以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る容器供給装置を備えた容器処理装置の基本構成を示す図である。
図1に示す容器処理装置1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂からなる多数のボトルタイプの容器B(以下、「ボトルB」という。)を搬送しながら、各ボトルBの胴部にシュリンクフィルムからなる筒状のラベルL(図4参照)を連続的に装着する装置である。容器処理装置1(以下、「ラベル装着装置1」という。)は、ボトルBにラベルLを装着する2つのラベル装着部2A,2Bと、2つのラベル装着部2A,2BにそれぞれラベルLを供給する2つのラベル供給部3A,3Bと、2つのラベル装着部2A,2BにボトルBを供給するボトル供給部4と、2つのラベル装着部2A,2BからラベルLが装着されたボトルB(以下、「ラベル装着済みボトルB」という。)を搬出するボトル搬出部5と、を含む。
一方のラベル装着部2A(以下、「第1のラベル装着部2A」という。)と他方のラベル装着部2B(以下、「第2のラベル装着部2B」という。)は、ボトルBの直線状の搬送ラインM1に対して両側の対称位置に配設され、ボトル供給部4とボトル搬出部5は、搬送ラインM1上に配設されている。図1では、第1のラベル装着部2Aは搬送ラインM1の下側に配設され、第2のラベル装着部2Bは搬送ラインM1の上側に配設されている。
ラベル供給部3A,3Bも搬送ラインM1に対して上下の対称位置に配設されている。ラベル供給部3A,3Bは、ラベル装着部2A,2Bに対して高さ方向で上側から下側にラベルLを供給するので、図1では、ラベル供給部3A,3Bの配設位置がラベル装着部2A,2Bに重ねて描かれている。ボトル供給部4は、2つのラベル装着部2A,2Bの中心を結ぶ縦ラインM2に対して左側に配設され、ボトル搬出部5は、縦ラインM2に対して右側に配設されている。
ラベル装着装置1には、運転モードとして2つのラベル装着部2A,2Bの両方を動作させるモード(以下、「通常運転モード」と2つのラベル装着部2A,2Bのいずれか一方だけ動作させるモード(以下、「シングル運転モード」という。)が設けられている。また、ボトル供給部4には、2つのラベル装着部2A,2BへのボトルBの供給モードとして通常運転モードに対応した通常供給モードとシングル運転モードに対応したシングル供給モードが設けられている。更に、ボトル供給部4には、運転時にラベル装着不良の多発などによりラベル装着装置1を緊急停止させる場合に2つのラベル装着部2A,2BへのボトルBの供給を中止し、ボトル回収ボックス6に排出するボトル排出モードが設けられている。
通常運転モードでは、図21に示すように、ボトル供給部4によって多数のボトルBが搬送ラインM1上を左側から右側に搬送され、ボトル受取位置Qで2つの経路に分流されて第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bに供給される。第1のラベル装着部2Aに供給された各ボトルBは、支持盤の周縁部を反時計回りに搬送されながらラベル供給部3A(以下、「第1のラベル供給部3A」という。)から供給されるラベルLが装着されてボトル搬出部5に搬出される。一方、第2のラベル装着部2Bに供給された各ボトルBは、支持盤の周縁部を時計回りに搬送されながらラベル供給部3B(以下、「第2のラベル供給部3B」という。)から供給されるラベルLが装着されてボトル搬出部5に搬出される。
2つのラベル装着部2A,2Bからボトル搬出部5に搬出された各ラベル装着済みボトルBは、ボトル引渡位置Sで交互に合流されて下流側(図21では右側)に搬送される。
シングル運転モードでは、2つのラベル装着部2A,2Bのいずれか一方の運転が停止される。シングル運転モードで第1のラベル装着部2Aを停止させた場合、第1のラベル装着部2Aには第1のラベル供給部3Aとボトル供給部4からラベルLとボトルBは供給されず、第2のラベル装着部2Bを停止させた場合、第2のラベル装着部2Bには第2のラベル供給部3Bとボトル供給部4からラベルLとボトルBは供給されない。
例えば、シングル運転モードで第2のラベル装着部2Bを停止させた場合、図22に示すように、ボトル供給部4によって搬送された多数のボトルBは、ボトル受取位置Qで2つの経路に分流されることなく第1のラベル装着部2Aにだけに供給され、第1のラベル装着部2Aに供給された各ボトルBは、第1のラベル供給部3Aから供給されるラベルLが装着されてボトル搬出部5に搬出される。
シングル運転モードでは、2つのラベル装着部2A,2Bの一方と、2つのラベル供給部3A,3Bの一方と、ボトル供給部4の2つのボトル供給用スターホイール42A,42B(後述する)の一方は停止されるが、ボトル供給部4のボトル供給用コンベア41(後述する)は停止されず、ボトル受取位置Qに供給されるボトルBのボトル間隔(隣接するボトル同士の間隔)が通常運転モードの場合の2倍に変更されるだけである。ボトル搬出部5も2つのボトル搬出用スターホイール51A,51B(後述する)の一方は停止されるが、ボトル搬出部5のボトル搬出用コンベア52(後述する)は停止されず、通常運転モードと同様のボトル搬出動作を行う。
ボトル排出モードでは、運転モードを通常運転モードに切り換え、ボトル供給部4におけるボトル受取位置QへのボトルBの搬送タイミングが所定の時間(凡そボトル1個分の距離を搬送する時間)だけ遅らせる処理が行われる。この処理によって、図23に示すように、ボトル供給部4のボトル受取位置Qに搬送されたボトルBは、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのいずれにも受け取られず、ボトル供給用コンベア41によってボトル回収ボックス6に排出される。
第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bでのラベル装着処理速度(1分間当たりのボトルBへのラベルLの装着数)N[本/分]は同一であるので、はシングル運転モードでのラベル装着処理速度N1は通常運転モードでのラベル装着処理速度N2の1/2となる。
ラベル装着装置1のラベル装着処理速度Nは、通常運転モードとシングル運転モードのいずれの運転モードでも複数段階に変化させることができる。従って、ラベル装着処理速度Nが、例えば、「低速」、「中速」、「高速」の3段階に変更可能になっている場合、ラベル装着装置1は、運転モードを切り換えることによってラベル装着処理速度Nを6段階に切り換えることができる。例えば、シングル運転モードでの3段階のラベル装着処理速度N1L,N1M,N1HをN1L=460、N1M=500、N1H=540とすると、通常運転モードでの3段階のラベル装着処理速度N2L,N2M,N2HはN2L=920、N2M=1000、N2H=1080となるから、ラベル装着装置1のラベル装着処理速度Nは460[本/分]から1080[本/分]まで6段階に切り換えることができる。
2つのラベル装着部2A,2Bとしては、例えば、出願人が特願2011−076379で提案しているラベル装着装置を適用することができる。図2は、同ラベル装着装置を用いた第1のラベル装着部2Aを上から見た構成図である。また、図3は、第1のラベル装着部2Aに設けられるラベル装着ヘッドを横から見た図である。第2のラベル装着部2Bの構成は第1のラベル装着部2Aと同一であるので、以下では第1のラベル装着部2Aの構成とラベルLの装着動作について説明する。
第1のラベル装着部2Aは、反時計回りに回転するリング状の支持盤21を備えている。この支持盤21には周縁に沿って24個のボトルBを保持するボトル保持部22(図3参照。図2では見えていない)が等間隔DHB[mm](角度で15°間隔)で設けられ、各ボトル保持部22の上部にラベル装着ヘッド23(図3参照)が設けられている。
図2において、支持盤21の中心から上方向を回転の基準方向R1とし、その基準方向R1から回転方向に角度「+θ°」を取ると、凡そ+25°の方向にボトル供給位置β1が設定され、+90°の方向(中心から左方向)にラベル供給位置α1が設定され、凡そ−25°の方向にボトル搬出位置γ1が設定されている。第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bは、搬送ラインM1に対して鏡像関係にあるから、第2のラベル装着部2Bでは基準方向R2が、図2で180°回転させた位置となる(図1参照)。
ラベル供給位置α1は、支持盤21のラベル装着ヘッド23にラベルLを供給する位置である。ラベル供給位置α1には第1のラベル装着部2Aの上方位置にラベル供給位置α1を通過する各ラベル装着ヘッド23にシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを供給する第1のラベル供給部3Aが配設されている。ボトル供給位置β1は、ボトル供給部4から支持盤21のボトル保持部22にボトルBを供給する位置である。ボトル搬出位置γ1は、第1のラベル装着部2Aからラベル装着済みボトルBを搬出する位置である。
第1のラベル供給部3Aは、多数のラベル(絵柄や文字等)が一定の間隔で印刷されたラベル基材を搬送しながら第1のラベル装着部2Aのラベル装着ヘッド23がラベル供給位置α1を通過する周期でラベル基材を切断してラベルLを生成し、各ラベルLを各ラベル装着ヘッド23に供給する。ラベル基材は、多数のラベルが印刷されたポリエステル系樹脂やポリエチレン系樹脂などからなる熱収縮フィルム(シュリンクフィルム)を筒状に整形した後、帯状に折り畳んだものである。
ラベル装着ヘッド23は、図3に示すように、ラベル供給部3Aから供給されるラベルLを受け取るラベル受取ユニット231と、ラベル受取ユニット231が受け取ったラベルLを筒状に開らいてボトルBの胴部に被せるようにして装着するラベル装着ユニット232と、を備える。ラベル受取ユニット231及びラベル装着ユニット232は、支持フレーム233に昇降可能に取り付けられている。ラベル受取ユニット231の昇降動作は、ラベル受取ユニット231の支持フレーム233への取付部材231Bに取り付けられたカムフォロア231Aと円筒体24に設けられたカム溝24Aとからなるカム機構231Cによって行われる。同様に、ラベル装着ユニット232の昇降動作は、ラベル装着ユニット232の支持フレーム233への取付部材232Bに取り付けられたカムフォロア232Aと円筒体24に設けられたカム溝24Bとからなるカム機構232Cによって行われる。
カム機構231Cのカムフォロア231Aは円筒体24のカム溝24Aに嵌装され、カム機構232Cのカムフォロア232Aは円筒体24のカム溝24Bに嵌装されている。カム溝24A,24Bは、固定された円筒体24の周面上に所定の波形を描くように形成されており、リング状の支持盤21が回転すると、カムフォロア231A,232Aがそれぞれカム溝24A,24Bに沿って移動することによりラベル受取ユニット231とラベル装着ユニット232が所定の昇降動作を周期的に繰り返す。
ラベル受取ユニット231の取付部材231Bには、一対の上側に平行に延びる棒状のテイクアップ部材231Dが取り付けられている。一対のテイクアップ部材231Dには吸引機構が設けられており、ラベル供給位置α1を通過するときに第1のラベル供給部3Aから供給されるラベルLを受け取り、吸着によってそのラベルLを保持する。
