を制御することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記複数の支持ピンは、3以上の列の支持ピンからなり、
    前記3以上の列の支持ピンは、前記複数の駆動部のいずれかにより列毎に駆動されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記制御部は、前記3以上の列の支持ピンのうち、少なくとも1の列の支持ピンの昇降が他の列の支持ピンの昇降と異なるように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記制御部は、前記3以上の列の支持ピンの各列の支持ピンの先端部が非対称に位置する状態で昇降するように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の基板処理装置。
  5. 前記制御部は、前記3以上の列の支持ピンのうち、最外側の列の支持ピンの少なくともいずれか一方の列の先端部が他の列の支持ピンの先端部より前記ステージから離れた状態で昇降するように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記制御部は、前記3以上の列の隣接する支持ピンのうち、外側の列の支持ピンの先端部が内側の列の支持ピンの先端部より前記ステージから離れた状態で昇降するように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記複数の支持ピンに加えて又は前記複数の支持ピンの替わりに、前記基板の外縁に係合して前記基板を撓ませる鉤爪状の器具を更に有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記複数の支持ピンは、先端部に前記ボールベアリングが設けられている支持ピンと、先端部に前記ボールベアリングが設けられていない支持ピンとを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記ボールベアリングを形成する樹脂は、ポリエーテルエーテルケトンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 真空チャンバ内で基板を載置するステージと、
    基板を支持する複数の支持ピンであって、少なくとも1以上の支持ピンの先端部に樹脂により形成されたボールベアリングが設けられた前記複数の支持ピンと、
    前記複数の支持ピンを昇降させる複数の駆動部と、を有する基板処理装置にて前記ステージに基板を張り付け又は剥離する方法であって、
    前記複数の支持ピンを上昇させて該複数の支持ピンにより該基板を支持するステップと、
    前記複数の支持ピンの先端部に支持された基板を撓ませるように前記複数の支持ピンを昇降させる昇降ステップと、
    を有することを特徴とする基板の張り付け又は剥離方法。
  11. 前記複数の支持ピンは、3以上の列の支持ピンからなり、
    前記昇降ステップは、前記3以上の列の支持ピンのうち、少なくとも1の列の支持ピンの昇降が他の列の支持ピンの昇降と異なるように各列の支持ピンを昇降させることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記昇降ステップは、前記3以上の列の支持ピンの各列の支持ピンの先端部が非対称に位置する状態で昇降するように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記昇降ステップは、前記3以上の列の支持ピンのうち、最外側の列の支持ピンの一方又は両方の列の先端部が他の列の支持ピンの先端部より前記ステージから離れた状態で昇降するように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記昇降ステップは、前記3以上の列の隣接する支持ピンのうち、外側の列の支持ピンの先端部が内側の列の支持ピンの先端部より前記ステージから離れた状態で昇降するように前記複数の駆動部を制御することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
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