JP2014117246A - インスタント嗜好性飲料用組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体と混合して、果物の香りを有する嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法であって、原料として、可溶性茶固形分と、(a)前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られた嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b)前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られた嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を用いることを特徴とする、インスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
[2]前記[1]のインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法においては、原料として、前記(a)のアセトアルデヒド及び前記(b)の果糖を用いることが好ましい。
[3]前記[1]又は[2]のインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法においては、原料として、さらに、果物の香りの香料及び果汁からなる群より選択される一種以上を用いることが好ましい。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかのインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法においては、インスタント紅茶飲料用組成物が製造されることが好ましい。
[5]本発明の第ニの態様に係るインスタント嗜好性飲料用組成物は、液体と混合して果物の香りを持つ嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物であって、原料として、可溶性茶固形分と、(a)液体と混合して得られる嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b)液体と混合して得られる嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を含有することを特徴とする。
[6]前記[5]のインスタント嗜好性飲料用組成物は、前記(a)のアセトアルデヒド及び前記(b)の果糖を含有することが好ましい。
[7]前記[5]又は[6]のインスタント嗜好性飲料用組成物は、さらに、果物香の香料及び果汁からなる群より選択される一種以上を含有することが好ましい。
[8]前記[5]〜[7]のいずれかのインスタント嗜好性飲料用組成物においては、インスタント紅茶飲料用組成物であることが好ましい。
[9]本発明の第三の態様に係る果物の香りを有する嗜好性飲料の製造方法は、果物の香りを有する嗜好性飲料に、(a’)前記嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b’)前記嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を添加することを特徴とする。
[10]本発明の第四の態様に係る果物の香りを有する嗜好性飲料の製造方法は、嗜好性飲料に、(a’)前記嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b’)前記嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、果物の香りの香料及び果汁からなる群より選択される一種以上と、を添加することを特徴とする。
[11]本発明の第五の態様に係る嗜好性飲料添加用組成物は、嗜好性飲料に添加される粉末状組成物であって、(a”)前記嗜好性飲料と混合することにより、当該嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b”)前記嗜好性飲料と混合することにより、当該嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を含有することを特徴とする。
[12]前記[11]の嗜好性飲料添加用組成物は、さらに、果物香の香料及び果汁からなる群より選択される一種以上を含有することが好ましい。
また、本発明の第一の態様に係るインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法によって、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を製造することができる。
さらに、本発明の第三及び第四の態様に係る果物の香りを有する嗜好性飲料の製造方法や、本発明の第五の態様に係る嗜好性飲料添加用組成物を用いることによっても、新鮮で本格的な果汁風味を持つ嗜好性飲料を製造することができる。
