JP7152834B2 - 藤茶抽出物を含有する青汁 - Google Patents
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Description
また、藤茶の抽出物中に多く含まれるアンペロプシンというフラボノイドは、抗老化作用や美白作用を有することが知られている。さらに、藤茶抽出物には抗菌効果があることも知られている。
このように、藤茶抽出物は種々の効果、効能などを有しているため、飲料の他、食品、医薬品等の原料としての利用が期待されている物質である。しかし、藤茶抽出物は渋みや苦みなど独特の風味を有しており、服用しにくいという問題があった。
(1)藤茶抽出物を含有する青汁。
(2)青汁がケール由来であることを特徴とする上記(1)に記載の青汁。
(3)青汁がケールの搾汁物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の青汁。
(4)さらに、デキストリンを含有することを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の青汁。
(5)青汁が、ケール搾汁物とデキストリンとの混合物の噴霧乾燥品の水性溶液であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の青汁。
(6)藤茶抽出物の含有量が、藤茶に含まれるアンペロプシンの質量を基準として、青汁由来固形分に対して、0.2~2.0質量%であることを特徴とする上記(1)~(5)のいずれかに記載の青汁。
(7)上記(1)~(6)のいずれかに記載の青汁を含有する食品組成物。
本発明の青汁は藤茶抽出物を含有するものである。
本発明において、青汁は渋みや苦みといった藤茶抽出物独特の風味をマスキングする効果を有し、青汁は藤茶抽出物のマスキング剤として作用する。
本発明の青汁の原料は限定されず、青汁の原料として使用可能な全ての原料を用いることができる。このような原料の例としては、ケール、大麦若葉、クマザサ、ヨモギ、アシタバ等のビタミンやミネラルが豊富な緑黄色植物が挙げられ、中でもケールは特に好ましい。ケールは、βカロテン、ビタミンC等を豊富に含む、アブラナ科アブラナ属に属する植物である。
青汁の搾汁物としては、限定されないが、例えば、青汁搾汁物(濃縮ケール青汁:ファンケル社製)、青汁搾汁物の冷凍品(本絞り青汁プレミアム冷凍:ファンケル社製)などを好適に用いることができる。
なお、本発明において、粉末の「水性溶液」または顆粒の「水性溶液」とは、「水溶液」の他、「水を主体として、食品学的、薬学的等に許容される各種物質を含有する液体中の溶液」を包含する。
青汁をデキストリンと組み合わせて用いる場合、青汁は原料植物の搾汁物、上記粉末の水性溶液、顆粒の水性溶液のいずれを用いてもよく、使用する青汁の原料の形態は限定されない。また、デキストリンと青汁はそのまま混合して用いてもよいが、例えば、デキストリンを青汁に添加混合してスプレードライすることにより得られる、両者を含有する粉末(以下、「青汁SD」)を用いることもできる。青汁SDは、藤茶抽出物独特の苦み、渋みといった風味を著しくマスキングすることができ、好ましい。
藤茶抽出物は、乾燥した藤茶の葉または茎の粉砕物や粉末を抽出原料とし、これを水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で、任意の装置を用いて抽出することにより得ることができる。
藤茶の抽出に用いる親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン類、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール類などが挙げられる。
また、これらの親水性有機溶媒を水との混合溶媒として用いることもできる。このような混合溶媒を使用する場合、親水性有機溶媒が低級アルコール類の場合は、水10質量部に対して30~90質量部、低級脂肪族ケトン類の場合は、水10質量部に対して10~40質量部、多価アルコール類の場合は、水10質量部に対して10~90質量部を添加することが好ましい。
得られた抽出液から抽出溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られる。これをさらに乾燥することにより、固形の抽出物が得られる。これらは、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液-液向流分配などの方法により精製してから用いてもよい。
なお、本発明は、藤茶抽出物と青汁を含む食品組成物も包含する。
本発明における食品組成物は、青汁と藤茶抽出物を含有する飲料、食品、サプリメント、健康食品、医薬品等の種々の形態として用いることができる。
本発明の食品組成物の摂取方法は、経口摂取でも、経腸摂取等の非経口摂取でもよい。経口摂取とする場合の形態は、特に限定されず、カプセル、粉末、顆粒、液体、シロップ、ゼリー、錠剤、半固形等のいかなる形態、組成物としてもよい。
本発明の食品組成物は、藤茶抽出物と青汁のみ、または藤茶抽出物と青汁とデキストリンのみを含むものとして製造してもよいが、その他の成分や添加物等と組み合わせて製造してもよい。その他の成分は、限定されず、藤茶の風味をマスキングできるその他の物質や、各種ビタミン類、ミネラル類、各種食品材料等を用いることができる。添加物としては、食品学的、薬学的に許容される物質であれば任意のものを用いることができ、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、コーティング剤、香料等を用いることができる。なお、これらのその他の成分や添加物の種類や配合量は限定されない。
・青汁搾汁液の調製
ケール250gをさいの目切りにした後、熱湯で1分程度ブランチングし、冷水で冷却後、粉砕機(ロボクープブリクサー:エフ・エム・アイ社製)を用いて粉砕した。得られた粉砕物を搾汁器(マルチクッカー:Vicura社製)を用いて搾汁し、搾汁液180gを得た。
得られた搾汁液の水溶性固形分は約5%、pH6.8であった。
上記青汁搾汁液を糖度18になるまで濃縮し、その濃縮液に固形分比が概ね1:1になるようにデキストリン(松谷化学社製)を添加、混合し、スプレードライ製法により噴霧乾燥して粉末を得た。得られた粉末の青汁由来固形分とデキストリンの比率は各々約50%、水分値は約3%、嵩比重は約0.6、平均粒子径は約150μmであった。
藤茶エキスパウダー(アンペロプシン30%含有:丸善製薬社製)を用いた。
上記の各材料を用いて、マスキング試験の試料(A)~(D)の4種類を得た。
(A)藤茶抽出物の0.2質量%水溶液(コントロール)
(B)青汁搾汁液中、藤茶抽出物を0.2質量%含有させた溶液
(C)青汁搾汁液(デキストリン5質量%を含む)中、
藤茶抽出物を0.2質量%含有させた溶液
(D)青汁SD(デキストリンを50%含む)10.3質量%、
及び藤茶抽出物0.2質量%を含有させた水溶液
1:藤茶独特の苦みと渋みが非常に強く感じられ、飲用に堪えない
2:藤茶独特の苦みと渋みが強く感じられ、不味い
3:藤茶独特の苦みと渋みがあり、美味しさが感じられない
4:藤茶独特の苦みと渋みはあるものの、飲用できる
5:藤茶独特の苦みと渋みは殆どなく、美味しく飲用できる
これらの結果から、青汁は、藤茶抽出物独特の苦みや渋みをマスキングする作用を有することが分かった。また、青汁にデキストリンを添加することにより、マスキング作用が増強することがわかる。さらに、デキストリンとともにスプレードライして得られる青汁SDは藤茶抽出物のマスキング効果が特に優れていることがわかる。
Claims (2)
- 藤茶抽出物を含有する青汁であって、
青汁が、ケール搾汁物とデキストリンとの混合物の噴霧乾燥品の水性溶液であり、藤茶抽出物の含有量が、藤茶に含まれるアンペロプシンの質量を基準として、青汁由来固形物に対して、0.2~2.0質量%であり、
藤茶抽出物が有する独特の風味がマスキングされたことを特徴とする前記青汁。 - 請求項1に記載の青汁を含有する食品組成物。
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