ラベル装着ユニット232の取付部材232Bには、上面視で中央部が開口された直方体形状の本体232Dが取り付けられている。本体232Dは、環状の上側ベース232aと下側ベース232bを上下方向に所定の間隔を設けて結合した枠体である。上側ベース232aの下面の四隅には、先端が内側に屈曲した鉤形の開閉アーム232Eが外側に開閉可能に取り付けられている。4つの開閉アーム232Eの先端部にそれぞれ下方向に延びる4本の吸引杆232Fが取り付けられている。各吸引杆232Fにもテイクアップ部材231Dと同様の吸引機構が設けられている。
本体232Dの上面には、4個の開閉アーム232Eに開閉動作を行わせるための開閉機構が設けられている。開閉機構は、4つの開閉アーム232Eに閉方向の付勢力を常時付与しておき、カム部材232Gによりその付勢力に抗する力を付与して4つの開閉アーム232Eを開方向に移動させる機構である。カム部材232Gは上下動可能に設けられ、カム部材232Gが下側に移動することによって4個の開閉アーム232Eは開方向に移動する。カム部材232Gには上下動させるためのカム機構232Hが設けられている。カム機構232Hは、カム部材232Gに取り付けられたカムフォロア232Jと円筒体24に形成されたカム溝24Cによって構成されている。
図4は、第1のラベル装着部2Aにおけるラベル装着動作を示す図である。なお、図4の(a)〜(h)は、ラベル装着ヘッド23の等間隔の動きを示したものではなく、ラベル装着ヘッド23のラベル受取ユニット231とラベル装着ユニット232の主要な動きの変化を時系列的に配列したものである。
第1のラベル装着部2Aのラベル装着ヘッド23は、(1)テイクアップ部材231DでラベルLを受け取る、(2)テイクアップ部材231DがラベルLを吸引杆232Fに渡す、(3)4本の吸引杆232FがラベルLを筒状に開く、(4)4本の吸引杆232FがラベルLを開いた状態で下降してボトルBに被せる、という4つの動作を行うことによってボトルBにラベルLを装着する。
各ラベル装着ヘッド23は、ラベル供給位置α1を通過するときに第1のラベル供給部3AからラベルLを受け取り、各ラベル装着ヘッド23に対応するボトル保持部22は、ボトル供給位置β1を通過するときにボトル供給部4からボトルBを受け取る。各ラベル装着ヘッド23が受け取ったラベルLは、凡そ300°周回した後ボトル供給位置β1で受け取られるボトルBと引き合わされ、両者がボトル供給位置β1からボトル搬出位置γ1まで凡そ300°周回する間に(2)〜(4)の動作が行われてボトルBに装着される。そして、ラベルLが装着されたボトルBは、ボトル搬出位置γ1から第1のスターホイール51Aで搬出される。従って、上記の(1)〜(4)の動作は各ラベル装着ヘッド23が凡そ600°(1.7周)周回移動する間に行われる。
各ラベル装着ヘッド23のラベル受取ユニット231とラベル装着ユニット232は昇降動作でテイクアップ部材231Dと吸引杆232Fとが互いに交差するように動作する。ラベル受取ユニット231とラベル装着ユニット232が交差するときには2本のテイクアップ部材231Dがラベル装着ユニット232の本体232Dの開口部分を下側から貫通するように移動するので(図4(d),(e)参照)、ラベル受取ユニット231とラベル装着ユニット232が互いに干渉することはない。
各ラベル装着ヘッド23がラベル供給位置α1を通過するときには、図4(f)に示すように、2本のテイクアップ部材231Dが昇降範囲の最上位の位置に設定され、ラベル供給部3Aから供給されるラベルLを受け取り、吸着によって保持する。
一方、第1のラベル装着部2Aが稼働を開始して支持盤21が2周以上(各ラベル装着ヘッド23が2周以上)した後では、各ラベル装着ヘッド23がボトル搬出位置γ1からラベル供給位置α1を通過している区間ではラベル装着ユニット232も当該ラベル装着ユニット232の昇降範囲の最上位の位置でラベル受取ユニット231から既に受け取っているラベルLに対して開口動作を行っている(図4(d),(e),(f),(g)参照))。
ラベル装着ユニット232はラベルLを開口すると、昇降範囲の最下位の位置に下降して当該ラベルLをボトルBに装着する(図4(h)参照))。このとき、ラベル受取ユニット231もラベル装着ユニット232と一緒に下降し、ラベル受取ユニット231とラベル装着ユニット232は各昇降範囲の最下位の位置に下降した状態でボトル搬出位置γ1に向かって搬送され、ボトル搬出位置γ1の手前の所定の位置に至ると(図4(a),(b)参照)、ラベル装着ユニット232だけが昇降範囲の最上位の位置に上昇する。この上昇動作は、ボトル搬出位置γ1で第1のボトル搬出用スターホイール51Aがラベル装着済みボトルBの受取動作をするので、その受取動作を妨害しないようにラベル装着ユニット232を退避させるとともに、ラベル受取ユニット231が受け取っているラベルLを4つの吸引杆232Fに受け取らせるための位置変更動作である。
ラベル装着ユニット232は、昇降範囲の最上位の位置に上昇すると(図4(b)参照)、4本の吸引杆232Fのうち、ラベルLに対向している2本の吸引杆232Fを閉じて当該2本の吸引杆232Fと2本のテイクアップ部材231DでラベルLを挟み(図4(c)の状態参照)、2本の吸引杆232Fの吸引を開始すると同時に2本のテイクアップ部材231Dの吸引を解除して2本の吸引杆232FがラベルLを受け取る(図4(d)参照)。また、ラベル装着ヘッド23がボトル搬出位置γ1に至ると、第1のボトル搬出用スターホイール51Aがラベル装着済みボトルBを引き取る。
ラベルLが2本の吸引杆232Fに受け取られると、ラベル受取ユニット231は昇降範囲の最上位の位置に上昇し、その位置を保持してラベル供給位置α1に向けて搬送される(図4(e),(f)参照)。ラベル受取ユニット231の上昇動作が完了すると、4本の吸引杆232Fに閉じる動作を行わせて本体232Dの内側の一組の吸引杆232Fと外側の一組の232FでラベルLの幅方向の両端部を挟み込み(図4(f)の状態参照)、全ての吸引杆232Fの吸引動作を行わせた後、4本の吸引杆232Fに開く動作(すなわち、ラベルLを筒状に開く動作)を行わせる(図4(g)の状態参照)。
4本の吸引杆232FによるラベルLの開口動作が完了すると、その状態を保持してラベル装着ユニット232は最下位の位置に移動し、同時にラベル受取ユニット231も最下位の位置に移動する。すなわち、ラベル受取ユニット231及びラベル装着ユニット232は同時にボトル保持部22に保持されているボトルBに向かって下降し、最下位の位置に到達すると、図4(h)に示すように、4本の吸引杆232Fで開かれたラベルLがボトルBに被せられ、ボトルBへのラベルLの装着が完了する。
ラベル受取ユニット231が昇降範囲の最上位の位置に上昇した後ラベル供給位置α1に至ると、ラベル装着ヘッド23が1周する間のラベル受取ユニット231及びラベル装着ユニット232の動作が終了し、以下、ラベル装着ヘッド23が周回する毎に上述したラベル受取ユニット231によるラベル受取動作とラベル装着ユニット232によるラベル装着動作が繰り返される。
次に、ボトル供給部4とボトル搬出部5について、図5,図6を用いて説明する。
ボトル供給部4には、図5に示すように、ボトルBを一列に並べてボトル受取位置Qに搬送するボトル供給用コンベア41と、ボトル受取位置Qに搬送されるボトルBを交互に受け取って第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bとに供給する2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bとが含まれる。ボトル供給用コンベア41と第1のボトル供給用スターホイール42Aは、第1のラベル装着部2Aに対するボトル供給部を構成し、ボトル供給用コンベア41と第2のボトル搬出用スターホイール42Bは、第2のラベル装着部2Bに対するボトル供給部を構成している。
従って、ボトル供給部4は、ボトル供給用コンベア41で多数のボトルBを一列に並べてボトル受取位置Qに搬送し、そのボトル受取位置Qで各ボトルBを交互に2つの搬送経路に振り分けて(各ボトルBを2つの経路に分流して)第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bとに供給する構成である。
ボトル受取位置Qは、搬送ラインM1の上流側(縦ラインM2よりも左側)の所定の位置に設けられており、ボトル供給用コンベア41で搬送されたボトルBを2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bが交互に受け取る位置である。第1のボトル供給用スターホイール42Aは、その周縁がボトル受取位置Qと第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1に接するように配設されている。また、第2のボトル供給用スターホイール42Bは、その周縁がボトル受取位置Qと第2のラベル装着部2Bのボトル供給位置β2に接するように配設されている。ボトル供給用コンベア41は、搬送ラインM1上のボトル受取位置Qの上流側から下流側のボトル回収ボックス6まで配設されている。
ボトル搬出部5には、図6に示すように、第1,第2のラベル装着部2A,2Bからそれぞれラベル装着済みボトルBを搬出し、ボトル引渡位置Sに搬送する2つのボトル搬出用スターホイール51A,51Bと、各ボトル搬出用スターホイール51A,51Bから交互に引き渡されるボトルBを下流側の処理装置に搬送するボトル搬出用コンベア52が含まれる。第1のボトル搬出用スターホイール51Aとボトル搬出用コンベア52は、第1のラベル装着部2Aに対するボトル搬出部を構成し、第2のボトル搬出用スターホイール51Bとボトル搬出用コンベア52は、第2のラベル装着部2Bに対するボトル搬出部を構成している。
従って、ボトル搬出部5は、2つのラベル装着部2A,2Bから第1のボトル搬出用スターホイール51Aと第2のボトル搬出用スターホイール51Bでラベル装着済みボトルBを搬出してボトル引渡位置Sまで搬送し、そのボトル引渡位置Sで各ボトルBを交互にボトル搬出用コンベア52に引き渡して(各ボトルBを1つの経路に合流して)下流側の処理装置に搬送する構成である。
ボトル引渡位置Sは、搬送ラインM1の下流側(縦ラインM2よりも右側)の所定の位置に設けられており、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bがラベル装着済みボトルBを交互にボトル搬出用コンベア52に引き渡す位置である。第1のボトル搬出用スターホイール51Aは、その周縁がボトル引渡位置Sと第1のラベル装着部2Aのボトル搬出位置γ1に接するように配設されている。また、第2のボトル搬出用スターホイール51Bは、その周縁がボトル引渡位置Sと第2のラベル装着部2Bのボトル搬出位置γ2に接するように配設されている。
本実施形態に係るラベル装着装置1は、ボトル供給用コンベア41によって一列に隙間なく並べて搬送される多数のボトルBに対し所定のボトル間隔を設けてボトル受取位置Qに供給する構成として、ボトル供給用コンベア41の先端部にスクリューコンベアではなくボトルBの速度を制御するベルト駆動機構を設けている点に特徴を有する。このベルト駆動機構の構成については後述する。