本発明の第一の態様に係る飲料用組成物の製造方法(以下、単に「本発明に係る飲料用組成物の製造方法」ということがある。)は、嗜好性飲料の可溶性固形分を主要原料とする組成物に、特定の量のアセトアルデヒドと特定の量の果糖の少なくともいずれか一方を含有させたものである。具体的には、本発明に係る飲料用組成物の製造方法は、液体と混合して、果物の香りを有する嗜好性飲料を調製するための飲料用組成物の製造方法であって、原料として、嗜好性飲料の可溶性固形分と、(a)前記飲料用組成物を液体と混合して得られた嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b)前記飲料用組成物を液体と混合して得られた嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を用いることを特徴とする。
本発明及び本願明細書において、「嗜好性飲料」とは、紅茶、緑茶、ウーロン茶等の茶飲料、ハーブティー、コーヒー、又はこれらの混合飲料を意味する。ハーブティーの原料としては、ハイビスカス、ローズヒップ、ペパーミント、カモミール、レモングラス、レモンバーム、ラベンダー等が挙げられる。本発明においては、茶飲料が好ましい。特に、発酵茶である紅茶は、緑茶とは異なり、カテキン類が発酵によりテアフラビンやテアルビジンに変化しており、また、プロアントシアニジンポリマーといった成分が渋み・苦みを形成している。さらに、テアニンやカフェインが加わり、紅茶特有の味を形成している。これらの紅茶特有の味と、果物の香りとの相性が良好であるため、本発明に係る飲料用組成物の製造方法によって製造される飲料用組成物は、インスタント紅茶飲料用組成物であることが好ましい。
アセトアルデヒドは、多くの果物に含まれている化合物であり、非常に揮発性が高く、果物をスライスしたり、圧搾した際には、速やかに揮発する。そして、アセトアルデヒドが揮発する際に、果物の香り成分も共に揮発するため、嗜好性飲料中のアセトアルデヒドの含有量が多いほど、喫飲者が感じる「果物の新鮮な香り」が強くなる。一方で、アセトアルデヒドは特有の刺激臭やエグ味を有するため、過剰量が含まれていると、嗜好性が劣るおそれがある。なお、市販されている液体の果汁入り紅茶飲料では、仮に製造時点では含まれていたとしても、一般消費者に届く頃にはほとんど揮発してしまっており、アセトアルデヒドは検出できない。
本発明に係る飲料用組成物の製造方法においては、原料として果糖を用いることが好ましい。後記実施例1に示すように、果物の香り成分(果汁や果物の香りの香料等)の含有量を等量とした場合に、他の甘味料を用いるよりも果糖を用いたほうが明らかに、本格的な果汁感や新鮮な果物の香りが強く感じられる。
本発明に係る飲料用組成物の製造方法においては、甘味料として果糖のみを用いてもよく、果糖とその他の甘味料とを併用してもよい。その他の甘味料としては、砂糖、ショ糖、オリゴ糖、ブドウ糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース等の高甘味度甘味料、ステビア等が挙げられる。甘味料として、果糖とその他の甘味料を併用する場合、当該その他の甘味料の配合量は、用いる果糖の配合量と、用いる甘味料の甘味度、望まれる品質特性等を考慮して適宜決定される。
本発明に係る飲料用組成物の製造方法においては、原料として、果物の香り成分(果物の香りを付与する成分)も用いる。原料とする香り成分としては、果物の香りを有する成分であればよく、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ライム等の柑橘類、リンゴ、桃、パインアップル、イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、グレープ等の一般に食される果物の香り成分の中から適宜選択される。本発明に係る飲料用組成物の製造方法によって製造される飲料用組成物は、1種類の果物の香りを有するものであってもよく、2種類以上の果物の香りを有するものであってもよい。
本発明に係る飲料用組成物の製造方法においては、嗜好性飲料の可溶性固形分と、(a)アセトアルデヒド及び(b)果糖の少なくとも一方と、果物の香り成分との他に、さらに、望まれる品質特性によってその他の原料を用いることができる。当該その他の原料としては、インスタント紅茶飲料やインスタントコーヒー飲料等に配合可能な成分が挙げられる。具体的には、乳原料、クリーミングパウダー(クリームの代用として、紅茶、コーヒー等の嗜好性飲料に添加される粉末)、香料(但し、果物の香りを有する香料は除く。)、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)等が挙げられる。さらに、必要に応じて着色料を添加して色調を調整することもできる。また、必要に応じて、茶類やハーブ、コーヒー等を抽出することなく微粉砕したものを混ぜてもよい。
乳原料としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー等が挙げられる。
飲料用組成物は、嗜好性飲料の可溶性固形分と、(a)アセトアルデヒド及び(b)果糖の少なくとも一方と、果物の香り成分と、必要に応じてその他の原料とを、混合することによって製造される。混合の順番は特に限定されるものではなく、全ての原料を同時に混合してもよく、順次混合させてもよい。全ての原料が粉末の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、粉末の飲料用組成物が製造される。一方で、全ての原料が液状の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、液状の飲料用組成物が製造される。
