JP5701432B1 - 食品及び風味改善方法 - Google Patents
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そのため、従来から、野菜等の植物を加工し、青汁等の粉末飲料やジュースといった飲食品にすることで、野菜を摂取し易くする対策が取られている。
しかしながら、野菜等の植物を粉末飲料等へ加工する場合、植物に含有される栄養成分等が濃縮され、苦さや生臭さが強調されるため、摂取し難くなるという問題があった。
(1)植物乾燥物、抹茶及び煎茶からなるチャノキの葉、並びに含蜜糖を含有する食品であって、前記植物乾燥物が、前記チャノキの葉又は含蜜糖よりも多く含まれていることを特徴とする粉末食品。
(2)以下の(a)〜(d)のいずれか1の条件を満たす(1)に記載の粉末食品。
(a)前記粉末食品の総量に対し、前記チャノキの葉を0.6〜47質量%含有する。
(b)前記抹茶を、前記粉末食品の総量に対し0.4〜30質量%含有する。
(c)前記煎茶を、前記粉末食品の総量に対し0.2〜17質量%含有する。
(d)前記含蜜糖を、前記粉末食品の総量に対し0.2〜24質量%含有する。
(3)前記含蜜糖が、黒糖であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の粉末食品。
(4)前記植物乾燥物が、パセリ,麦,ダイコン,ゴーヤ,ニンジン,ブロッコリ,ケール,セロリ,カボチャ,小松菜,キャベツ,ゴボウ,アスパラガス,ホウレンソウから選択されるいずれか1以上である前記(1)乃至(3)のいずれか1の粉末食品。
また、チャノキの葉又は含蜜糖を任意の配合量又は重量比にすることで、香りも良く、飲み易さ、口当たり等に対する優れた風味改善効果を得ることができる。
また、該植物において、使用される部位は特に限定されないが、一般的に可食部とされる根、茎、葉、花序、果実等から選択されることが好ましい。根や茎、果実等を使用する場合、皮を含んでも良い。
本発明において煎茶は、玉露やかぶせ茶、番茶、玉緑茶等の製造工程として茶葉を揉む工程が含まれた茶葉であれば良い。また、煎茶は1種の茶葉のみを使用しても良いし、2種以上の茶葉を併用しても良い。
また、本発明のチャノキの葉は、そのまま又は搾汁、抽出物等を乾燥粉末に加工しても良い。例えば、煎茶は、そのまま乾燥粉末に加工しても良いし、抽出物等を乾燥粉末に加工しても良い。抹茶は、抽出物を乾燥粉末に加工しても良い。
粉砕・破砕方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ブランチング処理を行い、次いで水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥し、その後粉砕する方法(特開2004−000210号を公報参照),ブランチング処理を行い、次いで揉捻し、乾燥した後、粉砕する方法(特開2002−065204号公報を参照),粗粉砕した後、更に微粉砕する方法(特開2006−289225号公報を参照)等を挙げることができる。
また、抽出方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、原料にエタノール、水、これらの混合物等、当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて加温して抽出する方法等を挙げることができる。
搾汁方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、原料の植物又はその細片化物を圧搾するか、原料の細片化物を遠心又はろ過する方法等を挙げることができる。原料の細片化の方法においても、従来公知の方法を用いることができる。
粉末にする際の乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、凍結乾燥粉末や熱風乾燥粉末等が挙げられる。
また、チャノキの葉が抹茶及び煎茶である場合、例えば、抹茶:煎茶:含蜜糖=4〜300:2〜170:2〜240、好ましくは抹茶:煎茶:含蜜糖=4〜150:2〜77:3〜240が選択される。
重量比がこれらの範囲から外れると、味や香り、飲み易さ、清涼感等の改善作用が得られ難くなる傾向にあり好ましくない。
また、チャノキの葉が、抹茶又は煎茶である場合、本発明の食品に対する抹茶又は煎茶の配合量は、特に限定されず、目的や使用対象等の条件に応じて適宜選択することができ、例えば、抹茶の場合、0.4〜30質量%、好ましくは0.4〜15質量%、煎茶の場合、0.2〜17質量%、好ましくは0.2〜7.7質量%が選択される。
抹茶の配合量が、0.4質量%より少なくなる、又は、15質量%より多くなるにつれ、味や香り、飲み易さ、清涼感等の改善作用が得られ難くなる傾向にあり、30質量%を超えるとこれらの傾向が著しくなるため好ましくない。
煎茶の配合量が、0.2質量%より少なくなる、又は、7.7質量%より多くなるにつれ、味や香り、飲み易さ、清涼感等の改善作用が得られ難くなる傾向にあり、17質量%を超えるとこれらの傾向が著しくなるため好ましくない。
含蜜糖の配合量が、0.3質量%より少なくなる、又は、24質量%より多くなるにつれ、味や香り、飲み易さ、清涼感等の改善作用が得られ難くなる傾向にあり、0.2質量%より少なくなるか24質量%より多くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるため好ましくない。
