JP6581226B2 - 緑茶を有効成分とする牧草臭マスキング剤 - Google Patents

緑茶を有効成分とする牧草臭マスキング剤 Download PDF

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本発明は、緑茶を有効成分とする牧草臭マスキング剤及び該牧草臭マスキング剤を配合した飲食物に関する。
消費者における近年の健康志向の高まりから、天然に由来する原料をより多く摂取することにより健康を増進しようとする動向がみられる。天然に由来する原料の種類は多岐に亘るものの、なかでも野菜類についてはその傾向が強い。
しかしながら、天然に由来するかかる原料には味覚や嗅覚の面でクセがあるものが多く、かかる原料を用いた飲食品は継続的に摂取しがたいものが多い。「良薬口に苦し」という諺はあるものの、同様の効果を奏するものであれば、味覚や嗅覚の面でかかるクセは極力小さいものであるのが好ましいのは言うまでもない。
特許文献1は、野菜・果物汁に脂肪酸のグリセリンジエステルを添加することにより苦味・臭気を低減する方法を開示している。また、特許文献2は、スクラロースを有効成分とする野菜の青臭さのマスキング剤を開示している。さらに、特許文献3は、野菜果汁飲料に発酵乳を添加することにより野菜由来成分の臭気を抑制する方法を開示している。
しかし、特許文献1乃至2は、天然ではない原料を使用するものであるから、天然に由来する原料をより多く摂取しようとする健康志向に沿った製品開発には利用することができない。また、特許文献3は、発酵乳を使用するものであるから、健康志向に沿った製品開発には利用することができるものの、完成品は発酵乳を含有することになるため、製品設計の範囲がどうしても限定されたものになってしまう。
特開平7−51034 特開2015−130893 特開2009−284825
本発明は、原料に由来するいわゆる牧草臭をマスキングした飲食物を提供することを目的とする。
本発明者らは、緑茶、とりわけ緑茶粉砕物や抹茶が、いわゆる牧草臭をマスキングすることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1] 緑茶を有効成分とする、牧草臭マスキング剤。
[2] 前記緑茶が粉砕物又はその抽出物であることを特徴とする、上記[1]に記載の牧草臭マスキング剤。
[3] 牧草臭が青汁由来であることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の牧草臭マスキング剤。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の牧草臭マスキング剤を配合した飲食物。
[5] 前記牧草臭マスキング剤の配合割合が、飲食物全体に対して0.01重量%〜1.00重量%であることを特徴とする、上記[4]に記載の飲食物。
[6] 飲食物が容器詰めした飲料であることを特徴とする、上記[4]又は[5]に記載の飲食物。
[7] 容器詰めした飲料が青汁飲料であることを特徴とする、上記[6]に記載の飲食物。
本発明により、原料に由来するいわゆる牧草臭をマスキングした飲食物が提供できる。
本発明の実施態様を以下に詳説するが、本発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて、本発明は下記の態様に限定されるものではない。
(牧草臭)
本発明において牧草臭とは、牧草を刈り取るとその刈り取り部位から急速に発生する複数の香気成分が複合臭となって生じる臭いを指す。一般的に牧草臭としては、青草及びサイレージの臭いの他、牛の排泄物からの臭いや牛乳の臭いなどが挙げられる。
かかる牧草臭の原因物質は、その由来により様々なものが関与することが知られているが(「日草九支報」第14巻第1号、第22〜26頁、1983年8月)、本発明においてはかかる由来について特に限定するものではないが、青草の臭いに由来する牧草臭について特に着目するものである。
また、畜肉臭(グラス臭)、畜乳臭、愛玩動物(特にウサギ)に由来する臭い、特定成分(コラーゲンなど)又はこれを含む飲食物に由来する臭いなどが、日常生活において接点が深い牧草臭として挙げることができる。
(マスキング)
本発明におけるマスキングとは、不快な臭いを包み隠す方法を指す。なお、マスキングの程度には、不快な臭いを完全に包み隠す場合を含むのは勿論のこと、不快な臭いが許容範囲内に収まる場合についても含まれる。
また、本発明においては、かかるマスキング作用を期待して添加するものをマスキング剤と呼ぶ。なお、マスキング剤の剤形は特に限定されるものではない。
(マスキング剤)