本発明の第ニの態様に係る飲料用組成物(以下、「本発明に係る飲料用組成物」)は、液体と混合して果物の香りを持つ嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物であって、原料として、可溶性茶固形分と、(a)液体と混合して得られる嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b)液体と混合して得られる嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を含有することを特徴とする。本発明に係る飲料用組成物は、例えば、本発明に係る飲料用組成物の製造方法によって製造することができる。
本発明の第三の態様に係る果物の香りを有する嗜好性飲料の製造方法は、果物の香りを有する嗜好性飲料に、(a’)前記嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b’)前記嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を添加することを特徴とする。果物の香りを有する嗜好性飲料に、アセトアルデヒド又は果糖を適切な量添加することによって、当該嗜好性飲料が元々有している果物の香りがより強化され、本格的な果汁感と新鮮な果物の香りに優れた嗜好性飲料が得られる。
本発明の第五の態様に係る嗜好性飲料添加用組成物(以下、「本発明に係る嗜好性飲料添加用組成物」)は、嗜好性飲料に添加される粉末状組成物であって、(a”)前記嗜好性飲料と混合することにより、当該嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b”)前記嗜好性飲料と混合することにより、当該嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、を含有することを特徴とする。本発明に係る嗜好性飲料添加用組成物を、嗜好性飲料に添加することにより、当該嗜好性飲料が元々含有している果物の香り成分を強化することができ、本格的な果汁感と新鮮な果物の香りを持つ嗜好性飲料を、簡便に調製することができる。また、嗜好性飲料が果物の香り成分を含有していない場合には、果物香の香料や果汁等の果物の香り成分と共に本発明に係る嗜好性飲料添加用組成物を添加することにより、新鮮で本格的な果汁風味を持つ嗜好性飲料を製造することができる。なお、本発明に係る嗜好性飲料添加用組成物が添加される嗜好性飲料としては、本発明の第三又は第四の態様に係る嗜好性飲料の製造方法において、アセトアルデヒド等が添加される嗜好性飲料として挙げられたものと同様のものが挙げられる。
果物の香りを有する嗜好性飲料における、糖質の種類の香味(果物の香り)に対する影響を調べた。
具体的には、表1の処方で、糖質として果糖、ショ糖、ブドウ糖、又は麦芽糖をそれぞれ配合した4種類のサンプルを、粉体混合することにより調製した。このサンプル15gを135gの沸騰水に溶解させてレモンの香りを有する紅茶(レモンティー)を調製した。レモンティーにおける糖質濃度は、溶液状態で7%であった。評価は、トレーニングされた専門パネル6人により、本格的な果汁感と新鮮感を5段階(1が最も弱く、5が最も強い。)でスコア付けすることによって行った。評価結果を表2に示す。
その結果、果糖を使用したものが最も本格的な果汁感と新鮮な香りを持つ紅茶と評価された。
実施例1で高い総合評価が得られた果糖について、添加濃度の香味(果物の香り)に対する影響を調べた。
具体的には、紅茶パウダー、レモン香料、及びクエン酸の濃度は一定にし、果糖の量を、水に溶解させて最終容量が150gの紅茶を調整した場合の飲用時の果糖濃度(紅茶の果糖濃度)が0.01%、0.1%、1.00%、3.50%、7.00%、10.00%、又は15.00%になるように配合した粉末状の組成物を調製した。これらの組成物をそれぞれお湯に溶解させて、150gのレモンの香りを有する紅茶(レモンティー)を調製した。表3に、各サンプルの紅茶(150g)の果糖、紅茶パウダー、レモン香料、及びクエン酸の濃度を示す。
果物の香りを有する嗜好性飲料における、アセトアルデヒドの添加濃度の香味(果物の香り)に対する影響を調べた。
具体的には、紅茶パウダー、レモン香料、及びクエン酸の濃度は一定にし、アセトアルデヒドの量を、水に溶解させて最終容量が150gの紅茶を調整した場合の飲用時のアセトアルデヒド濃度(紅茶のアセトアルデヒド濃度)が0ppm(無添加)、0.1ppm、1ppm、10ppm、25ppm、50ppm、又は100ppmになるように配合した粉末状の組成物を調製した。これらの組成物をそれぞれお湯に溶解させて、150gのレモンの香りを有する紅茶(レモンティー)を調製した。表5に、各サンプルの紅茶(150g)のアセトアルデヒド、紅茶パウダー、レモン香料、及びクエン酸の濃度を示す。
果物の香りを有する嗜好性飲料における、果糖とアセトアルデヒドの併用の香味(果物の香り)や嗜好性に対する影響を調べた。