ボトル供給部4の2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bは、同一の径と構造を有している。各ボトル供給用スターホイール42A,42Bの周縁部にはボトルBの受け取りと引き渡しの動作を行う複数のネッククランパ427(本実施形態では8個)が等間隔で設けられている。各ボトル供給用スターホイール42A,42Bの周縁に沿うネッククランパ427の間隔は、第1,第2のラベル装着部2A,2Bの支持盤21の周縁に沿うボトル保持部22の間隔DHBと同一である。
一方のボトル供給用スターホイール42A(以下、「第1のボトル供給用スターホイール42A」という。)と他方のボトル供給用スターホイール42B(以下、「第2のボトル供給用スターホイール42B」という。)の各ネッククランパ427は、ボトル受取位置Qを通過する際に開閉動作を行ってボトル供給用コンベア41から供給されるボトルBを受け取り、第1のボトル供給用スターホイール42Aのネッククランパ427は、第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1を通過する際に開閉動作を行ってボトルBを第1のラベル装着部2Aに引き渡し、第2のボトル供給用スターホイール42Bのネッククランパ427は、第2のラベル装着部2Bのボトル供給位置β2を通過する際に開閉動作を行ってボトルBを第2のラベル装着部2Bに引き渡す機能を果たす。
ボトル搬出部5の2つのボトル搬出用スターホイール51A,51Bも第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42Bと同一の径と同一の構造を有している。一方のボトル搬出用スターホイール51A(以下、「第1のボトル搬出用スターホイール51A」という。)の各ネッククランパ427は、第1のラベル装着部2Aのボトル搬出位置γ1を通過する際に開閉動作を行って第1のラベル装着部2Aからラベル装着済みボトルBを受け取り、ボトル引渡位置Sを通過する際に開閉動作を行ってそのボトルBをボトル搬出用コンベア52に引き渡す機能を果たす。他方のボトル搬出用スターホイール51B(以下、「第2のボトル搬出用スターホイール51B」という。)の各ネッククランパ427は、第2のラベル装着部2Bのボトル搬出位置γ2を通過する際に開閉動作を行って第2のラベル装着部2Bからラベル装着済みボトルBを受け取り、ボトル引渡位置Sを通過する際に開閉動作を行ってそのボトルBをボトル搬出用コンベア52に引き渡す機能を果たす。
次に、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bと2つのボトル搬出用スターホイール51A,51Bの構成について説明する。4つのスターホイール42A,42B,51A,51Bの構成は同一であるので、以下では、図7〜図9を用いて第1のボトル供給用スターホイール42Aの構成について説明し、他のスターホイール42B,51A,51Bについては説明を省略する。
図7は、第1のボトル供給用スターホイール42Aの構成を示す側面図である。図8は、ネッククランパ427を上から見た構成図、図9は、ネッククランパ427を横から見た構成図である。
第1のボトル供給用スターホイール42Aは、ボトルBの胴部の下寄りの位置を保持して搬送する第1のボトル搬送機構とボトルBのネックをクランプして搬送する第2のボトル搬送機構を備える。
第1のボトル搬送機構は、図7に示すように、ボトル搬送機構の構成要素としてホイールの回転軸421に固着された円盤状のベース盤422と、ベース盤422の周縁部に取り付けられたボトル捕捉部材423とを備える。ボトル捕捉部材423は、環状部材で構成され、その環状部材の周縁部にほぼボトルBの直径RBの間隔で複数の半円形の凹部424が形成されている(図5参照)。凹部424の幅は、ほボトル捕捉部材423はボトルBの胴部の下側寄りの位置を保持するため、ベース盤422の周縁部に支持部材425が下方向に向けて取り付けられ、その支持部材425の先端にボトル捕捉部材423が取り付けられている。
第2のボトル搬送機構は、図7に示すように、第1のボトル搬送機構のボトル捕捉部材423の上部に配設され、ホイールの回転軸421に固着された円盤状のベース盤426と、ベース盤426の周縁部であってボトル捕捉部材423の4つ置きの凹部形成位置に開閉可能に取り付けられたネッククランパ427とを備える。
第2のボトル搬送機構は、ボトル供給用コンベア41によりボトル受取位置Qに供給されるボトルBを受け取り、第1のラベル装着部2Aまで搬送して引き渡す機能を果たす。すなわち、第2のボトル搬送機構は、ネッククランパ427がボトル受取位置Qを通過する際にネッククランパ427に開閉動作をさせてボトル受取位置Qに供給されたボトルBのネックを掴み、そのボトルBを吊り下げた状態で第1のラベル装着部2Aに搬送する。また、第2のボトル搬送機構は、ボトルBのネックをクランプしたネッククランパ427が第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1を通過する際にネッククランパ427に開閉動作をさせてボトルBを第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22に引き渡す。
第1のボトル搬送機構のネッククランパ427が設けられている凹部424は、通常供給モード及びシングル供給モードにおいて、ネッククランパ427がボトル供給用コンベア41によりボトル受取位置Qに供給されるボトルBのネックを掴む際、そのボトルBの胴部を第2のボトル搬出用スターホイール42Bの凹部424とともに挟み付けてボトルBの姿勢の安定化を図る機能を果たす。また、第1のボトル搬送機構のネッククランパ427が設けられていない凹部424は、ボトル排出モードにおいて、ボトル受取位置Qに供給されるボトルBの胴部を第2のボトル搬出用スターホイール42Bの凹部424とともに保持してボトル受取位置Qを通過させ、ボトル供給用コンベア41でボトル回収ボックス6まで搬送させる機能を果たす。
ネッククランパ427をボトル捕捉部材423の4つ置きの凹部形成位置に配設しているのは、通常供給モード若しくはシングル供給モードで運転中にボトル排出モードに移行したとき、ボトル受取位置Qに供給したボトルBを第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42Bのいずれにも受け取らせずにボトル回収ボックス6に搬送するためである。従って、ボトル排出モードを設けない場合は、ボトル捕捉部材423の2つ置きの凹部形成位置にネッククランパ427を配設し、ボトル回収ボックス6を除去してもよい。
2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bは、第1のボトル供給用スターホイール42Aのネッククランパ427と第2のボトル搬出用スターホイール42Bのネッククランパ427が交互にボトル受取位置Qを通過するように配設されるので、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bをネッククランパ427がボトル捕捉部材423の4つ置きの凹部形成位置に配設された構成とすることによって、図5に示すように、ネッククランパ427の配設されていない凹部424がボトル受取位置Qを通過するようになる。
従って、ネッククランパ427の配設されていない凹部424がボトル受取位置Qを通過するタイミングに同期してボトル供給用コンベア41からボトルBをボトル受取位置Qに供給すれば、そのボトルBは2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bの第1のボトル搬送機構によってボトル受取位置Qを通過し、ボトル供給用コンベア41でボトル回収ボックス6に搬送されることになる。
通常供給モードやシングル供給モードでは、第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42Bのネッククランパ427がボトル受取位置Qを通過するタイミングに同期してボトルBがボトル受取位置Qに供給されるように、ボトル供給部4の駆動が制御される。ラベル装着装置1の運転中に何らかの異常を検出されると、ボトル供給部4の駆動モードはボトル排出モードに移行し、その後のボトルBは、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのネッククランパ427の設けられていない凹部424がボトル受取位置Qを通過するタイミングに同期してボトル受取位置Qに供給されるように制御される。
このように、ボトル排出モードでは、ボトルBのボトル受取位置Qへの供給タイミングをずらせることによってボトルBが全てボトル回収ボックス6に排出される。ボトル供給部4の通常供給モード、シングル供給モード及びボトル排出モードにおける速度制御の詳細は後述する。
ネッククランパ427は、図8に示すように、基本的な構成要素としてベース盤422に固着された支持部材427aと、支持部材427aに回動自在に取り付けられた一対のアーム427b,427cと、各アーム427b,427cに着脱自在に取り付けられた一対のクランプ部材427dと、一対のアーム427b,427c(一対のクランプ部材427d)を閉方向に付勢するコイル状のバネ427eとを備える。一対のクランプ部材427dの先端にはボトルBのネックをクランプするための爪427fが内側に突設されている。
一方のアーム427b(図8では上側のアーム。以下、「第1のアーム427b」という。)の基端には所定の角度で屈曲させてL字状のレバー部427gが延設されている。第1のアーム427bの基端部の回転軸427hと他方のアーム427c(図8では下側のアーム。以下、「第2のアーム427c」という。)の回転軸427iの中間位置に円形の係合部材427jが設けられている。図8では、係合部材427jは、高さ方向で第1のアーム427bと支持部材427aとによって挟まれている。第1のアーム427bには半円形の凹部が形成された係合片427kが設けられ、この係合片427kの凹部が係合部材427jに係合している。
第1のアーム427bが回転軸427hを支点として反時計回りに回動すると、これにより係合部材427jが外側(図8では右方向)に移動する。第1のアーム427bの回転力は係合部材427j及び係合片427kを介して第2のアーム427cに伝達され、係合部材427jの移動により第2のアーム427cは回転軸427iを支点としては時計回りに回動する。すなわち、第1のアーム427bを時計回りに回動させると、その回動に応じて一対のアーム427b,427c(すなわち、一対のクランプ部材427d)が閉じる動きをし、第1のアーム427bを反時計回りに回動させると、その回動に応じて一対のアーム427b,427cが開く動きをする。
バネ427eの一方端はL字状のレバー部427gの角部に固着され、バネ427eの他方端はベース盤422の上側に配設されたベース盤426(図7参照)の所定の位置に固着されている。ネッククランパ427の開閉動作は、第1のアーム427bに設けられたカム機構によって行われる。そのカム機構は、レバー部427gの先端の取り付けられたカムフォロア427mと、ベース盤426のネッククランパ427がボトル受取位置Qを含む所定の区間と第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1を含む所定の区間とにそれぞれ固定されたカム板427n(図8,図9参照)とで構成される。
