JP2014109079A - 印刷用塗工紙、その印刷物、および印刷用紙の発色性の程度を判定する方法 - Google Patents

印刷用塗工紙、その印刷物、および印刷用紙の発色性の程度を判定する方法 Download PDF

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Fuminari Nonomura
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Abstract

【課題】オフセット印刷時に印刷用紙の発色性が良好であり、所定のインキ量で良好な印刷濃度が得られる印刷用塗工紙及びその印刷物並びに判定方法を提供することである。
【解決手段】原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、
原紙の片面又は両面に接着剤を主成分とするクリア塗工層を設け、
印刷用塗工紙の透気抵抗度が、1500秒以上10000秒以下であって、
オフセット輪転印刷機にて、オフセット印刷用インキを用い印刷速度270m/分でベタ部のインキ着肉濃度が藍1.65となるように印刷した後の藍インキの紙面インキ量が、1.0g/m以下である、印刷用塗工紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷において優れたインキ発色性を有する印刷用塗工紙及びその印刷物に関する。
オフセット印刷用の塗工紙には高級用途のアート紙から汎用の微塗工紙まで種々のグレードがラインナップされているが、近年は微塗工紙の占める比率が高くなる傾向にあり、その印刷品質や作業適性が良好であることが要求されている。
また、印刷用塗工紙においては、印刷用紙の発色性が良好であること、すなわち所定のインキ量で目標とする印刷濃度が得られることも求められている。
これに対し、版からのインキの転写性に視点をおくと、発色性に関連する既往の知見として、版から紙面への「インキ転移率」という観点で高平滑なアート紙では上質紙や中質紙などと比較して、版上のインキ量が少なくてもインキ転移率が良好で、紙表面のインキ被覆性も良いとの研究が報告されている(非特許文献1および2)。しかし、これらの報告では発色性、つまり印刷濃度についての記載はなく、さらに紙の物性との影響についても記載はなく、印刷用紙の発色性の程度を判定する方法すら存在しなかった。
「改定わかりやすい紙・インキ・印刷の科学」145-185頁、印刷局朝陽会、1968年発行 「A Modified Method for the Determination of the Ink Transfer Parameters by Non-linear Optimization」45(7), 809-818 (1991)Japan TAPPI、1991年発行
このような状況に鑑みて、本発明の課題は、オフセット印刷時に印刷用紙の発色性が良好であり、所定のインキ量で良好な印刷濃度が得られる印刷用塗工紙及びその印刷物を提供することである。
そして、印刷用塗工紙ではオフセット印刷後のブランケットへのパイリング抑制や1枚1枚の用紙の印刷白点、裏抜け、印刷光沢度などの品質向上が特に重要であるが、印刷スタート時から刷了時までの色調の安定性も非常に重要である。これには供給するインキ量や紙のインキ浸透性やインキ受理性などが影響し、更にそれらに対して温度や湿し水量など種々の要因が作用すると考えられる。その安定化を図る手法の一つは、必要なインキ皮膜を薄く一定にしてインキロール上インキ量の変動を抑制することであり、印刷用紙の「発色性」が良好であること、すなわち所定のインキ量で目標とする印刷濃度が得られることが重要である。
さらに、印刷用紙の発色性に関して、その程度を判定する方法を確立しておくことにより各印刷用紙の間での発色性を対比することも必要である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、印刷用塗工紙の平滑度と透気抵抗度を特定の値にして、版からのインキの転移量を増加させることではなく、用紙に転移したインキの浸透性を調整することにより、オフセット印刷時の紙面インキ量を少なくすることができること、さらに、印刷用紙の発色性の程度を判定する方法を見出し、本発明を為すに至った。
本発明は、すなわち、以下の発明を包含する。
1.原紙上に顔料及び接着剤を含有する顔料塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、
原紙の片面又は両面に接着剤を主成分とするクリア塗工層を設け、
印刷用塗工紙の透気抵抗度が、1500秒以上10000秒以下であって、
オフセット輪転印刷機にて、オフセット印刷用インキを用い印刷速度270m/分でベタ部のインキ着肉濃度が藍1.65となる様に印刷した後の藍インキの紙面インキ量が、1.0g/m以下である、印刷用塗工紙。
2.前記顔料塗工層に含有される接着剤が、合成共重合体である、請求項1に記載の印刷用塗工紙。
3.前記顔料塗工層に含有される接着剤の合計量が、顔料100重量部に対して、5重量部以上である、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
4.前記塗工層の塗工量が、両面合計で20g/m以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
5.前記塗工層の顔料として、平均粒子径(d50)が1.0μm〜2.0μmである炭酸カルシウムを使用する、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