その他の成分としては、例えば、機能性成分、甘味料、調味料、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料などが挙げられる。本発明の食品に対するこれらの成分配合量は、本発明の食品の効果が十分に発現するように適宜調整される。
本発明の食品の摂取量は特に制限はなく、摂取対象個体の年齢、体重、体質等、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
また、顆粒状の場合、例えば、0.01〜10000μm、好ましくは0.1〜3000μm、より好ましくは1〜1000μmが選択される。顆粒の粒径が1μmより小さくなるにつれ、造粒が困難となる傾向にあり、0.01μmより小さくなるにつれ、この傾向が著しくなるので好ましくない。また、顆粒の粒径が1000μmより大きくなるにつれ、溶媒への溶解性や分散性が悪くなる傾向にあり、10000μmより大きくなると、この傾向が著しくなるので好ましくない。
まず、パセリ(茎・葉),麦(大麦の茎・葉),ダイコン(茎・葉・根),ゴーヤ(果実),ニンジン(根),ブロッコリ(茎・花序),ケール(葉),セロリ(茎・葉),カボチャ(果実),小松菜(茎・葉),キャベツ(葉),ゴボウ(根),アスパラガス(茎),ホウレンソウ(茎・葉)を同量ずつ混合して調製した植物乾燥粉末と、風味改善剤を準備した。風味改善剤としては、チャノキの葉として抹茶粉末及び煎茶粉末を用い、含蜜糖として黒糖粉末を用いた。
次に、表1に示す組み合わせとなるように植物乾燥粉末と抹茶粉末、煎茶粉末及び黒糖粉末を配合し、試料1乃至9の粉末食品を得た。尚、試料1乃至9の粉末食品の調製は、総量を100gとし、抹茶粉末は8g、煎茶粉末は4g、黒糖粉末は3g、植物乾燥粉末は残部となるように組み合せて行った。例えば、試料3の場合、抹茶粉末8gと植物乾燥粉末92gを混合し総量100gとした。
次いで、調製した試料1乃至9の粉末食品3gと、飲料水100mLを混合し、試料1乃至9の試験飲料を得た。
官能試験の評価者には、20〜30代の健常男女複数人が選択された。試験飲料の各試験飲料の官能評価を行うにあたり、各評価者は試験飲料の摂取前に少量の水を口に含んでマウスウォッシュを行った。評価者は、各試験飲料を摂取し、評価が良くないものを1、評価が良いものを5とする、1〜5までの5段階で、味,香りの良さ,飲み易さ,清涼感の4項目の評価を行った。
また、評価値3は、どちらでもないという評価であり、本試験の基準値とした。
官能評価の結果を表1に示す。
まず、実施例1で使用した試料9に対して、抹茶粉末,煎茶粉末及び黒糖粉末の粉末食品中の配合量を表2〜4に示すように調整した試料10〜25の粉末食品を得た。
次に、得られた粉末食品3gを実施例1と同様に飲料水100gと混合し、官能評価を実施し、実施例1の試料1及び2の評価と比較した。
更に、実施例1の官能評価項目に加え、総合評価として、非常に風味に優れるものを◎、風味に優れるものを○、風味が悪いものを△、非常に風味が悪いものを×とする評価を加えた。
評価結果を表2乃至4に示す。
このことから、植物乾燥粉末に対する風味改善効果は、抹茶粉末及び煎茶粉末の試料9に対する配合量が、0.1〜5倍の時に優れ、特に0.1〜2倍の時に極めて優れることが確認された。
このことから、植物乾燥粉末に対する風味改善効果は、黒糖粉末の試料9に対する配合量が、0.05〜10倍の時に優れ、特に0.1〜10倍の時に極めて優れることが確認された。
煎茶の配合量は、食品中に0.2〜17質量%、好ましくは0.2〜7.7質量%の場合、味や香り、飲みやすさや清涼感等の風味に対し優れた改善効果が得られることが示された。
黒糖の配合量は、粉末食品中に0.2〜24質量%、好ましくは0.3〜24質量%の場合、味や香り、飲みやすさや清涼感等の風味に対し優れた改善効果が得られることが示された。
また、抹茶及び煎茶をチャノキの葉として合せて考えた場合、チャノキの葉の配合量は、食品中に0.6〜47質量%、好ましくは0.6〜22.7質量%の場合、味や香り、飲みやすさや清涼感等の風味に対し優れた改善効果が得られることが示された。
また、抹茶及び煎茶をチャノキの葉として合せて考えた場合、チャノキの葉:黒糖=6〜470:2〜240、好ましくはチャノキの葉:黒糖=6〜227:3〜240の場合、高い風味改善効果が得られることが示された。
Claims (4)
- 植物乾燥物、抹茶及び煎茶からなるチャノキの葉、並びに含蜜糖を含有する粉末食品であって、
前記植物乾燥物が、前記チャノキの葉又は含蜜糖よりも多く含まれていることを特徴とする粉末食品。 - 以下の(a)〜(d)のいずれか1の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の粉末食品。
(a)前記粉末食品の総量に対し、前記チャノキの葉を0.6〜47質量%含有する。
(b)前記抹茶を、前記粉末食品の総量に対し0.4〜30質量%含有する。
(c)前記煎茶を、前記粉末食品の総量に対し0.2〜17質量%含有する。
(d)前記含蜜糖を、前記粉末食品の総量に対し0.2〜24質量%含有する。 - 前記含蜜糖が、黒糖であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末食品。
- 前記植物乾燥物が、パセリ,麦,ダイコン,ゴーヤ,ニンジン,ブロッコリ,ケール,セロリ,カボチャ,小松菜,キャベツ,ゴボウ,アスパラガス,ホウレンソウから選択されるいずれか1以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の粉末食品。
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