ネッククランパ427は、第1のアーム427bがバネ427eの付勢方向に回動する(図8では軸427hを支点として時計回りに回動する)と、閉動作(ボトルBのネックをクランプする動作)をし、その付勢方向と逆方向に回動すると、開動作(ボトルBのクランプを解放する動作)をする。カム板427nが設けられた区間(以下、「開区間」という。)をネッククランパ427が通過するとき、カム板427nのカム面427oがカムフォロア427mに当接し、当該カム面427oがカムフォロア427mをベース盤426の外側に押し出す。すなわち、第1のアーム427bがバネ427eの付勢力に抗して軸427hを支点として反時計回りに回動し、ネッククランパ427が開状態となる。
一方、ネッククランパ427が開区間を通過すると、カム面427oのカムフォロア427mへの当接状態が解除され、カムフォロア427mはバネ427eの付勢力によってベース盤426の側面に当接するまで時計回りに回動する。これによりネッククランパ427が閉状態となる。
2つのボトル搬出用スターホイール42A,42Bは、第1のボトル供給用スターホイール42Aの凹部424がボトル受取位置Qを通過するタイミングと第2のボトル搬出用スターホイール42Bの凹部424がボトル受取位置Qを通過するタイミングが一致し、かつ、ネッククランパ427が交互にボトル受取位置Qを通過する関係となるように配設されている。第1のボトル供給用スターホイール42Aは、第1のラベル装着部2Aに対して凹部424がボトル供給位置β1を通過するタイミングと第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22が当該ボトル供給位置β1を通過するタイミングが一致するように位置合わせされている。第2のボトル供給用スターホイール42Bは、第2のラベル装着部2Bに対して凹部424がボトル供給位置β2を通過するタイミングと第2のラベル装着部2Bのボトル保持部22が当該ボトル供給位置β2を通過するタイミングが一致するように位置合わせされている。
2つのボトル搬出用スターホイール51A,51Bは、第1のボトル搬出用スターホイール51Aの凹部424がボトル引渡位置Sを通過するタイミングと第2のボトル搬出用スターホイール51Bの凹部424がボトル引渡位置Sを通過するタイミングが一致し、かつ、ネッククランパ427が交互にボトル引渡位置Sを通過する関係となるように配設されている。第1のボトル搬出用スターホイール51Aは、第1のラベル装着部2Aに対して凹部424がボトル搬出位置γ1を通過するタイミングと第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22が当該ボトル搬出位置γ1を通過するタイミングが一致するように位置合わせされている。第2のボトル搬出用スターホイール51Bは、第2のラベル装着部2Bに対して凹部424がボトル搬出位置γ2を通過するタイミングと第2のラベル装着部2Bのボトル保持部22が当該ボトル搬出位置γ2を通過するタイミングが一致するように位置合わせされている。
第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22と第1のボトル搬出用スターホイール42Aの凹部424がボトル供給位置β1を通過するタイミングを同期させるとともに、第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22と第1のボトル搬出用スターホイール51Aの凹部424がボトル搬出位置γ1を通過するタイミングを同期させるために、第1のボトル供給用スターホイール42Aと第1のボトル搬出用スターホイール51Aは、図10に示す歯車機構によって第1のラベル装着部2Aに連結されている。
同様に、第2のラベル装着部2Bのボトル保持部22と第2のボトル供給用スターホイール42Bの凹部424がボトル供給位置β2を通過するタイミングを同期させるとともに、第2のラベル装着部2Bのボトル保持部22と第2のボトル搬出用スターホイール51Bの凹部424がボトル搬出位置γ2を通過するタイミングを同期させるために、第2のボトル供給用スターホイール42Bと第2のボトル搬出用スターホイール51Bは、図10に示す歯車機構によって第2のラベル装着部2Bに連結されている。
第1のラベル装着部2Aの歯車機構は、第1のボトル供給用スターホイール42Aの回転軸に設けられた歯車G42Aを歯車G2と歯車G1によって第1のラベル装着部2Aの回転軸(以下、ラベル装着部の回転軸を「主軸」という。)に設けられた歯車G2Aに連結し、第1のボトル搬出用スターホイール51Aの回転軸に設けられた歯車G51Aを歯車G3と歯車G1によって歯車G2Aに連結した構成である。
第2のラベル装着部2Bの歯車機構は、第2のボトル供給用スターホイール42Bの回転軸に設けられた歯車G42Bを歯車G5と歯車G4によって第2のラベル装着部2Bの主軸に設けられた歯車G2Bに連結し、第2のボトル搬出用スターホイール51Bの回転軸に設けられた歯車G51Bを歯車G6と歯車G4によって歯車G2Bに連結した構成である。
歯車G1と歯車G2は、歯車G42Aと歯車G2Aの回転方向を互いに逆方向にするとともに、歯車G42Aの回転速度を調整するためのものであり、歯車G1と歯車G3は歯車G51Aと歯車G2Aの回転方向を互いに逆方向にするとともに、歯車G51Aの回転速度を調整するためのものである。同様に、歯車G4と歯車G5は、歯車G42Bと歯車G2Bの回転方向を互いに逆方向にするとともに、歯車G42Bの回転速度を調整するためのものであり、歯車G4と歯車G6は歯車G51Bと歯車G2Bの回転方向を互いに逆方向にするとともに、歯車G51Bの回転速度を調整するためのものである。
第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bは、歯車G2Aと歯車G2Bにモータ7の回転力を伝達して駆動される。従って、第1のボトル搬出用スターホイール42Aと第1のボトル搬出用スターホイール51Aは第1のラベル装着部2Aと連動して回転し、第2のボトル搬出用スターホイール42Bと第2のボトル搬出用スターホイール51Bは第2のラベル装着部2Bと連動して回転する。
モータ7と歯車G2A及び歯車G2Bとの間には、モータ7の回転力を歯車G2Aと歯車G2Bとに伝達する回転力伝達機構が設けられている。回転力伝達機構は、分配機8と、第1,第2のシャフト9A,9Bと、歯車機構G7,G8とで構成される。分配機8の入力にはモータ7のロータに接続され、分配機8の2つの出力にはそれぞれ第1のシャフト9Aと第2のシャフト9Bが接続されている。歯車機構G7は、歯車G2Aに連結されるとともに、ベルト11によって第1のシャフト9Aの先端部に連結されている。歯車機構G8は、歯車G2Bに連結されるとともに、ベルト12によって第2のシャフト9Bの先端部に連結されている。
2つのシャフト9A,9Bの中間位置にはそれぞれ第1のクラッチ10Aと第2のクラッチ10Bが設けられている。第1のクラッチ10Aはモータ7の回転力の歯車機構G7への伝達と遮断を切り換えるものであり、第2のクラッチ10Bはモータ7の回転力の歯車機構G8への伝達と遮断を切り換えるものである。
通常運転モードが設定されると、第1,第2のクラッチ10A,10Bがオンになり、モータ7の回転力は、分配機8、第1のシャフト9A、ベルト11及び歯車機構G7によって歯車G2Aに伝達され、第1のラベル装着部2Aが図10で反時計回り(点線の矢印で示す方向)に所定の速度で回転する。また、モータ7の回転力は、分配機8、第2のシャフト9B、ベルト12及び歯車機構G8によって歯車G2Bに伝達され、第2のラベル装着部2Bが図10で時計回り(点線の矢印で示す方向)に第1のラベル装着部2Aと同一の速度で回転する。
歯車G2Aに伝達された回転力は、歯車G1,G2,G3によって歯車G42Aと歯車G51Aに伝達され、第1のボトル供給用スターホイール42Aと第1のボトル搬出用スターホイール51Aが図10で時計回り(点線の矢印で示す方向)に回転する。また、歯車G2Bに伝達された回転力は、歯車G4,G5,G6によって歯車G42Bと歯車G51Bに伝達され、第2のボトル供給用スターホイール42Bと第2のボトル搬出用スターホイール51Bが図10で反時計回り(点線の矢印で示す方向)に回転する。2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bと2つのボトル搬出用スターホイール51A,51Bは同一の周速度で回転する。
シングル運転モードが設定されると、作業者によって選択されたラベル装着部に基づいて、そのラベル装着部に対応するクラッチがオンになり、モータ7の回転力が選択されたラベル装着部の主軸に伝達される。シングル運転モードの運転中にボトル排出モードに移行すると、オフになっているクラッチがオンにされ、モータ7の回転力が第1,第2のラベル装着部2A,2Bの両方の主軸に伝達される。
例えば、作業者がシングル運転モードのラベル装着部を第1のラベル装着部2Aに設定した場合、第1のクラッチ10Aがオン、第2のクラッチ10Bがオフに設定され、モータ7の回転力が歯車機構G7にだけ伝達される。モータ7の回転力は歯車機構G8に伝達されないので、第2のラベル装着部2B、第2のボトル搬出用スターホイール42B及び第2のボトル搬出用スターホイール51Bは回転をしない。シングル運転モードの運転中にボトル排出モードに移行すると、第2のクラッチ10Bがオンになり、モータ7の回転力が第2のラベル装着部2Bの主軸にも伝達され、第2のボトル搬出用スターホイール42Bと第2のボトル搬出用スターホイール51Bも回転する。
次に、ボトル供給用コンベア41とボトル搬出用コンベア52の構成について説明する。ボトル供給用コンベア41とボトル搬出用コンベア52の基本構成は同一であるので、以下では、図11を用いてボトル供給用コンベア41の構成について説明し、ボトル搬出用コンベア52については説明を省略する。
ボトル供給用コンベア41は、図11に示すように、側面視で三角形の頂点位置に配置される2個の従動プーリ411,412と1個の駆動プーリ413と、駆動プーリ413の駆動源であるモータ414と、これらのプーリ411〜413に架け渡されたコンベアベルト(トップチェーン)415と、従動プーリ411,412と駆動プーリ413との間でコンベアベルト415に張力を与える2個のプーリ416,417とによって基本的に構成される。
ボトル供給用コンベア41は、多数のボトルBを立てた状態でコンベアベルト415に載置し、コンベアベルト415を速度V1で回転移動させることによって各ボトルBを速度V1で搬送する。コンベアベルト415にはプラスチック製のカバー415aが摺動可能に設けられ、ボトルBに搬送方向と逆方向の外力が加わった場合にカバー415aがベルト上を摺動してその外力を吸収し、コンベアベルト415への負荷を軽減するようになっている。
従動プーリ411と従動プーリ412の区間がボトルBをコンベアベルト415に載置して搬送する直線状の搬送経路をなし、ボトル供給用コンベア41の先端はボトル回収ボックス6まで延びている。図11において、駆動プーリ413は時計回りに回転し、コンベアベルト415を時計回りに回転させてボトルBを左から右に搬送する。
次に、ボトル供給部4のボトル間隔を設定するためのベルト駆動機構について説明する。