6.前記クリア塗工層が、フィルム転写方式によって設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
7.請求項1〜6のいずれかに記載の印刷用塗工紙に印刷を施した印刷物。
8.オフセット印刷機により印刷用塗工紙に印刷して得られた紙面のベタ着色部において、インキに含まれる金属化合物を定量することによって得られる紙面上のインキ量とベタ着色部の印刷濃度を基に印刷用紙の発色性の程度を判定する方法。
9.インキ量を求めるために、藍インキ顔料中に含まれる銅を定量する、8に記載のインキ発色性の判定方法。
10.各印刷用紙に、オフセット印刷機の印刷速度が270m/分で、ベタ着色部の印刷濃度が藍1.65となるように印刷する8又は9に記載のインキ発色性を判定する方法。
本発明によれば、オフセット印刷時に印刷用紙の発色性が良好であり、所定のインキ量で良好な印刷濃度が得られる。オフセット印刷機が枚葉印刷でも輪転印刷でも同様の効果が得られる。
さらに、オフセット印刷後のブランケットへのパイリングや印刷白点、裏抜けがなく、印刷光沢度が良好であり、オフセット印刷スタート時から刷了時までの色調の安定性も優れた印刷用塗工紙、その印刷物、及び印刷用紙の発色性の程度を判定する方法を得ることができる。
本発明は、印刷用塗工紙、その印刷物、及び印刷用紙の発色性の程度を判定する方法に関する。本発明において、印刷用塗工紙とは、原紙の片面、もしくは両面に顔料塗工層を設けたものである。
本発明においては、印刷用塗工紙の透気抵抗度を特定の値にすることにより、インキの使用量の削減ができることが判明した。
(印刷用塗工紙)
原紙
本発明の原紙を構成するパルプは、オフセット等の印刷用に使用される用紙に採用されるパルプであれば特に限定されない。例えば、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、古紙パルプ、脱墨パルプを単独もしくは任意の割合で混合使用してもよい。本発明においては、古紙パルプを含有していても効果を発揮する。
原紙に配合する填料の種類としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。その他必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を含有してもよい。
原紙中の紙中灰分率は、1重量%〜40重量%であるが、5重量%〜30重量%が好ましく、5重量%〜15重量%程度がより好ましい。灰分が5重量%未満であると剛度が上がる可能性があり、40重量%以上であると原紙の層間強度が弱くなる傾向がみられる。より好ましい範囲は、剛度と層間強度のバランスが取れた範囲である。
一般の塗工原紙としては、坪量が30〜400g/m程度の紙ベースや板紙ベースの原紙が適宜用いられているが、本発明では、坪量が、100g/m以下であり、密度が1.0g/cm以上のものが好ましい。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよい。
(塗工層)
本発明においては、原紙上に澱粉、ポリビニルアルコール等の樹脂を主成分とする塗工液から形成してなる塗工層を設ける。本明細書において、前記塗工液を顔料を含有する塗工液と区別するため、「クリア塗工液」といい、「クリア塗工液」からなる塗工層を「クリア塗工層」あるいは「サイズプレス層」という。
本発明においては、クリア塗工層の上(表面側)に、顔料と接着剤を含有する顔料塗工層を設ける。
クリア塗工層
クリア塗工液の塗工量は、片面当たり、固形分にて0.1〜2.0g/mが好ましく、0.5〜1.0g/mがより好ましい。0.1g/mよりも少ない場合は、表面強度低下が懸念されるため好ましくなく、2.0g/mよりも多い場合は、操業時に樹脂溶液の塗布濃度を高くする必要が生じるためボイリングや樹脂の凝集物発生等の問題が発生するので好ましくなく、また、印刷後の折り割れが発生し易くなるため好ましくない。
クリア塗工液は、主として澱粉、酸化澱粉などの各種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を含有する。
クリア塗工液の塗工方式は、いずれの方法を用いても構わないが、ポンド式や、ゲートロールコータやロッドメタリングサイズプレスなどのフィルム転写式塗工方式が好ましい。
本発明においては、原紙上にクリア塗工層を設ける。クリア塗工層を設けることにより、所定のインキ量で発色性の良好な印刷用紙を得ることができる。
顔料塗工層の顔料
本発明の顔料塗工層に用いられる顔料としては、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。本発明においては、比較的粒径の大きい重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、或いはカオリンを主として用いることが好ましい。顔料塗工層に用いる顔料の粒径が大きいと、塗工層中の空隙が少なくなりインキの染みこみが抑制され、インキ使用量が少なくても印字濃度を良好にすることができる。
本発明の顔料として炭酸カルシウムを用いる場合は、平均粒径が1.0〜2.0μmの炭酸カルシウムを使用することが好ましい。炭酸カルシウムの使用量は、顔料100重量部中、65〜100重量部、好ましくは、90〜100重量部とすることができる。
本発明で使用する顔料の平均粒径は、後述する評価方法に記載の方法で、X線透過式粒度分布測定器で測定される平均粒子径(d50)の粒子径をいう。
顔料塗工層に配合される接着剤