具体的には、表7の処方で、果糖とアセトアルデヒドの両方を使用しなかった組成物(サンプル1)、果糖を使用し、アセトアルデヒドを使用しなかった飲料用組成物(サンプル2)、果糖を使用せず、アセトアルデヒドを使用した飲料用組成物(サンプル3)、及び果糖とアセトアルデヒドの両方を使用した組成物(サンプル4)を調製した。各サンプルについて、1杯あたり15gをお湯150gに溶解させて紅茶を調製した。サンプル2及び4から調製された紅茶の果糖濃度(飲用時の果糖濃度)は2.3%であり、サンプル3及び4から調製された紅茶のアセトアルデヒド濃度(飲用時のアセトアルデヒド濃度)は10ppmであった。
アップル香料を用いたリンゴの香りを有する紅茶(アップルティー)における、果糖とアセトアルデヒドの影響を調べた。
具体的には、表9の処方で、果糖とアセトアルデヒドの両方を使用しなかった組成物(サンプル1)、果糖を使用し、アセトアルデヒドを使用しなかった飲料用組成物(サンプル2)、果糖を使用せず、アセトアルデヒドを使用した飲料用組成物(サンプル3)、及び果糖とアセトアルデヒドの両方を使用した組成物(サンプル4)を調製した。各サンプルについて、1杯あたり15gをお湯150gに溶解させて紅茶を調製した。サンプル2及び4から調製された紅茶の果糖濃度(飲用時の果糖濃度)は2.3%であり、サンプル3及び4から調製された紅茶のアセトアルデヒド濃度(飲用時のアセトアルデヒド濃度)は10ppmであった。
ピーチ香料を用いた桃の香りを有する紅茶(ピーチティー)における、果糖とアセトアルデヒドの影響を調べた。
具体的には、アップル香料に代えてピーチ香料を用いた以外は、実施例5と同様にしてサンプル1〜4を調製し、各サンプルについて1杯あたり15gをお湯150gに溶解させて紅茶を調製した。実施例5と同様にして、サンプルから調製された紅茶についての総合評価を行った。評価結果を表11に示す。その結果、ピーチティーにおいても、実施例4及び5と同様に、果糖とアセトアルデヒドのいずれも不使用だったサンプル1が最もスコアが低く、果糖とアセトアルデヒドのいずれも使用したサンプル4が最もスコアが高かった。また、果糖とアセトアルデヒドのいずれか一方のみを使用したサンプル2及び3は、同じスコアであった。
近年、いわゆるフルーツティーにクリーミングパウダーを入れて飲用するユーザーが年々増加してきている。そこで、アップルティー及びピーチティーにクリーミングパウダーを入れた場合でも、果糖及びアセトアルデヒド添加による果物の香りや嗜好性に対する改善効果が得られるかどうかを調べた。
具体的には、表12の処方で、アップル香料を用いたサンプル1及び2とピーチ香料を用いたサンプル3及び4を調製した。各サンプルについて、1杯あたり15gを、クリーミングパウダー(味の素ゼネラルフーヅ社製)5gと共にお湯150gに溶解させてアップルティー又はピーチティーを調製した。
果糖とアセトアルデヒドを併用したレモンティーを調製するための飲料用組成物について、冷水溶解時における嗜好性を調べた。
具体的には、実施例4のサンプル4について、1杯あたり15gを冷水(5〜10℃)に溶解させて、アイスレモンティーを調製した。当該紅茶の果糖濃度(飲用時の果糖濃度)は2.3%であり、アセトアルデヒド濃度(飲用時のアセトアルデヒド濃度)は10ppmであった。
市場で市販されている粉末清涼飲料であって、可溶性紅茶固形分を主要原料としてなり、水に溶解して飲用する2製品〔サンプルA(レモン香料入り)及びB(アップル香料入り)〕について、飲用時の果糖濃度について調査した。
各サンプルについて、ポストカラムHPLC法により果糖濃度を調べた。具体的には、まず、5gのサンプルに30mLの水を添加し、水酸化ナトリウムを用いて中和した後、30分間の超音波抽出処理を行った。次いで、水を添加して50mLに調整した後、濾紙を用いて濾過し、得られた濾液をメンブレンフィルターを用いてさらに濾過した。得られた濾液を、下記の条件でHPLCにかけた。
機種:LC−20AD(株式会社島津製作所製)、
検出器:蛍光分光光度計(RF−2Axs、株式会社島津製作所製)、
カラム:TSKgel SUGAR AXI(東ソー株式会社製)、φ4.6mm×150mm、スチレン系ポリマー(充填材)、
カラム温度:60℃、
移動相:5mol/L ホウ酸緩衝液(pH8.7)、
流量:0.4mL/min、
注入量:20μL、
蛍光励起波長:320nm、
蛍光測定波長:430nm、
ポストカラムの反応液:1W/V% L―アルギニン溶液、
ポストカラムの反応液流量:0.7mL/min、
ポストカラムの反応温度:150℃。
参考例1で使用した市販品であるサンプルAと、市場で市販されている液体飲料であって、可溶性紅茶固形分を主要原料としてなり、果物香の香料を含み、水に希釈して飲用する2製品〔サンプルC(レモン香料入り)及びD(ピーチ香料入り)〕について、飲用時のアセトアルデヒド濃度について調査した。
各サンプルについて、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフィー質量分析法によりアセトアルデヒド濃度を調べた。具体的には、まず、20mL容バイアル瓶に、4gの塩化ナトリウムと10mLの水と0.2gのサンプルを入れて密栓し、下記の操作条件でヘッドスペースサンプラーによってサンプリングされたサンプルをガスクロマトグラフィー質量分析計に導入して下記の操作条件で分析した。