本実施形態に係るボトル供給用コンベア41では、ボトル間隔を所定のボトル間隔に設定する方法として、ボトル受取位置Qの手前でボトルBの速度を上昇させる方法を採用している。
速度V1[mm/秒]の第1のボトル搬送手段とV1よりも高速の速度V2[mm/秒]の第2のボトル搬送手段とが連結されたボトルBの搬送経路において、第1のボトル搬送手段で複数のボトルBが隙間なく一列に並んだ状態で搬送されている場合、第1のボトル搬送手段におけるボトル間隔DB1はRB(ボトルBの直径)である。複数のボトルBが第1のボトル搬送手段から第2のボトル搬送手段に引き渡されると、第2のボトル搬送手段では複数のボトルBに速度差ΔV=(V2−V1)[mm/秒]に応じた隙間DSが生じる。
すなわち、第1のボトル搬送手段によってボトルBをRBだけ搬送する時間(以下、この時間を「ボトル送り時間」という。)をtB[秒]とすると、第1のボトル搬送手段におけるボトル送り時間当たりのボトルBの搬送距離DB1はV1×tB=RB、第2のボトル搬送手段におけるボトル送り時間当たりのボトルBの搬送距離DB2はV2×tBであるから、第2のボトル搬送手段ではボトル同士の間に隙間DS=V2×tB−V1×tB=V2×tB−RB=ΔV×tBが生じる。
DS=(V2−V1)×tB、tB=RB/V1より、第2のボトル搬送手段におけるボトル間隔DB2を求めると、
DB2=RB+DS=(V2/V1)×RB…(1)
となる。
従って、第1のボトル搬送手段の速度V1と第1のボトル搬送手段の速度V2との速度比(V2/V1)を制御することにより、第2のボトル搬送手段におけるボトル間隔DB2を所望のボトル間隔に制御することができる。
本実施形態に係るボトル供給部4には、図5に示すように、上記の第1のボトル搬送手段に相当するボトル供給用コンベア41に対して上記の第2のボトル搬送手段に相当するボトル供給機44と、ボトル供給機44の手前でボトル供給用コンベア41によって搬送されるボトルBの速度をV1からV2に上昇させるボトル加速機43とが設けられている。
ボトル供給機44におけるボトル間隔DB2は、運転モードによって異なり、通常運転モードの場合は、ボトル受取位置Qに供給したボトルBを交互に第1のボトル供給用スターホイール42Aと第2のボトル搬出用スターホイール42Bに受け取らせるため、第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42Bの周縁に沿うネッククランパ427の間隔DHBの1/2のサイズに設定される。一方、シングル運転モードの場合は、ボトル受取位置Qに供給したボトルBを全て第1のボトル供給用スターホイール42A若しくは第2のボトル搬出用スターホイール42Bに受け取らせるため、間隔DHBと同一のサイズに設定される。
ボトル加速機43とボトル供給機44は、ボトル供給用コンベア41の先端部の両側に配設された一対のベルト駆動機構で構成され、ボトル加速機43は、ボトル供給用コンベア41により速度V1で搬送されるボトルBに対してベルトの回転力を付与してボトルBの速度を速度V2に上昇させる。また、ボトル加速機43もボトル供給用コンベア41により速度V1で搬送されているボトルBに対してベルトの回転力を付与してボトルBを速度V2で等速搬送する。
ボトル加速機43とボトル供給機44のベルト駆動機構は、一対のベルトでボトル側面の低い部分を挟み、ベルトの回転によってボトルBを速度V1よりも速い速度でボトル受取位置Q側に搬送する構成である。
ボトル加速機43を構成する一対のベルト駆動機構は、図12に示すように、所定の間隔D1[mm]を設けて水平に配設された一対のプーリ431,432と、両プーリ431,432に架け渡されたベルト433と、両プーリ431,432を駆動する一対のモータ434,435を含む。ボトル供給機44を構成する一対のベルト駆動機構もボトル加速機43と同様に、所定の間隔D2[mm]を設けて水平に配設された一対のプーリ441,442と、両プーリ441,442に架け渡されたベルト443と、両プーリ441,442を駆動する一対のモータ444,445を含む(図5参照)。
ボトル加速機43とボトル供給機44は、ボトルBの速度がボトル供給用コンベア41による速度よりも高くなるようにベルトの回転力を付与するので、ボトル供給用コンベア41のボトル加速機43とボトル供給機44とが設けられた各区間ではボトルBはコンベアベルト415の載置面を滑りながらボトル受取位置Q側に移動する。
ボトル加速機43とボトル供給機44を構成するベルト駆動機構は、図13に示すように、ボトル側面の底面に近い位置にベルト433,443を押し当ててボトルBに駆動力を付与する構成であるので、第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42BのボトルBの胴部を保持するボトル捕捉部材423とベルト駆動機構とが高さ方向で干渉することがない。
従って、従来のスクリューコンベアを用いた場合、図25に示したように、ボトルBの胴部をスクリューコンベアSCの溝SGに嵌め込ませる構成であるため、スターホイールSHの容器保持部NKとスクリューコンベアSCが干渉するので、ボトル受取位置QにベルトコンベアBCを直接、連結することはできなかったが、本実施形態では、図5に示すように、ボトル供給用コンベア41を搬送ラインM1上でボトル受取位置Qの下側を通るように配設してボトル供給用コンベア41で搬送されるボトルBを所定の間隔DB2でボトル受取位置Qに供給することができるようになっている。
図14は、ボトル供給用コンベア41、ボトル加速機43及びボトル供給機44におけるボトルBの速度制御の基本的な考え方を示す図である。
図14(a)は、ボトル加速機43がボトル供給用コンベア41からボトルBを受け取る時の状態を示し、同図(b)は、ボトル加速機43がボトルBをボトル供給機44に引き渡す時の状態を示している。また、図14(c)は、ボトル加速機43における速度変化の波形を示している。
ボトル加速機43は、ボトル供給用コンベア41から受け取ったボトルBをプーリ431,432の間隔D1(以下、「プーリ間隔D1」という。)だけ搬送する間にボトル供給機44の速度V2と同一の速度に上昇させた後、ボトル供給機44に引き渡す。ボトル加速機43は、ボトルBをボトル供給機44に引き渡した直後にボトル供給用コンベア41から次のボトルBを受け取るため、ベルト433の速度を急減速して次のボトルBの受取時にボトル供給用コンベア41の速度V1と同一の速度に制御する。
従って、ボトル加速機43に対する速度制御の基本パターンは、図14(c)に示すように、ボトル加速機43がボトル供給用コンベア41からボトルBを受け取る時刻t0ではV1とし、その後はそのボトルBをボトル供給機44に引き渡す時刻t1でV2となるように直線的に上昇させ、ボトル加速機43がボトル供給用コンベア41から次のボトルBを受け取る時刻t2ではV1に急減速するパターンとなる。時刻t0から時刻t1までに搬送されるボトルBの距離(斜線で示す部分の面積)は、プーリ間隔D1に相当し、時刻t0から時刻t2までの時間がボトル送り時間tB[秒]に相当する。時刻t1から時刻t2の時間はボトル送り時間tBに対して可及的に短い時間に設定される。
t1=k・tB(但し、0.75<k<1.0)とし、図14(c)の速度制御パターンの斜線で示す部分の面積Sを求めると、
S=(V1+V2)・k・tB/2 …(2)
となる。(2)式とS=D1の条件より、係数kを求めると、
k=2・D1/[(V1+V2)・tB] …(3)
となる。
(3)式を0.75<k<1.0の条件式に入れると、
0.375×(V1+V2)・tB<D1<0.5×(V1+V2)・tB …(4)
のプーリ間隔D1の条件式が得られる。
通常運転モードの場合、ボトル供給用コンベア41におけるボトルBの速度V1は、V1=RB/tBで表され、ボトル供給機44におけるボトルBの速度V2は、V2=DB2/tB=(DHB/2)/tBで表されるから、(V1+V2)×tB=(RB+DHB/2)となる。2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのネッククランパ427の間隔DHBが、例えば、280.0[mm]に設定され、ボトルBの直径RBが70[mm]であるとして(4)式よりプーリ間隔D1の条件を求めると、78.8<D1<105.0となり、ボトル加速機43のプーリ間隔D1は比較的短く設定しなければならないことが分かる。
既存のプーリ431,432やベルト433やモータ434,435を用いて実際にボトル加速機43を構成すると、プーリ間隔D1は、例えば、260[mm]くらいのサイズになり、78.8<D1<105.0の条件を満たさない。
(3)式と(V1+V2)×tB=(RB+DHB/2)より、
D1=k・[(V1+V2)・tB]/2
=k・[(RB+DHB/2)]/2 …(5)
の関係式が得られるから、プーリ間隔D1を長くするためのパラメータは、係数k、ボトルBの直径RB、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのネッククランパ427の間隔DHB(すなわち、2つのラベル装着機2A,2Bのボトル保持部22の間隔DHB)となる。係数kはk<1.0であり、ボトルBの直径RBは、一般に通常の飲料容器で100[mm]を超えるものは少ないから、実質的に調整可能なパラメータは間隔DHBである。
しかしながら、V2=DHB/(2・tB)よりDHB=2・tB・V2であるから、間隔DHBを長くするということは、ボトル送り時間tBを長くする、すなわち、ラベル装着処理速度Nを下げる、ということであるから、ボトル加速機43のプーリ間隔D1のために2つのラベル装着機2A,2Bのボトル保持部22の間隔DHBを調整するにも限界がある。従って、ラベル装着処理速度Nを低下させることなく図14(c)に示す速度制御の基本パターンでボトルBの搬送速度を速度V1から速度V2に上昇させることは困難である。
そこで、本実施形態では、図15に示すように、ボトルBの速度を一旦速度V2よりも高い速度Vm(以下、「最大速度Vm」という。)に上昇させた後、プーリ間隔D1だけ搬送した時刻tbで速度V2となるように減速するパターンを採用し、このパターンで面積Sを大きくしてS=D1を満たすようにしている。
図15に示す加速制御の基本パターンは、時刻t0(=0)でボトル供給用コンベア41から速度V1のボトルBを受け取り、時刻taまで所定の加速度K1で加速してボトルBの速度を最大速度Vmまで上昇させた後、プーリ間隔D1を搬送した時刻tbでボトルBの速度が速度V2となるように所定の減速度K2で減速し、時刻t0からボトル送り時間tBが経過した時刻tcでボトル供給用コンベア41から速度V1で次のボトルBを受け取るパターンである。
図15に示す速度制御の基本パターンでは、速度Vの波形は、
0≦t≦taで、
V=K1・t+B
=(Vm-V1)・t/ta+V1 …(6)
ta≦t≦tcで、
V=K2・t+C
=(V1-V2)・t/[(1-k)・tc]+(V2-k・V1)/(1-k) …(7)
で表わされる。
図15の基本パターンでは、斜線部の面積Sがボトル加速機43のプーリ間隔D1に相当する。面積Sは、
S=(V1+Vm)・ta/2+(V2+Vm)・(tb-ta)/2
=[Vm+k・V1-(1-k)・V2]・tc/2
で表わされるから、D1=S、tc=tBの関係より、
Vm=2・D1/tB+(1−k)・V2−k・V1 …(8)
の最大速度Vmを求める式が得られる。