本発明におけるマスキング剤は、緑茶粉砕物又はその抽出物を有効成分とすることにより、前述の牧草臭に由来する不快な臭気を抑制するものである。実施例をもって後に詳説するが、かかる牧草臭は、マスキング作用を有するといわれる各種素材との組合せでみた場合、抹茶や緑茶を用いた場合にその効果が確認できるものの、それ以外の素材ではその効果は確認できない(表1)。とりわけ、茶樹に由来する紅茶粉末を用いた場合にはかかる効果は確認できない。また、抹茶や緑茶はカテキン類(非重合体カテキン類)を多く含むのに対して、紅茶ではカテキン類(非重合体カテキン類)が発酵により重合するため、かかる作用がカテキン類(非重合体カテキン類)に由来するとも考えられるが、緑茶からカテキン類(非重合体カテキン類)を精製して得たカテキン製剤を使用しても、かかるマスキング効果は得られない。
かかる結果から、本発明における牧草臭のマスキング作用を得るには、緑茶を選択することに重要な意義があり、その効果についての詳細なメカニズムは不明であって予期せぬ効果を奏するものといえる。
また、この点についても実施例をもって後に詳説するが、緑茶に由来する上述のマスキング作用は、大麦若葉などいわゆる青汁野菜と呼ばれるものに由来する臭気に対して好適にマスキング作用を奏する。したがって、キャベツ、ホウレンソウ、トマト、ニンジン等のいわゆる青汁野菜に含まれない野菜類であって牧草臭を生じない野菜類に由来する臭気に対しては、上述のようなマスキング作用を奏さない。
かかる結果から、本発明における牧草臭のマスキング作用は、大麦若葉などいわゆる青汁野菜と呼ばれるものに由来する臭気に対して選択的に効果を奏するようであり、その効果についての詳細なメカニズムは不明であって予期せぬ効果を奏するものといえる。
さらにいえば、本発明におけるマスキング作用は、緑茶を用いることにより大麦若葉などいわゆる青汁野菜と呼ばれるものに由来する臭気を抑制するにあたって好適に用いることができる。かかる効果は、大麦若葉などいわゆる青汁野菜と呼ばれるもののみからなる飲食物に対して好適に用いることができるのは勿論、大麦若葉などいわゆる青汁野菜と呼ばれるものを飲食品の一部に用いたものに対してもかかる効果が期待できる。
(緑茶)
本発明において緑茶とは、茶樹Camellia sinensisの葉若しくは茎又はこれらを原料として製造された加工茶葉であれば、特に限定されるものではない。具体的には、本発明における緑茶は、煎茶、玉露、茎茶、かぶせ茶、碾茶、抹茶、番茶、ほうじ茶、釜炒り茶などの不発酵茶としての緑茶、又はかかる緑茶にジャスミン、蓮、桂花、柚子、菊等の香りを着香させた花茶などを挙げることができるが、緑茶の粉砕物を用いることが製造上で簡便であるため好ましい。また、本発明の緑茶としては、かかる種類からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において緑茶粉砕物とは、かかる緑茶に対してさらに粉砕処理をしたものをいう。なお、緑茶を粉砕処理する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。
(緑茶粉砕物の抽出物)
本発明における緑茶粉砕物の抽出物とは、上述で得られた緑茶粉砕物を熱水等の溶媒で抽出したもの、得られた抽出液を濃縮したもの、又はかかる抽出液又はその濃縮液を粉体化したものをいう。
緑茶粉砕物の抽出物を得るための抽出方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。また、得られた抽出液を濃縮するための濃縮方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。さらに、かかる抽出液又はその濃縮液を粉体化する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。
なお、上述の各工程は、1種のみで実施することもできるが、2以上の複数の工程を組み合わせて実施することもできる。
なお、本発明における緑茶粉砕物の抽出物には、製造工程において精製工程を含む製剤型のカテキン製剤は含まれない。
(カテキン類)
本発明におけるカテキン類とは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの8種カテキン類を総称したものをいう。
本発明における緑茶粉砕物又は抹茶におけるカテキン類量は、特に限定されるものではないが、緑茶粉砕物又は抹茶を配合した製品において、10〜15000mg/100gが好ましく、50〜10000mgがより好ましく、90〜9000mg/100gがさらに好ましく、100〜1000mg/100gが最も好ましい。
(緑葉野菜搾汁液)
本発明は、青草の臭いに由来する牧草臭について特に注目するものである。より具体的には、緑葉を有する各種野菜の搾汁液が牧草臭を発するものが多く、とりわけいわゆる青汁と呼ばれる種類の緑色野菜の搾汁液(緑葉野菜搾汁液)が牧草臭を発する。
本発明において緑葉野菜としては、ケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツ、ケールなどが挙げられ、好ましくは大麦若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツ、ケール、特に好ましくは大麦若葉が挙げられる。
なお、本発明における緑葉野菜搾汁液には、これらのうちの1種又は複数を組み合わせて使用してもよい。