機種:7691(Agilent Techologies,Inc.)、
オーブン温度:50℃、
バイアル加熱時間:30min、
ループ温度:100℃、
トランスファーライン温度:150℃、
加圧時間:0.3min。
機種:6890N/5973N(Agilent Techologies,Inc.)、
カラム:AQUATIC−2(ジーエルサイエンス株式会社)、φ0.25m×60m、1.4μm(膜厚)、Phenyl(25%)−Methyl(75%)polysiloxane(充填材)、
導入系:スプリット(1:50)、
試料注入口温度:200℃
カラム温度:35℃(8min保持)→15℃/min昇温→200℃、
ガス流量:へりウム(キャリヤーガス)、1mL/min(流速)、
イオン源温度:230℃、
イオン化法:EI、
設定質量数:43。
Claims (12)
- 液体と混合して、果物の香りを有する嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法であって、
原料として、嗜好性飲料の可溶性固形分と、
(a)前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られた嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b)前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られた嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、
を用いることを特徴とする、インスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法。 - 原料として、前記(a)のアセトアルデヒド及び前記(b)の果糖を用いる、請求項1に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法。
- 原料として、さらに、果物の香りの香料及び果汁からなる群より選択される一種以上を用いる、請求項1又は2に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法。
- インスタント紅茶飲料用組成物が製造される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物の製造方法。
- 液体と混合して果物の香りを持つ嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物であって、
原料として、可溶性茶固形分と、
(a)液体と混合して得られる嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b)液体と混合して得られる嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、
を含有することを特徴とする、インスタント嗜好性飲料用組成物。 - 前記(a)のアセトアルデヒド及び前記(b)の果糖を含有する、請求項5に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物。
- さらに、果物香の香料及び果汁からなる群より選択される一種以上を含有する、請求項5又は6に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物。
- インスタント紅茶飲料用組成物である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物。
- 果物の香りを有する嗜好性飲料に、
(a’)前記嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b’)前記嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、
を添加することを特徴とする、果物の香りを有する嗜好性飲料の製造方法。 - 嗜好性飲料に、
(a’)前記嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b’)前記嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、
果物の香りの香料及び果汁からなる群より選択される一種以上と、
を添加することを特徴とする、果物の香りを有する嗜好性飲料の製造方法。 - 嗜好性飲料に添加される粉末状組成物であって、
(a”)前記嗜好性飲料と混合することにより、当該嗜好性飲料におけるアセトアルデヒド濃度が0.1〜100ppmになる量のアセトアルデヒド、及び(b”)前記嗜好性飲料と混合することにより、当該嗜好性飲料における果糖濃度が、0.1〜15質量%になる量の果糖からなる群より選択される一種以上と、
を含有することを特徴とする、嗜好性飲料添加用組成物。 - さらに、果物香の香料及び果汁からなる群より選択される一種以上を含有する、請求項11に記載の嗜好性飲料添加用組成物。
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