また、Vm=K2・ta+Cより、時刻taを求める式は、
ta=(Vm−C)/ K2
=[(1-k)・Vm-(V2-k・V1)]・tB/(V1-V2) …(9)
となる。
時刻taは、(6)式で示される直線Laと(7)式で示される直線Lbの交点で決定されるが、時刻tbを決める係数kを設定すると、直線Lbは決定されるから、時刻taは直線Laの傾き(加速度K1)によって変化する。一方、直線Laの加速度K1は、S=D1の条件で決定されるから、係数kを決定すると、直線Laの加速度K1も決定され、時刻taと最大速度Vmも決まる。(8)式と(9)式は、係数kを決定すると、時刻taと最大速度Vmが決定されることを示している。
図16は、ラベル装着装置1のラベル装着処理速度Nを高速(通常供給モードの場合、N2H=1080[本/分]、シングル供給モードの場合、N1H=540[本/分])に設定し、ボトル間隔DHB=280.0[mm]、ボトルBの直径RB=70[mm]、プーリ間隔D1=260[mm]の条件で係数kを変化させて時刻taと最大速度Vmを求めたものである。(a)は、通常供給モードの場合であり、(b)は、シングル供給モードの場合である。
(8),(9)式では、ボトル送り時間tBとボトル供給用コンベア41の速度V1が通常供給モードとシングル供給モードで異なる。通常供給モードでは、tB=60/N2H=0.05556[秒]、V1=RB×N2H/30=1260[mm]となるが、シングル供給モードでは、tB=60/N1H=0.11111[秒]、V1=RB×N1H/60=630[mm]となる。
なお、図16では、時刻ta,tbを見易くするため、最大速度Vm、時刻ta,tbの単位をそれぞれ[mm/m秒]、[m秒]にしている。以下のボトル加速機43の速度制御の説明では、[mm/m秒]、[m秒]の単位で説明する。
図16(a)によれば、0.82以下の係数kでは時刻taが負になるので、通常運転モードでは係数kを0.82よりも大きくする必要がある。係数kを0.9よりも小さく設定すると、時刻taが早すぎて直線Laの傾き(|K1|)が直線Lbの傾き(|K2|)よりも大きくなるので、本実施形態では、係数kを時刻taがボトル送り時間tBのほぼ中央となる「0.91」に設定している。係数k=0.91に設定した場合の時刻ta,tbと最高速度Vmは、ta≒27.06[m秒]、tb≒50.56[m秒]、Vm≒8.44[mm/m秒]となり、速度制御の基本パターンは図17のようになる。
図16(b)によれば、時刻taが負になることはないので、シングル供給モードでは通常供給モードの場合のように係数kに対する制約はない。従って、通常供給モードの場合と同様に係数k=0.91に設定すると、シングル供給モードの場合の時刻ta,tbと最高速度Vmは、ta≒91.52[m秒]、tb≒101.11[m秒]、Vm≒4.33[mm/m秒]となり、速度制御の基本パターンは図18のようになる。
なお、ラベル装着処理速度Nを「中速」にした場合、通常供給モードにおける時刻tB,ta,tbと最高速度Vmは、tB≒60.00[m秒]、tb≒54.60[m秒]、Vm≒7.82[mm/m秒]となり、シングル供給モードにおける時刻tB,ta,tbと最高速度Vmは、tB≒120.00[m秒]、ta≒98.84[m秒]、tb≒109.20[m秒]、Vm≒4.01[mm/m秒]となる。
また、ラベル装着処理速度Nを「低速」にした場合、通常供給モードにおける時刻tB,ta,tbと最高速度Vmは、tB≒65.22[m秒]、ta≒31.77[m秒]、tb≒59.35[m秒]、Vm≒7.19[mm/m秒]となり、シングル供給モードにおける時刻tB,ta,tbと最高速度Vmは、tB≒130.44[m秒]、ta≒107.43[m秒]、tb≒118.70[m秒]、Vm≒3.69[mm/m秒]となる。
また、シングル供給モードの係数kは、必ずしも通常供給モードの係数kと同一にする必要はなく、ボトル送り時間tBが長くなるシングル供給モードの方が通常供給モードよりも減速時間(1−k)×tBの設定範囲が広くなるので、シングル供給モードの係数kを0.94よりも小さい適当な値に設定してもよい。
次に、ラベル装着装置1の駆動系に関する電気的な構成と制御内容について説明する。図19は、ラベル装着装置1のボトル供給部4、第1,第2のラベル装着部2A,2B及びボトル搬出部5の駆動系に関する電気的な構成のブロック図である。図19において、図1,図5〜図7,図10に示す部材と同一の部材には同一の符号を付している。
第1の制御部13は、第1,第2のラベル装着部2A,2Bの駆動を制御し、第2の制御部14は、ボトル供給部4の駆動を制御する制御部である。第1の制御部13と第2の制御部14は、それぞれCPU(Central Process Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータで構成されている。第1の制御部13と第2の制御部14は相互に接続され、両制御部13,14の間でボトル搬送動作とラベル装着動作に関するデータ及び制御信号等が相互に送受されるようになっている。
第1の制御部13のROMには、低速、中速、高速の処理速度に応じたインバータIV3に対する制御値が予め記憶されている。また、第1の制御部14のROMには、2つのラベル装着部2A,2Bのボトル間隔DHB[mm]と、通常供給モードにおける低速、中速、高速の速度制御の基本パターン(図17に示す速度変化の波形を有するパターン)とシングル供給モードにおける低速、中速、高速の速度制御パターン(図18に示す速度変化の波形を有するパターン)のデータが記憶されている。
操作表示装置15は、第1の制御部13と第2の制御部14がラベル装着制御とボトル供給制御とを行うために必要なデータを作業者が設定するための入力装置と運転中のラベル装着動作の状態を示すデータや作業者によって設定されたデータを表示するための表示装置が一体化された装置である。ラベル装着装置1のラベル装着処理速度、運転モード、シングル運転モードで運転するラベル装着部、ボトルBのサイズ等のデータが作業者によって操作表示装置15から設定される。また、作業者は本運転中のラベル装着処理の状態(ラベル装着不良の発生状況や異常の発生状況等)を操作表示装置15に表示させることができる。
コンベア用モータ414は、ボトル供給用コンベア41のコンベアベルト415を回転させるモータであり、コンベア用モータ524は、ボトル搬出用コンベア52のコンベアベルト525を回転させるモータである。コンベア用モータ414,524には、インダクションモータが用いられている。インバータIV1は、コンベア用モータ414に交流電力を供給する電源であり、インバータIV2は、コンベア用モータ524に交流電力を供給する電源である。
ボトル加速用モータ434,435は、ボトル加速機43のベルト433を回転させるモータであり、ボトル供給用モータ444,445は、ボトル供給機44のベルト443を回転させるモータである。ボトル加速用モータ434,435とボトル供給用モータ444,445には、サーボモータが用いられている。サーボアンプSA1,SA2は、それぞれボトル加速用モータ434,435とボトル供給用モータ444,445の駆動を制御する制御器である。
インバータIV1,IV2とサーボアンプSA1,SA2は、第2の制御部14に接続されている。第2の制御部14は、ROMに記憶されているボトル供給制御プログラムに基づいてインバータIV1,IV2を介してコンベア用モータ414とコンベア用モータ524に供給する交流電力を制御し、これによりコンベアベルト415,525の駆動開始/駆動停止や駆動中の回転速度を制御する。
また、第2の制御部14は、ROMに記憶されているボトル供給制御プログラムに基づいてサーボアンプSA1,SA2を介してボトル加速用モータ434,435とボトル供給用モータ444,445に出力する制御値を制御し、これによりボトル加速用モータ434,435とボトル供給用モータ444,445の駆動開始/駆動停止や駆動中の回転速度を制御する。
第1の制御部13は、作業者によって操作表示装置15から運転開始の操作信号が入力されると、作業者によって設定されたラベル装着処理速度Nに基づいて運転モードとその運転モードにおける処理速度を判別し、その判別結果に基づいて第1,第2のラベル装着部2A,2Bの運転を開始するとともに、第2の制御部14にその運転モードと処理速度に応じたボトル供給モードのデータを送信し、ボトル供給部4の運転を開始させる。
例えば、ラベル装着処理速度N2Hが設定されて運転開始の操作信号が入力された場合、第1の制御部13は、ラベル装着処理速度N2Hから「通常運転モード」と「高速」を判別し、ROMからインバータIV3に対する制御値として高速用の出力電圧の制御値を読み出してRAMに設定する。また、第1の制御部13は、第2の制御部14にその判別結果のデータを送信する。また、第1の制御部13は、第1,第2のクラッチ10A,10Bの制御値として「オン」のデータをRAMに設定する。
第2の制御部14は、第1の制御部13から送信された「通常運転モード」と「高速」のデータに基づき、ROMからインバータIV1,IV2に対する制御値としてシングル供給モードの高速用の出力電圧の制御値を読み出してRAMに設定する。また、第2の制御部14は、第1の制御部13から送信された「通常運転モード」と「高速」のデータに基づき、ROMからサーボアンプAS1,SA2に対する速度制御データとして通常供給モードにおける高速の速度制御の基本パターンをそれぞれRAMに設定する。
第1の制御部13は、上記の運転開始の準備が終了すると、2つのクラッチ10A,10Bをオン状態にしてインバータIV3に高速用の出力電圧の制御値を出力する。インバータIV3は、その制御値に基づきモータ7に高速用の交流電圧を出力し、モータ7を所定の速度で回転させる。
モータ7の回転力は、分配機8、第1,第2のシャフト9A,9B、歯車機構G7,G8、歯車G2A,G2Bを介して第1,第2のラベル装着部2A,2Bの各主軸に伝達され、図21に示すように、第1のラベル装着部2Aが、反時計回りに周速度VSA=DHB/tB=280.0/55.56=5.040[mm/m秒]で回転し、第1のラベル装着部2Bが、時計回りに周速度VSB=VSA=DHB/tB=5.040[mm/m秒]で回転する。また、2つのラベル装着部2A,2Bの各主軸の回転により、第1のボトル供給用スターホイール42Aと第1のボトル搬出用スターホイール51Aが時計回りに周速度VSAで回転し、第2のボトル供給用スターホイール42Bと第2のボトル搬出用スターホイール51Bが反時計回りに周速度VSBで回転する。
一方、第2の制御部14は、上記の運転開始の準備が終了すると、インバータIV1,IV2に通常運転モードにおける高速用の出力電圧の制御値を出力する。インバータIV1,IV2は、その制御値に基づきそれぞれモータ414,524に高速用の交流電圧を出力し、モータ414,524が速度V1=RB/tB=70/55.56=1.260[mm/m秒]で回転する。これにより、ボトル供給部4のボトル供給用コンベア41とボトル搬出用コンベア52が速度V1で回転する。
また、第2の制御部14は、通常供給モードにおける「高速」の速度制御のデータに基づいてサーボアンプSA1,SA2からボトル加速用モータ434,435に速度を制御する制御データを出力させ、図20(a)に示すように、ベルト433の回転速度が図17に示した基本パターンが周期tBで繰り返される波形で周期的に変化するように、ボトル加速用モータ434,435を駆動する。