本発明における緑葉野菜搾汁液は、これらの原料は、これら各種野菜の搾汁液をそのまま使用しても良いが、好ましくは葉部や茎部等の可食部をそのまま乾燥後、ミル及び臼等の機械的手法により粉末化したものや、同様に葉部や茎部等の可食部を搾汁して、濃縮化あるいは乾燥粉末化して得られたペースト状のものや搾汁乾燥粉末などを水等の溶媒に溶解させて用いることができる。
(果汁)
本発明における野菜搾汁液含有飲料は、前記野菜搾汁液の他に1種又は2種以上の果汁を含有してもよい(野菜果汁混合飲料)。
本発明において用いることができる果実としては、例えば柑橘類果実(オレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)、リンゴ、ブドウ、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、カシス、ブルーベリー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、西洋ナシ、スモモ類等が挙げられるが、本発明品の主要野菜原料であるニンジンとの相性を考慮すると、リンゴ、赤ブドウ、白ブドウ、マンゴー、カシス、ブルーベリー等が好ましい。
また、果汁の配合量は、本発明における飲食品(とりわけ緑葉野菜搾汁液を含む飲料)全体に対して、1重量%〜90重量%が好ましく、5重量%〜80重量%がより好ましく、8重量%〜70重量%がさらに好ましく、10重量%〜60重量%が最も好ましい。
(食物繊維)
本発明の野菜搾汁液含有飲料には、さらに食物繊維を添加することができる。食物繊維は、植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分であって、化学的には多糖類であることが多い。食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とに大別されるが、本発明の野菜飲料として許容可能なものであればいずれの食物繊維を用いて良い。具体的に水溶性食物繊維とは、ペクチン、グアーガム、アガロース、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸ナトリウムなどを用いることができ、不溶性食物繊維としては、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサンなどが挙げられる。本発明の野菜飲料においては、上記食物繊維から選ばれる1種又は2種以上を0.01〜0.7重量%、好ましくは0.05〜0.55重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%、もっとも好ましくは0.2〜0.4重量%含有するのがよい。さらに、食物繊維の種類としてはペクチンが好ましい。
(飲食物)
本発明は、マスキング剤として飲食品に添加することにより、当該飲食品の原料等に由来する牧草臭をマスキングすることもできる。当該飲食品の原料等に由来する牧草臭は、特に限定されるものではないが、例えば上述の緑葉野菜搾汁液(青汁など)に由来する牧草臭を挙げることができる。また、飲食品の形態は、特に限定されるものではないが、飲料、とりわけ一定程度の期間において保存することを前提とした容器詰めした飲料(容器詰飲料)において好適に用いることができる。
なお、本発明におけるマスキング剤の配合量は、上述の効果が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば青汁飲料における牧草臭をマスキングする場合には、飲料全体に対する配合量が0.01重量%〜1.00重量%であるのが好ましく、0.05重量%〜0.80重量%であるのがより好ましく、0.08重量%〜0.70重量%であるのがさらに好ましく、0.10重量%〜0.50重量%であるのが最も好ましい。
(容器)
本発明における容器詰めした飲料は、容器詰めしたものであればよい(容器詰飲料)。また、本発明に用いる容器としては、金属缶(スチール缶、アルミニウム缶など)、PETボトル、紙容器、壜等であってよく、これら容器の形状や色彩は問わないが、市場性や簡便性を考慮すると、金属缶、PETボトル、紙容器を用いるのが好ましい。
本発明につき実施例を用いて以下に詳説するが、本発明は以下に記載の実施例により限定されるものではない。
試験1−1:大麦若葉粉末と各種素材との相性
摘採した大麦若葉(九州産)を乾燥し、得られた乾燥大麦若葉をジェットミルでもって粉砕して大麦若葉粉末を得た。
得られた大麦若葉粉末を表1に記載のとおりの所定量となるように常温水に配合し、さらに表1に記載があるものについては当該原料を所定量となるように配合した。
なお、参考例は、所定量の大麦若葉粉末のみを使用したものであって、コントロール品に相当するものである。
表1に記載に基づき調製したサンプルについて、専門家4人による官能評価を実施した。官能評価は、参考例(コントロール)と比較して、各サンプルにおける「牧草臭の強さ」、「青汁飲料の味の強さ」について評価した。