顔料塗工液には、原紙上に塗工層を形成することができる接着剤としてある程度の接着性を備えた天然系樹脂、合成系樹脂や合成共重合体などを配合することができる。そのような樹脂としては、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種合成共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成樹脂:カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類:酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類:カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などの通常の塗工紙用樹脂の内の1種以上を適宜選択して使用される。
本発明においては、同量の配合量であれば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体が、インキの発色性を向上させる効果が高くインキ使用量を減らすことができる。
これらの樹脂は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部程度の範囲で使用される。特に5重量部以上であると、印刷用塗工紙の透気抵抗度が向上し、インキの発色性が向上する効果が高い。50重量部以上添加してもこれ以上インキの発色性の向上効果が高くならず、コスト面でのメリットが少ない。
本発明の印刷用塗工紙に使用される塗工液には、さらに分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を配合して使用してもよい。
顔料塗工液の塗工方法
上記のようにして調整された顔料塗工液を原紙に塗工する方法としては、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面ずつもしくは両面同時に塗工する。
本発明における顔料塗工液の塗工量は、片面あたり固形分で2〜15g/mが好ましく、5〜12g/mがより好ましく、5〜10g/mがさらに好ましい。
湿潤した塗工層を乾燥させる手法としては、例えば蒸気加熱シリンダー、加熱熱風エアドライヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等各種の方法が単独または併用して用いられる。
以上のように塗工乾燥された塗工紙は、スーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑処理を行うことができる。
印刷用塗工紙の透気抵抗度
本発明の印刷用塗工紙の透気抵抗度は、1500秒以上10000秒以下であり、好ましくは、5000秒以上7000秒以下である。透気抵抗度が、1500秒未満であると、印刷用塗工紙の密度が低下し、発色が悪くなる傾向にある。透気抵抗度が、10000秒より高い印刷用塗工紙は、通常、合計の塗工量が両面で20g/m以下の印刷用塗工紙においては、塗工層中のバインダー量などを過剰に入れなくてはならないため、塗工紙の品質のバランスが保てない。
印刷用塗工紙のオフセット印刷物の紙面インキ量
本発明においては、印刷用塗工紙の紙面インキ量を算出するために、各色のインキの中から藍インキに着目した。ほとんどの藍インキは、銅を含有するフタロシアニンブルーを含んでいるため、藍インキ中の銅を定量することより、印刷用塗工紙の紙面上のインキ量を算出することを見出した。
定量方法は、以下の通りである。
藍インキの顔料(フタロシアニンブルー)中に含まれる銅を測定して藍ベタ面における紙面インキ量を定量評価した。印刷用塗工紙の紙面上の藍ベタ部10×15cmを切り出し、525℃で処理して得た灰を硝酸で溶解させ、全量を50mLに調節し、ICP発光分光分析装置(ICP: Inductively coupled plasma)にて測定した。別途、銅の標準液で検量線を作成、また藍インキを測定して単位重量当たりの銅の量を求め、これらのデータから紙面上のインキ量を算出した。
なお、紙面インキ量の定量のために、銅以外の有機金属化合物である有機顔料や無機顔料に着目して、上記のようにして検量線を作成し、インキ量を求めることもできるが、本発明においては、測定方法の再現性などから銅を定量することが好ましい。
インキ濃度
上記のようにしてインキ量を求める際には、予め、各印刷用塗工紙に各インキにより印刷した箇所の印字濃度が同じであることが必要であり、これらの印字濃度、特にいずれも藍1.65となるように印刷した各用紙に関して上記のようにしてインキ量を求めることによって、逆に同じインキ濃度とするために必要なインキ量を求めることができる。その後、その結果を対比して、用紙間の発色性を対比する。
マシンカレンダー
本発明の原紙は、必要に応じて原紙製造後、マシンカレンダー(プレカレンダー)やホットソフトニップカレンダーと呼ばれるカレンダー装置において、原紙表面を平滑にすることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。尚、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。また、得られた塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
〈評価方法〉
(1)透気抵抗度:JIS P 8117に従って測定した。
(2)平均粒子径:炭酸カルシウムの粒度分布はマイクロメリテックス社製セディグラフ5100(X線透過法の粒度分布測定器)を使用して測定し、d30(積算30重量%の粒子径)、d50(積算50重量%の粒子径)、d70(積算70重量%の粒子径)を得た。平均粒子径はd50により評価した。
(3)紙面インキ量:
東芝製オフセット輪転印刷機(4色)にて、オフセット印刷用インキ(DICグラフィックス製)を用い印刷速度270m/分でベタ部のインキ着肉濃度が墨1.85、藍1.65、紅1.55、黄1.40(ジャパンカラー標準印刷に準拠、X-Rite社製 X-Rite520にて、D50光源 2°視野 ステータスTで測定)となる様に墨藍紅黄の順に印刷した後、藍インキの顔料(フタロシアニンブルー)中に含まれる銅を測定して藍ベタ面における印刷用塗工紙の紙面インキ量を定量評価した。藍ベタ部10×15cmを切り出し、525℃で処理して得た灰を硝酸で溶解させ、全量を50mLに調節し、ICP発光分光分析装置(ICP: Inductively coupled plasma)にて測定した。別途、銅の標準液で検量線を作成、また藍インキを測定して単位重量当たりの銅の量を求め、これらのデータから紙面上のインキ量を算出した。
紙面インキ量が少ない方が、同じ量のインキでの発色性は高いことを示す。
[実施例1]
重質炭酸カルシウム100部(平均粒子径1.20μm)からなる顔料に、対顔料で分散剤0.2部を添加して、セリエミキサーで分散し、固形分濃度が70%の顔料スラリーを調整した。このようにして得られた顔料スラリーにスチレン・ブタジエン系ラテックス3.5部、酸化澱粉5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度65%の塗工液を得た。
パルプとして濾水度が350mlの晒広葉樹クラフトパルプを100%、軽質炭酸カルシウムを原紙重量当たり約20%含有した坪量41.4g/mの上質原紙に、両面塗布量が固形分で約1.5g/mになるようにロッドメータリングサイズプレスにて酸化澱粉を塗布したのち、カレンダー処理を1ニップ、15kN/m、金属ロール表面温度50℃で行った。その後、固形分で片面塗工量が11g/mになるように、700m/分の塗工速度のブレードコータで上記塗工液を塗工して乾燥した。更にホットソフトニップカレンダー処理を適切な条件で行い、白紙光沢度が約35%の塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、ラテックスの配合部数を5.5部に増配して酸化澱粉を無配合にした。それ以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例2において、ラテックスの配合部数を11部に増配した。それ以外は実施例2と同様の方法で塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例3において、ラテックスを無配合とし、酸化澱粉を11部に増配した。それ以外は実施例3と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、重質炭酸カルシウムの平均粒子径を小さいタイプ(0.96μm)に変更し、原紙の表面サイズを実施しなかった。それ以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
表1に記載の各実施例及び比較例1の結果からは透気抵抗度が高いほど発色性が良好であることがわかる。
これは紙表面のインキによる被覆性やインキ浸透性が影響するためと考えられる。また、原紙へのサイズプレス有り、粗い顔料、ラテックス多めにするほど、インキ被覆性が向上し、浸透性が低下する傾向にある。

Claims (10)

  1. 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を設けてなる印刷用塗工紙において、
    原紙の片面又は両面に接着剤を主成分とするクリア塗工層を設け、
    印刷用塗工紙の透気抵抗度が、1500秒以上10000秒以下であって、
    オフセット印刷機にて、オフセット印刷用インキを用い印刷速度270m/分でベタ部のインキ着肉濃度が藍1.65となる様に印刷した後の藍インキの紙面インキ量が、1.0g/m以下である、印刷用塗工紙。
  2. 前記顔料塗工層に含有される接着剤が、合成共重合体である、請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 前記顔料塗工層に含有される接着剤の合計量が、顔料100重量部に対して、5重量部以上である、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 前記塗工層の塗工量が、両面合計で20g/m以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  5. 前記塗工層の顔料として、平均粒子径(d50)が1.0μm〜2.0μmである炭酸カルシウムを使用する、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  6. 前記クリア塗工層が、フィルム転写方式によって設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷用塗工紙に印刷を施した印刷物。
  8. オフセット印刷機により印刷用塗工紙に印刷して得られた紙面のベタ着色部において、インキに含まれる金属化合物を定量することによって得られる紙面上のインキ量とベタ着色部の印刷濃度を基に印刷用紙の発色性の程度を判定する方法。
  9. インキ量を求めるために、藍インキ顔料中に含まれる銅を定量する、請求項8に記載のインキ発色性の判定方法。
  10. 各印刷用紙に、オフセット印刷機の印刷速度が270m/分で、ベタ着色部の印刷濃度が藍1.65となるように印刷する請求項8又は9に記載のインキ発色性を判定する方法。
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