ボトル供給部4の2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bとボトル供給用コンベア41、ボトル加速機43及びボトル供給機44が、上記のように動作することにより、ボトル供給用コンベア41に供給された多数のボトルBは速度V1で搬送され、隙間なく一列に並んだ状態でボトル加速機43に供給される。ボトル加速機43は、ボトル供給用コンベア41がボトルBをボトル加速機43の入力端に送り出すタイミングTAでそのボトルBを受け取り(図14(a)参照)、その後ボトル送り時間tBが経過するまでに図17に示す速度変化のパターンでボトルBの速度を変化させ、速度V2に減速したタイミングTBでボトルBをボトル供給機44に送り出す。
ボトル供給機44は、ボトル加速機43から受け取ったボトルBを速度V2で搬送し、凡そD2/V2の時間が経過した時にボトル受取位置Qに供給する。ボトル供給機44は、タイミングTBが繰り返される毎にボトル加速機43から速度V2でボトルBを受け取るが、先に受け取ったボトルBとの間にボトル間隔DHB/2の間隔が生じるので、各ボトルBをDHB/(2・V2)=tB/2の周期でボトル受取位置Qに供給する。
一方、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bの各ネッククランパ427は、周期tB/2(=0.02778[秒])でボトル受取位置Qを交互に通過するとともに、第1のボトル供給用スターホイール42Aの各ネッククランパ427は周期tBで第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1を通過し、ボトル受取位置Q及びボトル供給位置β1で開閉動作を行う。同様に、第2のボトル搬出用スターホイール42Bの各ネッククランパ427は周期tBで第2のラベル装着部2Bのボトル供給位置β2を通過し、ボトル受取位置Q及びボトル供給位置β2で開閉動作を行う。
2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bは周速度VSA=DHB/tBで回転するから、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bの各ネッククランパ427はtB/2の周期で交互にボトル受取位置Qを通過する。従って、ボトル供給機44により周期tB/2でボトル受取位置Qに供給される各ボトルBは、第1のボトル供給用スターホイール42Aのネッククランパ427と第2のボトル搬出用スターホイール42Bのネッククランパ427によって交互に受け取られ、それぞれ第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bに搬送され、第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1と第2のラベル装着部2Bのボトル供給位置β2でそれぞれ第1のラベル装着部2Aと第2のラベル装着部2Bのボトル保持部22に引き渡される。
第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22に引き渡された各ボトルBは、支持盤21の周縁を反時計回りに回転している間にラベル装着ヘッド23により図5に示したラベル装着処理が行われ、ボトル搬出位置γ1で第1のボトル搬出用スターホイール51Aの各ネッククランパ427に受け取られ、ボトル引渡位置Sまで搬送される(図21参照)。同様に、第2のラベル装着部2Bのボトル保持部22に引き渡された各ボトルBは、支持盤21の周縁を時計回りに回転している間にラベル装着ヘッド23により図5に示したラベル装着処理が行われ、ボトル搬出位置γ2で第2のボトル搬出用スターホイール51Bの各ネッククランパ427に受け取られ、ボトル引渡位置Sまで搬送される(図21参照)。
そして、2つのボトル搬出用スターホイール51A,51Bでボトル引渡位置Sに搬送された各ラベル装着済みボトルBは、交互にボトル搬出用コンベア52に搭載され、ボトル間隔DHB/2で一列に並べて下流側の処理装置に搬送される。
ラベル装着装置1が通常運転モードで運転中に、ラベル装着不良の多発等によりラベル装着装置1を緊急停止をさせる状態が生じると、第1の制御部13は第2の制御部14にボトル供給禁止信号SEを出力してボトル供給モードを通常供給モードからボトル排出モードに移行させる。
第2の制御部14は、ボトル供給禁止信号SEが入力されると、図20(b)に示すように、そのボトル供給禁止信号SEが入力された直後のタイミングTB’でボトルBをボトル供給機44に引き渡した後、タイミングTAでボトル供給用コンベア41からボトルBを受け取ると、ボトル加速機43の速度をそのまま減速させて停止させる。そして、停止後所定の時間が経過したタイミングTCでボトル加速機43の駆動を再開する。
タイミングTCは、タイミングTB’でボトル供給機44がボトル加速機43からボトルBを受け取った後、そのボトルBを第1のボトル供給用スターホイール42Aの凹部424の間隔RBと同一の距離だけ搬送した時にボトル加速機43の速度がV1に上昇することとなるボトル加速機43の駆動開始タイミングである。
図20(b)では、ta=27.06[m秒]、k=0.91、V1=1.260[mm/m秒]、V2=2.520[mm/m秒]、Vm=8.44[mm/m秒]とすると、k1=(Vm−V1)/ta≒0.265より、タイミングTCからタイミングTAまでの時間t1はt1=1.260/265≒4.73[m秒]、タイミングTB’からタイミングTAまでの時間t2はt2=RB/V2=70/2.520≒27.78[m秒]であるから、タイミングTCは、タイミングTB’から(t2−t1)≒23.05[m秒]経過したタイミングである。
図20(b)に示すように、ボトル供給禁止信号SEが出力された直後にボトル供給用コンベア41から受け取った次のボトルBの搬送を一旦停止させ、タイミングTCでボトル加速機43の駆動を再開すると、次のボトルBから各ボトルBがボトル受取位置Qに供給されるタイミングは、通常運転モードの場合よりも凹部424の間隔RBだけ遅れることになるからネッククランパ427が設けられていない凹部424がボトル受取位置Qを通過するタイミングと同期することになる。従って、ボトル排出モードに移行すると、図23に示すように、次のボトルBより後のボトルBは、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bの第1のボトル搬送機構によってボトル受取位置Qをそのまま通過し、ボトル回収ボックス6に排出されることになる。
ラベル装着処理速度N1Hが設定されて運転開始の操作信号が入力された場合は、第1の制御部13は、ラベル装着処理速度N1Hから「シングル運転モード」と「高速」を判別し、上述したラベル装着処理速度N2Hの場合と同様の手順で運転の制御を行う。この場合は、運転モードがシングル運転モードであるので、第1,第2のラベル装着部2A,2Bのうちいずれか一方しか駆動されない点と、ボトル加速機43に適用される速度制御パターンが図18に示した速度制御パターンになる点がラベル装着処理速度N2Hの場合と異なる。
2つのラベル装着部2A,2Bの回転速度は、シングル運転モードでも通常運転モードと同一であるから、第1の制御部13のRAMに設定されるインバータIV3に対する制御値は、ラベル装着処理速度N2Hの場合と同一である。例えば、シングル運転モードでは第1のラベル装着部2Aを運転させるように設定されている場合、RAMには第1のクラッチ10Aに対して「オン」の制御値が設定され、第2のクラッチ10Bに対して「オフ」の制御値が設定される。
第2の制御部14には、第1の制御部13から「シングル運転モード」と「高速」のデータが入力されるので、第2の制御部14のRAMにはインバータIV1,IV2に対する制御値としてシングル供給モードの高速用の出力電圧の制御値が設定される。また、第2の制御部14のRAMにはサーボアンプAS1,SA2に対する速度制御データとしてシングル供給モードにおける高速の速度制御パターンがそれぞれ設定される。
シングル運転モードで運転が開始されると、モータ7の回転力は、分配機8、第1のシャフト9A、歯車機構G7及び歯車G2Aを介して第1のラベル装着部2Aの主軸にだけ伝達され、図22に示すように、第1のラベル装着部2Aたけが反時計回りに周速度VSA=DHB/tB=4240.8[mm/秒]で回転する。また、第1のラベル装着部2Aの主軸の回転により第1のボトル供給用スターホイール42Aと第1のボトル搬出用スターホイール51Aが時計回りに周速度VSAで回転する。
シングル運転モードでは、第2の制御部14は、インバータIV1,V2にシングル運転モードにおける高速用の出力電圧の制御値を出力してモータ414,524をそれぞれ速度V1’=RB/tB’で回転するが、シングル運転モードではボトル送り時間tB’が通常運転モードの場合の2倍になるので、モータ414,524は、速度V1’=70/(2×0.0556)=630[mm/秒]で回転する。これにより、ボトル供給部4のボトル供給用コンベア41とボトル搬出用コンベア52が630[mm/秒]の速度で回転する。
また、第2の制御部14は、シングル供給モードにおける高速の速度制御パターンのデータに基づいてモータ434,435の駆動を制御するので、モータ434,435は、ベルト433の回転速度が図18に示した速度の変化パターンが周期tB’=0.1111[秒]で繰り返されるように、駆動される。
従って、シングル供給モードでは、ボトル供給用コンベア41に供給された多数のボトルBは速度V1’でボトル加速機43に供給され、ボトル加速機43は、ボトル供給用コンベア41がボトルBをボトル加速機43の入力端に繰り出すタイミングTAでそのボトルBを速度V1’で受け取り、その後ボトル送り時間tB’が経過するまでに図18に示す速度の変化パターンでボトルBの速度を変化させ、速度V2に減速したタイミングTBでボトルBをボトル供給機44に送り出す。
ボトル供給機44ではボトルBの速度V2が通常運転モードと同一であるから、ボトル加速機43がボトル供給用コンベア41からボトルBを受け取る速度V1’が通常運転モードの場合の速度V1の1/2になることによってシングル運転モード時の速度比(V2/V1’)は通常運転モード時の速度比(V2/V1)の2倍になる。従って、シングル運転モードにおけるボトル供給機44でのボトル間隔DB2’は、通常運転モードにおけるボトル供給機44でのボトル間隔DB2の2倍、すなわち、DHBとなり、各ボトルBは、通常運転モードの場合の周期の2倍、すなわち、DHB/V2=tBの周期でボトル受取位置Qに供給される。
第1のボトル供給用スターホイール42Aの各ネッククランパ427は、周期tB(=0.0556[秒])でボトル受取位置Qと第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1を通過するから、ボトル供給機44により周期tBでボトル受取位置Qに供給される各ボトルBは、第1のボトル供給用スターホイール42Aのネッククランパ427によって全て受け取られ、第1のラベル装着部2Aに搬送される。そして、第1のラベル装着部2Aのボトル供給位置β1で第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22に引き渡される。