・牧草臭の評価
−1:参考例と比較して牧草臭が強く感じられ、本件課題を解決していない。
0:参考例と同等の牧草臭であり、本件課題を解決していない。
1:参考例と比較して牧草臭がやや弱く感じられ、本件課題を解決している。
2:牧草臭をほとんど感じない、本件課題を解決している。

・青汁飲料の味の強さの評価
−1:参考例と比較して青汁の味を弱く感じる。
0:参考例と比較して青汁の味の強さが同等程度である。
1:参考例と比較して青汁の味をやや強く感じる。
2:参考例と比較して青汁の味をかなり強く感じる。
Figure 0006581226
(考察)
抹茶を配合したもの(実施例1)や緑茶粉末を配合したもの(実施例2)は、参考例(コントロール)と比較して、牧草臭の強さと、青汁飲料の味の強さとの両方で評価が高かった。
これに対して、パセリパウダーを配合したもの(比較例1)、ローレルパウダーを配合したもの(比較例2)、バジルパウダーを配合したもの(比較例3)、ブラックペッパーを配合したもの(比較例4)、ショウガパウダーを配合したもの(比較例5)、ガーリックパウダーを配合したもの(比較例6)、オニオンパウダーを配合したもの(比較例7)、紅茶粉末を配合したもの(比較例8)、カテキン製剤を配合したもの(比較例9)、ミントエキスを配合したもの(比較例10)、カモミールエキスを配合したもの(比較例11)は、参考例(コントロール)と比較して、牧草臭の強さと、青汁飲料の味の強さとの両方で評価は変わらなかった。
試験2:緑茶粉末及び抹茶と各種野菜素材との相性
試験1において、緑茶粉末と抹茶が、大麦若葉粉末との相性で良好であることがわかった。次に、緑茶粉末と抹茶が、他の野菜搾汁液に対しても同様の効果を奏するか調べた。
他の野菜策汁液として、キャベツ、ホウレンソウ、トマト、ニンジンを準備した。キャベツは、硫黄臭アリルイソチオシアネートやジメチルジスルフィドに起因する不快臭を発することが知られている。また、ホウレンソウは、3−ヘキセナール(青葉アルコール)に起因する不快臭を発することが知られている。さらに、トマトは、3−ヘキセナール(青葉アルコール)に起因する不快臭を発することが知られている。また、ニンジンは、2−ノネナールに起因する不快臭を発することが知られている。
そこで、緑茶粉末と抹茶が、キャベツ搾汁液、ホウレンソウ搾汁液、トマト搾汁液、ニンジン搾汁液の野菜臭を抑制する効果があるか調べた。なお、比較例12、26、40、54の素材欄が空欄であるが、これらはいずれも参考例(コントロール)に相当するものである。

・野菜臭の抑制効果
−1:参考例と比較して野菜臭が弱くなった。
0:参考例と比較して野菜臭は同等程度である。
1:参考例と比較して青汁の味をやや強く感じる。
2:参考例と比較して青汁の味をかなり強く感じる。
Figure 0006581226
(考察)
抹茶を配合したもの(実施例1)や緑茶粉末を配合したもの(実施例2)は、参考例(コントロール)と比較して、大麦若葉汁に由来する牧草臭の強さと、青汁飲料の味の強さとの両方で評価が高かった。
これに対して、緑茶粉末や抹茶粉末をキャベツ搾汁液(比較例24,25)や、ほうれん草搾汁液(比較例38,39)や、トマト搾汁液(比較例52,53)や、ニンジン搾汁液(比較例66,67)に添加しても野菜臭の低減効果は認められなかった。
なお、試験1でも用いたパセリパウダー、ローレルパウダー、バジルパウダー、ブラックペッパー、ショウガパウダー、ガーリックパウダー、オニオンパウダー、紅茶粉末、カテキン製剤、ミントエキス、カモミールエキスを、緑茶粉末や抹茶の代わりに用いて比較したが、顕著な相違は認められなかった。
試験3:大麦若葉粉末と緑茶粉末又は抹茶の配合量
試験1及び2の結果から、緑茶粉末や抹茶が、野菜搾汁液のなかでもとりわけ大麦若葉粉末に対して、牧草臭の低減及び青汁飲料の味の強さの点で効果を奏することがわかった。
そこで、大麦若葉粉末と緑茶粉末の配合量を変化させることにより、当該効果の現れ方に変化があるかを調べた。
なお、官能評価は、試験1で実施したのと同様のものであり、緑茶粉末又は抹茶を添加しないサンプル品を参考例(コントロール)としている。

・牧草臭の評価
−1:参考例と比較して牧草臭が強く感じられ、本件課題を解決していない。
0:参考例と同等の牧草臭であり、本件課題を解決していない。
1:参考例と比較して牧草臭がやや弱く感じられ、本件課題を解決している。
2:牧草臭をほとんど感じない、本件課題を解決している。

・青汁飲料の味の強さの評価
−1:参考例と比較して青汁の味を弱く感じる。
0:参考例と比較して青汁の味の強さが同等程度である。
1:参考例と比較して青汁の味をやや強く感じる。
2:参考例と比較して青汁の味をかなり強く感じる。
Figure 0006581226
Figure 0006581226
(考察)
実施例3乃至11は大麦若葉粉末と緑茶粉末とを使用したものであり、実施例12乃至20は大麦若葉粉末と緑茶粉末とを使用したものであるが、いずれのサンプルにおいても牧草臭の低減作用が観察された。青汁飲料の味の強さについては、大麦若葉粉末の使用量に対して緑茶粉末又は抹茶の使用量が多いと、大麦若葉よりも緑茶や抹茶の味が強くなり過ぎる傾向にある。しかし、大麦若葉粉末が多くなると、青汁飲料の味の強さについては良好な結果となることがわかった。
本発明により、原料に由来するいわゆる牧草臭をマスキングした飲食物が提供できる。

Claims (1)

  1. 緑茶粉砕物又は抹茶から成る牧草臭マスキング剤であって、牧草臭が大麦若葉由来である、牧草臭マスキング剤。
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