第1のラベル装着部2Aのボトル保持部22に引き渡された各ボトルBは、支持盤21の周縁を反時計回りに回転している間にラベル装着ヘッド23により図5に示したラベル装着処理が行われ、ボトル搬出位置γ1で第1のボトル搬出用スターホイール51Aの各ネッククランパ427に受け取られ、ボトル引渡位置Sまで搬送される(図22参照)。
そして、第1のボトル搬出用スターホイール51Aでボトル引渡位置Sに搬送された各ラベル装着済みボトルBは、ボトル搬出用コンベア52に搭載され、ボトル間隔DHBで一列に並べて下流側の処理装置に搬送される。
ラベル装着装置1がシングル運転モードで運転中に、ラベル装着不良の多発等により緊急停止をさせる状態が生じた場合、通常運転モードと同様にボトル排出モードに移行するが、以下の点でその処理が通常運転モードからボトル排出モードに移行した場合と異なる。
ボトル排出モードでは、ボトル受取位置Qに供給されるボトルBを2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのネッククランパ427が設けられていない凹部424によってボトル受取位置Qを通過させ、ボトル回収ボックス6に排出する処理を行うので、第1の制御部13は、第2の制御部14にボトル供給禁止信号SEを出力すると同時に、第2のクラッチ10Bをオンにして第2のラベル装着部2B、第2のボトル搬出用スターホイール42B及び第2のボトル搬出用スターホイール51Bを駆動させる。これにより、第1のラベル装着部2A、第1のボトル供給用スターホイール42A及び第1のボトル搬出用スターホイール51Aと第2のラベル装着部2B、第2のボトル搬出用スターホイール42B及び第2のボトル搬出用スターホイール51Bは、通常運転モードと同様の動作をするようになる。
第2の制御部14は、ボトル供給禁止信号SEが入力されると、通常運転モードでボトル排出モードに移行した場合と同様に、そのボトル供給禁止信号SEが入力された直後のタイミングTB’でボトルBをボトル供給機44に引き渡した後、タイミングTAでボトル供給用コンベア41からボトルBを受け取ると、ボトル加速機43の速度をそのまま減速させて一旦停止させる。
そして、停止後所定の時間が経過したタイミングTCでボトル加速機43の駆動を再開する。このタイミングTCは、通常運転モードでボトル排出モードに移行した場合と同様に、タイミングTB’から(t2−t1)≒23.05[m秒]経過したタイミングである。これは、ボトル排出モードに移行すると、第1のラベル装着部2A、第1のボトル供給用スターホイール42A及び第1のボトル搬出用スターホイール51Aと第2のラベル装着部2B、第2のボトル搬出用スターホイール42B及び第2のボトル搬出用スターホイール51Bを通常運転モードで駆動しているので、ボトル受取位置Qに供給されるボトルBのタイミングを凹部424の間隔RBを搬送する時間だけ遅らせる点が通常運転モードの場合と同じだからである。
従って、シングル運転モードでもボトル供給禁止信号SEが出力された直後にボトル供給用コンベア41から受け取った次のボトルBの搬送を一旦停止させ、タイミングTCでボトル加速機43の駆動を再開すると、次のボトルBから各ボトルBがボトル受取位置Qに供給されるタイミングは、ネッククランパ427が設けられていない凹部424がボトル受取位置Qを通過するタイミングと同期することになるので、ボトル排出モードに移行すると、図23に示すように、次のボトルBより後のボトルBは、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bの第1のボトル搬送機構によってボトル受取位置Qをそのまま通過し、ボトル回収ボックス6に排出されることになる。
以上のように、本実施形態によれば、ボトル供給用コンベア41の先端部にボトル加速機43とボトル供給機44を設け、ボトル供給用コンベア41で搬送されるボトルBに対してボトル側面の底面に近い位置でボトル加速機43によりベルトの回転力を付与してボトルBの速度をV1からV2に上昇させた後、ボトル供給機44によりベルトの回転力を付与してボトルBを速度V2でボトル受取位置Qに等速搬送するようにしているので、ボトル供給用コンベア41の先端部をボトル受取位置Qに直接配設することができる。
従って、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bと2つのラベル装着部2A,2Bをそれぞれ搬送ラインM1に対する対称位置に配設するとともに、第1のボトル供給用スターホイール42Aは搬送ラインM1上に設定されたボトル受取位置Qと第1のラベル装着部2Aに設定されたボトル供給位置β1を通り、第2のボトル供給用スターホイール42Bは同ボトル受取位置Qと第2のラベル装着部2Bに設定されたボトル供給位置β2を通るように配設した構成を有するラベル装着装置1に対して、ボトル供給用コンベア41を当該ボトル供給用コンベア41の先端部がボトル受取位置Qを通るように搬送ラインM1上に配設することができる。
これにより、ラベル装着装置1のボトル供給部4、第1,第2のラベル供給部3A,3B、第1,第2のラベル装着部2A,2B及びボトル搬出部5を搬送ラインM1に対して対称位置となるように配設することができ、ボトルBの供給ラインとラベル装着済みボトルBの搬出ラインを搬送ラインM1上に形成することができる。
また、2つのラベル装着部2A,2Bの両方を運転する通常運転モードといずれか一方を運転するシングル運転モードのいずれの場合でもボトル供給部4のボトルBの供給モードを通常運転モードに対応した通常供給モードとシングル運転モードに対応したシングル供給モードを切り換えるだけで簡単に対応することができ、運転モードに対応した異なる構成のボトル供給部4を設けて運転モードに応じてボトル供給部4を取り換える必要がない。
また、通常供給モード及びシングル供給モードにおけるボトル加速機43の速度制御の基本パターンを速度V1から速度V2よりも高い速度Vmに一旦上昇させた後減速してボトル供給機44に引き渡すタイミングTBで速度V2に設定するようにしているので、ボトル加速機43のプーリ間隔D1が比較的長い場合でも確実にボトル加速機43でボトルBの速度をV1からV2に上昇させることができる。
また、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのベース盤422の周縁部に第1のボトル搬送機構としてボトルBの直径RBの間隔で複数の凹部424が形成された歯車状のボトル捕捉部材423を設けるとともに、2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bのベース盤426の周縁部に第2のボトル搬送機構としてボトルBのネックをクランプするネッククランパ427をボトル捕捉部材423の4つ置きの凹部形成位置に設け、通常運転モード若しくはシングル運転モードで運転中にラベル装着装置1を緊急停止する事象が生じた場合は、ボトル加速機43のボトル供給モードを通常供給モード若しくはシングル供給モードからボトル排出モードに切り換え、ボトル排出モードに移行した時にボトル加速機43における速度制御の基本パターンの繰り返し周期に所定の停止期間を設けてボトル受取位置Qに供給されるボトルBのタイミングをボトル供給機44がボトルBを距離RBだけ搬送する時間だけ遅らせるようにしたので、ボトル排出モードに移行後のボトルBを全てボトル受取位置Qでネッククランパ427が設けられていない凹部424に受け取らせてボトル回収ボックス6に排出させることができる。
すなわち、ラベル装着装置1を緊急停止する事象が生じた場合、ボトル加速機43のボトル供給モードを切り換えるだけで2つのラベル装着部2A,2BにボトルBが供給されることを簡単に防止することができ、2つのラベル装着部2A,2Bを緊急停止させた場合に作業者が不必要に供給されたボトルBを除去する手間がなくなる。
上記実施形態では、ボトル受取位置QにボトルBを速度V2で等速搬送する構成としてボトル加速機43と同一構造のボトル供給機44を設けたが、ボトル供給機44に代えてボトル供給用コンベア41と同一構造のベルトコンベアで構成してもよい。
この場合は、ボトル供給用コンベア41の先端をボトル加速機43の先端までの長さにし、ボトル加速機43の先端からボトル回収ボックス6までの区間に第2のベルトコンベアを配置し、第2のベルトコンベアのコンベアベルトを速度V2で回転させる構成となる。ボトル加速機43から第2のベルトコンベアへのボトルBの乗り換えを安定して行わせるため、第2のベルトコンベアの両側の比較的低い位置にボトルBの傾倒を防止するためのガイド棒を設けると良い。
この変形例では、ボトル供給機44のボトル受取位置Qにおける2つのボトル供給用スターホイール42A,42Bと重なる部分にボトルBを速度V2で搬送するためのベルトがないので、ボトル供給部4の先端部がボトル受取位置Qに連結されるようにボトル供給部4を配置することが容易になる。
上記実施形態では、ラベル装着装置1をコンパクトに構成するために第1,第2のラベル装着機2A,2Bとボトル供給部4の3つのスターホイール42A,42B,4Cとボトル搬出部5の3つのスターホイール51A,51Bを円形にしているが、複数のボトルBを所定の間隔で周回軌道を搬送する構成であれば、円形に限定されるものではない。
上記実施形態では、ボトル捕捉部材423にボトルBの直径RBの間隔で凹部424を設けていたが、凹部424の間隔を直径RBの2倍にし、ボトル捕捉部材423を各凹部424がネッククランパ427と重複しないように支持部材425に取り付けた構成にしてもよい。この構成例では、各凹部424がボトル排出モードでボトル受取位置Qに搬送された各ボトルを捕捉し、ボトル受取位置Qを通過させてボトル回収ボックス6に排出させるだけの機能を果たす。
従って、この構成例では、第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42Bにボトル捕捉部材423がボトル排出用のボトル捕捉手段として設けられ、ネッククランパ427が第1,第2のラベル装着部2A,2Bへのボトル供給用のボトルクランプ手段として設けられることになる。一方、上記実施形態では、第1,第2のボトル供給用スターホイール42A,42Bのボトル捕捉部材423のネッククランパ427と重複していない位置の凹部424がボトル排出用のボトル捕捉手段として設けられ、上記の構成例に加えて、ネッククランパ427と重複している位置の凹部424が、当該ネッククランパ427がボトルBをクランプする際のボトル安定化用のボトル捕捉手段として設けられることになる。
上記実施形態では、本発明に係る容器供給装置(ボトル供給部4)を2つの容器処理部(第1,第2のラベル装着部2A,2B)を備える容器処理装置(ラベル装着装置1)に適用した場合について説明したが、本発明に係る容器供給装置が1つの容器装着部を備える容器処理装置に適用できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、容器処理装置としてボトルBにラベルLを装着するラベル装着装置を例に説明したが、本発明に係る容器供給装置は、容器供給装置から容器を立てた状態で受け取り、その容器に何らかの処理を施すものであれば、ラベル装着装置以外の容器処理装置に広く適用できることは言うまでもない。